◆−デジタル・スレイヤーズ!〜02編〜@−雪月花(6/1-20:00)No.15734


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15734デジタル・スレイヤーズ!〜02編〜@雪月花 6/1-20:00


第1話「次元超越!異世界の危機を救え!?」


「はー・・・・リナさん、長老さま、まだでしょーかねえ・・・・・」
「さーねー・・・・。・・・・ところでノア、あんたその台詞言うの、
今ので10回目よ」
「・・・・そーいえばそうですねー・・・・」
今のような掛け合いをリナと共に繰り広げているのは、ノア=フォークナー。
ミルガズィアの元で修行をする、竜族と人間のハーフにして、魔法戦士の
11歳の少女である。
ある事件を機にリナと出会い、リナと気の合う数少ない(笑)友人となった。
――ある時、リナの元にこんな手紙が届いた。
   ―――カタート山脈で仕事の話がある。
      そこで一足先に待っているノアと共に、森の入り口で
      待っていてほしい―――
因みにガウリィは、現在故郷で親戚の結婚式がある為に、別行動を取っていた。
ミルガズィアからお呼びが掛かる、という事件。
それは即ち、竜族の彼らがリナの力を借りなければならないような
とんでもない『何か』が起こっているかも知れない、という事に他ならない。
なのに、リナはガウリィを呼び戻さなかった。
その理由は簡単、そういう仕事は魔族が何かしらの形で関わっている場合が
充分に高い。
これまでリナは、ガウリィと出会ってから、魔族相手では彼が剣術専門、
そしてリナが呪文専門、というのが多かった。
しかし、ひょっとしたら自分一人で魔族と戦う程の腕は落ちてきているのでは
ないかと考え始め、自分一人でどこまで魔族に太刀打ち出来るのか、それを
確かめるべく、あえてガウリィを呼び戻さなかったのだ。
・・・・最も、魔法はリナに勝るとも劣らず、剣術はそれこそリナを上回る、
という強さのノアがここにいる、という事は、多分リナ一人で戦う、という
訳ではないだろうが。
そんな風にミルガズィアを待ち惚けしながら、空を仰いでいた時―――
「―――ん?」
空に、そこはかとない違和感を感じた。
一瞬、抜けるようなその青が、わずかに揺らいで見えたのだ。
(―――気のせいかしら?)
だが―――『気のせいが当たっている』という事がこれまで圧倒的に
多かった彼女は、心の中ではそう感じながらも、本能的にはその空の
異変を感じ取っていた。
そして、座り込んでいたその場から、ざっ、と立ち上がる。
「・・・・はえ?リナさん?」
隣のノアが呟いた瞬間―――
   ・・・・・ぐにゃっ!!
いきなり、空一面に『世界』が見えた!
『なっ!?』
突然のその出来事に、声を上げるリナ&ノア。
その世界は、ビルや東京タワーが見える―――所謂『現代の世界』。
そこで、レッサー・デーモンやらブラス・デーモンなどといった下級魔族が
暴れまくっていたのだ。
「な・・・・何ですかぁ、あれ!?」
「あたしに言ったってわかる訳ないでしょーが!
・・・・ん?」
ふと、その世界に映る人々の中の、ある少年少女達の姿が目に入る。
最初は、何とも言えぬ直感で、そこに視線を移した。
だが、そこにいるのがどういう人々だったのか―――。
3年の歳月の間に外見が成長しているといえど、リナはしばらく見る内に
ハッキリと理解出来た。
「・・・・太一君・・・・・達?」
そして、刹那―――
     かぁぁぁぁぁっ!!
とてつもない光量の白が、彼女達二人の視界を襲った。




『・・・・・デスペラードブラスター!』
パイルドラモンの一撃が、レッサー・デーモンを無に帰す。
「くそっ・・・・!何なんだよこいつら!」
喧騒と混乱の中、大輔はレッサー・デーモン達を見て苛立たしげに呟く。
「わかりません!・・・・・・ですが・・・・・」
―――昔―――どこかで見た覚えが―――
光子郎が、そう言葉を繋げようとした、その時。
  ぐああああっ!!
デジモン達の包囲網を掻い潜り、一匹のレッサーデーモンが大輔に迫る!
「危ない大輔君!」
だが、その時―――。
「―――光烈衝破弾(イルミネーション・ブレイク)!!」
    どがががががあっ!!
光の爆発によって、レッサー・デーモンが無に帰される。
「―――ちょっと!?あんた達大丈夫!?」
いきなり聞こえてきた声に、空を見上げると―――
大輔達は、仰天した。
そこにいたのは、自分達と同じ位の、何故か両手をこちらに突き出している
少女と、彼女を抱えて空を浮遊する、年の頃なら十七、八の栗色の髪の女性
だった。
しかし、旧・選ばれし子供達が最も驚いたのは―――
「・・・・・リナさん!?」
太一が、驚愕の声を上げる。
「!!あんた達は・・・・!!・・・・誰だっけ?」
  どがしゃあ!!
その一言で、まともにひっくり返る旧・選ばれし子供達。
「なっ・・・・!何言ってんスか俺達は・・・・!」
「なーに本気にしてんのよ、冗談だって(はぁと)」
手をパタパタ振って陽気に言うリナ。
(・・・・あんたが言うと冗談に聞こえないんだって・・・・)
言ったら後のないと思えるその一言を、旧・選ばれし子供達はポツリ、と
内心で独りごちた。
「え、えーと・・・・こちらの人達・・・・お知り合いですか?」
伊織が、リナとノアを指差し(ホントは人を指差しちゃいけません)呆然と
問い掛ける。
「あ、紹介するね!昔私達がお世話になった、リナ=インバースさん!
・・・・けどリナさん、何でこんなトコに?」
「それはこっちが聞きたい位なんだけどね・・・・・」
頭を抱えて呟くリナ。
   ぐおおおおおっ!!
その時、一同の耳に届く、レッサー・デーモン達の遠吠え!
「っと・・・・!どーやらそう談笑してる暇もないみたいね!
それじゃあ・・・・ひと暴れさせてもらいましょうか!」
かくて―――
現実世界に、攻撃呪文の雨が降った。




「・・・・さてと。一体これ、どーなってんのかしら・・・・・。
スィーフィード界(区別をつける為命名)のレッサー・デーモンやら、
おまけにあたし達がこっちの世界に飛ばされてきた事といい・・・」
リナとデジモン達が、力を合わせて(つーか手を出す暇さえなくリナが
殆ど呪文で吹っ飛ばしたが)レッサー・デーモンを全て撃破したその後。
公園に集合して、一同は事の状況を確認しようとした。
「え、えーと・・・・つまりリナさん達は・・・・。
昔、太一さん達とデジタルワールドで一時冒険して、やって来ていた魔族を
倒したん・・・・・ですか・・・・?」
流石に先程のリナの猛撃を見てビビったか、おどおどと言う大輔。
「ま、そんなトコねー。・・・・まあこんな事するよーな奴が一体誰なのか、
大体の予想はつくけどね・・・・」
「―――流石に、鋭いところは変わらないな、リナ」
刹那、ざぁぁぁっ、と風が吹き、それと同時に、白い衣を纏った一人の男性が
現れた。
「へ・・・・?あの、どちらさまで?」
「わからないか?ゲンナイだよ」
―――しばしの沈黙。
「どぇでぇぇぇぇぇ――――っ!?
あ、あの猿の干物みたいなじーさんが、こんなのに―――――っ!?」
「・・・・さ、猿の干物って、リナさん・・・・」
空が苦笑いしながら呟く。
ゲンナイは、多少こめかみ引き攣らせながらも、何とか言葉を振り絞り、
「―――今回、再び君を呼び寄せたのは他でもない。
―――リナ、君に『重破斬(ギガ・スレイブ)』を使ってもらいたいんだ」
『んあっ!?』
リナとノアが驚愕の声をハモらせる。
果たして、ゲンナイの発言の真意とは!?
後半へ続く!

オリキャラ紹介

ノア=フォークナー

ミルガズィアの弟子で、見習い中の魔法戦士だが、その能力はまだまだ
未知数。
その稀に見る『凶運』のせいで、大小様々なトラブルなどが絶えない
災難続きの少女だが、本人はそれを笑って済ませられる程に、
至って打たれ強くなっている。
こうと決めたら一直線という、素直でストレートな性格なのは
いいのだが、周りの迷惑顧みず、暴走しまくるのが玉にキズ。
また、少々オーバーアクション気味。
現実世界で暮らすようになってから、選ばれし子供達の護衛を
リナと共に任されるようになり、それからは『護衛ですから!』が
口癖になっている。
一応誰に対しても敬語を使うものの、その明るい言い回しは
伊織や光子郎のような堅さを感じさせない。