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16638 | クリスタルの惑星 | ニーニニ E-mail | 8/19-19:11 |
クリスタルの惑星:詩: これは 小さな星で語られる 銀河を超えた物語 今はなき魔法という力を信じ続けた 一人の人間の青年と 感情というものを持たなかった クリスタルの惑星の少女との 心をつくる 物語 はじめまして!ニーニニと申します。 ネットで小説を送るの初めてで、ドッキドッキしております。 スレイヤーズのカップリングではゼルアメが好きで、個人ではゼロスが好きです。 初めてでいきなり長編にチャレンジさせていただくんですが、 無事書き終えることができるかどーか、すでにキーボードを打つ手も 震えております。 こんな私ですが、一生懸命投稿させていただきたいと思ってますので、 心広き方!お暇なときにでも読んでいただければうれしいです。 ということで、まずはプロローグへどうぞ・・・ クリスタルの惑星:プロローグ: 空の色はオーロラの神秘を纏わせた七色。 大気の匂いはむせ返るような朝露を含んだ気持ちよさ。 そこには、空気も水も存在した。 クリスタルの魔石により守られる惑星、カカルディア。 ここには魔法を扱うことのできる人、クリスタル人(びと)が住む 美しい惑星だった。 いつものようにさえずる小鳥の歌声も、街で生きる人々のざわめきも。 緑ではない深い森は、多種多様に光りそこに存在していた。 それもつい先ほどまでは・・・ 「父さん!母さん!} 血相を変えて、自室から飛び出した女性は急いで両親のもとへと走った。 長い黒髪を激しく揺らして、簡素な夜着で長い廊下を疾走する。 グガア゛アアァ 喉を潰したような咆哮とともに壁をぶち破って出現した巨躯に、睨みを 向けると、 「烈閃槍(エルメキア・ランス)!!」 両腕を突き出すと同時に一喝する。 伴って発生した白い力の塊が、巨躯レッサーデーモンへと直撃。 黒い影はあっけなく後方へと卒倒した。 「グレイシア!!」 聞きなれた声が鳴り、別の通路から二人の大人が姿を現す。 呼ばれて女性グレイシアは、明かり(ライティング)に照らし出された 両親を見とめると、 「父さん!母さん!これは一体何事ですか!?」 声を荒げた。 問われて口ひげに立派な体系を持った父親フィリオネルが言葉を濁す。 「分からぬ・・じゃがこれほどのレッサーデーモンの数」 周囲を見渡して窓の外に目をやる。 外の庭では大量のレッサーデーモンが闇に紛れて蠢いている。 「恐らくは魔族の仕業じゃろう・・」 苦いものでも噛み潰したような表情で、フィリオネルが呟く。 広い殿内の廊下で押し黙った彼の袖が突如引かれ、 振り返ったフィリオネルの目に映ったのは心配そうに額を翳らす妻の顔。 「あなた、早くアメリアの部屋に・・!」 城のいたる所で鳴り響く轟音。 今彼女たちの居るのは、国の親族しか立ち入れないような奥宮である。 この建物に至るまで、城を警備する衛兵がデーモンを食い止めているだろう。 だがそれも長くは持たない。 「ふむ、急ごう!」 フィルの言葉に三人は駆け出した。 遠くで鳴り響く爆発音に、アメリアは夢の中から呼び戻された。 簡素な布のワンピース姿で、現状を確認するためベランダへと出る。 夜風が冷たく吹きすさび、少女の肩口の黒髪をそっとさらっていく。 「血の匂い・・?」 手すりに身体を預けて、訝しげに眉を寄せる。 いつもの湿気を含んだ風に混じって、血の異臭は確かに彼女の鼻腔を 掠めたのだ。 「血の匂いは嫌い?」 幼い、少年のような声音にアメリアは空を仰いだ。 子供っぽい口調は彼女のいる二階のベランダの、さらに上から聞こえたからだ。 オーロラの空をバックに浮かび上がる子供のシルエット。 紺色の髪は肩より少しながく少年の顔を覆っていた。 「あなた、誰?」 探るような瞳と声でアメリア。 それににっこり微笑んで、少年は両手を後ろに組んで見せた。 「この銀河の支配者だよ」 その時、 「アメリア!!」 扉を思いっきり開く音と同時に三人の人物が飛び込んでくる。 アメリアの良く知っている家族。 彼女の名前を叫んだのは母親の高い声色だった。 「おやおや、もう来ちゃったの?もっと姫様とお話したかったのに」 ほのめかす様に言う少年をにらみつけて、フィルは妻と娘二人を守るように 後ろ手に庇った。 「お主は一体何者じゃ!?この星を襲うとは何のつもりだ!」 フィリオネルの大音量の叱責にもひるまず、少年は小さく笑う。 「おんなじこと聞くんだね」 「父さん・・あつい、ヘルマスター・フィブリゾです」 「・・・・!!?」 少年の変わりに答えたのは、背後の実子アメリアだった。 宇宙にいくつも存在する銀河。 一つの銀河には数個の惑星が在り、その一つ一つが魔族たちの手によって 監視、支配されていた。 アメリアたちの住むここカカルディアの惑星のある銀河は、 魔王の腹心の一人、ヘルマスター・フィブリゾの支配する世界だった。 「フィブリゾ?なぜ、魔王の腹心がこの星を狙う!?」 なおも問い詰めるフィルに、フィブリゾは面白くなさそうに唇を尖らせ、 「そっちばっかり質問してズルイよ!今度は僕の番!!」 そう言って一瞬相貌を険しくする。 「大いなる混沌の魔力を秘めるクリスタルの石はどこにあるの?」 静かな口調でそう言った。 一家に緊張が走る。 沈黙を破ったのは父の一言。 「ここには、ない!」 「本当かどうか確かめてみようか」 揶揄するように手を遊ばせるフィブリゾ。 一瞬にして、彼の周囲に魔力のつぶてが生まれる。 「させん!!」 吼えて、フィリオネルが跳躍する。 怒りを込めて拳を振り上げて、しかし! 「自殺だね・・」 少年の声が鳴ったかならずか、つぶては一気にフィルに向かって突き進む。 「魔風(ディム・ウィン)」 つぶてが彼にぶつかる寸前。 横から向かいきた突風が、魔力球を四方に霧散させた。 唱えたのは、フィリオネルの妻。 だが、目標から逸れたつぶての数球が室内に非難した二人の姉妹に向かって 突き進んでいた。 「グレイシア!アメリア!!」 母親の悲痛な叫びが高鳴る。 そして、 「「防御結界!!」」 姉妹の声が重なった。二重に張られた結界は巻き起こる爆発から、二人の 術者を守る。 障害を超えたフィルはそのままフィブリゾに殴りかかるが、彼は アストラル・サイドを通って簡単によけてしまう。 「たかだか魔力を持った人間に、僕が倒せるとでも思う?」 「無理だわ・・」 そう答えたのは以外にもアメリアの母親だった。 彼女はつぶてによって壊された、元室内にやってきたフィブリゾを 睨みつつ、ゆっくりと我が子の元に歩み寄る。 少年に対峙している夫を見つめ、 「あなた・・」 何かを決心したような強い光を帯びた目で夫を見つめる。 「わしが時間を稼ぐ!」 妻の思いを理解したフィルはそれだけいうとフィブリゾに再び殴りかかった。 「母さん?」 アメリアは首を傾げる。両親のやろうとしていることが理解できないからだ。 疑問を口にしないあたり、姉は状況を理解しているのだろうか。 「アメリア、グレイシア・・」 やさしい、暖かい瞳でかわいい我が子を愛でると、両手を組む。 左手の人差し指と中指を立て、その二本を握るように右手を同じように 結んで・・。 「それは、時空転移の術?」 アメリアの呟きに、母は微笑む。 「これから行く惑星にレゾという名の人間が居るわ。彼を探して、クリスタル の石を探すの」 「母さんたちはどうするんです?」 アメリアの問いには答えず、代わりにそばにいた姉が彼女を抱きしめた。 「いいわね・・きっと生き延びて・・・」 母は懇願するように言う。 ゆっくりと姉妹を包み込む淡い光り。 気が付けば足元の床には、二人を包むように魔方陣が浮き出ていた。 姉がいっそう強く妹を抱きしめる。 「母さん!父さん!!」 叫びは最後まで届いただろうか。 次の瞬間には、姉妹の姿はクリスタルの惑星から消えていた。 その光景に驚愕の色を表すフィブリゾ。 「どこに送った!?」 殴りかかってくるフィリオネルを軽くあしらって、聞いてくる。 「アナタの手の届かない場所・・こことは違う銀河よ」 不適に微笑んで母親。 「それは困る」 小さく呟いた声は、今までとは違う殺気を多分に含んでいた。 フィブリゾは静かに右手を持ち上げると、手のひらを上に器のような 形をつくる。 「他の銀河は他の魔族の支配下だからね。急がなきゃいけないんだ」 そう言って上げた顔は汚いものでも見るような睥睨の目。 あまりの殺気に、フィルは知らずうちに妻のもとへ歩みよると その手をしっかりと握り締めた。 「すぐに終わらせてもらうよ」 呟いた少年の掌に二つの小さな珠が浮かび上がる。 金色の小さなガラス玉。 少年は楽しそうにそれを握り割った。 呆気なく砕け散る破片。 その瞬間、クリスタルの惑星から生命の息吹は消えた。 ********* まだプロローグなのにぃ、なんか無駄に長くなってしまいました。 しかも意味がわからない謎の惑星の話。 文章力はないし、恥ずかしいですぅ。 早くゼルやリナ達を登場させてあげたい!! もし、読んで下さった方! ほんとうにアリガトウございました! |
16647 | こんばんは | 一坪 E-mail | 8/20-01:12 |
記事番号16638へのコメント さっそく投稿してくれたんですね。ありがとうございます! なんか、すごい壮大なお話になりそうですねー。 今後の展開が楽しみです! じゃあ、頑張って続き書いて下さいね。 これからも、よろしくお願いします。 |
16672 | クリスタルの惑星1:魔宝石(マジックジュエル) | ニーニニ E-mail | 8/21-00:01 |
記事番号16638へのコメント こんばんわ、ニーニニです。 さっそく一話目を投稿いたします。 ペース速い?早く書かないと書かなくなりそうだから、自分。 あいかわらずの駄文でお送りします。 よろしかったらおつきあい下さい。 本文にゆく前に、応援の言葉をくれた一坪さま!ありがとうございます!! クリスタルの惑星1:魔宝石(マジックジュエル) いつからだったか・・。魔法は絶対存在するんだと、信じるようになったのは。 いつ頃だっただろう・・。魔法なんて存在しなければ良かったと思ったのは。 もう、ずっと昔の話。あのころのオレは幼かった。 幼かったから、叔父の言うことを素直に信じたんだ・・・。 「さあ!今日は結構な仕入れよ!ゼルの欲しがってた黒属性の石がたくさん 手に入ったんだから!!」 意気揚揚と声を張り上げて、赤栗色の髪の少女は力いっぱい胸を張った。 デザインのためわざに破られたティーシャツは、体系より少し小さめを選んで 着ているためか、心なしか胸を大きく見せる。 それも元が小さければさほど目立たないが・・、細身の少女は髪よりも赤い 輝くような瞳を燃え上がらせていた。 「あーあ!何よこの辛気臭い部屋!いい天気なのに、カーテンくらい開けなさい よね!!」 あからさまに嫌な顔をすると、そそくさとベランダへと進み寄る。 開け放った窓からは涼しい風と、眩しいくらいの朝日が入り込んでくる。 「石の状態が良く見えないだろうが、閉めてくれ」 低い声音は彼女が入ってきた部屋とは別の場所から聞こえた。 作為的に作られた暗室の黒いカーテンを開けて、顔を覗かせる青年。 漆黒の髪が艶やかな丹精な顔立ちは、男にしては華奢な身体つきから 女に間違われそうなほどの美容姿だ。 「なに言ってんのよ!こんな天気の日にまで、くらぁい部屋に閉じこもって 魔法の研究することないでしょッ」 「ほっとけ」 短く言い放ちながらも、彼ゼルと呼ばれた青年は素直に暗室から出てくる。 ソファに腰掛けて少女を見上げると、 「で、結構な仕入れはどんな具合なんだ?」 軽く肩をすくめた。 その言葉に少女はニッと、笑むと玄関先に置いていたビジネスバックを 持ってくる。おもむろにソファ前のテーブルに置くと、バンッと勢い良く 押し開いた。 「上玉でしょぉう?」 自慢げにほくそ笑むと、男性を夜の店に誘いこむような口調で言う。 縦横30cmはありそうなビジネスバックには、びっしりと石が敷き詰めてある。 赤や青や黄に白。色とりどりの宝石の原石。 少女が言うように、心なしか黒色系の石が多いようにも見える。 「リナ・・テクタイトはないのか?」 膨大な量の石を物色しながら青年。 その呟きに少女、リナは気を悪くしたようだった。 「無茶言わないでよね!魔法シャブラニグドゥの魔法が入った魔宝石(マジック ジュエル)なんて、そうそう手に入るわけないでしょ!!」 と、声を荒げる。 マジックジュエル、読んで字のごとく魔力の入った宝石のことである。 魔法が存在しなくなった現在、かつて魔道士たちが使った魔法の余波が石に 吸い込まれ、蓄積された宝石。魔法の力で魔族に対抗できなくなった人間は、 そういった古代の宝石に込められた魔力の力で出現する魔物と対抗している。 いっぱんに普及している武器は、魔力ガンと呼ばれ魔物と対峙するときには 通常の弾の代わりにこの魔宝石を入れて打つのだが。 「だいたいなんでそんな強力な魔宝石が欲しいわけ?」 自分もゼルに向かい合うようにソファに腰掛けたリナが、足を組んで尋ねる。 「いつか必要だからだ」 「なんじやそりゃ」 答えになってない答えで返すゼルに、リナは納得いかない様子。 だが深く追求されるのが嫌なのか、ゼルはすぐに石の注文をはじめた。 「じゃあ、とりあえず緑系の石を一通り。それと黄色系のアラゴナイトと ハニーカルサルト、サンストーンをそれぞれ五つずつ貰おう」 「回復系の買占めなんて・・旅にでも出るみたいね」 呟きながにも、そそくさと言われた魔宝石を皮袋に詰め出すリナ。 スカートのポケットから取り出した携帯用計算機でさっさと会計をはじめる。 黄色系のマジックジュエルは、主に回復や補助魔法を蓄積するものが多い。 今ゼルが注文したアラゴナイトは治療(リカバリィ)の魔法を含み、 ハニーカルサルトは明かり(ライティング)の呪文がその結晶内に含まれている。 ちなみにサンストーンは浮遊(レビテーション)の魔術。 どれも旅をするには欠かせない魔宝石の一つである。 リナからマジックジュエルを受け取りなが、代わりに金を渡してゼルは 疑問の表情を浮かべる。 「ガウリイから聞いてないのか?リナ」 「何が?」 受け取ったお金を懐にしまいながら尋ね返すリナ。 ガウリイは二人にとって共通の情報屋で、魔物退治を仕事とするゼル。魔宝石 を買い取る商売をしているリナにとっては、重要な情報源人物なのだが。 「一週間前、街外れの荒野に隕石が落ちたらしいんだ」 「隕石?」 好奇心と利益的な話に目を輝かせて、リナが先を促す。 ゼルは一つ頷くと、 「隕石といってもそれは表向きの報道で、実際には地面に巨大なクレーターと 魔方陣が出現したらしい」 「・・・・・・」 同じ情報屋を元としている仲間だから言える極秘情報。 ゼルは声量を絞るように話し、変わりにリナは沈黙した。 「街は結界で守られているが、市街地を一歩外に出れば魔物の住処だからな・・それで魔宝石を買うためにおまえを呼んだんだが・・・」 そこでずっと下を向いてしまったリナの顔を覗き込む。 「聞いてるのか? リナ」 「ふふふふふふ・・」 突然、不適な笑い声を上げて顔をあげたリナ。 その目は怒りと狂気に歪んでいる。 「そんなおいしい情報を、あたしに黙ってるとはいい度胸してんじゃない! ガウリイ!!」 こうなったら、もう誰にも止められない。 ゼルは黙って彼女の視界から姿を消す。 「許さん!ガウリイ!!」 吼えるが早いか、文字通り弾ける様に立ち上がったリナはバックを掴むと あっという間にゼルの部屋から姿を消していた。 そんな彼女を見送り一つため息をつくと、ゼルは窓へと近づく。 しばらく家を留守にするつもりで閉めていたのに勝手に開けられた窓と カーテンをきっちり閉める。 そして魔宝石を十二ダースずつ詰めた箱と短銃をしまっている上着を羽織る。 利き腕の右で取りやすいように左胸ポケットに入れた魔力ガンを取り出すと 中の弾を確認する。 火炎球(ファイヤーボール)の入ったカーネリアンに、烈閃槍(エルメキア ランス)を蓄積したマジックジュエルがびっしりと詰められてある。 彼はおもむろにそれを棚の上の一つの写真へと向けた。 銃口を向けた先には焦点の定まらない二つの笑顔。 色白の幼顔の自分と、隣で微笑む叔父の姿。 紫髪の男性は、一度も開いたことのない瞳で何に微笑んでいるのか。 ゆっくりと銃を持つ右手を下ろす。 「魔術は絶対に存在する!そうだよな・・・レゾ」 静寂の支配する部屋で、彼は一人呟いた。 |