◆−鮮血の紅 9−むくぅ(8/19-21:05)No.16639
 ┣おかえりー!−紫嵐(8/19-21:52)No.16644
 ┃┗ただいまです!−むくぅ(8/20-11:50)No.16653
 ┣鮮血の紅 10−むくぅ(8/21-12:15)No.16675
 ┃┣ますますヒート・アップっ!−のりぃ(8/21-22:23)No.16685
 ┃┃┗爆笑中につきテンションアップ中−むくぅ(8/22-12:03)No.16698
 ┃┗すいません。−紫嵐(8/22-10:10)No.16693
 ┃ ┗感想どうもっ!−むくぅ(8/22-12:14)No.16699
 ┣鮮血の紅 11−むくぅ(8/23-10:47)No.16724
 ┃┗いえ〜い。−紫嵐(8/24-10:15)No.16741
 ┃ ┗イエーァ。−むくぅ(8/24-11:15)No.16744
 ┣鮮血の紅 12−むくぅ(8/24-12:11)No.16747
 ┃┣Re:鮮血の紅 12−花姫(8/24-13:46)No.16749
 ┃┃┗魔族志望お一人様ご案内(違)−むくぅ(8/26-15:51)No.16783
 ┃┗Re:鮮血の紅 12−紫嵐(8/24-21:10)No.16759
 ┃ ┗某神官注意報(謎)−むくぅ(8/26-16:01)No.16784
 ┗鮮血の紅 終−むくぅ(8/29-21:04)NEWNo.16840
  ┣ああ゛あ゛あ゛終わってるー!!−かお(8/29-22:43)NEWNo.16842
  ┃┗やっと終わ『れ』ました(汗)−むくぅ(8/30-19:55)NEWNo.16868
  ┣あうー・・・。(謎)−花姫(8/30-13:40)NEWNo.16854
  ┃┗おぁぁぁぁぁ(さらに謎)−むくぅ(8/30-19:58)NEWNo.16869
  ┣お疲れ様でした♪−のりぃ(8/30-17:21)NEWNo.16859
  ┃┗ありがとです、姉御(ぶり返すな)−むくぅ(8/30-20:05)NEWNo.16870
  ┗Re:鮮血の紅 終−白河綜(8/30-18:34)NEWNo.16867


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16639鮮血の紅 9むくぅ 8/19-21:05


 どうもこんにちは! 皆さま一週間ぶりなのです。むくぅなのです。
 二週間とか言いましたが、実は一週間でした。
「まぁ、お詫びするのは早いほうがいいわよね」

 …………………………

「あら? ちがったの?」
 す……すいませんんっ! ちょっと前夜さんを最後のオリキャラとか言った日のことがまるで小学校の卒業式のように近からず遠からずの思ひ出に!
「いや。混乱しなくていいし。ていうか近からず遠からずなわけ?」
 私的には今でも心は小学三年生ぐらいですが。
「……アホね。あんた」
 それはともかく、今回も新しいキャラがぬけぬけと登場しましたのです。とりあえず敵意ある視線で見つめてもらえればいいかと。敵だし。名前考えていないのですし。
「さすが五秒で組み立てたキャラだけのことは……」
 言わないでくださいのですうぅうううっ!
「事実でしょーが」
 ……すいません。私が悪うございましたのです。
 それはともかく、九話をごらん下さいませ。

======================================================

 ――ことの始まりは、『犯人』――フェイトの父親である魔王竜と――母親である人間が出会うことから始まる。
 詳細は省くが、二人は恋に落ちた。
 周囲からは反対の嵐が巻き起こった――当然と言えば当然である。似たような姿かたちのエルフと人間でも、かなりの反対要素はあるのだ。ましてや生活習慣や、姿かたちからしてなにもかもが違う竜と人間などと――
 それでも二人を止めることはできず、そして――フェイトが生まれた。
 竜と人間の子――当然魔族にも注目されることになる。十歳の時に魔族に襲われた時に、二人はいよいよ心配になった。魔族に殺されるかもしれない――もしかしたら、魔族の者に引き入れられるのかもしれない。
 憂慮した二人はフェイトを守るものを探した。竜族でもエルフでも人間でもいけない――なにせ相手は魔族なのだ。
 そして、『守護者』を探し始めてから二年――つまり四年前――邪法を用いて『ヴィリシルア』が作られた。
 『ヴィリシルア』とは、フェイトが暗殺者として――自分で戦える法として身に付けていた――活動していたときの名だ。
 が――いかんせん、時が悪かった。魔王の復活によって――強烈な『魔』の波動によって刺激されたヴィリシルアは、暴走し、結果四年前の惨劇を引き起こすことになる。


「それで――ヴィリシルアは魔王が滅んだことによって正気に戻ったわ。
 けれどもちろん、死んだ両親は生き返らない――フェイトはでも、ヴィリシルアを自分の『姉』として引き取った」
「なんでそんなことをしたんだ? ビリシ――えーと、そのひとは、フェイト――ってやつにとって親の仇だろ?」
「さぁ――本人でもわかんないんじゃないの。
 その時になってみないとね――」
 絶対来てほしくないが。
 あたしは心中で呟く。体力はまだ十分あり、走りながら喋っていても支障はない。
 今度はガウリイの先導によって、一行は町の中を疾走していた――気配を追っているのだ。
 フェリアさんはその顔と色白で細い体からは想像もできないような体力を発揮していた――まぁ、それを言うならあたしもアメリアも同じようなものなのだが。
「まあ、想像ならいくらでもできるよ。
 たとえば――『親の仇』はあくまで魔王の波動を受けた『ヴィリシルア』だ。守護者であるヴィリシルアじゃないから、とか。
 ――もしかしたら、両親の死より保身が大事だったのかもしれないし、自分がヴィリシルアを倒せるそれ相応の技術を身に付けるまで生かしておきたかったのかもしれないしっ? ま、こっちは推理、って言うより私情入った邪推だけど」
「親の仇――って……フェリアさん? あなたにとってもそうだってわかってます?」
「もちろん」
 解らない、その笑顔が解らない……っ!
 あたしは走りながら頭を抱えた。
「――でも、それじゃあヴィリスがフェイトを犯人として突き出さない理由がわからないわ。
 魔道士協会につかまったからって死ぬわけじゃないだろうし……」
「僕が殺すかもしれないからじゃないかなぁ、と思う」
 フェリアさんが呟く。
「――え? な、なんでですかあっ!」
 あたしは思わず叫ぶ。フェリアさんはぴっ、と人差し指を立てると、
「四年前ね。あれ、僕も現場に居合わせてたんだよ。その時のヴィリシルアって胸なくて背も低くてさぁ。二年前会ったときはすっかり大人だったし。
 僕、ずーっとフェイトが犯人だと思ってたんだよね。行方不明だったし。
 魔道士協会が評議長の息子が犯人だった――っていう事実をもみ消したくて、合成獣(キメラ)の仕業だって言ってたんだ、ってずっと思ってた。
 このことを聞いてすっきりしたよー。ヴィリシルアが犯人だったとは思わなかったけど」
「――頼むからヴィリスは殺さないで下さいよ――」
 あたしはげんなりと呟く。
「いやそんなことはしないよ、きっと」
「きっと……」
 アメリアも絶対どー見ても疑ってる顔で、ぽつりっと呟いた。
「まぁ――ヴィリシルアとは二年も友だちだから。友情に勝てるものなしっ!」
「そうですよね! やっぱり友情は正義だわっ!」
 拳握り締めつつ叫ぶフェリアさんとアメリアから身を何となく遠ざけつつ、あたしとガウリイは、二人でこっそりとため息をついた。
 ともあれ、ヴィリスが言っていた自分の経歴などは――多分絵を描くのが好きとかいったことを除けば――『フェイト』のことなのだろう。おおむねは。
「……あの、フェリアさん、アメリア……?
 友情はともかく、今回の事件の動機っていうのは、やっぱりフィオロって女性(ひと)の仇討ちなわけ?」
「そうだろう、ってヴィリシルアさんは言ってたわ。
 でも私情で人を殺すような子供じゃないから、少しおかしいって――」
「暗殺者だって――私情を殺しきれないときはあるわ」
 呟くと、ルークとミリーナの顔が脳裏に浮かぶ。――ルークは『暗殺者』の世界からミリーナに出してもらった、と言っていた。
 ――それゆえに、そのミリーナが殺されたことに――彼は耐えられなかったのだろう。
 そう言えば――ヴィリシルアの暗殺者としての技術はどうやって覚えたのだろう。フェイトか、ヨルムンガルドか……考えても仕方のないことだが。
「それで、ゼルガディスさんはッ?」
「多分図書館ッ! この際ほっときましょうッ! どこにいるのかわかんないしっ!」
 あたしはアメリアの言葉に答えると、少しスピードを上げたガウリイに着いて走る。
 嫌な予感が、あたしの中に渦巻いていた。


(当てもないのに逃げ出すなんて、馬鹿な真似したかな……)
 ヴィリシルアは少し自分に呆れていた。馬鹿な真似、と言えばあの姫君に全部話したのも、そうだ。
(よく考えたら、さっさとハーリアにばらしとけばよかったんだよな――自分が、お前の両親を殺したって……)
 自分は壊したくなかったのかもしれない。
 ハーリアと『友だち』であるという関係を。
(だからこんなことになっちまったんだけどな!)
 屋根伝いに人の少ない場所を狙って移りながら、ヴィリシルアは毒づく。
 ――本当に、馬鹿なことをした。
 自分のために――フェイトに辛い思いをさせていた。
 が、悔やんでもしょうがない。
「――!」
 また跳ぼうとして、ヴィリシルアはいきなり方向を転換し、屋根から飛び降りた。その頭上を衝撃破が行き過ぎ、民家の壁にぶち当たって煙を舞い上げた。
 突き当たり――行き止まりである。
「誰だよ――ったく……」
 言うヴィリシルアの口元には、笑みが浮かんでいる。――相手の正体は察せられた。
「ふむ……やっぱり今のは、かわせたみたいだねぇ」
 馬鹿にしきった口調で出てきたのは、道化師(ピエロ)の姿をした青年。見た目の年のころは二十歳前後、端整な顔立ちで、体つきは中肉中背。派手な服装とメイクはセンスを疑うが――その正体はわかる。
 今の一撃、人間の聴力を軽く凌駕するヴィリシルアの聴力でも、呪文詠唱は聞こえなかった――つまり、彼は呪文詠唱などしていない――必要ないのだ。
 なぜなら彼は、人ではないのだから。
「フェイトが仇討ちなんてみょーなことしでかしたと思ったら、そそのかしたのは魔族か……」
「そそのかしたなんて言いがかりダネぇ。ボクはたいしたコトはしていない。
 そう――精神(こころ)をちょっと乗っ取ってみただけサ……」
「乗っ取る――?」
 おうむ返しに問うヴィリシルアに、芝居がかった風に、『道化師』は頷いた。
「そそのかすよかタチ悪いっての……」
 ヴィリシルアは言いながら、昨夜のことを思い出していた。
 ――自分に話しかけたフェイトに、違和感はなかったか?
(そう言えば、何か言おうとした時に慌てて逃げたような――
 今まで気がつかなかったってのかよ、私は――)
 彼女は思考をそこで止め、魔族のほうを見ながら、人ごとのように話し始める。
「獣王さんとか海王(ディープ・シー)あたりがこんなことするわけないし――やっぱ覇王(ダイナスト)の仕業か?
 それとも存在自体が『金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)』を侮辱している私が憎い、先走った馬鹿ってやつか? あんた」
「あのお方の名を気安く呼ばないでほしいナ。醜い人形風情が」
「お前は美しいとでも言うのかよ。全体的にナルシストな魔族らしいセリフかな。
 ――それともお前、アレ信奉者か? もしかして」
 デンジャーな性格の金色の魔王だが、なぜか魔族の中には彼女を盲信しているものも多い。まぁ、創造者には逆らえないと言う魔族の特性を思えば、あまり不自然でもないのだが――
 鳥肌立てつつヴィリシルアが言ったその言葉に、『道化師』はすぅいっ、と目を細める。
「あのお方を『アレ』呼ばわりするなんて――やっぱり君も消しておいた方がいいみたいダネ……」
「――私『も』……?」
 嫌な予感にヴィリシルアはぴくりっ、と片方の眉を跳ね上げた。『道化師』は張り付いたような微笑を浮かべると、
「どういうことだと思う?」
 電撃が走ったような衝撃が襲う。
 ――これ以上、悠長に話をできる忍耐力は、彼女は持ち合わせていなかった。
「貴様ッ!」
 どこからか出したナイフを構え、呪文を唱えながら跳んだときには、魔族はすでにそこにはいない。
(しまった……ッ!)
 自分としたことが、すっかり熱くなって、空間移動のことを失念していた。
 どんっ!
 わき腹を細い一条の光に貫かれ、ヴィリシルアは声の出ない悲鳴を上げると、路上に転がった。冗談のように大量の血液が、辺りにぶちまかれる。
「ホラ、やっぱり――無様だ」
 薄く張り付いたような笑みを相変わらず浮かべながら虚空から現れた『道化師』は、嘲るようにそう言うと、ふわりとその場に降り立った。
(フェイ――ト……)
 歯を食いしばり、それでも意識が薄れていくのを止めることはできない。
 目が霞むと同時に、一切の感覚が、彼女から遠ざかっていった。

======================================================

 と、いうわけでっ!
 今回五センチの鉄板を楽に貫通できる光線に貫かれて気絶中のヴィリシルアさんをお呼びしておりますっ!
「(無言でむくぅを殴りつつ)って――そぉ言えばそうだったような……
 ここどこだよっ!? 私気絶してんじゃなかったのか!?」
 俗に言う三途の川ってやつなのです。
「おいおい……私死にそうなのかよ……」
 で、三途の川ってことで、精神世界面行くのも思うがままの魔族、名無しの権兵衛『道化師』さん――
「黒炎陣(ブラスト・アッシュ)っ!」
 …………………の、精神体の一部をもらって映像だけ再構成させてもらってますのです。とある私のことをよくどつく神官さんのご協力で。
「(舌打ちしつつ)あの使いっぱか……」
 とにかく、理論は彼にも解らないらしいので質問しないで下さいのです。
「こいつむかつくよな。
 ……確かとあるキャラをモデル――というか性格まんまらしいな。これ」
 言わないで下さいのです。わかる人にはわかると思います。たぶん。
「で――私が大怪我した仕返しをとりあえずお前にしなきゃな」
 う゛っ!
 そ、それでは! 次回会えることを希望しつつむくぅなのでしたっ!
「覇王氷……あっ! こらまてっ!」
 逃走っ!

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16644おかえりー!紫嵐 8/19-21:52
記事番号16639へのコメント

> どうもこんにちは! 皆さま一週間ぶりなのです。むくぅなのです。
久しぶりです!!むくぅさん。俺はその間にとんでもない計画を立てましたよ。

> 二週間とか言いましたが、実は一週間でした。
>「まぁ、お詫びするのは早いほうがいいわよね」
> …………………………
>「あら? ちがったの?」
> す……すいませんんっ! ちょっと前夜さんを最後のオリキャラとか言った日のことがまるで小学校の卒業式のように近からず遠からずの思ひ出に!
近からず遠からず………思い出ですか……

>「いや。混乱しなくていいし。ていうか近からず遠からずなわけ?」
> 私的には今でも心は小学三年生ぐらいですが。
>「……アホね。あんた」
リナ!そんなアッサリ言っちゃダメっスよ!

> それはともかく、今回も新しいキャラがぬけぬけと登場しましたのです。とりあえず敵意ある視線で見つめてもらえればいいかと。敵だし。名前考えていないのですし。
>「さすが五秒で組み立てたキャラだけのことは……」
> 言わないでくださいのですうぅうううっ!
>「事実でしょーが」
> ……すいません。私が悪うございましたのです。
> それはともかく、九話をごらん下さいませ。
五秒でキャラが組み立ったんですか?!すごいっス…

> と、いうわけでっ!
> 今回五センチの鉄板を楽に貫通できる光線に貫かれて気絶中のヴィリシルアさんをお呼びしておりますっ!
え?!気絶って、ヴィリシルアって生きてたんスか?!(殺すな)

>「(無言でむくぅを殴りつつ)って――そぉ言えばそうだったような……
> ここどこだよっ!? 私気絶してんじゃなかったのか!?」
> 俗に言う三途の川ってやつなのです。
へ〜。スレ世界にも三途の川ってあったんスね。

>「おいおい……私死にそうなのかよ……」
> で、三途の川ってことで、精神世界面行くのも思うがままの魔族、名無しの権兵衛『道化師』さん――
>「黒炎陣(ブラスト・アッシュ)っ!」
> …………………の、精神体の一部をもらって映像だけ再構成させてもらってますのです。とある私のことをよくどつく神官さんのご協力で。
前書きの『五秒で組み立てたキャラ』って『道化師』のことっスか?
あの『後ろ姿がゴキブリ似』と『道化師』がヴィリシルアをこの場に呼んでいるんスか。

>「(舌打ちしつつ)あの使いっぱか……」
> とにかく、理論は彼にも解らないらしいので質問しないで下さいのです。
>「こいつむかつくよな。
> ……確かとあるキャラをモデル――というか性格まんまらしいな。これ」
> 言わないで下さいのです。わかる人にはわかると思います。たぶん。
>「で――私が大怪我した仕返しをとりあえずお前にしなきゃな」
> う゛っ!
> そ、それでは! 次回会えることを希望しつつむくぅなのでしたっ!
>「覇王氷……あっ! こらまてっ!」
> 逃走っ!
いやあ、毎回毎回キャラにボコされて大変スね。
………なんか前書きと後書きのコメントしかしていないような………
あ、ちゃんと鮮血の紅読んでるんで大丈夫っスよ。
ん…?あの、攻撃呪文撃たれまくりながら砂埃と奇声を上げ、走っている……むくぅさん?では、俺はまき込まれない内に逃走します!
                紫嵐でした。

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16653ただいまです!むくぅ 8/20-11:50
記事番号16644へのコメント

紫嵐さんは No.16644「おかえりー!」で書きました。

>> どうもこんにちは! 皆さま一週間ぶりなのです。むくぅなのです。
>久しぶりです!!むくぅさん。俺はその間にとんでもない計画を立てましたよ。

 リレー小説のことなのですねっ! 参加はもう〆切っちゃったみたいなのですが、絶対読ませていただきますのです!

>> 二週間とか言いましたが、実は一週間でした。
>>「まぁ、お詫びするのは早いほうがいいわよね」
>> …………………………
>>「あら? ちがったの?」
>> す……すいませんんっ! ちょっと前夜さんを最後のオリキャラとか言った日のことがまるで小学校の卒業式のように近からず遠からずの思ひ出に!
>近からず遠からず………思い出ですか……

 あの延々と座っていて声かれるまで歌いまくったあの日。
 かなりヤな思い出なのです。生まれて何回目かのスカートをはいた日でもありましたのです。

>>「いや。混乱しなくていいし。ていうか近からず遠からずなわけ?」
>> 私的には今でも心は小学三年生ぐらいですが。
>>「……アホね。あんた」
>リナ!そんなアッサリ言っちゃダメっスよ!

 おおむね事実なのですぅ……言い返せなくて辛い……

>> それはともかく、今回も新しいキャラがぬけぬけと登場しましたのです。とりあえず敵意ある視線で見つめてもらえればいいかと。敵だし。名前考えていないのですし。
>>「さすが五秒で組み立てたキャラだけのことは……」
>> 言わないでくださいのですうぅうううっ!
>>「事実でしょーが」
>> ……すいません。私が悪うございましたのです。
>> それはともかく、九話をごらん下さいませ。
>五秒でキャラが組み立ったんですか?!すごいっス…

 いや。従兄弟の家で読んだとあるマンガに載ってたキャラを性格やらをちょっと変えて出しただけですから――っていうかよく考えたら組み立てたなんぞと言うたいそーな言葉が使えるわけでもない……(汗)

>> と、いうわけでっ!
>> 今回五センチの鉄板を楽に貫通できる光線に貫かれて気絶中のヴィリシルアさんをお呼びしておりますっ!
>え?!気絶って、ヴィリシルアって生きてたんスか?!(殺すな)

 生きてましたのです。不幸なことに(なんでや)

>>「(無言でむくぅを殴りつつ)って――そぉ言えばそうだったような……
>> ここどこだよっ!? 私気絶してんじゃなかったのか!?」
>> 俗に言う三途の川ってやつなのです。
>へ〜。スレ世界にも三途の川ってあったんスね。

 混沌の海の途中らへんにきっとあるんですよっ! きっと! 世界観無視すんなというツッコミは受け付けられませんのです(汗)

>>「おいおい……私死にそうなのかよ……」
>> で、三途の川ってことで、精神世界面行くのも思うがままの魔族、名無しの権兵衛『道化師』さん――
>>「黒炎陣(ブラスト・アッシュ)っ!」
>> …………………の、精神体の一部をもらって映像だけ再構成させてもらってますのです。とある私のことをよくどつく神官さんのご協力で。
>前書きの『五秒で組み立てたキャラ』って『道化師』のことっスか?
>あの『後ろ姿がゴキブリ似』と『道化師』がヴィリシルアをこの場に呼んでいるんスか。

 行ったら呪文攻撃の応酬が待っていることは明らかでしたから、いろいろ細工に苦労しました(大嘘)

>>「で――私が大怪我した仕返しをとりあえずお前にしなきゃな」
>> う゛っ!
>> そ、それでは! 次回会えることを希望しつつむくぅなのでしたっ!
>>「覇王氷……あっ! こらまてっ!」
>> 逃走っ!
>いやあ、毎回毎回キャラにボコされて大変スね。
>………なんか前書きと後書きのコメントしかしていないような………
>あ、ちゃんと鮮血の紅読んでるんで大丈夫っスよ。

 いつも読んでくださってありがとうございますのです!

>ん…?あの、攻撃呪文撃たれまくりながら砂埃と奇声を上げ、走っている……むくぅさん?では、俺はまき込まれない内に逃走します!
>                紫嵐でした。

 奇声……せめて寄生とかになりません?(ならんっつーに)
 それではっ! 砂埃を巻き上げまくりつつ紫嵐さんを追う(巻き込む気満々)むくぅなのでしたっ! それでは追跡、開始っ!

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16675鮮血の紅 10むくぅ 8/21-12:15
記事番号16639へのコメント

 なんか最近一話一話が短いような気がする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか(どんな日だ)? どうも、むくぅなのです。
「遅ッ」
 う゛ッ。
 ……………………すいません。私が悪かったです。
「謝ってばかりよね。あんた。最近」
 誰だって命は惜しいのですし。
「じゃ、最初の行がゼルガディスだってのは、どーぞ殺してくださいってサインなわけね」
 はぁぁぁうっ!? 話の進行上リナさんばっか出すわけにはいかないのですよぉ……
「炸裂陣(ディル・ブランド)!」


 そ……それでわ……十話……よかったら見てくださいのです……

=======================================================

 ……ふぅっ……
 ゼルガディスはため息をついた。全然終わらない――頭の中に入ってこない。
 アメリアのことはもちろん、またあの少年魔族――実際は魔族ではないのだが、ゼルガディスは知らない――が来るのではないかと思うと、ろくに内容が覚えられないのだった。
(こんなことなら、評議長かヴィリシルアの家を教えてもらえばよかったな……)
 が、今さら後悔してもしょうがないのは事実だ。
 ゼルガディスはどこかで時間をつぶそうと本を戻しに立ち上がる。
 と――
《ゼルガディスさんッ!》
 自分の名前を大声で呼ぶ声がした。いや、正確には声ではない――頭の中に直接響いている。
 だが、聞き覚えのある声だ。
(この前の魔族か……? 用があるんだったら姿を見せろ!)
《ごめんなさいッ! でも今は説明してる暇なんてないんだ! 頼むから、今から僕の言うところに来て!
 姉さんを助けてッ!》
 悲痛とも言える声に、ゼルガディスは眉をひそめる。
(――どういうことだ?)
《説明している暇はないんだってばッ!》
 ゼルガディスはとりあえず本を片付けながら考える。 
 むろん、これが罠という可能性もある。――むしろ、そちらの可能性のほうが遥かに大きい。
 だが、少なくとも身内が危ないということは――信じてもいいかもしれない。――まぁ、魔族に『身内』と呼べるような人間がいるのか解らないが。
(まぁ、いい。事情は行きながら説明してもらうことにする。
 ――今度は思わせぶりな発言はなしにしてくれよ)
《ありがとう――解った。
 必ず――姉さんを助けてね……》
 ゼルガディスは頷くと、急いで図書館を飛び出した。
 そして、声――フェイトは自分が何者であるかを彼に明かすべく、語り始めた。


「気配が――消えた……?」
 ガウリイの言葉に、あたしたちは足を止めた。
「気配を消したの?」
「いや、突然消えたんじゃない。むしろ、消していた気配が一度元に戻って、それから完全に消えたような……」
 あたしの問いにガウリイは首を傾げながら答える。
 ――まさか!?
 嫌な予感がさらに増す。
「ガウリイッ! とりあえず気配が消えたとこに案内してっ!」
「解った!」
 ガウリイが先導してまた走り始めた。
 ――こんなときばかりは、魔族の空間移動能力が羨ましい。
 早く行かないと――
 あたしは嫌な予感を首を振って追い払うと、ガウリイの背中を見つめた。


(ほうっておいても、すぐに死ぬナぁ――これは)
 『道化師』は完全に見下しきった視線で倒れたヴィリシルアを見ると、くるりと踵を返す。
「やはり、力を付与されていると言っても、所詮できそこないはできそこない――我ら魔族の敵ではないと言うこと――ッ!?」
 呟きが終わらぬうちに、彼はその場を飛びのいた。灰色の影が、その場に剣をつきたてる。
「――『守護者(ガーディアン)』はヴィリシルアだけではない。
 魔王竜とて、『従弟』を魔族の餌食にするわけにはいかないし――ヴィリシルアもそうだ」
 影――ヨルムンガルドのセリフに、『道化師』は相変わらずの張り付いたような嘲笑を浮かべた顔を向けた。
「ふむ――あのフェイトを魔族の目からそらすために、そこの『人形』を生贄に設定したくせに、空々しいネ。君。
 竜って言うのはみんなそうなのかナぁ?
 君だって知ってるんだろ? 『四年前の暴走(あれ)』は魔王様の復活の影響なんかじゃあなく、魔王竜のお偉い方が『ただの暴走』を理由にフェイトを亡き者にしようとしたってことを。
 殺せなかったと解ったら、今度は『いなくなったこと』にしてしまった。
 かわいそうにネぇ二人とも。魔王竜の都合の餌食にされてサぁ」
「……………………」
 ほら答えられないじゃない――嘲りまくった口調で『道化師』は言う。派手なメイクの下に隠れているのは、負の感情を餌にする魔族の顔だ。
 ヨルムンガルドは、うつむいて、沈黙したまま、剣を構えなおす。
「……ろ――」
「え?」
 どんっ!
 聞き取れぬほどの小さな呟きに、思わず聞き返す『道化師』の、その右腕が吹き飛んだ!
「なッ……!」
 太刀筋が見えなかった。精神世界面(アストラル・サイド)からの干渉――恐らく、あの黒い剣は竜族の『工作』だろう。
「――もう一度、言ってみろ。
 腕では済まさない――まあ、どちらにしろそれだけ済ます気はないがな」
 うつむいていた面を『道化師』へとまっすぐに向け、剣の切っ先も同じ方向に向ける。ヨルムンガルドは口元に笑みを浮かべていた。
「いいの……かな? 僕に攻撃すれば、魔族は魔王竜を、ほうっては――」
「魔王竜の都合など、私には関係ないな」
「――!?」
 ヨルムンガルドの言葉に、『道化師』は驚愕に目を見開き――だが、口元に笑みを戻す。
「なる、ほど――魔王竜の群れ自体には動きがないのに、どうして君が出張ってるのか気になっていたけど――
 まさか、個人的な理由で――動いているとはね……」
 フェイトという存在自体が魔王竜にとってかなり大きい存在だったため、それは考えつかなかった。
 ――つまり――
 自分は怒らせてしまったわけだ。幾百年と生きる、この魔王竜を。
「けど、魔王竜ごときではボクは倒せない……ッ!」
 嘲笑が消えた。ヨルムンガルドは、目を細める。笑みは、揺らがない。
「そう思うか?」
「――思うサッ!」
 言って彼は虚空を渡る。この生意気な竜を滅ぼしてやろう、と。
 そして――


 ガウリイが足を止めた。
 ――どうやら、ここが終点らしい。
 あたしは彼の横に並ぶと、思わず息を呑んだ。
「ヴィリス……」
 大量の血の中に身を沈めている彼女の名を、あたしは呆然と紡いだ。この出血の量では――
「ヴィリシルアさんッ!」
 アメリアが飛び出して、ヴィリスの作った血だまりに足を踏み入れる。とぷんっ、という気持ちの悪い音がした。彼女はかまわずに血だまりに膝をつくと、ヴィリス身体を仰向けにして、傷の具合を確かめ、胸に耳を当てる。
「心臓は――動いています。でも……このままじゃあっ……」
 アメリアはフェリアさんに目配せをする。彼は頷くと、
「僕も復活(リザレクション)は使える――手伝おう」
 二人が復活(リザレクション)を詠唱し始めると同時に、あたしもヴィリシルアの横に立つ。
 と――
「夜さん……!?」
 あたしに背を向けて立ち、黒い剣を構えた、魔王竜のヨルムンガルドさん――夜さん。
「どうしてこんなところに――もしかしてあなたがヴィリスを……?」
 あたしの問いは、はっきり言って愚問だった。
 斬っ!
 彼が剣を振るったところに、『それ』は姿を現す。虚空を渡り現れるのは、世界広しと言えども――魔族しかいない。
 元はおそらく端整な顔立ちに派手なメイク、派手な服装――右腕のないその『道化師』は、その太刀をあっさりとかわした。
「ボクは来ると解っている攻撃を受けるほど甘くはないヨっ!」
「ちっ――」
 舌打ちした夜さんが、剣をそのまま自分の縦にするように横に構えた。不可視の『何か』は剣に辺り、霧散する。――恐らくヴィリスに傷を与えたのも、この『道化師』だろう。
「リナ=インバースか……なんともタイミングの悪い――」
 苦笑しながら夜さんは言う。あたしは眉を寄せると、夜さんの肩にぽんっと手を置いた。
「でもあたしたちがこなかったらヴィリスは今この隙にも死んでいたかも知れないわよ」
「……そう、だな。熱くなっていた。すまない」
「いや、れーせーに真顔で『熱くなっていた』とか言われても……」
 あたしはジト汗かきつつ呟いた。
 もしかしてこの人もミルガズィアさんと同じ人種では……?
 そんな、先ほどの嫌な予感とまた別物の感覚を味わいつつ、あたしは夜さんに意識を戻す。
 彼はこちらに背を向けたまま――視線の先には、『道化師』が立っていた。
「加勢、しましょうか?」
「ああ。頼む」
 夜さんの返事を聞くと同時に、あたしはガウリイに目配せをする。彼は頷くと、斬妖剣(ブラスト・ソード)を抜いた。
 『道化師』は笑ってないような笑いをうかべると。
「魔を滅すものたち(デモン・スレイヤーズ)――リナ=インバース、それにガウリイ=ガブリエフか――ちょうどいい……」
「邪魔者が一気に倒せて一石二鳥……ってこと? あたしをおまけ扱いしないでほしいんだけど?」
「だな」
 ガウリイが頷くと同時に、あたしは呪文を唱え始めた。
 ――魔族との戦いは久しぶりだ。魔血玉(デモン・ブラッド)なきあたしの力でどこまで戦えるのか――
 いや、違う。
 勝たなければならない。このくそたわけた『道化師』を倒して、ヴィリスに説教の一つもかましてやらないと気がすまない。
 あたしは密かに決意すると、『道化師』を睨みつけた。

======================================================

 とりあえず予告してみますのです。今から戦闘シーンやたらと多いのですっ! なんか知らないけど戦闘シーンだけで一話食ってるのですよっ!
「今までなかった鬱憤晴らすみたいだねー」
 おや。予定では出番少ないはずだったのにいつのまにか出張ってる評議長。
「まぁそれはおいておくとして――君、戦闘シーン好きなわけ?」
 いえ。自分小説読むときは読み飛ばしたりすることもありますのです。スレイヤーズは一字一句見逃さず読んでますのですが。
「――なんなの一体。それは」
 それはともかく、これであとがき終わりますのです。
「それならもう攻撃してもいいんだね。
 火炎球っ!」

 ちゅどむ。

 ……………って、なんでなのですかああぁぁっ!?
「あ。生きてた。いやぁだって、ほとんど古きよき文化となってるわけだし。今回も例に漏れず吹っ飛ばしてみようかと」
 ひどいぃいいッ! ……やっぱり逃げなきゃいけないみたいなのです。
 急いで撤退ッ!
「あっ! 待ってよっ!!」
 待ちません! それでは! むくぅなのでした!

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16685ますますヒート・アップっ!のりぃ E-mail 8/21-22:23
記事番号16675へのコメント

……どーでもいいですが、ヒート・アップって日本語訳して炎上でしょうか?
昔サンダーバードを雷鳥と言い切って弟と爆笑した私ですが(をい)
まあそんなこんなで、どうもパソの調子が悪くてネットできなくてレスも小説もサボり気味な気がする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?(待て自分)雷におびえつつのりぃなのです(パクるな)

そろそろ、ほとんどの謎が明かされてきましたね♪
フェイト君が何かものすごい気まぐれな運命の出会い(謎)の子供である以上、
魔族に狙われよーが、いきなしテレパシーが飛んでこよーが、寝てるゼルが枕にしてた本のページにこっそり自分の写真をはさもーが(しつこい)
全て「そーゆー人だから」の一括で収まりますっ!
ををっ!なんと合理的な説明っ!

ぎくっ。(背後に殺気)

ま、まあ、それはおいといて。
個人的には、今回のツボは、救難信号が飛んでるのに本をきちっともとの場所に戻すゼルと、
>「魔王竜の都合など、私には関係ないな」
と言い切ってくれた、および
> もしかしてこの人もミルガズィアさんと同じ人種では……?
何ぞと密かに思われている夜さんでした(笑)
いや、人種もなにもあなたは純粋な竜……のはずですが(汗)
しかし、ヴィリシルアの暴走が魔王のせいだというのが嘘だったとは……
ラストではどこぞで密かに魔王がまた復活してちくちくタキシード縫いだして、暴走ヴィリシルアがラスボスだと思ったのに(だから待てって)

ぎくぎくっ!(さらに殺気)

そ、そういえば、これから戦闘シーンが増えるそうですねっ!
戦闘シーンは読めるけどかけないので楽しみにしてますっ!(謎)
ではではっ!いらん事言うと人生ろくなことがないなーとか実感しつつのりぃでしたっ!
……って、このレス自体既にものすごい事になってる気もするんですが……
ごめんなさいですっ!でわ逃走ぅぅぅぅっ!……きゃああぁあぁぁあっ!?(←ドップラー効果)

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16698爆笑中につきテンションアップ中むくぅ 8/22-12:03
記事番号16685へのコメント

のりぃさんは No.16685「ますますヒート・アップっ!」で書きました。

>……どーでもいいですが、ヒート・アップって日本語訳して炎上でしょうか?
>昔サンダーバードを雷鳥と言い切って弟と爆笑した私ですが(をい)
>まあそんなこんなで、どうもパソの調子が悪くてネットできなくてレスも小説もサボり気味な気がする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?(待て自分)雷におびえつつのりぃなのです(パクるな)

 ええと。口調が取られてしまったのですが、意地でもこの口調は譲れない、むくぅなのです。雷に気をつけて下さい! しびれますので。
 サンダーバードこと雷鳥に襲われないようにも注意してください。しびれますので(そればっかりかい)
 えーと、こちらこそほんとにどうでもいいですが、私の中一のときのあだなは『雷鳥』でした。

>そろそろ、ほとんどの謎が明かされてきましたね♪
>フェイト君が何かものすごい気まぐれな運命の出会い(謎)の子供である以上、
>魔族に狙われよーが、いきなしテレパシーが飛んでこよーが、寝てるゼルが枕にしてた本のページにこっそり自分の写真をはさもーが(しつこい)
>全て「そーゆー人だから」の一括で収まりますっ!
>ををっ!なんと合理的な説明っ!
>
>ぎくっ。(背後に殺気)
>

 誰の殺気なのでしょうか? そぉいえばフェイトがどこにもいないような気が……
 枕元に写真説――理屈に困った時、ほんとにこのネタ使おうかと思いました(待て)

>ま、まあ、それはおいといて。
>個人的には、今回のツボは、救難信号が飛んでるのに本をきちっともとの場所に戻すゼルと、
>>「魔王竜の都合など、私には関係ないな」
>と言い切ってくれた、および
>> もしかしてこの人もミルガズィアさんと同じ人種では……?
>何ぞと密かに思われている夜さんでした(笑)

 そういえば……ゼルガディスさんはきっとものすっごく几帳面なのですよっ! 多分っ!
 夜さん。真面目に見えて実はすごく勝手というかヴィリシルアと従弟思いな人なのです(笑)
 魔王竜(舞おう竜と出る……)の存亡より家族が大事なのですな。きっと。

>いや、人種もなにもあなたは純粋な竜……のはずですが(汗)

 しまった。人種じゃなくて竜種とかにすればよかった(待て)……それはそれで変かもしれないのですな。

>しかし、ヴィリシルアの暴走が魔王のせいだというのが嘘だったとは……
>ラストではどこぞで密かに魔王がまた復活してちくちくタキシード縫いだして、暴走ヴィリシルアがラスボスだと思ったのに(だから待てって)
>
>ぎくぎくっ!(さらに殺気)

 あれ? ヴィリシルアもいない……?
 ……えーと、のりぃさん、素敵なネタありがとう(笑) でも墓穴掘ったらなんかすごいことになりそうです(汗)

>そ、そういえば、これから戦闘シーンが増えるそうですねっ!
>戦闘シーンは読めるけどかけないので楽しみにしてますっ!(謎)

 戦闘シーン期待の声っ! ということはもっと増やしてもいいとの神の声(違)っ!
 でもそのぶん負傷者増えたりしてあとがきとかまえがきで殴られそうなんでやめておこうと思いますのです(汗)
 なんたって今負傷予定の人だけでもひどい目に遭いそうだから(汗)

>ではではっ!いらん事言うと人生ろくなことがないなーとか実感しつつのりぃでしたっ!
>……って、このレス自体既にものすごい事になってる気もするんですが……
>ごめんなさいですっ!でわ逃走ぅぅぅぅっ!……きゃああぁあぁぁあっ!?(←ドップラー効果)

 生きてますかっ!? それではっ! 今度はのりぃさん救出とキャラ回収をかねて、のりぃさんのところにダッシュしながら、むくぅなのでしたっ! それではっ!

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16693すいません。紫嵐 E-mail 8/22-10:10
記事番号16675へのコメント

> なんか最近一話一話が短いような気がする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか(どんな日だ)? どうも、むくぅなのです。
>「遅ッ」
> う゛ッ。
> ……………………すいません。私が悪かったです。
>「謝ってばかりよね。あんた。最近」
> 誰だって命は惜しいのですし。
すいません。最近リレーやらなんやらで忙しくて、こちらにレスをするのを忘れていました。でもみましたぁ!

>「じゃ、最初の行がゼルガディスだってのは、どーぞ殺してくださいってサインなわけね」
> はぁぁぁうっ!? 話の進行上リナさんばっか出すわけにはいかないのですよぉ……
>「炸裂陣(ディル・ブランド)!」
>
> そ……それでわ……十話……よかったら見てくださいのです……
みま〜す。お体をお大事に。

> とりあえず予告してみますのです。今から戦闘シーンやたらと多いのですっ! 
なんか知らないけど戦闘シーンだけで一話食ってるのですよっ!
羨ましいです。俺、戦闘シーン苦手で…

>「今までなかった鬱憤晴らすみたいだねー」
> おや。予定では出番少ないはずだったのにいつのまにか出張ってる評議長。
出張っ・・・・哀れ、評議長。

>「まぁそれはおいておくとして――君、戦闘シーン好きなわけ?」
> いえ。自分小説読むときは読み飛ばしたりすることもありますのです。スレイヤーズは一字一句見逃さず読んでますのですが。
>「――なんなの一体。それは」
> それはともかく、これであとがき終わりますのです。
>「それならもう攻撃してもいいんだね。
> 火炎球っ!」
> ちゅどむ。
> ……………って、なんでなのですかああぁぁっ!?
>「あ。生きてた。いやぁだって、ほとんど古きよき文化となってるわけだし。今回も例に漏れず吹っ飛ばしてみようかと」
> ひどいぃいいッ! ……やっぱり逃げなきゃいけないみたいなのです。
> 急いで撤退ッ!
>「あっ! 待ってよっ!!」
> 待ちません! それでは! むくぅなのでした!
古き良き文化・・・・・・むくぅさんをいじめる事が・・・・・・
ん?・・・動物たちが逃げてる・・・・(爆音)!?!?
あ、なーんだ。むくぅさんたちですね。俺は逃げま〜ス。
(助ける気無し。だって命は惜しい)
紫嵐でした。

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16699感想どうもっ!むくぅ 8/22-12:14
記事番号16693へのコメント

紫嵐さんは No.16693「すいません。」で書きました。

>> なんか最近一話一話が短いような気がする今日この頃、いかがお過ごしでしょうか(どんな日だ)? どうも、むくぅなのです。
>すいません。最近リレーやらなんやらで忙しくて、こちらにレスをするのを忘れていました。でもみましたぁ!

 毎度感想どうもありがとうございますっ! すいませんなんてことはありません紫嵐さん! どうもっ! むくぅなのです!

>>「炸裂陣(ディル・ブランド)!」
>>
>> そ……それでわ……十話……よかったら見てくださいのです……
>みま〜す。お体をお大事に。

 大丈夫! いたって健康です! ときどき吹っ飛ばされる以外は……(汗)

>> とりあえず予告してみますのです。今から戦闘シーンやたらと多いのですっ!
>> なんか知らないけど戦闘シーンだけで一話食ってるのですよっ!

>羨ましいです。俺、戦闘シーン苦手で…

 キャラが勝手に動く……(汗) えーと、それはともかく戦闘シーンはスレ本編とか他の小説から色々引用してたりすることもあります(ああっ! 言わなければいいものをっ!)

>> おや。予定では出番少ないはずだったのにいつのまにか出張ってる評議長。
>出張っ・・・・哀れ、評議長。

 評議長頑張ってます。でも戦わない(汗) 

>>「あ。生きてた。いやぁだって、ほとんど古きよき文化となってるわけだし。今回も例に漏れず吹っ飛ばしてみようかと」
>> ひどいぃいいッ! ……やっぱり逃げなきゃいけないみたいなのです。
>> 急いで撤退ッ!
>>「あっ! 待ってよっ!!」
>> 待ちません! それでは! むくぅなのでした!
>古き良き文化・・・・・・むくぅさんをいじめる事が・・・・・・
>ん?・・・動物たちが逃げてる・・・・(爆音)!?!?
>あ、なーんだ。むくぅさんたちですね。俺は逃げま〜ス。
>(助ける気無し。だって命は惜しい)
>紫嵐でした。

 あああっ! 毎度のことだけど見捨てられたぁっ! とりあえず自力で生き延びようっ! 草食動物の麒麟に乗りつつむくぅなのでしたっ! 
 とりあえず逃走っ!

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16724鮮血の紅 11むくぅ 8/23-10:47
記事番号16639へのコメント

 えーと、話の進行上しかたがないとはいえ、なんか出番一発目が二連続でゼルガディスさんなむくぅなのです。皆さんこんにちは。
 この前歯医者に行ってきました。虫歯四本もありました。削りました。レントゲンとりました。レントゲン室から戻ってきたら口の中とった写真が印刷されてて硬直しました。明日は麻酔なしで歯を抜くそうです。
 ――いや、それはともかく。
 訂正。
 一話じゃなかったのです。
 思わせぶりの度合いでこっちの方がいいだろーなーと言うことで、こうなりましたのです。
「あんたね……予定不明なのに予告するなぁぁぁっ! 無責任でしょうがっ!」
 ……………すいません。悪かったのです。
 それでは、本編ごらん下さいのです。リナさんに吹っ飛ばされる前……(爆発音)

======================================================

「そういうことか――」
 全ての事情を聞き終えて、ゼルガディスはぽつりっ、と呟いた。
《そこを、左――これで到着だよ》
 声の言うとおりに歩を進め、行きついたのは――


「ゼルガディスさん!? なんでここに!」
「僕が案内したからさ」
 思わず呪文を中断してまでのアメリアの叫びに、答えたのはゼルガディスではなかった。
 金の髪に――紅い瞳。倒れて顔色も蒼白なヴィリシルアと、とてもよく似た少年――『フェイト』。視線はアメリアでもゼルガディスでもなく――ヴィリシルアに注がれている。
「あなた――が?」
「姉さんを死なせたくないから、だよ。アメリアさん――僕も、手伝う」
 フェイトはアメリアの横にひざまずいた。
「――全部、魔族のせい――だったんだな。
 陳腐だが、『弟』思いのヴィリシルアと、下手に動けない魔王竜たちを欺くには十分すぎる手だ」
「どういうことですか、ゼルガディスさん!」
「つまり――だ。全部、あのリナたちと戦っているピエロ野郎の仕業ってわけだ。
 あいつは神官・将軍級とはいかないまでも、まあまあの強さの魔族らしい。
 ――特技を持っていてな、相手の精神を一時的に乗っ取る、と言う能力だ。むろん、平常な相手の精神を乗っ取るのは難しい。
 そこで、――フィオロの死、と言うわけだ」
「ってことはその人を殺したのは、あの魔族――?」
 アメリアは『道化師』の方に目を向けた。ゼルガディスは首を横に振ると、
「いや、殺したのは町のごろつきらしい。たんなる強盗だな。それで、邪教集団の仕業に見せかけたらしいな……
 フェイトは竜と人間のハーフは、もともと精神状態が不安定なんだそうだ。
 さらに乗っ取りやすくしたのが、偶然起こったフィオロの死――と言うわけだな。
 あとは適当に邪教集団のやつらを殺させて、隙を見せたらヴィリシルアを葬ろうとしていたらしい――なんともご苦労なことだがな」
 彼は肩をすくめると、自分も参戦しようと歩を進めた。
(つまり、ヴィリシルアさんは――ハメられてこんな怪我を……?)
 アメリアは呪文を唱える声に力をこめた。
(そんなのひどい――許せないじゃない……!)
 仰向けに横たえられたヴィリシルアは、まだ目を覚まさない。
 三人の重ねがけでもだめとは――
 彼女のうちに、暗く重い不安がのしかかり始めていた。


「はぁあああっ!」
 ガウリイが気合いとともに『道化師』に斬りつける。それをあっさり避けると、その姿がぶれる。
 ――空間移動か!
 あたしは反射的に後ろを見やり、ヨルムンガルドさんも辺りを警戒する。
「どこを見ているのかナ!」
 嘲りの声は頭上から聞こえた。
 上を見ずにあたしは横に跳ぶ。そこを一条の光が通り過ぎていった。
 ――あ、アブねえ。
 そこでほっと胸をなでおろしたあたしは甘かった。
 どごっ!
 足元にもう一撃。あたしは思わず上を見る。
 ――げげっ!
 あたしは心中でうめく。どうやら狙って一撃一撃攻撃を仕掛けるのではなく、ランダムに多数の光線を放って先に動きを止めようと言う魂胆らしい。
 ――あたしはもろにその策にはまってしまった。
 そう確信したとき、視界いっぱいに光が広がって――
 あたしはマントを引っ張られ、夜さんの結界の中に入っていた。右手で防御しつつ、左手であたしを引っ張ったらしい。視線は上を見ているのに、器用なことである。
「痛ぁ――あれ? ゼルガディス」
 夜さんの結界は広範囲に張られているらしく、少し離れたゼルガディスの頭上で、光線が何筋かはじかれて霧散した。ガウリイの周りも同じような状況で、アメリアたちのほうは、金髪の少年――恐らく彼がフェイトだろう――防御結界を張っていた。
「来た途端にこんなプレゼントとはな――ご苦労なことだ」
「どうしてここに?」
「フェイトに案内されてな。『姉』を助けてほしいそうだ」
「なるほど……」
 あたしは必死の表情で結界を張っている少年の方を見て、苦笑した。その足元には、彼にそっくりな顔のヴィリシルアが倒れている。助かるか否かは、アメリアたちと――そして、ヴィリス自身ににかかっていた。
「――つまり、アレを倒せば全部が終わる――ってことか」
 あたしは『道化師』を睨みつける。
 『道化師』はこの作戦はもう意味がないと知ると、また虚空を渡る。今度はガウリイの背後。
 が、これは最悪の選択だ。ガウリイは片足を軸にして振り返りながら斬妖剣(ブラスト・ソード)を振り回す。が、『道化師』は剣の間合いより少し離れていたので、その一撃は衝撃波を相殺するだけにとどまっていた。
 ――さすがに、中級魔族なんかとは格が違うか――
 あたしは歯噛みすると、再度呪文を唱え始めた。
 今度は夜さんが、空間移動しないうちに剣を振るう。『道化師』はこれも避け、ふんわりと地面に着地した。そこにゼルが紅く光る剣を構え突っ込むが、また空間移動。
 ――きりがないっ!
 このままでは、体力を消耗しているこちらがやがて、負ける。
「空間移動がなければ――」
「だけど、それでは本体を叩けない――」
 ゼルの呟きに、あたしは『道化師』を睨みつけながら言った。
 ――むろん、竜破斬を使えばダメージぐらいは与えられようが、ンなもの町の中で使う気は全くおきない。
 ……どうする……ッ!?
 焦り始めているのは、あたしだけではないだろう。
 あたしは、ちらりっとアメリアたちの方に視線を向ける。――ヴィリスは、まだ目を覚ましていない。
 ――最悪、このまま全滅、なんて――
 ぞくりっ、と背筋に悪寒が走った。
 あたしは嫌な考えを振り払い、道化師に視線を戻した。


 ――自分が死にそうになったのは、これが最初ではない。
 そう――あの時も魔族にフェイトが襲われて、自分はそれを庇って――その魔族は結局ヨルムンガルドが倒したのだ。
 結局、なにもできなかった、と感じたとき、とても悔しかったのを覚えている。
 今回は――自分がただ熱くなって、勝手に怪我をしただけだ。
 ――これじゃあ、守護者、失格……かな――
「…………う…………」
 ヴィリシルアは、戻ってきた全身の感覚にうめいた。目を開くと、目の前に泣きそうな黒髪の少女の顔が見えた。
(アメリア――姫……?)
 彼女はこちらに向かって何か呟いている。――だが、聴力がまだ戻っていないのだから意味がない。喋るな、と言おうとして上げた手を、誰かが掴む。こちらも泣きそうな表情で、それでも口元には笑みが浮かんでいる。両手で、血まみれの自分の手を包み込むようにして額に当てていた。茶髪の女性――いや、青年――ハーリアだ。
「どー――して、二人ともここにいるんだ?」
「ガウリイさんが、君の気配を追ってここまで――今はリナさん、ガウリイさんと――あとよくわかんない合成獣の人と、ヨルムンガルドが戦ってる」
「そ――か。すまない。勝手なことして――迷惑かけてた」
 ――鉄の味がする。真似て作った『人形』だとしても、ちゃんと血液は流れているのだ。
「まったく馬鹿なことして――さっさと言ってくれれば良かったのに……
 友情に勝るものなんてないんだよ?」
「――だな……」
 ヴィリスはハーリアの言葉に笑みを浮かべた。
 なんとか起き上がると、貧血で頭がぐらりと揺らぎ、目の前が一瞬真っ暗になる。
「戦闘に加わるつもりだろうけど、まだ寝ていたほうがいいよ。今フェイトが大変だから」
 こちらの頭を押さえつけつつのハーリアのことばに、ヴィリシルアは眉をひそめた。
「どういうことだ……? まさかあいつも怪我を?」
「怪我よりも――かなりタチが悪いです」
 アメリアは視線を後に移す。彼女もつられて視線を移し――
「っちゃー……確かに、タチ悪いわ、こりゃあ――」
 ヴィリシルアは無理やり起き上がって座り込むと、額を押さえた。


 ぎんっ!
 フェイトの放ったナイフを、ガウリイが剣ではじいた!
 こういう手でくるかっ――
 あたしは呪文を唱えつつ、フェイトとの間合いをはかる。
 ――状況は、最悪だった。
 フェイトが『道化師』の術にかかって、あたしたちに攻撃してきたのである。
 後ろから背を刺された夜さんは、今は自分で回復しているが――あたしたちは、時間が経つにつれてどんどん不利になっていく。
 フェイトは今まで精神を乗っ取られて人殺しを続けてきたのだ。魔族は人間の体の都合など気にしないから、下手をすればフェイトの身体が壊れてしまうことにもなりかねない。
 時間制限つきで人質にとられているも同然だ。
「眠り(スリーピング)ッ!」
 あたしは呪文を解き放つが、フェイトは眠る様子はない。
 ――ダメもとでやってみたが、やっぱりだめか……
 彼は今『精神』と『体』を同時に乗っ取られている――いわば傀儡の術の強化版である。
 加えて、『眠り(スリーピング)』は精神に何らかの影響がなされているもの――興奮状態にある人間には効かない、という弱点がある。
 どうやら、ヴィリシルアは目を覚ましたらしい――と言っても、あれだけ血を吐き出していれば、参戦は望めない。
 ――ならば、どうするか――
「リナッ!」
 ガウリイの叫びに我に返り、あたしは自分に向かう殺気を知覚する。
 投擲されたナイフが、あたしの喉に向かって、正確に投げられていた。
 ――しまった!
 よけきれるタイミングではない。
 ガウリイの絶望的な表情が、皮肉にもそれを伝えていた。――フェイトの何も映さないような眼差しも同様に。
 あたしは反射的に左手で喉を庇う。それくらいしか出来そうになかった。
 ――どしゅっ。
 てのひらを異物がつきぬける、嫌な音。
 そして、激痛。
「………ぐ、ぅっ!」
 幸い――というべきか、ナイフは喉を食い破る直前で止まっている。あたしは飛び出しそうな絶叫を押さえ込み、うめく。
 ……手を犠牲にしていなければ今ごろ死んでいたのだが、それでも痛いことには変わりない。
「リナ……ッ!」
 ガウリイがあたしに気を取られたその瞬間、フェイトはナイフを取りだし斬りつける!
 が、彼はそこのところは素人ではない。小さいナイフの腹を器用に殴って軌道を逸らすと、フェイトの腹を蹴り、あたしに駆け寄った。
「大丈夫か!? リナ!」
「大丈夫よッ……」
 あたしは強がりを言った。確かにめちゃくちゃ痛いが、今はそれどころではない。
「それよりもフェイトとピエロ野郎の方お願いッ!」
 ガウリイは一瞬逡巡すると、やがてこっくりと頷いた。
「――解った。だけど、無理するなよっ!」
 踵を返し、小さく咳き込みながらもナイフを構えているフェイトに向かって走り出す。
 ――まずいな――
 先ほども言ったとおり、フェイトの身体はかなり酷使されているようである。これ以上戦闘を続けると、あたしたちだけでなくフェイト自身も危ない。
 ガウリイは少し身体の動きが鈍ったフェイトの首筋に手刀を叩きこむ。さすがにこれは身体の制御を維持することが難しかったらしく、くたりっ、と脱力する。ガウリイはとりあえずナイフを取り上げると、腕を捻り上げた。
「――あーあ。やっぱりこれぐらいじゃァ『魔を滅すものたち(デモン・スレイヤーズ)』を倒すのは無理みたいだネぇ……」
 ふわりっ、と虚空から現れる『道化師』。と同時に、フェイトから完全に力が抜ける。――どうやら、限界をだいぶ前に超していたらしい。あたしは『道化師』を睨みつけた。呪文を中断させることはできないが――最低だ、と大声で言ってやりたかった。
 と――
「人の心をもてあそぶ魔族よっ!
 もうあなたの好きにはさせないわっ!
 このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが天国のフェイトさんに代わってあなたを討つッ!」
「フェイト――死んでないんだけどな……」
 塀の上でバランスを取ってびしぃっ! と『道化師』指さすアメリアに、ヴィリスがふらふら立ち上がりながらぼそりっ、とツッコミ入れていた。
「ヴィリス、あんた退いといて。怪我人は今は足手まといにしかならないから」
「大丈夫だって」
 あたしの少々きついとも言えるセリフに、彼女は血まみれで傷だらけのの口元に、にんまり笑みを浮かべると、
「友情に勝るものはないらしいからな」
「その通りよっ!」
 塀の上で力むアメリア。
 ……おーい、あんまし叫ぶとバランス崩すぞー……
「なんとも……力の抜ける援軍ね……」
 あたしはヴィリスに向かって苦笑した。彼女はこちらの視線に気づくと、ぐっ、と親指を立てた。
「大丈夫。フェイトに怪我させたやつはみんなひどい目に遭ってる。私がやったりヘビがやったりあいつ本人が仕返ししてるからな」
「……俺もひどい目に遭うんかなー……」
 ガウリイはフェイトを抱え上げたまま、苦笑した。
「あんたはフェイトのこと見てて。
 あたしたちはとりあえず、あいつぶっ飛ばすわよ!」
「覚悟なさい魔族っ!」
「――まぁ、助けてくれと言われたしな、フェイトに」
 アメリアと、ゼルガディスとが、思い思いに呟くと、一様に『道化師』を睨んだ。
「さて――そう、上手くいくかナ……?」
 あたしたちの意気込みを、全て否定するように、闇に生きる『道化師』は、死神の如く不気味に笑った。

======================================================

 話を書いてる勢いで、予定外のことになるときがあります。
 ヴィリシルアさん、よく生きてたなあ。
「死ぬ予定だったわけっ!?」
 いえ。怪我するのが予定外。あれもこれも飛び入り参加のピエロさんのせいなので正義の怒りははそっちに向けましょう。アメリアさん。
「……都合いいわよね。ほんとにあなた。
 そういえば、わたし今回あとがき初登場みたいね」
 あー。そういえばそうなのですねえ……
「ガウリイさんも出てなかったけど」
 あの人が出てきてもあんまりまともなあとがきできそうにないのです。
「まぁいいわ。リナさんからわたし言われててね。次の話をもっと早く書くように言っとけって」
 う゛っ!?
「……………………」
 ………………………………そ。
 それではこれであとがきを終わりますっ! 皆さんまたお会いしましょうっ!
 逃げろおぉぉおおっ!
「あっ! 待ちなさい! 覇王氷河陣!」
 ひぃぃいいいいっ!?
 そ、それではっ! むくぅなのでしたぁぁぁっ!

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16741いえ〜い。紫嵐 E-mail 8/24-10:15
記事番号16724へのコメント

> えーと、話の進行上しかたがないとはいえ、なんか出番一発目が二連続でゼルガディスさんなむくぅなのです。皆さんこんにちは。
こんにちわ。むくぅさん。紫嵐です。

> この前歯医者に行ってきました。虫歯四本もありました。削りました。レントゲンとりました。レントゲン室から戻ってきたら口の中とった写真が印刷されてて硬直しました。明日は麻酔なしで歯を抜くそうです。
それは痛そうっスね。

> ――いや、それはともかく。
> 訂正。
> 一話じゃなかったのです。
> 思わせぶりの度合いでこっちの方がいいだろーなーと言うことで、こうなりましたのです。
そーなんですか。

>「あんたね……予定不明なのに予告するなぁぁぁっ! 無責任でしょうがっ!」
> ……………すいません。悪かったのです。
> それでは、本編ごらん下さいのです。リナさんに吹っ飛ばされる前……(爆発音)
あ〜。俺も予告しているのに、全然書いてない・・・・・・・ヤバ!!


> 話を書いてる勢いで、予定外のことになるときがあります。
ほうほう。

> ヴィリシルアさん、よく生きてたなあ。
ゑ゛?!

>「死ぬ予定だったわけっ!?」
> いえ。怪我するのが予定外。あれもこれも飛び入り参加のピエロさんのせいなので正義の怒りははそっちに向けましょう。アメリアさん。
怪我するの予定外だったんスか!?

>「……都合いいわよね。ほんとにあなた。
> そういえば、わたし今回あとがき初登場みたいね」
> あー。そういえばそうなのですねえ……
あ、やっとアメリア嬢が!!わーい!!

>「ガウリイさんも出てなかったけど」
> あの人が出てきてもあんまりまともなあとがきできそうにないのです。
確かに。アイツが出てきた、『え?なんだっけ?』で終わりそう(汗)

>「まぁいいわ。リナさんからわたし言われててね。次の話をもっと早く書くように言っとけって」
> う゛っ!?
>「……………………」
> ………………………………そ。
> それではこれであとがきを終わりますっ! 皆さんまたお会いしましょうっ!
> 逃げろおぉぉおおっ!
>「あっ! 待ちなさい! 覇王氷河陣!」
> ひぃぃいいいいっ!?
> そ、それではっ! むくぅなのでしたぁぁぁっ!
毎度ながらむくぅさん無事かなぁ?
こっちのスタジオ(?!)にはリナをお呼びしています。
「火炎球(ファイヤー・ボール)!!」
ぅわあああああ!!
イキナリ何すんだよ!!
「アンタ…あたしのシリアス話はどうしたのよ!!」
あ、まだ書いてねぇけど、取合えずネタは出来て…
ち、ちぃっと待て!!話せば……話せば解る!!
「問答無用!!暴爆呪(ブラスト・ボム)!!」
うわたたたたたたた!!!!
「ちぃぃぃ!!あの爆発から逃げるとは…だてにLilyって人にやられてるわけじゃないか…しゃーない。あたしにめちゃくちゃ痛い怪我を作らせたあいつに仕返しをしに行くか」
(リナ、空を飛び、むくぅさんの元に向かう)
と言う訳なので、頑張って生きて帰ってきてください!

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16744イエーァ。むくぅ 8/24-11:15
記事番号16741へのコメント

紫嵐さんは No.16741「いえ〜い。」で書きました。

>> えーと、話の進行上しかたがないとはいえ、なんか出番一発目が二連続でゼルガディスさんなむくぅなのです。皆さんこんにちは。
>こんにちわ。むくぅさん。紫嵐です。

 こんにちは。むくぅなのです。紫嵐さん。

>> この前歯医者に行ってきました。虫歯四本もありました。削りました。レントゲンとりました。レントゲン室から戻ってきたら口の中とった写真が印刷されてて硬直しました。明日は麻酔なしで歯を抜くそうです。
>それは痛そうっスね。

 痛そうなのです。三時からなそうなので、抜いてからこれ書いたほうが良かったかもしれないのですね。

>> 訂正。
>> 一話じゃなかったのです。
>> 思わせぶりの度合いでこっちの方がいいだろーなーと言うことで、こうなりましたのです。
>そーなんですか。

 そーなんです。本当はヴィリシルアが目を覚まして、『たち悪い』の会話が終わったところで切るつもりだったんですが、短いのでこうなりました。

>>「あんたね……予定不明なのに予告するなぁぁぁっ! 無責任でしょうがっ!」
>> ……………すいません。悪かったのです。
>> それでは、本編ごらん下さいのです。リナさんに吹っ飛ばされる前……(爆発音)
>あ〜。俺も予告しているのに、全然書いてない・・・・・・・ヤバ!!

 キャラに吹っ飛ばされないようにご注意ください。

>> 話を書いてる勢いで、予定外のことになるときがあります。
>ほうほう。
>> ヴィリシルアさん、よく生きてたなあ。
>ゑ゛?!

 ゑ゛!? ゑ゛って……ちょっと驚きましたのです。うーん。

>>「死ぬ予定だったわけっ!?」
>> いえ。怪我するのが予定外。あれもこれも飛び入り参加のピエロさんのせいなので正義の怒りははそっちに向けましょう。アメリアさん。
>怪我するの予定外だったんスか!?

 予定外。当初の予定では怪我をするのはリナ、ゼル、そしてフェイトのみでした。

>>「……都合いいわよね。ほんとにあなた。
>> そういえば、わたし今回あとがき初登場みたいね」
>> あー。そういえばそうなのですねえ……
>あ、やっとアメリア嬢が!!わーい!!

 うちのアメリアはあんまし正義貫いてないなぁ、と思う今日この頃なのです(関係なし)

>>「ガウリイさんも出てなかったけど」
>> あの人が出てきてもあんまりまともなあとがきできそうにないのです。
>確かに。アイツが出てきた、『え?なんだっけ?』で終わりそう(汗)

 せめてリナが怪我したことぐらいは覚えていてほしい、と切に願う今日この頃なのです(汗)

>> 逃げろおぉぉおおっ!
>>「あっ! 待ちなさい! 覇王氷河陣!」
>> ひぃぃいいいいっ!?
>> そ、それではっ! むくぅなのでしたぁぁぁっ!

>毎度ながらむくぅさん無事かなぁ?
>こっちのスタジオ(?!)にはリナをお呼びしています。
>「火炎球(ファイヤー・ボール)!!」
>ぅわあああああ!!
>イキナリ何すんだよ!!
>「アンタ…あたしのシリアス話はどうしたのよ!!」
>あ、まだ書いてねぇけど、取合えずネタは出来て…
>ち、ちぃっと待て!!話せば……話せば解る!!
>「問答無用!!暴爆呪(ブラスト・ボム)!!」
>うわたたたたたたた!!!!
>「ちぃぃぃ!!あの爆発から逃げるとは…だてにLilyって人にやられてるわけじゃないか…しゃーない。あたしにめちゃくちゃ痛い怪我を作らせたあいつに仕返しをしに行くか」
>(リナ、空を飛び、むくぅさんの元に向かう)
>と言う訳なので、頑張って生きて帰ってきてください!

 暴爆呪(ブラスト・ボム)を避けるとは……紫嵐さん、あなた、やりますね(そこか)?
 えーと、とりあえずここにリナさんがいますのです。
「ううっ! むくぅをふっ飛ばしたいけどあのピエロがいるから近づきたくないいいいいっ!」
 嫌われてますのですねー。道化師さん。ていうかなんでここにいるのか……?
「脅迫だヨ♪」
 あ、そぉかぁー。作者を脅迫すればストーリー展開思いのまま……
 ちょっと待ってくださいのですうぅぅっ!? それは反則っ!
「反則だろーがなんだろーが、僕は死にたくないし」
 って、おりょ? リナさんが唱えているのは……

 ――我と汝が力もて
   等しく滅びを与えんことを!

「竜破斬(ドラグ・スレイブ)っ!」


 (しばらくお待ちください)


 …………え……と、避けられませんでした。私には当然あの呪文を包丁で切るとゆー真似はできませんっ……(不覚)
 えー、これで終わらせていただきます。死にかけむくぅなのでした。向こうの方で道化師が逃げてったのを見つつ終わります。
 それではっ!

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16747鮮血の紅 12むくぅ 8/24-12:11
記事番号16639へのコメント

 微妙だ――二話食ってるには食ってるけど、途中で終わってるっ!
 ま、いっかのむくぅなのです。どうも。
 歯はまだ抜いてません。
 えーと。それでは時間もあんまりないのでリナさんが来るまでに十二話どうぞなのです。

=====================================================

「覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)ッ!」
 あたしの呪文が『道化師』を包む。が、しかし、これはあっさり避けられた。雷撃が消え去るそのあとは、何もおらず、地面が少々焦げただけだ。
「はっ!」
 ガウリイがフェイトを持ったまま、器用に剣を逆手に持ち、自分の背後を突く。『道化師』はその切っ先に現れて、今度はかわしきれずに左肩をさっくりと切り裂いた。
「ッ――!」
『崩霊裂(ラ・ティルト)ッ!』
 『道化師』が顔をしかめ、ガウリイが飛びのくと同時に、ゼルガディスとアメリアの呪文が炸裂する。
「ぐぅうっ!」 
 これはさすがに効いたか、『道化師』は低くうめいた。
 蒼い火柱が消えた後には――もう何も残ってはいない。
「やった!?」
 アメリアの声に、
「――なんてネ」
 と、いうふざけた声が、あたしの背後から聞こえた。
 ――トカゲの尻尾切りかっ!?
 あたしは自分の背後を慌てて見やるが、そこにはすでに魔族はいない。
「うぁっ!?」
 困惑するあたしの背後に、強い衝撃が襲った。前のめりに吹き飛ばされて、思わず叫び声を上げる。
 ずべっ! というかなり情けない音とともに、あたしは顔面から地面につっこんだ。
 い……痛いっ! かなり痛いっ!
 涙が出そうになりながらも、体勢を立て直す。『道化師』はちょうどこちらに向かって光を放つところだった。あたしは呪文を唱えつつ、横に跳ぶ。
 ――視界から魔族が消えた。
 リナは慌てて身をひねった。その一瞬あと、人体を軽く貫く無色の光が虚空を焼く。視線を移せば『道化師』はかすかに舌打ちして、また消えた。
「――本体全部引きずり出せりゃいいんだけどな……」
「こんな中の上ぐらいの――いえ、下手したら上の下並みの魔族、全部引きずり出したらどのぐらいのでかさになるか……」
「いやだなー。アレが指先だったりして」
「嫌な形の指先ね」
 ヴィリスと雑談しながら間合いを計ると、魔族がかなり険悪な瞳でこちらを見つめる。
「あれま。怒らせちゃった……かな?」
 ヴィリスは苦笑しつつ呟いて、そのまま横に飛ぶ。その背後から迫ってきた光線は、先ほどまでヴィリスがいた空間を正確に貫き、地面を焦がす。
 自分の方にも頭上から光が二、三条。あたしも何とかこれをかわす。
 ――体勢が崩れた。
「あぁもぉっ! なんであたしだけピンチになってんのよーっ!」
「でかい怪我がないだけピンチの方がしだ――ろっ!」
 あたしが叫びながら倒れこむと、その目の前に光が広がる。が、ヴィリスが軽口を叩きつつ放った投擲ナイフが、光を相殺し、溶けた鉄が石畳に垂れる。
 そして――
「……え?」
 あたしは思わず声を上げた。
 どんっ。
 それは本当に――机を軽く叩いたような、本当に小さな音だったので、しばし――『それ』が原因だとわからなかった。
 だが、確実にその音を原因にして――『道化師』の右半身が、いとも簡単に消えうせた。まぁ、元々右腕は切り裂かれていたのだが。
「な――ッ!?」
 『道化師』の驚きは、その攻撃自体についてのものではなかった。
 ――その攻撃を行った人物――人間ではないが――人物が問題だったのだ。
「ゼロス様……!?」
「どうもこんにちは。すいませんねえ。こちらも事情が変わったものですから」
 突如虚空から現れた獣神官に、『道化師』は驚愕の瞳を向ける。半分になった顔で、それでも魔族は滅びなかった。
「事情……?」
「あなたは知らなくてもいいことです。
 そうですね――このまま退いていただければ、僕にとっても、あなたにとってもいいことだと思うのですが……どうします?」
 『道化師』はあたしと、ヴィリス、ゼロスを順々に見ると――やがて虚空を渡り、消える。
「――どういうことよ! ゼロス! まさかあたしに事情説明しないで逃げるつもりじゃないでしょうね!」
 あたしは宙に浮かんだままのゼロスを見上げ、叫んだ。ゼロスはこちらを見ると、ゆっくりと降りてくる。そして、あたしの瞳を見て、言った。
「ええ。そのつもりですけど?」
 当然のように言ってくる獣神官に、あたしはゼロスの胸倉掴み上げ、
「あんたねぇっ! こちとら手のひら怪我してんのよ手のひらっ! あいつのせぇでっ!
 それなのに逃がしちゃってえええっ! なに考えてんのよ!」
「あのまま戦ってて勝てる自信ありました?」
 あたしはすこしジト汗たらしつつ、思わずゼロスから身を離したが、それでも自信ありげに胸を張ると、
「ンなもん根性で何とかしたわよッ!」
「根性もいいですけど、事情については秘密ですから」
「私からも、事情の説明を要求する」
 灰色の服に血の彩りをべっとりつけた夜さんが、意外としっかりした口調で言った。
「恐らく、フェイトとヴィリシルアについてだろう。身内の私にも聞く権利がある」
 ゼロスは夜さんのほうに顔を向ける。顔には、相変わらず底の知れない笑みが浮かんでいる。
「――頭のいい方には好意をもてます。恐らくあなたはこちらの『事情』についても大方の見当はついているのでしょうね。
 いいですよ。話しましょう。その代わり、僕たち魔族の行動に今後手出し無用と言うことで――」
「嫌」
 …………………………
 かなりの即答だったので、ゼロスばかりでなくあたしやゼルガディス、アメリアなどもコケた。
「だあぁああっ! 子供のわがままかっ! あんたわっ!」
 あたしのツッコミに、彼は意味もなく頷いて、
「冗談だ。ともあれ、それとこれとは話が別。それだったら魔族の内情をリナ=インバースたちにあることないことばら撒くだけだが……」
「あああああっ! それだけは止めてください! わかりましたっ! 無条件でお話ししますっ!」
「……ヘビ、お前……意外とすごかったんだな……」
 慌て出すゼロスと夜さんを交互に見つつ、ヴィリスが失礼なことをぽつりっ、と呟いた。


「――えーと、つまり、フェイトとヴィリスを、魔族に引き入れたい、と?」
 ちょっとかたっくるしい口調で言ったゼロスの話を噛み砕いて言って、あたしはぽりょぽりょと頬をかいた。
「まぁ――そういうことです。なにぶん、人材不足ですから。リナさんも魔王様の欠片を二体倒してさえいなければ、その手のスカウトが言ったはずなんですけど……魔王様にずいぶん気に入られてますからねぇ。リナさんは――別の意味で。
 まぁ、そもそも人材不足はリナさんのせいですからね」
 ……………悪かったな。
 ていうかあんたら魔族だろ――なのに人材って……?
「冗談じゃないよっ!」
 つい先ほど目を覚ました傷だらけフェイトが、拳握り締めつつ叫ぶ。
「魔族になると身体が腐るって姉さんが言ってたし! ヤだよ僕っ!」
「そんなことありませんっ! ――っていうかそんなこと教えてたんですかヴィリシルアさんはっ!?」
「いやぁ……」
 何故そこで照れる。ヴィリスよ。
「でも腐りそうね。確かに」
「確かに魔族は精神体だからな。それまで精神が拠り所としていた肉体を捨てるわけだし、腐るのも当ぜ――」
「あああああああっ! アメリアさんとゼルガディスさんまでなに言ってるんですかぁ……
 大体魔族に引き入れると言っても契約を結ぶだけですし、そんなに大したことでは……」
「それでもじゅーぶん大したことよね」
「契約切れた途端ジジイになるのはいやだなぁ」
 泣きそうな顔で言うゼロスに、あたしとガウリイがさらに追い討ちをかけた。
「……そぉやっていつもいつも僕ら魔族のイメージを、むやみやたらに悪くするんですからリナさんたちはぁ……」
「とにかく、魔族に入るのはごめんだってことだ。帰れ♪」
 泣きじゃくるゼロスを清々しいほどににこやかな顔で見ながら、ヴィリスが言う。はっきり言ってこれは怖い。先ほどまで血だまりできるほど血を出していただけあって顔にも血がついているし、髪の毛にも血がついている。
 ……夜に会ったら、あたしは迷わず逃げ出すぞ。これは。
「と・に・か・くっ! フェイトくん、身体腐るなんてそんなの嘘ですから忘れてくださいねっ! ね!?」
「えー。でも……」
 かなりすばやく立ち直り、ぽんぽんっ! とフェイトの肩を叩くゼロスに、彼は顔をしかめつつ言う。
「いいじゃん。事実だし」
「嘘ですってばぁぁぁぁぁぁっ!」
「ねー。やっぱり腐るんだよね?」
「……獣王様……助けて……」
 ぼーぜんと呟くゼロスを見て、あたしはため息をついた。
 ……ついさっきまで戦っていたのが幻のようである。
 実際、幻にしたいような気もするがそれは置いといて。
 中途半端ではあるのだが――どうやら事件は終わったようだった。

 ………………ちなみに。
 このあと、フェリアさんのとりなしで、犯罪の証拠をつかんでいた邪教集団の本部に鬱憤晴らしに乗り込み、壊滅させ、おたからの一部を頂いたことを明記しておく。

=====================================================

 怪我治ったばかりなのでしょうがあんたらーっ! いいのかーっ!? 特にヴィリシルアさんと夜さんとフェイトさんッ!
「パニくらないで下さい」
 あ。なんだか色々裏でたくらんでそーな雰囲気だったくせに実のところ大したことはたくらんでいなかったゼロスさん。
「………………(無表情で沈黙)」
 しかも大人気ないんですよね。仲間に加えるつもりだったくせにヴィリシルアさんのこと思いっきり馬鹿にしてたし。
「あの段階では特にまだなにも命令は出されてなかったんですっ! そもそも今回あの程度――でもないですけど、とにかくそのことで出てきたのは、ぐーぜん僕があの町にいたからですし! 遊びにきただけだったのに! 休暇だったのに!」
 それで暇つぶしにヴィリシルアさんいぢめ。暗いのです。
「あなただって思いっきり最初の予定から外れてるじゃないですか! 僕のことを馬鹿にするのは、ちゃんと全部書いてからにしなさいっ!」
 ……………………………
 逃げます。
 それではっ! 次回で最終回の予定っ! なんとか一命を取り留めた道化師さんはちなみにもう出てこない予定っ! でも勢いで出てくるかもしれませんのです!
 それでは! むくぅなのでしたっ!
「待ちなさいっ! 僕のことを散々言っておいて逃げるなんて卑怯ですよっ!」
 魔族が言わないで下さいっ!
 ではっ! 逃走っ!

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16749Re:鮮血の紅 12花姫 8/24-13:46
記事番号16747へのコメント

花姫です。
最近レスするの忘れてました・・・。すみません。

夜さんすごい!!
あのゼロス様の口をああも簡単にわらせるとはっ!!
それにしてもゼロス様ってば・・・人材が足りないのなら私に言ってくださればいいのに・・・。(←待て)
たとえこの身が腐ろーともあなたのためならよろこんで魔族にならせていただきますっ!!
あ・・・すみません・・・。ちょっと興奮ぎみでして・・・。(汗)
聞き流してくださいな・・・。

次回で終わりですか!?
このお話好きだったのですが・・・。(涙)
次回、きっと読ませていただきますからっ!!
しかし・・・レスといえるんでしょうか・・・これ・・・。

とにもかくにも、それではっ!!



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16783魔族志望お一人様ご案内(違)むくぅ 8/26-15:51
記事番号16749へのコメント

花姫さんは No.16749「Re:鮮血の紅 12」で書きました。

>花姫です。
>最近レスするの忘れてました・・・。すみません。

 どうも花姫さん。むくぅなのです。レスをくれるだけで嬉しいので、謝らないでくださいぃいい(汗)

>夜さんすごい!!
>あのゼロス様の口をああも簡単にわらせるとはっ!!
>それにしてもゼロス様ってば・・・人材が足りないのなら私に言ってくださればいいのに・・・。(←待て)
>たとえこの身が腐ろーともあなたのためならよろこんで魔族にならせていただきますっ!!

『はい、魔族志望の方ですね? ではこの書類に記入して、三番の窓口に……(違)』
 ちなみに受付は獣王様とか海王様とか……

>あ・・・すみません・・・。ちょっと興奮ぎみでして・・・。(汗)
>聞き流してくださいな・・・。

 すいません。私も興奮気味なのです(汗)

>次回で終わりですか!?
>このお話好きだったのですが・・・。(涙)
>次回、きっと読ませていただきますからっ!!
>しかし・・・レスといえるんでしょうか・・・これ・・・。

 レスどうもありがとうございます。今まで読んでくれてありがとうございますのですっ!
 ……大丈夫です。私のレス返しもまっとーじゃないのですし。

>とにもかくにも、それではっ!!

 それではっ! ありがとうございましたっ! 逃走!

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16759Re:鮮血の紅 12紫嵐 E-mail 8/24-21:10
記事番号16747へのコメント

> 微妙だ――二話食ってるには食ってるけど、途中で終わってるっ!
> ま、いっかのむくぅなのです。どうも。
どうも。紫嵐です。むくぅさん

> 歯はまだ抜いてません。
あれ??まだ抜いてないんですか?

> えーと。それでは時間もあんまりないのでリナさんが来るまでに十二話どうぞなのです。
リナが来たらボコされそうな発言ですね。読みます。

> 怪我治ったばかりなのでしょうがあんたらーっ! いいのかーっ!? 特にヴィリシルアさんと夜さんとフェイトさんッ!
>「パニくらないで下さい」
> あ。なんだか色々裏でたくらんでそーな雰囲気だったくせに実のところ大したことはたくらんでいなかったゼロスさん。
>「………………(無表情で沈黙)」
ずばずば言われてるな、ゴキブリ魔族。

> しかも大人気ないんですよね。仲間に加えるつもりだったくせにヴィリシルアさんのこと思いっきり馬鹿にしてたし。
>「あの段階では特にまだなにも命令は出されてなかったんですっ! そもそも今回あの程度――でもないですけど、とにかくそのことで出てきたのは、ぐーぜん僕があの町にいたからですし! 遊びにきただけだったのに! 休暇だったのに!」
魔族に休暇…あるのか?

> それで暇つぶしにヴィリシルアさんいぢめ。暗いのです。
確かに暗い。

>「あなただって思いっきり最初の予定から外れてるじゃないですか! 僕のことを馬鹿にするのは、ちゃんと全部書いてからにしなさいっ!」
> ……………………………
あ、むくぅさん、痛いトコつかれました?

> 逃げます。
> それではっ! 次回で最終回の予定っ! なんとか一命を取り留めた道化師さんはちなみにもう出てこない予定っ! でも勢いで出てくるかもしれませんのです!
> それでは! むくぅなのでしたっ!
>「待ちなさいっ! 僕のことを散々言っておいて逃げるなんて卑怯ですよっ!」
> 魔族が言わないで下さいっ!
> ではっ! 逃走っ!
ヘェ…次回でこれ終わってしまうのですか。ちょっと残念です。
と言う訳で、なんか恒例になっているゲストを…ガウリイ、カモン!
「何で俺ここにいるんだ?」
俺が呼んだから。
「ふ〜ん」
…………納得されても困る。
やっぱガウリイじゃなくてアメリア嬢呼べば良かったな……
謎の声「ガウリイさん、伏せて下さい!」
「へ?」
何?!
(とっさに伏せたガウリイと紫嵐の頭上を何か危険そうな物が通っていく)
謎「ちっ!!何で貴方まで避けるんですか!」
あ、テメェ……ゼロス!!
ゼ「僕の事散々言ってくれましたね?!上で。『ゴキブリ』だの『暗い』だの『こりない馬鹿』だの『パシリ』だの!!」
…俺、そこまで言った記憶ねぇンだけど………?
ゼ「問答・・・無用です!!」
ンな滅茶苦茶な!!
ゼ「今度は逃がしませんよ!!」
ストーカーみたいな台詞吐くんじゃねぇ!!気色悪ィな!!
(紫嵐、逃走。ゼロス、空間転移でその後を追う)
ガ「ま、何でも良いけど頑張れよー」
と言ってもまだここに居たりして。ふっ!必殺、身代わりの術!!
ガ「あ、やっぱそこに居たんだ」
さすが野生児・ガウリイ。
追いかけている物…生ゴミ神官に、偽者だとわかる前に俺は反対方向に逃げます!!
じゃあな、ガウリイ!!
ガ「おー。」
さよなら、むくぅさん!!毎度毎度変なレスですいませんでした!!
(紫嵐・逃走。そのあと、空間が歪んでゼロス現る)
ガ「あ、ゼロス。やっぱ気付いてたんだ?」
ゼ「当然でしょう。あれはウソぴょんv」
(再びゼロスが消えて、ガウリイが後に残される。一分ほどして、リナが迎えに来た)

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16784某神官注意報(謎)むくぅ 8/26-16:01
記事番号16759へのコメント

紫嵐さんは No.16759「Re:鮮血の紅 12」で書きました。

>> 微妙だ――二話食ってるには食ってるけど、途中で終わってるっ!
>> ま、いっかのむくぅなのです。どうも。
>どうも。紫嵐です。むくぅさん

 こんにちはなのです。紫嵐さん。むくぅなのです。

>> 歯はまだ抜いてません。
>あれ??まだ抜いてないんですか?

 抜きました。歯医者行って麻酔なしで抜いて、そのあと血が止まらないからと言ってほこりかぶってるよーな機械で消毒され、帰りは傘はないのに大雨でした(涙)

>> えーと。それでは時間もあんまりないのでリナさんが来るまでに十二話どうぞなのです。
>リナが来たらボコされそうな発言ですね。読みます。

 ボコられたのです。後ろからはんまぁで。こう、がこんっ、と(具体的)

>> あ。なんだか色々裏でたくらんでそーな雰囲気だったくせに実のところ大したことはたくらんでいなかったゼロスさん。
>>「………………(無表情で沈黙)」
>ずばずば言われてるな、ゴキブリ魔族。

 ずばずば言ってますね。紫嵐さん(汗)

>> しかも大人気ないんですよね。仲間に加えるつもりだったくせにヴィリシルアさんのこと思いっきり馬鹿にしてたし。
>>「あの段階では特にまだなにも命令は出されてなかったんですっ! そもそも今回あの程度――でもないですけど、とにかくそのことで出てきたのは、ぐーぜん僕があの町にいたからですし! 遊びにきただけだったのに! 休暇だったのに!」
>魔族に休暇…あるのか?

 多分あります。夏休みがお盆ぐらいは(この世界に盆があるんかい)。でも命令があると休暇が取り消され、おまけに振り替え休日すらないと言う充実ぶりで(違)

>>「あなただって思いっきり最初の予定から外れてるじゃないですか! 僕のことを馬鹿にするのは、ちゃんと全部書いてからにしなさいっ!」
>> ……………………………
>あ、むくぅさん、痛いトコつかれました?

 ぐさっ(汗)! ……えーと、げふごほん。なかったことにしましょうなのです。

>ヘェ…次回でこれ終わってしまうのですか。ちょっと残念です。
>と言う訳で、なんか恒例になっているゲストを…ガウリイ、カモン!
>「何で俺ここにいるんだ?」
>俺が呼んだから。
>「ふ〜ん」
>…………納得されても困る。
>やっぱガウリイじゃなくてアメリア嬢呼べば良かったな……
>謎の声「ガウリイさん、伏せて下さい!」
>「へ?」
>何?!
>(とっさに伏せたガウリイと紫嵐の頭上を何か危険そうな物が通っていく)
>謎「ちっ!!何で貴方まで避けるんですか!」
>あ、テメェ……ゼロス!!
>ゼ「僕の事散々言ってくれましたね?!上で。『ゴキブリ』だの『暗い』だの『こりない馬鹿』だの『パシリ』だの!!」
>…俺、そこまで言った記憶ねぇンだけど………?
>ゼ「問答・・・無用です!!」
>ンな滅茶苦茶な!!
>ゼ「今度は逃がしませんよ!!」
>ストーカーみたいな台詞吐くんじゃねぇ!!気色悪ィな!!
>(紫嵐、逃走。ゼロス、空間転移でその後を追う)
>ガ「ま、何でも良いけど頑張れよー」
>と言ってもまだここに居たりして。ふっ!必殺、身代わりの術!!
>ガ「あ、やっぱそこに居たんだ」
>さすが野生児・ガウリイ。
>追いかけている物…生ゴミ神官に、偽者だとわかる前に俺は反対方向に逃げます!!
>じゃあな、ガウリイ!!
>ガ「おー。」
>さよなら、むくぅさん!!毎度毎度変なレスですいませんでした!!
>(紫嵐・逃走。そのあと、空間が歪んでゼロス現る)
>ガ「あ、ゼロス。やっぱ気付いてたんだ?」
>ゼ「当然でしょう。あれはウソぴょんv」
>(再びゼロスが消えて、ガウリイが後に残される。一分ほどして、リナが迎えに来た)

 紫嵐さん。頑張って逃げてくださいね(笑)
 それでは……
 あ、ガウリイとリナが向こうに、見つかったらボコられそうだ……
 というわけで逃げさせていただきます。最後の話が投稿されるのはいつなのか不明(待てぃ)なのです。思いつかない……(汗)
 それでは、むくぅなのでしたっ!

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16840鮮血の紅 終むくぅ 8/29-21:04
記事番号16639へのコメント

 やっと投稿最終話なむくぅなのです。どうも皆さん。
「全部通しで十三話。不幸な数字おめでとう」
 う゛っ! まぁ、私はそれは信仰してませんから大丈夫なのです。多分っ!
 というわけで、ちょっとまえがき短いですが、その分あとがきが多い(と思う)ので、よろしかったら読んでくださいませなのです。
 それでは、最終話をどうぞっ!

======================================================

 【朝】

 …………………えーと。
 あたしはちょっぴしかなり大まかに驚きつつ、目の前のガウリイを見つめた。
「その大量の包帯は、一体どのよぉな意図で持ってきてらっさるのかな……?」
 問いに、一抱えほどの包帯の山を抱えた彼は、いたって当然のように、
「だって……お前、怪我したんだろ? 怪我したら包帯巻かなきゃあ。
 ほら、気になってたんだけど、なんか忙しくてそのまんまになってただろ?」
「あほかぁぁぁぁっ! とっくに治ったわよっ!」
ガウリイは包帯を取り落とさんばかりに驚くと、
「ええっ!? だってあれからまだ少ししか経ってないぞ!?」
「呪文で治したのよっ! 呪文で!」
「そうか……」
 ちょっと残念そうに呟くガウリイ。が、すぐに、何かいい事でも思いついたかのような、子供のような表情に変わると、
「でも、一応巻いておいといた方がいいだろ? ほら、ばい菌とかさ」
「をいっ! ちょっと待てぃっ!」
 問答無用であたしの手――しかも怪我をした方と逆の方にに包帯を巻き始めるガウリイに、あたしは思わずツッコミを入れる。
 が、ガウリイはかまわずに巻きつづける。
 ――あたしははぁっ、とため息をついてから苦笑した。
 まぁ、いっか……


 【昼】

「ヴィリシルアさん。います?」
 ドアを軽くノックする。アメリアはしばし待ち、反応がないのに首を傾げた。
「ヴィリシルアさん?」
 もう一度名を呼ぶ。
「あ。お姫様? ごめん、入ってきていいよ」
 ――ようやく聞こえたらしい。アメリアは訝しがりながらもドアを開けた。
「一体、なにをやってるんです?」
 言いながら、アメリアは床を歩く。事件が終わった後でも妙に静かな雰囲気は変わっておらず、時間が流れていないような感じがした。
「ヴィリ……」
 アメリアは三度、名を呼ぼうとしてやめる。真剣そのものといった表情で、ヴィリシルアは絵を描いていた。彼女はふと、こちらに顔を向けると、かすかに笑む。
「やあ、アメリア。フェイトの戸籍は戻してくれたかな?」
 アメリアは問いに、頷く。
「ええ、フェイトさんの戸籍は、ちゃんと元通りにしておきましたよ」
「やたー♪ ありがと、アメリアさん」
 ヴィリシルアの横で、絵の具を必死に混ぜていたフェイトが、顔を上げて歓声を上げた。よくよく見てみると、口調の割にはそんなに幼くもない。彼の顔をベースにして作ったと言うヴィリシルアはどう見ても二十代――実際は四歳なのだが……彼は十四かそこら、といったところだろう。絵の具だらけである。
 アメリアはその顔の有様に思わず笑いかけて、慌てて押さえ込むと、わざと怒ったような表情で、
「――ここがセイルーン領じゃなかったら、ヴィリシルアさんもあなたもかなりの罪に問われてるわ。感謝してくださいね」
「だからありがとうって言ってるでしょ?」
「それとこれとは問題が……まあいいわ。
 それで、あなたがたはこれからどうするんです?」
 アメリアの問いに、ヴィリシルアは筆を止める。
「……多分、カタートに戻るんだと思う。癪だけど。
 ヘビは何も言ってないから、もしかしたらこの町にとどまるかもしれないし……」
 複雑な表情で呟く。アメリアは不機嫌そうにしている彼女を気にして、話題転換に努めようとしばし考えた。
「なるほど――ところで、何描いてるんです?」
「ん? いずれ解ると思うけど……今は見ないほうが――」
「いいから、見せてくださいよ」
 ヴィリシルアはため息をつくと、苦笑して手招きする。アメリアは絵を覗き込んで――
「これ――わたしですか?」
「ああ、どう? フィルさんに贈ろうと思ってたんだ。お礼にね」
 黒い髪の少女。蒼い瞳はぱっちりと開かれていて、愛らしい。白いドレスを着ているが、しとやかな感じはあまりしない。とにかく元気というかなんだか気迫が伝わってくるような――
「ヴィリシルアさん、風景画専門かと思ってたけど、違うんですね」
「まーね。これくらいは描くさ」
「生まれて四年しか経ってないのに、よく描けますよね」
「……………………………………………」
 しばし、沈黙。
 アメリアはふと異変に気づき、うつむいているヴィリシルアの顔を覗き込む。
「あのぅ……ヴィリシルア……さん?」
「ふ……、ふふふふふ……よぉおっしっ! そんな余計なことを言う奴はこうだッ!」
 べしゃっ!
「んきゃあああっ!?」
 白い絵の具がアメリアの顔に見事にヒットする!
「なにするんですかぁっ!」
「や・か・ま・し。ンなツッコまなくてもいいところにツッコんだ姫さんが悪い。ほら、タオル」
「あううう……」
 アメリアはごしごしと顔をタオルで拭く。が、白い筋があちらこちらに残ってしまっている。
「…………」
 そのまま無言で絵の具箱を引っつかみ、ヴィリシルアに叩きつける。が、あっさり手首をつかまれ、絵の具箱をひょいっと取り上げられた。
「ああああああっ!」
「ふっふっふ。私に勝とうなんざ二年は早かったな」
「それ一体どぉいう基準よぉおっ! わたしヴィリシルアさんより年上なのにーッ!」
 アメリアの悲鳴も空しく、とりあえず、彼女はヴィリシルアには勝てない、ということが証明された。


 【夜】

「フェイトが迷惑をかけたな」
 夜もふけたころ、宿の自室でゼルガディスが、先の戦闘でとばっちりを食ってやぶれた服を繕っていると、ヨルムンガルドがやってきて、開口一番そう言った。彼は服を縫う手を休めずに、
「従弟の面倒ぐらい、ちゃんと見て置けよ」
 と茶化して言う。ヨルムンガルドは苦笑を浮かべた。
「……『あれ』か……
 あの子は実は、私の従弟ではないんだ」
「まだお前ら二人は隠し事していたのか?」
 呆れたように言うと、彼は首を振る。
「ヴィリシルア――もちろんフェイトにも、教えていないことだ。
 ――私と、あれは、兄弟だ」
「え?」
 ゼルガディスは思わず手を休め、跳ね上がるようにヨルムンガルドを見た。
「父は、助平だったのでな」
 本気なのか冗談なのか――とにかく彼は微笑んで言う。ゼルガディスは眉を寄せると、
「――何故、そんなこと俺に?」
「いちばん口が固そうだったからだ」
 よく解らない答えを返すと、ヨルムンガルドはとさっ、と床に座り込んだ。本性は竜のはずだが、意外に軽い音がした。ゼルガディスはジト目になると、
「……なぜ居座る」
「お前は他にも聞くことがあるはずだ」
 言われて、ゼルガディスはしばし考え込む。そして思い当たり、彼は口を開いた。
「……フェイトが、俺の夢に出てきた。姿かたちは俺の――人間の姿だった。だが、声はあいつだった、間違えようがない。
 あれは、一体なんだ?」
 ヨルムンガルドは満足そうに頷いた。
「――夢を『視る』能力というものがある。
 他人の夢をな――そして操ることができる。
 あれは自分の映像を作るのが苦手でな、ある『分岐』から捨てられてしまった姿を、拾い上げて使っている――それがお前の人間に戻った姿、というわけだな。
 あいつがお前の夢に入ったのは、お前が合成獣であったからだろう。
 ――そもそも『夢』というものは、精神世界面(アストラル・サイド)が見せる偶然の産物だ。つまりさらに突っ込むと――」
 針刺しから一本針を抜き取り、ぴっ、とゼルガディスの額に向ける。彼は反射的にのけぞった。その反応に、満足そうにヨルムンガルドは笑ったが、針は額に向いたままだ。
「フェイトは、他人の精神世界面――いわゆる『こころ』を、ある程度読むことができる、ということだ。――特異な能力といえる。
 それがゼロスがフェイトを引き入れようとしているおおむねの理由だ。
 お前も、頭を覗かれても困らない頭にしておけ」
「――あんたはそうなのか?」
 ゼルガディスが皮肉るように言う。覗かれて困ること――つまり、ヨルムンガルドとフェイトが、兄弟だということだ。
 ヨルムンガルドは針を元に戻し、小さく笑う。
「私は読まれるようなヘマはしない」
「なるほど」
 苦笑して呟くと、ゼルガディスは繕い物に専念することにした。
「――大切なものを失わないよう頑張れよ」
 フェイトから聞いたのだろうか。
 ――ゼルガディスは一瞬ヨルムンガルドから視線をそらす。そして、また、魔王竜を見る。
「なら、あんたの大切なものはなんだ?」
「あの二人――、といったら、おかしいと思うか?」
「……いや」
 ゼルガディスは首を振る。彼はかすかに笑うと、立ち上がった。
「それではな」
 ヨルムンガルドの足音が遠ざかっていき――ヴィリシルアは足音を立てなかったが――パタン、とドアが閉まった。
 ゼルガディスは、とりあえずまた――繕い物に専念し始めた。


 【夜明け】

 時計塔の屋根の上で、彼は大きく伸びをした。空が白んでいる――夜明けだ。仕事をフケてきたのだが――どうやらまだ見つかってはいないようだ。
「……あー……なんか久々に運動したなー……」
 朝日が昇ってこないか眺めつつ、ハーリアは、町を一望できる時計塔の屋根の上に、ごろんっ、と寝っ転がった。
 ――このアリド・シティは『シティ』とはついているものの、実はあまり大きくない。図書館が有名――といっても、本を見るためだけに町を訪れる人間など少ないからだ。
「あれを運動と言うか。お前は。私とヴィリシルアは死にかけたと言うのに――」
「結局死ななかったからいいじゃない」
 背後から突然聞こえてきたため息混じりの声にも驚かず、ハーリアは横になったまま応対する。またため息が聞こえた。
「そういう問題でもないだろう。
 ――それで、お前はここで何をしているんだ」
 声――ヨルムンガルドの言葉に、ようやくハーリアは立ち上がる。彼のほうを向いてにぃ、っと笑みを浮かべると、ぴっ、と人差し指を立てて見せた。
「サボり」
「いつもお前はそんなことをやっているのか? よく辞めさせられないな」
「副評議長は有能なんだ。おまけに仕事好きで、人に頼まれるとイヤとはいえない性格で、野心には縁のない男だよ」
「それはそうだろうな」
 ヨルムンガルドはよく解らなかったが――なぜか、妙に納得して頷いた。
「……それで、何の用?」
「朝焼けを見ようと思ったらお前がいた」
「――?」
 ハーリアは訝しげに太陽の方角を振り返る。
「……ほんとだ。よくわかったね。朝焼けだって」
「私は竜(ドラゴン)だからな」
 納得できるようなできないような答えを返して、ヨルムンガルドは屋根の上に座る。
 太陽に照らし出された空は、普通では考えられないほど紅い。
「――『鮮血の紅(ザ・スカーレット・オブ・ブラッド)』」
 ハーリアは呟くと、ヨルムンガルドの方を見る。
「従弟に二つ名ができたね。ヨルムンガルド」
「……そのようだな」
 ヨルムンガルドは気のない返事を返す。実際は弟なのだが、この男に言ったら言いふらされることが目に見えている。
「あれね、フィオロが死んだ日に、血まみれで帰ったフェイトを目撃した人いたんだって。それが噂の元なんだってさ」
「……あの馬鹿」
 小さい声で毒づく。ハーリアはにっ、と笑ってみせた。が、すぐに表情を引っ込めると、
「――これからどうするの?」
「それについては考えがある……カタートに戻るよりも、安全――とは言いがたいが――あの二人にとってはいい場所がある」
「どこ?」
「それはな――」
 ヨルムンガルドは、悪戯を思いついたような子供のような瞳で、人差し指を立てた。


 そして――
 そうして――
 そしてだな。
 あたしたちがアリド・シティに着てから、一週間目の朝が来た。


 包帯ぐるぐる巻きになったあたしの左手は、アメリアとヴィリスに爆笑され、ゼルガディスに吹き出され、フェイトになぜか感心された。
 とにかく事件は終わったのだし、これでアリド・シティともお別れ……
 の、はずだったのだが。
 目の前に立つ人――人間ではないのだが――とにかく目の前に立つ見た目人間、を、あたしはため息混じりに見やる。流石に包帯は外してあるが、包帯を見た時のこのヒトの反応が見たいような見たくないような……えー、まぁそれはともかく。
「……つまり、あたしにそこの金髪エセ姉弟を保護しろと?」
「保護ッ!?」
 ジト目で言うあたしに視線を向け、ヴィリスのちょっぴしずれてるツッコミは無視しつつ、ヨルムンガルドさん――夜さんは頷いた。
 あたしたちの泊まっている宿の、一階――食堂である。朝からわいわいうるさい雰囲気はちょうどいい。有名なわりに小さい町だし、ゼルガディスの手配書も流布されてはいない。
 ――それに、多少大きな声を出して聞かれてヤバいコトを話し合っても、普通、聞き耳でも立てていない限りは、あまり他人の会話を聞いていないものだ。
「あ。ウエイトレスさん。これとこれとこれ追加ね」
「はい、解りましたー」
 あたしはぐーぜん通りすがったウエイトレスさんに追加注文頼むと、夜さんを再度見る。
 ……呆れ顔してるのはこの際気にしないことにしよう。
「語感はともかく、二人を旅の仲間に加えてくれればいいのだが」
「でも、あたしたちと旅したほうが危険だと思うわよ。魔族の来訪には事欠かないし」
「あなたなら、大丈夫だろう。安心して任せられる」
 なっ……
 あたしは思わずことばに詰まる。
 ――なんか……ヨルムンガルドさんがヴィリシルアの父親みたいな態度とってるような気がするのは置いといて。
 まぁ……そぉ言われれば悪い気はしないような……
 夜さんから目をそらすために振り向いて、あたしはガウリイたちの方を見る。
「ガウリイ、アメリア、ゼルガディス。あんたらはどう? 異議とかない? それだったら――」
「リナ。それなんだけど――わたし、セイルーンに戻らなくちゃいけないのよ。ヴィリシルアさんの戸籍消すとき父さんに事情話して頼んだから……戻ってこいって言われちゃって」
「あ。そう……か。ってことはゼルガディスもセイルーンについていくの?」
 あたしは首をめぐらせて
「ああ。よくわかったな」
「まーね。じゃ、アメリアとゼルは異議なし……か」
 あたしは意味深な笑みを浮かべて見せる――が、ゼルガディスはそれに気がつかなかったらしい、すぐあたしから視線をそらす。
 ――いや。
 どーやらゼルガディスくん。あたしの笑みの中に潜んだニュアンスを思いっきり感じ取ってくれたらしい。顔が赤い。
 そこをツッコんでからかいたい気もするが……
「ガウリイは?」
 聞かずとも解るが、あたしはガウリイに聞く。
「お前さんがいいなら、別にいいよ」
 やっぱり――か。 
 あたしは苦笑混じりに息を吐く。
「それじゃあ、別にいいわ。
 一つ二人に言っておくけど魔族に襲われようが何しようが動じないこと――慌てる人間は戦いには向かないわ。
 オーケー?」
「ああ。魔族なら見慣れてるしな」
「同じく」
「そう――それなら……すぐに出発しないとね。フィルさん……怒るとコワいし」
 平和主義者クラッシュ――とか叫びつつタックルされた日にゃあ、あたしだったら迷わず気絶する。
 まぁ――それはともかく。
「んじゃま、これからよろしく頼むわ」
 新たに増えた旅の仲間に視線を戻し、あたしはにんまりと、満面の笑みを浮かべた。
 ――次に目指すは聖王都(セイルーン)。
 この先、恐らく魔族のちょっかいゼロスの勧誘――厄介ごとが舞い込んだり、はたまた自らそれに首を突っ込むことだってあるだろう。
 まぁ、一番怖いのはセイルーンに着いた後のフィルさんのご対面。なのはおいといて。
 あたしはそんなにヤワじゃない。
 どんなことがあろーとも、決して立ち止まらない自信はある。
 ――さて、と……
 明日から、とりあえず頑張りましょーか……

                                                         ・(鮮血の紅 ―→ おわり)・

======================================================

 終わったぁぁぁぁぁっ!
 ちょっと中途半端だけど終わったぁあぁああっ!
 ああ、これでッ! これで両親に覗き見されたり弟に覗き見されてしかも笑われたあげく小声でゼルガディスさんのセリフ集中的に朗読されたりする日々からちょっぴし解放されるのですねッ!
「でもまた書くんですよね。この二人が仲間に加わったってことは」
 まぁ……今新しいの三行ぐらいは書いてますのです。
「それはまた――ずいぶん短いですね」
 思いつきで書いてますからねぇ……
「行き当たりばったりってやつだな」
 ほっといてくださいのですヴィリシルアさん。
「しっかし……ラストのあとがきでメンツがこの二人かよ? 何か接点ある奴らにしとけよ……?」
「確かにそうですねぇ……僕と『道化師』さんとかならまだ違和感ありませんよね」
「それはそれでヤな組み合わせだな。最終回で出番がなかったコンビ」
「――ほっといてください」
 でも出しちゃったからには、この二人でやってくしかないのですし。
「それで、裏話、だったな」
 ええ。これは単純なのです。
 実はフェイトとヴィリシルア――どっちが守護者――つまり金色の魔王様の職人の業パクって作った贋作か、途中まで決まっていなかったのです! というより最初はフェイトさんが『守護者』だったんですが、なんだかなぁ、ということでそうなりました。
「贋作……」
「職人の業……?」
「変えた理由も謎だ……」
 まぁ、それはともかく、読んでくださった方々や感想下さった方々、本当にどうもありがとうございましたのです。
 心より御礼仕り申し上げまする。
「いや、意味わかんないし。それあってんのか?」
 ……さぁ……?
「おいおい……」
「まあ、いいです。
 日本語もロクにできないその上に、最終話に僕を出さなかったあなたを滅ぼす理由はできたわけですから」
 う゛っ!?
 そっ! それでは皆さんさようなら! できたらまたお会いしましょう! 最後も吹っ飛ばされそうな予感のむくぅなのでしたぁぁっ!
「逃がしませんッ!」
 ひぃぃいいぃいいっ!?

 (むくぅ逃走。ゼロス、空間移動すればいいものを、いつまでたっても走って追いつづける……)

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16842ああ゛あ゛あ゛終わってるー!!かお E-mail 8/29-22:43
記事番号16840へのコメント

ふと、ちょっと、覗いてみようとおもって・・・来てみたら!!
終わってるよー、お話・・・。しくしくしく・・・。
楽しかったのにー・・。
また、書くんですよね?書きますよね?
むくぅさんの話・・・好きなんですよー。私・・・(それにしては、余り、コメントしてなくて、すいません・汗)
頑張って、ゼロスから逃げてくださいね。(もしもし?)
では!次回があることを期待してまーす!!

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16868やっと終わ『れ』ました(汗)むくぅ 8/30-19:55
記事番号16842へのコメント

>ふと、ちょっと、覗いてみようとおもって・・・来てみたら!!
>終わってるよー、お話・・・。しくしくしく・・・。

 悲しんでいただけて光栄です(待てぃ)でも自分は嬉しかったり(さらに待て)

>楽しかったのにー・・。
>また、書くんですよね?書きますよね?
>むくぅさんの話・・・好きなんですよー。私・・・(それにしては、余り、コメントしてなくて、すいません・汗)

 えーと、多分書きますのです。好きといってもらえるだけで嬉しいので、コメントは無理して付けていただかなくてもいいのですよ♪

>頑張って、ゼロスから逃げてくださいね。(もしもし?)
>では!次回があることを期待してまーす!!

 それでは、ゼロスさんから相変わらず逃げながらむくぅなのでしたッ!

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16854あうー・・・。(謎)花姫 8/30-13:40
記事番号16840へのコメント

花姫です。
あうー。(涙)知らないうちに終わってしまった・・・。
昨日来なかったら、なんかいっぱい増えてました。

初めの部分はガウリナですか?ガウリナですよねっv(←待て)
ヴィリシルアさんもあいかわらず良いキャラしてて・・・。
この後の4人の旅が気になります。

家族の方に覗かれているそうで。大変ですね。
私も母の目を窺いつつ書いてます。弟に見られそうになると画面を元記事の所に動かして、普通に小説を読んでる様に見せかけてみたりとか・・・。(笑)

ではでは、私は3番窓口へ急がねばなりませんので♪(オイ)
いつもながら謎の文ですみませんでしたっ。

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16869おぁぁぁぁぁ(さらに謎)むくぅ 8/30-19:58
記事番号16854へのコメント

>花姫です。
>あうー。(涙)知らないうちに終わってしまった・・・。
>昨日来なかったら、なんかいっぱい増えてました。

 どうも、いっぱい増えてました(謎)むくぅなのです。こんばんわ。

>初めの部分はガウリナですか?ガウリナですよねっv(←待て)
>ヴィリシルアさんもあいかわらず良いキャラしてて・・・。
>この後の4人の旅が気になります。

 ガウリナ……なのかな? 基本的に『つかず離れず』のつもりなのに……(汗)

>家族の方に覗かれているそうで。大変ですね。
>私も母の目を窺いつつ書いてます。弟に見られそうになると画面を元記事の所に動かして、普通に小説を読んでる様に見せかけてみたりとか・・・。(笑)

 をを、それはナイス。今度真似してみよう……

>ではでは、私は3番窓口へ急がねばなりませんので♪(オイ)
>いつもながら謎の文ですみませんでしたっ。

 いえいえ、謎の文(待て)ありがとうございますのです。三番窓口はカタートにありますのでお早めに♪
 それでは、むくぅなのでしたっ! 逃走ッ!

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16859お疲れ様でした♪のりぃ E-mail 8/30-17:21
記事番号16840へのコメント

とうとう終わってしまったなぁという一抹の寂しさなぞ感じつつ。

お疲れ様でした〜っ!

と、客席からむくぅさんのいる舞台(裏)まで叫んでみたりするのりぃです(謎)
いやだって、むくぅさんいらっしゃるとしたら舞台裏でしょう。なぜって舞台に真っ当に上るとどさくさ紛れにはたかれてそうだし(汗)

最初から最後まで、すごく面白かったです。それぞれにオリキャラもいい味出してたし、スレキャラたちの動き方も自然だったとも思います。
……最近自分のスレがスレじゃなくなりつつある私が言うのもなんですが(をい)
そして、最後の最後まで謎解きあり衝撃のしんぢつありのストーリーっ!
よくここまで考えて書けるなぁと感心してました(笑)
しかし……夜さんのお父さんって一体……?
……まあ、深くはツッコまないようにしときましょう。うん。(滝汗)

そういえば、ヴィリシルアさんとフェイト君、祝レギュラー化っ!(ファンファーレのSE)
個人的にはこの二人、主演女優賞と子役賞(←何か違う)をそれぞれあげてもいいぐらいだったので、結構うれしかったりするのです。

ああっむくぅさんが向こうでゼロスにいぢめられている(違)!?
割って入る気はコワいのでさらさらないですが、前回のレス(結構前)でキャラ回収ついでに救出された恩があるので、密かに遠くからマキロン(待て)でも届けようとしてみたりみなかったり(をい)っ!
さあボウガンにのって届けこの思いもといマキロン(激違)っ!

どすっ。(←刺さったSE)

……さ、さりげにゼロスの後頭部に矢(マキロンつき)が刺さってしまったぁぁぁっ!?
ゼロスだから死なないでしょうが、死なないからコワいのでとっとと逃げますっ!
では、途中からどんどん調子に乗った挙句いらん事しまくってピンチののりぃでしたっ!どうも変なレスですいませんっ!
来た、見た、撃った、さあ逃げろっ!(待て自分) 撤収ぅぅぅぅっ!

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16870ありがとです、姉御(ぶり返すな)むくぅ 8/30-20:05
記事番号16859へのコメント

>とうとう終わってしまったなぁという一抹の寂しさなぞ感じつつ。

>お疲れ様でした〜っ!

 ありがとうございますのですー!

>と、客席からむくぅさんのいる舞台(裏)まで叫んでみたりするのりぃです(謎)

 ――と、言ってみたりする、いつ落ちるかびくびくしているむくぅなのです。こんばんわ。 

>いやだって、むくぅさんいらっしゃるとしたら舞台裏でしょう。なぜって舞台に真っ当に上るとどさくさ紛れにはたかれてそうだし(汗)

 裏にいてもはたかれてますのです(汗)

>最初から最後まで、すごく面白かったです。それぞれにオリキャラもいい味出してたし、スレキャラたちの動き方も自然だったとも思います。
>……最近自分のスレがスレじゃなくなりつつある私が言うのもなんですが(をい)

 どうもありがとうござますのです♪ のりぃさんの小説はとても面白いので読みたい今日この頃(遠まわしにねだってみる)……頑張ってください!(待て)

>そして、最後の最後まで謎解きあり衝撃のしんぢつありのストーリーっ!
>よくここまで考えて書けるなぁと感心してました(笑)
>しかし……夜さんのお父さんって一体……?
>……まあ、深くはツッコまないようにしときましょう。うん。(滝汗)

 ツッコまないで下さい(笑) 反対振り切って人間の女性と結婚したくせに実は竜族にもちゃっかり奥さん持ってた夜さんの父親には(汗)

>そういえば、ヴィリシルアさんとフェイト君、祝レギュラー化っ!(ファンファーレのSE)
>個人的にはこの二人、主演女優賞と子役賞(←何か違う)をそれぞれあげてもいいぐらいだったので、結構うれしかったりするのです。

 をををっ! 賞もらいました! 賞ッ!(小躍り) さっそく何となく走り書きした賞状を渡してみますのです(待て)ッ!

>ああっむくぅさんが向こうでゼロスにいぢめられている(違)!?
>割って入る気はコワいのでさらさらないですが、前回のレス(結構前)でキャラ回収ついでに救出された恩があるので、密かに遠くからマキロン(待て)でも届けようとしてみたりみなかったり(をい)っ!
>さあボウガンにのって届けこの思いもといマキロン(激違)っ!
>
>どすっ。(←刺さったSE)
>
>……さ、さりげにゼロスの後頭部に矢(マキロンつき)が刺さってしまったぁぁぁっ!?

 さりげ(爆笑)ッ!? ともあれ助かった! マキロンもらったし、私はこれでこそこそと逃げます。のりぃさんとは別方向に(こら)

>ゼロスだから死なないでしょうが、死なないからコワいのでとっとと逃げますっ!
>では、途中からどんどん調子に乗った挙句いらん事しまくってピンチののりぃでしたっ!どうも変なレスですいませんっ!
>来た、見た、撃った、さあ逃げろっ!(待て自分) 撤収ぅぅぅぅっ!

 頑張ってお互い逃げましょうッ! 感想どうもありがとうございますッ!
 それではぁぁぁっ!

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16867Re:鮮血の紅 終白河綜 E-mail 8/30-18:34
記事番号16840へのコメント

> 【朝】
>
> …………………えーと。
> あたしはちょっぴしかなり大まかに驚きつつ、目の前のガウリイを見つめた。
>「その大量の包帯は、一体どのよぉな意図で持ってきてらっさるのかな……?」
> 問いに、一抱えほどの包帯の山を抱えた彼は、いたって当然のように、
>「だって……お前、怪我したんだろ? 怪我したら包帯巻かなきゃあ。
> ほら、気になってたんだけど、なんか忙しくてそのまんまになってただろ?」
>「あほかぁぁぁぁっ! とっくに治ったわよっ!」

 ああ、リナちゃん、せっかく心配してくれてるんだから、そんなに怒鳴らなくても……

> ガウリイは包帯を取り落とさんばかりに驚くと、
>「ええっ!? だってあれからまだ少ししか経ってないぞ!?」
>「呪文で治したのよっ! 呪文で!」
>「そうか……」
> ちょっと残念そうに呟くガウリイ。が、すぐに、何かいい事でも思いついたかのような、子供のような表情に変わると、

 ガウリイ、一体何をその一瞬に思いついたんだ?

>「でも、一応巻いておいといた方がいいだろ? ほら、ばい菌とかさ」
>「をいっ! ちょっと待てぃっ!」
> 問答無用であたしの手――しかも怪我をした方と逆の方にに包帯を巻き始めるガウリイに、あたしは思わずツッコミを入れる。
> が、ガウリイはかまわずに巻きつづける。
> ――あたしははぁっ、とため息をついてから苦笑した。
> まぁ、いっか……
>
 ふふっ。ラブラブvv

> 【昼】
>
>「ヴィリシルアさん。います?」
> ドアを軽くノックする。アメリアはしばし待ち、反応がないのに首を傾げた。
>「ヴィリシルアさん?」
> もう一度名を呼ぶ。
>「あ。お姫様? ごめん、入ってきていいよ」
> ――ようやく聞こえたらしい。アメリアは訝しがりながらもドアを開けた。
>「一体、なにをやってるんです?」
> 言いながら、アメリアは床を歩く。事件が終わった後でも妙に静かな雰囲気は変わっておらず、時間が流れていないような感じがした。

 そうか、この雰囲気は元からだったんですね。てっきり事件の所為かと……(汗)

>「ヴィリ……」
> アメリアは三度、名を呼ぼうとしてやめる。真剣そのものといった表情で、ヴィリシルアは絵を描いていた。彼女はふと、こちらに顔を向けると、かすかに笑む。
>「やあ、アメリア。フェイトの戸籍は戻してくれたかな?」
> アメリアは問いに、頷く。
>「ええ、フェイトさんの戸籍は、ちゃんと元通りにしておきましたよ」
>「やたー♪ ありがと、アメリアさん」
> ヴィリシルアの横で、絵の具を必死に混ぜていたフェイトが、顔を上げて歓声を上げた。よくよく見てみると、口調の割にはそんなに幼くもない。彼の顔をベースにして作ったと言うヴィリシルアはどう見ても二十代――実際は四歳なのだが……彼は十四かそこら、といったところだろう。絵の具だらけである。
> アメリアはその顔の有様に思わず笑いかけて、慌てて押さえ込むと、わざと怒ったような表情で、
>「――ここがセイルーン領じゃなかったら、ヴィリシルアさんもあなたもかなりの罪に問われてるわ。感謝してくださいね」
>「だからありがとうって言ってるでしょ?」
>「それとこれとは問題が……まあいいわ。
> それで、あなたがたはこれからどうするんです?」
> アメリアの問いに、ヴィリシルアは筆を止める。
>「……多分、カタートに戻るんだと思う。癪だけど。
> ヘビは何も言ってないから、もしかしたらこの町にとどまるかもしれないし……」
> 複雑な表情で呟く。アメリアは不機嫌そうにしている彼女を気にして、話題転換に努めようとしばし考えた。
>「なるほど――ところで、何描いてるんです?」
>「ん? いずれ解ると思うけど……今は見ないほうが――」
>「いいから、見せてくださいよ」
> ヴィリシルアはため息をつくと、苦笑して手招きする。アメリアは絵を覗き込んで――
>「これ――わたしですか?」
>「ああ、どう? フィルさんに贈ろうと思ってたんだ。お礼にね」

 フィルさんに!!

> 黒い髪の少女。蒼い瞳はぱっちりと開かれていて、愛らしい。白いドレスを着ているが、しとやかな感じはあまりしない。とにかく元気というかなんだか気迫が伝わってくるような――
>「ヴィリシルアさん、風景画専門かと思ってたけど、違うんですね」
>「まーね。これくらいは描くさ」
>「生まれて四年しか経ってないのに、よく描けますよね」
>「……………………………………………」
> しばし、沈黙。

 ああ、手厳しいツッコミ!!

> アメリアはふと異変に気づき、うつむいているヴィリシルアの顔を覗き込む。
>「あのぅ……ヴィリシルア……さん?」
>「ふ……、ふふふふふ……よぉおっしっ! そんな余計なことを言う奴はこうだッ!」
> べしゃっ!
>「んきゃあああっ!?」
> 白い絵の具がアメリアの顔に見事にヒットする!

 ああ、アメリアの顔がぁ!! ヴィリシルアさん、怒り狂ったゼルガディスさんに後ろから魔法で不意打ちを食らいますよっ!!

>「なにするんですかぁっ!」

 まったくです! 何するんですかっ!!

>「や・か・ま・し。ンなツッコまなくてもいいところにツッコんだ姫さんが悪い。ほら、タオル」
>「あううう……」
> アメリアはごしごしと顔をタオルで拭く。が、白い筋があちらこちらに残ってしまっている。
>「…………」
> そのまま無言で絵の具箱を引っつかみ、ヴィリシルアに叩きつける。が、あっさり手首をつかまれ、絵の具箱をひょいっと取り上げられた。

 一枚上手。

>「ああああああっ!」
>「ふっふっふ。私に勝とうなんざ二年は早かったな」
>「それ一体どぉいう基準よぉおっ! わたしヴィリシルアさんより年上なのにーッ!」
> アメリアの悲鳴も空しく、とりあえず、彼女はヴィリシルアには勝てない、ということが証明された。

 あああ、アメリアちゃん……

> 【夜】
>
>「フェイトが迷惑をかけたな」
> 夜もふけたころ、宿の自室でゼルガディスが、先の戦闘でとばっちりを食ってやぶれた服を繕っていると、ヨルムンガルドがやってきて、開口一番そう言った。彼は服を縫う手を休めずに、

 繕う!! やっぱり御自分で繕っているんですか!

>「従弟の面倒ぐらい、ちゃんと見て置けよ」
> と茶化して言う。ヨルムンガルドは苦笑を浮かべた。
>「……『あれ』か……
> あの子は実は、私の従弟ではないんだ」
>「まだお前ら二人は隠し事していたのか?」
> 呆れたように言うと、彼は首を振る。
>「ヴィリシルア――もちろんフェイトにも、教えていないことだ。
> ――私と、あれは、兄弟だ」

 うおっ。

>「え?」
> ゼルガディスは思わず手を休め、跳ね上がるようにヨルムンガルドを見た。
>「父は、助平だったのでな」

 そんな理由かい。でも、意外だー……

> 本気なのか冗談なのか――とにかく彼は微笑んで言う。ゼルガディスは眉を寄せると、
>「――何故、そんなこと俺に?」
>「いちばん口が固そうだったからだ」

 確かにそれはそうだけど…… リナやアメリアじゃしゃべっちゃうかもだし、ガウリイは聞いたこと忘れちゃうもんね。

> よく解らない答えを返すと、ヨルムンガルドはとさっ、と床に座り込んだ。本性は竜のはずだが、意外に軽い音がした。ゼルガディスはジト目になると、
>「……なぜ居座る」
>「お前は他にも聞くことがあるはずだ」
> 言われて、ゼルガディスはしばし考え込む。そして思い当たり、彼は口を開いた。
>「……フェイトが、俺の夢に出てきた。姿かたちは俺の――人間の姿だった。だが、声はあいつだった、間違えようがない。
> あれは、一体なんだ?」
> ヨルムンガルドは満足そうに頷いた。
>「――夢を『視る』能力というものがある。
> 他人の夢をな――そして操ることができる。
> あれは自分の映像を作るのが苦手でな、ある『分岐』から捨てられてしまった姿を、拾い上げて使っている――それがお前の人間に戻った姿、というわけだな。
> あいつがお前の夢に入ったのは、お前が合成獣であったからだろう。
> ――そもそも『夢』というものは、精神世界面(アストラル・サイド)が見せる偶然の産物だ。つまりさらに突っ込むと――」
> 針刺しから一本針を抜き取り、ぴっ、とゼルガディスの額に向ける。彼は反射的にのけぞった。その反応に、満足そうにヨルムンガルドは笑ったが、針は額に向いたままだ。
>「フェイトは、他人の精神世界面――いわゆる『こころ』を、ある程度読むことができる、ということだ。――特異な能力といえる。
> それがゼロスがフェイトを引き入れようとしているおおむねの理由だ。
> お前も、頭を覗かれても困らない頭にしておけ」
>「――あんたはそうなのか?」
> ゼルガディスが皮肉るように言う。覗かれて困ること――つまり、ヨルムンガルドとフェイトが、兄弟だということだ。
> ヨルムンガルドは針を元に戻し、小さく笑う。
>「私は読まれるようなヘマはしない」
>「なるほど」
> 苦笑して呟くと、ゼルガディスは繕い物に専念することにした。
>「――大切なものを失わないよう頑張れよ」
> フェイトから聞いたのだろうか。
> ――ゼルガディスは一瞬ヨルムンガルドから視線をそらす。そして、また、魔王竜を見る。
>「なら、あんたの大切なものはなんだ?」
>「あの二人――、といったら、おかしいと思うか?」
>「……いや」
> ゼルガディスは首を振る。彼はかすかに笑うと、立ち上がった。
>「それではな」
> ヨルムンガルドの足音が遠ざかっていき――ヴィリシルアは足音を立てなかったが――パタン、とドアが閉まった。
> ゼルガディスは、とりあえずまた――繕い物に専念し始めた。

 男の友情っ……(握った拳に力が入ってみたりして)

> 【夜明け】
>
> 時計塔の屋根の上で、彼は大きく伸びをした。空が白んでいる――夜明けだ。仕事をフケてきたのだが――どうやらまだ見つかってはいないようだ。
>「……あー……なんか久々に運動したなー……」
> 朝日が昇ってこないか眺めつつ、ハーリアは、町を一望できる時計塔の屋根の上に、ごろんっ、と寝っ転がった。

 ハーリアさんだぁv この方素敵v(みんな素敵だけど♪)

> ――このアリド・シティは『シティ』とはついているものの、実はあまり大きくない。図書館が有名――といっても、本を見るためだけに町を訪れる人間など少ないからだ。
>「あれを運動と言うか。お前は。私とヴィリシルアは死にかけたと言うのに――」
>「結局死ななかったからいいじゃない」
> 背後から突然聞こえてきたため息混じりの声にも驚かず、ハーリアは横になったまま応対する。またため息が聞こえた。
>「そういう問題でもないだろう。
> ――それで、お前はここで何をしているんだ」
> 声――ヨルムンガルドの言葉に、ようやくハーリアは立ち上がる。彼のほうを向いてにぃ、っと笑みを浮かべると、ぴっ、と人差し指を立てて見せた。
>「サボり」
>「いつもお前はそんなことをやっているのか? よく辞めさせられないな」
>「副評議長は有能なんだ。おまけに仕事好きで、人に頼まれるとイヤとはいえない性格で、野心には縁のない男だよ」
>「それはそうだろうな」
> ヨルムンガルドはよく解らなかったが――なぜか、妙に納得して頷いた。
>「……それで、何の用?」
>「朝焼けを見ようと思ったらお前がいた」
>「――?」
> ハーリアは訝しげに太陽の方角を振り返る。
>「……ほんとだ。よくわかったね。朝焼けだって」
>「私は竜(ドラゴン)だからな」
> 納得できるようなできないような答えを返して、ヨルムンガルドは屋根の上に座る。
> 太陽に照らし出された空は、普通では考えられないほど紅い。
>「――『鮮血の紅(ザ・スカーレット・オブ・ブラッド)』」
> ハーリアは呟くと、ヨルムンガルドの方を見る。
>「従弟に二つ名ができたね。ヨルムンガルド」
>「……そのようだな」
> ヨルムンガルドは気のない返事を返す。実際は弟なのだが、この男に言ったら言いふらされることが目に見えている。

 た、確かに……
 信用ないね、ハーリアさん……

>「あれね、フィオロが死んだ日に、血まみれで帰ったフェイトを目撃した人いたんだって。それが噂の元なんだってさ」
>「……あの馬鹿」
> 小さい声で毒づく。ハーリアはにっ、と笑ってみせた。が、すぐに表情を引っ込めると、
>「――これからどうするの?」
>「それについては考えがある……カタートに戻るよりも、安全――とは言いがたいが――あの二人にとってはいい場所がある」
>「どこ?」
>「それはな――」
> ヨルムンガルドは、悪戯を思いついたような子供のような瞳で、人差し指を立てた。

 あー!! そ、そのポーズわっ!!

> そして――
> そうして――
> そしてだな。
> あたしたちがアリド・シティに着てから、一週間目の朝が来た。
>
>
> 包帯ぐるぐる巻きになったあたしの左手は、アメリアとヴィリスに爆笑され、ゼルガディスに吹き出され、フェイトになぜか感心された。
> とにかく事件は終わったのだし、これでアリド・シティともお別れ……
> の、はずだったのだが。
> 目の前に立つ人――人間ではないのだが――とにかく目の前に立つ見た目人間、を、あたしはため息混じりに見やる。流石に包帯は外してあるが、包帯を見た時のこのヒトの反応が見たいような見たくないような……えー、まぁそれはともかく。
>「……つまり、あたしにそこの金髪エセ姉弟を保護しろと?」
>「保護ッ!?」
> ジト目で言うあたしに視線を向け、ヴィリスのちょっぴしずれてるツッコミは無視しつつ、ヨルムンガルドさん――夜さんは頷いた。
> あたしたちの泊まっている宿の、一階――食堂である。朝からわいわいうるさい雰囲気はちょうどいい。有名なわりに小さい町だし、ゼルガディスの手配書も流布されてはいない。
> ――それに、多少大きな声を出して聞かれてヤバいコトを話し合っても、普通、聞き耳でも立てていない限りは、あまり他人の会話を聞いていないものだ。
>「あ。ウエイトレスさん。これとこれとこれ追加ね」
>「はい、解りましたー」
> あたしはぐーぜん通りすがったウエイトレスさんに追加注文頼むと、夜さんを再度見る。
> ……呆れ顔してるのはこの際気にしないことにしよう。
>「語感はともかく、二人を旅の仲間に加えてくれればいいのだが」
>「でも、あたしたちと旅したほうが危険だと思うわよ。魔族の来訪には事欠かないし」
>「あなたなら、大丈夫だろう。安心して任せられる」
> なっ……
> あたしは思わずことばに詰まる。
> ――なんか……ヨルムンガルドさんがヴィリシルアの父親みたいな態度とってるような気がするのは置いといて。
> まぁ……そぉ言われれば悪い気はしないような……
> 夜さんから目をそらすために振り向いて、あたしはガウリイたちの方を見る。
>「ガウリイ、アメリア、ゼルガディス。あんたらはどう? 異議とかない? それだったら――」
>「リナ。それなんだけど――わたし、セイルーンに戻らなくちゃいけないのよ。ヴィリシルアさんの戸籍消すとき父さんに事情話して頼んだから……戻ってこいって言われちゃって」
>「あ。そう……か。ってことはゼルガディスもセイルーンについていくの?」
> あたしは首をめぐらせて
>「ああ。よくわかったな」

 そりゃあ、ゼルとアメリアですからv

>「まーね。じゃ、アメリアとゼルは異議なし……か」
> あたしは意味深な笑みを浮かべて見せる――が、ゼルガディスはそれに気がつかなかったらしい、すぐあたしから視線をそらす。
> ――いや。
> どーやらゼルガディスくん。あたしの笑みの中に潜んだニュアンスを思いっきり感じ取ってくれたらしい。顔が赤い。
> そこをツッコんでからかいたい気もするが……
>「ガウリイは?」
> 聞かずとも解るが、あたしはガウリイに聞く。
>「お前さんがいいなら、別にいいよ」

 さすが保護者さん。ホントに、リナの保護者が務まるのはこの方だけです、ハイ。

> やっぱり――か。 
> あたしは苦笑混じりに息を吐く。
>「それじゃあ、別にいいわ。
> 一つ二人に言っておくけど魔族に襲われようが何しようが動じないこと――慌てる人間は戦いには向かないわ。
> オーケー?」
>「ああ。魔族なら見慣れてるしな」
>「同じく」
>「そう――それなら……すぐに出発しないとね。フィルさん……怒るとコワいし」
> 平和主義者クラッシュ――とか叫びつつタックルされた日にゃあ、あたしだったら迷わず気絶する。

 生きとし生ける者なら、多分みんな気絶するでしょう。

> まぁ――それはともかく。
>「んじゃま、これからよろしく頼むわ」
> 新たに増えた旅の仲間に視線を戻し、あたしはにんまりと、満面の笑みを浮かべた。
> ――次に目指すは聖王都(セイルーン)。
> この先、恐らく魔族のちょっかいゼロスの勧誘――厄介ごとが舞い込んだり、はたまた自らそれに首を突っ込むことだってあるだろう。
> まぁ、一番怖いのはセイルーンに着いた後のフィルさんのご対面。なのはおいといて。
> あたしはそんなにヤワじゃない。
> どんなことがあろーとも、決して立ち止まらない自信はある。
> ――さて、と……
> 明日から、とりあえず頑張りましょーか……
>
>                                                         ・(鮮血の紅 ―→ おわり)・
>
  


 お疲れ様でしたー!
 ……憶えておられますか? 最初の方にすこーしだけレスさせていただいた白河です。うう、やっとレスできたー!!
 いや、終わってしまいましたね。くすん。
 毎回楽しく読ませていただきましたv ハーリアさん(ラブv)が死にかけた時はほんっっっっっとうに焦って、パソコの前でおたおたしてましたが、最終回でちゃんと朝焼け見てたし、よかった〜〜〜〜〜v

 次回作も期待してますv
 あの……できればまたハーリアさんをっ! 彼を出してぇー……(←無茶を言うな、無茶を)
 ではこの辺で。
 ハーリアさん大好きっ子、白河綜でした。