◆−My Sweet Dalin'〜届かない想いを〜−相楽 武蔵(8/20-01:10)No.16646
 ┗はじめまして−一坪(8/20-03:03)No.16648
  ┗Re:はじめまして−相楽 武蔵(8/20-12:45)No.16654


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16646My Sweet Dalin'〜届かない想いを〜相楽 武蔵 8/20-01:10


金曜日。何時ものように羽雪(はゆき)は塾に来ていた。
塾に来ていても別に勉強する気にもならないわけだし、隣にいつも座っている
友達と話したり手紙の回し合いをしたりしていた。
「音美(ねみ)、今度の日曜日あいてる?」
「いいよ、別に。もお〜、羽雪ってば、受験生になったのに
 遊び放題だね。」
「いいじゃん別に。成績はとってるわけだし。」
中3になって、勉強を重視される年になったのに羽雪も音美も遊び呆けていた。
羽雪は人を好きになることがこの半年出来なかった。
”すき”という感情がまるでなくなっていたのだから。
『男なんて嫌い。友達としては好きだし認めてていいけど
 恋愛感情なんてないもんね。』
いっつもそう思っていた。
そう思った次の瞬間だった。
「今晩は。」
と塾長の声がした。羽雪の座っている席からは誰が来たかとかよく見えて結構面白い。一人誰かが入ってきた。
「今晩は・・・・・。」
羽雪は目が一瞬にして釘付けになった。入ってきたのは男の子。
何故か物凄い格好いい。背が高くって髪の毛は少し茶色くて色は白すぎず黒すぎず
いい程度に小麦色で・・・・。
目が離せなくなる。
「ちょっと・・・・。誰よあの人!」
羽雪はその人を目で追った。その人が座った席は・・・・・・・。
なんと羽雪の斜め前の席。
目が行く。
『なによ、好きになったりしないもん。別に・・・・・。別にっ!格好いいなあって思うだけだもん。』
ふと、その人と目が合った。
         ☆☆☆☆ドキッ!!!!☆☆☆☆
息が出来なくなった。苦しい・・・・。
体温が上がっていくのが判る。

「はあああ・・・・・・・。」
次の日学校で羽雪はその人のことばかり考えていた。
昨日見たあの人。KANIのジャージをきたあの人。
目の素敵なあの人・・・・・・・。
「大西!」
「はい!」
授業でもまともに応えられず先生の評価は下がるばかりだった。
「此の頃へんだぞ、お前。授業中もまともに聞いてないしな。」
「はい・・・・ちょっと色々あって・・・・。」
先生の説教なんてどうでもよかった。

「あんたきっと惚れてるんだね。」
友達の一言だった。羽雪は気付いた。
               彼が好きなんだ。

塾が楽しくなった。勉強している彼の後姿や先生との余談をしている彼。
目に映る彼の行動、言動全てが羽雪にとって全てだった。
「あっ・・・・・。教科書忘れてきた。音美、英語の教科書とってくるわ。」
「うん。」
教科書の立ててある棚は彼の席ととても近い。
羽雪はさり気無く彼のほうを見た。彼がいない。
「井戸坂君、テストどうだった?」
ぱっと其処を見た。
彼がいた。名前も知らなかった彼がいた。
『井戸坂 龍皇(りゅうおう)』
彼の名前だった。羽雪の隣に彼がいる。
「きゃあああ・・・やばい!早く席かえろっ。」
英語の教科書に手を伸ばした次の瞬間。
龍皇も同じ教科書をつかんだのだ。手が触れている。
「ごっ・・・・ごめんなさい!」
「あ、僕こそごめん。これいいよ、使いな。」
彼が教科書を羽雪に手渡した。羽雪は心臓が破裂しそうで、どうにかなりそうで・・・。
暫く其処から動くことが出来なくなった。彼が羽雪をそっと振り返る。
何故か羽雪を懐かしむような優しい目で。

「音美、私井戸坂君に告るよ。」
学校で行き成りそう宣告した。音実は丁度お茶を飲んでいた所だったのに、
水筒の蓋をからんと手から落とした。
「あんた・・・・どうしたの?行き成りそんなこと言って。」
「私我慢できないよ。このまま黙ってるの。卑怯だもん。」
「どういう基準よ。」
「”好きです”っていえないのは私として邪道。胸張って言えるっていうのが
 正当じゃん。其処らへんはっきりさせたいの。」
「はあ、そう・・・。頑張ってね。」
決戦は金曜日。最高の場合も最悪の場合もちゃんと考えていた。
羽雪は一週間のうちに体重を一kg落とした。
髪の毛をきちんと結える癖もつけた。
成功しても玉砕しても何とか頑張って告白しようと決めた自分に嘘はつかない。
大丈夫、私ならできると痛いくらいに泣きそうになるほどの切な願いを
抱えて信じた。

金曜日。
羽雪はいつも以上に緊張して彼の側の席に座った。彼はいた。
一人勉強に取り組み、先生が来ても大して聞かず、何時もと同じ・・・。
終了時間が近づく。羽雪の心は一気に炎上した。
「大西さん終りね。」
一緒の時間帯に終ると思った彼は5分ほど延長することになった。
只管まった。その時。
「ありがとーございやした。」
そう言ってでてきた。          井戸坂君。
靴を履いて出て行きそうになる。
「井戸坂君!」
羽雪はとうとう呼び止めてしまった。今までが頭を駆け巡った。
隣の中学校の彼で、まさに一目惚れだったこと・・・・・・・・・・。
「あ。こないだの。・・・何?」
羽雪は下を向いていた顔をはっきりとあげた。
『頑張れ羽雪!正統派の告白、やってみろよ!』
「私みたいなのからいわれたって迷惑だと思うけど、
         井戸坂君、私・・・・!
             貴方が          大好きなんです!」
龍皇が羽雪の目を見た。
「ああ・・・・ははっ。」
龍皇が照れ隠しのように笑う。
「なあ、小学校の時の交流会で実行委員してなかった?」
小学校で色々話し合う為に龍皇と羽雪の学校は代表で実行委員を決めなければならなかった。
羽雪は絹坂小学校、龍皇は緑陽小学校、全然別の小学校だった。
「してた。」
羽雪は単語で喋っているのもわから無いほど、龍皇の顔を見つめるのに必死だった。
「僕も入ってたよ、大西さん見たとき凄い懐かしくて。覚えてたよ、ずっと。
 忘れたりしなかった。でも・・・僕今付き合ってる人いるから、ごめんな。」
「そう・・・ですか・・・。ごめんなさい、本当に。」
羽雪は涙が出そうだったけど堪えた。
無くなんてしない。恥かしいじゃん、だって・・・・。

諦めたりする気にはならなかった。
またアピールかける気になった。
私らしく井戸坂君にアピール掛けようと羽雪は思った。
悔しいし、悲しかったけど。辛かったけど。
彼の彼女に負けないほどの女になって、何時かあの人の側にいられる自分を
そっと考えた。
「ガンバろうっと!」
羽雪はまた彼に逢える日を待っていた。

          

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16648はじめまして一坪 E-mail 8/20-03:03
記事番号16646へのコメント

投稿ありがとうございました!!!

オリジナルの恋愛小説ですね。
読んでてテレテレしちゃいました。(笑)
あと登場人物の名前がかっこいいですねー。

これは連載なのかな?
だったら続きガンバって下さいね。
では、これからもよろしくお願いします。

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16654Re:はじめまして相楽 武蔵 8/20-12:45
記事番号16648へのコメント

>
>投稿ありがとうございました!!!
>
>オリジナルの恋愛小説ですね。
>読んでてテレテレしちゃいました。(笑)
>あと登場人物の名前がかっこいいですねー。
>
>これは連載なのかな?
>だったら続きガンバって下さいね。
>では、これからもよろしくお願いします。
>
これはこれで終わりです☆でも、今日から書いていく奴は、今私が学校で書いている小説で、水滸伝みたいな奴なんですよね。で、それが訳もなく長いんで、それを何回かに渡って書いていきますんで、どうぞ!読んでください。