◆−ガウリイの過去手記−夜一(8/27-14:35)No.16793 ┗Re:ガウリイの過去手記−珀(8/28-20:33)No.16809
16793 | ガウリイの過去手記 | 夜一 | 8/27-14:35 |
リナと出会う2,3年くらい前、俺はある富豪の専属警備団に籍をおいていたことがある。ほんの数ヶ月だったのだが、そこで不思議な体験をすることになる。 ・・・そうだな、どこから話すかな・・・ その金持ちはベイドルという男だ。やり手の商人で、国ひとつ買えそうなくらいの資産を持っていた。だが、そういうヤツに限ってろくでもない性質をも兼ね備えていたりするんだ。 早い話が、ベイドルはとんでもなく性格が悪かった。 俺自身もいい性格をしているというわけではないが、ヤツは人間的にやばいくらいの性格だ。 疑り深く、人を欺き、平気で嘘をつき、自分に利益のないものとことん虐げる。商人としては優秀な男だったと思うが、人間としては下の下に属するヤツだ。雇い主でなければ、即座に切り捨てていたかもしれない。 まあ、その頃の俺は仕事の内容よりも、その報酬の方に重点をおいていたからベイドルに雇われたのだが。 総勢200人にも達する専属警備団は、いわゆるシ−クレットサ−ビスみたいなものだ。常にベイドルの屋敷に留まり、彼の身辺を警護する。また、彼が出かける時(実はこちらに割く時間の方が多い)も絶対に側を離れずに行動を共にする。 ・・・実際、敵が多かったんだろうな。ヤツはいつもまわりをきょろきょろしていた。いつ自分を後ろから刺す人間がくるかどうかで挙動不審極まりなかったのを覚えている。 そしてヤツは常に、自分が雇った人間、つまり俺達をも疑っていた。 ある時ベイドルは俺に向かってこう言った。 『おい、ガウリイ。お前、本当はラドックのところの刺客じゃないのか?』 俺はもちろんラドックなんて人物は知らない。その通りに言えば、何度も念を押してくる。いや、むしろ最初から信じていないように、だ。 うんざりしながらも、黙って警護を続けていると、ヤツはやっと俺が無害な人間だと理解した(俺的にはそうでそうではなかったかもしれない)。 そうこうしているうちに、俺は警備団のリ−ダ−に指名された。そんな肩書きなどいらなかったが、給金は倍に増えるということで、おとなしく任命された。 相変わらず、ヤツの警護をすることに変わりはなかった。 商売敵による、傭兵から暗殺者の奇襲。町中で突如襲いかかってくる一般人。警備団に潜伏していた暗殺者。ほとんど俺が相手にすることになった。 そんな毎日に、そろそろ飽きてきた頃だ。 俺が、あの体験をしたのは・・・・ つづく。 |
16809 | Re:ガウリイの過去手記 | 珀 | 8/28-20:33 |
記事番号16793へのコメント >商売敵による、傭兵から暗殺者の奇襲。町中で突如襲いかかってくる一般人。警備団に潜伏していた暗殺者。ほとんど俺が相手にすることになった。 >そんな毎日に、そろそろ飽きてきた頃だ。 >俺が、あの体験をしたのは・・・・ つづく うわ〜きになるぅぅ!!!! また続き読ませてくださいね。毎回読みます!!! 珀 |