◆−初めましてぇ!−凛(8/28-20:26)No.16806 ┣Re:初めましてぇ!−珀(8/28-20:31)No.16807 ┃┗Re:こちらこそ、初めましてv−宝珠(8/29-08:45)No.16819 ┃ ┗Re:こちらこそ、初めましてv−珀(8/29-13:18)No.16822 ┣はじめまして−一坪(8/28-20:31)No.16808 ┃┗Re:はじめまして−珀(8/28-20:36)No.16810 ┃ ┗あの日あの時あの幻の場所で。−珀(8/28-21:04)No.16811 ┃ ┗こんにちは♪はじめまして♪−かお(8/28-22:23)No.16813 ┃ ┗あの日あの時あの幻の場所で。2−珀(8/29-00:10)No.16817 ┃ ┗あの日あの時あの幻の場所で。3−珀(8/29-01:22)No.16818 ┃ ┗あの日あの時あの幻の場所で。4−珀(8/29-18:30)No.16832 ┃ ┗あの日あの時あの幻の場所で。5−珀(8/30-22:44)No.16870 ┃ ┗あの日あの時あの幻の場所で。6−珀(8/31-22:13)No.16885 ┗初めましてっ!−紗希(8/29-14:46)No.16825 ┗Re:初めましてっ!−珀(8/29-16:32)No.16828 ┗宜しくね−紗希(8/30-14:19)No.16857
16806 | 初めましてぇ! | 凛 | 8/28-20:26 |
初めまして☆凛です。ここに来るのは初めてなんですよ〜。 なんかみんないい作品かいてるし。凛も頑張るますね。 同じツリーに第一話の作品を書いておきます。みんなにいっぱいレスもらえるように頑張りますね。でわ、これからよろしく★⌒(@^-゜@)v ††凛†† |
16807 | Re:初めましてぇ! | 珀 | 8/28-20:31 |
記事番号16806へのコメント >初めまして☆凛です。ここに来るのは初めてなんですよ〜。 御免なさい(T_T)いきなりどじリました。 私ハンドルネーム、珀にしようと思ってたのに、間違えました・・・・。凛はチャットよう(* ̄∇ ̄*;)。まじごめんなさい。これから珀でよろしく御願いします・・・。 |
16819 | Re:こちらこそ、初めましてv | 宝珠 | 8/29-08:45 |
記事番号16807へのコメント 珀さん、初めまして♪(^▽^) 宝珠といいます。こちらこそ、よろしくお願いしますね! 小説、楽しみにしてますvそれでわ★ |
16822 | Re:こちらこそ、初めましてv | 珀 | 8/29-13:18 |
記事番号16819へのコメント なんかもう結構かいたんで、見てください。やっぱすごく千と千尋に似てるんですよね。影響されて書き始めた物だから。でも自信作です!!! よろしくね☆ |
16808 | はじめまして | 一坪 E-mail | 8/28-20:31 |
記事番号16806へのコメント こんばんは。ここの自称管理人の一坪(ひとつぼ)です。 小説を投稿してくださるんですね。楽しみです。 ガンバって下さいね。 |
16810 | Re:はじめまして | 珀 | 8/28-20:36 |
記事番号16808へのコメント >こんばんは。ここの自称管理人の一坪(ひとつぼ)です。 こんばんわ☆いきなりHNをどじって、管理人さんに情けないところみられた!? >小説を投稿してくださるんですね。楽しみです。 >ガンバって下さいね。 頑張ります!!!私、非現実的な話を書くのが好きで、今回の話もいっぱい読んでもらえればわかってもらえると思う話です。 「千と千尋の神隠し」に似ている話ですけど、結構内容が変っている・・・と思う。頑張ります! |
16811 | あの日あの時あの幻の場所で。 | 珀 | 8/28-21:04 |
記事番号16810へのコメント 第一話 「渉〜!!!!」 ジーンズのベルボトムに白いカッターシャツで志野が叫んだ。黒いリストバンドをして携帯をいじっているのは、志野の彼氏の伊豆嶋渉。隣りに居るのはわたるの連れ、川井悠揮と河合康平、中村洋介、中屋怜。そして志野と一緒に来たのは志野の親友と呼べる、馬場理絵、浦辺奈実、森本麻衣の三人。 「よう!」 携帯をしまって、渉が立ち上がった。8月だが、渉は絶えず黒の服を着る。9人は高校生で、クラブは辞めて、バイトをしている。そして今日は久し振りに親友同士全員が揃った日。いや、全員じゃない。あと5人居るのだが、そいつらは全員バイトらしく、揃わなかったのだ。 「ごめんね〜、携帯の手続き長引いちゃって。」 「いいよ、気にするなって。俺らも事故に巻き込まれて、必死で原チャリ飛ばしてきたとこだよ。な、洋介!」 渉が明るくいう。今日は9人で仲良く遊園地へ行く予定で集まった。女子組で一番派手なのはやはり、志野。メイクはけばくないが、ナチュラルメイクのうまいこと。元々美人形の顔立ちをしていたせいか、4人の中で一番美人だ。4人とも綺麗なのだが・・・・。理絵はビジュアル系バンド命、奈実はクラッシックが好きで、麻衣は読書ばかり。三人とも中学の時は吹奏楽部だった。志野は一人、剣道部で、今は初段を持っている。 「じゃ、いこうや。」 怜が理絵と手を組んでキャァキャァと叫んでいる。親友同士の中で付き合っているのは渉と志野だけだ。仲良くてをつないで歩く姿を冷やかすのも面白い。 ―――†――――――†――――――†――――――†――――――†――――――†――――― 晴れていて、とても気持ちいい。普段は静かな麻衣が今日は良く喋るし、悠揮があれに乗ろう、これに乗ると大騒ぎする。だが、悠揮の一言であんな事になるとは思わなかった・・・・・。 「ミラーハウス行こうぜ?」 鏡ばかりの部屋は何か怖い物があった。 続く。 |
16813 | こんにちは♪はじめまして♪ | かお E-mail | 8/28-22:23 |
記事番号16811へのコメント 始めまして。下のツリーで下手な小説投稿してるかおといーます。 読ませていただきました♪ オリジナル小説なんですねー。 ・・・鏡・・・?これが、今後のキーワードなんでしょーか? ではでは、短いですが感想でした。 頑張ってくださいね♪(私も頑張らねば・・汗)では♪ |
16817 | あの日あの時あの幻の場所で。2 | 珀 | 8/29-00:10 |
記事番号16813へのコメント 第二話 鏡が9人を映し出す。麻衣は静かに笑っているが、何気なく引きつっている。悠揮も苦笑を浮かべだした。なんてたって、どこをどう見ても自分達の姿だけで・・・・。 「なんか怖くない?やばい気がするんだけど。」 泣きそうな奈実を洋介がなだめる。部屋の中は何も聴こえない。自分達の声が虚しくこだまする。するとそのとき。 「うわっ!びっくりした〜!!」 志野の携帯が行き成り鳴り出したのだ。中学生の時から好きな曲で、布袋さんの曲。馬鹿明るくて、聞くたびに”うるさい”と笑っていたはずの曲が、とてつもなく不気味に響いている。 「なにこれぇ。」 不機嫌な顔で志野が怒ったように言うと、全員が志野の携帯を覗き込んだ。ディスプレイには”非通知”そうかかれている。こう見えても志野はなかなかの怖がりだし、怖い事があるとすぐにないてしまう。不安げな顔で志野は電話に出た。 「・・・・もしもし?」 「・・・・・・・・・・・」ブチッ。 「やだぁ、マジ。出たらきれたよ〜。」 さっき代えてきたばかりの最新機種の携帯。今までと同じようにズボンのポケットに携帯を突っ込み、今度は渉に抱きつくようにして歩き出す。渉も険しい表情で志野を抱きしめるようにして歩く。すると今度は怜の携帯がなった。 「メールだ。」 「あっ、バイト組みじゃねぇ?」 無理矢理作っている理絵の表情。やたらと緊張が走る。 「おいなんだよ!!!」 「なんだったんだよ、メール。」 「見ろよ、これ。」 怜が顔を蒼ざめさせて8人に携帯を突き出す。そのメールを見た瞬間、奈実と麻衣が泣き出した。それを庇うように洋介と悠揮が肩を抱く。その瞬間だった。なんと、洋介と悠揮の手の中から奈実と麻衣が消えたのだ。 「えっ・・・・・?」 そう言った理絵の姿が消える。最初は何かの悪ふざけかと思った。バイト組の5人が、いたずらで俺たちにやっていて、それと手を組んでいたあいつらが俺たちをかまおうとしているだけ・・・そう思った。 「志野大丈夫か?」 「何とか・・・でも・・・何?・・・・きゃっ・・・!」 「志野!!!!!!!!」 ぐっとと手をつないだ渉も消えた。残された。 「おいおい悠揮。まじかよ?」 「洋介、これが現実ならたまったもんじゃねぇって。」 「けっ、なんだって。な?怜。・・・怜?」 隣りに居たはずの怜の姿がない。今ここに居たのに!なぜ?どこに消えた? 「おい、これ・・・・」 「志野のグラサンじゃん。間違いねぇよ。悠揮、そうだよな?」 「悠揮!?」 居ない。今いたはずの悠揮が怜に続き忽然と姿を消した。残りの二人、康平と洋介。行動力抜群のはずの二人も消えた。 ▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽ 緑の芝生、青い空、気持ちいいくらいのそよ風・・・・。なぜか9人はそこに寝そべっている。 「ん・・・・?」 そう言って最初に目を覚ましたのは麻衣。さっきまでの世界とのあまりの景色の差に驚きを隠せない。 「どこ?ここ・・・・。さっきまで遊園地で私・・・・・。」 視線を下ろした先に寝ている奈実を起こすと、奈実も同じように驚いた。そうこうしていると、9人全員が目を覚ましているではないか。 「うわ!めっちゃ綺麗な場所!!!テーマパークの跡地みたい!」 理絵はキャハハッと笑い声をあげて、志野の手を握る。志野もあまりの景色に志野も静かに手を握り返す。そして立ち上がった。 「感動しちゃった・・・・。凄い所だね・・・・。今の日本じゃ見られないくらい綺麗な。こんな所、まだ日本にあったんだ!!!」 怜から受け取ってかけたグラサンをそっと外し、景色を一望する。気がつくと9人の後に誰かたっている。はっとして振り向いた先に立っていたのは、赤いミニスカートのような着物に襷をかけた少女。手には水汲みの桶を持っている。暫く見つめあったままの対峙状態が続く。お互い何も喋らない。3分ほどたったとき、少女が口を開いた。 「お前達、人間か?」 甲高い声がそう問い掛けてきた。 「そうよ。人間。あんたも人間でしょ?」 理絵がそういうと、少女がさくさくと芝生を駆け下りてくる。麻衣と奈実は思わず退いたが、後の六人はそのまま対峙した。この後、少女のくちから、意外な言葉を知らされるとも知らず。 続く。 |
16818 | あの日あの時あの幻の場所で。3 | 珀 | 8/29-01:22 |
記事番号16817へのコメント 第3話 「私が人間?ふざけるんじゃないよ。私は人間じゃない!」 その着物の少女は言った。細い眉毛がきっとつり上がっている。着物に合わせているように、唇もほのかに赤い。志野は渉の視線がその少女に注がれているのに気付いて、何か心に引っかかる物を覚えた。 「じゃあ、なに?幽霊とでも言うわけ?お姐さん?」 持ち前の気の強さを見せ付ける志野に向かって、少女は言った。 「判らない。人間なのか、なんなのか。まぁいい。とにかく私についてきて。」 少し不敵に見えた笑顔の裏に、こんな目論見があったなんて、誰が予想したろうか?緑の芝生の坂道を登っていくと、信じられない光景が広がっていた。どこかレトロで、かつ近代的な町が広がっていたのだ。 「いい?今から私の言うとおりにするんだよ。この坂道をまた登っていくと、大きな城につく。その城の真裏に勝手口がある。その隣りに長い階段があるからそれを一気に上る事。そうして、茶色い扉の中に隠れてな。私が行くまでね。いい?」 「判った。」 不思議ではあったが、9人は言うとおり城へと向かった。 「でっか!!」 康平は独り言のように静かに驚いている。料亭なのか、あちこちから料理の匂いがする。真裏の勝手口をそっと開けて、階段を9人はほとんど音も立てずに一気に上りきった。茶色い扉は金属で出来ていて、ほとんどの面積が錆付いている。 「ここでいいよね?」 確認するように志野がいい、そっと扉を開けると、食料庫のよう。魚、肉、そして普段見られないような食料の数々・・・・。陰にそっと隠れていると、ぎっと音がして、あの少女が立っている。 「上手くいったみたいね。ちょっと来て。この水、飲んで。」 悠揮と怜の不思議そうな顔、渉と康平のリアクション、女4人の行動を見て、少女は笑った。 「大丈夫よ!!!!この水飲んだら、人間てことばれない。でも、指揮官さんには話すんだよ。で、あんたたちは今日からここで働くんだから。ここに来て何もしないなんてふざけた事言わせないから。私の名前は蘭。よろしくね。」 蘭と名乗る少女が桶に汲んだ水を飲めという。大人しく飲むと、一気に頭の中のものが抜けた気がした。が、名前も言えるし、気にしすぎなだけだと思っていた。蘭は残りの水を自分が飲み、照れくさそうに笑っている。さぁいこうか、といって蘭がたつ。あわせてたって、仕事場だという場所へ向かうと、蘭と同じ服を来た女の人や甚平を来た男の人たちが大勢働いている。見るところ、蘭は9人よりも4つほど年上に見える。後ろ髪を上の方で白い紐できゅっと結び、長い髪を揺らせて歩いている。周りをきょろきょろ見渡し、志野が気付いたように携帯を取り出した。それがいくらかけても繋がらない。渉も理絵も同じことをしている。 「なに?それ。」 蘭が珍しそうに見ている。 「携帯って言って、小さい電話って所かな?」 悠揮が説明すると、ふぅん、といい、また前を向いて歩き出した。ここの世界は、自分達が生きていた世界とは全く違う、別の世界だということをやっと自覚し始めた。 †◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯† 「指揮官様、指揮官様!」 蘭が大きな扉を思い切り叩いて、中にいる指揮官様とやらを呼んでいる。蛇の彫刻が施された扉が開くと、黒いレースのカーテンの後に男の人が座っている。隣りには女の人が居るようだ。 「この者たちに仕事を。後は自分達に説明させます。」 「判った。蘭もう下がれ。」 「はっ。」 そういうと蘭が扉を閉めた。指揮官様はじっとこちらを見つめている。暫くの間その状態が続く。話し始めた言葉は、自分達が人間である事だった。 続く。 |
16832 | あの日あの時あの幻の場所で。4 | 珀 | 8/29-18:30 |
記事番号16818へのコメント 第4話 暫くの間の沈黙は、9人と指揮官にとってとてつもなく張り詰めた物であった。部屋の中はランプの光だけで、周りにかけてある絵やカーテンが不気味に反射して、なんともいえない雰囲気を醸し出している。 「あの、俺ら、人間なんです。」 康平が唐突に言った。続くように怜が全てを説明する。遊びに来たはずの遊園地のミラーハウスから何の前触れも無くここに来てしまった、という一部始終を話したとき。 ドッ! 物凄い勢いの風が康平と怜を吹き飛ばした。指揮官か!と悠揮が叫んだ次の瞬間、志野が飛び出る。そして物凄い剣幕で喋りだした。 「あのね!私たちだって好きできたわけじゃないんだよ!!訳もわからないうちに神隠しみたいに連れてこられて、人間だって明かしたとたん風で吹き飛ばすって、あんた馬鹿じゃないの!?いい加減にしなよ!!!嫌ならさっさと帰らせて!どっちなのさ!!はっきりしな!」 「気の強い女だ。」 「うるさいね!あんたに言われたくない!!」 「・・・・・これはテストだ。試験だよ。いいか?お前達一人ずつ、そこに立て。俺が放つ風に耐えることが出来たらここで働いてもらう。」 「不合格だったらどうすんだ?」 「そこで死んでもらう。まぁその二人は合格だ。吹き飛ばされ方がいい。芸人として、この料亭兼宿で働いてもらう。名前は自分の下の名を名乗れ。苗字は今俺の手の中だ。その二人は目覚めたら自分の苗字はいえない。さぁ、いちばん最初は誰だ?」 「俺だ。」 そう言って名乗り出たのは悠揮。物凄い突風に髪をはためかせ少し退いただけで合格した。 「次は俺だ。」 渉。袖をまくって歯を食いしばり耐えた。渉も試験とやらに合格。次は女性陣。あの突風に耐えられるのはおそらく志野だけである。そのとき、指揮官はこういった。 「女は名前を名乗れ」 と。何のために名乗るのか、一番手である麻衣が聞くと、指揮官は答えた。 「女は下の名では呼ばれない。この正解では別の名を名乗るのだ。お前の名は何だ?」 「森本麻衣です。」 「麻衣、お前のこの世界での名は麻(あさ)!」 風が突き抜ける。麻衣は叫び声を上げつつも合格した。男性陣同様、その場に倒れこんで眠ってしまった。理絵の番。 「馬場理絵です。」 「お前の名は瑠璃(るり)!」 ぐっと目をつむり、理絵も合格した。奈実はというと、両手両足ががくがく震えている。志野の手につかまり、行ってくると残してお立ち台に立つ。 「浦辺奈実です!」 「お前の名は南(みなみ)!」 奈実の姿が風にまぎれて、合格を物語る。志野の番・・・・。携帯電話を渉のズボンに押し込んで立ち上がる。 「倉口志野!」 「お前の名!杏(きょう)!!!」 志野が剣道の気合にも似た声で風に向かって吠えた。退く事も無く、風を受けた志野もそのまま倒れこみ、全員が合格というまぁ無事な結果を得たわけだ。 †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† 気がつくと、目の前にたくさんの女の人がいた。全員が蘭と同じ赤いミニスカートの着物を着て、襷をかけている。だが、そこにいたのは志野、理絵、奈実、麻衣の4人で渉、悠揮、怜、康平がいない。いちばん最初に目を覚ました志野に向かって、女の人たちが一気に喋りだす。 「あんたよく耐えたね!」 「名前は?」 「どこも痛くない?怪我は?」 混乱する頭をもたげてよく考えた。上半身だけを起こすと、奈実たちをまず見た。静かに眠っている。今までのことが鮮明に思い出されてくる。そう、指揮官という人に会って、テストされたんだ・・・・・。 「ちょっと、お姉ちゃん名前は?」 「えっ・・・・」 「えっ・・・・じゃないよ。名前は?あんたのな・ま・え。」 いくら思い出そうとしても名前が思い出せない。苗字も、志野という本当の名前すらも。 「判らない・・・・。」 「はぁ?あんた、指揮官様に名前もらっただろう?ここでの新しい名前!」 その瞬間、風を浴びる前に聞かされた名前が浮かんできた。 きょ・・・・・杏・・・・きょう? 「杏です。」 「杏!?またいい名前もらったねぇ。」 「はぁ・・・・。」 「これ、あんたの友達?」 そういって指差されたのは奈実たち。すると、3人とも起きた。やはり頭がぼうっとしているのか、虚ろな目で杏を見つめている。周りの女の人たちが目に入っていないように。意識がはっきりしてくると、それぞれに名を語った。麻、瑠璃、南・・・・。自分の名前が思い出せないまま、着替える事になった。女性はみんな着ている赤いミニスカートの着物。襷を常時かけるという。名前を”赤羽織”というらしく、ここでの制服だそうだ。男性は着ているのは”黒羽織”。甚平である。 「麻!」 髪の長い、少し目の垂れた優しそうな女の人が麻を呼ぶ。何でも、ここで一人前になるまでは一人の人の弟子にならなければならない。麻の師匠は芽衣。 「瑠璃!」 瑠璃の師匠は華。さっぱりした性格の人で、仕事場の人からの好感も大きい。 「南!!」 南の師匠はなんと蘭。蘭はいわゆる、コギャルのような存在だという。 「杏!!」 杏の師匠は麗南。きびきびしていて、杏に張り合う気の強さの人だという。そして、リーダーシップを発揮する姉御だとか。 †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† 「なんだってよぉ!」 一方男性陣。女性陣の名前は聞いていないはずなのに、頭の中に入っている。 「杏・・・・・。」 渉のショックはよほど大きかったのだろうか、さっきから喋らない。男性陣も女性陣と同じように弟子に着く。 「怜と蓮。」 蓮は体格もよく、ここの少佐のような人。 「渉と賢。」 賢は渉と良く似た性格で、一気に仲良くなっていきそうである。 「悠揮と慧。」 慧は17歳。ここでは最年少で、悠揮と歳もそう違わないという。だが、中々のやり手だという。 「康平と勇。」 勇はけんとお同い年で23歳。康平とは合うかどうかわからない性格であった。 †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† †† ここでの生活が始まる。全然知らない世界。一体どうなるのか?まぁ、こいつらの活躍を期待するしかないだろう。 続く。 |
16870 | あの日あの時あの幻の場所で。5 | 珀 | 8/30-22:44 |
記事番号16832へのコメント 第5話 「廊下拭き、始め!!!」 一斉に広い廊下の拭き掃除を赤羽織を着た女性軍が始める。その中には勿論、杏、麻、南、瑠璃の4人がいた。 「えらぁい・・・・。まじで後30往復残ってるの!?」 「仕方ないでしょ!!」 「っていうか、杏・・・あいつ速いね〜。他の人のスピードについていってるもん・・・。さすが元剣道部。道場の床50往復拭いてただけあるわ。」 杏は剣道部時代、道場の床を一人で50往復拭いていた。筋トレにもなるといって、現役の時に休んだ事はない。熱があってもやっていたのだから。 「こらぁっ!麻!瑠璃!南!さっさとやんな!!!」 「はぁい!」 女性指揮官の声が3人を指して響く。残りの体力を振り絞って30往復した後は、厨房からお客様に料理を運び、担当のお客様に付いて接客という、めちゃくちゃハードな仕事をこなさなければならない。蘭や華、その他の人たちは難無くこなす仕事を4人は息を切らしてやる。だが、お客様といっても普通の客ではい。神や天使といった、聖者の休む場所が、4人のいる仕事場なのだ。一見病弱そうな芽衣でさえ、笑顔で接客をする。 「負けられないね。」 ぽつりと言った杏の言葉を3人は聞き逃さなかった。杏は本気になるとなんでもとことんやってしまう癖がある。 「麗南、私たち、仕事は?」 「杏はねぇ、5番部屋で末天使様御一行の接客。麻と二人でね。料理はもう運んだから、後はいって接客!ハイはやく!」 麗南がパンパン手を叩いて急かすままに、五番部屋へと向かう。 「ねぇ、杏。」 「なに?」 「後で康平たちのところ行かない?」 「あ!いいね☆行こう。渉にも会いたいし☆☆」 いざ五番部屋の前に立つと、なぜか緊張してきた。大きく深呼吸をしてもう一度襷を締めなおし、扉の前に座った。 「いらっしゃいませ!よろしく御願いします!!」 麻と杏。4人の中でも顔が特別いい二人の滅多攻め。末天使、という人たちはどこと無く根性が悪そうな顔だった。それぞれ適当な位置につくと当然のように話し掛けてくる。はっきりいって、麻も杏も逃げ出したい気分でいっぱい。さっきからやたらと背中や肩を触って来る。 『渉・・・・渉ぅ・・・・・。』 『康平・・・・・』 とそのとき。 「お客様?羽織子の体には触れないでいただけますかしら?」 麗南、蘭、芽衣、華の師匠4人組が立っていた。 「あたくしたちもお相手させていただきますわ。」 助かった・・・・。その気持ちでいっぱいだった。麻など、目に涙をいっぱいに貯めている。その反面、杏は・・・・殴ってしまう寸前だったのだ。だが、あの4人がいれば間違いなく大丈夫。宴会が終った後、客を部屋に送っていき、やっと羽織子達の自由時間が出来る。 「怜♪」 「悠揮♪」 「康平♪」 それぞれに会いたかっただろう。あれから2週間もたっていたのだから。そして誰よりも会いたかった。杏は渉に会いたかった。今日あった、あの事も話して・・・。 ▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽ 一方、西階。渉たちもそれぞれの仕事を終えてこれも自由時間を過ごしていた。 「あぁつっかれた〜〜〜〜!!!」 「力仕事なんてなぁ。己の無力さを思い知ったぞ・・・・。」 「渉は木材だっけな?」 「おう。木材。運びまくった。お陰でナイスバディ?」 「一回死ねお前。」 そんな会話をしながら4人が笑っていたとき。 「康平!怜!渉!悠揮!」 息を切らしながら羽織子4人が飛び込んできた。杏は泣いていた。どんなに渉に会いたかったか・・・・。 「杏!!!!来い!」 渉は杏を抱きしめた。会いたかった、会いたかった、会いたかった・・・・。 他の六人は照れくさそうに見ていた。 「おっ、渉。彼女か?」 賢だ。風呂上りなのか、髪がぬれている。賢は厳つい顔と声と体で、典型的な力仕事向きな人だ。渉と比べたら、いつもはいい体つきをしていると思う渉の体が細く見える。 「あぁ。可愛いだろ?俺の将来の嫁さん。」 「うわっ・・・・。」 「っていうか、もうそこまで決まってるの!?」 「今決めた。結婚する。」 「はは・・・渉、可愛い嫁さんと幸せに浸ってもらっていいんだが、俺たちは寝るぞ。明日は現場だ。」 「あい。じゃあな、杏。」 「うん。」 ▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽▲†▲▽▲▽ 羽織子も寝る時間になり、いろいろあった一日を締めくくった。 続く。 |
16885 | あの日あの時あの幻の場所で。6 | 珀 | 8/31-22:13 |
記事番号16870へのコメント 第六話 そう言えば、気が付いたのが極端に遅かったと思う。そう、洋介がいないことに・・・・。 †◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯† 「指揮官様。」 暗い部屋に洋介はいた。今までずっと料亭の方には出られなかったのだ。行動力があることで、指揮官に目を掛けられ、ずっと指揮官と働いている。 「書類の方がまとまりました。宿の羽織子達のところまで運ばせてはいただけませんか?俺とて、友人がどうしているか今知りとうございます。」 左手に抱えた分厚い書類は、羽織子達のプロフィールが書いてある。それを羽織子自身が確認し、また返却する仕組みになっている。要するに契約書だ。名前、生年月日、血液型、自分の性格、向いていると思う仕事・・・・。全てを確認した上で返却、指揮官の下にまた渡るのだ。そして、またその上に行き・・・・まぁその上の話はいずれ羽織子たちの間のおしゃべりで聞く事が出来るであろう。 「友人?」 「渉、怜、悠揮、康平、杏、朝、南、瑠璃の8人でございます。あの者達は、俺にとって無仁の親友でございます。ここへ来てもう1ヶ月経ちます。8人が今、どんな風に働いてどんな暮らしをしているか・・・・心配で夜も寝付けぬようになっております。」 「そうか。だがな、お前は俺の許可なしではいけない。宿には他の物に行かそうと思っている。」 「・・・・・・左様ですか・・・・・。」 洋介は半ば諦めていた。もう駄目だ。俺はもうあいつらにあえないんだ・・・・。そう思うとなぜか涙が出てきた。それと同時に麻のことを考えた。麻に会いたい・・・・。とそのとき。 「とは思っていたが、お前がそこまで言うなら仕方なかろう?1ヶ月宿で働け。その働き振りを見てお前がまたここに戻って働くかそのまま宿で働くか決めよう。だが書類を置いたら一度帰って来い。書類を配る間は友人とも喋る事は許さない。胸を張って、別人の振りをするのだぞ。」 「はい!それをこなせば、俺はあいつらのところへいけるのですね?」 「そうだ。」 洋介は部屋を飛び出した。宿へ宿へ宿へ!!!ただ走った・・・・・・。 †◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯†◯†●†●†◯†◯† 「杏、あんたも行くかい?」 「どこへ?」 「大湯だよ、大湯!風呂はいりに行くのさ。滅多に入れるもんじゃないよ、大湯なんて。」 「あっ、行く!待ってよ、麗南!!!」 ドンッ・・・・・。 「やっべ、ごめんなさ・・・・・洋介・・・?洋介!?」 「無駄口を叩くな、杏。黙れ。」 「なっ・・・・!南!麻!瑠璃!洋介だ!洋介が来た!!!」 「黙れ。指揮官様に即刻死刑にされるぞ?」 いつもと違う洋介に4人は驚きを隠せなかった。何かが違う。服も態度も違うけど、何かおかしい・・・・・・・・? 「ほら、書類だ。確認の上、投稿箱に入れること。いいな。今ここにいない奴の分はお前達でわたせ。いいな。」 「ハイ・・・・。」 続く。 |
16825 | 初めましてっ! | 紗希 | 8/29-14:46 |
記事番号16806へのコメント >初めまして☆凛です。ここに来るのは初めてなんですよ〜。 初めまして、凛さん。私は、ここに来ることはあまりありませんが・・・ (2の方が主流なので) >なんかみんないい作品かいてるし。凛も頑張るますね。 本当にそうですよね。皆様、良い作品ばっかりかいてらっしゃいます。 >同じツリーに第一話の作品を書いておきます。みんなにいっぱいレスもらえるように頑張りますね。でわ、これからよろしく★⌒(@^-゜@)v はい、これから宜しくお願いします♪ 以上、紗希でした |
16828 | Re:初めましてっ! | 珀 | 8/29-16:32 |
記事番号16825へのコメント はい、初めまして(* ̄∇ ̄*)。 また紗希さんの作品も読ませてもらいまッす☆ これからよろんね〜!!! 珀 |
16857 | 宜しくね | 紗希 | 8/30-14:19 |
記事番号16828へのコメント >はい、初めまして(* ̄∇ ̄*)。 いえいえ、こちらこそ♪ >また紗希さんの作品も読ませてもらいまッす☆ 私のが良かったならば、2にもきてくださいね〜☆ >これからよろんね〜!!! こちらこそ宜しくね〜☆ BY紗希 |