◆−合わせ鏡の迷宮 前編−白いウサギ (2001/9/10 20:22:15) No.17030 ┣合わせ鏡の迷宮 中編−白いウサギ (2001/9/10 20:28:13) No.17031 ┣合わせ鏡の迷宮 後編−白いウサギ (2001/9/10 20:31:35) No.17033 ┃┗Re:合わせ鏡の迷宮 後編−31 (2001/9/11 00:05:50) No.17043 ┃ ┗31さんはじめまして!−白いウサギ (2001/9/11 12:39:31) No.17051 ┣合わせ鏡の迷宮 番外−白いウサギ (2001/9/10 20:42:56) No.17034 ┃┣Re:合わせ鏡の迷宮 番外−清川正寛 (2001/9/11 18:30:26) No.17056 ┃┃┗清川さん、ご心配をおかけしました(笑)−白いウサギ (2001/9/12 15:50:33) No.17083 ┃┗お久しぶりですvvvv−あごん (2001/9/12 00:56:56) No.17075 ┃ ┗あごんさんお久しぶりですっ!−白いウサギ (2001/9/12 15:52:36) No.17084 ┣Re:合わせ鏡の迷宮 前編−31 (2001/9/10 23:48:07) No.17042 ┣始めましてです!!−猫斗犬 (2001/9/13 04:46:31) No.17105 ┃┗猫斗犬さん、はじめましてっ!−白いウサギ (2001/9/13 21:11:21) No.17121 ┣お久しぶりです〜−のりぃ (2001/9/13 21:44:52) No.17123 ┃┗のりぃさん、おひさしぶりです〜(^^)−白いウサギ (2001/9/13 22:58:51) No.17127 ┃ ┗後ろから広報部長がぁぁぁぁっ!(逃走中)−のりぃ (2001/9/15 15:33:53) No.17148 ┃ ┗枕元に広報部長がぁぁぁぁっ!(ビビり中)−白いウサギ (2001/9/18 01:59:39) No.17185 ┗Re:合わせ鏡の迷宮−ブラントン (2001/9/14 01:14:16) No.17129 ┗ブラントンさん、お久しぶりです(こちらでは)−白いウサギ (2001/9/16 02:32:39) No.17161 ┗レスありがとうございます。−ブラントン (2001/9/17 19:42:52) No.17178 ┗しぶとくレスってみます(笑)−白いウサギ (2001/9/19 00:04:36) NEW No.17197
17030 | 合わせ鏡の迷宮 前編 | 白いウサギ E-mail | 2001/9/10 20:22:15 |
大変ご無沙汰しております。白いウサギです。 ROMっているので気付くはずはないですが、かな〜り、うろうろしています。 以前の書き込みはいつだったのか……えーと…… …………………… まぁ、過ぎたことは忘れることにして、とりあえず現実を見つめましょう。 ここを訪れる方もずいぶん新しい方が増えましたので、 初めましての方もいらっしゃるでしょうが、よろしくおねがいします。 今回は大方の予想を裏切って、 スレイヤーズ中編、をお送りします。 そーいうわけですので、よろしければお付き合い願います。 ★☆★☆★☆ 『合わせ鏡の迷宮』 悪夢が――そこにはあった。 思考力がまるで奪われでもしたかのように、希薄になっていく意識。 ただ、虚ろな瞳で前を向く。 見ることは出来ない。 ただ目に入ってくるその光景を、信じることが出来ずに―― ――気が付くと、あたしは膝を折っていた。 肩がショルダーガードの重みと――別の重みで垂れ下がる。 それでも、今のあたしには――虚勢を張ることすら適わない。 目の前に広がる一面の黒みを帯びた赤。 まるで逃れるように、視線を逸らす。 だが、それで何かが変わるわけはない。 それが残酷な悪夢にして真実。 「お願い(はあと) 話し合いましょ(はあと)」 そいつは――真っ赤なひらひらドレスをそよ風にはためかせ、うるうるおめめでこちらへと駆け寄った。 ――あたしと同じ、その顔で。 「……つ、つまり……その『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』で生み出された、リナの影が…… えーと……君――というわけか……」 どう呼ぶべきか、固有名詞はもちろん、二人称すら考え込んで、ガウリイは肩を震わせ笑いを必死にこらえてそう言った。 『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』――それは、聞くも涙(ただし笑い涙)、語るも涙(どーにかしろ)、忌まわしい過去として、燃えないゴミの日に捨てた、遠い記憶の一単語である。 かつて、四百年ほど前に存在した魔道士、シャザード=ルガンディの作り出した、魔法道具(マジック・アイテム)の一つ。 それが、『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』だった。 もともと、対魔族用に作り出された代物で、これで相手を映すことにより、映した者と全く同等の能力を持ち、なおかつ相手と全く逆の性質を持った者を作り出す事を可能にする鏡である。 姿形、基本的な能力――つまりは筋力、瞬発力などはコピー可能ではあるが、経験、技術、知識などのコピーは現在の魔道技術でも不可能。 いくら『偉大なる(グレート)』の称号を持つ魔道士でさえ、それほどの技術を四百年もの昔に作れるはずはない。 そう思っていたのだが、その鏡は実在し――いや、実在していたと言った方がよいだろう。 『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』はかつて、あたしと、その時つるんでいた、とある女魔道士の目の前で、砕け散ったのである。 だが、しかし。 その時のいざこざで、生み出されたあたしのコピーは、自らを生み出した鏡が砕け散ろうと、なぜか消え去らず、こーして目の前に現れたのである。 正直言って―― ――ここまでなら、『嫌な思い出』のフレーズで終わらせることが出来るのだが、本気で泣きたくなることにそれだけでは終わらない。 映した者と逆の性質を持つと言うことは、敵意むき出して襲ってくる相手には無抵抗主義者を生み出すことだった。 そして、あたしを映したその結果は――乙女ちっくで人道主義者というまさしく最終兵器。 それこそが、今目前にいる彼女であった。 「ええ(はあと) はじめまして。 お会いできて光栄ですわ」 「やかましぃぃぃぃぃっ! あんたっ! なぁぁんでこんな所にいるのよっ!? ……じっ、じ――人権擁護の演説とやらはどぉしたのよぉぉぉぉ……」 頬を赤らめ、右手で軽く口元に手を添えながら、はにかむ彼女に思わず鳥肌などとたてながら、叫んでみたのだが、どうしても力が抜けてしまう。 出会い頭にアップまで駆け寄られ、精神的な致命的ダメージを負ったあたしは、近くの宿屋にかつぎ込まれ、ベッドに寝ころんでいたのだが……背中でガウリイ達からの失笑やら、嫌でも耳につくあたしと同じ声――つまりは、原因が話し込んでいるわけである。 これで静養など出来るはずがなかった。 「そちらの方は未だ続けております。 やはり皆様、話せばわかる方々ばかりで幸せな日々ですわ(はあと)」 「幸せなら、そのまま邁進して自然な感じでフェードアウトっ!」 なにやら胸の上で手を組み合わせ、うっとりする影に、あたしは思わずシーツを引き寄せる。 あー。さぶいさぶい。 「ま、まぁ――落ちついてくださいよ。リナさん」 あたしと影の間に割って入り、こちらを両手で制しようとするアメリア。 それでも頬がひくついてる。 その側でまるで感心がないよう振る舞っているゼルガディスだが、持っているグラスの水が小刻みに震えている。 ええいっ! あんたらもいつまでも笑ってるんじゃないっ! 「そうだぞ、リナ。 ほら――こんなに良い子じゃないか」 あ、あのなぁ…… フォローになっていないガウリイの言葉に何故かゼルガディスはこくこく頷いて、 「さすがリナと逆なだけはある」 ……をい。ゼルガディス。 「そんなぁ……ただ、自分に出来ることを一つずつやろうとしただけです」 ますます顔を赤らめながら、両手をいじりながら、うつむく彼女。 うっ、うぞぞぞぞっ!! 背中に走り抜ける悪寒に、あたしはとぉとぉ布団をかぶりなおしてベットに潜り込んだ。 「ふむ……『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』でリナさんと逆の性質を持つ者、として生み出されたわけですか……なるほど…… いやぁ、リナさん。文字通り反面教師ですねぇ。 はっはっは」 『はっはっは』ぢゃねーって。糸目神官。 「うぷっ……くくっ…… ……ま、まぁ――こうして会いに来たって事は何かあるんだろ? おれは、ガウリイ=ガブリエフ。よろしく……なっ」 「ぷぷっ……っく…… あ、あたしアメリア=ウィル=テスラ――ぷっ――セイルーンって言います」 プッセイルーンってなんだ、プッセイルーンってぇのは? 「……ゼルガディスだ」 いつも以上に短く素早くそう言って、すぐに顔を背けるゼルガディス。ちなみに肩が震えている。 「ゼロスと申します」 いつもと変わらず笑みを浮かべているようで、目尻が僅かにいつもより下がっている。 「ご丁寧にありがとうございます(はあと) フランソワ=ホルンと申します。以後よろしくお願い――」 言葉の途中。 張りつめた風船が爆笑という形で破裂した。 「あははは! り、リナさんと同じ顔でふ、ふらんそわ……っ!」 あたしと彼女を交互に指差しながら、目に涙すら浮かべて笑い転げるアメリア。 「し、失礼だぞ。アメリア――で、でも……」 たしなめつつ、眉と口端が歪みまくってるガウリイ。 「はっはっはっはっはっはっはっはっは」 いつも以上に笑い続けるゼロス。 「…………………………っ!」 必死にこらえながらもテーブルを握り拳で叩くゼルガディス。 「やかましいわぁぁぁぁぁぁぁぁっ! あんたらいつまで笑ってるのよっ! 他人事だと思ってっ!」 「笑顔が咲くのはよいことですよ(はあと) リナさん」 彼女のその一言一言に、力を奪い取られていく気がするのは気のせいなのだろーか。 「……あ、あのねぇ…… あんたも、もう少しその名前、どーにかならなかったの……?」 とりあえず実物の直視を避けつつ、言うあたし。 「でもぉ……影(シャドウ)とかじゃあ、可愛くないじゃないですかぁ。 それでぇ、どうせなら可愛らしいお名前を考えてみたんですけど……」 「だっ、大丈夫。可愛い可愛い」 ぱたぱたと右手で、腹を左手で抱えているガウリイは、相づちを打つようにそう言った。 「良かったですね、フランソワさん。 リナさんがこんな性格で」 「アメリア……どんな性格だって……?」 「ああああああっ! もちろんそれは―― ゼロスさんパス!」 言葉の途中で、アメリアは右の手のひらを送るようにゼロスへと差し出すと、 「――秘密です。 いやぁ、ナイスパスですねぇ。アメリアさん」 「なごやかにチームワークを発揮するなぁぁぁぁぁっ!! ――で!? あたしになんか用!?」 「……フランソワ本人に向かって言ったらどうだ」 「直視できたらそーしてるっ!」 本人に何の用かと直視して言うことが出来ないため、手近にいたゼルガディスの真正面に、びしぃぃぃいっ! と指付けたままでそう言った。 何が不満なのか、あたしの剣幕を正面で受け取る体勢のゼルガディスはジト目であたしを見たのだった。 「実は――大変なことが起こったのです…… 以前壊れてしまった『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』とは別の、もう一つの鏡が存在することがつい最近、わかったのです」 『なにぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?』 深刻な表情ながらもさらりと言ったその一言に、部屋一杯に驚愕の声が響き渡る。 「ちょ――ちょっと待って! 『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』ってあれ一枚じゃなかったのっ!?」 「いえ……発見された資料によりますと、どうやら二枚一組の物だったようなのです…… 合わせ鏡――というのは、ご存じでしょうか」 無論、知っている。 自分の後ろ姿を見るために、一枚の鏡を自分の後ろへと向け、更に別のもう一枚が背中へと向かう。 この二枚の鏡を向かい合わせることから、合わせ鏡と呼ばれているのだが――って、そうかっ! 「『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』は一枚では殺気溢れる敵対者に向けても、無気力な味方などという役立たずしか生み出さない。 だけど、その無気力な影を再び別の鏡に映すとしたら――問題は解決する。 そういうことね?」 「そうです。 もともと……そういう使用が正しいという記述が…… 何かの料理のソースで張り付いたページに載っていたらしいんです」 いや。もっと早く気付けよ。それは。 ……ま、まぁあたしとしても勝手に『世間に出すには恥ずかしいが壊すにはもったいない物』だから埋まってたんだろうと解釈したクチだが…… 資料自体は一切ノータッチ。一体誰があたしを責められよう。そして責める度胸があろうものか。 「で、でも――変じゃないですか? リナさん。 裏の裏は表でしょう? それなら敵対者の味方を増やすだけじゃあ……?」 「普通ならそうでしょーね。 だけど――合わせ鏡と、ふ……ふら……ごほん! ――彼女はそう言ったわ」 「リナ……まさかお前『フランソワ』って言えないのか……?」 ガウリイの鋭いツッコミをあたしはあっさり無視しつつ、 「アメリアの言うとおり、役立たずの味方をもう一度同じ鏡で映すなら単純に裏の裏、表が出てくるわ。 ――つまりは、敵対者が二人に増えることになるわけだけど…… ここで、注目して欲しいのは、『合わせ鏡』と言ったことよ。 合わせ鏡ってやったことある人はわかると思うけど……結構難しいのよ。 見たいところを全部見るのは」 「それはそうですけど……それとどういう関係が?」 「わかんない? 『合わせ鏡』は全部を映すことは――つまりは、全部反転させることは出来ない。 その事によって、性質の一部――映した人間と敵対するって部分が反転がされなくなるんじゃないかしら」 「なるほどな。 コピーホムンクルスの実験でも、コピーを繰り返し行うことで、いつしか能力の異なる者が出てくることがあると聞く。 それと同じ、と言うことか」 「多分――ね。 違う? ふ……」 「――フランソワさん」 言い淀むあたしのその横で、ガウリイは呆れた顔でそう言った。 いっ、いいぢゃないかっ! 自分と同じ顔と姿の人間指差して、いめぇじぎゃっぷの激しい名前が言えなくてもっ! 「すっ、凄いですっ! あたし全然解らなかったのにっ!」 「……あたしと同じ知識と知能持ってるんじゃなかったの……?」 言われながら、彼女はふるふると震えながら、少々視線を逸らし、顔を僅かに赤らめる。 「い、いえ……その…… 考えていくうちに……怖くなっちゃって(はあと)」 ――すりっぷ・だうん。 どがぐしゃぁぁぁぁぁっ!! 盛大な音を立てて、手近な床に体当たりする一同。 こっ、こいつはぁぁぁぁぁっ! 「――い、今のは効きました…… 精神体である僕が……ダメージを……」 よろりっ……と、片膝を尽きながら、苦悩のうめきをあげるゼロス。 いっそそのまま滅んでろ。埋めてやるから。 「い、いかん。俺達もそろそろ持たんぞ……!」 額を抑えつつ、何かを押し殺すゼルガディス。 持ちこたえんでいい。 最初から。 「だんだん笑えなくなってきました……」 だから笑うな。アメリア。 「………………………………」 ガウリイは既に放心状態である。頭の上にはひよこがぴよぴよ飛んでいたりする。 「と、とにかく……っ! どっちにしろ片方の鏡は壊れているわけだし、『合わせ鏡』の使用は不可能でしょうけど―― いくら役に立つか立たないか紙一重の物とは言え、使い方によっては危険な物になる――かもしれないわ。 それで? その鏡のことであたしと『話し合いたいこと』って一体?」 「はい……実は…… その『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』の資料を保存していた責任者さん――ルーチンさんって言うんですけど、その人が、資料と一緒に姿を消してしまったんですぅぅぅっ! ……どうしましょう……?」 「『どうしましょう』ぢゃないぃぃぃぃっ! 進歩がないぞっ! 進歩がっ! 以前と殆ど同じパターンじゃないっ!」 「お願い(はあと) 話し合いましょう(はあと)」 「どやかましいわっ!!」 あたしは怒鳴り声で即答した。 ……ったくぅぅぅっ! なに考えてんだっ!? 一体っ!? 以前起こった事件というのも、魔道士協会の関係者、それも副評議長があっさりトチ狂い、『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』を己の物にせんがため、研究と共に姿を消したというものである。 ――だからこそ―― 失敗したら学べよそこからちゃんとっ! 同じ様な場面で同じ様な事件起こしてどーする。 防止策考えろ。頼むから。 「何を言っているんですかリナさんっ! 経過はどうあれ、起こってしまったことは事実! と、なれば、今こそ正義の名の下に、怒りの鉄拳をっ!」 「――落ち着け、アメリア。 正義を実行に移すのは構わんが、その責任者が姿を消したと――何故あんたが知っているんだ。 話を聞くと、別にあんたは魔道士協会の人間じゃないんだろう?」 「――は、はい…… 実は、魔道士協会の方から通達があって…… 『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』対策には影が一番だって…… ……理不尽なこと押しつけられたってわかってはいるんですけど……断れなくって……」 「うーん…… 確かにリナなら言葉の途中でも『却下っ!』って、一言で断るもんなぁ……」 「そうですよね。 リナさんが断るってことは、フランソワさんは断れないってことになりますから」 「可哀想な人じゃないか、リナ」 「悪かったわね、幸せそうな人でっ! ――ンで、そのルーチンとかってのは一体何処にいるのよっ!?」 「は――はいっ……! 実はこの街の――」 言葉のその途中、あたしは影を蹴り飛ばし、仲間が集まるのを確認すると、唱えた呪文を解放する! 「封気結界呪(ウィンディ・シールド)!」 「火炎球(ファイヤー・ボール)!」 風の防御結界の呪文とほぼ同時に、灼熱の炎はあたし達がいた部屋に向かって直撃した! どがばぎぐぅぅぅうんっ! 盛大な音をたて、紅蓮の炎は部屋の全てを吹き飛ばす! 風の防御結界を張っているからよいものの、アメリアの言葉あたりから、部屋の窓の外に生まれた微かな気配に気付かなければ、今頃はみんなそろってウェルダン焼きである。 奇妙な違和感を感じた時、ガウリイの方へと視線を移せば、何やら彼も気付いた様子。 気配が刺客によるものかを確認するために、わざと大声で犯人のいる場所を問いかけたわけである。 しっかし……気配の隠し方といい、この火炎球の威力といい……どうやらかなりの手練れみたいね…… 見れば部屋の鉄で出来た窓枠が、ぐにゃりと溶けている。 あたしは気を引き締めると、呪文を解除し、瓦礫と仲間をかき分けて外へ出ようとし――ふと気付いてその動きを止める。 仕留めたと思って、油断したところを速攻で叩くっ! そしてなし崩しで事件うやむや――もとい、解決間違いなし! 「やられたフリならしても意味無いわよ」 ぴしぃっ! 頭上に降り積もる瓦礫のその先から聞こえるその声で、あたしは動きを脳味噌と一緒に凍らせる。 い……いや……そんなまさか―― 「――ま、そのまま旅立ちたいなら止めないけど。 つーか、そのつもり出来たし…… ――ンじゃあご要望どーり……」 「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!」 どがららららっ!! 重なる瓦礫の重みをものともせず、一気に吹き飛ばし、外へと弾けだしたのは、他でもない、このあたし、リナ=インバースだった。 崩れた宿屋の一室の窓の向かい、その屋根の上に佇む影一つ。 そいつは悠然と不敵な笑みを浮かべ――あたしを見たとたん、凍りつく。 「――っなっ!? こ、これは――っ!?」 動揺しまくる相手をしばらく見上げていると、遅れて瓦礫から這い出してくる仲間達。 なんとか足場を保ち、屋根の上に佇む相手を見上げて――一同はそのまま動かなくなる。 「……ふ、フランソワ…… あんたもしかして……すでに……」 一番最後に出てきた影に、すがるような視線を送るあたし。 表情がひきつっていくのが自分でも解る。 「ごっ、ごめんなさい……っ! あたしっ……あたし――っ! すでにコピーされちゃったんですぅぅぅぅぅっ!」 『どうえぇぇぇぇぇぇぇっ!?』 瞳に星すら浮かべ、今にも泣きださん表情で言う彼女に、今まで耐えていたものを吐き出すかのように悲鳴を上げる一同。 「あ――あたしっ! もうどうしたらいいか、わからなくって……っ!!」 『わからないのはこっちだぁぁぁぁぁぁぁっ!!』 あたしの声と、屋根の上――おそらく、フランソワのコピーの叫びが寒々とした光景に見事にハモった。 歳の頃は十六、七。 髪は栗色の長髪で――以下あたしと同様にて省略。 ただ、こちらは暗殺者(アサシン)風の黒くて動きやすそうな服と、全身を覆うタイプのマントを身にまとってはいるが…… ま――まさかすでにフランソワがコピーされていたとはっ! ……どーしろと言うのだ……この事態…… 「ああ……リナさんが三人…… この世の終わりだわ……っ! 父さん……もっと親孝行してあげれば良かった……」 「くっ……! このまま元の姿に戻れず終わるというのかっ!?」 「いやぁ、魔族の僕らは大助かりですね。 これでこそお役所仕事を邁進できるというものです。さすがリナさん」 「……この世界のうまい飯を食い尽くす気かっ!? 答えろリナ!」 「強引に決戦前夜的なセリフを吐くんじゃないっ! あたしのせいじゃないでしょーがっ!」 「ちょっとっ! そこのあんたらっ! 誰だか知らないけど黙っていれば言いたい放題っ! 覚悟は出来てるんでしょうねっ!?」 「ああ……っ! 話し合いましょう(はあと) お願い(はあと)」 『貴様はいいから黙ってろっ!』 くはーっ……くはーっ…… 肩で荒く息しつつ、屋根の上で頭を抱え込む二重裏(ダブル・リバース)。 きっとあたしも同じ表情なのだろう。 はやくも招集がつかなくなっている事故現場である。 ――しかし待てよ。 鏡は一枚しかないわけで、『合わせ鏡』の儀式は行えない。 となれば、単純に考えると――あたしの裏の裏というわけで、アメリアのセリフじゃないが、普通に考えればただの表。 つまりはあたしの味方となるはずだが―― ――いや、ひょっとして―― あたしを中心に考えるからおかしくなるんじゃなかろーか。 今回あたしは本日がファースト・コンタクト。 除外して考えるとすれば、フランソワは責任者ルーチンをおそらく『説得』に行ったのだろう。 つまりは使用者と敵対していたわけである。 そして――彼女は戦意など全くなかったはず。 この事を逆転させると――敵対する者に戦意溢れる味方の出来上がり。 ――って、ちょっと待てぃっ! それって最悪のパターンではっ!? 「……と、とにかくっ! ルーチンのことはさておいて! あたしの精神安定のためっ! フランソワっ! 有り金置いて、とっとと消えなさいっ! そうすれば命だけは助けてあげるわ!」 ――って、ルーチン放ったらかしだし…… ……ま、まぁおそらくフランソワがルーチンのことを真剣に心配していたとかそーいうんだろーが…… ダブル・リバースはびしぃっとフランソワからわずかにずれた方向を指差し、顔を若干背けていた。 ……どーやら彼女も直視したくないよーだが…… 「あ。リナだ」 「リナさんですね」 「ああ、違和感がないな」 「まんまですねぇ……」 なにやらしみじみ頷く一同。 こ……こひつらはっ! 「そ――そんなっ! お願いっ! 話し合いましょうっ! 話し合えば人間誰しもわかりあえ――」 「だぁぁかぁぁぁらっ! 話し合いたくないからこーしてんでしょーがっ!」 「えーと……以下同文。 そーいうことだから、フランソワ。 あたしあんたの味方にはなれそーにないわ。じゃ、そゆことで」 全くもって同感だったため、自分の意見を引用ですませると、あたしはすたすたと瓦礫をかき分けて―― 「待ってくださいぃぃぃぃっ! あなたにまで見捨てられちゃったらあたしっ! あたし……っ!」 うぞぞぞぞぞっ! 全身の毛が泡立つのを感じながら、あたしは両手で自分自身を抱きしめる。 ううっ……嫌だよぉ……帰りたいよぉ…… ひたすら乙女ちっくなポーズで膝から崩れ落ち、両手の指で涙をすくい取るフランソワ。ふらんそわ。 決してあたしとは相容れない存在である。断じて違う。 あたしは両手で頭を挟み込んでぷるぷる振りながら、自分自身にそう言い聞かせ、何とか自分を取り戻す。 気が付くと、そこに立っているのはあたしただ一人だった。 屋根の上では未だ頭をぷるぷる振りつつ、手近なものにげしげし蹴りを入れまくるダブル・リバース。 足下には崩れ落ちたまま必死に涙をこらえるフランソワ。 そして―― その先でぴくぴくと、虫の息の三人とプラスα。 「駄目だ……もうこれ以上……おれには……」 「父さん……アメリアは正義の星になります…… 先立つ不幸をお許し下さい……」 「……レゾ……この辛い世界を見ずに終わったあんたは……幸せだったんだ……」 「……最後に一目……獣王様にお会いしたかった…… お別れです……獣王様……」 「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! あ・ん・た・ら・はっ! 何考えてんのよ一体っ!?」 『理不尽な現実……』 「やかましいっ! ハモるなそんなしょーもないセリフでっ! ――ゼロスもっ! 死んだフリしないっ!」 殆ど蹴り起こす形で強引に全員を立たせ、ゼロスの方へと指を指す。 「いやぁ、でもこういうのも付き合っておくのが人間社会というものですし」 「あんたが言うなぁぁぁっ!」 全力であたしは言い放った。 ええいっ! どいつもこいつもっ! 「……えーと……自分の精神衛生のため、そこの物体を倒しに来たはいーけど…… 関わり合いにならないほーが良かった気が……」 屋根の突起物に片手をかけながら体制を整えつつ、呻くダブル・リバース。 「まぁ、本物まで出てきちまった以上、それが正しいと思うぞ」 「そうですよね。 フランソワさんはともかく、リナさんは……」 なぜだか気楽な口調で朗らかに笑いながら言うガウリイに、説得に便乗するアメリア。 「アメリア〜? 今なんて言ったのかな〜?」 「えっ、ええっと……! それは―― ゼロスさんパ――」 「それはもういいわよっ!!」 先程と全く同じパターンでゼロスへと手を伸ばすアメリアを、あたしが間に入り遮断する。 「う゛っ!? 見事なパスカットです、リナさん……」 「あのね…… ……ま、まぁいいわ。 で? あんたも関わり合いにならない方がいいってわかったんなら――どうする気?」 屋根の上に座り込んで突起物に体重を預けながら、ダブル・リバースはめんどくさそうな目をこちらに向け、 「一応……決着はつけといたほーが良いかと…… んで、ものは相談なんだけど、協力してフランソワ倒してそのまま解散! ――ってのはどう?」 「ああ、それね。却下。いじょ」 「ンなっ!? なんでっ!?」 提案した案を即座に拒否されたのが気にくわなかったのか、必要以上に驚くダブル・リバース。 しかし、あたしが答える前にアメリアが身を乗り出して胸を張ると、 「ふっ! それはもちろん! 正義の使者であるこのわたし! アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンと行動を共にし、リナさんの心が正義に目覚めたからですっ! あなたとリナさんとの決定的な違いは――ここにあるのですっ!」 ぐぐいっと、拳を握りしめて目に星を灯すアメリア。 どーでもいいが、空を仰ぐな。空を。 「――ほぉ」 冷たい目でこちらへと見るゼルガディス。 巻き込むな。頼むから。 「えーっと、盛り上がってるところ悪いんだけど――単純に、あんたが信用できないからよ」 「どういうことだ?」 例によって、例の如く、何も考えないガウリイが即座に質問を挙げる。 「つまりそこの屋根の上にいる人は、あたしの影ではなく、フランソワの影であることが理由になるわ。 ――フランソワ。あんた、自分の影がこの世界に居続けて――どう思う?」 突然話を振られたフランソワは、物影に隠れて顔だけおそるおそる出すと、 「そ、それは……話合えばどなたでも分かり合えると信じていますから……」 だいたい、あたしの影の影だから一緒という考えが単純なのである。 そーでなくても、あたしが不覚にも『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』に関わったのはずいぶん前のことである。 あれからそれなりの時が立っている以上、あたしだってそれなりに変化しているはずである。 それを言うなら、フランソワとて、あたしと会っていない間、変化していないはずはない。 「――つまり、居ても構わない。 存在を認めるってことになるわ。 と、ゆーことは、あんたは『自分以外の者を認めない』ってことになるわよね。 そういう奴と協力して、フランソワをどーにかしたとして――次のターゲットは誰になるか?」 「次に狙われるのはリナって事か」 ――ご明察。 ここまで説明した以上、ぼけた事言うようだったら本気でどうしようかと思ったものだが、ガウリイは正解を導き出した。 「さすがリナさん! 悪知恵合戦で勝てる者は居ませんね!」 「んっふっふ。アメリア、今夜、包帯持参であたしの部屋へ来るよーに」 「ああっ!? しまった正義のピンチっ!?」 頭を抱え込むアメリアを放って置いて、あたしは屋根の上に佇むダブル・リバースを見上げながら、 「そーいうわけで、却下。OK?」 「……しゃーないわね。 あんまし敵に回したくなかったけど――そこまで考えてるとは、ね。 オリジナルがあんたで良かったわ。 あんなのじゃあ死んでも死にきれないもの」 「……あんなのと比べられてもちっとも嬉しくないけど――ね」 少々皮肉な笑みを浮かべながら、あたしは肩をすくめてみせる。 ――つーか、本気で嫌だが。その相対評価。 「……ま、こうなった以上――やるしかないってわけね……」 「……やめといた方がいいんじゃない? あんた――フランソワの影でしょ? あんたじゃあたしには勝てないわよ」 「悪いけど――やりもしないで諦めるのも、負けるつもりで闘うのも大っ嫌いでね」 「なるほど。同感――」 そう言って、あたしは足場の良い、通りへと降り立つ。 冷風が前髪を撫で、通り過ぎる。 そして――あたしは腰を軽く沈め、身構えるのだった。 空は高く、澄み渡っていた。 風に乗る白雲が戦いの予兆を表す煙のように見えるのは、あたしだけであろうか。 火のないところに煙はたたない。 今まさに、煙で己を隠していた炎が姿を現そうとしていた―― 「火炎球(ファイヤー・ボール)!」 「氷結弾(フリーズ・ブリッド)!」 ぱりぃぃぃぃぃんっ! 生まれ出た炎と氷の球は、お互いを引き寄せ合うようにして重なり、消滅する。 顔を青くしたのはあたしの方だった。 「ちょっとまてぇぇぇいっ! 町中で火炎球(ファイヤー・ボール)ぶっ放すなんてどーいう了見よっ!?」 「周りの被害なんて考えてたら、あんた(オリジナル)には勝てないでしょーがっ! 全力でいかせてもらうわよっ!」 「ちょっ、ちょっとぉぉぉぉ!」 思わず辺りをきょろきょろ見渡すと、予想済、とでも言わんばかりに、ガウリイ達が慣れた様子で、旗をふりふりしながら市民の避難誘導を開始している。 ……あんたらなぁ……それはそれで腹立つぞ…… 人のことを危険物みたいに…… それとは逆に、物影で隠れていたフランソワが、あたしとダブル・リバースの前に飛び出した! 「駄目ですっ! こんな町中で攻撃呪文などっ! 絶対にいけませんわ……!」 「……つーことだから」 そう言って、フランソワを指差すダブル・リバース。 目が雄弁に『絶対にいけないと言うような奴の影なんだから、仕方ないでしょーが』と語っていたりする。 ひっ、卑怯者っ! ええいっ! 仕方ないっ! 「フランソワ! 話し合いだけで解決できないこともあるのよっ! 怪我したくなきゃとっとと避難!」 びっとガウリイ達が誘導している方向へと指差すあたし。 セリフがちょっぴし悪役風味であるが、気にしている場合ではない。 「そんな……っ! そんなことあるはずありませんっ! 人という漢字はお互いを支え合って出来ているように、人と人は――」 「だぁぁぁぁぁぁぁっ! 背中のかゆくなる論説は他でやんなさいっ! 他でっ!」 あたしの心を代弁するダブル・リバース。 うーむ。便利かもしんない。 しかし、それで引き下がるフランソワではないだろう。 そーだったらとっくに楽なのだが。 あたしはフランソワの正面へと歩み寄って近付くと、 「いっ、嫌です……! 話し合えば――話し合えばきっと……!」 「フランソワ、あなた勘違いしてるわ。 これは――話し合いなのよ」 肩に両手を置いて、ひたっと見つめ、諭すようにあたしは言った。 予想通り、フランソワは戸惑いをみせる。 「話し合い……ですか……?」 「そう――あたしと、彼女の二人は別に戦いをしているわけじゃないのよ。 いい? 『剣士は剣でしか語り合えない』 『男の会話は拳で語る』 ――聞いたことあるでしょう? つまりっ! 一見、魔法で殆ど殺し合いのように見えるこれもっ! 実はこれも友好的な会話っ! 女の子同士のコミュニケーションなのよっ!」 「ををををををををををっ!!」 あたしの言葉に惜しみない拍手を送る、ダブル・リバース。 目がきらきらと輝いているのは気のせいではないだろう。 ある意味勝ち誇るあたしをよそに、フランソワはわずかに小首を傾げると、 「でも……『女の会話は呪文で語れ』なんて聞いたことないんですけど……」 「だいじょーぶ。そのうち流行るから」 やや不満げに問い返すフランソワに、あたしは無責任に断言した。 自分で何が大丈夫なのかさっぱりわからんが、それはさておき。 いつまでも寝言に付き合うのだけはごめんである。 「つーわけで、戦い――じゃなかった。 友好的な会話を始めましょーかっ!」 「そうねっ! 勝負――もといっ! コミュニケーションを再開するわよっ!」 そう言って、乙女同士の友好的なこみゅにけぃしょんは再び幕を開けた。 ど派手な会話が花を咲かせる。 少々不利な展開だった。 相手は町中であろうが使う呪文は見境無し。 対して、常識的なあたしは使える呪文が限られる。 単純な力量としては負ける気などこれっぽっちもないが、面倒な相手であることには変わりはない。 いくら過去とは言え、あたしの影である以上、気を抜いてかかれるわけはない。 「氷窟蔦(ヴァン・レイル)!」 きゅかきこかきぃぃぃぃんっ! ダブル・リバースの解き放った氷の蔦が、辺りの瓦礫を飲み込みながら肉薄する! でぇぇいっ! 回避の面倒な技をっ! ならばっ! 回避をしなければいーのである! 自分から氷の蔦へと駆け寄りながら、その蔦が届く直前、あたしは大きく前へと飛んだ。 そして―― 「翔封界(レイ・ウィング)!」 風の結界をその身にまとい、あたしの身体が低空ながらも、氷の蔦を眼下にしてダブル・リバースへと真っ直ぐ進む! これで体当たりをぶちかますっ! 風の結界を制御しながら方向を調整し――っ!? ダブル・リバースの唱える呪文の正体に気付いたあたしは、即座に風の結界ごと急上昇! んぐむぐむむっ! 急激な方向転換による重力の増大で顔が歪むが、それを気にしている場合ではない。 「爆裂陣(メガ・ブランド)っ!」 眼下で発動するダブル・リバースの呪文。 自ら上昇したため、爆風による衝撃は最小限。せいぜい上昇速度が上がる程度である。 しかし、気付かずにあのまま体当たりをしにいっていたら、致命傷にはならないであろうが、爆風により、体勢をまともに崩されていたはずである。 振動弾(ダム・ブラス)あたりなら結界によってあっさり弾き散らす事が可能だが、なにしろダブル・リバースへと真っ直ぐ突っ込んでいたため、正面の攻撃には強くても、下からの攻撃には弱くなるのは仕方がない。 それにしても、見事な呪文の移り変わりである。 えーいっ! 早口は健在ってかっ!? ふっ! さすがあたしの影の影っ! ――冗談はともかく。 遥か上空に吹き上げられた形となるあたしは、逆立ちをしたような状態で下の様子を探るが、爆裂陣(メガ・ブランド)による土砂と埃で視界が悪く、様子を見てなどいられない。 しかし、それは相手とて同じである。 ともあれ、このまま上空にいて視界の回復を待っても、大技が使えない分、不利である。 とは言え、このまま降りていっても格好の的。 ――んーむ……ここは仕方ない。 下手な呪文の雨を降らせても、当たる確率はほぼゼロ。逆にこちらの場所がばれるだけである。 大きく迂回しながら、ダブル・リバースとの戦闘地より少々離れたところに着地した。 この辺りは当然の事ながら、呪文の余波はない。 しかし。 全員市民避難完了ってゆーのはどういう了見だっ!? どこまで破壊するもんだと思って居るんだあの連中っ! 「……おー。リナの方だったか」 ん? 間延びした声に振り向けば、右腰にはロング・ソード。 髪は金髪長髪。 市民の避難誘導を効率的に分かれて行っていたのか、ガウリイが一人で立っていた。 「なぁんだ。ガウリイじゃない」 「なんだってお前……カタはついたのか?」 「まだ途中よ。 やり合ってる最中にここまで移動したけど」 会話をしつつ、辺りを見渡すが、近くに物影は見当たらない。 周囲と空を見渡し、様子を探るあたしに、ガウリイは無造作に背後から歩き寄りながら、 「まったく……いくらお前さんが三人居るからって、あまり近所迷惑なことはやめとけ――」 「……炎の矢(フレア・アロー)」 ひゅごぉぉうっ! あたしの背中に生まれ出た炎の矢は狙い通り、ガウリイへと直進する! ――が! それを人間業じゃない反応速度で、かわすガウリイ。 いや―― 「いっ、いきなり何をするんだっ!? リナっ!」 「――教えてあげましょーか。 ガウリイの剣は、左腰に帯びているのよ。 なんで剣が逆なのかしらね?」 言われて、ガウリイが――いや、ガウリイの影の口の端が歪む。 「それともう一つ。 ガウリイに――一人で避難誘導なんぞ出来るわけないでしょーがっ!」 あたしはびしいぃぃっ! とガウリイの影へと人差し指を突きつける。 ……いや、まぁ、ほんとーに出来ないのかと聞き返されれば、正直自信は持てないが、少なくともゼルやアメリアが一人でガウリイを放っておくわけはない。 いついかなる場面でも保護者が必要だし。あの男は。 「後者はともかく……確かに剣のことは気付かれるか不安だったけどな。 だからといって、利き腕の逆に剣を帯びても仕方ないので――そのままってことだがな」 そういって、本人ならば決してしない――少なくとも、あたしの前では絶対にしない冷徹な笑みを見せる。 とりあえず――ボケてはくれないだろう。影である以上。 剣の腕前もおそらく本物と同等で超一流。あたしがかなう相手ではない。 無造作なその立ち方一つとっても、隙が全くない。 「――あいつの狙いはこれだったってことね……」 「お前さんの影の影――のことか? あいつなら、持ち主から鏡ぶん取ってきたとか言っていたぞ」 おいこら。ダブル・リバース。そしてルーチン。 思わず心の中でツッコミを入れるが、それには当然気付かず話は続く。 「お前さんと一対一じゃ分が悪いんで、混戦に持ち込む気じゃないのか?」 「ここまで移動している間にガウリイをコピーしていたって事か…… ずいぶん形振り構ってないんじゃない?」 「おれに言うなよ。 だいたい――それじゃ、お前さんは倒せない――だろ?」 そう言って、静かに剣を抜き放つ影ガウリイ。 さすがガウリイの影。 見事なクールさである。 逆に言えば本人は(以下自主規制) 「二人がかりは――ちょっと乙女相手に大人げないんじゃない? 保護者さん」 「――だとよ。 気付かれてるみたいだぜ。 本人には」 「……あっさり言うわねー。援護しよーと思ってたのに」 煉瓦作りの家のその影に、姿を現すダブル・リバース。 「そーだな。それじゃ頼むか。こっそりする必要はないけどな」 「ちょっ!? こーいう場面、普通は『一対一の真剣勝負』とかって展開でしょーがっ!」 「数にまかすのも悪くない」 顔色を変えるあたしに笑みを浮かべて言う影ガウリイ。 冗談ではないっ! 一対一でさえガウリイとの接近戦じゃ勝ち目無いというのに、ダブル・リバースが援護だとっ!? 逃げることもできないでしょーがっ! ガウリイなら数で攻撃するよーなこと絶対にしないぞっ! ――そーか。だからか…… 自分自身そう納得すると、気付かれないように小声で呪文を唱え始める。 まともに闘う気は無論無い。 ここは火炎球(ファイヤー・ボール)を上空に解き放ち、仲間を―― 「仲間を呼ぶ気よっ!」 うげげっ! 小声で唱えたのに何故っ!? ――って、あたしの耳はエルフ並…… ああああっ! いちいち反転しながら闘っていたんじゃとても間に合わんっ! まともに動揺するあたしに構わず、影ガウリイは剣に手をかける! じょーだんじゃないぃっ! 「火炎球(ファイヤー・ボール)っ!」 救援を呼ぶために唱えた火の球を、影ガウリイめがけて投げ放つ! 先に一言述べておく。 これは差し迫る事態なのである。 ガウリイと同等の剣士にこの距離で剣を抜かれたら、どうなることか考えてみるべし。 だから―― 『自分から町中で火炎球(ファイヤー・ボール)使うなと言っといてそりゃねーだろ』 ――なんぞと思っているそこのあなた。そこの君。奥さん、旦那さん。 ……ふぅぅぅ…… ………わかってない……わかってないっ…… ――こういう事態を体験してから言ってみよーね(はあと) 自分の命と建物の安全を天秤になんぞかけられるかっ! 解き放った火炎球は影ガウリイめがけて直進し――うあっ! あっさりかわされたっ! 影ガウリイは避けながらも、かえってこちらとの間合いを詰めるっ! 左の手を鍔元、目一杯につかみ取り、更に加速し、腰を軽く沈める。 抜刀術っ!? ――だがっ! 「ブレイク!」 ずばがうぅぅぅんっ! もともと空中で破裂させるつもりで唱えた呪文である。 アレンジしてあるのは当然っ! これは少々驚いたのか、爆風を背に食らい、派手に吹っ飛ぶ影ガウリイ。 ――それでも爆風受け流して受け身取ってるんだもんなぁ…… 派手に吹っ飛んだのは自ら飛んで爆発の威力を殺ぐためだろう。 予想通り、壁を背にゆらりと立ち上がると、舌で唇を軽く嘗め、余裕の笑みでこちらを見る。 ……誰だよこいつ…… すいません。 とりあえず激しくギャップがあってどーしよーも無くなってくるので止めて下さい。お願いします。 「……どうかしたのか?」 「別になにも。ただ呆れてるだけ」 あたしは素直にそう言った。 「そのまま呆れて隙を作ってくれると助かるんだがなぁ」 「ここで命を散らす程、気前も諦めも良くないんでね。 そりゃ無理な相談だわ」 「大丈夫だって。 それに隙ってのを作らせるのは――思ったより簡単なんだぜ」 本人と変わらぬ柔らかな笑みを見せると、剣を鞘へと戻す。 そして両手をポケットに突っ込み、再び腕を出すと――彼の指が掠れる。 ――指弾っ!? しまったっ! 剣を使うことでの唯一の弱点――間合いの狭さに気を取られ過ぎてたっ! あたしは殆ど崩れるようにその指弾をかわそうと動く! それを見越して影ガウリイが一気に間合いを詰める! さらに―― 「魔風(ディム・ウィン)っ!」 「な――っ!?」 斜め背後にいるダブル・リバースからの呪文があたしのバランスを崩す! マジで援護してくるかぁぁぁぁっ! 指弾を吹き散らすような位置ではなく、あたしのみをよろめかせる程度である。 もっと早くに呪文を解放していたら、逆に利用して風に乗ってかわすという作戦もあったのだが、下手に動きを取った直後のため、それは不可能。 このままでは指弾をかわすことはおろか、運良く指弾がはずれたとしても身動き取れずに影ガウリイにばっさりである。 どうする――!? 考えもまとらぬうちに指弾は目前まで迫る! 「破弾撃(ボム・スプリット)っ!」 ――!? あたしはむろん、影ガウリイ、ダブル・リバースの二人にも驚愕が走る! 突如叫びと生まれた呪文はあたしと影ガウリイを遮断する位置で炸裂し、指弾を飲み込み、爆音をとどろかせる! そして、声が朗々とそこに響き渡った。 「そこまでよっ! か弱い乙女によってたかって悪逆非道のその行い! 例え仲間の姿をしていても――いいえっ! だからこそっ! 天が地が、悪が許そうが、正義とわたしが許さないっ! とうっ!」 朗々と口上を叫ぶだけ叫んだ後、太陽を背にして、白いマントが空に舞う! 逆光を受けて一瞬にして黒い影と変えたその姿は、くるりと回転し―― これを好機と見たのか影ガウリイがアメリアへと指弾を放つ! しまった! フォローが間に合わな―― 焦るあたしのその先に、一筋の光が指弾を弾き飛ばす! 光を放つ人影を見上げれば、そこには見慣れた人物が立っていた。 ――ガウリイっ! 「やれやれ…… お前さんと一緒にいると、ほんと飽きないよな」 アメリアの指弾をはじいたその剣を収めると、苦笑しながら言うガウリイ。 登場が遅いぞっ! 本物っ! ――そう言おうと上を見上げたその直後。 「炎の矢(フレア・アロー)っ!」 「魔風(ディム・ウィン)っ!」 ダブル・リバースの追撃をあたしの呪文があっさり吹き散らす。 こう来ることは予想済である。 アメリアは無事に地面へと―― べちっ! ――いつも通り顔面で着地する。 「攻撃する必要……なかったかな……?」 「助けた意味……あったかな……?」 離れたところで呟くダブル・リバースにあたし。 しかし、地面から足を生やした状態でしばらくぴくぴくすると、ぴたりと止まり―― ごばぁぁぁぁっ! タメを作ってから、やおら元気に跳ね起きる! 「ご心配なく! 正義は永久に不滅です!」 そ、そぉですか…… どーでもいいが、そのパターンも永久に不滅か。オイ。 呆れまくるあたしと一同を無視して、アメリアは口上を続ける。 「――ただし! 『か弱い乙女』は謝罪と共に撤回しますっ!」 ……………………………… ――って、オイ。アメリア……? 「撤回するなぁぁぁぁぁぁっ! わざわざ言わんでいいっ! そんなことっ!」 あたしの叫びにアメリアは大きく首を横に振り、 「いいえっ! 嘘は悪の始まりですっ! ましてやこんな大きな嘘っ! 正義が決して許さないっ!」 「アメリア……包帯と共に松葉杖持参で今夜呼び出しね(はあと)」 「……きょ、極力回避させていただきたいんですが……」 具体的に脅されると弱いのか、急に弱気になるアメリア。 そんなアメリアを見ながら、ガウリイはぽつりと、 「……線香も貸してやろーか……?」 「いいえっ! 全力で遠慮しますっ!」 力一杯首を振るアメリア。 んーむ。具体例に弱い奴。 ともあれっ! 数の上では三対二っ! ――ん……? 「あれ……? ゼルゼロコンビは……?」 「うっわー。ゼルガディスさんが聞いたら怒りますよ、その言い方」 「いや。怒らせとけばおっけぇ。 で? どこ?」 「ゼロスさんは朗らかに笑いながら姿を消して、ゼルガディスさんは付き合ってられないと素直に旅立ちました。 ……わたしはもちろん、リナさんを一緒に救いましょうと説得したんですけど……」 「そうだったか? 確か、『ずるいですゼルガディスさんっ! ゼロスさんっ! わたしも連れてってくださいよーっ!』とか言ってたよーな……」 ……………………………………… 気まずい沈黙が場を満たし―― 「なっ、何を言ってるんですかガウリィさんっ! わたしがそんなこと、言うわけないじゃないですかっ!」 見事すぎる疑惑的間を置いて、アメリアは必要以上に大声を張り上げる。 「ほっほぉう……」 あたしはジト目でアメリアを見ると、 「あーっ! リナさんまでそんな目でわたしを見てっ! ボケが激しいガウリイさんとわたし、一体どっちを信じるんですかっ!?」 「ボケが激しいってお前……人を老人みたいに……」 アメリアの言葉にさすがに憮然とするガウリイ。 まー。それはともかく。 あたしはアメリアの肩をぽんっと叩くと。 「だいじょーぶよ。アメリア。 あたしはあなたを信じてるから」 「そっ、それでこそリナさんですっ!」 ぱぁぁぁっと目を輝かすアメリア。 あたしは笑顔で言葉を続ける。 「『嘘は悪の始まり』。 自分からそう言ったアメリアが――正義の味方が、嘘なんてつくわけ無いわよね」 あくまであたしはにこにこと言葉を続けるが、アメリアは見事にひきつりまくる。 やがて頭を抱えると、 「……ぉおうぅぅ……父さんわたしは一体どーしたら……!?」 なにやら勝手に苦悩するアメリア。 それはひとまずおいとくとして。 あたしはくるりとダブル・リバースへと向き直り、 「さて――と。 第二ラウンド。スタート――かしら?」 「ひたすらこっちを放って置いて、今更何事もなかったよーにクールに切り替えるか。あんたは」 人の雰囲気ある言葉を、身も蓋もなく台無しにするダブル・リバース。 ほっとくよーに。 過言じゃなく、あたしの周りにいる人間は、切り替えが出来ねばいつまでもペースをずるずるとひくよーなやつらばかりなのである。 「それにしても――おれがもう一人居るけど、なんでだ?」 ずるりりっ! あまりにも場の空気と事情の読めないガウリイは激しいボケを言った。アメリアの言うとおりに。 あたしは目眩のする頭を軽く抑えながら、 「えー……彼に説明したい人、立候補を募ります」 しぃぃぃんっ! 鋭いまでの静けさが場を満たし――ガウリイはただ単に小首を傾げる。 「じゃ、棄権したい人、手を挙げるっ! ――はいっ!」 あたしを含め、見事なまでに全員の手が一瞬で上がる。 まるで最後に手を挙げた奴に説明権贈呈っ! ――なんぞと言おうとしたあたしの考えを読んでいたかのように。 うーみゅ。なかなか見事な状況判断である。 敵もなかなかやるっ! 「と、言うことで、ガウリイさんの呟きは無視する、に満場一致で採択されました。 これを不服とするなら、議員の半数をこえる署名を提出する必要があります。 じゃ、まとまったところで話を続けましょうか。皆さん」 場所を間違えているよーな気がしないでもないアメリアのセリフに、何故かあたしとダブル・リバース、影ガウリイは大きく頷いた。 「いや……無視って……」 「まぁ、人数が増えたのは確かだけど――まさかそれで勝ったと思ってないでしょーね?」 「そのまさかだ――と、言ったら?」 「本当に無視するし……こいつら……」 「指差して笑う。 だいたい、こんなお間抜けな奴らがどれだけの腕を持ってるっていうのよっ!?」 「甘いわね。『人は見かけで判断してはいけない』って、まだ習ってなかったっけ? ……ある意味不幸なことだけど…… 腕だけは確かよ」 完っ璧にガウリイの呟きを無視して、あたしとダブル・リバースの間に火花が散る。 そして、その空気を読んでの上か、アメリアが一歩前へ出ると、 「ふっ! その通りっ! 人を見かけで判断する――即ち悪っ! こーみえてもわたしたちは腕だけなら――って、腕だけですかっ!? リナさんっ!?」 決めポーズのまま器用に首をこちらに向けるアメリア。 柔らかい奴…… 「誤解よ、アメリア。多分だけど。 つーことで、形勢逆転っ! て、事は間違いないわ」 しかし、今まで黙って成り行きを見守っていた影ガウリイは低く笑う。 「じゃ、さっきまで追い込まれていたことは認めるわけだ。本物さんは」 ぴきぴきぴきっ! ……むぐぅっ……! こっ、こひつっ……ずいぶん挑発がうまいじゃないかっ……! あたしは平静を装った表情で、何故か首はぎこちなく動きながら、影ガウリイの方へと視線を向ける。 「あ。怒った」 そう言って、手を叩いて笑う。 ぬうううっ! 許さんっ! ガウリイと同じ姿形の分際であたしをコケにするとはっ! あたしは迷うことなく呪文詠唱に取りかかり――それに気付いて慌てたガウリイとアメリアに取り押さえられる。 「のわぁぁぁぁっ! やめろリナっ! 町中で竜破斬(ドラグ・スレイブ)なんか使ったらどうなるかわからんぞっ!」 「放せぇぇぇぇっ! どーせ未来は誰にもわかんないんだし、そーいう展開も大いに結構っ!」 「あああああああっ! リナさんが壊れたっ! 落ち着いてくださいっ! あの人はガウリイさんとは別人ですっ! 別人っ!」 叫びながら渾身の力と気合いであたしにしがみつくガウリイ、アメリア。 未だ耳元で必死に説得を言っているよーだが、馬の耳に念仏。じゃじゃ馬に説教。 素直に聞くあたしではない。 「やかましいっ! とにもかくにも吹っ飛ばすっ! みんな全てぶっ飛ばすっ! そーすればうやむやのうちに物事が収まるという、自然の摂理の発動がっ!」 「起きませんっ! 不幸の大量発生しか起きませんよっ!」 「やってみなきゃわかんないでしょーがっ!」 「やってみてからじゃ遅いじゃないですかぁぁぁぁっ!」 んむうっ!? なかなかイタイところを……っ! アメリアの正当性がちょっぴしあるよーな気がしないでもない発言に、あたしはアメリアへと向き直ろうとしてもがくと――あっさり脱出する。お……? 不審に思うあたしのその頭上、光が生まれたような気がした。 ずがぎぃっ! 生まれたもう一つの光が他方を受けとめる! 「――会話の隙に攻撃とはな……! ずいぶんな精神じゃないかっ!」 「はっ! 笑わせるなっ! 戦闘中に隙を見せる方が悪いっ!」 頭上で同じ声が行き交う。 なるほど。突然攻撃を仕掛けた影ガウリイの攻撃を、本物がしのいでくれた、とゆーわけか。 ともあれ、こーなった以上、あたしやアメリアがのほほんと側にいても、ガウリイにとっては邪魔にしかならない。 素直に移動を開始する。 ……まぁ、達人同士の仕合いの側にいちゃ何があったもんかわかったもんじゃないとゆー考えもあるのだが。 「それにしてもガウリイさんの影……まともですね……思ったより……」 「だめよアメリア。それ以上言っちゃ。 ふっ……ガウリイがかわいそーじゃない……」 「そのガウリイさんと一番長くいるの、リナさんなんですけど……」 「……あんた……『口は災いの元』って言葉、知らない……?」 軽口の叩き合いをしつつ、あたしはガウリイ達に背を向け、ダブル・リバースへと向き直った。 彼女は悠然とこちらを見返しながら、不敵に佇むのだった。 『合わせ鏡の迷宮(らびりんす) 中編』に続く |
17031 | 合わせ鏡の迷宮 中編 | 白いウサギ E-mail | 2001/9/10 20:28:13 |
記事番号17030へのコメント 「数の上ではそちらが有利―― そう思っているんでしょーね」 あくまで不敵の笑みを崩さずに、二重裏(ダブル・リバース)はそう言った。 戦略上、同じ能力を有する、ガウリイ対影ガウリイにはアメリアが加勢を。 過去の己の力量を有する者が相手なら、どれだけ自分が成長したかを知るのも悪くない。 あたしはそう考えていた。 「単純な計算ならそうなるはずだわ。 だけど――そうはならない――」 あたしは彼女の自信がハッタリでないことに気付いていた。 ゆっくりと歩みを進めながら、あたしは言う。 「その通り。 ……認めるのはしゃくだけど、あんたは強いわ。あたしより。 だけど――負けない。負けられない。 オリジナルには、なおさらね」 頭を軽くかすめる過去の戦い。 一瞬、彼の顔が重なったのは見間違いだろうか。 「――この手段だけは――使いたくなかったわ――」 そう言うと、彼女は疲れたような――それでいて何処か寂しげな笑みを見せる。 その仕草を、人は弱いと言えるのだろうか。 「それでも――負けるのより何倍もマシね」 決意のこもった瞳をこちらに向ける。 あたしは軽く頷いた。 「構わないわ。全力で来なさい」 あたしはそう言うと、軽く息を吐いて呼吸を整える。 現在のあたしより劣るとは言え、そこらの魔道士に比べれば何倍も腕は立つだろう。 もとより油断はもっての他。 あたしは呪文の詠唱を開始する。 ダブル・リバースは決意を込めた眼差しを閉じ、精神を集中させると、天を仰ぎ、右の手のひらを空へと突き出す! 馬鹿なっ!? 呪文詠唱が早すぎるっ!? 呪文詠唱は聞こえなかったが、こんな印の切り方をする呪文はあたしは知らない。 成長したのはあたしだけじゃないってことかっ!? あたしの対処が定まらぬ間に、ダブル・リバースは高々と声をあげた! 「出よっ! 我が配下、ブラック・アメリア!」 ……………………………………………… ………………はい……? 脳味噌処理速度機能低下、つーか、停止中。 氷をまとった風が世界を通り抜ける。 ……………………………えーと…… 「ふははははははははっ!!」 ひたすらリアクションに困りまくるあたしに、強引に時を刻む悪っぽい高笑いっ! しかもトーンがヤケに高いっ! どーやっているのか不明だが、こだまするように面妖な高笑いがエンドレスする。 「……これって……もしかしなくても……」 隣で構えていたアメリアがつうっと、汗を流す。 顔が青くなっているのが、あたしにははっきりと見て取れた。 「ふっ! よくぞ見抜いたっ!」 いや、何も言ってないが。 まぁ、言う以前にモロバレだけど。 何処からともなく聞こえる声にあたしは条件反射的に空を見上げ、アメリアもそれに続く。 しかしっ! ずごごごごごごっ!! 爆音と共に土をせり上げながら、地中から接近する気配! 『んのわきゃぁぁぁぁぁっ!?』 あまりのインパクトにあたしとアメリアは意味不明の悲鳴を上げつつ、その場から大きく飛んで退く! 地中からでっけぇモグラが土砂を吹き上げながら全力疾走しているとでも言えば少しは伝わるだろーか。 ともあれ、先程まであたしとアメリアが居たところまで土は直進すると―― ずぼごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!! ひたすら土派手な土砂を吹き上げると、そこから飛び出したのは予想通りのアメリアの影(シャドウ)! しかし、全身は黒一色。 アメリア本人が好む白い服とは正反対の格好である。 黒いアメリアは空中でくるくると回転をすると――見事華麗に着地するっ! 「……着地……成功してるな……」 「……してるな……成功……」 両者打ち合うことすら忘れ、ガウリイ’sは間抜けに呟いた。 「ふっ! とりあえず相手を驚かしてビビらせるっ! これぞ悪っ! 意味はなくとも黒い服を纏うっ! これぞ悪っ! 四天王、ブラック・アメリアの姿を見れたこと――光栄に思うがいいわっ!」 「……はぁ……そーですか」 ひたすら安易としか思えない口上に、あたしは適当に相づちを打った。 「ええいっ! そこっ! 気のない返事をしないっ! するなら恐怖に顔を歪めるとかっ! 意味もなく悲鳴をあげてみるとかっ!」 そーいわれても……リアクションに困っているあたしにこれ以上何を望む……? あんたは……? 「……どーでもいいが……四天王って……おれも入っているのか……?」 やはり固まったまま、ぼーぜんと呟く影ガウリイ。 それ以前にちゃんと四人居るんだろーか。 ともあれそれは聞こえなかったのか、それとも聞く余裕がなかったのか、アメリアが悲鳴に近い声をあげた。 「何を言ってるんですかっ!? ――と、言うよりあなたは誰ですかっ!? わたしと同じ顔と声で何をやって居るんですっ!?」 顔を今度は真っ赤にして、アメリアが言い募る。 真っ黒アメリアは本人の方へと向き直る。 「――嫌なの?」 「当たり前ですっ!」 「嫌がることをするっ! これもまた悪っ! なんて甘美なひ・び・き(はあと)」 「うくあああああああああっ!!」 ある意味アメリアと同じレベルで自分の世界に入る、影アメリア――もとい、ブラック・アメリア(自称)に思わず頭を抱えるアメリア。気持ちはわからんでもない。 「リナさんっ! こんなのわたしじゃないですからねっ! 別人ですっ!」 「だいじょーぶよ、アメリア。 着地を無事成功させるなんて、もぉ絶対アメリアじゃないわ」 「……そ、そぉいう区別はちょっとショックだったりするんですが……」 ジト目でこちらを見るアメリアを、あたしはあっさりと無視をした。 諦めたのか、ブラック・アメリアへと視線を移すと、頭をぶんぶか振り回し――やがて涙をこらえているのか脱力したのか、ぐったりと肩を落とし、動かなくなる。 ……そっとしておいてあげよう…… それがきっといいよーな気がする。 あたし達の心情に気付いたのか、ダブル・リバースは後ろ頭をかきながら、 「こー呼ばないと、登場してくんないのよ……彼女…… しかもわざわざ『ブラック・アメリア』と呼べっつーし」 この手段だけは使いたくなかったってぇのはこういう意味か。オイ。 あたしは未だ復活することが出来ないアメリアを一瞥すると、ダブル・リバースへと視線を移す。 真っ直ぐにその瞳を見つめ――あたしは言った。 「一つだけ聞くわ。 本当に――負けるのより何倍もマシ?」 「うくっ!? ひっ、人が気にしてること言うなぁぁぁぁぁっ!!」 イタイところをつかれたのか、ダブル・リバースは顔を真っ赤にして叫んだのだった。 うーむ……敵ながら気の毒な奴…… ちらりとアメリアの方を見やれば、顔を下に向けぶつぶつ言っているかと思いきや、はっと何かに気付いたように天を仰ぎ――首を横に振ると再び顔を下へと向ける。 そんな仕草が何度か繰り返されていた。 がんばれアメリア。負けるなアメリア。立ち直るのは自力でね(はあと) はくじょーと言うなかれ。 確かに関わり合いになるのも嫌だが――さんざ笑われて素直に助けにいけない心情こそが人情っつーもんである。 …………………違うかもしんない。 まぁべつにどーでもよいのだが。 「ともあれ――これで数の上では互角――」 ずがざしゅっ!! ……どどどどどっ! がうぅんっ!! 決めポーズと決め顔のまま、背後から迫る異音にダブル・リバースは凍りついた。 ……? どうやら別口の戦いが背後で行われているよーだが…… 今は人が避難しているとはいえ、辺りは町中である。 それなのにこの爆音とは――これじゃあまるでリナ=インバースである。 一体何者――なのかは、実は何となくわかっている。 出来れば―― ――出来るのなら――はずれて欲しいのだが―― ……まぁここまでくると、ほとんど『死なばもろとも』のノリである。 くだらない結末なら結末で、とっとと終わって欲しいもんであ―― 「地撃衝雷(ダグ・ハウト)!!」 「やっぱりあんたらか……っ!?」 とどろく呪文に、吹き上げる土砂。 その正体に気付いたのか、ダブル・リバースは苦手なものでも来るかのように声をあげながらも表情をひきつらせ、逃げ腰になる。 ……逃げ腰? 増援じゃないのか? それにあんたらって……ん? ぴしぃっ!! 町の建物と建物を間を疾走する、その姿をちらりと見たあたしは凍りつく。 体中が汗を流す。まるで今見たことを洗い流そうとでもするように。 ……い……今のは…… 「振動弾(ダム・ブラス)っ!」 通過したその空間から視線を凍りつかせた状態で、次いで姿を現したゼルガディス(本物だろう)が血走った目で呪文を解き放っていた。 先程通過した物体を狙っての呪文だと言うことは容易に想像が出来る。 「火炎球(ファイヤー・ボール)っ!」 何故かここぞとばかり、それを援護するダブル・リバース。 ……いや……実は理由は想像できているのだが…… ――はっ!? そう言えばアメリアはっ!? ぎぎぎぃっとぎこちない動きで振り向けば、そこには目に涙を浮かべたまま、きょとんっとするアメリアの姿。 ……これは……見ちゃっただろーなー…… あたしは顔を赤くしながら、先程の忌まわしい空間に背を向けた。 身体の中から湧き出てくる熱に、あたしはぱたぱたと自分の手で仰ぎながら、軽く溜息をついた。 「ふはははっ! やぁ、みんな待たせたなっ! 僕がみんなのヒーロー! 裏・ゼルガディ――」 『服を着ろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』 場違いなほどに明るい声を、ゼルとダブル・リバースがかき消した。 ……まぁ、そーいうことである。 ゼルガディスは、己の姿を隠していた、全身を覆う白いマントとフードを裏ゼルにおしつけ、興奮冷め止まぬ状態であたしの前に立っていた。 話を聞くと、あたしを捜し回っていた裏ゼルと偶然ばったり出会い、相手がモロに肖像権心外な物体であったため、排除を固く誓い、追いかけ回していたところらしい。 ……で、裏ゼルと闘っているうちに、あたし達と再開という形になったわけである。 考えてみれば、ダブル・リバースが鏡を使って仲間を増やしたところで、あたしの居場所を知っているわけはなく、人数による人海戦術で捜索をし、偶然影ガウリイとダブル・リバースのコンビがあたしを見つけた――ってトコロだろう。 ゼルの性格から考えると、影との出会いはどんな拷問よりも強烈だったことは想像に難くない。 未だに、こーして服の端っこを握っていないと、今にも飛びかかりそうである。 ……まぁ……気持ちはわからんでもないのだが…… あっちはあっちで、裏ゼルのマントの上から、ダブル・リバースがぶちぶち言いながら、要所要所を紐で結びつけていた。 動きやすいようにではなく、簡単に服を脱がせないためだろう。 ……敵ながら哀れな…… 「ちっ。俺は自分の姿が気に入っているのに、隠せとはどーいうことだ!?」 「やかましいっ! 埋められないだけマシだと思いなさいよねっ!」 「納得いかぁぁぁんっ!」 誠意溢れるダブル・リバースの説得に、裏ゼルガディスは後先考えずに叫ぶ。 ひきくぅっ! ダブル・リバースは見事に顔をひきつらせ、 「……埋めろ」 ぱちんっとダブル・リバースが指を鳴らすと、影ガウリイとブラック・アメリアは早速作業に取りかかる。 どうやら二人も同意見だったらしく、素晴らしい速度で行動を実行していく。 「やめろぉぉぉぉっ!」 一人叫ぶ裏ゼル。もちろん誰も聞いていない。 低い笑い声だけがダブル・リバース達から聞こえてくる。 ……うーん……大変だなー……あっちはあっちで…… ――まぁ、こっちはこっちで大変なのだが。 服の端から僅かに伝わってくる小刻みな振動は、感情を押し殺しているゼルの余波だろう。 本人目の前にして、顔に泥を塗りたくられているよーなもんである。 これで『怒るな』なんぞと言えるわきゃない。 アメリアはアメリアで自分の影と目を合わそーとしないし。 唯一なんの変化なく、あたしの横に立っているガウリイは、物珍しそうに影を見渡すばかり。 ――まぁ、こいつの場合、一番タチが悪いとゆー説もないにはないのだが…… しっかし……こぉして影が全員集合とは――どーしろってんだ。全く。 あちらはあちらで未だ掛け合い漫才しているので、今はほっとけばいーのだが、いつまでも放って置くわけにはいかない。 いずれは決着を付けねばならないだろう。 と、なると戦いになるわけだが――ん? 待てよ…… あたしが過去に影(シャドウ)を生み出されたときは、あたしと対象で、戦意が全くなかったのだが…… あいつらときたら、ふざけてはいるものの、戦意はある。 と、言うことは―― 「ガウリイ、ゼル、アメリア」 あたしは視線をそのままに、声を低くして名前を呼んだ。 怪訝な気配を返す三人。 それに構わずあたしは言った。 「あんたら……あたしが自分の影と闘っていた時――やる気なかったわね……?」 ぎくぅっ! あたしの声に、三人はまともに動揺の気配を見せる。 図星か…… 「いっ、いや――だってなぁ、リナ……」 「くだらん戦いに参加する気は毛頭無い」 取り繕うように言うガウリイに、きっぱりというゼルガディス。 「やかましいっ! そうやって言っているから余計にくだらない戦いになってんでしょーがっ! 責任をとれっ! 責任をっ!」 「う゛っ……!?」 思い当たることがありすぎたためか、ゼルガディスは痛恨のうめきを漏らして、沈黙する。 それを見かねたのか、アメリアが援護する。 「――でっ、でもリナさんっ! あの空気でどうやって真面目に戦えって言うんですかっ!?」 「過ぎたことは忘れたわっ! そんなことより今そこにある危機が大事よっ!」 「お前……自分から持ち出しといてそりゃないぞ……リナ……」 あっさりきっぱりと言ったあたしの言葉を、ガウリイがぼやくが、取り合うあたしではない(非道) 「――しかし、あいつらいつの間に俺達の影を作り出したんだ?」 …………………………………………………… ……確かに。それは疑問である。 ガウリイらしからぬまともな意見に、思わずツッコミを入れようとしたのだが、探しても突っ込むべき所が見つからず、思わず一瞬動かなくなってしまった。 「それなら――避難誘導している最中ですよ、ガウリイさん」 「まーた脈絡もなく出たわね。 セオリー無視男」 背後から突然出現した朗らかな声に、あたしは身も蓋もなくそう言った。 振り返るまでもなく、正体は分かっている。 この緊迫――していないけど、場も雰囲気もノリも考えず、間延びした声で登場する奴と言えばただ一人っ! 自他共に認める謎の神官(プリースト)、ゼロスのみっ! ……ま、まぁこいつの場合、登場するタイミングが掴めないんで適当に出てきた、とゆー可能性もあるにはあるのだが…… ともあれ、どこから調達してきたのか、手には湯飲みなんぞをもっていたりする。 どさくさに紛れて空き巣泥棒するとは……さすがなんちゃって魔族…… 「う゛っ!? そんな言い方こそセオリー無視じゃないですかっ! リナさんっ! 驚いてくださらないんですか? 皆さんまで……」 「そんなこと言われてもなぁ…… 自分たちの影ですでに充分ビックリしたあとだし……」 「今更貴様が突然舞い戻ってこようが、どうという事はない」 「この程度ですと、むしろ納得してしまいますよね」 すがるような目つきで言うゼロスに、ガウリイ達は素直に本当のことを言った。 言われたゼロスはわざとらしく頭を抱え、屈み込むと、 「……意外性で皆さんの影に負けようとは……これでは獣王様になんとお叱りを受けることか……」 「しかるのか……? あんたの上司はこんなことで……?」 「それはまぁ……セオリー通りということで」 つまり、『それは秘密です』と言うことだろう。 根に持ってるな……さては…… 「皆さん固まってらっしゃったから、一気に鏡に映し出されてましたよ。 僕はもちろん黙って見てましたが」 「黙って見てるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 楽しそうに言うゼロスに、あたしは思わず叫ぶ。 ったく……こひつは…… ――そりゃあ、ちっとも期待はしてなかったけどっ! 「それにしてもガウリイさんの影はまともですねぇ」 「いやぁ……」 ゼロスの言った言葉の意味に気付かず、ガウリイは頬をかいた。 いい加減気付けよガウリイ。コケにされていることに。 どことなく哀れな視線を送るあたしとアメリア。 そんなやりとりをしながら、ゼルガディスはゼロスへと向き直る。 「――待て、ゼロス。 貴様さっき避難誘導している最中だと言ったが……その時は貴様も側にいただろう?」 ゼルガディスの問いに、ゼロスはあっさりと頷いた。 「ええ。いましたよ」 「おっしゃぁぁぁぁぁっ! ゼロスを笑い飛ばすネタがすぐそこにっ! 今来いすぐ来い姿を現せっ! 偽ゼロスっ!」 あたしは力一杯ガッツポーズをすると、辺りをきょろきょろと見渡してみる。 くくうっ! 今までさんざ酷い目に遭わされてきたが、そんなもの利息付で返ってくるネタがすぐそこにっ! わーい♪ 笑いとばそ♪ からかってやろ♪ んっんっん♪ 「――全てよけましたけどね」 ……わぁぁい…… ……………………………… ……しくしくしくしく…… 「あ。リナが泣いた」 地面に人差し指で絵にならない絵を描きながらうずくまるあたしの背を見て、ガウリイは言った。 「可哀想にリナさん…… ――なんてことしてくれたんですゼロスさんっ!? 人の楽しみを奪うだなんて、それでもあなた人間ですかっ!?」 「いやそんな風に責められましても…… 僕魔族だって前にバラしましたよね? たしか」 「あれは――説得力のない話だったな――」 「いや、あの…… ゼルガディスさんまで遠い目をしてそんなこと言われても僕激しく困るんですが……」 「だぁぁぁぁぁぁぁぁっ! やかましっ! えぇぇぇいっ! ゼロスっ! 『人間社会のお付き合い』はどーしたのよっ!?」 「おや、よく覚えてましたね。 ですが、そういわれましても……リナさんの影の影程度に手玉に取られる僕ではないですし……」 て、程度って…… 「ほっほぉぉぉう。ゼロス――」 あたしのジト目の視線に気付いたのか、ゼロスはぱたぱたと手を振り、 「――あ、いやいや。 今はともかく、昔のリナさんなら、ですよ」 にこやかに言うゼロス。 ……ま、まぁ納得はいかないがここはひとまず落ち着いて…… 「――こう言えば人間関係円滑になるんですかね?」 ……………………………てめぇ…… 「んっんっん。 人間ってけっこぉ複雑だったりでりけぇとだったりするんで気を付けるよーに」 「お前さんがそれを言うか……?」 「どーいう意味よ、ガウリイ」 しかし、ガウリイが答えるその前に、ゼルガディスは疲れたような溜息をついて、 「自分で気付かなければ意味無いことだ」 むぐうっ! いっちーちうるさいっ! 「――あっ、でもっ! ゼロスさん。どこかへ行ったと思ったのに、なんで戻ってきたんですか?」 なんとか話題を逸らしてなごまそうとするアメリア。 やはり笑顔でゼロスは軽く後ろ頭などかきながら、 「いやぁ、こういう事態なら、皆さんの負の感情、とってもおいしいんじゃないかと思いまして。 実は隠れて拝見させていただいていたのですが、案の定ごちそうのフルコースでした。はっはっは」 『殺ス……!』 ほとんど同時に、あたしとゼルガディスの声と殺気がハモる。 デザート代わりに標的をあんたに変更してやろーか。ゼロス。 ほぼ本気でそんなことを心で呟きながら、呪文をセレクトすると―― 「あー……ごほん! こちら影軍団、こちら影軍団、応答願う……」 風の呪文を応用した大きな声で、こちらの注意を呼びかける、ダブル・リバース。 「あ。ごめん、忘れてた」 「……本当は怒るところだろーけど、あたし達も忘れてたから……ね……」 お互い気まずい苦笑いなどしつつ、ひとしきり笑い終わったところ―― 「最終対決、開始ってところかしら?」 あたしとダブル・リバースの真剣な表情がぶつかり合う。 「なんか白々しいですねぇ……」 やはり一人無関係という名のバリアを張り巡らせて、ゼロスは安全地帯で呟いた。 やかましい。文句あるならまずそのバリケードをどけろ。 「とにかく! 戦力的には五分と五分! ――のはずっ! こいつら見てると不安だけどっ!」 うーみゅ。やはりあっちはあっちで苦労しているよーである。 しかし。 「他はともかく――あんたとあたしじゃ五分じゃないんじゃない?」 「そこは気力とガッツとこんじょーでカバーっ!」 「……きりょ……がっつ…… ……全部一緒じゃないのか?」 「そこっ! なにげに核心を突いたどうでもいいツッコミを入れないっ!」 隣で首を傾げながらあたしに聞くガウリイに、ダブル・リバースは叫んだ。 しかし、あたしは対照的に真剣な表情で相手を見据えた。 「あんたは――あたしじゃないわ。 ガウリイなんぞにツッコミを入れられていることでそれはすでに明白っ!」 「やかましいぃぃぃぃぃっ!」 「なんぞって……リナ……」 憮然とするガウリイにあたしは一瞥もくれず、ダブル・リバースと睨み合う。 しかし、後方で聞こえたのはとことん間延びした声だった。 「ふぅぅ……やっぱり熱い緑茶はなごみますねぇ……」 一人別の世界で他人を決め込むゼロス。 ぴきぴきぴきっ!! ……こっ、こひつはっ! やはりあたしの敵はこいつだ――心で決心を固めると、ガウリイは眉をひそめた。 「『熱いお茶は生ゴミですね』……?」 「言ってませんっ! 変なこと言わないでくださいよっ! ガウリイさんっ!」 取り乱して力の限り大声で否定するゼロス。 「おっしゃぁぁっ! ガウリイっ! ナイス・ボケっ!」 「ないす……? ぼけ……? なぁ、今おれって褒められたのか? けなされたのか?」 「いいじゃないですか、どっちでも。 リナさんが喜んでることは確かですし」 アメリアの服を引っ張りながら、聞くガウリイに、アメリアは溜息なんぞをつきつつ、適当なことを言う。 「そうかぁ……」 それでも何故か納得したらしく、ガウリイは満足げに頷いた。 あたしはこの男の将来が不安だ。 ――ま、あたしの知ったこっちゃないけど。 「まぁとにかく…… 多少――もとい、だいぶ違いがあるとは言えど、己の影と闘うなんて、面倒なことになるのは間違いないわ」 「特にあちらのガウリイさんなんかそうですよね」 外野は黙ってろ。 あたしはゼロスのヤジを完璧に無視をして、言葉を続ける。 「ならば――どうするか。 単純に考えるなら相手と自分たちの違いを見つけ、その点を攻める。 今回も、その例外じゃないわ」 「でもリナさん…… 違う点なら確かに沢山ありますけど……それが弱点かどうかは別の問題では……」 不安な表情で言うアメリアに、あたしは指を振る。 「ちっちっち。 甘いわね、アメリア。 違う点イコール弱点だなんてあたしは言ってないわよ。 性質を裏返した分だけ、違う点は山ほどある。 それでも――あいつらに一貫することと言えば?」 「――影(シャドウ)だな」 ご名答っ! ゼルガディスっ! あたしはこくりと頷くと、 「その通り。 影は光と実体がなければ生まれない。 実体は言うまでもなく、あたし達本人。 では、光を生み出しているのは?」 「『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』っ……!?」 ゼルに続き、アメリアが正解を導き出す。 あたしが言いたいのは単純なことである。 『まともに闘うのは面倒だから鏡を壊そう』――それだけである。 以前、あたしの前に現れた鏡の方は、破壊しても何故か影が残ってしまったが、あくまであれはイレギュラー。 本来、ああいった魔法道具(マジック・アイテム)と言う物は、破壊すると効力を失ってしまうもの。 おそらく、以前の物体は不良品だったのか、故障でもしていたのだろう。 ――はっ!? まさか『実は今回も不良品でした♪』と、いうオチでは…… ま――まさか……ねぇ……そんな可能性は極わずか……である。 ……ゼロと言えない自分が悔しい…… ともあれ、あえてその可能性は考えないことにして、あたしは影達と向き直る。 「そう――『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』の破壊が一番手っ取り早い。 問題は――その鏡が何処にあるのか」 ずずず……ふぅ…… 感情たっぷりに言うあたしのセリフを、ゼロスの茶をすする音が台無しにする。 あとでアメリアをけしかけてやる。 「本来黒幕であるはずのルーチンは持っていない。 これは――こうしてガウリイ達の影があんたと一緒にいることでわかるわ」 そう言って、二重裏(ダブル・リバース)へと指差す。 ダブル・リバースは否定もせず、ただ静かにあたしの話を聞き続ける。 「だからと言って――戦闘中に抱えていたんじゃ危険すぎるし、辺りの民家に隠していたとしても、同じく危険だわ。 あんた自身から火炎球(ファイヤー・ボール)という、派手な呪文を使い始めたわけだし」 「――隠し場所は知っているわけだから、そうならない位置で呪文を使っているとしたら?」 皮肉な笑みを見せて言うダブル・リバースに、あたしは首を横に振った。 「それはあり得ないわ。 確かに、あたしは始めは威力を絞った呪文を唱えていたわけだけど――結局派手な呪文を唱えたのは知っての通り。 あんたはあたしを倒したい。 あたしは倒されるくらいなら少々――町がどうとかという範囲はともかく……近くの家に隠してある鏡ぐらいなら割ってしまうでしょーね。 『近く』の家というのは、当然。 誰だって自分の命を遠くに置いてなんかいたくないはずよ。 例え、どんな安全な場所と思えてもね。 あたしが前に影を作り出されたときだって、それぐらいの頭は持っていたはずよ。 なら、鏡は何処にあるか―― それは――あんたの姿がヒントになるわよね?」 あたしのその言葉に、ダブル・リバースは僅かに身を引いた。 「そうか――わかったぞっ!」 いや待てガウリイ。 あんたが納得すると果てしなく不安になるのは何故だ……? 「ええええええっ!? 影じゃない方のガウリイさんがっ!?」 「いかんっ! 天変地異が起こるぞっ!」 口々に説得力と現実味の溢れる言葉を言うアメリア、ゼルガディス。 「ふっふっふ――いつまでも冴えないボケ男だと思うなよっ!?」 根に持っていたのか。ガウリイ。 ――いや、しかし……ゼル、アメリアと正解を導いてきたわけだし、同じ仲間であるガウリイを信じないわけには…… 「いいか? あいつは身体全体を覆うマントをし――そしてリナ、お前さんと同じ姿形だ。 と、言うことは――」 ごくりっ、と誰かが喉を鳴らす。 「同じく胸がないので腹と胸に当てるように鏡を隠して――」 ――信じたあたしが馬鹿だった。 『インバース・ダブル・インパクトぉぉぉぉぉっ!!』 ぼごぐわきゅしゃどっ! あたしと、ダブル・リバース。二人の連携がガウリイを宙に舞わせる。 ちなみに詳しい技の内容は重破斬(ギガ・スレイブ)と同じく、公表するには危険すぎるので描写は避ける。 「のぐわぁぁぁぁぁっ!」 まともに吹っ飛びながら、悲鳴を上げるガウリイにアメリアは遠い目をしながら、 「……ガウリイさん……線香はガウリイさん本人に必要だったみたいですね……」 とりあえず瓦礫に突っ込んだガウリイを見続けるアメリア。 助け起こそうと駆け寄る人間は誰もいない。 ちなみにその瓦礫の上の屋根では未だにゼロスがお茶など飲んでいたりする。 あたし達の負の感情でもつまみにしながら飲んでいるんだろーか。それはそれで腹立つが。 しかし、不死身のガウリイは瓦礫をがらりとどけながら身を起こすと、 「――っつつ……冗談に決まってるだろう!? 今マジ急所に入ったぞっ!」 『くだらない冗談言うあんたが悪い』 またしてもあたしとダブル・リバースは呼吸すら揃えてはっきりと言った。 ――ったくっ! 何考えてんのよあのボケ馬鹿アホ男はっ! 「胸がないのはよけいだっつーのっ!」 全くだっ! あたしはダブル・リバースの言葉を頷きながら――って……? 「ちょっと待った。 あんたまさか――本っ当にガウリイの言うように……?」 「やかましいっ! だからって――え……? 見抜かれていたわけじゃ……なかったの……?」 戸惑い顔で見返すダブル・リバースに、あたしはどういう表情をしたらいいのかわからなかった。 いや……あたしはてっきり背中に隠しているもんだと…… ………………………………… ……素直にそう言ったら傷付くだろーな……彼女…… ――いや。あたしも傷付いたが。ある意味。 「なんだ。やっぱり当たってるじゃないか」 「あんたさっき『冗談』っつったでしょーがっ! ガウリイっ! とにかくっ! その鏡っ! とっとと渡してもらうわよっ! これ以上誰も傷付かないうちにっ!」 「最後のセリフが切実ですねぇ……」 やかまし。黙れ朗らか安売り男。 あたしはその言葉に振り向かずに、ダブル・リバース達へと身構える。 「冗談じゃないわねっ! あたしにだって意地はあるっ! そう簡単にはいそーですかって渡せるもんですかっ!」 「――だ、そうだ」 きっぱりというダブル・リバースの言う言葉に、影ガウリイが同調すると同時に剣に手を動かす。 ……っ! あたし達はその気配に気付き構えると、あたしをかばうようにガウリイが一歩、前へと出る。 「ふっ! 返せと言われて返したのでは悪の名折れっ! 相手の嫌がることをしてこその悪ですっ!」 「そ――そういうのとはちょっと違うんだけどなー……」 「何にしても構わないさ。 俺の素晴らしい肉体がこうして戦場に舞う――」 『舞うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』 ぜはーっ……ぜはーっ…… 荒い息などつきながら、力一杯叫ぶあたしを含めた一同。 やっぱしまともに相手するのは嫌すぎるっ! 別の意味でもっ! あたしは自分の判断が正しかったと確信すると、あたしは手近な家のドアへと駆け込んだ! 『な……っ!?』 驚きを隠せない影達に構わず、あたしは他人の家のリビングを疾走しながら、大声で指示をとばす。 「ガウリイ特攻っ! アメリアはその援護っ! ゼルはあたしと一緒にゲリラ戦っ!」 『おうっ!』 気合いと共に返事が返ってくる。 あたしとダブル・リバースの致命的な違いその一。 仲間の力量の把握とその指示力っ! あたしは予想通りあった階段を駆け上がり、寝室へと走りながら、手近な窓を開け放つ! 「生ゴミ発見っ!」 「誰がですかっ!? 誰がっ!?」 おっしゃぁぁぁっ! 方角把握完了っ! おそらくゼロスはどんな成り行きになろうとあの場所を動かないはず。 それを踏まえた上で、挑発し、ゼロスの抗議の声で土地勘の薄い場所を把握したのである! 別に今までコケにされたからどさくさに紛れて仕返ししてやろう、というわけでは決してない。 あたしは開け放った窓枠へ片足を乗せると、迷うことなく外へと飛び出した! もちろん、真下は何もない。 向かいの家の屋根へとの距離は僅かである。 だからと言って、何もしないのでは真っ逆様。浮遊(レビテーション)や翔封界(レイ・ウィング)で飛ぶには隙が大きすぎる。 ならば――っ! 「魔風(ディム・ウィン)!」 ぶごぉぉうっ! 方向を制御した突風を追い風に、あたしは見事向かいの屋根へと着地する! ふっ! ちょろいっ! 続いてあたしは呪文を唱えつつ、あたりを見渡すと――ダブル・リバースが下で呪文を唱えているのに気付くと、あたしは身を伏せる。 「炎の矢(フレア・アロー)っ!」 屋根で伏せれば当たる角度ではない。 炎の矢はあっさり通り過ぎる。 あたしは伏せたままの状態で目を閉じ、精神を集中すると――呪文を解放する! 「霊呪法(ヴ=ヴライマ)っ!」 土で出来た壁や岩から、石人形(ゴーレム)を作り出す呪文である。 今回はダブル・リバースの足下――地面を媒介としている! 「うわわわわっ!」 転がり落ちれば鏡は割れる! ジ・エンド! 「振動弾(ダム・ブラス)っ!」 しかし、裏ゼルがダブル・リバースの足下へと呪文を解き放つ! 誕生の咆哮すらあげる間もなく、石人形(ゴーレム)は土に還る。 ちちいっ! 性格は変でもゼルの影だけはあるかっ! あたしはすぐに場所を変えるべく移動する! 眼下ではガウリイ達がつばぜり合いを繰り返しているが、援護する気は毛頭無い。 一瞥するとあたしは屋根をそのまま走り抜け――手前の屋根の先から突如現れるブラック・アメリア! 「ふっ! 逃げ出す人を追いかけるのもまた悪――ぶっ!」 スピードを緩めず走り抜け、すれ違いざま横に伸ばした腕をブラック・アメリアの首へと直撃させる! まともに食らったブラック・アメリアはひゅるりと背中から倒れ込み――屋根から落ちて地面へと顔から直撃する! んんっ! それでこそアメリアっ! あたしは満足げにその光景を見つつ、再び別の屋根へと移ると、屋根を形成する瓦を一枚蹴り上げる。 ずがきっ! 空中に舞った瓦は飛来した呪文を食らい、砕け散る! やっぱり追ってきたかっ! 姿を見せぬ追跡者にあたしは意識を研ぎ澄ます。 呪文が飛来した方向から考えると、おそらく―― どぼごぐっ! 「しまっ……!?」 突如足場の屋根が呪文で粉砕され、あたしは大きくバランスを崩す! とっさに腕を前へと突き出すが、掴んだ屋根はあたしの重みに耐えきれず崩れ落ちる。 でぇぇぇいっ! 二組同時に相手することになろーとはっ! 屋根に留まることを諦め、あたしは別の呪文を唱えると同時に腰の短剣(ショート・ソード)を抜き放つ! 空中でバランスを整えながら、下の気配を探る。 出来れば剣技に大差ない、ダブル・リバースかブラック・アメリアだと助かるのだが―― しかし、視界に入ったのはゼルガディス! ちぃっ! 剣技の腕に加えて体勢が不利だが、やるっきゃないかっ!? だが、ゼルガディスの姿は分裂して二つと別れる。 ――助かったっ! 本物と同時とはっ! うまく裏ゼルを牽制をするゼルガディスが背を向けた地に、あたしは受け身を取って着地する! 「油断して屋根から落下とはあんたらしくないな」 「そりゃどーもっ。 影ガウリイと闘わないで済むには、空中戦が一番だからね。 少々油断したわ。 さんきゅーっ! ゼルっ!」 「かまわんさ。俺は俺の決着を付けに来ただけだ」 珍しく闘志の瞳を影へと向けるゼルガディス。 僅かにあたしは気圧されながら、 「え……えーと……まぁ、頑張って……」 「当然だ…… こいつを抹消するにはそれしかないんだろうしな……!」 うーん。これはかなり頭に来てるぞー。 あたしはひきつった笑みを浮かべながら、背中からその部屋を後にする。 扉を閉じたその先で、何やら激しい音と声が漏れてくるが――封印(はあと) さーて、あたしは別の所へと移動。移動。 軽く口笛なんぞ吹きながら、あたしはその場を後にした。 あたしにはむろん、影(シャドウ)達全員を相手にする気はなかった。 つまりは、鏡の破壊。 それが唯一にして最大の目標である。 達成するには、いかに二重裏(ダブル・リバース)だけとの戦いにもっていけるかが、勝負の要である。 まず、魔法の使えない影ガウリイの動きを封じるために、屋根へと移動する。 これで、上に追撃して来るには不可能であるし、あたしに攻撃を向けることが出来る手段は限られる。 よって、追撃可能者は魔道を扱う三人。 ゼルガディスの影は――まぁ……本人が己のプライドと存在意義に賭けてどーにかするだろーし…… ……贅沢を言うならあたしと一緒に引っかき回して欲しかったんだが……それは酷というものである(経験者談) アメリアの方は、同レベルのため苦戦を強いられるガウリイの援護を頼んである。 残るはダブル・リバースと影――もとい、ブラック・アメリア。 一対二であるが、混戦に持ち込めば人数による不利は減らせることが出来る。 ゼロスは――記憶の彼方に葬り去るべし。 あたしは辺りの気配を探りながら、細い路地を走り抜け―― 「振動弾(ダム・ブラス)っ!」 どぐらぁぁぁしゃごっ!! 右前方の民家の壁が呪文の開放と共に破壊される! このままでは瓦礫にまともに突っ込むことになるが―― 「土精道(ベフィズ・ブリング)!」 ずぼごっ! 丁度瓦礫が落ちた真下に土のトンネルを残し、重さに耐えきれず、瓦礫は落とし穴の要領で沈み込む! あたしは地面にほぼ埋まった瓦礫を飛び越えて、再び走り出す! 「ふっふっふっ! 逃げるだけ無駄だという事がまだわからないのっ!?」 やはりこいつかっ! 破壊された壁からひょいと跳びだし、足場の悪い土砂に降り立つと、走り行くあたしに向かい指をびしぃっと指す、ブラック・アメリア。 えぇぇぇいっ! かまってなどいられるかっ! 「無視する気ですかっ!? そうはさせませんっ! とうっ!」 わずかに盛り上がっていた瓦礫から勢いよく飛び上がるっ! 「ちょっ、ちょっと待ったっ!!」 「問答無用っ!」 あたしが慌てながらの制止をブラック・アメリアは無視をして空中でくるりと回転。 太陽を背に受け、そのまま見事地面へと着地する! ――が、しかし…… ずぼごっ! 「のひょおぉぉぉぉぉっ!?」 へんてこな悲鳴を上げながら、ブラック・アメリアは地面へと沈み込む。 ……術の範囲の把握もできてないのにあんなに勢い良く飛び降りるから…… ――あ。黒いマント、ボロボロに破れてるし。 「だから待てって言ったのに……」 あたしは後ろ頭を掻きながら、落ちた穴へ覗き込む。 「おのれよくも……っ!? わたしが何をしたって言うんですっ!?」 「……正確には何もする間もなく落ちたんでしょーが…… ――未遂も立派な犯罪って……知ってる?」 「えぇぇぇぇぇぇっ!? そーなんですかっ!? 未遂も立派な犯罪――立派な犯罪……! これでわたしも晴れて堂々と悪の道へっ!」 「喜ぶなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 瞳をきらきらとさせながら言うブラック・アメリアに思いっ切り叫ぶあたし。 まぁ……本人が良いと言うなら問題は――山ほどあるけどさ…… あたしは軽く溜息をつきながらブラック・アメリアに視線を送り、どーしたもんかと頭を悩ますと…… 「地霊砲雷陣(アーク・ブラス)!」 ンなっ!? びばぢぢぢぃうっ!! 術者を中心に、町の数区画に及ぶ超広範囲に渡って雷の雨を降らせる術である。 よほどのことがない限り、一撃で死亡することはないが、良くてしばらく行動不能。 その範囲の広さ故、回避が非常に困難とされる術である。 ……………………………… ――まともにくらってぽてくり倒れ込みながらも、術の解説だけがフルオートで流れ出す。 ……どちくしょう…… 「油断大敵――ってね。 敵が同じ所から時間差で飛び出す可能性も考えないと」 ブラック・アメリアが現れた、破壊された壁から、悠然と姿を現すはダブル・リバース! こっ、こひつっ! 絶対許さん……! 「ひ……ひどひです…… 巻き……込まない……って…い…のに……」 同じく術をまともに受けたブラック・アメリアがぴくぴくしながら不満をあげる。 ぬうううっ! 仲間を犠牲に敵を倒すその精神っ! あたしとは決して相容れない――事もないかも知れないけどまぁとにかく腹が立つっ! よく考えてみれば――この距離なら他の皆も雷撃食らってるんだろーな…… ええいっ! 本気で手段を選んでないなっ!? 悪態をつこうにも、唇すらまともに動かない。 しびれはすぐに消えるだろうが、それまで待ってくれる相手ではないだろう。 どうする――!? あたしの内心の焦りを見透かすように、ダブル・リバースが呪文の詠唱を開始する。 冗談ではないっ! 自分と同じ姿をしたものなんぞにやられてたまるかっ! 何かないかっ!? 何か――! しびれた両腕を肩で引きずるように動かし、震えながらも上半身の支えにし、身を起こそうと力を込めるが、まともに動くことは出来ない。 くっ……! それでもなんとか体を起こし、右手を黒い布へと伸ばす。 即ち。 ブラック・アメリアのマントの切れ端を。 破れたマントは引き延ばされ、ダブル・リバースの右足を支える岩の下にも続いている。 おそらく相手はまだその事に気付いていないだろう。 しかし、例えマントに手が届いたとしても、まともに力の入らない、今のあたしでは引っ張って転ばせることなどほぼ不可能。 だからって――諦めてたまるかっ! あと少し……あと――届いたっ! 「炎の(フレア)――」 それとほぼ同時、ダブル・リバースの呪文が完成する! しびれが消えるのを待つ時間はないっ! ならばっ! 伸ばした手のひらをマントを通過させ、手首の魔法装飾具(マジック・アクセサリー)に絡ませる! そして―― 「矢(アロー)っ!!」 背中に生まれる赤い炎の揺らめきを感じ―― じゃがらがらららっ!! 起こした上半身の勢いを利用して、あたしはブラック・アメリアが落ちた、落とし穴へ自分から崩れ落ちる! そして、灼熱の炎は大地へと突き刺さった。 『合わせ鏡の迷宮(らびりんす) 後編』に続く |
17033 | 合わせ鏡の迷宮 後編 | 白いウサギ E-mail | 2001/9/10 20:31:35 |
記事番号17030へのコメント 「ずいぶん帰りが遅かったな!?」 「ちょっと――野暮用があってね。 片付けるのに手間がかかったわ」 そう言って、黒いマントを払いのけ、肩をすくめた。 町から南へ少し歩いた湖のはずれ。 うっそうと生い茂る草木に隠された、地下道への入り口に入ってしばらく。 少しひらけた場所に、そいつは待っていた。 やせ気味と言うよりは、痩けた顔で、一挙手一投足にも覇気はない。 鏡の資料、管理責任者ルーチンは典型的な研究型の魔道士だった。 それでも、表情に浮かぶのは焦りと怒り。 まぁ……味方のはずの影に鏡奪われたんじゃしょーがないか…… 「それで……鏡はどうしたんだ!?」 「鏡なら――ここに」 黒いマントと背中に隠した鏡を右手で抜き取って、布でつつんだ鏡をルーチンへと見せる。 いくら明かり(ライティング)で、照明を作らないと歩めないほどの通路を通ったからと言って、無差別に映し、影を作り出す『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』を布で包まない訳にはいかない。 簡単にはほどけないように縛った結び目を掴んで、ひったくるようにルーチンは抱きかかえる。 ……もう誰も取りゃしないっての…… あたしは軽く溜息なんぞをつきながら、ルーチンを見るのだった。 「勝手にわしの鏡を奪いおって……! 二度とこの鏡には触るなっ!」 「……別に構いませんけど…… 誰の鏡か――間違ってらっしゃるんじゃないですか……?」 「なんだとっ!? 貴様わしが魔道士協会からの使者から作り出してやったこと、忘れたんじゃあるまいなっ!?」 自分の都合で呼び出したんだろーが。 ――いや。実際よくいるが。自分のすること為すこと、他人に恩を着せようとする奴。 「その鏡は……あなたのものじゃありません…… 前にも――そう言ったはずです……! ルーチンさんっ!」 悲痛とも言える声をあげる彼女に、ルーチンは思いっ切り馬鹿にしたような視線を返すのみ。 「何を馬鹿な…… ――!? ……前に……だと……?」 今更気付いたのか、ルーチンは慌てて鏡を覆っていた布の結び目をほどき始める。 きつく結んであることもあるが、なにより慌てていたためになかなかほどくことが出来ずに四苦八苦する。 「くっ……このっ……!」 それでも何とか時間をかけ、やっとの思いで布を払いのけると――そこには大きくヒビの入った、鏡面があった。 それを見たルーチンは全身を震わせながら、自らが作り出した影と同じ姿形をした者を見る。 「きっ……貴様……!? ま――まさか……!? いや、そんなはずは――!?」 「フランソワ=ホルン。 魔道士協会の要請により、あなたを連行します」 決意の色を込めて、彼女は自らの身を切るような表情をして、それでもはっきりと言った。 「ま――待てっ! 貴様本当にあいつかっ!? この間来た時とはずいぶん印象が……!」 「人は――変わるものです…… あなたが真面目に研究に励んでいたころを忘れ、このような事件を起こしたように―― 人は、変化を繰り返しながら動いていくのだという事を……学びましたから…… あたしは――前に進むことを選んだ。 あなたは……耐えきれず、横道へ逸れてしまった……」 「な――何を言って……!?」 狼狽するルーチンのその肩を、ぽんっと黒い影が叩いた。 「ま、そういうことだからさ。 おとなしく捕まった方が身のためだぜ。おっさん」 思いの外明るく言うガウリイ。 しかし、ルーチンは後ろに人が隠れていたことなど気付かず、ますます狼狽する。 「な……!? おまっ……誰だっ!?」 「名を名乗るほどの者ではありませんっ! ルーチンっ! 己の行いを悔い改め、おとなしく捕まるならよしっ! さもなくばっ! わたしが正義の裁きを下すまでっ!」 「洞窟で大声を出すな。 頭に響く」 同じく暗がりに隠れていた、アメリア、ゼルガディスが姿を現す。 自分がすでに包囲されていることに今更気付いたのか、ルーチンは震えながら地面へと崩れ落ちる。 「残念だったわね。 居るのはフランソワだけじゃないのよ」 皆に続き、暗がりに佇み事態を見守っていたあたしは、ゆっくりと明かりの中へ身を晒した。 震えたルーチンの身体があたしを見たとたん、大きく脈打つ。 「ふっ、フランソワと同じ姿――っ!? そっ、そんなまさかっ! いや、こんな馬鹿なことが……!? まさかそんな――」 「リナ=インバース。 あたしの名前は――知っているわね?」 あの後――しびれて身体に力の入らないあたしは、腕でダブル・リバースの乗る黒いマントを引っ張ることは不可能と判断し、腕についた魔法装飾具(マジック・アクセサリー)にマントを絡ませ、己の身体ごと穴へと落ち、自らの体重を張力へと変え、ダブル・リバースの足下のマントを引っ張ることに成功した。 もともと足場のよくない瓦礫の上ということもあり、ダブル・リバースはまともに体のバランスを崩し転倒。 隠し持っていた『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』はその衝撃で割れ、影達は姿を消した。 割れる前に放った炎の矢(フレア・アロー)は穴に落ちたことでうまくかわすことができ、結果的にはすべてうまく言ったと言える。 しびれた身体で受け身を取れるはずもなく、穴の中でかすり傷の多さに涙したものだが、アメリアに治療呪文をかけてもらい、こうして心身ともに無事である。 ……あれでダブル・リバースが転ばなかったり、例え転んでも鏡が割れなかったりしたら、穴の中でますます身動きの出来ないあたしに、どんな未来が待っていたのか……想像に難くない。 正直一か八かの賭だったのだが――こうして勝利をした結果に間違いはなかったのだろう。 そして、全てが終わった後、姿を現したフランソワに、ダブル・リバースのフリをして、ルーチンの所にいくべきだと進言したのである。 あたしがダブル・リバースのフリしても良かったのだが、フランソワが自分自身が受けた仕事だからこそ、是非自分にやらせて欲しい、と希望があったため、あたし達は闇に身を潜め、事態を見守っていたのである。 「あがっ……あううっ…… う――嘘だっ! こんなところに居るはずが――っ!!」 「それがいるんですよねぇ…… ルーチンさんとか言いましたっけ。 ここはおとなしく捕まった方がいいですよ? どうやっても償いをしなければならない以上、あの世でするより、この世でした方がまだマシでしょう。 放っておいたら本気でどうなるかわかりませんからねぇ。 ――特にリナさんは」 付け足しはいらんっ! 物好きながら、ここまでついてきたゼロスが、のんびりオーラを放ちながら言った。 ったく……なんでここまでついてくる……? 暇なのか。今時の魔族は。 「ルーチンさん…… あたしは――甘かったかも知れないですね…… 迷うことをしなければ…… あなたが生み出した影達が、町を破壊することもなかった……」 「影――『達』……? ちょっと待てっ! わしが生み出したのは――」 はっ!? いかんっ! 「言い訳とは見苦しいわよっ! ルーチンっ! あなたが作り出した、フランソワと、あたしの仲間達の影が、町に被害を与えたことは紛れもない真実っ!」 ――あたしがそー決めたっ! 声に出してはまずいところだけ、胸の内で呟くあたし。 「ま、町を――!? そんなっ! わしはただ作った影に鏡を奪われてそれ以来――」 「あたしたちは町中で闘うわけにもいかず、影達相手に逃げ回っていたのよっ! それ故、破壊の痕跡はすべて影を生み出したあなたが原因っ!」 「だからちょっと待てぇぇぇぇぇっ! わしはそんなこと――」 「知らないとは言わせないわよっ!」 「言わせろぉぉぉぉっ! ちょっと待てお前っ! もしかして自分のやったことまで、全部わしに押しつけようとか考えてないかっ!?」 ちちぃっ! なんてスルドい奴っ! しかしここで慌ててしまっては余計に怪しまれる。 あたしは冷静な瞳でルーチンを睨み返す。 「往生際が悪いわね…… すべて影を作り出した後、あなたはフランソワの影に鏡を持たせ、すべて影達の暴走に見せかけようとしたんでしょうけど――あたしは誤魔化されないわよっ!」 「ごっ、誤魔化すも何もっ!」 「まぁ……リナの類似品を並べりゃ、結末は不幸にもなるさ。 ここはひとつ、思いっ切り絞られてくるのも人生ありだぜ」 再びルーチンの肩を叩きながら、フォローになってないことを気楽に言うガウリイ。 ツッコミを入れる箇所があったよーな気はするが、それはさておき。 「ルーチンさん…… あたしは……あなたを見損ないました……!」 「だから待てってぇっ! フランソワっ! わしは何も……っ! そ――そうだっ! 話合おうっ! それできっとわかって――」 人の災難を背負い込む器量の良さをみせないルーチンはがばぁっと跳ね起きて、フランソワの元へと駆け寄った。 しかし、フランソワは目尻の涙をそっと拭うと、悲しみを秘めた笑みを見せた。 「ええ……話し合いましょう…… あなたが出頭してから……!」 「いっ、いやっ! それじゃ手遅れになる気がふつふつとっ……!」 「大丈夫です! 話し合いましょう……あなたが自らの罪を認めてくれるまで……! いつまでもっ!」 「い――いやぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 ルーチンの叫びは広い洞窟を駆けめぐった。 こうして――一つの事件は終わった。 あたし達は、鏡奪回の立役者として、魔道士協会から歓迎され、数日の滞在を求められたのだが、それを丁重に断って、今こうして仲間と共に森の街道を歩いていた。 あれから、事件の話を振る者はこの中には居ない。 時が過去を洗い流してくれることを願うばかりである。 そうそう。風の噂によると、ルーチンはフランソワの『誠意溢れる話合い』に負け――もとい、折れて、罪を償うために服役しているらしい。 旅をする他の諸君に、快適に旅を続けるための忠告をしておく。 人権擁護を唱える栗色の女魔道士には――近寄ってはならない。 かつてより、一回りも二回りも強くなった彼女の相手は――酷く――疲れるらしい。合掌。 『合わせ鏡の迷宮(らびりんす)』 おしまい |
17043 | Re:合わせ鏡の迷宮 後編 | 31 | 2001/9/11 00:05:50 |
記事番号17033へのコメント こんにちは、31です。あまりに面白いのでつい、分割して反応しております。言い訳。 いやもう吹きました笑いました大爆笑です。得に不幸なゼルガディスさんが実にもう。むせる程笑いこけました。自分の姿に自信をもつゼルガディスもさる事ながら、影の人たちは全員、オリジナルが望む姿のうちのひとつなのかもしれませんと考えました。かしこいガウリイ、おしとやかなリナ、着地がぴたりと決まるアメリア、自分に自信のあるゼル。各人の突飛っぷりがいいです。 笑いました。いや本当に笑いました。楽しい作品が読めて幸せです。では。 |
17051 | 31さんはじめまして! | 白いウサギ E-mail | 2001/9/11 12:39:31 |
記事番号17043へのコメント 31さんは No.17043「Re:合わせ鏡の迷宮 後編」で書きました。 台風上陸と共にはた迷惑なものをアップした迷惑者、白いウサギです(東京在住) はじめまして、こんにちは。 台風15号のおかげで、今日は家族の運転手です。 私の貴重な休みを返せーっ!(爆) どーしようか、迷いましたが、二つ分のレスまとめていきます。 > はじめまして、31と申します。 はじめまして。ご一読ありがとうございます。 > 小説、読んでます。とりあえず前編。 > すごいです、さすがです。原作の雰囲気漂うステキな作品。 あっりがとうございます〜♪ ……って、『さすがです』!? ほ、他のも読んでいただけたのですね(^^;) 重ねてありがとうございます。 > ノリがもう楽しいです。 > ああスレイヤーズ読んでいるなあという気分がぷんぷん。 > これから続きを読みます。ああ楽しみ。 前半でも時間を置いてとぎれとぎれに書いていたんですけどね。 他の作業の片手間だったので。 ノリが楽しいと言っていただけてほっとしています。 それでは後編からのレスに引き継ぎます。 > こんにちは、31です。あまりに面白いのでつい、分割して反応しております。言い訳。 いや〜、オッケーでしょう! と、いうよりそこまで言っていただけて本当に嬉しいです。 > いやもう吹きました笑いました大爆笑です。 あうあうあっ! パソコンの前で笑うと家族から白い目が来ませんか……!? だ、大丈夫だったでしょうか…… (でも してやったりだったり・笑) >得に不幸なゼルガディスさんが実にもう。 今回の犠牲者ナンバー1ですね。 本人じゃないんですけど、 自分の姿でああやられたらキッツイっすよねー…… どんな格好かはあえて描写は避けましたが(笑) つーか、書きたくないし(爆) >むせる程笑いこけました。 えええええっ!? み、水……! 水〜!(お前がパニクってどーする) >影の人たちは全員、オリジナルが望む姿のうちのひとつなのかもしれませんと考えました。 ををうっ! 新解釈っ! な、なるほど…… 正反対の性格の親友、ってパターン結構ありますもんね。 まぁ……彼らに限って言えば、本っ当に心の奥底の願望でしょうけど…… 拒絶反応の方が強いんですけどね。 これについては人間全般ですが。 かく言う私も、おしとやかで乙女チックな自分がいたら暴れ出します。 >各人の突飛っぷりがいいです。 『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』については、 ドラマガ発表時から人気が高く、 OVAでも収録されていますので、皆様馴染みがあるお話かと思います。 だからこそ、先を読まれちゃいけない。 その姿勢が突飛さに直結したのかも知れません。 > 笑いました。いや本当に笑いました。楽しい作品が読めて幸せです。では。 ありがとうございますっ。 し、幸せとまで……有り難すぎです。 私も感想がいただけて本当に幸せです。 次回作への創作意欲が湧いてきます。 それでは、本当にありがとうございました。 |
17034 | 合わせ鏡の迷宮 番外 | 白いウサギ E-mail | 2001/9/10 20:42:56 |
記事番号17030へのコメント 『合わせ鏡の迷宮(らびりんす)』 あとがき 白:ご一読ありがとうございました。白いウサギです。 このお話はHP「名称未定2ごう」より、拝見した、『本編キャラでの影ネタ』の一文により、 心動かされ書いたお話です。 「なんか違う……」と、書いてて首をひねったりしてみましたが、出来上がって見ればこんな風になってしまいました。 まぁ「未来は誰にも解らない」ですし、「蓋を開けてみないとわからない」といいますし。 ――いや、蓋を開けてみてもわかんなかったりしたんですが。それはさておき。 アイデア提供及び、HP公開許可をいただきました、はまりやさんにはお礼申し上げます。ありがとうございます。 K:本当、ありがとうございました。 出来の悪い姉に代わって、お礼とともにあとがきを―― 白:乗っ取るなぁぁぁぁぁぁっ!! 出来の悪いって、あんたに言われたくないぞっ! 少なくとも学校のテストの試験、評定平均じゃ一度も負けた覚えはないっ! K:ちっ……なかなかスルドイわね…… あたしがあとがき乗っ取りを計画していたことを気付くとは…… 白:右手にモデルガン持たれりゃ気付くわっ! ふつーっ! しかも、あっちの方に何故かBB弾や小さな穴があきまくった空き缶が置いてあるしっ! K:あれは貴い犠牲。試し撃ちしてたのよ。 白:わかってるからビビっとんぢゃぁぁぁぁぁっ!! K:ふっ――バレては仕方ない。こうなったら正攻法でいくわよっ! 白:いや……正攻法て……あんた…… K:祈りを捧げて懺悔せよ。そしてトドメはあたしが刺す。 白:なんなんだいきなりっ!? K:あんた……去年とかその前とか、あとがきとかで何て言ってたか覚えてる? 白:はい……? そりゃまぁ、おぼろげ程度には…… たまに読み返して次回作の注意点とかの参考にしてるし…… K:じゃあ、もちろん覚えているわよね? 『受験があるのであまり書けないんですけど……』とか、よく言ってたってことは。 白:あー。言ってました、言ってました。 K:『言ってました』じゃないぃぃぃぃぃっ!! あんたっ! まだ気付いてないのっ!? 白:え……? いや……何が……? K:ふっ……はっきり言わないとわからないようね…… いーわ。言ってあげる。 受験期と終了後の今――執筆ペースが落ちているのはどういうことっ!? 白:……………………………………………………………………… …………………………しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 気付かれたっ!? K:つーか、あんたが気付いてなかったでしょーがっ! 前々から気付いていたけどしらばっくれてたフリはやめなさいっ!! 白:あうあうあうあうっ!! いやっ! 私だって結構忙しかったりするんだっ……! K:免許取得、漢検勉強、大学の勉強、マックのバイト…… 言い訳にはずいぶんと弱いわねっ! 白:いや、これ以上強くしたらもれなく私死ぬんですが…… K:世界が平和になるならそれでよしっ! 白:姉を殺すなぁぁぁぁっ!! つーか、平和になんぞならんわっ! 私の未来は悪の大魔王かっ!? K:否定できない自分が怖いわ…… 白:いや、否定しろ。頼むから。 K:い・や(はあと) 白:……………………………………… K:さーて、納得してくれたところで、あとがきらしく、本文を振り返ってみましょーか。 白:いや別に納得した訳じゃ…… K:とりあえずリナの影(シャドウ)を勝手に『フランソワ=ホルン』と命名したのは? 白:やっぱり言うだけ無駄だったなこいつには…… えーと、命名した理由はただ一つ。 名前がないと描写がウザくなるから。 K:またそーいうストレートな…… 白:事実です。 いちいち、『リナの影(シャドウ)』とか書いてられんっ! それに固有名詞無しでは会話が苦しいだろーが。 ましてや二重裏(ダブル・リバース)なんざ出てきちゃったら、ますます。 K:まぁ……そりゃそーね…… 白:ちなみに、『フランソワ』っつーのは、スレすぺ「プライド・オブ・ダークネス」で出てきた名前です。 >とりあえず、吸血鬼(ヴァンパイヤ)がフランソワは嫌だろ。きっぱりと ――ってな感じで描写されておりましたので(あえて正確な描写は避けときます)、 リナの影(シャドウ)にその名前付けたらすごい皮肉になるなぁ、と、思って。 K:それって……エグい…… 白:聞く耳持たん。 K:そ、そぉ…… ところで、今回のタイトルについては? 白:『合わせ鏡の迷宮(らびりんす)』。 ……冒頭の数行がシリアス風に書いたんで、ルビふれなかったけど、本当はこう読みます。 ――それは嘘だ。 そう、思った方は嘘でいーです。 K:めちゃくちゃアバウトな…… あんた信念とかってないの……? 白:いや。この程度はどっちでも構わんのだが…… 合わせ鏡は設定で触れたので、言うまでもないでしょうし…… ――ああ。迷宮は皆様の予想通り、混戦模様を表した言葉です。 付け足すならば、執筆時に混乱して入り込んだ世界。 K:ちょっと待てぇぇぇっ! さらっと流したけど、それって――書いてて迷いまくったってこと……? 白:正確に言うならば――いーのか。書いてて。こんなもん。 そんなところかと。 K:冷静に言うなぁぁぁぁっ! 白:し、しかし……裏・ゼルあたりなんか本気でどーしようかと思ったぞっ! K:うるっさいわねっ! それはあたしのアイデアだからいーのよっ! 白:いーのかっ。 私は本気でゼルファンに闇討ちされないかと……不安で枕を高くして眠っているんだぞっ! K:その表現間違っている。 とにかく、惑わされたのはその辺? 白:惑わされたというか……まぁ、書いてて首をひねったのは――ギャグオンリーじゃなかったのか? ってところだが。 後半、駆け引き、謎解き、戦闘シーンあるし。 K:つまり……長編でもすぺしゃるでもないので何処にジャンルわけするべきか迷っている、と。 白:いやまぁ……ギャグ・オンリーの話なのに書いてていーのかなーって。 私は楽しかったからいいけど。 K:まぁ……二重裏倒す時はリアルタイムで倒し方考えてたもんねー。 白:正確に言うと、仲間と敵をほっぽって家にダッシュする辺りから何も考えてなかった。 ――自分ならこーする。 って、書いていきました。 K:あそこまで頭良くないと思う……穴に落ちながら転倒させるとこ…… 白:認める。 K:あっさりっ!? 白:いや……あの辺は……悩みまくって筆を置いては取り、置いては取り……だから。 素早く状況判断は無理です。時間があるから書けたけど。 K:……つーことは……あの穴開けたとかも……伏線とかじゃなく……いきあたりばったり……? 白:うみゅ。ブラック・アメリアのマント破れた時もそこまで考えちゃいなかった。 K:『一行先は知らない未来』、ここに極まり――ね…… 白:同じような意味なら、鏡の隠し場所もそれに当てはまる。 K:はい……? 白:最初は……背中だったんだ…… K:………………………哀れな…… 白:ガウリイの発言はただのボケで終わらせるつもりが……二重裏(ダブル・リバース)が裏切ったんだ…… K:キャラのせいにするもんじゃないと思うけど…… 白:勝手に……っ! 勝手に……っ! 指が「胸がないは余計だっつーのっ!」って打った瞬間……鏡が背中からお腹へ瞬間移動…… その時私は画面の前で凍りついた。 K:そんな告白はいりません。 ……えー……話題を変えよう。それが一番良い気がするわ。 白:はぁ。そーですね。 K:それでは今回登場した影の呼び方を。 フランソワ=ホルン、二重裏(ダブル・リバース)、影ガウリイ、ブラック・アメリア、裏ゼル…… 何故か影(シャドウ)って呼ばれてないわね。 ガウリイだけ、読み方によっちゃ『シャドウガウリイ』だけど。 白:はぁ。そーですね。 K:いつまでも引きずってんじゃないぃぃぃぃっ! シャキッとせんかっ! シャキッと! 白:らっ、らぢゃーっ! ダブル・リバースは「リナの影の影」じゃ面倒だし、「フランソワの影」と呼ぶのも嫌だったので急遽考えましたっ! でっち上げた負い目がある分、出来るだけフランソワって使いたくなかったのでっ! 影ガウリイについては読み方どっちでもオッケーですっ! ブラック・アメリアはそっちの方が悪っぽいと本人からのご要望ですっ! 裏ゼルは「影」「黒」「偽」より、キャラクターを考えるとそっちの方がイメージ合ってたので、ですっ! K:ほほう。じゃ、ゼロスについては? 白:はっ! ゼロスについては――その前にペース戻していいでしょうかっ!? ちょっと疲れてきたんですがっ! K:認めん。 白:……………っ! 魔族をひっくり返すのは設定やらつじつまを合わせきる自信がなかったので、ゼロスは不問と致しましたっ! そもそも、『影の鏡(シャドウ・リフレクター)』を扱う時点で矛盾が生まれるのはわかりきっていましたがっ! 危険は出来るだけ避けるべきかと――って、やってられるかぁぁぁぁぁっ! いつまでも軍人言葉なんざ用いってられんっ! 肩がこるっ! K:ねーちゃん。それは歳というものよ。 白:どやかましいわっ!! とにかく、言われる前に言っておく。この話は矛盾だらけです。 逆の性質、鏡を題材にした時点で当然うまれるもんですし。 K:なんで……? 白:あのな……じゃあ、『熱い食べ物が好き』の逆は? K:『冷たい食べ物が好き』でしょ? 白:そのとーりっ。 じゃ、聞くけど、 『熱い食べ物が嫌い』ならどうだ。 間違っているか? K:なるほど……反転する要素は無限にあるから、物語という一つの枠では表現不可能って事ね。 白:珍しくスルドい。 上のような単純な文でさえ、パターンは無限にあります。 『冷たい食べ物が嫌い』でもいいわけですし、反転する箇所、個数により、文意は全く変わっていくのです。 K:つまり言いたいのは――『細かいことは突っ込むな』ってこと? 白:………………………………… ………まぁ……そーなんだけどさ…… K:あ。また沈んだ。 構わず先へ進むと、同じくつじつま合わせが面倒と判断して保留になったものがあったんだっけ? 白:そです。そのものずばり、光の剣。 あとでその事に気付いたリナが、好奇心と研究心、それに物欲で後悔しまくるエピソードがあったります。 K:さらっと物欲っつったわね…… 白:まぁリナだから。 対象の装備品までコピーすることは、すぺしゃるのカラーページで確認済です。 利き腕が逆転ってのも、同じくそこで確認済。 正直時間設定がかなりいい加減なんです…… あえて答えるならば、ラジオN・EXのどこか。 K:小説じゃなくてラジオっ!? 白:そ。 冒頭でも言ったけど、今回の話ははまりやさんのHP「名称未定2ごう」より、ご意見をいただいたわけです。 K:ああ。パクったわけだ。 白:…………………………………………………… ……寛大にも許可はいただいたっ。 K:少し逃げ腰になってるわよ。 白:と、ともかく……そのHP内の「こらむ・スレイヤーズ」ってコーナーがあるんだが…… そこで「ラジオで是非本編四人による影(シャドウ)ネタを」ってあって、 これだぁぁぁぁぁぁっ! と、なったわけだ。 K:そーやって犯罪に走る訳ね。 白:許可はもらってるもん……許可は…… K:そーなんだ。ふーん。 白:あんたに釈明するだけ無駄って気がする。ふつふつと。 K:ほほぉ……ん。気付いたけど、作中で >馬の耳に念仏。じゃじゃ馬に説教。 って、あったわよね……? 白:うみゅっ! よくぞ気付いたっ! その一文、前者はともかく、後者はでっちあげですので注意して下さい。 まぁ、勘違いする方もいないでしょうが、念のため。 書き手自身、書いててあまりにも語呂がよくて気分良かったりしましたが。 アイデアの元ネタはNEXTの着ぐるみネタ。 どっかの記事でリナは「じゃじゃ馬」なので「馬の着ぐるみ」と聞いたのを思いだし、気が付けば入力完了。 うーむ。私の周りは超常現象ばっかりだ。 K:だいじょーぶ。あんたの存在自体超常現象だから♪ 白:にこやかに嫌なこと言うなぁぁぁぁっ! K:んっんっんっ。そういう訳でカモンっ! 部下Tっ! T:はっ! ここにっ! 白:……ま、またこんな所に…… 誰も覚えていないぞ。あんたのことなんか。 K:なんてこと言うのよっ!? あたしの部下に向かってっ! 白:つーかなー……自分の父親を『部下』扱いする時点で何を言っても説得力に欠けるぞ…… T:明日伸びるために今日は縮む。 これも男の試練……! K:がんばってね♪ 我が家の男あなただけだし♪ T:しくしくしく……耐えろ……耐えるんだオレっ! 白:いや……ここまでくると、耐える方が情けないぞ…… K:そー言うあんただって、あんな歌作ってるじゃない。 白:んー。あれは父ちゃんの職場での宴会用に考えてあげただけだって。 T:うむ。あれは職場で大ウケだった。 白:歌ったのかっ!? K:それでこそ部下Tよっ! T:はっ! お褒めに預かり恐悦至極っ! 白:ほんとーにキョウエツシゴクなのか……? 何故そこまで自分をおとしめる……? K:ふっ。バレンタインチョコ3個で雇った努力の賜物よ。 白:………………… ……マジで? T:……男には触れてならん過去があるのだ……! 白:……父ちゃん…… K:ふっ! ともあれ雇った分だけの仕事はしてもらうわよっ! 白:いや。もー充分だろ。まったくもって。 K:甘いわねっ! 最近の経営者はもっと労働者にシビアよっ! つーわけで白ウサを捕縛っ! とっとと次の小説を書いてもらうわよっ! T:くうっ! なんたる運命の悲劇だ……! がしぃっ!(白ウサを捕まえる音) 白:本っ当に悲しいわっ! くそおやぢっ! チョコ3つで自分を売り渡すとはっ! K:あー。バレンタインって偉大ねー。 白:そこっ! 無視してくつろぐなっ! ……って、こらまておやぢぃぃっ! 放せぇぇぇっ!! (遠ざかりつつ、どこかの部屋に押し込まれる音。 どこどこドアを叩く白ウサ。それを必死で押さえる部下T) K:と、言うわけで、時間はかかりましたが、乗っ取りは成功です。 ま、どーせあとがきそろそろ終わるんですがね。 ちなみに部下Tは以前どっかのあとがきでちらっと登場しました。 本名については最近触れて、某 藤○ 隆と同姓同名。 それで面白がって、持ち歌の『ナンダカ○ダ』の替え歌作ったのが上で話していたもんです。 興味ある奇特な人は下にリンクを張っておきます。 部下Tの扱いがよくわかります。 他にも、『明日○あるさ』の我が家ばーぢょん白ウサは書いてたりするんですが、 こっちは事情知らないと面白味半減するんで出す気はないらしいですが。 さて、今回白ウサが書き上げた『合わせ鏡の迷宮(らびりんす)』ですが―― それより先にあがってなきゃいけない小説があるんで、そっちはこれからカンヅメにしますので。 企画は他にもあるのに……バイト休めよ。ねーちゃん。 そういうわけで、今回はここらで失礼しますっ! だいじょーぶっ! モデルガンは射程距離結構長いんで、カンヅメ部屋にも届きますっ! 最後までお付き合いくださり、ありがとうございましたっ! アイデア提供・執筆許可・HP公開許可をいただきました、はまりやさんには重ねてお礼申し上げますっ! それでは皆さんっ! ごきげんようっ! 暗殺事件現場五秒前の部屋より―― おまけ http://members.tripod.co.jp/red_eye_white_rabbit/kagami_kaigi.html なんだかんだ http://members.tripod.co.jp/red_eye_white_rabbit/nanda.html |
17056 | Re:合わせ鏡の迷宮 番外 | 清川正寛 | 2001/9/11 18:30:26 |
記事番号17034へのコメント 白うささん、お久しぶりです!なんか最近全然顔見かけないから、ちょっと心配していたんですよ〜。 んで、今回の作品はリナにとってはいまわしき記憶、「シャドウ・リフレクター」のネタですね。 このお話は、OVAでも取り上げられていることからわかるように、元ネタからして大笑いできる内容ですね。 私が察するに、白うささんの場合は、自分の世界観と元の話をうまくミックスして、それをより洗練された お笑いの次元へと昇華させたのでしょう。しかも、原作のノリをまったく損なわず。 読んでて思わず「なるほど!」と手を打ってしまったのがブラックアメリアでした。あれはいいです。理に適ったネタです(笑) ガウリイは・・・う〜ん、やっぱしガウリィだしねぇ・・・。んで、やっぱし笑えたのはゼルガディス。外向的な彼がいかに 恐ろしいか、骨身にしみてわかった気分です(汗)あれは当然怒りますよね・・・本家が。 では、また今度ですぅ。 |
17083 | 清川さん、ご心配をおかけしました(笑) | 白いウサギ E-mail | 2001/9/12 15:50:33 |
記事番号17056へのコメント 台風どころではない騒ぎが起こり、ほとんど徹夜した白いウサギです。 『現実は小説よりも奇なり』 改めて見せつけられた気分です…… とりあえず、気をとりなおして、レスへ行きます! 清川正寛さん、こちらこそお久しぶりです! どうやらご心配をおかけしてしまったようで申し訳ないです。 ちゃんと生きてます(笑) 顔を見せなかったのは、単に遅筆なだけです…… チャットとかにたまに出没してますが、小説書くのが好きですから、やっぱしそっちにいっていたりするんですよねー。 小説書く片手間にチャットは……あんまし得意じゃないですし、やっぱし能率が悪いので……(笑) そのわりには小説発表するの遅いですけど(^^;) 他にもごちゃごちゃやっているのが原因です。 例えば現在の一番の障害はGBAでしょうか(をい) >このお話は、OVAでも取り上げられていることからわかるように、元ネタからして大笑いできる内容ですね。 そうですね。 スレイヤーズを知っている人ならほぼ知っている、と言う有名な話です。 だからこそ、元ネタを崩さずに、それでいて意外性を生み出して話にするかがポイントでしょうか。 個人的に、『合わせ鏡』の儀式の理屈……つーか、ヘリクツは気に入っています(笑) このヘリクツが浮かばなければ、書かなかったでしょうし。 >私が察するに、白うささんの場合は、自分の世界観と元の話をうまくミックスして、それをより洗練された >お笑いの次元へと昇華させたのでしょう。しかも、原作のノリをまったく損なわず。 いや、お笑いの次元て……(笑) まぁ確かに……お笑いですねー。 自分の世界観と元の話のミックスの行程は、あんまし自分でも明確には考えていません。 基本的に、頭の中で勝手に物語が流れ出しますし。 それの誘導ぐらいですか。したのは。 それだけスレイヤーズという世界とキャラが確立されていることです。 ギャグやお笑いについては……書き手の趣味ですね。 日常生活で冗談ばっかりほざいている人間ですから。私。 あそこまで過激なツッコミをして、犯罪者になるということはありませんけどね(笑) >読んでて思わず「なるほど!」と手を打ってしまったのがブラックアメリアでした。あれはいいです。理に適ったネタです(笑) 逆に言えば、皆様予想出来るネタですね(汗) 地中から飛び出してくるブラック・アメリアについてですけど、私自身は頭で映像が流れ出すわけですから、 かなりインパクトがありました(笑) 映像化したら面白いんですけどねー。 >ガウリイは・・・う〜ん、やっぱしガウリィだしねぇ・・・。んで、やっぱし笑えたのはゼルガディス。外向的な彼がいかに >恐ろしいか、骨身にしみてわかった気分です(汗)あれは当然怒りますよね・・・本家が。 影ガウリイ君は、リナの戦闘的推察力の対象になってくれました。 ゼルについては……ファンも怒るでしょう(汗) そーいう意味で、ゼルガディスファンの方がかなり怖かったりするんですが…… いや、別に白ウサ、ゼルが嫌いとか言うことは全くないですし、 スレイヤーズメンバー全体的に好きですし。 弁解しても仕方ないですので……ま、自業自得ですね。潔く標的になります。その場合。 裏ゼルについてはどんな性格にするか、最後まで決まりませんでした。 明るいだけじゃ、面白くないですしね。 まぁ……そのせいで一番の被害に遭われたわけですが…… 改めてもうしますが、影と本人は別人です。(ゼルファンの人に向けて言ってみる) ではでは。 ご感想ありがとうございましたっ。 |
17075 | お久しぶりですvvvv | あごん E-mail | 2001/9/12 00:56:56 |
記事番号17034へのコメント こんばんわ!お久しぶりです!! 白いウサギ様の新作がっっ!!嬉しすぎです〜〜(><)!! しかもシャドウ・リフレクター!! 影リナがっっvvふらんそわvvvv 一気に読んでしまいましたぁぁぁあぁぁぁvvvv とにかくやっぱしさすが、と感嘆致しました。 相変わらずの文章のうまさ、会話のテンポの良さ。 まさしく脱帽ですvvvv とくにツボはブラック・アメリアと裏ゼルですvvvvv あああああっ、マジで師匠と呼ばせてください〜〜(><)!! これだけ素晴らしい作品ですと、かえって言葉がうまく出ません(汗)。 語彙の乏しい我がの脳味噌を恨みつつ・・・(涙)。 感動したことと。 とにかく笑ったことだけお伝えしたかったのです!! ではでは!あごんでした!! 次の作品も楽しみにお待ちしておりますvvv |
17084 | あごんさんお久しぶりですっ! | 白いウサギ E-mail | 2001/9/12 15:52:36 |
記事番号17075へのコメント 昨夜からTVにかじりつき、歯が欠けてしまった白いウサギです(超巨大嘘つき) ニンジンぐらい柔らかいと良いんだけどなぁ……(重ねて大嘘つき) あごんさん、こんにちは! お久しぶりです(小説公開する度にこのフレーズを使わねばならず、ちょっと苦しかったり) 今回は元ネタありの小説です。 ……そーいえば、元ネタありは初だっけかな……? まぁ、その辺は判断基準が難しいのですけど、 今まで、ストーリーはほとんどオリジナルで書いていますしね。 フランソワについては……あとがき参照です(笑) 皮肉になるなぁと書いてて、バイト先でのオモチャの名前がフランソワだったり、 某オフ会参加時に、別称HNフランソワと言う方がいたので、かなり動揺していたりしました。 >とにかくやっぱしさすが、と感嘆致しました。 >相変わらずの文章のうまさ、会話のテンポの良さ。 >まさしく脱帽ですvvvv >とくにツボはブラック・アメリアと裏ゼルですvvvvv テンポはいつでも意識して書いているので、言っていただけて嬉しいですっ! 文章力については……いやいや、まだまだ要・努力! ですけどね。 逆に言えば、まだまだ向上できる! と、気合い入れて頑張っております。 ブラック・アメリア=悪 ってぇのは、この話を書く瞬間イメージしましたが、登場シーンを地中に移すことでほぼ方向性が決まりました。 会話や混戦時の出番はまるっきしアドリブです。 >あああああっ、マジで師匠と呼ばせてください〜〜(><)!! >これだけ素晴らしい作品ですと、かえって言葉がうまく出ません(汗)。 >語彙の乏しい我がの脳味噌を恨みつつ・・・(涙)。 >感動したことと。 >とにかく笑ったことだけお伝えしたかったのです!! あああああっ、いやいやっ! 師匠など……そのような器ではっ! あごんさんご自身も素晴らしいお話を書かれているじゃないですかっ! だいたい、小、中学生時代、担任の良心に打ち勝って、 評価×の読書感想文を書いたことがある、白ウサには荷が重いですって(実話) あの頃は二枚の原稿用紙をどうやって埋めるかが、大変だったなー…… 今はそんな過去が信じられないほど文量書いていますけど、人様の作品の感想書くの、未だに苦手ですし。 呼ぶのはあごんさんの自由なので、止める権利はありませんが、何も責任取れませんって(汗) ともあれ、それほど心を動かしていただき、ありがとうございます。 光栄の極みです。本当に。 >次の作品も楽しみにお待ちしておりますvvv らぢゃーっス(笑) 頑張ってはいるんですよ、頑張っては(限定) 次回作は現在進行形で取り組んでおりますが、いつになるのかわかりませんので、気長にお待ち下さい。 実は、妹の所属する文芸部への小説原稿も提出できなかったのです(涙) 私はどうやら、話を膨らませるのに比べて、まとめるのがとことん苦手なようです。 短くまとめるのって……キツイ…… それではっ! わざわざお読みくださり、さらには感想までいただき、ありがとうございましたっ! |
17042 | Re:合わせ鏡の迷宮 前編 | 31 | 2001/9/10 23:48:07 |
記事番号17030へのコメント はじめまして、31と申します。 小説、読んでます。とりあえず前編。 すごいです、さすがです。原作の雰囲気漂うステキな作品。ノリがもう楽しいです。ああスレイヤーズ読んでいるなあという気分がぷんぷん。これから続きを読みます。ああ楽しみ。 |
17105 | 始めましてです!! | 猫斗犬 E-mail | 2001/9/13 04:46:31 |
記事番号17030へのコメント だはははははははは…げほ…がは…げほ………… ──しばし、お待ちください── …………ごほごほごほ…し…失礼しました… いやもう…吹いた…笑った…驚いた… …自分の作品読み返し踏んづけた… …大爆笑の地球一周、転がりの旅です(意味不明) それ以上に── 文章のうまさ、会話のテンポの良さ。これこそスレイヤーズ!! ──脱帽です!!!!!!! 次の作品も楽しみ………次の……(自分の作品三度読み返し中)… …だあああああああっ!!!! 何やこれは! 詐欺やああぁぁぁぁ! どすどすどすどす(自分の作品を踏んづける音) そしてそのままフェードアウト── |
17121 | 猫斗犬さん、はじめましてっ! | 白いウサギ E-mail | 2001/9/13 21:11:21 |
記事番号17105へのコメント やだなぁ、猫斗犬さんってば。 お久しぶりですよぉ、初めましてじゃないですって(笑) ――と、苦笑しつつ、数分たってから(秒じゃない)やっぱり初めましてだったことに気付く白いウサギです。 そうでした……はじめましてでしたね…… 名前をかなりお見かけしておりましたので、勘違いしていたようです。 > だはははははははは…げほ…がは…げほ………… のをを……!? > ──しばし、お待ちください── は、はぁ……らぢゃです。 > …………ごほごほごほ…し…失礼しました… え、えーと……言うべき事は多々あるよーな気がしないでもないですが、 とりあえず――無事ですか?(笑) > いやもう…吹いた…笑った…驚いた… > …自分の作品読み返し踏んづけた… > …大爆笑の地球一周、転がりの旅です(意味不明) そうですかー……グランドライン制覇ですかー(さらに意味不明) どうやらパソコンの前で怪しい人の称号を得られたようで。 そこまで反応していただき、ありがとうございます。 そうですかー……御自分の作品を――って、それは踏んづけじゃだめですっ!! > それ以上に── > 文章のうまさ、会話のテンポの良さ。これこそスレイヤーズ!! > ──脱帽です!!!!!!! ありがとうございますっ! やっぱテンポは気にして入るんで、お気に召していただけて光栄です。 雰囲気を近づけるにはテンポ、ノリは重要課題ですからね。 文章については――まぁ、小説書き初めて三年程度とはいえ、 文量はかなり書いているので、向上しなくちゃ寂しいですし…… しかし、まだまだっ。語彙が少ない、表現は薄い。 向上すべき箇所は山ほどあります〜♪ 例えば話を数ページでまとめる力を身につけるとか(切実) > どすどすどすどす(自分の作品を踏んづける音) うわわわわわっ! ちょっとまったストップですっ!(涙) えーと……同じシャドウネタという視点で考えると…… もしかして『スレイヤーズしゃどう』っ!? ダメですっ! 我を忘れてはいけませんっ! えーと……あの話はスレイヤーズの新刊を開いたら、その世界に行き来できるようになったって、アレですよねっ!? その設定、スレイヤーズファンなら誰でも一度は願う願望! そうっ! 何を隠そう、私とてスレイヤーズの世界に入り込めたら、 魔法を拾得し、現世界に戻り、さんざん悪用しようと考えていたクチです!(いや隠せ。それは) ………………… ……まぁ、なにはともあれ、入り込めてリナに会えたら、ファン宣言をしてにこやかに去っていきたい所存にございます。 ともあれ、踏みつけてはいけませんっ! 大事に保存し、過去のアルバム、未来への動力源にかえましょう! ……あれ……? なんか話がズレているよーな気が…… ……………………ま、いっか。 ともあれ、反応いただき、ありがとうございましたっ! |
17123 | お久しぶりです〜 | のりぃ E-mail | 2001/9/13 21:44:52 |
記事番号17030へのコメント どうも、お久しぶりののりぃです。 ……いや、小説にレスったことはありませんけど、何べんかチャットでお会いしましたし…… ……って、ずいぶん前だから忘れ去られてたりして……(滝汗) いや、そーじゃなくて、感想を。 笑いました。 めちゃ笑いました。激笑いました(謎)。いやほんとに。 とりあえず自分のパソが自室にあったのに感謝です(をい) ちなみに、一番笑えたのは裏ゼルでした(笑) あと、アイディアにも負けたな〜と思いましたね。 前に影リナがらみのガウリナを書いたこともあったんですけど、こっちを読んで「完敗だ」と本気で思いましたから。 ちなみに、その文章は今から見ると…… ……………………………… と、言う事になりますので(こら)公表不可としました(爆) でわ、とりあえず、影ナーガのネタを現在練っているところだったりするのりぃでした〜 頑張れ伝統文化保存団体(激謎)っ!状態なのですが(汗) あんまり期待しないで待たないでください(さらに謎)っ! それではっ!撤収ぅぅぅぅっ! |
17127 | のりぃさん、おひさしぶりです〜(^^) | 白いウサギ E-mail | 2001/9/13 22:58:51 |
記事番号17123へのコメント 妹Kにまで、「白いうさぎ」と表記され、 涙が出る前に意識が遠くなった白いウサギ(何故かカタカナ・こだわりは特になし)です。 いや。他の方々には間違えられるのは全っ然平気なんですが、 妹はさすがにちょっと…… >どうも、お久しぶりののりぃです。 どもー、お久しぶりです(^^) 以前お会いしたのは七月のチャットですね。多分 きちんと覚えています。 のりぃさんの「Give a reson to write」発表以降、 出会えなかったことは確実です。 会えたらラブコールしようと思っていたのです。 そういうわけで、この場でいきなり。 「あなたは私を隠れて見てましたね?」 ……冗談です(笑) 元歌が大好きなだけに、ウケました。 全てを変えきっているわけではなく、原形を残し、なおかつそれを利用して歌詞が作られていて、ますます面白くなっていましたね。 >明日になれば 自分の落ちてる >だけどけして安くない この二フレーズは特にお気に入りです。 >笑いました。 >めちゃ笑いました。激笑いました(謎)。いやほんとに。 >とりあえず自分のパソが自室にあったのに感謝です(をい) ありがとうございます〜! 最近はそうでもないんですが、 小説を書き始めたばっかのころ(今でもそう長くないですけど) 自分の書く文章に自分でウケて笑ってましたからねー。よけーアブナかったり。 最近笑わなくなったせいか、本当に面白いか反応が怖くなったりしています。 ほっとしました。 >ちなみに、一番笑えたのは裏ゼルでした(笑) やっぱし一番人気はゼルですね(^^;) 意外性がある分、読者様のショックが大きかったのでしょう。 感想くださる方全てその事に触れてきます(爆) 一人称を利用して表現を濁らせて、実際の格好は人様の想像力に託しましたが(笑) >前に影リナがらみのガウリナを書いたこともあったんですけど、こっちを読んで「完敗だ」と本気で思いましたから。 いや、別に勝負は……(汗) と、言うより読みたいです。 >と、言う事になりますので(こら)公表不可としました(爆) やっ、闇に葬られた……っ!? ちょ、著者別のツリーに生き残りはっ!? ううっ、生存者はどこですか、生存者は…… それにしても皆さん結構影ネタやはり書かれているんですね。 他の方の影ネタ作品は読んでいないので、是非見たいです。 他の人のを参考に読んでみようとしたのですが、 人が使ったネタを読んだ以上は使えなくなるし、 影響受けてしまう危険性があったので探さなかったんですが、 書き上げた今は全く問題なしっ! >でわ、とりあえず、影ナーガのネタを現在練っているところだったりするのりぃでした〜 >頑張れ伝統文化保存団体(激謎)っ!状態なのですが(汗) うあ……ほんとーに『ま……がんばれ』な状態に陥りそーですねー。その団体(滝汗) >あんまり期待しないで待たないでください(さらに謎)っ! えええええっ!? 前フリに対してそれは無しでしょうっ! のりぃさんっ!(笑) >それではっ!撤収ぅぅぅぅっ! むうううっ! 逃してなるものかっ! ええいっ! 村おこし広報課長っ! ギザンはいないかっ!? ――ここに。 おっしゃぁぁっ! ダッシュで逃げ出したあの影を追ってくださいっ! 頑張れ元アサシンっ! こーゆーのは得意ですよねっ! ――むう……確かに『昔取った杵柄』。 出来ん事はないが、何故私が…… 追いかけて捕まえれば村おこし大成功間違いなし。 ――承知した。では早速……! あ。ほんとに追いかけていったし。 …………………………………………… ………のりぃさん頑張ってください(はあと) レスをつけていただき、本当にありがとうございました。 |
17148 | 後ろから広報部長がぁぁぁぁっ!(逃走中) | のりぃ E-mail | 2001/9/15 15:33:53 |
記事番号17127へのコメント 白いウサギさんは No.17127「のりぃさん、おひさしぶりです〜(^^)」で書きました。 > > のりぃさんの「Give a reson to write」発表以降、 > 出会えなかったことは確実です。 > 会えたらラブコールしようと思っていたのです。 > そういうわけで、この場でいきなり。 > 「あなたは私を隠れて見てましたね?」 > ……冗談です(笑) きゃぁぁぁっ!?バレましたっ!? ちゃんと気配を消してたのにっ!? ……すいません、さらに冗談です(爆) > 元歌が大好きなだけに、ウケました。 > 全てを変えきっているわけではなく、原形を残し、なおかつそれを利用して歌詞が作られていて、ますます面白くなっていましたね。 作ろうと思って作ったと言うより、 「ここをこうしてこうすれば完璧にギャグだよな〜」 というのの集まりでしたので(笑) 結構皆さん笑ってくださったようでありがたいです♪ >>明日になれば 自分の落ちてる >>だけどけして安くない > この二フレーズは特にお気に入りです。 既に暗譜済みっ!?(をい) ううみゅ。もう90万ヒット企画が終わったからすっかり忘れ去られてるもんだと(こら) 電話代は、当時結構切実なものがあったので、すぐ浮かびましたね〜 >>笑いました。 >>めちゃ笑いました。激笑いました(謎)。いやほんとに。 >>とりあえず自分のパソが自室にあったのに感謝です(をい) > ありがとうございます〜! > 最近はそうでもないんですが、 > 小説を書き始めたばっかのころ(今でもそう長くないですけど) > 自分の書く文章に自分でウケて笑ってましたからねー。よけーアブナかったり。 > 最近笑わなくなったせいか、本当に面白いか反応が怖くなったりしています。 > ほっとしました。 私も自分の文章にウケて笑ってます(現在進行形) 自分で面白いと思っても他人に見せると反応バラバラなあたりがアレですが(苦笑) >>ちなみに、一番笑えたのは裏ゼルでした(笑) > やっぱし一番人気はゼルですね(^^;) > 意外性がある分、読者様のショックが大きかったのでしょう。 > 感想くださる方全てその事に触れてきます(爆) > 一人称を利用して表現を濁らせて、実際の格好は人様の想像力に託しましたが(笑) > 一番常識人なのがゼルだから、その鏡がものすごい事になったわけですね(^^;;) 影ガウリイがものすごい一般的になってましたし(謎) >>前に影リナがらみのガウリナを書いたこともあったんですけど、こっちを読んで「完敗だ」と本気で思いましたから。 > > いや、別に勝負は……(汗) > と、言うより読みたいです。 > >>と、言う事になりますので(こら)公表不可としました(爆) > やっ、闇に葬られた……っ!? ふっ。既に重石にのしに太鼓判まで押して混沌の海深くに沈めておきましたよ(爆) > ちょ、著者別のツリーに生き残りはっ!? > ううっ、生存者はどこですか、生存者は…… > それにしても皆さん結構影ネタやはり書かれているんですね。 > 他の方の影ネタ作品は読んでいないので、是非見たいです。 あうあうあう。早いとこ影ナーガ書こう。 ……いや、これだけ傑作な影ネタのすぐあとに投稿すると、どーしても比較の対象になっちゃうのでしばらくおきますが…… ……というか、まだ練ってるだけで書いてもいないんですが(をい) >>でわ、とりあえず、影ナーガのネタを現在練っているところだったりするのりぃでした〜 >>頑張れ伝統文化保存団体(激謎)っ!状態なのですが(汗) > うあ……ほんとーに『ま……がんばれ』な状態に陥りそーですねー。その団体(滝汗) 影ナーガ、ふと気がつけば、ものすごいふつーの人になってました。 影ナーガのインパクトは、あの服装を恥ずかしがってるとゆーところにあったのかもしれませんねぇ(遠い目) ……ちなみに、「伝統文化保存協会」に最近改名したらしいです(をい) >>あんまり期待しないで待たないでください(さらに謎)っ! > えええええっ!? > 前フリに対してそれは無しでしょうっ! のりぃさんっ!(笑) 「期待せず待てっ!」よりもさらに遠慮してレベルを低くしてるのがミソです♪(激謎) >>それではっ!撤収ぅぅぅぅっ! > むうううっ! > 逃してなるものかっ! > ええいっ! 村おこし広報課長っ! > ギザンはいないかっ!? > ――ここに。 > おっしゃぁぁっ! ダッシュで逃げ出したあの影を追ってくださいっ! > 頑張れ元アサシンっ! こーゆーのは得意ですよねっ! > ――むう……確かに『昔取った杵柄』。 > 出来ん事はないが、何故私が…… > 追いかけて捕まえれば村おこし大成功間違いなし。 > ――承知した。では早速……! > あ。ほんとに追いかけていったし。 > …………………………………………… > ………のりぃさん頑張ってください(はあと) きゃぁぁあぁぁぁ!?なんか後ろにギザンが迫ってるぅぅぅ!? くっ!こうなったら伝統文化保存協会伝統衣装部裁縫課のタチアナっ! ――はい? 今すぐ、私の後ろに迫っているアサシンっぽい村おこし広報課長を倒してきなさいっ! ――……いえ、いくらなんでもアサシンとやりあえるほど修行を積んでは…… 何を言ってるんですか!?あのアサシンまんまの格好で広報課長を名乗るのはアンフォーマルだと思いません!? ――確かにそうですねっ! 広報課長たるもの、スーツを着たりネクタイつけたりしてかぼちゃだのにんじんだの片手に特産品の宣伝にいそしむべきっ! ……それはどうかと思うけど…… とにかくアンフォーマル決定な相手に向かって、背を向ける気ですか!? ――わかりました、アンフォーマルに死をっ! おーし、行った行った…… …………………… あ。もうやられてるし(爆) とりあえず、タチアナが死力を振り絞ってひよこさんのアップリケを縫い付けてる間にとっとと逃げますっ!(外道) それでわっ!替え歌の感想ありがとうございましたっ!タチアナほっぽって逃走ぅぅぅっ! |
17185 | 枕元に広報部長がぁぁぁぁっ!(ビビり中) | 白いウサギ E-mail | 2001/9/18 01:59:39 |
記事番号17148へのコメント のりぃさんは No.17148「後ろから広報部長がぁぁぁぁっ!(逃走中)」で書きました。 ふぃー、今日もバイトで一日が終わる…… さあーて、寝よう、寝よう……ふわぁぁ…… ――待たれよ。白どの。 んのわくきゃぁぁぁぁぁっ!? その声はギザンっ!? 真夜中にひっそりと佇むなぁぁぁっ! 照明すでに消してるし、めちゃくちゃビビるわっ! ――それは―― 知ってます。習性でした(文庫を指差す) で、捕縛作戦は……? ――うむ…… 実は途中、タチアナとか名乗る刺客が現れてな…… いや刺客て。おっさん。 ――広報課長らしい服装をしろ、と言われたのだ…… 確かに、「形から入る」ことも一つの手段ではある。 すいません。話長くなるなら寝かせてください。 ――いやいや。時間はとらせん。 途中だな、こう言われたのだ。 広報課長たる者、スーツやネクタイを身にまとうべきだ、と。 はぁ……至極まともな意見すぎてそーいう指摘を忘れてましたねー…… ――それで、この『これを着たらあなたもセールスマン♪ スーツ』だの、 『これさえあれば村おこしも怖くない! ネクタイ』を買ったのだが…… 買ったのか。見えないけど、今あんたスーツ姿なんか。そーなのか。 ――うむ……いまいち領主殿の反応も、村人の反応も芳しくない。 そりゃそーでしょーが。 村のセールスに行って、逆にセールスされてりゃ世話ないですよ。 その上、スーツって……あなた方の世界、ないでしょう……? 周りから見れば、奇妙としかうつらないっス…… ――所詮我らは闇に生きるしかないというのか…… なんたる運命の皮肉……っ! いや、もー。好きにやっててください。眠いし、相手するネタも浮かびそーにないから、寝ます。 じゃ、あでゅー。 そーいうわけで、ゆーいちさんを逃がしてしまったギザンは解雇です(笑) >Give a reason to write なるほど。けっこう自然に浮かんで作られたのですね。 >既に暗譜済みっ!?(をい) 書き殴りさんでオフ会でも開催されましたら、歌いましょう(笑) すでにフロッピーで保存済ですし、頭にも断片的にですが記憶されてます。 確かに回転が早いので、企画が流れるのも早いですけど、覚えているものは覚えています♪ 電話代……確かにキツイですけどねー…… 当時って、実はかなり前から作られていたのですか? あの歌詞は。 企画時に知ったので、私的には最近の事だと思っていたのですが(^^;) >私も自分の文章にウケて笑ってます(現在進行形) >自分で面白いと思っても他人に見せると反応バラバラなあたりがアレですが(苦笑) あ。良かった。自分だけじゃなかったんですね(笑) そうですねー、自分と他人の反応はかなり違いますよね。 大して意識していないところのセリフが、気に入られていることもあったりします。 創作時間、文量、苦労=良作 って、ワケじゃないですが、 力入れたところノーリアクションで、おもいっきしスルーしていたところでウケるってのは、結構複雑です(笑) この辺は今作に限った事じゃないですが。 >のりぃさんの影リナがらみのガウリナ 広報課長が役に立たなかったので、埋められてしまいましたか。 影ナーガ、頑張ってくださいね。 私の話との比較やらタイミングやらは、別に気にすることはないと思いますが、 じっくりネタを練って頑張ってください。 んー……確かに気が付くとふつーの人になっちゃう危険性が大ですね。 それじゃあ無責任にヒント、と言うか、提案を。 実は血を見るのが大好きな影ナーガ(笑) ああっ、話がホラーに流れ込みそう……(汗) レミーさんと気があったりして(ーー;) んでは、これにて失礼します。 |
17129 | Re:合わせ鏡の迷宮 | ブラントン | 2001/9/14 01:14:16 |
記事番号17030へのコメント こちらではお久しぶりでございます。考えてみれば『舞台での攻防』以来で、今年初めてになるのですね。 どうもロストの長編を同時並行で執筆中らしいですが、そちらは『朋友まみえる』の続編ということでよろしいのでしょうか? 個人的にはいまだに『交錯』の行方が気にかかるところです(^^;) さてさて今回は究極の奥の手「リナ一行vsリナ一行」ですが―― これって「ネタの時点で既に百点満点」なあたりが奥の手たる所以なのですよね。 その最たるものがあの『スレイヤーズvsオーフェン』なのはもちろんのことですが、つまり題材を聞いた時点で初期値がMAXに来てしまうという。 なので書き進めていくうちにどんどん減点されていって、結局作品の出来はほぼどれほど減点させないかになる、ある意味作者泣かせなネタといえるのでしょう。ネタを浮かべるのは楽しいけど、実際に読者に面白く読ませるのは思ったよりも難しい。 そんなわけで、今回の感想は読んでいてプラス、マイナスそれぞれの要素になりうると思われたところについて、一つずつ取り上げていくという展開にしたいと思います。よろしくお願いいたします(m_ _m) ・ゼロスの存在意義 私としては、今作ほぼ唯一の欠点がこのゼロスだと思うのです。 ラジオドラマらいくな設定という影響もあるでしょうが、本筋に全く関与せず完全に「のほほん糸目神官」となっている上に、ギャグシーンもいちばん苦しめ。その上影も登場しないとなれば・・・・・・ もうちょい出番を減らしても良かったのではないかな・・・・・・と思えるところなのです。 ・本人では笑いの取れない影ガウリイ ・・・・・・これは苦しいとこなんでしょうね・・・・・・ アメリアとゼルはどちらも「わはははは」系(なんじゃそりゃ)にして上手にいっていますが、そういうわけにもいかないでしょうし、どうしてもほとんどが本物と比較しての「刺身のネタ」扱いでになってしまっているのは―― 代替案も出せずに言いっぱなしで申し訳ないです。 ・複数登場の同ネタ連発 明らかなのが3つでしょうか。他に、前にネタを振っておいて後で回収というのも3つ。違ってたら見落としたか気づかなかったです(T-T) 多少出来にばらつきがある気もしますが、基本となるレベルがそもそも高い上に、この長さでこの数のネタを詰め込んだのは驚異としかいいようがないです。 ・フランソワの役割 よりによって付けた名前が『フランソワ』! 最高です(^^) 彼女に関するシーンは正直全部当たりで、もはや言葉もないです。むしろ原作よりも出番が多いのではないかというほど元は一発ネタな短さなのに、それをこうもうまく使うとは・・・・・・本当に凄い、素晴らしいの一言。 じつのところ自分は戦闘シーンでもちょっと絡んでくるのかな、と思ってたりしました。知識や知能が同じであるなら、ガードナーみたいな使い方ができるかも、と・・・・・・かなり苦しいでしょうけど。 ・ネーミングセンスの良さ 上述のフランソワもそうですが、「合わせ鏡」に「ダブル・リバース」とカッコいい名前はポイント高いです〜。他三人の名前の違いもあとがきで述べられてますがこだわりを感じるところでがっちり。 こういった部分はストーリーの骨格には関係ないですが、作品の完成度を高める際の貢献度は計り知れないです。完成度という点では、各影の登場シーンもそれぞれ凝っていて毎回違う見せ方をしている点も外すことはできないでしょう。 ・合理的な設定 今作を成立させる最大のキーポイント「合わせ鏡」。終わったネタを再度持ってくるときには、いかに不自然さをなくしそこに説得力をもたせるかが成功か失敗かの鍵を握るわけですが・・・・・・これもまた驚嘆の出来。『朋友まみえる』のミアヴィルドを彷彿させます。元ネタがあったとはいえ、この題材をやるもう一つの手段であるコピーではなく、影を出したところも大きく。もちろん「影なる脅威」は最初に読み返しておきました。 これは私の印象に過ぎませんが、スレって「とってもファンタジーらしくないファンタジー」なんですよね。奇跡が起きない。ファンタジーだからで片付けようとしない。とても現実的で論理的。説明できないことはない。だからこそ、推理が――論理が必ずある。映える。もちろんそれが何度も顔を見せるのも今回の作品の魅力を支える支柱の一つです。 つじつま合わせといえばその通りですが、違和感なければ問題なし。そこにあるのは苦しさどころか「その手があったか!」という衝撃。マイナスどころか明らかにプラスとなっていることは間違いありません。 では以下、おなじみのお気に入り部分を。 なんだかいつになく多いですが、全部ふきだしかけるほどのものであったことを付け加えさせていただきます。(シリアスものは除く) >悪夢が――そこにはあった。 ∫ >――あたしと同じ、その顔で。 >……じっ、じ――人権擁護の演説とやらはどぉしたのよぉぉぉぉ……」 >「幸せなら、そのまま邁進して自然な感じでフェードアウトっ!」 > ゼロスさんパス!」 ∫ >「なごやかにチームワークを発揮するなぁぁぁぁぁっ!! >「ああ……リナさんが三人…… ∫ >「強引に決戦前夜的なセリフを吐くんじゃないっ! >『理不尽な現実……』 >「えっ、ええっと……! ∫ > 見事なパスカットです、リナさん……」 >「んっふっふ。アメリア、今夜、包帯持参であたしの部屋へ来るよーに」 >「ああっ!? しまった正義のピンチっ!?」 >「なるほど。同感――」 > 火のないところに煙はたたない。 > 今まさに、煙で己を隠していた炎が姿を現そうとしていた―― > 人という漢字はお互いを支え合って出来ているように、人と人は――」 >「だぁぁぁぁぁぁぁっ! 背中のかゆくなる論説は他でやんなさいっ! 他でっ!」 >「だいじょーぶ。そのうち流行るから」 > とりあえず激しくギャップがあってどーしよーも無くなってくるので止めて下さい。お願いします。 >「――ただし! 『か弱い乙女』は謝罪と共に撤回しますっ!」 >「ひたすらこっちを放って置いて、今更何事もなかったよーにクールに切り替えるか。あんたは」 > こーみえてもわたしたちは腕だけなら――って、腕だけですかっ!? リナさんっ!?」 > とにもかくにも吹っ飛ばすっ! みんな全てぶっ飛ばすっ! ∫ >「やってみてからじゃ遅いじゃないですかぁぁぁぁっ!」 > とりあえず相手を驚かしてビビらせるっ! これぞ悪っ! > 意味はなくとも黒い服を纏うっ! これぞ悪っ! > 着地を無事成功させるなんて、もぉ絶対アメリアじゃないわ」 > 本当に――負けるのより何倍もマシ?」 >「うくっ!? > ひっ、人が気にしてること言うなぁぁぁぁぁっ!!」 >「ふはははっ! ∫ >『服を着ろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』 >「……埋めろ」 > あの空気でどうやって真面目に戦えって言うんですかっ!?」 >「そこっ! なにげに核心を突いたどうでもいいツッコミを入れないっ!」 >「……ガウリイさん……線香はガウリイさん本人に必要だったみたいですね……」 >「最後のセリフが切実ですねぇ……」 > 俺の素晴らしい肉体がこうして戦場に舞う――」 >『舞うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』 > あたしとダブル・リバースの致命的な違いその一。 > 仲間の力量の把握とその指示力っ! > 未遂も立派な犯罪――立派な犯罪……! > これでわたしも晴れて堂々と悪の道へっ!」 >「喜ぶなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 > こうして――一つの事件は終わった。 ∫ > かつてより、一回りも二回りも強くなった彼女の相手は――酷く――疲れるらしい。合掌。 ベストシーンは冒頭のフランソワ。本当に彼女は外しがまったくといっていいほどなかったです。またラスト数行の締めも文章の調子に手堅さを感じました。最後なだけに作品の印象における比重も大きいところでしょう。 セリフは・・・・・・いままではシリアス系から選ぶことが多かったですが、今回はそういった重いテーマが顔をのぞかせよう――としたところであっさり引っ込んでしまったので、いちばん笑わせてもらった > 俺の素晴らしい肉体がこうして戦場に舞う――」 >『舞うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』 にさせていただきたいと思います。もちろん他候補多数。 重めなテーマ、今回もてっきり途中から出てくるかと思い、あのダブル・リバースのセリフでリナ同様「おおぉっ、ついに来たか!?」と身構えてしまったのですが・・・・・・いやいや、先入観でした。頭が固かったと反省です。 ではでは、今回はこれにて失礼―― ・・・・・・あ。 ごめんなさい、恐れ入りますが・・・・・・作品の評価には関係ないのでどこに入れるか迷った題材を最後に差し込ませていただきます。 あらためまして、失礼します。 ・反対であるということ 文系の私が数学の話題を持ち出しても返り討ちにあるのが関の山ですが、ある命題の反対といっても「逆」「裏」「対偶」があるように、あとがきで触れられている通り「反転する要素は無限にある」わけですね。 実際リナとフランソワの対称関係とアメリアとブラック・アメリアの対称関係は一致しないもので、元を第一象限とするならその影は第二象限や第四象限に散らばっているような印象を受けます。能力はコピーされるわけですから、かの映画『アンブレイカブル』のようにまったく正反対というわけではないので、第三象限という言い方はできないかもですが・・・・・・ 結局どれが正しい逆かなどとは決められないのだから、どれを選べばもっとも面白いか選択権は作者の手に委ねられているわけで、そのことについて今回は非常に優れたものだったということなのでしょう。都合がいいといえば都合がいいことですが、悩み始めればきりがないドツボにはまっていくという・・・・・・恐ろしいネタです、はい。 ・・・・・・そろそろメッキがはがれそうなので。 話が脱線するのですが、せっかくの機なので「反対」を題材にした短編を紹介させてください。 ゆかりのある方なのでひょっとしたらご存知かもしれないですが、「月は東に日は西に」というHPの中にある短編です。タイトルは『対義語に捧げる寓話』。TOPページのURLは http://www07.u-page.so-net.ne.jp/momo/tatsue/mond/index.html その中の雑記帳のコーナーにあります。よろしければぜひ(m_ _m) |
17161 | ブラントンさん、お久しぶりです(こちらでは) | 白いウサギ E-mail | 2001/9/16 02:32:39 |
記事番号17129へのコメント 深夜だからやめとこう、寝ようとか言ってると、 いつまでたってもレスが返せないような気がしたので、この時間にお邪魔します。 ちなみに、眠くないので、ご配慮は無用です。 人のことを言えないのは百も承知ですが―― ブラントンさんのレスの読み込み時間が長いことに、 『ああ……やっぱりなー……』 と、思ってしまう白いウサギです。 もちろん、嬉しいですからね。誤解のなきように言っておきますが(^^;) おそろしいことに、ご指摘通り、今年初です。小説公開。 本っ気でおそろしい…… あとがきでも書きましたが、受験期に比べてペースが落ちているとゆーのは……すっごく複雑なのですが…… 現在同時進行で執筆中のロストの長編ですが、これまたご指摘通り『朋友 まみえる』の続編です。 ついでに、その次の続編もプロット同時進行です。 いや……ロスユニ第二部ポイもの、ですので、一続きで設定が流れているわけでして…… この辺も時間がかかっている理由の一つです。 『交錯』の方も、プロット、シーンごとの断片的な執筆は再開しました。 完成はいつになる事やら…… >究極の奥の手 その通りです。 もう全く返す言葉はございません。 減点覚悟で話を突き進めてました。 期待がでかいと、反動的に失望の可能性は上がるわけでして、それをいかに回避するかが手腕の発揮点。 得意な科目のテストが返されるとき、良い点で当然、僅かでも低ければとんでもなく残念な気分になるというアレです。 >・ゼロスの存在意義 公開前、存在の削除が僅かながら危ぶまれた方です。 ゼロスに関しては、ええ。自覚していることをそのまま言って下さって助かります。 それでも残ったのは、ゼロス・ファンへのサービス。 ――いや、それだったら礼儀としてネタを煮詰めるべきですが。 それと、ブラントンさんのお気に入り部分でも挙がっておりましたが、 ・『それは秘密です』のパスワーク&パスカット ・人間社会のお付き合いの二重ネタ ――など。 気に入ったギャグが浮かんでしまったからです。 こういうのをカットするのって結構思いきりとパワーがいるんです…… この辺が物語を短くまとめることが出来ない原因かも知れないんですけど。 結局は言い訳の範囲を脱しないので、この辺でやめときます。 >・本人では笑いの取れない影ガウリイ そのとーりです。 彼についてはシリアスシーン担当で、リナの駆け引き能力の表現の餌食にされてしまいました。 一番影が薄いのは黒幕の……えーっと……そうそう。ルーチン(忘れてた) 彼の次に薄いかも知れません。 そこで指弾の再使用という、スレイヤーズファンにとっては懐かしい一巻ネタを起用して悪あがきしているわけです。 ギャグの範囲に入っていないのは、彼だけですね。 他の方々のアイデアで、影ガウリイについては フランソワか、二重裏(ダブル・リバース)のどちらかとくっつけて欲しいという案もありましたが(笑) 表明してくださった方々の中にも、利き腕が逆に気付いて、影と気付いた方がいらっしゃいました。 このように難点があがると言うことは、もっと話を面白くできると言うわけですし、 いつか勝手に私がまた書き直すかも知れません。 >・複数登場の同ネタ連発 今回は他作に比べて、かなり多いですね。 こういうネタ連発は、 伏線的で面白いかなーっと思ってやってみました。 とりあえず、自分は楽しかったです(爆) 多いので気付かない、とゆーか忘れられるかも知れないのが怖くて、 人間社会の付き合いはどーした。 おや、よく覚えていましたね。 という、覚えていることを願う、あからさまなセリフがあったりします。 『おや、よく覚えていましたね』は削除すべきか思案しましたが、結局そのまま。 ギャグとしての使用はしていませんが、前に出して置いて伏線を張る、と言う意味ではロスユニ長編でもよく見られます。 こういう作業は2パターンありまして、 ・前もって、きちんと後で出そうと考えて前置きネタを入れる。 ・書き続けていくうちに、前のあれとダブらせられるな、と気付いて付け足したもの。 今回は、前者で行けたらいいなーと書き進めて後者に結局なってしまう、とゆーのが多かったです(進歩無し) 具体例 ・それは秘密です、のパスワーク&パスカット ・人間社会のお付き合い ・過激になっていくリナからのアメリアの呼びだし などなど(これをつければ誤魔化せると思っている) 似たような意味で、 >「攻撃する必要……あったかな……?」 >「助けた意味……なかったかな……?」 も、そーでしょーか。 ダブらせて印象値をあげる、とゆー手段は好きです。 そういうわけで、お褒めいただき、本当に嬉しいです。 >・フランソワの役割 名前、気に入ってもらえたようで(笑) そうですねー。彼女は原作では一発ネタ的な役柄であり、それは超巨大あとがきでも語られていますし。 神坂さん自らが再登場させるのが無茶苦茶難しいキャラとおっしゃっていただけに、 どーしよーか、結構ビビっていたのですが、案外すんなりいけました。 フランソワだけでは苦しくなるのは明白ですが、二重裏など、他のキャラとの対比のおかげか結構OKでした。 『女の会話は呪文で語れ』。 あの辺のやりとりも好きですね。 ただ、戦闘シーンでの介入も、当初は多少なりとも考えておりました。 が、エピローグ……じゃなかった、後編でルーチンに会いに行くシーンで、 読者に『表現濁らしているけど、ルーチンと対峙しているのは二重裏(ダブル・リバース)のフリをしているリナだろう』 と、思わせたかったんです。 それで、『実はフランソワだった』と、ひっかけてやりたかったわけです。 そういうわけで、フランソワが戦闘シーンに参加し、再び存在感を発揮してしまうと、 『あいつはフランソワだ』と、あっさりバレてしまう可能性が上がると思ったんです。 いや、まぁ……『は? フランソワってわかってたけど?』って、きっぱりはっきり言われる方もいるかも知れませんが…… 努力をしておきたかったんです。 >・ネーミングセンスの良さ 気に入って頂けて幸いです。 やっぱし、格好悪い名前は使いたくなかったですし。 ひねりもなく考えれば『二重裏(ダブル・リバース)』は『フランソワの影(シャドウ)』になるわけですが、あれだけ影が乱立してくると、インパクトがないわけです。 もちろん、フランソワを連呼したくなかったってのもありますが(笑) 他三人の微妙な違いは、人それぞれの趣味で好き嫌いが分かれるでしょうけど(^^;) 全部影に統一しといた方が原作には忠実だよなー…… と、悩みまくりましたが、結局自分で気に入ってしまったので、そのままでした。 ちなみに、今回の話には関係ないですが、自分(白ウサ)の言い方もわずかに変えております。 あとがきである時期から一定しているはずですが、「作者」から「書き手」と変化があります。 神坂さんは「原作者」であり、「作者」でもいいのかなー、と、小説書き始めた当初は迷っていましたが、 やっぱり、おそれ多い、ということで、「書き手」に変更。 大した変化はないと言えばその通りですし、気付いている方もまずいないと思いますが、 気持ち的にワン・ランク下げてみました。 ……もし時期をはずして「作者」になっていたら単なるミスです。 >各影の登場シーン やっぱし、流れるように自然に出てきて自然に消えるってのは物語に起伏が生まれませんので。 ブラック・アメリアについては、この話を書こうとした時、一瞬で『空じゃなくて地面からだ。登場は』と、真っ先に決まりました。 影ガウリイは書き進めているうちに、このタイミングでいいだろう。読者もうまくいけば騙せるし。――と。 最後まで悩んだのがゼルガディス。 設定が戸惑いながらも(笑)決まった時点でも、登場シーンが思いつかず、あーでもない、こーでもないと悩みまくり。 結果、一人称を利用した表現の濁らせ方で登場になりました。 影じゃないですけど、ゼロスについてももうちょい、再登場のシーン懲りたかったんですが、案が浮かばず、湧いて出てきました。この辺は悔しさの残るところです。 >・合理的な設定 気に入っていただけて本当に嬉しいです。 この『合わせ鏡』が浮かばなければ、書いていませんでした。 それだけは書き手の都合にしたくなかったので。 ブラントンさんのおっしゃる通り、スレイヤーズは「ここだけの例外」とか、ドラ○もんの秘密道具的な、「なんでもあり」ってのが、ありません。 そのため、推理性が生まれる。 スレイヤーズが好きな一つです。 それが好きだからこそ、設定にはこだわりたいんです。 他でも語ったような気がしますが、私自身も気に入ってます。 ちなみに、私も「影なる驚異」……もとい、「影なる胸囲」……でもなく、「影なる脅威」は読み直しました。 フランソワも頭に入れなくちゃいけなかったこともありますし。 >>悪夢が――そこにはあった。 > ∫ >>――あたしと同じ、その顔で。 実はっ! これまたばっちし気に入ってますっ! >>……じっ、じ――人権擁護の演説とやらはどぉしたのよぉぉぉぉ……」 読み直したことまるわかりゼリフ。 最後の一節はほとんど忘れてましたし。 >>「幸せなら、そのまま邁進して自然な感じでフェードアウトっ!」 実は最近アニメ化されたドラマガ小説からのパクリ。 まぁ、微妙に違いますが。 >> ゼロスさんパス!」 > ∫ >>「なごやかにチームワークを発揮するなぁぁぁぁぁっ!! 実は以前からやりたかったやりとりです。 >>「ああ……リナさんが三人…… > ∫ >>「強引に決戦前夜的なセリフを吐くんじゃないっ! 同じく好きです。 結構この辺はぱっと浮かびましたかね。 >>『理不尽な現実……』 少しスレイヤーズらしくないかな、と心配したハモリゼリフ。 最近とくにスレイヤーズらしさ、原作の忠実性より、白ウサの趣味を優先することがあります。 >>「えっ、ええっと……! > ∫ >> 見事なパスカットです、リナさん……」 前置きのある、伏線的ギャグ。 そのうちキラーパスでも出現するかも知れません(を異) >>「んっふっふ。アメリア、今夜、包帯持参であたしの部屋へ来るよーに」 >>「ああっ!? しまった正義のピンチっ!?」 次回へのステップ・アップは包帯と松葉杖。さらにここで線香の伏線あり。 包帯の次は何だろう……? とは迷いました。 包帯だけじゃ変わらないですし、何かを持ってこさせなくちゃいけない。それで、松葉杖でした。 他の代換え案が浮かんだら、そっちにしていたかも。 >>「なるほど。同感――」 やっと、シリアスが出てきました(笑) けっこうちょこちょこ見え隠れはしているんですよね。シリアス。 今回はギャグ8:シリアス2ぐらいでしょーか。(え? 9:1ですか……?) やっぱし、リナは格好良いです。 >> 火のないところに煙はたたない。 >> 今まさに、煙で己を隠していた炎が姿を現そうとしていた―― んんっ! ここは自分でも大好きですっ! 格言利用表現(勝手に名称作るな)。 けっこうノリですらすら書いてしまいましたが。 >> 人という漢字はお互いを支え合って出来ているように、人と人は――」 >>「だぁぁぁぁぁぁぁっ! 背中のかゆくなる論説は他でやんなさいっ! 他でっ!」 えー……耳にタコな表現ですねー…… ここまで使い古されると、「ををっ! なるほどっ!」ってのがないですから。 人権擁護論説の前説で多用しているという隠し設定があります(但し、今作った) >>「だいじょーぶ。そのうち流行るから」 読み返していても、たまに自分でウケて顔が緩むセリフです。 おもいっきしいい加減(笑) 流行ったら治安維持が大変そうですねぇ…… >> とりあえず激しくギャップがあってどーしよーも無くなってくるので止めて下さい。お願いします。 白ウサの心の代弁。 書いてて頭がくらくらしました。 >>「――ただし! 『か弱い乙女』は謝罪と共に撤回しますっ!」 前もってこの一文だけは決まってました(笑) それだけ好きです。 ただ、撤回分のタイミングをどうしようか後で迷いました。 思いついたものだけをピックアップしとくと、ストーリーの流れに沿って何処で入れるか、迷うときがありますので。 >>「ひたすらこっちを放って置いて、今更何事もなかったよーにクールに切り替えるか。あんたは」 どっちかっつーと、リナ一人称時の地の文ですが、二重裏(ダブル・リバース)の心情を書けませんので、台詞で言ってもらいました。 実はあのように切り返さないと本当に物語が暴走してしまうので、強引に切り返したのを読者に不自然だ、とツッコミを入れられないように、姑息な手段も含んでいます。 >> こーみえてもわたしたちは腕だけなら――って、腕だけですかっ!? リナさんっ!?」 腕だけです(爆) 気付かずに胸を張るアメリアが大好きです(笑) >> とにもかくにも吹っ飛ばすっ! みんな全てぶっ飛ばすっ! > ∫ >>「やってみてからじゃ遅いじゃないですかぁぁぁぁっ!」 えーっと……これは実は自分のことです。 スレイヤーズファン……と、ゆーよりは神坂作品ファンの私としては、 『やってみないとわからない』って、モットーがかなり浸透しています。 それで以前家族で夕飯食べに行って、その帰りに私が運転していたんです。 その道中で右折しようとしたところ、対向車が来たわけですが、距離があると判断し、右折しようとしたところ、 親の悲鳴に近い声で制止。 「あのままじゃぶつかる」 とっさに、「やってみないと事故るかどうかわからないでしょーが」と、言おうとした瞬間に「事故ってからじゃ遅いじゃないか」と、思い、言うのをやめました。 自分の思考の巡りに一人でウケてましたので、家族は変に思っていたでしょう。 >> とりあえず相手を驚かしてビビらせるっ! これぞ悪っ! >> 意味はなくとも黒い服を纏うっ! これぞ悪っ! 勢いに任せて書いたわりには気に入ってます。 >> 着地を無事成功させるなんて、もぉ絶対アメリアじゃないわ」 ブラック・アメリアの設定はほとんど一瞬で浮かんだので、 この点もその時に決まりました。 >> 本当に――負けるのより何倍もマシ?」 >>「うくっ!? >> ひっ、人が気にしてること言うなぁぁぁぁぁっ!!」 自分でも気に入っています(ああ、何だか反応の種類が皆一緒) 前もって言ったときにすでにこの事にすることを考えてました。 >>「ふはははっ! > ∫ >>『服を着ろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』 表現を濁しまくっているので、何が起こっているのか引っ張って、最後の一セリフでネタばらし。 引っ張り具合はちょっと考えました。 >>「……埋めろ」 スレイヤーズVSオーフェンでゼルが「アレ」を埋めていたので。正確には手伝ったんですが、鮮明に覚えてまして(それもなんかヤ) 結果、採用。 そういうわけで、チームワークがいいのも、バトルロイヤルの影響も入っているかもです。 >> あの空気でどうやって真面目に戦えって言うんですかっ!?」 自分自身で入れたツッコミ。 真面目に対応しないがために、影達のやる気が満々、とゆー事にしよう、と前提で小説を書き始め、流れで調整せずとも真面目に戦えない雰囲気になってました。 >>「そこっ! なにげに核心を突いたどうでもいいツッコミを入れないっ!」 セリフまんまです。 核心は突いているんだけど、だからどーしたってレベルなので(笑) ちなみに、全て一緒ネタは大○動会で一番好きな大阪弁少女のセリフです。 >>「……ガウリイさん……線香はガウリイさん本人に必要だったみたいですね……」 ふと疑問だったりしたのがスレイヤーズの世界に線香はあるのか。 このセリフを言わせたいがために、無視して入れました。 ただ前もって入れておいた「線香貸してやろーか?」はこのためとは言え、ちょっと不自然だったかな、とは思いました。 >>「最後のセリフが切実ですねぇ……」 安全地帯で言うゼロス君。 急に鏡が移動するとゆーアクシデントが生まれたため、急遽アドリブでうちこみまくっていたら、生まれた言葉。 こうしたのも好きですね。 >> 俺の素晴らしい肉体がこうして戦場に舞う――」 >>『舞うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』 悪ノリしすぎかなー、とか思いつつ、入れておいたセリフ。 気に入っていただけて、本気でほっとしています。 冷たい反応返ってきたらどーしよう…… と、かなりうろたえてましたが。当時。 ちなみに、先行公開では『肉体』ではなく、『身体』でした。 訂正後の方が生々しいので(笑)変更しました。 >> あたしとダブル・リバースの致命的な違いその一。 >> 仲間の力量の把握とその指示力っ! ああ……やっとシリアスに戻りましたねー…… リナの指示力というか、リーダーシップの高さはメディアを問わず、疑いのないものです。 リナだって昔に比べると成長しているんだ、とゆー事を語りたかったんです。 だからと言って、神滅斬(ラグナ・ブレード)だ重破斬(ギガ・スレ)だ、と新技使うのもどうかと思うし、まず無理ですし。話の流れと呪文の性質上。 新技を使って相手を混乱させるって案もありましたが、そちらは使用しませんでした。 必要性を感じなかったですし。シリアスの比重が増えていれば別ですが。 >> 未遂も立派な犯罪――立派な犯罪……! >> これでわたしも晴れて堂々と悪の道へっ!」 >>「喜ぶなぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 このやりとりは突発的な事故です。 前もって考えていたわけでなく、会話のやりとりで自然に生まれました。 まぁ、あの辺りの戦闘シーン(?)はアドリブですし。ほとんど。 >> こうして――一つの事件は終わった。 > ∫ >> かつてより、一回りも二回りも強くなった彼女の相手は――酷く――疲れるらしい。合掌。 この辺は結構いい加減に書いたんですけど(^^;) 気に入って頂けて幸いです。 最後の締めの部分は、流れのままですね(「は」じゃなく「ほとんど」だけど) ルーチンには可哀想としか言い様がないです。 > 重めなテーマ、今回もてっきり途中から出てくるかと思い、あのダブル・リバースのセリフでリナ同様「おおぉっ、ついに来たか!?」と身構えてしまったのですが・・・・・・いやいや、先入観でした。頭が固かったと反省です。 そーですねー…… 「オリジナルにはなおさら負けられない」 と、書いている辺り、絶対読者様は誤解する、とわかっててやってました。 わざわざコピーレゾ(気付かなかった人も居そうですが)彷彿とさせる文章もいれといて、アレですからね。 こちらとしては、シリアス系を入れる予定は全くなかったので、流れました。 まぁ、予定通りいかないのが白ウサの文章だったりしますが、この点だけは今回変わりませんでした。 長くなってしまうってのもありましたし。 長編並に長くなれば、戦闘シーンも、重いテーマももっときちんと書かれていたことでしょう。 関連性のある話題なので、以下の文章は全然オッケーです。 それどころか、面白かったです。 >・反対であるということ 数学の話題をあとがきで持ち出そうかとも考えましたが、自信がないので結局やめました(笑) 数学の場合は、逆のこともありますが、関係についての記述で、「必要条件」、「十分条件」、「必要十分条件」なんてのもありますよね。 説明する力はないのでパスしますが(をい) >悩み始めればきりがないドツボにはまっていくという・・・・・・恐ろしいネタです、はい。 その通りでした(笑) あとがきでも触れたように、パターンは無限にあるわけですから、その中でいかに良いものを選ぶか、が重要課題。 判断については、そう言って頂けて嬉しいです。 悩んだのは、あとがきの通り、ゼルだったわけですが、その分皆様気に入ったかどーかはさておき、インパクトが大きかったようで、報われた気分です(笑) >『対義語に捧げる寓話』。 読みました。まだその短編しか読んでないんですが、一気にファンになりました。 良くできています。 物語の中に「鏡」が出てきたのも、奇妙な縁を感じました。 教えていただき、本当にありがとうございます。 ふぃー…… 結構な量になってしまいましたが、レスはこれにて。 いつも本当にありがとうございます。 出す話出す話、すべて感想を頂けているので感謝の気持ちは、言葉ではとても言い表せないほどです。 感想を頂けるだけですでに充分嬉しいのですが、ブラントンさんのレスは、更に向上するためのマニュアルを送っていただいているようなものです。 本当に感謝しております。 反応していただいた以上、恩をお返しする一つの手段として、より良いものを生み出せるように努力するつもりで頑張ります。 それではまた。 ありがとうございました。 |
17178 | レスありがとうございます。 | ブラントン | 2001/9/17 19:42:52 |
記事番号17161へのコメント こちらもいつものごとくのレス倍返しに喜びを感じるところです。しっかり熟読させていただきました。 こうして読むとやっぱり書いた本人が一番わかっているものなのですね・・・・・・ なんというか一度は「おおぅ、それは気づかなかった!」と言わせてみたいものだと意地悪くも思ってみたりするところですが、「ああぅ、それはわかってる、わかってるんだよ」との心の叫びが聞こえてくるようなことばかりです。 それでは、部分部分チョイスしてレスを。 >『表現濁らしているけど、ルーチンと対峙しているのは二重裏(ダブル・リバース)のフリをしているリナだろう』 はーい。そう騙された人その一です・・・・・・ 前回のナーガ登場シーンといい、ものの見事にしてやられてばっかりなあたりが歯がゆいです〜! >「オリジナルにはなおさら負けられない」 のところもそうでしたし・・・・・・はぅ・・・・・・ >ちなみに、私も「影なる驚異」……もとい、「影なる胸囲」……でもなく、「影なる脅威」は読み直しました。 実際、作品を書き始める前は事前準備としてやはり原作を何冊か読み返すものなのでしょうか? 私としては、たとえば本編第二部ものを書くなら、必ず第二部は全巻読み返し、できれば戦闘シーンの雰囲気や既に出たネタを確認するために第一部も、余裕があればすぺしゃるの方にも手を出し・・・・・・と考えるものなのですが、白いウサギ様のようにコンスタントに書かれていると逆に毎回読み返していては大変でしょうから、もう少し限定されると思うのですが・・・・・・ >少しスレイヤーズらしくないかな、と心配したハモリゼリフ。 確かにスレではそう多くは見ない手法かもしれないですが(と断言できるほど読み返していないのが本当ですが)、使われ方はもうばっちりで、ある意味その前の決戦前夜セリフ第二弾を受けた笑いのポイントとして最大限機能された部分だと思います。 めちゃめちゃ面白かったです、ええ。 >ただ前もって入れておいた「線香貸してやろーか?」はこのためとは言え、ちょっと不自然だったかな、とは思いました。 ・・・・・・う゛。ごめんなさい、それは私も同感です・・・・・・ >だからと言って、神滅斬(ラグナ・ブレード)だ重破斬(ギガ・スレ)だ、と新技使うのもどうかと思うし、まず無理ですし。話の流れと呪文の性質上。 ここらへんも誘惑あるかと思うんですけど、それを振り切ってるのはすごいと思います。 ダブル・リバース戦にテーマを持たせるなら、リナがすぺしゃる時代からどれだけ成長したか、というところを「仲間の力量の把握とその指示力っ!」などと絡ませて描くことで今までの物語を総括する手が真っ先に浮かびますが、そうなると難易度アップ、ボリュームアップは間違いないのでしょう。 >「必要条件」、「十分条件」、「必要十分条件」 私もパスしたいです(^^;) ちゃんと説明できなそうな気がひしひしと。 >『対義語に捧げる寓話』。 気に入っていただけたようで何よりです♪ ではでは。今回は短いですがもうすぐ落ちそうですし、これにて。 |
17197 | しぶとくレスってみます(笑) | 白いウサギ E-mail | 2001/9/19 00:04:36 |
記事番号17178へのコメント ふぅい……間に合いました。まだ、落ちていませんね。 久しぶりにWin98の説明書を読み、 「最低2GB、出来れば3GBの容量が必要」とあったので、 過去強引に98をつぎ込んだ我が家のパソコンはいくつだろうと調べてみると、 ……ふっ……1GBもねーですよ……(涙) とりあえず持ち直し、 「よし。じゃあ今度買うパソコンは3GBあるパソコンにしよう!」 と、パソコンショップに行き、40GBやら60GBやらのパソコンを目の前にして、転びかけました。 カルチャーショック……ぱそこんで受ける羽目になるとは…… ちなみに現在店頭に並んでいるメモリは128MBは当然、ですが、私のパソコンは15MB。 おぉのれぇい……この恨みはらさでおくべきか……! 復讐に燃え、パソコンショップに張り付く決意をした白いウサギです(前置き長っ) > こちらもいつものごとくのレス倍返しに喜びを感じるところです。しっかり熟読させていただきました。 レスと恨みは倍返し……嘘です(^^;) ブラントンさんに限ったことではないですが、 わざわざ時間をとってレスして下さる方に、きちんと応対するのは当然の義務です。 ましてや私の話は長いですからねー……(遠い目) 皆様の労力はかなりのものかと。 ・おおぅ、そいつぁ気付かんかったっ! ――と、言うよりは、え? マジですか? コーナー! 意外だったところを強引にでもピックアップしていくコーナーをたった今設立! 自分の首しめる行為のような気がしないでもないですが、いきますっ! > 人という漢字はお互いを支え合って出来ているように、人と人は――」 >「だぁぁぁぁぁぁぁっ! 背中のかゆくなる論説は他でやんなさいっ! 他でっ!」 > こうして――一つの事件は終わった。 ∫ > かつてより、一回りも二回りも強くなった彼女の相手は――酷く――疲れるらしい。合掌。 以上、ブラントンさんからのお気に入りの部分より抜粋っ! え? マジですか? 私はちっとも狙ってなかったっス(爆) この二点、ウケるとは思ってなかったのです。 前者は使い古されたネタですし、後者は適当に書いたものですし(笑) そーいうわけで、やっぱし首を絞めたな、と思いつつ、話を先へ移して逃げる今日この頃。 > なんというか一度は「おおぅ、それは気づかなかった!」と言わせてみたいものだと意地悪くも思ってみたりするところですが、「ああぅ、それはわかってる、わかってるんだよ」との心の叫びが聞こえてくるようなことばかりです。 はっはっは。 「わかっているんならどーにかせい」ってのが当然のツッコミなのですが(汗) 上記のコーナーで納得できなかったら、次回頑張ってください。 私はそれを全力で阻止できるような話を書く、という新たな目標を得ました(笑) >>『表現濁らしているけど、ルーチンと対峙しているのは二重裏(ダブル・リバース)のフリをしているリナだろう』 > はーい。そう騙された人その一です・・・・・・ おっしゃっ!(ガッツポーズ) 仕掛けた罠に獲物がかかった気分です(笑) だいたい、影ガウリイ登場辺りから、そういう罠を張ろうと考えてました。 こういうトラップ、結構好きなので、あちこちにあります。 ですから、かなり用心深いか、人間的にひねくれてないと、全ての罠にかからずにってのはキツイかもしれません。 ――つーか、逃がしません(笑) 冒頭の部分も、やっぱし罠でした。わざわざ「黒みを帯びた赤」と入れて、血の色を連想させました。 まぁ……冒頭とかで「シリアス一転ギャグ直行」コース、 私は結構書いているので(例:『朋友 まみえる』とか)、この辺は気付かれた方いるかと思います。 そろそろパターンを増やさないと、引っかからなくなってくるんじゃないかと心配してます。 > 実際、作品を書き始める前は事前準備としてやはり原作を何冊か読み返すものなのでしょうか? そーですねー……時と場合によります。 今回は「影なる脅威」と、超巨大あとがき、えんさいくろぺでぃあスレイヤーズが参考文献ってことになります。 どこだったか、 「鏡はたぶん不良品だったんで、影は消えてなくならなかったんでしょうね」 、って神坂さんが言っていたハズだ! とばたばた探しました。確認のため。 だから、今回鏡と共に影が消えても不思議じゃないって確証が欲しかったのです。 えんさいくろぺでぃあは呪文の描写や表記に利用しています。他作も含め。 今回書いたとき、魔法の漢字表記を忘れていてて、スレイヤーズ離れしていた、と気付き恐ろしくなりました(^^;) 他に、最近で書いたものから考えていくと……つっても、去年ですけど……(汗) ・「舞台での攻防」 なぁぁんも読み返してません。いや、まぁ、これは……めちゃくちゃでしたからね(笑) ――あ。参考にってワケじゃないですが、 フルメタ短編一巻は書いている途中で読みたくなって読みました(笑) ・「封鎖された伝言」 時期設定のため、スレイヤーズ長編6〜7巻辺りを確認。但し、断片的にです。 こー書いても、間違えにはならないよなー……って。 あれは「追試」のお話でしたし(そーなのか?) 「ああいうもったいぶった奴をギャグの世界に引きずり込んで、三枚目として葬るのが得意技でしょうっ!?」 って、ところで、GS美神を読み返しました。これまた参考ではなく、ファン心理で(笑) ・「朋友 まみえる」 ロスユニ全巻制覇。そして、五巻読み返し数回。 これは……二部ポイものとして、下手に書くと取り返しのないことになりますから。慎重に確認しました。 実は次回作を書くにあたって、ロスユニ全巻(今度は飛ばし読み)+「朋友 まみえる」を読み返しています。 続き物って面倒ですねー(爆) ロスユニコミック連載再開と言う知らせに、喜びと共に、 「原作の続編」と聞き、ネタがかぶったらどーしよう……と、未だにびくびくしてます。 テーマはロスユニ根元のものから引っ張ってきているわけですから、 いつ重なるかわかったものではないので。「朋友」も、その続編も。 それでも、掲載延期とわかり、残念な気持ちになるファン心理……うーん……フクザツ…… ・「祈りを捧げて懺悔せよ」 すぺしゃるの次回予告とあらすじだけ大まかにチェックしました。 最後の、「期待せず待て!」とかは、全パターン違いますし、かぶったら情けなかったので。 幸運にも「茶ぁしばきつつ待て!」はなかった。――たぶん(汗) ストーリーはオリジナルですし、リナやナーガは今さら読み返してキャラを把握、って段階でもないんで、 特に考えもせずに書けました。 オリキャラは――勢いで書いたものですし、 スレイヤーズを読み返す、とゆーよりは、頭を巡らせて、 同じようなキャラいなかったかな――と、考える程度です。 スレイヤーズの雰囲気については、 だいたい掴んでいるという根拠のない自信があるので、あんまし読み返してません(をい) ネタのダブリ、も気を付けてはいるつもりですが―― 小説全巻、さらに自分の小説のチェックまで入れるとなると……きついですねー。やっぱり。 原作の方はまだ覚えているつもりですが、自分の方となると…… たまにオリキャラの名前すら忘れ去ってますから。 例えば、朋友まみえるの幽霊兄ちゃん。さっき整理していて思い出しましたが(汗) ロスユニの雰囲気については、 ほとんど掴んでいないと言う自負がありますので、ほぼ読み直しです。 特にミリィは未だに危ないので、かなり登場が怖いキャラです。 次回作、ほとんど彼女が主役なので、かなーりキツイです…… 戦闘シーンはスレに比べるべくもなく、苦労してます。 宇宙戦闘シーンなど、それが顕著です。 ガンダムすら見たことない、宇宙オンチの私としては、戦術が頭に浮かびませんし。 派手に演出しようとしても、音表記は無理だし、周辺破壊っても真空ですし。 そういうわけで、ロスユニは何度も読み返してます。 場合によっては、TV版にも助けを求めます。 TVスレイヤーズには助けは求めたことないです。 単にファン心理で見たかったり、見た後に影響受けて書きたくなったりすることはありますが。 >>少しスレイヤーズらしくないかな、と心配したハモリゼリフ。 > 確かにスレではそう多くは見ない手法かもしれないですが(と断言できるほど読み返していないのが本当ですが)、使われ方はもうばっちりで、ある意味その前の決戦前夜セリフ第二弾を受けた笑いのポイントとして最大限機能された部分だと思います。 > めちゃめちゃ面白かったです、ええ。 ど、どーもっ(笑) オリジナリティ、って程でもないですが、好みを優先するときもあります。 過去に比べて最近その傾向が強いです。(スレ、ロスユニ問わず) > ダブル・リバース戦にテーマを持たせるなら、リナがすぺしゃる時代からどれだけ成長したか、というところを「仲間の力量の把握とその指示力っ!」などと絡ませて描くことで今までの物語を総括する手が真っ先に浮かびますが、そうなると難易度アップ、ボリュームアップは間違いないのでしょう。 ですね(笑) 長編になってしまいますので、避けました。 逆に、影軍団の連携ミスを誘う作戦、とか考えてましたけど。 二重裏だけ、他の影達と別物で、力量把握してません。 影ガウリイ、ブラック・アメリア、裏ゼルはお互いの力量は把握してますので、 一人かやはずしを食らう二重裏、ってのも。 輪に入り込めずに苦悩する、とか…… フォローしようにも出来ない、とか。 まぁだいたいは出来そうですけどね。過去とはいえ、リナの影の影なら(笑) > ではでは。今回は短いですがもうすぐ落ちそうですし、これにて。 そういうわけですので、おまけのところ、こっそり内容が変化しております。 まぁ、今は、リンク先が出来てるだけですけど(^^;) それでは、レスのレスのレス、ありがとうございましたっ! |