-再掲示「ここは正義館エピソード1」-えれな(3/20-05:39)No.1809
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード1・後編」-えれな(3/20-05:43)No.1810
 ┃┗Re:再掲示「ここは正義館エピソード1」-ブラントン(3/21-17:44)No.1850
 ┃ ┗ブラントンさま。感想ありがとうです。-えれな(3/24-03:07)No.1895
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード2・前編」-えれな(3/20-05:49)No.1811
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード2・後編」-えれな(3/20-05:54)No.1812
 ┃┗Re:再掲示「ここは正義館エピソード2」-ブラントン(3/21-17:48)No.1851
 ┃ ┗ブラントンさま。感想ありがとうです。-えれな(3/24-03:26)No.1896
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード3」-えれな(3/20-06:02)No.1813
 ┃┗Re:再掲示「ここは正義館エピソード3」-ブラントン(3/20-17:12)No.1829
 ┃ ┗ブラントンさま。感想ありがとうございます。-えれな(3/21-00:22)No.1834
 ┃  ┗というわけで再掲示します。-ブラントン(3/21-17:38)No.1849
 ┃   ┗というわけで再掲示のレスします(笑)-えれな(3/24-03:55)No.1898
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード4・前編」-えれな(3/20-06:21)No.1814
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード4・後編」-えれな(3/20-06:25)No.1815
 ┃┗Re:再掲示「ここは正義館エピソード4」-ブラントン(3/24-21:50)No.1901
 ┃ ┗ブラントンさん感想ありがとおです♪-えれな(3/27-13:41)No.1925
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード5−1」-えれな(3/20-06:36)No.1816
 ┣再掲示「ここは正義館エピソード5−2」-えれな(3/20-06:46)No.1817
 ┃┣Re:再掲示「ここは正義館エピソード5−2」-さぼてん(3/20-07:38)No.1819
 ┃┃┗Re:再掲示「ここは正義館エピソード5−2」-えれな(3/21-00:29)No.1835
 ┃┣Re:再掲示「ここは正義館エピソード5−2」-御茶らちゃ(3/21-13:14)No.1843
 ┃┃┗御茶らちゃさん♪久しぶりです♪-えれな(3/24-04:02)No.1899
 ┃┗Re:再掲示「ここは正義館」-ブラントン(3/21-17:52)No.1852
 ┃ ┗ブラントンさま。ありがとうです♪-えれな(3/24-03:36)No.1897
 ┃  ┗Re:ぜんぶまとめていきましょう。-ブラントン(3/31-18:53)No.1986
 ┃   ┗Re:ぜんぶまとめていきましょう。-えれな(4/3-02:01)No.2009
 ┗Re:再掲示「ここは正義館エピソード1」-りーにょー(4/2-02:28)No.2000
  ┗りーにょーさん、ありがとうです♪-えれな(4/3-02:11)No.2010


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1809再掲示「ここは正義館エピソード1」えれな E-mail 3/20-05:39


こんにちわ。えれなです。ずっとここに入れない・・・と哀しんでいたら、なんだ
かツリーが壊れてしまったそうで・・・(笑)まあ壊れちゃったもんはしょうがな
い(笑)
それで今までの分を再掲示してほしいとの要望がありましたので、一気に再掲示さ
せてもらうことにしました。すいません。長いのですけど。
それから。えれながここに入れない間にレスを下さってた方。もしいらっしゃった
ら本当にごめんなさいです m(−−)m

では。長くなりますけど。再掲示一気にいきます。


*************************************


ここは正義館


★世界設定

時ははるかな未来。最終戦争とよばれた戦争が起こり、人類は滅亡の危機なあった
が、奇跡的にも数万人生き残り、新たなる力、つまり、魔道の発展により、再び範
栄期を迎えつつあった。しかし、人類は地球を独占することはできなかった。
そこにはいままで存在しなかった生物が台頭しつつあったからである。
その生物とは、すなわち、魔族。
この物語は、そんな未来の地球を舞台に、おなじみスレイヤーズのみんなが横浜の
S高と、その寮である正義館を舞台にして、ドタバタを繰り広げるというハードア
クション未来転生ファンタジー恋愛学園ドラマです。
なお、未来の地球ってことで、やたらインターナショナルだけど、文明の発達のせ
いということにしておいてください。(はあと)


★用語説明

正義館・・・・横浜のS高特待生の寮。住居費免除だが、それ以外のことは、すべ
て学生がやらなくてはならない。正式名、S高第4ドミトリーだが、正義館という
愛称で呼ばれている。ばーい、アメリア。住人は、リナ、ガウリイ、ゼルガディ
ス、アメリア、ルーク、ミリーナ、ゼロスの6人と一匹。

リナ・・・・高1。16才。大坂出身。魔道士コース。正義館のボスで会計を握っ
ている。横浜のヤンキー界の裏番。

ガウリイ・・・22才だが高3。アメリカ出身。剣士コース。元国際軍の大尉。正
義館の寮長だが、実質ただのパシリ。剣道部部長。

ゼルガディス・・20才だが高3。ドイツ出身。魔道士コースと剣士コース両方に
所属する異例のエリート。料理担当。

アメリア・・・15才。高1。イギリス王家から留学。巫女コース。掃除係。体操
部だが、ほけつ。

ルーク・・・17才。高2.オーストラリア出身。魔道士コース。正義館では、買
い物担当でリナとの喧嘩が絶えない。

ミリーナ・・・17才。高2.オーストラリア出身。魔道士コース。正義館では、
洗濯担当。おそらく、一番マトモな精神の持ち主。

ゼロス・・・S高の生物教師で、正義館の担当指導員。白衣のスマイルで女性徒を
メロメロにしてる悪いやつ。

***********************************

ここは正義館

エピソード1.悩み多き青少年





―――触られている−――
リナはそのことに気づきながらも、そのまま動かずにいた。
正確にいうならば、動けずにいたのだ。
朝の通勤ラッシュはすざましい。20世紀には、ラッシュで死亡者が出た例もあっ
たらしいが、リナの乗っている車両もまた、それにひけをとらないほど混雑してい
た。
いつもなら、炎の矢(フレア・アロー)の一発でもぶちかますところだが、そんな
わけにはいかない。こんな密室でそんなことしたら、周りの人をまきこんでしまう
し、自分も火傷してしまう。それに、あまりの混雑に誰が触っているのかわからな
いのだ。
とはいえ、このまま触られっぱなしというのは、耐え難い。
犯人が誰かさえ分ればまだなんとかなる。
―――くそーっ!乙女のお尻をただでさわるなんて許せん!!誰よっ!見つけたら
けちょんにしてやるっ!!―――
何とか首をまわしてみるが、誰なのかわからない。リナの周りにいる男は3人。
1人はサラリーマン風のおやじ。もう1人は、背の低い西洋人の老人。
あとの1人は・・・自称リナの保護者、『正義館』の寮長こと、ガウリイくんだ
が、こいつは問題外。
彼は今、立ちながら睡眠中なのだ。
まあ、睡眠中でなくても、リナの恐ろしさを身をもって知り尽くしている彼は、絶
対に痴漢などするわけはないが。
リナはとりあえず手近にいるサラリーマンのおやじを睨み付ける。
ぎょっとした顔をするおやじ。しかし、手ははなれない。
犯人がこいつだと断定はできないが、否定もできない。
次に西洋人の老人をにらみつけてやる。
リナはそーとー怖い顔だったらしく、怯えて目をそらす老人。まるで、見てはいけ
ないものを見てしまった、というリアクションだった。
失敬な。仮にも女子高生にみつめられたとゆーのに、そんなにびびるとは。
そんなことを考えている間にも、リナに触れる犯人の手はややこしいところを触り
つづけている。
その場から逃げられればいいのだが、車内は混む一方。身動きどころか、リナの身
長では息するのも苦しいくらいである。逃げれるはずはない。
ざわわわわわわっ。
全身に悪寒がはしる。犯人は朝から大胆にもとんでもないところを触ってくる。
だめだ。これ以上は、一秒だって我慢できない。
そう思った瞬間。
「どうしたんだ?リナ。変な顔して。」
いつのまに目覚めたのか、ガウリイが怪訝な顔でリナを見る。
すがる想いでガウリイを見つめるリナ。声を出したら泣いてしまいそうで出せな
い。
―――頼むから、気づいて―――
リナの目は如実にそう語っていた。
しかし。
「ああ、わかった、わかった。もう少しだから我慢しろよ。それとも、もう限
界?」
薄情なセリフをはくガウリイ。リナは泣きそうになりながらも、首をかくかく縦に
振る。
「もー。しょうがないなー。ほら、降りるぞ。」
ガウリイはそう言って、リナの手をつかみ、ぐいぐいひっぱって、いとも簡単に下
車したのだった。
駅に降りた瞬間。
ばきいいいいいいいいっ。
リナのコークスクリューパンチをまともに受けて、ホームに吹っ飛ぶガウリイ。
その彼の前方にせまる特急列車。
「どひいいいいいいいいっ!!!」
それでも、何とか紙一重で体勢をたてなおし、列車の一歩手前で着地する。
「なにすんだあああああ!!いまのとことんこわかったぞっ!!」
「何いってんのよ。あんた、ヒトが苦しんでるってのに、ぐーぐーいびきかいて寝
てるし、起きたかと思えば我慢しろなんて殴られて当然よ。このくらいで済んだん
だから、感謝しないよっ!!」
「感謝って・・・それよりお前、大丈夫なのか?」
「は・・?なにが・・・?」
「なにがって・・いきたかったんだろ。トイレ。」
ばきいいいいいいっ!!!すぱああああああああん!!
今度こそ。ガウリイは、特急に弾かれて、空高く飛んだのだった・・・・





「死ぬかと思った・・・」
「ふつう、死んでますよ。あれで生きてられるのは、ガウリイさんとわたしの家族
とゴキブリくらいです。」
「ゴキブリとならべるなよ・・・・」
「いいから、ちょっと黙っててください。」
言って、復活(リザレクション)を唱え出したのは、アメリアだった。
あの後、ガウリイはびくとも動かないわ、列車はとまるわ、野次馬はあつまるわで
大騒ぎだった。
途方にくれてるところに、ちょうど何事かと思って見物しにきたアメリアとゼルガ
ディスにでくわしたおかげで、ガウリイのほうはどうにかなったのだが・・・
「喧嘩なさるのは勝手ですが、ホームでは困ります。今日は数分停車しただけだっ
たからよかったですけど、そうでなければ、あなた方が一生働いても返せないほど
の損害賠償を請求されるところだったんですよ。」
さっきから、ねちねちねちねち説教たれているのは駅長さん。
「はい・・・すいません・・・」
リナは反省した顔でしゅんと謝る。
もちろん、演技だが。さっきからずっとこの調子で受け流している。
「まあ、僕からもよーく言って聞かせますし、彼女も反省しているようですので、
もうそろそろ学校の方に行かせてもよろしいでしょうか?」
永遠に続くかと思われた説教に割って入ったのは、連絡をうけてすぐさますっ飛ん
できた、正義館の担当者でS高生物教師であるゼロスだった。
一見誠実そうなゼロスに騙されてか、リナの演技に騙されてか、はたまた説教にあ
きたのか、駅長はためいきひとつついて、
「まあ、過ぎた事を言っても始りませんし、今日はこのくらいにしておきます
が・・くれぐれも。このようなことが2度とないようにお願いしますよ。」
そう言うと、くるりと背を向けて去って行った。
その後ろ姿に深々とおじぎするゼロス。こーしてみると、この男もまともに見える
から不思議である。
「さて・・・と。俺達も学校に行くか・・・アメリア、ガウリイはいけそうか?」
立ち上がって言ったのは、さっきからずっと沈黙していたゼルガディスだった。
「はい。ガウリイさん、生命力だけはすごいから、あれだけだくだく流血しても、
もうピンピンしてます。」
「いやあ、トカゲも真っ青の再生力ですねえ。今度研究させてくださいね。」
そんけーの眼差しで見るゼロスに、ガウリイは頭を掻きながら答える。
「いや、オレでよければ・・」
そこで照れるな。
などと思いつつ、リナはいつもと変わらぬガウリイに小さく安心のため息をついた
のだった。




「ん・・・?なにこれ。」
リナがそれに気づいたのは、昼休みカフェテラスに行こうと上靴をはきかえた時
だった。
小さな3cm四方のルーズリーフの切れ端。
あまりに小さくて、今まで気づかなかったが、どうやら朝から上靴の中に入ってい
たらしい。
その紙には鉛筆で書かれた小さな文字がびっしり並んでいる。今まで踏んでいたせ
いもあってか、かすれて読みづらいが、リナは目を凝らして読んでみた。




リナ:インバースさま
僕のリナの御尻の感触はsoftかつhardful.
君と僕がつきあいだしてもう半年がたとうというのに、こんな事しか出来ない僕を
頼りないと思うかもそれないけど大丈夫。僕はまだ恥ずかしがりやで君にさみしい
想いばかりさせて罪深い。
君がポニーテールをはずさなければ、僕はミトコンドリアになるよ。
僕はちょっと怒ってるんだよ。わかったかい?
イッソンより




「わかるかああああああ!!!」
リナは思わず絶叫した。下駄箱にいた人々が一斉にこちらを向く。
はっ!っと我に返りダッシュでカフェに走る。
混乱でどーにかなりそうだったが、わかったことはただ一つ。
今朝の痴漢はこのイッソンとかゆーやつの仕業だということ!
「どーしたんだ、リナ。そんなに息きらして走ってこなくても、ちゃんと席はとっ
てあるぞ。」
ノーテンキな声はガウリイ。すでに席にはみんなそろっていた。
はー。はー。はー。はー。
「まったく、食い物がからむとなりふりかまわずだな。いやしいやつ。」
すでに席について、ラーメンをすすりながら呟くルークに蹴りを一発。
はー。はー。はー。はー。
「リナさん、どうしたの?何かありました?」
食ってかかろうとするルークを手で制して、リナの異変に気がついたのはミリーナ
だった。
「これ、見て。」
リナは肩で息をしながら、バン!とテーブルの上に例の紙をたたきつけた。
顔をみあわせて、まずミリーナが手紙を手に取る。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
思わず絶句するミリーナ。
「な、なんて書いてあるんだ・・?」
ミリーナは無言でゼルガディスに手紙を渡す。
「・・・・・・・・ぶっ・・・ぷぷぷぷ・・いや、悪い、しかし、これは・・・」
そこで言葉を切って、こらえきれず大爆笑するゼル。
アメリア、ルークも紙を手に取り・・・
「なんなんですかあー。これえー!」
「イってやがるー!イってやがるー!!」
やっぱり大爆笑する二人。
「わらうなああああああ!!他人事だと思ってあんたらねえええ!!」
叫ぶリナの声もどこ吹く風、で転がりながら笑い続ける三人。
しかし、それとはうらはらに、渋い顔しているのはガウリイとミリーナ。
「なあ、リナ。ひとつ聞いていいか?」
「朝の痴漢のことでしょ?やっぱりこいつだと思う?」
まじめに考えてくれてるガウリイにちょっとリナはうれしく思う。やっぱり自称保
護者を名乗ることだけはある。腐っても鯛、ってところか。
「いや、オレが聞きたいのはそうじゃなくて、だな。ミトコンドリアってなんだっ
け?」
前言撤回。腐ったサンマ以下だ。
「やっかましい!!炎の矢(フレア・アロー)!!!」
リナの問答無用の攻撃にみんなは少し静かになった。




「けど、実際気をつけたほうがいいわ。」
まじめな顔でいったのは、ほかでもない、ミリーナである。
「このイッソンってやつ、冗談抜きでイってるのよ。去年、私同じクラスだったか
ら知ってるんだけだ、ひどい妄想癖でね。たぶん、あいつのなかではリナさんはも
う・・・」
気の毒そーに言うミリーナにみんな絶句する。
「そう言えば、20世紀にそうゆうのがはやったらしいな。ストーカーってやつだ
な。」
さらりとへヴィなことをぬかすゼルガディス。
「なんだ?そのストーカーって。」
と、これはガウリイ。
「日本史で習いましたよー。変質者ですよ。好きな人をおっかけまわして、それが
だんだんエスカレートして・・・・」
「相手の心が自分にあると錯覚し、相手に同じ感情を強要し・・・・」
「現実に気づいたある日、報われぬ愛に絶望し・・・」
アメリア、ルーク、ゼルガディスと続いて、
「最後にはおかしくなって犯罪なんかに走るのよ・・・・」
最後にリナが語る。その口調が重いのは否めない。
「・・・・・・そいつ、どんなやつなんだ?強いのか?ミリーナ」
しばらく沈黙した後、ガウリイが口を開く。
「身長が2mくらいの大男よ。腕力は相当なものでしょうね。魔道の腕は知らない
けど。ただ・・・・」
「ただ?」
「元軍人だったそうだから弱くはないでしょ?」
「軍人か・・・・」
ガウリイは誰にいうともなしに呟いた。彼はこう見えても、元国際軍の大尉だった
りする。軍に入るには、かなりの実力が要る。魔族相手にけんかするのだから、そ
れ相応の魔力なり武器なり持っていなければならない。
そして、軍の人間はいつも殺戮に身を置いているためか、気性の荒い者が多いとい
う事実をガウリイは思い出していた。
「でも、少なくとも。頭はよくない様だな。」
ゼルガディスはフォークで紙を指し、
「hardfulなんて単語存在しないし、この要点を絞れてない文章。こんなもん、文
と呼ぶのもおこがましいな。」
完全に馬鹿にしきった表情で言う。
「ところでリナさん。どうするんですか。髪型。変えないとミトコンドリアになる
んでしょ?」
アメリアは興味津々で聞く。
正直言ってリナはこんなやつ相手にするつもりはなかった。
最近のリナは初夏のせいもあって、ずっとポニーテールにしているのだが、イッソ
ンのためにわざわざその髪型を変えるのもなんか腹の立つ話である。
「変えないわよ。そんなやつ、ミトコンドリアでも、アメーバでもなればいいの
よ。」
そう言って、リナはトレーを持って立ち上がる。
「まあ、いいわ。あたしそろそろ行かなきゃ。」
「おい、リナ。オレ今日部活だけど、お前どーすんだ?」
立ち去ろうとしたリナにガウリイが声をかける。
「んー。じゃあ終わるまで待ってる。一人で帰るのやばそうだし、ね。じゃ、いつ
ものとこで。つぎは水泳なの。」
「水泳って・・・のぞきに気をつけろよー。」
「わかってるー。」
「ほんとに、大丈夫なのかな・・・・・」
ガウリイは走り去るリナのセーラー服姿を眺めつつ、ぽつりとつぶやいたのだっ
た。




けだるい午後の数学の授業。起きている者など数えるほどもいない。
現に、隣の席に座っているミリーナまでも、うとうとしている。
―――うーん。かわいいなあ・・・・ミリーナのやつ・・・―――
そんなミリーナを横目で見つめているのは、言うまでもないがルークである。
ルークとミリーナは同じ2年で、こういった一般の授業のクラスは今年は同じなの
だ。
余談だが、S高は、午前は専門の実技や理論、午後は一般の授業を行っている。
ともあれ、ルークはめずらしく居眠りしているミリーナが気になってしょうがな
い。
こっくりこっくり揺れるたびに、ミリーナのおでこが机にぶつからないかと、気を
もむ。
見かねたルークはミリーナの頭をそっと自分の肩にもたれかけさせる。
ルーク達は、大教室の一番後ろの窓際に座っているので、先生には見つからない。
「ん・・ルーク・・・・?」
半分寝ぼけた様子で、ミリーナはつぶやく。
「いいから、寝てろって・・・」
そう言うと、ルークはミリーナを軽く抱き寄せる。
「ん・・・・・」
やはり、寝ぼけているのかそのままルークによりかかるミリーナ。
あまりにも幸せそうに眠る彼女にルークは苦笑する。
ミリーナがこんな姿を見せるのはめずらしい。
だが、時々みせるその無防備な素顔はルークにとっては、たまらなく魅力的だっ
た。
―――こいつは知らないんだろな・・・この素顔が俺を熱くするってこと・・・
―――
思わず強く抱きしめたい衝動にかられてしまう。
だが、そんなことをすればミリーナが目覚めてしまう。
ルークが理性と欲望の間で葛藤していたその時。
「きゃああああああああああっ!!」
突如響いた悲鳴は学校中を目覚めさせた。
「なにっ!?・・・って・・・・・え・・・?」
目を覚ましたミリーナは、なぜか自分がルークに抱き寄せられていることに気づ
き、あわてて身を離して、ルークをジト目で見る。
「ち、ちがうっ!!そんな顔すんなっ!!」
「なにが、ちがうの?それより、今の悲鳴は・・・?」
「ああ、プールの方から聞こえたけど・・・ってプール!?まさか!」
あわてて窓を開けてプールを見ると。
「な、なんだありゃあ・・・」
プールには50人くらいの女生徒がキャーキャー言いながら戦っている。
緑色した、そう、ちょうどアメーバのような物体と。
「行くぞっ!!ミリーナ!」
頷くミリーナ。そして二人の呪文は同時に完成した。
『封翔界(レイ・ウィング)!!』




エピソード1後編へつづく。

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1810再掲示「ここは正義館エピソード1・後編」えれな E-mail 3/20-05:43
記事番号1809へのコメント

ここは正義館

エピソード1.悩み多き青少年・後編



ばあしゅっ!
リナは目の前に迫ってきた緑色のアメーバが放った緑色のつぶてをその手のひらで受け止
めた。リナの両手には、霊王結魔弾(ヴィスファランク)で魔力がこめられている。
とはいえ、いつもはショート・ソードを使って牽制するのに慣れているせいか、かなり戦
いづらい。それだけではない。いまのリナの装備は裸同然、水着なのである。
プールの中は既に緑一色に染められていて、中の女の子達はぐったりとして動かない娘も
いる。魔道士コースだけあって、奮闘している者もいるが、相手の数が数である。もっと
も、数える事は不可能だが。敵は、アメーバ状で分裂したり結合したりを繰り返している
のだ。
周りに人がいなければ、大技一発ぶちかませば済む事なのだが、できないものをとやかく
言ってもしょうがない。
めんどくさいが、少しづつ倒していくしかないのだ。
その時、ふいにリナの背後に殺気が生まれる。
振り返らずにそのまま右に飛ぶリナ。
リナのいた空間に一乗の光が通りすぎる。
―――今のは、烈閃槍(エルメキア・ランス)?!でも呪文を唱えている様子などなかっ
たのに、いつのまに?―――
プールの縁のぎりぎりのところで着地すると、リナは振り返る。
そして絶句。
そこにはいつもの見慣れた顔があった。ガウリイ。
「ちょっと、なにすん・・・」
言葉をそこで切って、リナは後ろにさがった。ガウリイが光の剣できりつけてきたのだ。
―――逃げよう―――
リナは瞬時にそう思った。ガウリイの腕は重々承知している。彼のもつ光の剣はリナの手
のひらで受け止めれるようなシロモノじゃない。
リナはガウリイに背を向けてジグザグに走り出す。まっすぐに走れば光の刃が打ち出され
る可能性がある。
それを追うガウリイ。当然足は向うが速い。
―――間に合うかっ!?―――
ガウリイがリナに斬りつけようとした瞬間。
「封翔界(レイ・ウィング)!」
リナの体は高く宙に舞う。
すこしほっとして、とりあえず校舎に向かおうと進路を変えたその時。
「無駄だ。」
ガウリイの声はすぐ後ろで聞こえた。
―――そんなっ!宙にいるのに!―――
思わずいやな結末を想像したその時、声はした。
「螺光衝霊弾(フェルザレ−ド)!」
ルークの後ろからの一撃で虚空に消えるガウリイ。
ミリーナが飛んで、ルークが攻撃を担当しているようである。
下に降りろ、と合図を送るルーク。
術を解除してプールサイドに降りる。
「あんな相手にてこずるなんて、らしくないのな。」
不満げにいうルークにリナは、
「あんな相手ってねえ。ガウリイの姿してたんだから戦いにくいに決まってるで
しょ。本人かと思って逃げたのよ。」
まだ少し動揺が消えないのか、荒い口調で言い放つ。
しかし、ルークとミリーナは眉をひそめる。
「ガウリイさんの姿って・・さっきののどこが?緑色したトーテンポールだったように思
うんだけど・・・」
「俺にもそう見えたけど。あんたがプールサイドでトーテンポールと追いかけっこしてる
から、何やってんだあいつ・・ってなあ・・・」
「へ・・・?そうなの?」
「うん。あ、本物のおでましだぜ。」
ルークの視線にめをやると、光の剣でアメーバを切り倒してるガウリイがいる。
アメーバの方は、学校中からの援護でなんとかなりそうである。
「ま、ここはなんとかなりそうだし、着替えてきたら?かぜひくわよ。」
「うん・・そうする・・」
ミリーナの呼びかけにリナはガウリイの姿をぼーっと見ながら答えたのだった。




「いやあ、昨日は災難でしたねえ。正体不明の生物出現!ってニュースになっちゃ
て、電話なりっぱなしで職員室は大騒ぎでしたよ。」
全然困ってない口調で言いながら、スーツに身をつつんだゼロスがリビングに現れ
た。
「で、今日のメニューはなんなんです?ゼルガディスさん。」
「アケメネス朝ペルシャの朝ご飯か、大和朝廷の朝ご飯か、インド人もびっくりの朝ご飯
かだ。今日は時間がなくて三種類しか作れなかった。悪いな。」
「いや、謝らなくても・・三種類あるだけで十分すごいですよ。」
落ち込むゼルをなだめるアメリア。
ゼルガディスは正義館の料理人である。
リナも料理には自信があったが、彼は格が違っていた。
彼は美意識で料理するのだ。味はもちろん、盛り付け、素材、アイデアにもこだわ
り、そのスピードも目をみはるものがある。
「じゃあ、僕はインド人もびっくりの朝ご飯をお願いします。」
「わかった。」
ゼロスは席に着いて、子供のようにフォークとナイフを握り締めて料理を待ちなが
ら、
「おや、リナさん。どうしたんですか。いつもはポニーテールなのに今日は三つ編みなん
ですね。」
その言葉に、ブっと吹き出す一同(除くリナ)
「ちょっとした気分転換よ。」
不機嫌に答えるリナ。
何しろ昨日のアメーバ事件。どう考えてもリナが原因である。
リナにだけガウリイが見えたところから考えても、誰かがリナに、幻覚(イリュー
ジョン)をかけたとしか考えられない。
加えてリナの言ったセリフ。
・・・そんなやつ、ミトコンドリアでもアメーバでもなればいいのよ・・・
実際あの直後にアメーバが出てきたのだから偶然ではないだろう。
イッソンなんかの言う事を聞くのは癪だったが、またあんなことになったらたまらない。
リナは多少いらついていた。なにせ、相手が何を考えているのか全くわからない。
これほど不気味なものはない。
昨日の襲撃はなにが目的だったのか。なぜガウリイの幻覚を使ったのか。
そもそも、髪型がポニーテールであることが、アメーバやミトコンドリアとどう関係ある
のか。
「あああああああっ!むしゃくしゃするーっ!変態の考えることなんて、いくら考えても
わかりゃしないっ。」
リナは大和朝廷の朝ご飯にぱくつきながら言った。
「変態・・?なんのことです?」
できあがったインド人もびっくりの朝ご飯を幸せそうに食べていたゼロスが眉をひそめ
る。
「・・・笑ったら竜破斬(ドラグ・スレイブ)うつわよ・・・」
リナは例の紙をテーブルの上に置く。それに手を伸ばそうとしたゼロスをゼルガ
ディスが制する。
「やめとけ。無理だ。」
「ゼロスさん、わたし家が壊れるの見たくないです。」
「あれを笑わずにいられるのは当事者か人間でないやつだけだ。」
「ゼル、アメリア、ルーク・・・あんたたち誰が家計握ってるのか解っててそういうこと
言ってるわけ?」
家計、の一言におとなしくなる三人。この寮の家計、もとい会計はリナが握っているの
だ。
「これはこれは・・なんとも感動的な手紙ですねえ」
いつのまにか、ちゃっかり手紙を読むゼロス。
「とくにこの、恥ずかしがりやだから寂しい想いさせて罪深いってとこなんて、わかりま
すねえ。最後のミトコンドリアになりたい気持ちも切なくっていいですね
え・・・って、リナさん?」
目を点にする一同にまぎれて、リナはなにやらぶつぶつ言っている。
・・・黄昏よりも昏きもの 血の流れより赤きもの・・・・
「うわっ!!リナさんよ!!それ!!竜破斬(ドラグ・スレイブ)じゃねえか!!」
「うわあああああああっ!リナ―――っ!!やめろおおお!!寮長のオレが責任とんな
きゃならんのだぞおおお!!」
「ゼロス!!貴様が犯人だったのか!!ついにその道に走ったのか!!」
「ちがいますよー!!僕はただほんとに感動したんであって、別にからかったんで
も、犯人でもないですよー!!」
「嘘はみっともないわよ。今ならまだ間に合うわ。」
「うわあああああんっ!!わたしたちの正義館がああああっ!!!」
それぞれの想いを好き勝手にわめきまくる一同が静かになったのは、近所のおばさんが苦
情を言いに来た時であった・・・




「ねえ、今日はバイクで行かない?」
おばさんに謝り倒したあと。洗面所で歯を磨いていたガウリイにリナは話し掛けた。
「ほへはひーへほ、ほはへふはーほはほ?はんふひへふほ。」
「磨くか喋るか、どっちかにしてよ・・・」
ガウリイはがらがらとうがいをした後、
「オレはいーけど、おまえスカートだろ?パンツみえるぞ。」
「う・・・ちゃんと押さえるからいいのっ!」
「でもなんでまた・・・あ、そっか・・・」
うつむくリナに、ガウリイはぽんぽんとリナの頭に手を置いて、
「わかったわかった。だから、そんな顔しないの。」
子供をあやすように、くしゃくしゃっと頭を撫でる。
「あんたねええ・・・・」
リナはふーっとため息をついて、
「髪の毛せっかく結んだのに、また乱れちゃったじゃない・・」
「あ、ごめん。せっかくかわいかったのにな。オレが結び直してやろう。」
「へ・・・?あんた、髪の毛なんて結べるの?」
ガウリイはリナの髪の毛をほどきなおし、くしでときながら、
「言っとくけど、オレはプロだぜ。」
自慢げに髪を結い始める。
ガウリイの冷たい手がひんやりとして気持ちいい。鏡の中のガウリイはそれは器用にリナ
の髪を結い上げる。
思わずじっと見つめるリナの視線に気がついた鏡の中のガウリイは、ふっと笑顔をもら
す。
その笑顔があんまりやさしくて。思わずリナは赤面してうつむいてしまう。
「こらこら、うつむいたら結べないだろ。」
ガウリイは後ろから手をまわして軽くリナのあごを持ちあげる。
その手がリナの唇に偶然触れる。一瞬どきっとするリナ。
「あ、ごめん。」
たいした気にかけた様でもなく、ガウリイは手をひっこめる。
しかし、リナはちがった。今ので全身が熱くなる。心臓がどきどきしているのがはっきり
わかる。
―――うわーっ!!なんなのよ、この動悸はーっ!あたし、今日、変!!―――
偶然と知りつつも妙に意識してしまう。リナはなるべくガウリイと目をあわさないよう
に、でもできるだけ不自然でないようにふるまおうとした。
意識してるのに気づかれちゃいけない。どーしよう。どこ見よう。
視線の行き場に困りながらもリナはガウリイの手を見つめることにした。
よしっ。これなら不自然じゃない。
「はい、できあがり。ををっ!!我ながらかわいい!!ってリナ。どうしたんだ?
真っ赤になって。」
ガウリイのその一言に石化するリナ。
「おーい。リナー?熱でもあんのかー?」
言ってリナのおでこに手をやる。
その行為がリナのこころに火をつける。
顔が、全身がカッとなる。
―――だめっ!!あ、頭に血が上るっっ!!押えらんないっ!!!―――
気がつくと、リナはガウリイに抱きついていた。




「・・・え・・・・と・・・・」
面食らうガウリイはとりあえずリナの顔を上に向かせる。その目に一瞬どきっとす
る。
潤んだ瞳はガウリイが今まで見た事がない瞳だった。
なんだか直視できなくなって、ガウリイは思わず目をそらしてしまう。
「よいしょっと・・・」
ガウリイはリナをひょいっと抱き上げて、そのまま二階へ階段を上る。
辺りは静まりかえっていた。もう全員登校したようだ。
リナの部屋の扉を足で開けて、そのままベッドの前で立ち止まる。
ガウリイはリナを片手で抱きかかえつつ、布団をめくり、そのままやさしくリナの身体を
横たえる。
「ちょっと、待ってろ。」
そのまま、部屋を出て行くガウリイ。
―――一体、何をするつもりなんだろ・・・?―――
リナの疑問をよそにガウリイはすぐに戻ってきた。手にいろんな道具をかかえて。
「はい、体温計。熱はかりなさい。」
「・・熱なんてないわよ・・・」
リナは思わず苦笑する。あまりにもガウリイらしい行動だと思ったのだ。
「いいや、あるよ。いいからはかんなさい。」
仕方なしに、体温計を口に入れるリナ。その間にガウリイはまた部屋を出て行って何かを
しているようだ。
リナは天井を見つめながらため息をつく。
・・・どこまでくらげなんだろ・・あいつ・・・
本気でさっきのリナの行動を熱のせいだと思っているようだ。
すこしがっかりしている自分に気づいてリナは驚く。
―――あたし、なんでがっかりしてるんだろ・・―――
期待していたのだろうか。
―――期待・・・?何を・・・?―――
そんな事を考えながら、リナの意識は遠のいていった・・・




ガウリイは目の前で眠るリナを前にして、ふーっとため息をついた。
リナは本気で熱があったのだ。
38.5度。決して低い熱ではない。リナの額にのせたタオルを絞りながら、そっと彼女
の顔をのぞきこむ。
静かに寝息を立てている。よく眠っている。
時計に目をやるともう昼を回っている。リナが目を覚ましたら、なんか作ってやらなきゃ
な・・・・
一階の本棚で、ゼルガディス特製レシピを探しながら、ガウリイは違うことを考えてい
た。
さっきリナの表情を凝視できなかった理由を。
オレ・・・どうかしてる・・・
理由はわかっている。今までも何となく気づいていた。
だが、気づいていないふりをしていた。
考えたくないことだったからだ。
目の前に突き出された事実に、今更ながら動揺している自分にあきれてしまう。
・・リナがあいつに見えてしまうなんて・・・
ガウリイは思い出していた。
忘れたい、忘れられないその人を。



気がつくと、全身汗でぐっしょりしていた。
・・一体・・・?
リナはその時になって初めて自分の置かれている状況に気づいて、目をむく。
暑いと思ったら、毛布をかけられているではないか。
それだけではない。氷枕にアイスノン。完全に病人扱いである。
・・・ガウリイのやつ、何考えてんのよ・・6月に毛布なんて正気か?・・・
ベッドから降りようとリナは立ち上がる。
はずだったが。
リナはその場にへたりこんでいた。
「・・え・・・?」
天井を見ている自分に理解ができない。
―――あれあれ・・・?な、なんか・・・め、目がまわるううううううっ!!−−
ピーンポーン
そのときインターホンが鳴り響く。
ピーンポーン
「ちょ、ちょっとまって・・・」
リナはふらふらしながら、部屋のデイスプレイのスイッチを入れる。
『宅急便でーす。こちらにリナ:インバース様はいらっしゃいますかー?』
「あ、あたしですけど、玄関に置いといてもらえますか?」
『ちょっと待ってください。今、本人か確認させていただきますね・・・・・
はい、網膜パターンも声紋も一致しました。毎度ありがとうございました。』
デイスプレイのスイッチを切って、リナは部屋を出て、階段を降りる。
―――あたし・・まじで熱あるわ・・くらくらする・・・―――
ガウリイの姿は見えない。学校に行ったのかな・・薄情なやつ・・
玄関のドアを開けると、大きな木箱がひとつ。
外は雨が降っている。
「よいしょっと・・」
我ながらおばさんくさい掛け声をかけてしまった・・・などと考えながら、木箱を持ち上
げる。
めちゃめちゃ重い。
仕方なく、浮遊(レビテーション)をとなえて運び出す。
熱のせいか、いまいち頼りない浮遊(レビテーション)になっている。
「何が入ってんのよ。だいたいこれ誰から・・」
差出人の名前をみてリナは絶句する。
思わず、術の集中力がそれる。
そして、リナは木箱とともに階段を転がり落ちていた・・最悪。




「リナっ!!お、お前何やってんだ!!」
「何って、荷物運ぼうとして、階段から落ちたのよ。」
転がったままのリナの傍に手にした荷物を放り出してすっ飛んでくるガウリイ。
どうやら買い物に行っていたらしい。金の髪は雨の雫に少し濡れている。
「ばかっ!!病人がなにやってるんだ!!部屋でおとなしく寝とけよ!!」
「だって、しょうがないでしょ。宅急便来たんだもん。」
「こういう時は出なくていいの。そんなこともわからんのか?オレよりボケだな。」
「ボケって、あんたにだけはそんなこと言われたくないわよっ!!これは不幸な事故な
の!!ちょっと、聞いてるの!?」
ガウリイはリナを無視して、彼女を軽々持ち上げて黙って階段をのぼる。
「離してよ!!自分で歩けるわよっ!!」
リナはジタバタあばれる。
「降ろしてよっ!!降ろせーっ!!」
ほとんど猛獣並みに暴れるリナ。
ガウリイは仕方なくリナを二階の廊下に降ろす。
パン!
軽くリナの頬をたたく。
「・・・な、何すんのよ!!何であたしがぶたれなきゃなんないのよっ!!」
「・・・お前、オレの事なんだと思ってる。」
「脳みそのネジのはずれたくらげもどきよっ!!」
即答するリナにガウリイは小さくため息をついて、
「もういい。勝手にしろ。」
怒気を含んだ声で、そう言い残すとそのまま歩み去る。
・・・・あ・・・・
その後ろ姿にリナははっとする。
ガウリイの後ろ姿には泥のハネがいっぱい付いていた。
ズボンだけでなくその背中にまで。
おそらくガウリイは雨の中走っていたのだろう。
リナのために。
・・・あ、あたし・・・・
リナは立ち去るガウリイの背中に声をかけようとするが、言葉が見つからない。
背中を見ればわかる。
ガウリイの背中は本気で怒っていた。




・・・どうしよう・・・
ベッドで寝返りを打ちながら、リナは上の空で考えていた。
考えても考えても答えなんて出ない。頭がぼーっとしてる。
このままガウリイが怒って許してくれなかったら。このまま口をきいてくれなかったら。
想像しただけで、心が締め付けられる。
目頭が熱くなる。
ガウリイと出会って二ヶ月。いつのまにか彼はリナの保護者を名乗り、気がつくと隣にい
た。
それを当然のように思っていた自分を不思議に思う。
出会って少ししか経ってないのに、それがずっと昔から続いていたように錯覚していた。
たった二ヶ月でここまで彼を信じきってしまっている。
たった二ヶ月でここまで感情を乱されてしまっている。
・・・なんでだろう・・なんでこんなにあたし・・・・
コンコン。
リナの想いを中断させたのは、ノックの音だった。
「・・・リナ。」
ドアを閉める音。
リナはガウリイの顔を見なかった。見る事ができなかった。
こわくて。
「腹減っただろ。おかゆ作ったから食べろ。」
リナは枕に顔を埋めてガウリイの言葉をきいていた。
いつも通りのガウリイの声。
「んで、飯食ったら薬飲めよ。買ってきたから。」
「うん・・・」
そういうと、リナは身を起こす。
そして、思い切ってガウリイの顔を見る。
ガウリイはふっと笑みをこぼす。いつもの表情だ。いつもリナの横にある笑顔だ。
「お前・・まだ制服着替えてなかったのか?しわくちゃだぜ。」
ガウリイは言いながら、リナのセーラー服の襟をただす。
それは、ガウリイが毎朝リナにする動作だった。リナはその仕草が好きだった。
目頭が熱くなる。
「やだ・・ほんと・・・気づかなかっ・・・・」
やっと出た言葉を切る。リナの頬には大粒の涙が零れ落ちていた。
「リナ・・・」
ガウリイはリナの頭にぽんっと手を置く。
「よしよし、泣かないの。ごめん、さっき大人げなかったよな、オレ。」
リナはふるふる頭を振って泣き続ける。
「あんまりお前がムチャするからつい、かっとなってな。お前っていつもなんでも自分一
人の力で解決しようとするだろ。苦しい時は、苦しいって言えよな。何のためにおれが保
護者してるかわからないだろ。」
くしゃくしゃっとリナの頭を撫でる。
いつものリナなら、なんどもなんども人の頭ぐしゃぐしゃにすんなこのくらげえ!!
とか言ってアッパーをくらわすところだが、今のリナはただ泣いてうなずく
だけだった。
「あーもー。泣くなってば。そんな風にオレの前で泣かれても困るんだけど・・」
よわったなー、といった口調である。
「なに、他人事みたいに・・いってんのよ・・人のこと・・こんなに・・・泣かしとい
て・・」
「じゃあ、抱きしめてキスでもしてなぐさめる方がいいってか?」
「!!!」
赤面して石化するリナ。
「ばーか。んなことするかよ。保護者だぜ、オレ。はいはい、病人はさっさと飯食って、
薬飲んで、寝る。ほら、おかゆ冷めちまうぞ。」
言うとガウリイはリナの口におかゆを運んだのだった。


エピソード2へつづく。






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1850Re:再掲示「ここは正義館エピソード1」ブラントン 3/21-17:44
記事番号1810へのコメント

 はい、正義館1話の感想です!

 やっぱりすごいのは、ラジオドラマっぽく、律儀にみんなの一言が入るところです。
 ゼルにアメリアはまだいいですが、よくそれにルークとミリーナを加えられますね……
 二人の性格をちゃんと把握していないとこういうことはできません。
 さては二人のファンですね!?

 そして、毎度おなじみ(って誰の)のマイベストシーン。

 これはもう個人的にミリーナの居眠りシーンです!
 ルークいいぞ、ミリーナいいぞ! この二人最高です。
 いえ、たぶん今まで一つもなかった反動なのでしょう。
 これからの展開に期待っ!

 で、いちばん好きなセリフは

「やめとけ、無理だ。」
「ゼロスさん、わたし家が壊れるの見たくないです。」

 これですね。
 実際に声を想像して読むと、またタイミングもよくて「うまい!」の一言です。
 ルークとミリーナはイメージでいくしかないですが……

 それに細かい部分で一押しなのは、ねちねち説教たれる駅長さんと、ゼルの朝御飯。
 何気ないんですけど、こういうところに配慮を感じるんですよねー。

 全体の文章にもまとまりがあってよし。(なんてえらそうな)
 ですから本当に言うことないんです。

 ……あ、でもガウリイのボケぶりは少々物足りないというか……
 最後に見せるかっこいいガウリイは文句なしで最高なのですが、2回あるボケシーンの後半はち
ょっと無理があったかな、と思う次第です。

 でもでも、本当に良かったんですよ!
 しっかりしてる、という感じを全面に受けます。

 ところで、この話基本はガウリナだと思うのですが。
 リナって性格の位置づけが難しいと思うんです。どういう設定にしているのですか?
 もしよろしければ教えていただけないでしょうか。

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1895ブラントンさま。感想ありがとうです。えれな E-mail 3/24-03:07
記事番号1850へのコメント
ブラントンさん。さっそくの感想の再掲示。ほんとにありがとうです。えれなのわがまま聞いてくださって
ありがとう。

> やっぱりすごいのは、ラジオドラマっぽく、律儀にみんなの一言が入るところです。
> ゼルにアメリアはまだいいですが、よくそれにルークとミリーナを加えられますね……
> 二人の性格をちゃんと把握していないとこういうことはできません。
> さては二人のファンですね!?

はい(笑)読めばわかると思うけど。その通り。ファンです(笑)

> これはもう個人的にミリーナの居眠りシーンです!
> ルークいいぞ、ミリーナいいぞ! この二人最高です。
> いえ、たぶん今まで一つもなかった反動なのでしょう。
> これからの展開に期待っ!

ああっ。ありがとおですう。はじめ、このふたり出す予定じゃなかったんですね(笑)このシーンは書いて
る最中突発的に入れたとこだし(笑)気に入っていただけてうれしいです♪

> で、いちばん好きなセリフは
>
>「やめとけ、無理だ。」
>「ゼロスさん、わたし家が壊れるの見たくないです。」
>
> これですね。
> 実際に声を想像して読むと、またタイミングもよくて「うまい!」の一言です。
> ルークとミリーナはイメージでいくしかないですが……

きゃあ♪なんか声までイメージして下さるなんてほんとにうれしー(笑)

> 全体の文章にもまとまりがあってよし。(なんてえらそうな)
> ですから本当に言うことないんです。

ああ。誉めて下さってありがとうですう。でもいっぱい納得いかないとこもあるのです(笑)

> ……あ、でもガウリイのボケぶりは少々物足りないというか……

そおそお(笑)このボケが愛情が偏ってるせいかできないし(笑)

> 最後に見せるかっこいいガウリイは文句なしで最高なのですが、2回あるボケシーンの後半はち
>ょっと無理があったかな、と思う次第です。

そーですう。ガウリイ書きにくいです(爆)

> ところで、この話基本はガウリナだと思うのですが。
> リナって性格の位置づけが難しいと思うんです。どういう設定にしているのですか?
> もしよろしければ教えていただけないでしょうか。

えーと。リナはちょっと幼く設定してます。んで、ガウリイをちょっと大人に設定してるかな。
リナは旅をしてないので、結構世間知らずなとこもあるでしょうし。その方が書きやすいんです(爆)
感想ほんとにありがとうです♪では。


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1811再掲示「ここは正義館エピソード2・前編」えれな E-mail 3/20-05:49
記事番号1809へのコメント


ここは正義館


エピソード2.踊る阿呆に見る阿呆・前編





翌日。リナの体調はガウリイのつきっきりの看病のおかげか、さっぱり、すっきり回復し
た。
しかし、問題がひとつ残っていた。
「どうするんだ。リナ。あれ。」
ゼルガディスはリビングにでかでかと置いてある木箱を指差す。
今日は日曜日。正義館の一同は、それぞれ好き勝手なことをしている。
まだ寝ている者、たまった担当の仕事を片づける者、趣味に走る者。
リナはTVを見ながら、
「あー、それね・・・どうしようか迷ってんのよねえ・・・どう考えてもマトモなもの
入って
なさそうだし、かといって捨てるのもあとがこわいし・・・」
リナが差出人の名前を見て、階段から転がった例の木箱である。
そう。差出人の名前はイッソンだったのだ。
『己の闇に捕らわれし哀れなる者よ。あなたの血に染まったその手を、天が地が、お上
が、パン屋のおじさんが、例え許しても、わたしはあなたを許さない!!』
「かっこいいわあ・・・」
古典的なヒーローものの再放送に釘付けになっているのは、もちろんアメリア。
「かっこいいか・・?それ。あたしは、『助サン、格サン、おやりなさい!!』のが好き
だけどなあ・・」
反論するリナにミリーナはアイロンをかけながら、
「そのセリフ、『行け!!ガウリイ!!』に似てるわね。」
にっこりと笑う。
「そ、そかな・・」
言われてちょっぴり赤くなるリナ。
「そーいえば、ガウリイさんどうしたんですか?姿が見えませんけど・・・」
尋ねるアメリアに、ゼルガディスはワイングラスを拭きながら、
「ああ、ガウリイならまだ寝てると思うぞ。昨夜っていうか、今朝の明けがた部屋に戻っ
てたみたいだし。ま、それまでどこにいたかはあえて聞かんがな、リナ。」
意味ありげにいうと、にやりと笑ってリナを見る。
「へえええええええええ。そうなんだ・・・・」
ルークは通販のカタログから目を離し、リナをにやにや見る。
「ちょ、ちょっと。変な誤解しないでよ。あたしたちは別に・・・」
「あたしたち、ねええ。まだ何も言ってないのに自分からボロだすなんて、これはますま
すあやしいな・・・・ふーん。で、どうだった?」
「どうって・・何いってんのよ!!って、なんでみんなあたしに注目してんのよっ!!」
「いいから言っちまえよ。ガウリイさんには黙っとくからさ。みんな祝ってやってんだ
よ。で、どうだった?感想は。」
「ルーク。それじゃまるで中年おやじよ。」
ミリーナのツッコミにいすから転げ落ちるルーク。
「ミ、ミリーナ。それはあんまりな例えだぞ・・・」
「んなことないわよっ!!さっきのあんたのあたしを見る目つきは中年すけべじじいのそ
れと同じだったわよっ!!」
「あんたは黙ってろ。ミリーナ。まだ怒ってんのか、こないだのこと。あれは、ほんのは
ずみだったんだってば。」
「へえええええ。こないだのことって何?」
リナはさっきのおかえしとばかりに、無理矢理会話に割って入って、ルークとミリーナを
見つめてやる。
注目されたルークは、
「ふっ。そんなに知りてえなら、聞かせてやらぁ。聞いて驚くなよ。俺とミリーナは
なぁ、こないだ教室でピ――――――なことや、ブブ―――――なことを」
「してません!!!」
あわててミリーナはルークの口を塞ぐ。
手にしたアイロンで。
シュ―――――
ルークのユカイな顔面に一同は指差して笑い転げた・・・



「ミリーナ、お前リナさんと似てきたな・・・」
「ルーク。も一回アイロンあてるわよ。それは言い過ぎだわ。」
「どーゆー意味よ・・・」
青筋立てるリナに、ミリーナは少し身の危険を感じながら、
「そ、そういえば、話が随分飛んだように思えるんだけど・・そうそう。どうするの?こ
の箱。」
話を逸らすなああっとツッコミを入れたい衝動を抑えてリナは、
「どうするって・・・どうしたらいいと思う?あんたたちは・・・」
みんなに視線をおくる。
「開けちまおうぜ。絶対おもしろいものが入ってるはずだ。俺の勘ではマルピーギ小体と
みた。」
「俺の個人的な要望だと、ビストロ〇マップのレシピだな。」
「わたし、鉄仮面とヨーヨーのセットがほしいです。」
「私は、干からびてカラカラになったマリモがいいわ。」
マトモな思考回路を持った人間はいないのか。だいたい、ミリーナ。あんたはそんなキャ
ラじゃないはずだぞ、設定ではっ。
どつきまわしたい欲望に駆られながらも、リナは部屋の隅で黙って新聞読んでいたゼロス
を見て、
「ゼロス。あんたはどう思うの?」
ゼロスは苦笑しながらも、はっきり一言。
「バラバラ死体。」
その言ってはいけない冗談に凍りつく一同。
「・・は、はははははは・・・やあだ、何いってんのよゼロスったら、んなわけないじゃ
ない。」
引きつった笑みを浮かべながら、箱からあとずさるリナ。
何となく臭い気がするのは気のせいか?
そこへ部屋から出てきたガウリイの姿。
「???・・・何みんなして固まってんだ?あれ、この箱まだ開けてなかったのか?」
言って、あくびしながら、箱に触る。
「わ――――――っ!!ガウリイ!!触っちゃだめええええ!!!」
「へっ!?」
その声に驚いて思わず箱を落っことすガウリイ。

ぱっかん。

「なんてお約束な展開だ・・・・・」
ゼルガディスは頭をかかえて呟いたのだった・・・・





「このくーらーげええええええええ!!!」
「ぐ、ぐるじ・・・」
リナに首絞められて、白目むくガウリイ。
「待って。リナさん。制裁はあとにしましょ。それよりも先にやらなきゃいけない事があ
りますよ。」
言って箱を見るアメリア。
みんな、しっかり箱から半径2m以内に入らないようにしていたりする。
ゼロスなんぞ冷蔵庫のかげに隠れている。
箱の中には、黒い物体と手紙のようなものが入っているように見える。
「とりあえず、バラバラ死体ってことはなさそうね・・・・・」
リナはフライパンを構えながら、おそるおそる箱に近づいて、
「・・・・これはこれは・・・死体のがましだったわね・・・見て。」
「な、なんなんだ?」
みんないっせいに箱に近寄る。
「こ、これって・・・まさか・・・」
「爆弾よ・・・・」
リナは絶望的に呟いた。
『ぎええええええええええええええええっ!!!!!』
みんなの悲鳴がハモったあと。
「とーさああああああん!!!先立つ不幸をおゆるしくださあああああああい!!!」
「じゅうおうさまあああああ!!愛してますううう!!さようならああああ!!!」
「しめさばはいやだああああああああああああああああああああっ!!!」
「うおおおおおおおおっ!!ミリーナ!!死ぬ前にいっぱつやっちまおう!!!!」
「どなどなどーなーどーなー。子牛をのーせーてー。」(ミリーナ混乱中)
「リナあああああああっ!!お前のいるところはオレのそばだああああっ!!とことんの
中なんかじゃないぞおおおおおおおっ!!!」
「あああああああっ!!!うるさああああいっ!!!時限爆弾よ!!時限爆弾!!います
ぐ死ぬわけじゃないの!!」
リナの一喝で正気に戻る一同。
「え・・・?時限爆弾?」
「そう。しかもメッセージつき。」
リナは、みんなの前にいっしょに入っていた紙を広げる。




リナ:インバースとその手下達へ


君たちがこの箱をあけた瞬間がはじまりだよ。
この爆弾はたった今から12時間後に爆発する。その威力は20世紀の原子力爆弾並みだ
から、たいしたことはなきにしもあらずんば虎児を得ず。
ついでに、これと同じものが、大阪、ニューヨーク、ベルリン、ロンドン、シドニーのあ
る場所に設置されているんだよよよよよ。
無視するのはきみたちの自由だけど、ゲームに参加するなら、大阪にある飯田 あいさんの
家に45分後においで。
もちろん全員でね。
来なければ、大阪の街は小林さ〇こさんの衣装よりもきらびやかな炎の花で彩られること
になるよ。マッシュルームだよ。わかったかい?
警察なんかに言ったら、どうなるかわかるよね?
じゃあ、がんばって。


イッソンより




「45分後って・・大阪だって!?全員!?無理だ!!浮遊機(レビテーション・プレー
ン)の予約なんて今から取ってたんじゃ・・・」
「まず無理ね。けどやるしかないのよ!!行くわよ!!」
愚痴るルークにリナは叫んで、玄関に走る。それに続く一同。
「行くってどこに行くんです?リナさん!!」
「飛びながら考えるのよっ!!ほらっ!!飛ぶわよ!!」
「だからどこに向かって飛ぶんです?むちゃくちゃですよ!!ちょっと落ち着いて考えま
しょうよー!!」
アメリアのツッコミにリナは、
「じゃあ、あんた落ち着いて考えたら、何かいい案だすわけ?!このままじっとしてるな
んてあたしはできない!!」
リナが取り乱すのも無理はない。大阪は彼女の郷里なのだ。
「リナ、落ち着け。アメリアを責めても何も解決しない。具体的な策を立てよう。」
たしなめるゼルガディスにリナは、
「わかってる、わかってるわよ。でもどうすればいいのよ!もう時間がないのよ!!」
ほとんど涙声で叫ぶリナ。彼女の腕時計はタイムリミットまであと40分と告げている。
「リナ・・・」
リナの頭にぽんと大きな手がかかる。ガウリイである。
リナの肩から少し力が抜ける。
「大丈夫だ。なんとかなるかもしれない。」
ガウリイはやさしい声で言うと、とんでもない案を話し出した。





「振動弾(ダム・ブラス)!!」
「魔風(デイム・ウィン)!!」
「烈閃槍(エルメキア・ランス)!!」
リナ達一行は問答無用の呪文を立て続けにぶっ放しまくりながら走りまわっていた。
「そこを右だ!!」
ガウリイの案内にしたがって、駆け巡っているのは横浜にある国際軍の基地の中。正義館
から歩いて30分くらいのところにあるのだ。
つまり、ガウリイは軍から戦闘機をかっぱらう、という案をだしたのである。
もちろん、立派な犯罪である。
ガウリイが国際軍の大尉だったというのは昔の話である。
それに例え大尉であろうが、将軍であろうが、勝手に軍の持ち物を使っていいわけがな
い。
だがしかし。民間の浮遊機(レビテーション・プレーン)なら、大阪ー横浜間40分かか
るところだが、軍の最高特殊戦闘機の封翔機(レイ・ウィング・プレーン)なら、操縦者
の腕次第では20分で行けるというのだ。ちなみに、この浮遊機(レビテーション・プ
レーン)はその名の通り。浮遊(レビテーション)の術を開発して、それに科学技術を加
えて造られた文明の利器である。
そこで、リナ達は、民間の浮遊機(レビテーション・プレーン)をハイジャックするより
はまし、と一致団結、文句無しで基地に乱入したのである。
タイムリミットまであと30分。ガウリイの腕なら大阪まで飛ばせば15分強で着くとい
うことだから、勝算はある。
「侵入者だっ!!捕らえろっ!!」
「どいてください!!ごめんなさい!!炎の矢(フレア・アロー)!!」
出くわす軍人さん達を、アメリアの攻撃呪文がなぎ倒す!
「おらおらおらおら、どけえええええっ!!世界のためだ!!火炎球(ファイヤー・ボー
ル)!!」
振り向きざまにルークが放った火炎球(ファイヤー・ボール)がリナ達の後ろで炸裂す
る!
「ひいいいいいいいっ!!あんたら、なんか俺らにうらみあんのか!?」
「んなものはないが、大は小を兼ねる!!氷の矢(フリーズ・アロー)!!」
ゼルの氷の矢にぶざまに倒れる軍人A!
「イッソン、むかつく、覚えてろ!!竜(ドラグ)・・・・・」
「わ――――っ!!リナ!!やりすぎ!!基地がつぶれる!!将軍におこられるー!!
・・って、あれだ!!乗れ!!」
ガウリイの指示に従って、封翔機(レイ・ウィング・プレーン)の一基に飛び乗る一同。
8人乗りの小型戦闘機で、その戦闘能力、スピード、などあらゆる機能はすべて操縦者の
精神力であやつられるという、これまた文明の利器である。操縦出来る者の数が極端に少
ないので、民間ではポピュラーでないが、使えれば無敵の戦闘機と言われている。
「行くぞっ!!しゅっぱ―――― つ!!!」

どがあああああああん!!!

基地の壁を突き破って、無敵の一行は大空に飛び立った。



エピソード2.後編につづくっ!!






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1812再掲示「ここは正義館エピソード2・後編」えれな E-mail 3/20-05:54
記事番号1809へのコメント


ここは正義館


エピソード2.踊る阿呆に見る阿呆・後編




「ふーっ。なんとかなりそうだな・・・」
ため息ついてくつろごうとしているルークに、ゼロスが一言。
「でも、飯田 あいさんの家って大阪のどこにあるんでしょうねえ。」
「そうだった・・・それも考えなきゃならんのだった・・・」
げっそりした表情でゼルガディスがうめく。
「おい。リナ。お前心当たりないのか?」
「ない。」
みもふたもなく答えるリナ。
「だろうな・・・」
はーっとため息をつくゼルガディス。
「でも、どっかで聞いた事ある名前よね・・・」
ぽそりとミリーナが呟く。
「どこで!?どこ!?思い出して!!」
操縦席の隣に座っていたリナが後ろに身を乗り出す。
その途端、ぐらっと傾く機体。
「うわっ!リナ!!じっとしてろって!!」
ガウリイに怒られて、慌てて座り直すリナ。
「うーん・・どこだっけ・・」
ミリーナは考え込んで沈黙する。
「大阪までこのまま順調に行けばあと10分で着くから、それまでに頭脳派、がんばって
くれよ。」
ガウリイが言う。ちなみにタイムリミットまであと20分。
「これの出番ですかね。」
ゼロスはポケットから、ノートパソコンを取り出す。
「ゼロス!!えらいっ!あんたって、ドラえもんみたいね!!」
「・・・リナさん・・それ・・ほめてるんですか・・」
「もちろんよー!さあ、さっさと調べて!!ドラえもーん(はあと)」
「・・・のびたですか・・あなたは・・・」
「あははははは。さっさとやらんか!!」
と、その時。

どおおおおおおおおん!!

機体が大きく傾く。
「な、何!?ガウリイっ!?」
「追手だ。」
あっさり言い放つ。
「ま、当然の展開でしょうね。」
ゼロスはやたら落ち着いて言う。ちなみに傾いたまま。
『ガウリイ。どえらい事をしてくれたな。降参しろ。今ならまだ間に合うぞ。』
やおら機内に響く声。
「ジェ、ジェイク・・・見逃してくれ。頼む。今度ラーメンおごるから。」
『ほんとか!?ラッキー!!・・・って何言わせんだよ!!んなもんで、クビになれる
か!』
「一瞬くらってきたくせに・・まあ、いいや。来いよ。オレと戦うってなら。」
『ふっ。貴様と勝負か・・・久々に血が騒ぐぜ。やってやろうじゃねえか。』
ジェイクはそう言い放つと、通信を切った。
「ちょっとガウリイ!!遊んでる暇なんてないのよ!!挑発してどうすんのよ!!」
食って掛かるリナに、ガウリイは平然と、
「どのみち戦うことになるんだ。だったら、早めに倒しといた方がいいだろ?あいつらと
ずっと追いかけっこしながら飛行なんてオレはいやだ。来るぞ!!」
やおら傾く機体。
どおおおおおおん!どおおおおおおおん!
「ぎゃあああああああああっ!!」
機内を転がる一同。
「あんたねえっ!!もうちょっと丁寧に・・・!!!」
うおおおおおおおん!!
何ともいえない感覚が全身を襲う。声も出ない。思わず目を閉じる。
き、気持ち悪――――――っ!!!
「うわ―――――っ!!ひっさしぶり、この感じ!!サイコ―――!!」
ガウリイがなにやら一人で叫んでいる。どうやら一回転したらしい。
ババババババババッ!!ヒュ――――ン!!ド―――――ン!!
ゲームセンターで聴くような音が鳴り響く。
しばらくして音が止む。
「終わったの・・・?」
「いいや。まだだ。それより、モバイルやってんのか?ゼロス。」
「この状況でどうやったらできるんですか・・・」
気分悪そうに呟くゼロス。ほかのみんなも顔色が悪い。
「できるだけまっすぐ飛ぶからがんばってやってくれ。さーて、ジェイク。隠れてないで
出てこい!リナ、ゼル、アメリア、ルーク、暇ならちょっと手伝ってくれ。さっさと片づ
けよう。」
「手伝うってどうすんのよ?」
「こうするんだよ。」
急に窓が開く。機体の装置はすべてガウリイが精神コントロールしているので、何もしな
くてもこうゆう芸当ができるのだ。
吹き付ける風。広がる雲海。
「さむ――――!!で、どうしろって?」
「ちょっとその辺の雲海に魔法ぶち込んでくれ。出てきたら総攻撃。リナは左。アメリア
は右。ゼルガディスは後ろ見といてくれ。んで、ルークは真下な。開けるぞ。前方と防
御・回避はまかしとけ。」
言ってガウリイは機体を雲海と平行にして、ルークの足元の窓を開ける。
それぞれ適当に雲海に魔法をぶち込む。
手応えなし。
「・・・上か!!」
こちらより小型なのを利用して死角になる真上を平行に飛んでいたらしい。
真上に向かってガウリイは砲撃し、その後後ろに後退する。
どおおおおおおん!!ひゅうううううう!!
目の前に落ちてくる一基の封翔機(レイ・ウィング・プレーン)。
そこに一同は唱えておいた呪文をぶつけてやる。
直撃するが、それでもまだ、飛んでいる!!
「しぶといわね、あいつ・・」
「ああ、でも次で終わりにするさ。来るぞ。」
敵はこちらに突っ込んでくる。
「こいつ!!相打ち狙いか!?」
叫ぶゼルガディスにガウリイは黙ったまま。
「はあっ!」
気合一閃!
ガウリイの至近距離での砲撃はものの見事に敵の機体に直撃する。
爆発する敵の機体!
―――誘爆する!!!!―――
誰もがそう思った瞬間。
「バリア全開!!」
ガウリイの放ったバリアで防御される。あたりは真紅の炎につつまれているが、こちらは
なんの影響も受けていない。衝撃すらない。
―――し、心臓に悪い・・・・―――
「終わったな。で、ゼロス、モバイルできたか?」
何事もなかったように聞くガウリイをよそに、一同は先ほどの熱戦の余韻にひたったまま
で、すぐに反応できない。
「おーい。終わりましたよー。もしもしー。タイムリミットまであと10分なんだけど。」
「・・・あ、あんたは、空中砲撃戦なんて慣れてるかもしれないけど、あたしたちはこん
な恐ろしいもん体験したことないんだから・・ちょっと驚いてただけよ・・で、できた
の?ゼロス。」
疲れた様子でリナは言う。
「ああ、はいはい。こんなん出ましたけど・・・」
「女性大食い記録保持者・・か・・データはそれだけ?住所とかわかる?」
「ちょっと、わかりませんねえ・・・」
「そ、それっ!!思い出した!!こないだ、その人『涙のチャレンジャー』にでていたひ
とです!!」
ミリーナが、声をあげる。
「待てよ。じゃ、TV局に問い合わせれば、住所わかるんじゃないか?」
ルークが言う。
「そんなの、教えてくれるでしょうか?部外者に・・」
「やかましーわよ、アメリア。聞き出すのよ。舌先三寸で。」
リナはゼロスの携帯握り締めて、不適な笑みを浮かべたのだった。




「やあ、さすがはリナさん。詐欺やらしてリナさんの右の出る人なんていませんね。」
「ゼロス、それ誉め言葉かしら?」
引きつるリナにゼロスはにっこり笑って、
「それは秘密です。」
「・・・・ま、いいわ。で、ガウリイ大阪に入るまで後何分?」
「もう着く。ほら、見えてきた。ちょっと急降下するから、しっかりつかまってろよ。」
ぐうううううううん。
身体に重力がかかる。しばらくすると、身体がふっと軽くなる。
「あ――――大阪だ―――。ひさしぶり・・・」
「懐かしがってる余裕はないぞ。こっからが、本番だ。」
「わかってるわよ。ゼル。」
タイムリミットまであと3分。
「リナ、こっからどう飛べばいい。案内してくれ。」
「わかったわ。大阪城目差して飛んで。で、公園の空き地に止めて。あ、あの辺でいい
わ。そこから封翔界(レイ・ウィング)で飛んでいくわよ。みんな、準備してね。」
機体が空き地に着陸する。飛び去っていくハトの群れ。
「さあ、行くわよ!!あたしについてきて!!封翔界(レイ・ウィング)!!」



「この辺なんだけど・・どっかに飯田って家ない?23−4よ!えっと、ここが22−
7・・ああっ!時間ない!!あと何分?」
「あと一分切ったぞ!!えっと、ここが23−0ってことは・・あれだ!!あのレンガの
でっかい家!!」
「あと30秒ないです!!みんな急いでください!!」
「飯田!!ここよ!!ごめんください!!あけて!!」
ピンポンピンポンピンポンピンポン!!
返答がない。留守のようだ。
「ああっ!!うっとおしい!!」
ゼルガディスがドアを蹴り開ける。家の中に駆け込む一同。
「あと、5秒!!4,3,2,1、・・・」
トウルルルルルルルル・・トウルルルルルルルルル・・・
鳴り響く電話。
「どこ!?どこにあるの!?」
トウルルルルルルルル・・トウルルルルルルルルル・・・
「なんでこんなに広いんだ!!どこだどこだどこだ――――!!」
「あと、20秒しかないです!!はやく!!」
トウルルルルルルルル・・・トウルルルルルルルル・・・
「台所から聞こえるぞ!!」
「でもないわよ!!どこ!?」
「あと10秒だぞ!!どこにあるんだ、でんわあああああああああ!!!」
トウルルルルルルルル・・・トウルルルルルルルルル・・・
「もしかして!!」
ゼロスが冷蔵庫を開ける。
「ありました!!リナ!!」
「かして!!・・もしもしっ!!もしもしっ!!」
『いやあ、おめでとう。よくがんばったね。さすが僕のリナだ。』
電話の向うは、のんびりした図太い男の声。
「約束通り来たわよ。爆弾解除して。」
言いながら、リナはホーンというボタンを押す。
部屋中にイッソンの声が響く。
『とりあえず、君の努力に免じて大阪のは解除したよ。つぎはニューヨークだよ。君とガ
ウリイはニューヨークに4時間後においで。場所は今から言うから、しっかり聞いとくん
だよ。織田信長が死んだ年に1000かけて、その数字から、今年のニューヨーク大学の
留年者で一番年上の人の年齢x5539を引いて、4で割るんだ。その余りの数字がヒン
トになる建物の屋上に来て。時間はたっぷりあるからゆっくり考えてね。
それから、ゼルガディス出して。』
リナは無言でゼルガディスに受話器を渡す。
『君とアメリアには、ロンドンに来てほしいんだ。君たちにはヨーロッパをまわってもら
うよ。ロンドンには5時間後にしてあげる。戦闘機は一台しかないからね。場所はアメリ
アさんの家。ま、説明するまでもないよね。それから、ルークに替わってくれる?』
「んで、俺とミリーナはオーストラリアか?殺すぞ。」
『ふふふ。好きだよ性格。殺せるものならやってみてよ。君の言う通り、オーストラリア
に来てもらうよ。7時間後にね。」
「おい。オーストラリアのどこだ!!」
『シドニーだよ。君の郷里。でも、君は国外追放令くらってるから、大変だね。シドニー
の警察署の真ん前。ふふふ、怨むならリナを怨めば?じゃあね、今、12時ちょうどだ
ね。じゃあ、今からスタートだよ。』
ツ−―――――
ルークは受話器をおいて、
「あいつ・・戦闘機は一台って言ってたな・・・」
「ああ・・なんでしってるんだ・・何者なんだ?一体・・・」
ゼルガディスが言う。
「でも、そんなこと言ってもしょうがないだろ。どっちにしても行かなきゃならないんだ
し・・行こうぜ、リナ。」
「ここにいるのよ・・」
リナはうつむいたまま呟く。
「え・・・・?」
「犯人は、ここにいるのよ。」
「ここって、この家にか?」
「そうよ。正確にいうなら、犯人はあたしたちとずっといっしょにいたのよ。」
リナは言葉を切って、一同を見る。
「犯人はこの中にいるのよ!そうよね。」
言ってリナが視線を送ったその先には!



エピソード3につづくっ!!




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1851Re:再掲示「ここは正義館エピソード2」ブラントン 3/21-17:48
記事番号1812へのコメント
 はい、では続きまして2話の感想です。

 ……まず、なぜに「踊る阿呆に見る阿呆」……?
 それって、イッソンの罠というかいたずらにまんまとはまって踊っている、リナたちのことを言
っているのだと思うのですが……
 「見る阿呆」ということはイッソン(ゼロス)も愚かだということになるんですよね。
 まあ、確かにリナにバレちゃうんですからそうかもしれませんけど。

 で、今回の一押しもやっぱりミリーナです!
 冒頭のツッコミからえれな様ご自身のツッコミの部分まで。
 特に後半のあわてるあたりがもうなんともカワイイの(はぁと)
 ……って気色悪いからやめましょう、自分。

 ところでツッコミ! 爆弾のところで叫ぶルーク(こっちはもろですが)とミリーナって某GS
使ってません? 確か「ドナドナ」歌うシーンがどこかにあったような……
 しかも「しめさば」って……
 ああっ、ぜったいどっかで聞いたことあるのにっ! ねくすとらだったっけか!?
 さらに「獣王」いることが発覚してますね。彼女はどんな形で登場するのでしょうか?
 ……まさか、ただのギャグだったってわけないですよねえ……
 イッソンが言っているのだから魔族かな?
 
 そして後半は……
 おおっ! いよいよロスユニ顔負けの機械と魔法の見事な融合! これぞ正義館の真骨頂っっっ
っっ! な空中戦。
 いやあ、書いてて気持ちよかっただろーなー、と思います。
 ここの「今度ラーメンおごるから。」が今回の一押しゼリフです!

 最後のシーンは……私はわからなかったです、犯人。
 いやぁ、注意して読めばわかるようちゃんとヒントもあったのに。
 今度やるときは真剣に考えさせていただきます。

 では、今回のベストシーンを。
 ……これもやっぱり空中戦ですね。
 だってスレイヤーズでまさかこんなシーンが見られるとは思いませんから。
 新鮮さ(それをいったらこの話全部ですけど)を買って一票。

 ところで、前回に引き続きまた質問です。
 今回のストーカー編は3話まで一応おおまかなストーリーが決まってから書き始めたのでしょう
か?
 書くのが遅いといったって、一話あたりのボリュームがすごいですから十分書くのは早いと思う
のですけど。
 それと、今は何話ぐらいまで頭の中にあるのでしょうか?

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1896ブラントンさま。感想ありがとうです。えれな E-mail 3/24-03:26
記事番号1851へのコメント

> ……まず、なぜに「踊る阿呆に見る阿呆」……?
> それって、イッソンの罠というかいたずらにまんまとはまって踊っている、リナたちのことを言
>っているのだと思うのですが……
> 「見る阿呆」ということはイッソン(ゼロス)も愚かだということになるんですよね。
> まあ、確かにリナにバレちゃうんですからそうかもしれませんけど。

まあ、その通りです。踊る阿呆というのは言わずとしれたリナ達のこと。見る阿呆はやっぱしイッソンのこ
とです。えれなから(読者)みれば、どっちも阿呆でしょ(笑)

> で、今回の一押しもやっぱりミリーナです!
> 冒頭のツッコミからえれな様ご自身のツッコミの部分まで。
> 特に後半のあわてるあたりがもうなんともカワイイの(はぁと)
> ……って気色悪いからやめましょう、自分。

やっぱしミリーナを気に入って下さる方多くって(笑)ひそかにミリーナファンって多いんじゃないの?っ
て思うくらいです(笑)壊れちゃったミリーナを気に入って下さってうれしいです(笑)

> ところでツッコミ! 爆弾のところで叫ぶルーク(こっちはもろですが)とミリーナって某GS
>使ってません? 確か「ドナドナ」歌うシーンがどこかにあったような……

ごめんなさい。GSって何かわからないです(笑)えれなはスレイヤーズ以外のアニメはあんまし詳しくな
いもんで(笑)たぶん、偶然でしょう(笑)ドナドナはえれなの好きな曲だからです(笑)

> しかも「しめさば」って……
> ああっ、ぜったいどっかで聞いたことあるのにっ! ねくすとらだったっけか!?
> さらに「獣王」いることが発覚してますね。彼女はどんな形で登場するのでしょうか?
> ……まさか、ただのギャグだったってわけないですよねえ……

ただのギャグだったと言いたいけど(笑)このへんのギャグはあんまし深く考えない方がいいです(笑)

> そして後半は……
> おおっ! いよいよロスユニ顔負けの機械と魔法の見事な融合! これぞ正義館の真骨頂っっっ
>っっ! な空中戦。
> いやあ、書いてて気持ちよかっただろーなー、と思います。

はい〜。実はもっともっと長かったこの空中砲撃戦(笑)これでもかなりカットしたんです(笑)
えれなの趣味全開のとこです(笑)

> ここの「今度ラーメンおごるから。」が今回の一押しゼリフです!

おお。ありがとうです♪

> では、今回のベストシーンを。
> ……これもやっぱり空中戦ですね。
> だってスレイヤーズでまさかこんなシーンが見られるとは思いませんから。
> 新鮮さ(それをいったらこの話全部ですけど)を買って一票。

これをやるためにガウリイを元軍人にしたくらいです(笑)ここはえれなの好きにできてかなり満足です
(笑)

> ところで、前回に引き続きまた質問です。
> 今回のストーカー編は3話まで一応おおまかなストーリーが決まってから書き始めたのでしょう
>か?

ほんとーーーにおおまかです(笑)なんせ。えれなのプロットって言ったら(笑)

ストーカーから手紙がくる→小包が来る→爆弾に振り回される→決着(笑)
こんなもんです(爆)ほんとに起承転結だけ(笑)

> 書くのが遅いといったって、一話あたりのボリュームがすごいですから十分書くのは早いと思う
>のですけど。
> それと、今は何話ぐらいまで頭の中にあるのでしょうか?

とりあえず、この時点では4話まででした(笑)
で、今は7話あたりのヤマまで(笑)ちなみに、上のプロットと大差はないです(爆)
そして、5話はそのプロットすら立ててないいい加減さ(爆)いきあたりばったりでいきあたってます
(笑)まあ、時間があれば書けるんですけど、忙しいのでちょっと今は無理っぽいですけどなんとか暇みつ
けてちょこちょこ書いてきます。だから、ほんとーーに気長に待ってて下さい。ごめんなさいね。
では。感想ありがとうです♪


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1813再掲示「ここは正義館エピソード3」えれな E-mail 3/20-06:02
記事番号1809へのコメント


ここは正義館


エピソード3.こころの迷宮





「なっ・・・どうゆうことだ?」
リナの視線の先には、ゼロスの姿があった。
「ゼロスがイッソンってこと?」
みんな、リナとゼロスに注目する。
二人はしばらく、見つめあった後に、リナが口を開く。
「いい加減、茶番はおわりにしてくれない?ゼロス。いえ、イッソン。」
言われてゼロスは、おもしろそうにリナを見て、
「何を言ってるんです。リナさん。さっきイッソンは電話のむこうにいたんですよ。その
時僕はここにいた。つじつまがあわないと思いますけど?」
しかし、リナは余裕の表情で、
「つじつまは合うわ。この家全体があんたの幻覚(イリュージョン)だとすれば、ね。
イッソンはプールでガウリイの幻覚(イリュージョン)をあたしにかけたけど、声だけで
なく、光の剣まで本物そっくりだった。そこまでの腕をイッソンが持ってるなら、さっき
の電話の工作くらいは簡単にやってのけるでしょう。あんたのその姿も幻覚(イリュー
ジョン)なんでしょ?」
すると、ゼロスの姿はみるみるうちに歪んで、ひらべったい顔の大男に変わった。
「イッソン!!」
ミリーナが驚愕の声をあげる。
正体がばれたというのに、余裕の笑みを浮かべてイッソンは言う。
「いつ、気づいたんだい?」
「最初におかしいなって思ったのは、ゼロスがノート・パソコン取り出した時。
前にゼロスはメカ音痴だって言ってたのに、変だなって思ったけど、あの時は必死だった
から、たいして気にも留めなかったわ。」
「それで、いつ確信したの?」
イッソンは興味深そうに聞く。他のみんなもリナの話に耳をかたむける。
「確信したのはさっきの電話。他の人には、みんな指示があったのにゼロスのことには全
く触れなかった。そして、戦闘機は一台しかないっていうセリフ。どう考えたって、イッ
ソンは戦闘機のことなんて知りようがないし、だとすれば、犯人はこの中の誰かってこと
になるわ。それで、極めつけは、なんでゼロスは直前になって、冷蔵庫なんて思い付いた
か、よ。はっきり言って、普通あんなパニックの状態で思い付くわけないわ。そうすれば
答えはひとつ。もとから、知ってたのよ。
あんたはあたし達に電話をどうしても取ってもらわなければならなかった。もし、取らな
ければ、爆弾なんて嘘だってばれてしまうから。ちがう?」
「ちょっと待てよ。なんで爆弾が嘘だってわかるんだよ。それだけじゃわからないだろ。
そこまでは。」
ルークが面白くなさそうに言うと、リナは平然と、
「もし、ここで爆発したら、自分も巻き添えになるじゃない。」
「あ・・・そうか。そうだよな。考えてみれば、そもそもイッソンはリナに惚れてるんだ
から、リナを殺すようなことするわけはないしな。だいたい、あんな稚拙な文しか書けな
い馬鹿に時限爆弾なんて造れるわけないよな・・・なんでこんな簡単なことに今まで気づ
かなかったのか・・・・」
ゼルガディスは、沈痛な顔で呟いた。
「他にもおかしな点はあったわ。まず、日曜日なんてめったにいないゼロスがいたっても
変だし、やたらと無口だったしね。それに電話渡した時、『リナ』って呼んだわよね。ゼ
ロスはあたしのこと『リナさん』って呼ぶのよ。悪いけど。」
イッソンは言われて、ふてぶてしく笑いながら、
「そうだね。あの時は失敗した、と思ったよ。でも、まさかこんなにうまく引っかかって
くれるとは思わなかったよ。こんな穴だらけの計画に、特待生の君たちがね。僕が無口
だったのは、あんまり喋ってボロだしちゃまずいってのもあったけど、笑いをこらえるの
に必死だったんだよ。」
完全に開き直っているのか、おかしそうに笑い出す。
その姿に一同は殺意を湧かせる。
「貴様、笑ってられるのも今のうちだけだ。俺達は容赦しない。勝てると思うな。
行くぞ。みんな。」
ゼルガディスの一言にみんな頷いて、呪文を唱え、剣を抜く。
「そうこなくっちゃつまらないよ、ね。勝てると思うなはこっちのセリフだよ。君たちは
解ってないね。ここは、僕の幻覚(イリュージョン)の中なんだよ。」
イッソンは、うれしそうに言うと、指をぱちんと鳴らす。
その瞬間。
あたりは真っ白い空間につつまれる。
「な、なんだ・・・・っ!?」
「いってらっしゃい。お好きなところへ。」
その言葉を聞きながら、空間のうねりの中に、一同はそれぞれ引込まれていった。





ガウリイは真っ白な教会の中にいた。
教会の中には、一人の少女がいる。
少女は、祭壇にひざまづいて、涙を流して祈っている。
ガウリイは映画を見ているようにその光景を眺めていた。
少女はふらりと立ち上がってガウリイの方を振り返る。
涙で濡れたその顔には、哀しみとも怒りともつかぬ表情が浮かんでいる。
少女は静かに短剣を手に取る。
ガウリイはその場から動けない。体が動かない。
少女は手にした短剣を静かに首筋に運ぶ。
「さよなら・・・・」
少女は微笑み、そして、あたりには美しいほど鮮やかな血しぶきが上がる。
くたりと横たわる少女の身体。
真っ白な教会に、赤い花が咲き乱れているようである。
ガウリイは、ただ黙ってその光景を見つめていた。
その瞳には、なんの感情もない。
あるのは、ただ静寂のみ。
それは、見慣れた光景だった。
なんどもなんども夢に見た光景。わすれられない記憶。
ガウリイは、その光景に背を向けて歩き出す。
しかし、その先には、また白い教会と少女の姿。
さっきから、何度も同じ事を繰り返している。どこに行っても白い教会と少女。
気が狂う。
こんなもの、もう見たくない。
おびただしく流れる血が、白い床を染める。
ガウリイはそっと少女の身体を抱き起こす。少女の身体はもう冷たかった。
ふいにこみあげてくる狂おしい感情がガウリイを支配する。
これは、罠だ。幻だ。
感情を乱されてはいけない。わかっているのに。
ガウリイは冷たくなった少女の身体を静かに床におろし、ふらふらと歩き出す。
その顔は、ぞっとするくらい青ざめていた。





「氷の矢(フリーズ・アロー)!!」
「にゃわわわわわわわわわわわっ!!・・・って、なんでこんなところにいるんですか、
あなたがああああああっ!!」
「お―――――――ほっほっほっほっほっほっほっ!!あまいわよ。アメリア。この白蛇
のナーガのすることに、いちいち理由があるとでも?」
「そうじゃなくってえ!!・・・はっ!これもイッソンの陰謀ね!!いいでしょう、姉さ
ん!例え、相手が身内でも、悪の手先になったあなたの行いを見逃すわけにはいきませ
ん!!」
「ふっ。おもしろいじゃない。きなさい。あんたの腕前みせてもらうわ!!」
稲妻をバックに激しくにらみあうアメリアとナーガ。
ふたりは同時に呪文を完成させる。
「正義の鉄槌!!火炎球(ファイヤー・ボール)!!」
「あまいわね!!氷結弾(フリーズ・ブリッド)!!」
ぱきいいいいん。
相互干渉して消滅する二つの魔法。
「な・・・なんで?」
「そんなことも知らないの?まだまだね。修行が足りないわよ、アメリア。いい?火炎球
(ファイヤー・ボール)と氷結弾(フリーズ・ブリッド)は相互干渉してああなるのよ。
覚えときなさい。」
「はーい。」
言って条件反射でメモを取り出すアメリア。
「ええっと・・火炎球(ファイヤー・ボール)と氷結弾(フリーズ・ブリッド)
は・・・・はっ!!こんなことしてる場合じゃ・・」
「氷の矢(フリーズ・アロー)!!」
ナーガの不意打ちを、気合でなんとかかわすアメリア。
しかし、かわしそこねた一つの氷の矢がアメリアの腕をかすめる。
「人の習慣につけこむなんて、なんて卑怯な!!いくら家族でも許せません!!」
「ふっ。自分の愚かさを棚にあげて、卑怯者よばわりとは聞いてあきれるわね。
情けないわよ。アメリア!そんなことで、この私、白蛇のナー・・・」
「氷の矢(フリーズ・アロー)!!」
「きゃああああああっ。危ないじゃない。何するのよ!ひとの習慣につけこむなんて最低
よ!!」
「なにを言ってるんです!やられたらやりかえす。これも正義です!!さあ、そろそろ本
気でいきますよ。」
「ふっ。妹の分際でこの白蛇のナーガに勝てると思ってんの!?」
「勝てます!!わたしの血潮に熱い正義の力が流れているかぎり、わたしのこころはくじ
けないわ!!行くわよ!姉さん!」

かくて。
不毛な姉妹喧嘩はえんえんと続く。





「いやああああああああっ!!」
ミリーナの叫び声があたりを支配する。
「いやっ!!いやっ!!いやああああっ!!」
「落ち着け!!ミリーナ!!ミリーナ!!あれは幻覚(イリュージョン)だ!!ミリー
ナ!!」
ルークはミリーナの肩をがくがく揺さぶる。
イッソンに見せられた幻覚(イリュージョン)によって、ミリーナのこころは完全に絶望
と恐怖に覆われていた。
ある暗い小さな部屋。部屋の中には、無数のクリスタル筒。数人の魔道士の男達。
そして、その部屋の扉の前には、まだ幼さがのこるミリーナの姿。
その肩が小さく震えている。
その幼いミリーナの末路は誰よりもよくミリーナ自身が知っている。
その部屋に入っちゃだめ。その部屋に入らないで。
叫ぶミリーナをよそに、幼いミリーナはドアを開けた。
そして、ミリーナは過去の映像を前にして、狂ったように叫びだしたのだった。
「ミリーナ!!俺を見ろ!!しっかりしろ!!」
パン!
ルークの平手打ちに我にかえるミリーナ。
「・・あ・・・?ル、・・ルーク・・・?」
「今のは幻だ。現実じゃない。ここは、日本だ。大阪で、俺達はイッソンの罠にはまって
るんだよ。だから、大丈夫だ。大丈夫だから、な。」
ルークはぎゅっとミリーナを抱きしめる。
ミリーナはがくがく震えながら首を振る。
「違う・・あれは・・現実・・まぼろし・・?あ・・ああっ!!いや、いやっ!!はなし
て!!」
ミリーナはルークを突き飛ばして走り出す。
「だめだ!!ミリーナ!!はぐれちまう!!行くな!!」
あんな状態のミリーナを一人にさせたらどうなるか。
想像しただけで、背中に寒いものが走る。
ルークは夢中でミリーナを追いかけていた。





しゃらん。
「おい・・・・」
しゃらん。
「あんた、また出てくる気かよ・・・・」
ゼルガディスはため息を吐く。遠くから聞こえてくる錫状の音は徐々に近づいてきてい
る。
しゃらん。
さっきから、数えるのも馬鹿らしいくらいの戦いを繰り返している。
霧の向うから、赤いシルエットがふわりと浮かぶ。
「もう、いいかげん飽きないか?」
「いいえ。今回の私はさきほどとは違います。覚えていますか?ゼルガディス。あの遠い
日の戦いを。サイラーグの街の名を。」
声は思ったよりもずっと近くでした。
だが、まだ姿が見えない。
「サイラーグ??なにを言っている?俺はそんな街は知らんぞ。だいたい、遠い日の戦
いって、俺はさっきあんたと戦ったばかりじゃないか、レゾ。」
しばらくの沈黙のあと、声は言う。
「そうですか・・あなたはまだ何も思い出してはいないようだ。いいでしょう。すこし、
お手伝いしましょう。」
急にあたりがぐらっと歪む。
そして、目の前に飛び込んでくる映像。

『もうやめろ!――あんたがあんなにも見たがっていたこの世界じゃねえか!それをなん
で壊しちまうって言うんだよ!レゾさんよ!』
地面に這いつくばって叫んでいる自分、同じく倒れているガウリイ、光の剣で黒い闇を吸
収しているリナ。そして、魔王シャブラニグドウ。

「・・これ・・は・・・」
明らかに見た事のある映像である。
「思い出した・・・・そうだ・・・・俺は・・・俺達は・・・・」
ゼルガディスは、その映像を前に、長い間立ち尽くしていた・・・





リナは走っていた。
何がどうなっているのかは、わからない。
もう、考えたくもない。
だが、問答無用で敵は攻めてくる。考える余地も与えずに。
「烈閃槍(エルメキア・ランス)!」
横手からの攻撃にリナは身を軽くひねってかわす。
本日三度目のアメリア。
「魔風(デイム・ウィン)!」
リナはアメリアの動きを一瞬止まらせて、そのすきに走り出す。
さっきから、なんどもこの手で敵から逃れている。
ゼルガディスは3回。ルークは2回。ミリーナは3回。ゼロスは2回、いや3回だった
か。
そんなことはどうでもいいが、みんなそろって攻撃してくるのだ。
もちろん、イッソンの罠であることは間違いないのだが、万が一、本人ということもある
かもしれない。操られている、という可能性もないことはないのだ。
というのも、こんな入り組んだ幻覚(イリュージョン)を使えるなんて、どうも人間とは
思えないところがあるのだ。普通、腕のいい幻覚使い(イリュージョン・マスター)で
も、せいぜいが、3人同時に幻覚をかけるのが限度。それを、こんな大人数に、それもこ
こまでリアルに、しかも音つきで使えるなんて、魔族かとも思いたくもなるものである。
その時、ふいに背中にいやな悪寒が走る。
あわててその場から飛びのくリナ。
しかし。
あつい衝撃が右足に走る。
振り返らなくても誰かはわかる。
この攻撃は・・・
「逃げられんぞ。リナ。」
ゆっくりと振り返ると、ガウリイが冷たい視線でリナを見下ろしていた。
その手に光の剣を構えながら。
ガウリイの構えには、全くスキがない。彼が普段そうであるように。
これでは、にげたくても逃げられるはずはない。
倒すしかないのだ。
これは、イッソンの罠だ。イッソンの幻覚(イリュージョン)だ。
それはわかっている。ここのいるのは、ガウリイではなくイッソンなのだ。
「あたしを殺すの?」
リナはガウリイの目をまっすぐに見つめた。
「殺しはしない。捕まえるだけだ。」
ガウリイは冷酷な顔で言った。
「捕まえてどうするのよ。」
「こうするのさ。」
ガウリイはやおらリナの両手首をつかんで、そのままリナを押し倒す。
「・・・!!」
冗談ではない。こんなガウリイ、もといガウリイの姿したイッソンなんかにどーにかされ
るくらいなら、それこそ死んだ方がマシである。
リナはじたばた暴れるが、ガウリイの身体は一向に動かない。
「いたっ!!」
リナはむりやり髪の毛をひっぱられて、悲鳴をあげる。
「ふふふふ。もっと痛いって言えよ。さあ、痛いって叫んでみろよ。」
ガウリイは狂喜の笑みを浮かべながら、リナの髪をぐいぐいひっぱり頭をむりやり床に押
し付ける。
こいつはぜったいにガウリイじゃない。ガウリイは絶対にこんなことはしない。
ガウリイの姿でこんなことをするのは許せない。
「さあ、悲鳴をあげろ!!叫べよ!!泣き叫べ!!それは我らの力になる!!」
リナの髪を、顔を、身体を、わしづかみにして、ガウリイ、いや、イッソンは叫ぶ。
痛みでうめき声をあげそうになるが、リナは歯をくいしばる。
今叫んだら全てが終わってしまう。
こんなやつなんかに、死んでも叫び声などあげない。涙など見せてたまるか。
このあたしにこんな狼藉を働いたこと、後悔させてやる!
「神滅斬(ラグナ・ブレード)!!」
リナの一撃にガウリイ、いやイッソンは信じられないものを見たかのような顔をし
て、その場に倒れこんだ。
そして、程なく跡形もなく消え去る。
それが、狂気のストーカーの最期の姿だった。





さああああああああっ。
砂が零れ落ちるような音を立てて、その家は崩れていった。
あたりには、ただ一面の野原が広がっている。
どうやら、このあたりは野原だったらしい。遠くに大阪城が見えた。
やがて、現れる見慣れた面々。
「みんな・・・!!無事だった!?」
リナは、みんなに駆け寄る。
「な、なにがどうなったの・・?」
アメリアが呟く。その姿は怪我だらけである。
「イッソンを倒したから、やつの幻覚(イリュージョン)も解けたのよ。それより、アメ
リア。どうしたのその怪我。」
「リナさんこそ、どうしたんです?その格好。」
言われて、リナは初めて自分の姿に気がつく。
全身はだけていて、髪はぐちゃぐちゃ。あちこちに青あざができている。
そして、右足には血が滴り落ちている。
あわてて、身を取り繕うリナ。
しかし、誰もリナのことを見てはいなかった。
ルークは青ざめたまま、気を失っているミリーナを抱きかかえ呆然としている。
ゼルガディスは、一同を眺めてはいるが、その目は遠いところを見ている。
ガウリイは、顔面蒼白の悲愴な顔で、ぼんやりと空を見ている。
その異常な光景にリナは言葉を失う。
「何があったんでしょうか・・?みなさん、放心しちゃってる・・・」
比較的元気な声でアメリアはリナにぽつりと話しかける。
「さあ・・・・でも、イッソンのことだから、かなりいやな目にあったんじゃない?あた
しも実際いやな目にあったし、あんたもそうでしょ?」
「ええ、まあ・・・でも、こんなに放心するほどのことじゃなかったですよ。」
「あんたやあたしは、物理攻撃にあってたみたいだけど、あの4人は精神攻撃にあってた
んじゃないかな・・実際、イッソンは魔族だったみたいだし。負の感情を食べようとして
たんじゃない?そんなようなこと言ってたわよ、あいつ。」
「へー。そうだったんですか・・・」
「ま、それはおいといて、よ。ちょっと、あんたたち!!もう終わったわよ!!しっかり
しなさいよ!いつまでぼーっっとしてんのよ!」
リナはルークやゼルガディスをゆさゆさ揺さぶる。
「あ・・・・?わ、悪い。ちょっと、衝撃的なことがあってな・・・現実に順応するのに
時間がかかってたんだ・・・」
ゼルガディスが疲れた声で呟く。
「なーに、情けない事言ってんのよ。あたしなんて、死ぬほどいやな目にあったっての
に、もうピンピンしてるわよ。男はもっと、何事があってもドカーンと大きく構えてな
きゃだめよ。」
「あんたは気丈にできてるかもしれんが、俺のミリーナは繊細のできてるんだよ。
おーい、ミリーナ。起きろ。もう大丈夫だぞ。起きないとキスするぞ(はあと)」
ルークはぱちぱちミリーナの頬をたたく。
「それだけはやめて・・・ちなみにあなたのでもないわ・・・」
ミリーナは気分悪そうに、それでもツッコミ忘れずに起き上がる。
「ちっ。起きたか。まあ、そんだけツッコミいれられたら大丈夫だな。よかったよかっ
た。」
二人の会話を後ろに聞きながら、リナはガウリイのところに歩み寄る。
「ガウリイ。」
ガウリイはぼーっとリナの顔を見つめる。
そして、急にリナを抱きしめる!
「なっ・・なにすんのよ、あんた・・・!!ちょっと!!」
「うわーっ!!ゼルガディスさん!ミリーナさん!ルークさん!退散しますよ!
いきなりラブラブモード突入です!!」
「おーい。番組まちがえるなよな。ここは、スレイヤーズ。そうゆうのは、月曜9時にやっ
てくれ。」
そんなことを言いながら、本気で去っていく4人。
ガウリイの腕は離れない。それどころか、強く抱きしめる一方である。
「ガ、ガウリイってば。ちょっと・・くるしいよ・・・」
「リナ・・・オレ・・・」
ガウリイはいきなり全体重をリナにかけてくる。思わずその場に倒れこむ二人。
この時、茂みの陰に隠れていた例の4人のこころは、
――――いけー!やっちまえー!――――
――――昼間から、いいのか?こんな展開で・・・――――
――――子供が見てたらどうするんです?――――
――――きゃー!きゃー!きゃー!きゃー!――――
と、なっていたが、そんなことには全くきづかずに、ガウリイは言った。
「腹減った・・・・朝からなんにも食ってなくて・・・もうだめ・・」
リナの無言のアッパーに、ガウリイの身体は大阪の空に舞った。






「おかえりなさい。皆さん。大変でしたねえ。あ、こんなものが来てますよ。」
ゼロス(本物)は、にこやかに微笑んで、紙をちらつかせた。
は―――――っ。
長い長いため息をついて、がっくり肩を落とす6人。
あのあと。
一同は、なんと警察に囲まれて、やむなく手錠をはめられ、一晩お世話になってしまった
のだ。無駄な抵抗はやめろー!!とか言われて、まるっきし極悪大罪人扱いである。
実際、国際軍の基地に乱入して、軍人を問答無用でなぎ倒し、戦闘機を強奪し、追手の戦
闘機を迎撃して、撃沈したのだから、立派な犯罪人なのだが。
それでも、一晩で済んだのは、リナを始めとする一同のあばれっぷり、もとい、一同の必
死の事情説明と、まだ未成年であること(のぞく2名)、そしてガウリイの知り合いの軍
のお偉いさんの口利きのおかげであった。
もっとも、ガウリイはかなり叩かれたが、いままでの軍での成績と人望の厚さ、そしてな
により、誰も死亡者を出さなかった、ということでたいした罰はなかったのだ。
そう。信じられない話であるが、ジェイクは生きていたのだ。
ガウリイ曰く、爆発する寸前ジェイクが脱出したのが見えたらしいが、どうやら本当だっ
たらしい。
ジェイクは危なくなると、いつも自分だけ先に脱出して、敵の機体に自分の機体を突っ込
ませて敵を落とす、という非情極まりない作戦をとるということなのだ。
「今度、ラーメンセットおごるから。」
の、ひとことでジェイクの機嫌はなおり、めでたしめでたし、である。
それは、ともかく。
「て、停学・・・・・・」
リナは、ゼロスから紙を奪って呟く。
「毎日反省文10枚ずつ、だそうですよ。ま、がんばってくださいね。」
ゼロスは、やたらと明るい口調で言いながら、ひよこ饅頭をほおばる。
「ああ、そうそう。このひよこ饅頭どこから出たか、知ってます?」
「知るわけないでしょ。んなもん。」
なかば、なげやりに言うリナ。
「あ・そ・こ」
ゼロスがウィンクして、指した手の先には。
イッソンからの例の爆弾木箱があった。
「いやあ、警察の方たちが捜査してると、爆弾がころっと割れましてね。その中にひよこ
饅頭がぎっしり、だったんですよ。皆さんも、おひとつどうです?」
『いらんわー!!!!!!』
リナ達の叫びはみごとにハモったのだった。


なにはともあれ。
正義館のドタバタは、まだまだ続きそうである・・・




ストーカー編終わり。



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1829Re:再掲示「ここは正義館エピソード3」ブラントン 3/20-17:12
記事番号1813へのコメント
 はーい、該当者その1です。

 私は全体と1話と2話、合わせて3つ送らせていただきました。
 私の他にも、少なくとも一人はいらっしゃったみたいですけど……
 まあ、それは読んでもらえなかった私の運がなかったということで。(文書は保存してあります
けどね)

 はい、では3話です。

 私も謎解きものを書いたことがある手前、こういう気持ちはなんとなくわかります。
 いわく、「いかにバレないように伏線を張るか」ですよね。
 これではぜんぶで6つその根拠となるものがあげられていますが……
 まず、日曜はふだんいない、というのとメカ音痴というのはどうやら情報なさそうなんで放って
おいて……(あったらすみません!)
 ゼロスに指示がないというのは、弱いのでパス。
 で、次が戦闘機の点。
 知るはずのないことを知っているから、犯人はこの中にいる、というのは定番ですけど、やっぱ
り有力な使い方だと思います。
 で、注目すべきは2話でガウリイとゼルがそのことに触れている点。
 あれは、ヒントなのでしょうか? でも戦闘機のことを知っているからといっても、犯人を特定
できるわけではないですし、それに犯人がこの中にいるということは2話のうちでわかってしまい
ますから、推理の材料としては元から外されていたのでしょうか。
 3番目は呼び方の点。
 これはせっぱつまった状況ですから、読むほうもかなり早く読むんですよね。
 そのために冷静になって考えれば簡単にわかることでも、意外と見落としてしまう。うまいと思
います。わかりやすいですしね、間違いが。
 最後に無口だという点。
 ……これは感嘆しました。
 やたらと無口だというのは、その前日の朝から比べて考えればわかることですけど、そのために
は実際前日の朝に、いっぱい喋らせなきゃならないわけです。
 で、読んでみるとホントにいっぱい喋ってるんですよ。
 とはいっても、たかが1日だけ参考にしてそんなこと割り出せるかいな……と思っていたのです
が……
 ここで考え直してみると、この話は「未来転生」が入っているんです。
 この後のゼルの部分を見ればわかるとおり、どうやらこの話と原作は何らかの関係があるわけで
、転生ということはキャラの性格も基本的にそのまま(除ミリーナ)になるわけです。
 つまりゼロスの性格も原作を元に考えてよいということになり、それで無口なゼロスが初めて疑
う根拠になってくるわけです。
 ……いやーあ、ここまで詳細に設定していたとはびっくり!
 たかが犯人の根拠の一つにここまでこだわるとは……
 細かいところでシブい(死語)点が多々見られる(ここは前の感想に書いてあったんです)話だ
とは前々から思っていましたが、正直言って脱帽です。

 続いて幻覚の中。
 まずこれは登場の順番にもこだわりが感じられました。

 たとえば、アメリアはこの中で唯一ギャグですが、これはどう考えても最初には持ってこられま
せん。最後はリナに決まっているのでいいとして、その前も無理ですね。
 また、叫び声で始まるのも幻覚の中という感じがしないのでミリーナもだめです。
 ゼルは、書き方次第では最初に持ってくることも可能かもしれませんが、ここでの謎は一キャラ
ではなく物語全体にまで影響を与えそうな重要事項なので、出てくるのは後にした方がいいでしょ
う。
 それで、ガウリイが一番手になるわけです。
 まあ逆に、ガウリナ路線ならばガウリイの過去というのが個人的謎ではいちばん重要な位置を占
めるので、リナとは離すというのも考えて最初というふうにも考えられますけど。

 同時にすごいのは、5つ全部が表現方法が違うということです。
 最初のガウリイはセリフを少なく、過去の回想(正確には幻覚)だということ、悲劇だというこ
とを象徴しているかのようになっています。
 次のアメリアはギャグ。やたらと会話を増やし、前のとは完全に方向性を変えることで「なんだ
なんだ!?」と読者をいっきに引き込ませるように感じられます。その中にじつはナーガも存在す
るのだというネタばらしをしつつ、ですから。うまいです。
 次のミリーナは過去と現在を両方描いています。ここにルークも登場させることによって、ガウ
リナに続いて二人の関係も成立するんだよ、ということを表しています。じつはゼルアメって少な
いですから、これが2番目の位置づけかな?
 その次のゼルは客観的な三人称でもってきています。前の二つから戻して最初のガウリイと同じ
ように静かな雰囲気を醸し出しています。とくに最初の「しゃらん。」3回は見事。
 最後がリナ。これは私には全部総合した位置づけに感じられました。
 暗く、激しく、どことなく他のに似ているんだけど、どれとも違う。そんな感じがしました。
 この幻覚シーンはどれも甲乙つけがたいです。全部すばらしい。
 
 で、最後。
 ここは一転して再びギャグに入るのがまた、っぽくっていいんですよねー。
 まるでTVシリーズでも見ているかのようにオチを持ってくるのが、やっぱり細かい。

 では、今回のベストシーンと名ゼリフを。
 前者はリナの幻覚。ガウリイのもいうことなしで最高なんですけど、リナの方が緊迫感があって
よかったです。個人的には戦闘後のギャグシーンも好きなんですけど。
 後者はやっぱり同じシーンからイッソンの「さあ、悲鳴をあげろ!!叫べよ!!……」というセ
リフ。最近そういうセリフには縁がなかったので個人的にものすごく気に入りました。ついでにこ
ちらの一押しはルークの「おーい。番組まちがえるなよな。……」。

 そしてストーカー編終了……と。
 どこまで続かせるのかは知りませんが、出だしとして良かった作品だったと思います。
 ただのノリでできた短編ではなく、謎があるんだぞということを匂わせておいて、しかもギャグ
とシリアス両方の面も見せておく。
 読者層の獲得としては全く文句なしですね。ただただ見事。
 かくいう私もすっかり虜です。はやく続きを書けえーーーーーー(念力)。
 では、3話の感想はこれにて終了だぞ、と。(誰だあんた)

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1834ブラントンさま。感想ありがとうございます。えれな E-mail 3/21-00:22
記事番号1829へのコメント
ブラントンさん、感想ありがとうございます。
なんか・・・・非常によく分析されて、正直「ひーーーーっ!!そこはつっこまないでーー!」てなとこが
多々ありましたけど(笑)、非常にうれしいです。ためになります。
で。

> はーい、該当者その1です。

すいませんすいませんすいませんすいません!!

> 私は全体と1話と2話、合わせて3つ送らせていただきました。
> 私の他にも、少なくとも一人はいらっしゃったみたいですけど……
> まあ、それは読んでもらえなかった私の運がなかったということで。(文書は保存してあります
>けどね)

あの・・・・よろしかったら、その文書をメールで送っていただけないでしょうか・・
ブラントンさんの感想、非常にためになるので・・暇な時でいいのでお願いします。
いやなら構いませんけどせっかくだから(笑)

> 私も謎解きものを書いたことがある手前、こういう気持ちはなんとなくわかります。

実は、えれなはこれが初めてだったりします(笑)
というか。なにかのパロデイというのもこれが初めてだったりするんです。はい。

> いわく、「いかにバレないように伏線を張るか」ですよね。
> これではぜんぶで6つその根拠となるものがあげられていますが……
> まず、日曜はふだんいない、というのとメカ音痴というのはどうやら情報なさそうなんで放って
>おいて……(あったらすみません!)

すいません!これは完全に反則ネタだ・・・・と思いつつ書きました(爆)
日曜はあんまりいない・・・というのは入れるの忘れてたんです(爆)

> ゼロスに指示がないというのは、弱いのでパス。

ごもっともです。これも苦しいなあ・・と思いつつです。見抜かれちゃいましたねえ(笑)

> で、次が戦闘機の点。
> 知るはずのないことを知っているから、犯人はこの中にいる、というのは定番ですけど、やっぱ
>り有力な使い方だと思います。
> で、注目すべきは2話でガウリイとゼルがそのことに触れている点。
> あれは、ヒントなのでしょうか? でも戦闘機のことを知っているからといっても、犯人を特定
>できるわけではないですし、それに犯人がこの中にいるということは2話のうちでわかってしまい
>ますから、推理の材料としては元から外されていたのでしょうか。

いや。ヒントのつもりで書きました。
全然深く考えてません(爆)

> 3番目は呼び方の点。
> これはせっぱつまった状況ですから、読むほうもかなり早く読むんですよね。
> そのために冷静になって考えれば簡単にわかることでも、意外と見落としてしまう。うまいと思
>います。わかりやすいですしね、間違いが。

これはでもゼロスファンの方には気づかれました(笑)
やっぱしみんな見てる(笑)

> 最後に無口だという点。
> ……これは感嘆しました。
> やたらと無口だというのは、その前日の朝から比べて考えればわかることですけど、そのために
>は実際前日の朝に、いっぱい喋らせなきゃならないわけです。
> で、読んでみるとホントにいっぱい喋ってるんですよ。
> とはいっても、たかが1日だけ参考にしてそんなこと割り出せるかいな……と思っていたのです
>が……

この無口なのは・・・・実は、イッソンにゼロスのしゃべりを演じさせるのがつらかったという、えれなの
情けない理由からも来てます(爆)
ただでさえ、イッソンというオリキャラ。そしてその上にゼロスを演じさせる。
ま、これは結構しんどいことだったので。ちょうどいいから無口にして普段のゼロスとの差を強調してしま
おう。と(爆)

> ここで考え直してみると、この話は「未来転生」が入っているんです。
> この後のゼルの部分を見ればわかるとおり、どうやらこの話と原作は何らかの関係があるわけで
>、転生ということはキャラの性格も基本的にそのまま(除ミリーナ)になるわけです。

ぶ。この除くミリーナっての(笑)
そのとおりです(笑)彼女は作者の手を離れて激しく暴走してしまいました。止められないのでそのまま暴
走させます(笑)アニメでゼルやアメリアが一人で暴走した・・・というのがよくわかります(笑)

> つまりゼロスの性格も原作を元に考えてよいということになり、それで無口なゼロスが初めて疑
>う根拠になってくるわけです。
> ……いやーあ、ここまで詳細に設定していたとはびっくり!

ちょっと待って下さいいいっ(笑)それはほめすぎですよお(笑)
えれなはプロットは立てますけど、ほとんど勢いで書いてるからかなりひどいことになってしまって
(笑)、しょうがないからあとで伏線になるように修正する。
という姑息な手段で書いてるんです(爆)

> たかが犯人の根拠の一つにここまでこだわるとは……
> 細かいところでシブい(死語)点が多々見られる(ここは前の感想に書いてあったんです)話だ
>とは前々から思っていましたが、正直言って脱帽です。

これも誉めすぎです(笑)でも誉められてるのでありがとうです(笑)
でも、矛盾もいっぱいありますよ(笑)あえて言いませんけど(笑)

> 続いて幻覚の中。
> まずこれは登場の順番にもこだわりが感じられました。

ここはこの話のメインデッシュですから(笑)
順番は・・・・ガウリイが始め。リナが最後。あとはその場の気分次第♪
てないい加減なノリで書きました(爆)えれなはこーゆーやつです(笑)

> まあ逆に、ガウリナ路線ならばガウリイの過去というのが個人的謎ではいちばん重要な位置を占
>めるので、リナとは離すというのも考えて最初というふうにも考えられますけど。

う〜ん。それは半分あたりで半分はずれです(笑)
つーか、ここ。ガウリイの過去がメインと見せて・・実はメインはゼルなんですね(笑)ばらしちゃうけど
(笑)でもゼルを最初に持ってくるとそれが目立っちゃうなあ・・てのと。やっぱ、スレイヤーズはガウリ
ナがメインだわ♪とかいう個人的なものから、ガウリイが始め。リナが最後に持って来たんです。

> 同時にすごいのは、5つ全部が表現方法が違うということです。
> 最初のガウリイはセリフを少なく、過去の回想(正確には幻覚)だということ、悲劇だというこ
>とを象徴しているかのようになっています。

ひいいっ。そんなすばらしーこと考えてないですっ!(笑)
ただ、ちょっとシリアスでどかんといったら印象的だろうなーとか思っただけで(笑)

> 次のアメリアはギャグ。やたらと会話を増やし、前のとは完全に方向性を変えることで「なんだ
>なんだ!?」と読者をいっきに引き込ませるように感じられます。その中にじつはナーガも存在す
>るのだというネタばらしをしつつ、ですから。うまいです。

いや。ここはえれなの趣味です(笑)
シリアスばっかりだとえれながしんどいから(爆)

> 次のミリーナは過去と現在を両方描いています。ここにルークも登場させることによって、ガウ
>リナに続いて二人の関係も成立するんだよ、ということを表しています。じつはゼルアメって少な
>いですから、これが2番目の位置づけかな?

ふ。ルークとミリーナが個人的に好きなんです(笑)
そして、ゼルアメは好きだけど、なぜか書けない(笑)というか、アメリアが実は書きにくいんです。
彼女が書けないとゼルアメが成り立たないから、必然的にこうなちゃっただけです。
それに現時点で一番らぶらぶしてるのってルーク・ミリーナだし(笑)

> その次のゼルは客観的な三人称でもってきています。前の二つから戻して最初のガウリイと同じ
>ように静かな雰囲気を醸し出しています。とくに最初の「しゃらん。」3回は見事。

しゃらん。は、無印の時にすごく印象的だったからです。レゾ氏も好きだから(笑)

> 最後がリナ。これは私には全部総合した位置づけに感じられました。
> 暗く、激しく、どことなく他のに似ているんだけど、どれとも違う。そんな感じがしました。
> この幻覚シーンはどれも甲乙つけがたいです。全部すばらしい。

ありがとうです。ここは自分でも自分にしたらさらりとかけたので気に入ってもらえるとうれしいです。
 
> で、最後。
> ここは一転して再びギャグに入るのがまた、っぽくっていいんですよねー。
> まるでTVシリーズでも見ているかのようにオチを持ってくるのが、やっぱり細かい。

この話はスレイヤーズのアニメの方に近いですから。原作も好きなんですけど、ギャグが好きだし(笑)

> では、今回のベストシーンと名ゼリフを。
> 前者はリナの幻覚。ガウリイのもいうことなしで最高なんですけど、リナの方が緊迫感があって
>よかったです。個人的には戦闘後のギャグシーンも好きなんですけど。
> 後者はやっぱり同じシーンからイッソンの「さあ、悲鳴をあげろ!!叫べよ!!……」というセ
>リフ。最近そういうセリフには縁がなかったので個人的にものすごく気に入りました。ついでにこ
>ちらの一押しはルークの「おーい。番組まちがえるなよな。……」

なんかこうして書いて下さると非常にうれしいです。
イッソンの叫びは自分でも「怖いよう」と思いつつ書きました(笑)
ルークのツッコミはこの話全体に言えるでしょーがっ!って突っ込まれましたけど(笑)

> ただのノリでできた短編ではなく、謎があるんだぞということを匂わせておいて、しかもギャグ
>とシリアス両方の面も見せておく。

これも言いましたけど、やっぱしスレイヤーズのアニメを見習ってます。

> 読者層の獲得としては全く文句なしですね。ただただ見事。

そ。そーですか。えれなの趣味つめあわせただけなんですけど(笑)

> かくいう私もすっかり虜です。はやく続きを書けえーーーーーー(念力)。

きゃーーーーーっ!!(笑)許してーーーっ!今スランプ(つーか、年中だ)なのーーっ!!
納得いかないのアップするわけにもいかないので・・・・すいません(笑)気長に待ってて下さい〜

> では、3話の感想はこれにて終了だぞ、と。(誰だあんた)

ほんとにありがとうです♪
こんなに感想していただいたら、書いた価値がありました。
はじめは、誰も読んでないのかもね・・・ふ・・・ま、あんまし反応なかったら消えよう(笑)
とか思ってたのに(笑)
読者あっての作品ですので、うれしかったです。では。なるべく近いうちにまた(笑)



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1849というわけで再掲示します。ブラントン 3/21-17:38
記事番号1834へのコメント

 しかしなぜこう読みにくくなってしまうのか……

 えれな様、了解です。こちらこそお世辞でもそういっていただけると嬉しいです。
 それにここまで各部に丁寧なコメントを書いて下さるのでしたら、それこそ書いたかいがあったというものです。

 ……でも、わたしは親の都合でメールアドレスは教えられないのです。(といっても別に深刻な事じゃないんです
けど)
 ですから再掲示という形で勘弁していただきたいと思います。

 ついでにごめんなさい。
 他の3つはそこまで細かく書いてません。
 今回はなぜか特に気合いが入っていたのでこうなったのです。

 では、レスのレスです。

 ……まず、文書体をああいうふうにしたのは、ただ気取ってみたかっただけです。
 いやだって、断定してかないと書きにくいんです、ああいう感想は。
 のでかなりハズしてる部分等「こいつばっかでーっ!」とか大笑いしたでしょうが、気にしないで下さい。

 謎解きものですが、私のヤツだって読めば一目瞭然。穴ありまくりです。
 そこらへんは、
『「まあ、スレイヤーズだからね」と、しごく妥当な評価を……』
 受けてない受けてない。
 ……にしても初めてだったんですか。それでいきなりあれを書くとは……
 でもオリジナルは書かれていらっしゃったんですよね?

>これはでもゼロスファンの方には気づかれました。

 そうですか、気づかれちゃいましたか……
 私はわからなかったんですけどねー。

 無口な点は、無口にしたことが重要なのであって、その理由は情けなくてもいいのです。
 それにオリキャラが難しいのは心の底から同感です。経験談。

>ちょっと待って下さいいいっ(笑)

 いや、書いててあとで自分も気がつきました。
 考えてみれば、未来転生がどーたらこーたらいったって推理を展開したリナにとっては関係ないわけで、ゼロスが
無口なのがおかしいというのはやっぱり過去の正義館での生活から来ているわけです。
 でも読者にはそんなことわからない。でも逆にその未来転生から来る根拠が使える。
 つまり一つの結論を導き出すのに、二通りの筋道が用意されていたというこれまた素晴らしい……ってそんなこと
考えてなかったのですかぁ?
 伏線になるように修正するってことは結局伏線にしたんでしょう?

>ひいいっ。そんなすばらしーこと考えてないですっ!(笑)
>ただ、ちょっとシリアスでどかんといったら印象的だろうなーとか思っただけで(笑)

 それがそうなんですって。
 そこまで考えてる時点で既にすごいんです。

>いや。ここはえれなの趣味です(笑)

 そうあっさり否定されると部下Sみたいに悲しくなるです……
 と、それはおいといて、今後ナーガは登場するのでしょうか?

>ふ。ルークとミリーナが個人的に好きなんです(笑)

 上に同じ。じつはガウリナよりも好きだったりする不届き者。
 でもいちばんらぶらぶでしょうか? 私は一話ラストのガウリナには全然勝らないと思うのですけど……
 それと、実は私ゼルアメしか書いたことないのです。しかも超短編で。人様のネタで。
 というより私にらぶらぶは無理だと開き直ってます。

>読者あっての作品ですので、

 あ、これ私も自分の作品のあとがきで書いたことあります。
 でもその後で、「おい読者! こっちは気合い入れて書いてんだからちったあマジメに考えて読めってんだ!」な
んてケンカ売ってましたけど。いや、ギャグでですよ。

 えれな様への感想、すごく多いじゃないですか。
 それって普段からの掲示板での交流や、感想には必ずレスを返すその姿勢もあるかもしれませんけど、やっぱりい
ちばんに作品が素晴らしいからだと思うんです。
 読ませていただいたせめてものお礼として、私の心からの感想を! と思っちゃいますしね。
 では、続いて4話の方、読み直してきます。


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1898というわけで再掲示のレスします(笑)えれな E-mail 3/24-03:55
記事番号1849へのコメント
ブラントンさんいろいろお世話かけました。えれなのわがまま聞いて下さってほんとにありがとです♪


> ……まず、文書体をああいうふうにしたのは、ただ気取ってみたかっただけです。
> いやだって、断定してかないと書きにくいんです、ああいう感想は。
> のでかなりハズしてる部分等「こいつばっかでーっ!」とか大笑いしたでしょうが、気にしないで下さい。

いえいえ。とーーーんでもないです。ほんとに、よく分析されてて、感動しました。えれなのこんなつたない小説にここまで
つっこんで書いて下さった方は始めてでしたし。素直にうれしかったですよ。

> 謎解きものですが、私のヤツだって読めば一目瞭然。穴ありまくりです。
> そこらへんは、
>『「まあ、スレイヤーズだからね」と、しごく妥当な評価を……』
> 受けてない受けてない。

ふ。これ。えれなもよく言いわけに使います(爆)ああ。神坂せんせい。ごめんなさいっ!(笑)

> ……にしても初めてだったんですか。それでいきなりあれを書くとは……
> でもオリジナルは書かれていらっしゃったんですよね?

いーえ。オリジナルでも推理ものは初めてです。というか、オリジナルだって今まで書いたものたったの3本しかないです
(笑)そのうち未完が2本(爆)超短編18禁が一本というふざけた内容です(笑)
ま、ここでは公開できないようなスレイヤーズ作品はこれと平行して何本か書いてますけど(爆)

> いや、書いててあとで自分も気がつきました。
> 考えてみれば、未来転生がどーたらこーたらいったって推理を展開したリナにとっては関係ないわけで、ゼロスが
>無口なのがおかしいというのはやっぱり過去の正義館での生活から来ているわけです。
> でも読者にはそんなことわからない。でも逆にその未来転生から来る根拠が使える。
> つまり一つの結論を導き出すのに、二通りの筋道が用意されていたというこれまた素晴らしい……ってそんなこと
>考えてなかったのですかぁ?

考えてません(爆)えれなは何も考えてない人だ(笑)

> 伏線になるように修正するってことは結局伏線にしたんでしょう?

まあ。後から見た読者からすればそうなりますね。えれなが姑息な書き方してても言わなきゃわかんないし(笑)
そういうことにしときましょう(笑)

>>いや。ここはえれなの趣味です(笑)
>
> そうあっさり否定されると部下Sみたいに悲しくなるです……

ごめんなさい(笑)えれなはミもフタもないこと言うヒトなのです(笑)

> と、それはおいといて、今後ナーガは登場するのでしょうか?

出ません。たぶん(笑)。万が一出るとしたら、きっとギャグでしょう(笑)

>>ふ。ルークとミリーナが個人的に好きなんです(笑)
>
> 上に同じ。じつはガウリナよりも好きだったりする不届き者。

いえいえ。ガウリナの方って結構多いようで少ないですから。
えれなはどんな趣味の方でもスレイヤーズをけなしたりしない限りは全然気にしませんよ(笑)

> でもいちばんらぶらぶでしょうか? 私は一話ラストのガウリナには全然勝らないと思うのですけど……

ああ。これは原作の話です。原作で、一番らぶらぶしてるのはルーク・ミリーナだという意味です。

> それと、実は私ゼルアメしか書いたことないのです。しかも超短編で。人様のネタで。
> というより私にらぶらぶは無理だと開き直ってます。

いえいえ。らぶらぶも一度試してみたらどうです?(笑)
案外、書けるものですよ。えれなだってらぶらぶなんて書けない。と思ってたけど18禁まで書けるようになってしまいました
(爆)人間、できないことってないかもしれません(笑)


> えれな様への感想、すごく多いじゃないですか。
> それって普段からの掲示板での交流や、感想には必ずレスを返すその姿勢もあるかもしれませんけど、やっぱりい
>ちばんに作品が素晴らしいからだと思うんです。

いえいえ。誉めすぎですう。みんな義理で感想下さってるいい方々ですよ(笑)
それに、ネット上にはお友達&知り合いが多いですし(笑)某くらぶの部員ですから(笑)
ではでは。レスにレスまで下さってほんとにありがとおです♪


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1814再掲示「ここは正義館エピソード4・前編」えれな E-mail 3/20-06:21
記事番号1809へのコメント

ここは正義館

エピソード4.カミに誓って戦おう!前編





コンコン。
ノックの音に、ゼロスは口に運ぼうとしたコーヒーを、机におく。
「はいはい。開いてますよ。」
カラカラッ。
静かに扉が開く。
「おやおや、あなたですか。今日はまた、どういった用件です?」
ゼロスは、おおかた想像はついているにもかかわらず、わざと聞いてみる。
「……………・・」
「はいはい。そんな顔しないでください。わかりましたよ。そんな所でつっ立ってな
いで、入ってきてください。人に聞かれてこまるのはあなたでしょう?」
言ってにっこり笑いながら、扉を閉めて理科室に招き入れる。
「ドアを開けっ放しにしてると、暑いですからね。では、本題にはいりましょうか。」
そう言うと、ゼロスは白衣を脱ぎ始めた。




7月の上旬。
容赦なく照りつける太陽と生温かい湿気に人々がうんざりする季節。
世間は夏であった。
だが。
S高は、異常なまでの暑さ、北極を思わせる寒さとがミックスされた、一種異様な雰囲気
に包まれていた。
例えば、校舎の裏の林の中で、ちょっとあぶないお兄さん達が無言でセミと共に、木にぶ
らさがっていたり、気を抜くと頭上からちょっぴりお茶目な変態おじさんが降ってきた
り、気がつけばあやしい儀式の生け贄にされかかっていたり、下駄箱のなかにリカちゃん
人形とマヨネーズが詰まっていたり、といった笑い飛ばせる程度の怪奇事件が、日常茶飯
事になっているのだ。
そう。S高は期末テスト前なのである。
S高がある意味一番活気にあふれる時期である。
というのも。
S高には、世にもおそろしい規則があるのだ。
つまり。
「テストで一教科でも、10点以下、つまり一桁の点数を取った者は男女関係なく、まる
坊主。」
という、S高校則第42条、通称「出家」の制度があるのだ。
テストの成績はすべてのテスト終了一週間後に掲示板に張り出され、その後すぐさま出家
の儀式が行われる。
職員室の隣には出家室があり、バリカンが用意されているのだ。年に3回のテストで「出
家」する者はおよそ60人から多いときでは100人にも上る。
この「出家」の制度により、S高生の特に運動神経や実技で入学した者、例にあげれば、
剣士コース、武道家コース、スポーツコース、ヤンキーコース、音楽コース、釣りコー
ス、その他もろもろのコースの生徒達は、時に遠い世界に旅立ってしまわれることがあ
る。
よって、テスト前は、S高は妙な雰囲気につつまれているのである。





どどどどどどどどどどどどどどどどど…・・

「なっ…なんなの?あれ…・・」
リナは隣にいるガウリイに小さく話しかける。
「目を合わせるなよ。リナ。目を合わせたら最後だぞ。やつらのえじきだ。」
「そんなこと言ったって……」
戸惑うリナにゼルガディスは、
「いいから、黙って下向いてろ。おいアメリア、見るな。見ちゃだめだ。」
「でも…こっち来ますよ…危ないです。このままじゃ…・」
「大丈夫よ。しっ。静かに。来るわ。」
ミリーナの言葉と共に。
どどどどどどどどどどどどどどどどど…・・
およそ百人くらいだろうか。土気色の顔した大男たちの集団が、ものすごい勢いでリナ達
一行の方へ向かってくる。
「きええええしゃああああああああああっ!!!!」
「あんぎゃおげえええええええええええええええ!!!!」
「おふくろさあああああああああああああああんん!!!」
「炎のタックル!!!!」
「門戸開放!!!機会均等!!!領土保全!!!」
「あああああいはあばああどりいいいいいいいいいいむ!!!!」
「うは宇宙のうううううううううううう!!」
わけのわからん奇声を発しながら、リナたちのすぐそばを通りすぎていく。
大男達はみんな、真っ赤なブーメランパンツ一枚で、手にはトイレ掃除に使う、作者の生
息する地域では「すっぽん」と呼ばれる吸引機(?)を持っている。
どどどどどどどどどどどどどどどど…・・
男達の集団の行進が去った後には、砂埃と呆然と佇むリナとアメリア、そして平然として
いるガウリイ、ゼルガディス、ルーク、ミリーナが残された。
「さてと。今日の昼飯何にしようかな・・」
ゼルガディスは、数学の教科書片手に歩き出す。
「今日の日替わりランチ、何だったっけ?覚えてる?ミリーナ。」
「とんかつ定食だったわよ。たぶん。」
「おおっ!!オレそれにしようっと。あれ?どうしたんだ、リナ、アメリア。飯食いに行
かないのか?」
立ち止まったまま呆然としているリナとアメリアにきょとんとした顔でガウリイが聞く。
「あんたらね……どーゆー神経してんのよ…・・なんでそんなへーぜんとしてるわけ?」
「そうですよ。何だったんですか?さっきの…・・」
疲れた顔で言いながら、歩き出すリナとアメリア。
「なーに言ってんだよ。あんなのいちいち驚いてたら、きりがないぜ。テスト当日なんて
それこそ30分に一回は出くわすぞ。」
ルークは日本史の教科書を読みながら言う。この男はさっきの集団がきた時も平然と教科
書を読んでいた。
「ああゆうのを、S高では、『ヌーの群れ』って言うの。テスト前になるといつも起こる
現象なのよ。あなたたちは、一年だからまだ見た事なかったのね。さっきのは水泳部のみ
たいだけど、もっと大きいのになれば、コースのもあるのよ。宗教コースのは危ないから
気をつけてね。」
ミリーナは、さらりとコワイことを言う。
「気をつけるったって…・どーすんのよ?あんなの。」
「目さえ合わせなければ大丈夫よ。」
「合わせたらどうなるんですか?」
「あいつらの場合は、「すっぽん」で、皮膚の皮一枚になるまで吸い尽くされるんだよ。
オレはじめここに来た時、襲われたことある…」
青ざめて言うガウリイに、ゼルガディスは、
「俺なんか、ニューハーフ同好会に襲われたんだぞ…あの時は…・いや、よそう。思い出
したくない・・」
恐怖の記憶が消えないのか、身震いして言う。
――――もしかして…・とんでもない学校に来てしまったのかも…・――――
ゼルガディス達の話を聞いて、リナとアメリアは、高校の選択にすこし後悔したが、時す
でに遅し、であった。






その日の夜。
正義館の一階の部屋からは、ガウリイとリナの声がしていた。
「おい、リナ。」
「何?」
「これ…・どうやって入れるんだ?」
「そこに入れるの。なんで、あたしがこんなこと教えなきゃなんないのよ。立場逆になっ
てるじゃない!」
「そうは言うけどなあ…・うまくいかないんだけど…」
「あああああっ!違う違う!!そこじゃなくって、こっちに入れるんだってば。」
「あ!そうかそうか……・って、なんでお前こんなこと知ってるんだ?リナって物知りだ
な。」
「あんたがモノを知らないだけでしょうがっ!あたし忙しいんだから、さっさとやって
ちょうだい。」
「わかったわかった…・って待てよ。」
ガウリイは突然立ち上がる。
「…・?どうしたの?」
リナの言葉を無視してガウリイは扉の方へと歩み寄り、一気にドアを開ける。
「………・何やってんだ?お前ら…・・」
ドアの前には、アメリアとゼルガディスの姿があった。
「あの、いえ、ちょっと…・・そうそうテスト勉強してたんです。ね、ゼルガディスさ
ん。」
「そ、そうだぞ。えーと…・♪お願い届いて 乙女のねがい のところは、こっちの振り
付けのがいいと思うぞ。アメリア。」
言いながら振り付けの指導をするゼルガディスにアメリアはこくこく頷いて、
「あ!そ、そうですね。これで明日の社会のテストもばっちりですね!」
会話になってない会話をする。
「ガウリイ?何やってんの?さっさとこの数学の問題解いてよ!もお・・あたしだって暇
じゃないんだからね。」
リナがガウリイの数学の教科書を手にうんざりした顔で呼びかける。ガウリイのあまりの
数学の出来の悪さにリナが見かねて、指導してるのだ。
「ああ・・悪い悪い…・ま、それならテスト勉強がんばれよ。じゃ、オレ数学やるか
ら。」
アメリアとゼルのずれた会話を聞いていたのかいないのかガウリイは平然と答えて、再び
部屋のドアを閉める。
「だああああっ!!もう何回言わせるのよっ!!このくらげええ!!ちがうちがーう!そ
の式に入れるんじゃないの!こっち!このXに代入するの!あんた、明日テストよ?この
ままじゃ坊主頭確定よっ!?あんた、その金髪なかったら何が残るのよっ!?」
ガウリイの部屋からリナの叫び声を聞きながら、アメリアとゼルガディスはふたりで顔を
見合わせてしばらく沈黙する。
「…・・へ、部屋に戻って勉強しましょうか…・・」
「・・そ、そうだな…・」
二人は何事もなかったようにふるまいそれぞれの部屋に向かう。
後ろ手には行き場のないマイクと携帯録音機がただむなしく握りしめられていた。




「おはようございます。…・・これはこれは…いい風景ですね。感心です。」
あいもかわらず嫌味なくらいにこやかにゼロスは微笑んで言った。
『………………』
さわやかなゼロスの朝のあいさつには、返答がない。
「あの……ゼルガディスさん…・ひとつ聞いていいですか?」
ゼルガディスがこくんと頷く。
「今日の朝ご飯は…・・?」
ゼルガディスは無言でキッチンをひとさし指で指す。
その顔は生物の問題集にむけたままである。
ゼルガディスだけでなく、全員が何かしらの教科書やノートを片手にただ黙って朝ご飯を
食べているのだ。
ただし、全員いつもと変わりなく手はすざましく動いている。いつもと違うのはその沈黙
だけである。
しばしの間、スプーンとナイフとお箸の飛び交う音だけがあたりを支配する。
ゼロスはしかたなしに自分の席に黙って座って、黙々と食事を続けながらふと思い出した
ように言う。
「皆さん。いいこと教えてあげましょうか?」
しばしの沈黙。みんな聞き耳を立てているが、誰も口を開こうとはしない。
ゼロスの次の言葉を黙って待っているのだ。
「今日の生物のテストの内容のことなんですけど、知りたくないみたいですね。ならいい
です。」
『なにいいいいいいっ!!!』
一斉にみんなの声がはもる。
「お願い!!ゼロス!機嫌直して!無視したあたしたちが悪かったわ!!」
「ゼロス!!これからのメニューはお前の好きなものだけにしてやる。だから俺には教え
ろ。」
「ゼルガディスさん!そんなの正義じゃありません!!職権乱用です!!汚いです!!」
「頼む!ゼロス!!俺、もしまる坊主になったらミリーナに振られちまう!!」
「心配いらないわよ、ルーク。まる坊主でもそうじゃなくても振るから。」
「だ、そうだ。よかったじゃないか、ルーク。」
ガウリイがにっこり微笑んで言うと、ルークはどとーのごとく涙を流して、部屋のすみっ
こでうどんをすする。
ゼロスは少し困った顔をして、
「まあまあ、泣かないでくださいよ。うどん食べながら泣くと、うどんが目から出てきま
すよ。さて、僕はそろそろ出勤します。ま、皆さん、がんばってくださいね。」
さらりと言うと、そのまま席を立ってリビングを出て行く。
「しくじったな…・」
ゼロスの後ろ姿を見送りながらゼルガディスが言う。
「うまく逃げられたわね。せっかくのチャンスだったのに。惜しいことしたわ。ったく。
ルーク!あんたが泣いたりするからうまいことはぐらかされたじゃない!泣くな!うっと
おしい!」
リナが、柱にしがみついて何やらぶつぶつ言っているルークに向かってトマトのへたを投
げつける。
「まあまあ。どうせゼロスは言う気なんてなかったみたいだし…そんなにいじめてやるな
よ。リナ。哀れじゃねえか。」
ガウリイがなだめるように言う。ちなみに彼のひとことがトドメを刺したことなど全く気
づいてないようである。
「何言ってんのよ、ガウリイ!あんたの髪の毛がかかってんのよ!?あたしは別にゼロス
の生物なんて余裕で二桁とれるだろうけど、あんた不正行為なしでどーやって生物、二桁
取るのよ!?数学は昨日教えたし、マークシートだから2ばっかり書いておけばなんとか
なるでしょうし、英語はあんたの母国語だからいいとするでしょ。社会はあんたのケダモ
ノ並みの視力でカンニングすれば済むし、国語は下半身で解けるでしょうけどね。でも、
生物はあのゼロスのテストなのよ?まともな問題出ると思う?」
「思わない。」
「だったらなんでそんなに落ち着いてられるのよっ!!ほんとにわかってんの!?」
フォークでざくざく目玉焼きを刺しながら言うリナにゼルガディスは落ち着き払った様子
で生物の教科書に目をやったまま、
「あきらめろ。リナ。大体いままでガウリイが出家を免れてきたこと自体が奇跡だったん
だ。」
「そうですね。それに、ガウリイさんが出家したらもてなくなるから、ライバルが減って
ちょうどいいじゃないですか」
アメリアの冗談とも本気ともつかない言葉にリナは赤面して、
「ラ、ライバルって…何言ってんのよっ!そーゆー理由であたしは言ってるんじゃなく
て・・」
「じゃあ、どういう理由なんだ?」
「……・・そ、それは……・・」
ガウリイのツッコミに思わず沈黙するリナ。
みんなリナの次の言葉を待っている。
長い長い沈黙。
間が悪くて思わず視線を周囲に泳がせたリナの目にとまったのは。
テスト開始時間の5分前を告げている時計であった。



エピソード4後編につづくっ!

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1815再掲示「ここは正義館エピソード4・後編」えれな E-mail 3/20-06:25
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ここは正義館


エピソード4.カミに誓って戦おう!後編



「遅刻するうううっ!!急げーー!!ガウリイ!!もっとスピードでないの?!」
「無理だっ!!だいたい6人もバイクに乗せるなんてこと自体が無理なんだっ!!誰か降
りろーっ!!」
横浜の空中に六人の高校生が乗った、もといぶらさがってるエア・バイクが疾走する。
このエア・バイクも封翔界(レイ・ウィング)の術を開発して作られた二人のりの浮遊型
バイクである。封翔界(レイ・ウィング)の三倍の速さが出る上に、同乗者が封翔界(レ
イ・ウィング)の術を上掛けしてさらに高速にすることが出来る使えれば超便利な文明の
利器である。
使えれば、というのも、このエア・バイクも、特殊戦闘機の封翔機(レイ・ウィング・プ
レーン)と同じく操縦できる者が滅多にいないのである。ガウリイはもちろん操縦できる
が、正義館の住人は他には誰も操縦できない。
そんなわけで、例によって操縦者はガウリイで、その後ろにリナ、ミリーナが座り、あと
の人はぶらさがっているのである。
「遅刻するぞ!!よりにもよって、一時間目はゼロスの生物!!一分の遅刻で何点減点さ
れるかわからんぞっ!!」
ゼルガディスは青ざめながら誰に言うともなしに叫ぶ。
「わたしは一年だからしょうがないとしても、なんで誰もテスト期間中は登校時間が早く
なるって気づかなかったんですか!?全員ぼうず頭なんて絶対いやですよー!!」
半泣きで言うアメリアにルークは、
「うるさいっ!!おめーらはぶら下がってるだけだろうけど、俺とミリーナは封翔界(レ
イ・ウィング)コントロールしてんだっ!!とやかく言う暇があったらなんか生物用語の
ひとつでも言えっ!!」
「しんこすぷらすこすしん・・こすこすまいなすしーんしん。いちまいたんたん、たんぷ
らたん……・」
ミリーナは相変わらず抑揚のない口調で何か不明なことを呟いている。
「だーーーっ!!ミリーナ!!集中力がそれるから訳の分らんこと言わないでっ!!だい
たい、それ、生物じゃないでしょーがっ!! 」
「ああああっ!!リナっ!!落ち着け!!興奮するなっ!!おい、ゼル!!上見るな
よっ!!」
「誰がリナのなんか見るかっ!!俺だって好きでこんなとこにぶら下がってんじゃな
いっ!!」
ゼルガディスは成り行きでリナの足にぶら下がってるのだ。ちなみにゼルガディスの下に
はアメリアがぶら下がっていて、ルークはミリーナと手をつないでいる。
「そんなこと言うなら、降りなさいよゼル!!ゼルの体重のせいでスピード落ちてるんだ
からねっ!!」
むっとしたリナは足をぶんぶん振り回す。
「うわっ。やめろっ。お前なんてことするんだっ!!悪かった!!やめてくれ!リナ!落
ちるっ!!」
「リナさん、ひどいですっ!!わたしもいるのにいい!!きゃああっ!!!ガウリイさ
ん!もっと高度あげて下さいいい!!障害物にぶつかりますう!!ああっ!!おじいさん
がっ!!」
「んなこと言ったってこれ以上は無理だっ!!もうすぐだから、がんばってよけてくれ!
ああっ!!リナっ!頼むからおとなしく座っててくれっ!!バランスがくずれる!」
言われてリナは少しおとなしくなる。
「この金髪も、もう見納めなのね…・・」
ガウリイの風になびく長い金髪を見て、ミリーナはぼそりと呟く。
「をい…縁起でもないこと言わないでくれ…それより教室どこだっけ?」
「2−101よ。それにしても、笑えることに全員生物取ってるのね。」
なぜかうれしそうに言うミリーナ。
「ぜんぜん笑えないと思う…・」
「オレもそう思うぞ。それより、みんなしっかりつかまっとけよ。学校内も走るからな。
教室まで一気に突っ込むぞ。」
ガウリイの言葉と同時に、S高の校舎が見えてくる。
流れる景色は早すぎてよく見えないが、イッちゃった目をした人々が校内にちらほらいる
ようだ。
「よしっ!!行くぞっ!!」
どがしゃああああああん!!
リナ達一行は風の結界をまとったまま、バイクごと教室に窓から突っ込んだ。





「いたたた…・・このくらげっ!!なんて無茶なことすんのよっ!!ガラスの破片が誰か
に刺さったらとか考えて行動してよっ!!!」
「そうは言うけどな…・って………・」
教室中の視線を感じて思わず沈黙するガウリイ。
テスト中にいきなり窓から、エア・バイクと人が飛びこんできたのだ。
注目されて当然である。
リナ達は気まずい雰囲気を察して、黙って怪我などの確認をしてから席につく。
「おやおや…相変わらず、うちの方々は派手な登場が好きですね。」
すっと目を細めてゼロスがひたりひたりとリナ達一行の元へと歩いてくる。
リナ達6人の席のそばでぴたっと足を止めて、腕時計をちらりと見る。
「…・8分遅刻ですね。」
ごくり。
誰かが息をのむ音が聞こえた気がしたのは気のせいだろうか。
妙なゼロスの迫力に圧され、リナ達はただ黙ってゼロスの次の言葉とテスト用紙を待つ。
「80点減点ですね。持ち点20点ですが、まあ頑張って下さい。」
ざわっ。
教室内がざわめくが、ゼロスはお構いなしにリナ達にそれぞれのテスト用紙を配
り、リナ達が抗議の声をあげる間もなくさっさと大教室の教壇の方へと歩いていく。
しばらく呆然とゼロスの後ろ姿を眺めていた一同だったが。
―――こうなったらやるしかない―――
一同は「髪」という文字の前に、覚悟を決めて一斉に問題用紙をめくったのだった。





「終わりましたよ。採点。見たいですか?」
ゼロスが自室から出てくるなり、リビングでそわそわ待っていたリナ達の動きが一瞬止ま
る。
テスト終了から二日後。 テスト休みということで、多くのS高生はテストの反動から遊び
倒している時期であるが、正義館の住人はこの二日間、ゼロスの生物のテストの点が気が
気でなくて、どこにも遊びに行く気分にはなれなかった。
ゼロスの手には、たった今採点し終わったばかりの答案用紙があった。
誰も何も言わないが、答えはひとつである。
ゼロスはそれを悟っているのかいないのか、ただ黙って反応を待っている。
「いいわ。答案用紙、返して。」
しばらくの沈黙のあと、覚悟を決めたのか、リナがゼロスに手を差し出す。
ゼロスは、無言でリナに答案用紙を渡す。
他のみんなも無言で手を差し出し、答案を受け取る。
そして。
なぜか一斉にリビングを出て行く。
その場に残ったのはゼロスと、何が起こったか理解できないガウリイのみ。
「…・なんでみんな出ていったんだ・・?」
「簡単ですよ。みなさん、一桁だったんです。」
「………へ?」
ガウリイは信じられないことを聞いたせいか、まだ状況がわかってないようである。
「つまり。皆さん、出家なさるんですよ。ガウリイさん以外全員。」
「でえええええええええっ!!?」
ガウリイの頭には、つるっぱげて怒り狂ってるリナ達の映像が浮かんでしまった。





「おい!!開けろ!!開けてくれっ!!」
どんどんどんどん!!
普段ののんきな声と違っためずらしく焦った声で、ガウリイはドアを叩きながら叫ぶ。
「頼む!!何考えてんだよ!!お前!!開けろって!!」
必死でドアを叩くガウリイ。
彼が必死で叩くのも無理はない。
開かないのは一階のトイレのドアなのだ。
「ゼロスを説得してくれるってなら、開けてやってもいいわ!言っとくけど、光の剣なん
かでドアをぶち破ったりしたら、『ガウリイ・ガブリエフはトイレのぞき魔』っていうビ
ラを横浜中にばらまくからね!」
トイレの中から、リナの声。ほとんど、半泣きである。
「そうは言うけどなあ。オレにゼロスなんか説得できるわけないだろ?いいかげん出てこ
いよ!リナ!もう5時間も篭城してるじゃないかっ!!トイレに行かせろっ!!」
ちなみに、2階にもトイレはあるが、そこにはミリーナが篭城しながら「・・9点・・・9
点…」とエンドレスでつぶやいている。
「だったら、ゼロスをここに連れてきてよ。あたしがゼロスと交渉するわ。」
「わかったよ。連れてくればいいんだろ。ったく、頑固なんだから。」
「あんたは他人事だからいいかもしんないけどね!美少女天才魔道士リナ・インバー
スが『ぼうず頭』なんて、しゃれになんないんだからっ!!ゼロスに『あんたがテストの
平常点をくれるまでやりつづける』って伝えて。」
「了解…・」
何を言っても無駄と悟ってか、ガウリイはゼロスの姿を探し始めた。



おかしい。
ゼロスがその異変に気づいたのは、答案を配ってそのあと出かけて、数時間後に帰宅した
時だった。
何かが狂い始めている。
ゼロスは漠然とそう気づき、不安に駆り立てられるように動き出した。
まさか。
確認するために、めずらしく足早に自分の部屋へと歩く。
そして、自室に入った時に、知った。
全てが手後れだということに。
「…・!!」
驚愕のあまり声も出ない。
ゼロスはふらつき、倒れるのを防ぐため、手元にあった何かをつかもうとした。
だが、彼のつかんだ物は彼に目眩を与え、彼は嫌悪から身震いして床に突っ伏す。
ゼロスは、「生きる」という言葉の張り紙・本・写真などで埋め尽くされたの自分の部屋
で、「僕らはみんな生きている」という歌をBGMにして、「生の喜び」と書かれた本を
手にして床に這いつくばった。
―――このまま、この部屋にいたら、間違いなく死ぬ―――
その思いを胸に、身悶えつつも、なんとか自分の部屋から出る。
しかし。廊下いや、正義館全体に「僕らはみんな生きている」という歌が半永久的に流れ
続け、ゼロスの精神を追いつめる。
無我夢中で、玄関へと向かうと、ゼルガディスが不適な笑みを浮かべて立っている。
ゼロスはいやな予感を背中に感じて方向転換しようと、ゼルガディスに背中を向けた。
途端に、ゼルガディスは瞳を潤わせて、いきなり叫び出す。
「生きてるってすばらしいいいいいっ!!」
「・・・・・!!!!」
ゼロスは、気持ちの悪い、人間で言うなら、冷や汗のようなものを背中に感じて、その場
から急いで離れる。
そうとう混乱してるのか、なぜかゼロスはキッチンで冷蔵庫を開ける。
しかし、冷蔵庫の中は真っ暗で、入っているのはルークがひとり。
ゼロスと目が合うと、ルークは「一休さん」の歌を歌い出す。
「好き好き好き好き好き好き。あいしてーるー。」
「・・・・・!!?」
混乱と恐怖にゼロスは冷蔵庫の扉をばたん!と閉める。
自分が何をしているのかすでにわからなくなってるゼロスは、水道をひねる。
しかし、水が出ない。出てくる液体は炭酸系の飲料水である。
ゼロスはよくわからないまま、その飲料水をコップに注ぐ。するとそのコップをアメリア
がいきなり背後から掴み取り、ごくごく飲む。
そして、ゼロスに一言。
「ファイトー!!いっぱあああつ!!!」
ゼロスは、とてつもない恐怖にかられ、そのままキッチンを出て、ふらふらとさまよう。
これは夢なのか?魔族でも夢を見るのか?ゼラス様のいたずらか?
正義館全体の異常な雰囲気にゼロスは、ありえないことを考えながら、朦朧とした意識の
中で、ある人物を前にしてふと立ち止まる。
「よお。ゼロス。リナが呼んでるんだけど。なんでも、ゼロスが平常点くれるまで続けて
やるそうだぞ。どうする?」
ガウリイのその言葉にゼロスはただただ頷きながら、
「あげます・・・・あげますから・・・この悪夢を止めて下・・・さ・・・い・・・
・・」
信じられないくらいか細い声で言うと、そのままぱたりとその場に倒れこんたのだった。





「う〜ん、やっぱりこの季節はポニーテールが一番ね♪」
夏の日差しのせいで、ほんの少し日にやけている栗色の髪がリナのセーラー服の肩で踊
る。
今日は終業式。
通知票を受け取って、その後は夏休みが手をこまねいて待っているという、学生にとって
はうれしい日である。
「そうだな。お前は、その髪型が一番似合うしな。」
ガウリイは、歩くたびにくるくる踊るリナのポニーテールの毛先を指でもてあそんで言
う。
「もう、ほんと髪の毛触るの好きねえ。ガウリイ。またぐしゃぐしゃにしないでよ?」
「しないしない。いや、この髪の毛がなくなってたかもしれないと思うと、つい、触っち
まうんだよな。」
ガウリイは笑いながら髪に巻き付けていた指をはずし、リナの頭に手をぽんと乗せて、
「そうそう。今日、オレちょっと用事あるから先帰ってくれ。」
「へっ?部活?」
「いや、ちょっと。別件でな。」
「ふーん。わかった。じゃ、帰るわ。またね。」
「ああ、気をつけて。」
立ち去るリナの姿が完全に見えなくなったのを確認して、ガウリイはその部屋へと向かっ
た。






コンコン。
ノックの音に、ゼロスは口に運ぼうとしたコーヒーを、机におく。
「はいはい。開いてますよ。」
カラカラッ。
静かに扉が開く。
「おやおや、あなたですか。今日はまた、どういった用件です?」
「またそのセリフか?」
ガウリイは苦笑しながら、扉を閉める。
扉が閉まったのを確認して、ゼロスはすうっと目を細める。
「わかってますよ。毎度のことですからね。」
「ああ。残りの代金を払いに来たんだ。さっさと始めてくれ。短時間で終わらせたい。」
「せっかちな人ですね。わかってますよ。服を脱いでそこに横になって下さい。」
ガウリイは、半袖のシャツを脱ぎながら言う。
「今度は何をする気だ?」
「それはしてからのお楽しみです。」
「頼むから、こないだみたいなホルモンの研究とか治癒力の研究とかは止めてくれよ。あ
れはさすがにきつかったぞ。」
「まあ、いいではありませんか。それで、出家を免れたんですから。今回のテストもその
まま出たでしょう?その金髪と引き換えになら安いもんですよ。人体実験なんて。さて。
いきますよ。防音設備は整ってますから、声は上げてもいいですけど、暴れないで下さい
ね。」
「わかってるさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐああああっ!!」
理科室にガウリイの絶叫が鳴り響く。
ゼロスはそんなガウリイの絶叫を耳にしながら、ひそかに呟く。
「今回のダメージは、これでも癒せないかもしれませんね・・・・・・・」
・・・・・ある意味今回ほど疲れた仕事はなかった・・・・
あの「僕らはみんな生きている」という歌は完全にトラウマと化しているらしく、いまだ
にゼロスは思い出すたびに言いようのない脱力感に襲われていた。
「不本意ですが、今回だけは、僕の負けということを認めましょう・・・・・」
獣神官ゼロス。彼は本気で疲れていた。
彼をここまで疲れさせた人間は、リナ達が始めてかもしれない。
「しかし。次回は。僕が勝たせていただきますよ・・・・」
ゼロスは悶えるガウリイを見下ろしながら言った。
その瞳には、それとわかる疲れの色。そして、怒りの色が滲み出ていた。



エピソード4.幕


*************************************


ちょっといい訳(笑)
このエピソード4はギャグ月間のノリで書きました(笑)
だから・・・怒らないでね(笑)

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1901Re:再掲示「ここは正義館エピソード4」ブラントン 3/24-21:50
記事番号1815へのコメント

 はい、遅れて申し訳ありません……
 第4話の感想いかせていただきます。

 今回のベストシーンは、もはや何も言うことなしで最後の「生」攻撃です。
 特に一押しはルークの一休さん。これはレベルの高さを思い知らされました。
 だって、そんなの思いつきませんもの! 「ファイトー!!いっぱあああつ!!!」も同様で、
見事に当てはまるものを見つけだすその才能が素晴らしい。

 ではベストゼリフはといいますと……じつは違うんですね。
 そう、今回はズバリ! 題名なのです!
 「踊る阿呆に見る阿呆」をも上回る傑作です、この題名は。
 ハンパなTVアニメの各話タイトルよりもレベル高いですね。

 で、相変わらずすごいのは、出だしのうまさ。
 1話の出だしもかなりのものですが、これも同じく見事。
 最後にいったい何のことをいっているのかわかるのが、言うことなしなんです。

 では、ここからは目に付いた「うまいっ!」の部分を。

>例えば、校舎の裏の林の中で、ちょっとあぶないお兄さん達が……

 これを列挙するのもすごいですが、それを「笑い飛ばせる程度」と表現するあたりがスレイヤー
ズぽくって良かったです。
 
>というのも。
>つまり。

 ここで一段落切るのも、芸が細かいです。
 というより、この話こういうの多すぎ。
 一部分ならまだしも全体にちりばめられているから文章のレベルがいっそう上がるんですよね。
 今あげているのは自分でそう感じたところです。

>「門戸開放!!!機会均等!!!!領土保全!!!」

 これは今年習ったばっかりのところですぅっ!
 覚えてますよ覚えてますよ。
 たしか……
 ああっ! 一夜漬けだったからもう忘れたかっ!

>『ヌーの群れ』

 これはいったい……ネーミングの由来は……?

>「……これで明日の社会のテストも……」
>行き場のないマイクと携帯録音機がただむなしく握りしめられていた。

 あわてぶりが如実に現れてていいですねー。
 そして最後にこの文。ラブ(はもはやない)コメの定番ですが、この文が評価を一段上げてます

 アニメだったらお互いの顔から徐々にアングルが下がって……というヤツですね。

>ルークはどとーのごとく涙を流して、部屋のすみっこでうどんをすする。

 これも定番シチュエーションですが、そこにうどんを加えるのがギャグ度上げてますねー。
 映像が浮かぶとさらに笑えます。

>「何言ってんのよ、ガウリイ!……」

 このあと4科目あげるのですが、ぜんぶカンニングにしないのがいいです。
 でも国語の下半身は私には理解できなかったです。ご説明を!

>「しんこすぷらすこすしん……」

 今度は加法定理できましたかっ!
 「抑揚のない」声で言われるとたしかにおもしろいです……

>「おい、ゼル!!上見るなよっ!!」

 これは今回の問題発言。
 ガウリイのリナに対する今の気持ちというものを表す、数少ないセリフではないでしょうか?
 えれな様はどう考えたうえで書いたのですか?

>「・・9点・・9点…」とエンドレスでつぶやいている。

 これも二つ上に同じく。音声入れればおもしろさ200%ですね。


 さて、ギャグ月間ですが、今回もいろいろな新事実が発覚しています。
 まず、ゼロスが魔族だということ。そして獣神官という地位にいること。
 つまり、ゼロスは転生しておらず、この世界はスレイヤーズの世界の単純な未来ということです

 ということはスレイヤーズ世界は地球が舞台だったのか!?(……というのは触れてはいけませ
んね)
 そして、ゼロスはすべてを知っている。
 のにこのゲーム(とあえて表現させていただきます)に参加しているのは単純に楽しんでいるか
ら。これはかなり間違いないでしょう。(でしょう?)
 生物教師をやっているのも、公然と解剖と称して生物を殺すことができるから。そしてその際に
発生した負の感情を得ているのだと。

 だいたい各国から来た生徒がこんな一つの宿舎に集まるのも、正義館の指導員がゼロスというの
も、都合が良すぎます。これは謎解きシーンでふれられると予想しています。
 ついでにシルフィールあたりが新キャラとして登場しそうな予感もしてるのですが。
 ……いえ、個人的希望かもしれません。

 そしてわからないのはゼルです。
 他の方へのレスによれば、今回の「生」作戦を考案したのは彼だということ。
 それは当たり前です。彼のみが転生のことを知っているのですから、ゼロスの弱点を知っている
のも、もちろん彼のみ。
 ところが彼は行動を起こしていません。ゼルはゼロスを嫌いなのでしょう? 転生したから性格
変わったというのならまだしも、転生の事実を知った以上そこらへんも元に戻るはずです。
 そして彼なら問答無用で突っかかると思うのです。真実を知るために。
 ストーカー編でゼルに転生のことを知らせたのは、この話での「生」攻撃のためというのが幾分
か入っていると思うのですが、このことが逆にわからなくなってしまいました。
 えれな様、ぜひともご説明をお願いいたしますぅ。

 ガウリイとミリーナの幻想内の過去は、転生した今の人生での過去ですよね。
 そうなると話は一層複雑に……ああっ、やっぱりわからんっ!

 以上、今回は気合い入れて推理(かなり的はずれしてそう)してみましたっ!
 ……いかがです?

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1925ブラントンさん感想ありがとおです♪えれな E-mail 3/27-13:41
記事番号1901へのコメント
ブラントンさん毎回楽しい感想ありがとうです♪
ちょっと熱でへこんでましたので遅れてごめんなさいです。沈んでないか焦っちゃいました(笑)

> 今回のベストシーンは、もはや何も言うことなしで最後の「生」攻撃です。
> 特に一押しはルークの一休さん。これはレベルの高さを思い知らされました。
> だって、そんなの思いつきませんもの! 「ファイトー!!いっぱあああつ!!!」も同様で、
>見事に当てはまるものを見つけだすその才能が素晴らしい。

いや。このへんは、大阪にすんでる環境のせいです(笑)なんでかぽこぽこ一瞬で湧いてきます(笑)笑い
の中を生きてきてますし(笑)

> ではベストゼリフはといいますと……じつは違うんですね。
> そう、今回はズバリ! 題名なのです!
> 「踊る阿呆に見る阿呆」をも上回る傑作です、この題名は。
> ハンパなTVアニメの各話タイトルよりもレベル高いですね。

うわ〜♪これはうれしい!この4話は実は、タイトルと冒頭とラストしか決まってなかったんです(爆)
で、タイトルがすべてを現してるような話にしよう・・と(笑)テーマは「髪」ですし(笑)

> で、相変わらずすごいのは、出だしのうまさ。
> 1話の出だしもかなりのものですが、これも同じく見事。
> 最後にいったい何のことをいっているのかわかるのが、言うことなしなんです。

これも上に述べた通り、単に冒頭とラストだけが決まってただけです(爆)

>>例えば、校舎の裏の林の中で、ちょっとあぶないお兄さん達が……
>
> これを列挙するのもすごいですが、それを「笑い飛ばせる程度」と表現するあたりがスレイヤー
>ズぽくって良かったです。

スレイヤーズにテストを加えたら、きっとこんなんだろうと(笑)
 
>>というのも。
>>つまり。
>
> ここで一段落切るのも、芸が細かいです。
> というより、この話こういうの多すぎ。
> 一部分ならまだしも全体にちりばめられているから文章のレベルがいっそう上がるんですよね。
> 今あげているのは自分でそう感じたところです。

いえいえ。この切るのって強調したいとことをうまく文で現せないから改行して強調。という姑息な手段に
出てるだけです(笑)すべて、文才の無さから来たものです(笑)
>
>>「門戸開放!!!機会均等!!!!領土保全!!!」
>
> これは今年習ったばっかりのところですぅっ!
> 覚えてますよ覚えてますよ。
> たしか……
> ああっ! 一夜漬けだったからもう忘れたかっ!

今年ですかあ。えれなはもー去年だったっけ?いや。いつだったかな?(笑)って感じです(今、大学生)
生徒の教科書かっぱらってきて(爆)写したんですけど(爆)

>>『ヌーの群れ』
>
> これはいったい……ネーミングの由来は……?

由来なんてありません(爆)単にヌーの群れって凄いなあって思ったからです(爆)

>>「……これで明日の社会のテストも……」
>>行き場のないマイクと携帯録音機がただむなしく握りしめられていた。
>
> あわてぶりが如実に現れてていいですねー。
> そして最後にこの文。ラブ(はもはやない)コメの定番ですが、この文が評価を一段上げてます。
> アニメだったらお互いの顔から徐々にアングルが下がって……というヤツですね。

凄い!アングルまで考えてなかった(笑)いやあ。ツワモノですねえ。そーか、アングルか(笑)
これは生殺しのえれなの趣味が全開なとこです(笑)

>>ルークはどとーのごとく涙を流して、部屋のすみっこでうどんをすする。
>
> これも定番シチュエーションですが、そこにうどんを加えるのがギャグ度上げてますねー。
> 映像が浮かぶとさらに笑えます。

これは、うどん食いながら泣く男が実際に友達にいたんです(笑)情けないですよお(笑)

>>「何言ってんのよ、ガウリイ!……」
>
> このあと4科目あげるのですが、ぜんぶカンニングにしないのがいいです。
> でも国語の下半身は私には理解できなかったです。ご説明を!

下半身でとける国語というのは、18禁な国語の問題というのではなく(爆)、上半身を使わない、つまり
脳味噌を使わない解き方。つまり勘で解く。ってことです(笑)
えれな自身が「下半身で解く人」でしたので(笑)たぶんガウリイもそーでしょう(笑)

>>「しんこすぷらすこすしん……」
>
> 今度は加法定理できましたかっ!
> 「抑揚のない」声で言われるとたしかにおもしろいです……

まあ、これが加法定理ってわかるなんて凄いですね(笑)その通りなんですけど。

>>「おい、ゼル!!上見るなよっ!!」
>
> これは今回の問題発言。
> ガウリイのリナに対する今の気持ちというものを表す、数少ないセリフではないでしょうか?
> えれな様はどう考えたうえで書いたのですか?

これは、読者の解釈に任せようと思ってるとこですけど(笑)やっぱしツッコミ多いとこですね。
えれなの解釈としては「兄心が混ざった男心」が言わせてる発言なんじゃないかと(笑)
恋愛感情が言わせてるかどーかと言えば、それはちょっと疑問です。ま、ガウリイの「男」な部分を現す数
少ないとこだと思いますけど(笑)

> さて、ギャグ月間ですが、今回もいろいろな新事実が発覚しています。
> まず、ゼロスが魔族だということ。そして獣神官という地位にいること。
> つまり、ゼロスは転生しておらず、この世界はスレイヤーズの世界の単純な未来ということです
>。いうことはスレイヤーズ世界は地球が舞台だったのか!?(……というのは触れてはいけませ
>んね)

あうあうあうあうあうあう(笑)
そのツッコミはーーーーーっ!!(笑)って感じですけど。お答えしましょう(できる範囲で)
えーと、スレイヤーズ世界とこの正義館の世界は別ものです。これは確定。だから、ゼロスも転生してるん
ですね。つーか、ゼロスは「転生」という言葉がふさわしくないんですけど。で。この正義館世界はめちゃ
めちゃめちゃめちゃ未来の地球の設定になってますので。地球に魔族がひょっこり現れたってのが一番マト
モな解釈(いいわけ)でしょうかねえ(笑)まあ、作者もよくわかってないです(爆)

> そして、ゼロスはすべてを知っている。
> のにこのゲーム(とあえて表現させていただきます)に参加しているのは単純に楽しんでいるか
>ら。これはかなり間違いないでしょう。(でしょう?)

う〜ん。半分あたりですけど、半分はずれ(笑)今後の展開でわかるでしょう(笑)

> 生物教師をやっているのも、公然と解剖と称して生物を殺すことができるから。そしてその際に
>発生した負の感情を得ているのだと。

生物教師な理由はそれがひとつです。けどまだあります(笑)それは秘密です(笑)

> だいたい各国から来た生徒がこんな一つの宿舎に集まるのも、正義館の指導員がゼロスというの
>も、都合が良すぎます。これは謎解きシーンでふれられると予想しています。

各国から来た生徒がひとつの宿舎に集まるのは、この正義館世界ではめずらしくありません(笑)
なんせ、横浜ー大阪間25分の世界ですから、世界は結構時間的に狭いです。やたら、インターナショナル
なのも、とおおおおおおおおおおい未来。という設定なので(笑)
指導員ゼロスは・・・いずれまた・・(笑)

> ついでにシルフィールあたりが新キャラとして登場しそうな予感もしてるのですが。
> ……いえ、個人的希望かもしれません。

出てますねえ(笑)予想通りです(笑)
えれなも彼女が好きなんで。彼女は最初から出す予定でした。

> そしてわからないのはゼルです。
> 他の方へのレスによれば、今回の「生」作戦を考案したのは彼だということ。
> それは当たり前です。彼のみが転生のことを知っているのですから、ゼロスの弱点を知っている
>のも、もちろん彼のみ。
> ところが彼は行動を起こしていません。ゼルはゼロスを嫌いなのでしょう? 転生したから性格
>変わったというのならまだしも、転生の事実を知った以上そこらへんも元に戻るはずです。
> そして彼なら問答無用で突っかかると思うのです。真実を知るために。
> ストーカー編でゼルに転生のことを知らせたのは、この話での「生」攻撃のためというのが幾分
>か入っていると思うのですが、このことが逆にわからなくなってしまいました。
> えれな様、ぜひともご説明をお願いいたしますぅ。

はいはい。説明できる部分が限られてるんですけどできるとこだけ(笑)
ゼルが転生のことを知ってることは皆さんも周知の通りですけど、どのへんまで過去を思い出してるかは誰
も知りませんね。全部思い出してるとは限りません。
それにサービスでもうひとつ。そもそもイッソンはなんでゼルにあんなもん見せたのか?とか(笑)
よけいにわからなくなってしまったかもしれませんねえ(笑)

> ガウリイとミリーナの幻想内の過去は、転生した今の人生での過去ですよね。

そーです。全くのえれなのオリジナルの過去ですので(笑)

> そうなると話は一層複雑に……ああっ、やっぱりわからんっ!

深く考えたってわかりませんよ(笑)だって作者がわかってない(爆)

> 以上、今回は気合い入れて推理(かなり的はずれしてそう)してみましたっ!
> ……いかがです?

いやいや。推理はいいせんいってます(笑)いつも鋭いツッコミで、結構ひやひやしてますし(笑)
今回はギャグなんでみんなギャグに気をとられてそのへん見逃してくれるかな〜?って思ったんですけど
(笑)見破られてますねえ。ブラントンさんには。いい目してます。見破られないようにがんばりますね
(笑)では。このへんで。感想ありがとうです。楽しませていただきました(笑)



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1816再掲示「ここは正義館エピソード5−1」えれな E-mail 3/20-06:36
記事番号1809へのコメント

はじめに言っておきます。
このエピソード5はまだ連載中です(爆)
そして、えれなの執筆ペースは亀よりとろいです。
それを覚悟して読むというなら止めませんけど(笑)


************************************

ここは正義館


エピソード5 −1. ざ・さまーばけーしょん




「ぎゃああああああああああっ!!あたしのアイスがないいいいいっ!!」
暑い暑い夏休み。今日も、正義館からは、リナの熱い叫び声が響き渡る。
「誰よっ!?あたしのアイス食べたのっ!!ちゃんと、あたしの、って箱に書いといたの
にっ!!一箱まるまるないじゃないっ!!」
「あたしの、って言っても、あたしはこの世の中にいっぱいいるぞ。」
「ははあん。いい度胸してんじゃない、ルーク。あんたね?食べたの。」
「別に。俺だけじゃねえよ。な?」
ルークはリビングにいる一同に同意を求める。
あさっての方に視線をそらせるゼルガディスとミリーナとアメリアとゼロス。
「をい…・・俺だけに濡れ衣着せようってか?お前ら、卑怯だぞっ!!」
「とりあえず、一名犯人げっとね。ルーク。食べ物の恨みは一生の恨みって言葉知ってる
わよね?こないだも、あんた、あたしのプリン食べたわよね。今日という今日はもう我慢
できないわっ!!ここで、ケリつけようじゃない。」
言って、いきなり呪文を詠唱し始めるリナ。
それに構えて、呪文を唱え出すルーク。
「おいおい。いきなり、呪文合戦かよ。ただでさえ暑いのに、止めとけ。魔力の無駄だ
ぞ。リナ。ルーク。」
一応、ゼルガディスがたしなめるが、リナもルークも無視して詠唱し続ける。
「リナさん!ルークさん!実力行使なんて正義じゃないですっ!!話し合いで解決して下
さいっ!!」
アメリアの言葉にミリーナは興味なさそうに、
「無駄よ。一度やらせればいいんです。あの二人の口喧嘩にはもう飽きたし。」
防御結界の呪文を唱え出す。
仕方なしにアメリアも防御呪文を唱え出す。
こんな二人の喧嘩に巻き込まれたら、運が悪ければ死に至る。
ゼロスは、ことの成り行きをおもしろそうに見ている。彼はもはや教員の自覚なんぞかけ
らもないようで、止める気は全くないようだ。
そんなわけで、いきなり、リナとルークの喧嘩は始まったのだった。





「なんだこの有り様はあああっ!!!?」
ガウリイは、手にしていた剣道の道具一式を床に放り出して叫ぶ。
「す…すごいですね…・」
シルフィールは半ば感心しているかのように、正義館を見上げて呟く。
ガウリイとシルフィールが、剣道部の部活から帰ってきてはじめて目に飛び込んできたの
は。
表現することもできないくらい荒れ果てた正義館だった。
外から見てはっきりわかるくらいの、大の大人が余裕で通れるくらいの大穴が4つくらい
白い正義館の壁にあいている。
庭には、戦闘のあとと思われる焼け焦げた芝生だったものが黒く炭化している。
白い屋根からは、煙がもうもうと上がっている。
「ま、魔族から襲撃でもあったのか…?」
「と、とにかく、中へ入りましょう。ガウリイさま。みなさん無事か確かめないと…」
「ああ……」
ガウリイは、急いで玄関のドアを開ける。
「ひどいな……」
中の状況を見てガウリイは思わず顔をしかめる。
一体、何があったというのか?
家中の物という物が破壊されている。泥棒が入ったとしてもここまでやらないだろう。
だいたい、泥棒なんぞ入ったところで、うちの住人がここまで好き放題にさせるはずもな
い。
あの手強い住人達が、こんなに破壊されるのを止められない相手とは…一体…・?
空調設備が止まっているのか、ものすごく蒸し暑い。
朝、ここを出るまでは、美しく飾られていたハイビスカスの花が廊下に散らばっている。
その赤い床に、なんとなくいやな予感を覚えたガウリイは、足早に歩きながら、
「おーい。みんなあ?どこにいるんだ?」
家中に響き渡る声で呼びかける。
返答がない。
「リナさーん。アメリアさーん。ゼルガディスさーん・・どこにいるんですかあ?」
シルフィールも探しながら呼びかける。
ガウリイは、その場に立ち止まり目を閉じる。
「・・ガウリイさま…?」
「し、静かに…・」
ガウリイは目を閉じて、気配を探っているようだ。
あやしい気配は感じられない。断言してもいいが、ここには魔族などはいない。
もうすでに終わったあとなのか・・?
だとしたら、みんなはどこに…?
ガウリイはリナの気配を探す。いつも一番身近にいる存在なので、気配も感じ取り
やすい。
ガウリイは、目を開けてすたすたと階段を上っていく。
「ガウリイさま?わかったんですか?どこに…」
シルフィールは、ガウリイのあとをついていく。
ガウリイがある部屋の前で立ち止まる。
「おい。」
怒気をはらんだ声。
「何で隠れてるんだ?いるんだろ?」
ガウリイの声に、ドアがすすすすっと開く。
ガウリイがそのドアをばん!と開けると、その中には、真っ青な顔をした正義館のいつも
の面々。
「どーゆーことか、説明してもらおうか・・?」
ちょっぴりこめかみをひきつらせてガウリイは、一同を見回して言う。
リナは覚悟を決めたのか、ガウリイをまっすぐ見つめて言った。
「……・ごめん。メインコンピューター。ぶっ壊しちゃった。」







長い間、変な音を出しているメインコンピューターの前に座っていたゼルガディスはため
息をつく。
暑さのあまり、したたり落ちる汗に混ざって、違う種類の汗が流れ落ちる。
つまり、冷や汗である。
「だめだ。完全に使い物にならん。買い換えるしかない。」
首を振りながら、ゼルガディスはあきらめた声で言う。
「買い換えるって…・・メインコンピューターまるごと!?修理できないの?」
食って掛かるリナに、ゼルガディスは、
「竜破斬(ドラグ・スレイブ)を食らった物なんか、修理できるかっ!!その前に、螺光
衝霊弾(フェルザレ−ド)の流れ弾も食らってるし、崩霊裂(ラ・ティルト)も食らって
るんだ。いくら、バリアを張ってあっても、これだけ食らえば、さすがに、全く起動しな
いな。」
もうやけになってるのか、半分笑って言う。
「ちなみに…・・いくらかかるんだ?メインコンピューターって。」
正義館の買い物係のルークが、おそるおそる聞く。
「ピンからキリまであるが…・・これと同レベルだと…・・そうだな。七百万くらいか
な。」
ゼルガディスの一言に凍りつく一同。
「ああ、ちなみに。今、学校に連絡入れました。無駄だと思いましたが一応援助金を請求
しましたが。やっぱり無駄でした。一円も払わないそうです。」
ゼロスのトドメの一言に、リナ達はしばらく放心して固まっていた。
「おい。放心してる場合じゃないぞ。リナっ!ルーク!!お前らが諸悪の根元だろう
がっ!現実逃避は許さんぞっ!!」
ゼルガディスは、硬直したリナとルークをゆさゆさ揺さ振る。
「はっ!!…・そうだったわね…・ええっと…七百万円だったっけ?七百万円÷7
は…・…」
会計のリナは気を取り直して、計算する。
「ひとりあたり100万円か……・きついわね…・」
「ちょっと待て。その“ひとりあたり”って何だ?俺達は関係ないぞ。あくまで払うのは
お前とルーク二人だろ。」
ゼルガディスは、リナに抗議する。アメリアもミリーナも頷いている。
「あんたね…・散々喧嘩に参加してたくせに、よくそんなこと言うわね。崩霊裂(ラ・
ティルト)とか、青魔烈弾波(プラム・ブレイザー)とか振動弾(ダム・ブラス)とか唱
えまくってたじゃないっ!!だいたい、あんた達があたしのアイス食べたのが、ことの始
まりでしょ?あんた達にも責任はあるっ!!」
拳を振るって言うリナにルークも加わって、
「その通り!俺だけがアイス食ったみたいな顔して、ひそかに喧嘩に加わってたのを俺は
見たぞ!!アメリアが霊王結魔弾(ヴィスファランク)で、日頃のリナへの鬱憤を晴らし
てたのも見たし、ミリーナが関係ないところの螺光衝霊弾(フェルザレ−ド)ぶちかまし
てたのもちゃああんと覚えてるぞっ!!」
二人で力説する。
さっきまで喧嘩しまくってた二人は、こんな時だけは誰よりも熱い友情が芽生えているよ
うだ。
反論しようにも、実際にどさくさに紛れて呪文をぶっ放しまくっていたゼルガディスとア
メリアとミリーナはすべもなく、あきらめたのか黙っている。
「まあ、それはいいとして、だな。その7って数字は何なんだ?リナとルークとアメリア
とミリーナとゼルガディスの5人だろ?数え間違いだと思うぞ。」
ガウリイが、指で人数を数えながら言う。
「その五人とあんたとゼロスに決まってるじゃない。ちょっと、ゼロス。どこ行くつも
り?」
リナはそおっと立ち去ろうとしていたゼロスのシャツをつかむ。
「いや、僕は、関係ないですし…邪魔しちゃ悪いですので、このへんで退散しようか
と…」
「わたし、ゼロスさんがおいしそうにアイス食べてたの見ました!」
逃げ腰のゼロスの言葉を遮って、アメリアが手をあげて言う。
「よっしゃ、アメリア。ナイスツッコミ!てなわけで確定ね。大体、あんた、ここの担当
指導員のくせに喧嘩を止めなかったってことでも責任あると思うけど。何か文句ある?」
「……・・もういいです…・・」
成り行きにあきらめたのか、ゼロスは壊れかけたソファーに腰をおろす。
「で、なんでオレまで人数に入ってるんだ?リナ。オレは全く関係ないぞ。な、シル
フィール。」
「ええ、まあ…・」
「ガウリイは人権ないからいいのっ!!文句あるなら多数決で決めようじゃない。ガウリ
イを人数に入れるべきだと思う人!」
リナの一声に、一斉に手を挙げる一同。
「決まりね。日本もアメリカ同様民主主義なのよ。ガウリイ。あきらめて。」
「不条理だっ!!いやだっ!!オレは関係ないっ!大体、ひとり100万もどうやって払
うんだっ!?オレは自慢じゃないけど金なんてないぞっ!!」
「んなのわかってるわよ。ここの人間がアメリア以外貧乏なことくらい。だから方法考え
るのよ。どうすればいいと思う?」
リナはみんなを見回して言う。
「銀行強盗ね。」
ミリーナの本気の一言にその場に転ぶリナ。
「なんでそこで犯罪に走るのよっ!!そうじゃなくってねえ!」
「宝ぐじとか。」
「いや、徳川埋葬金探ししかないだろ。」
アメリア、ルークと続ける。
「いや・・そうじゃなくてね…現実問題として考えて…」
こめかみを引きつらせながら言うリナにゼロスが、
「それなら、ここは、ひとつゼルガディスさんが一肌脱いで女装して、一晩いくら
で・・」
「そういうのは、ガウリイの分野だろ?俺は死体洗いくらいしかできんぞ。」
「勝手にオレの分野にするなっ!!だいたい、オレは関係ないんだって!」
混乱しまくった会話に止めたのは、ずっと沈黙していたシルフィールの一言だった。
「リナさん。泊まり込みのバイトなんてどうです?」
「シルフィール。い、いつからいたの?」
リナの正直すぎる一言にシルフィールは苦笑しながら、
「ガウリイさまと一緒に最初からいましたよ。寄っていかないかとお誘い下さったの
で・・」
シルフィールは剣道部のマネージャーなので、たまに部長のガウリイにくっついて正義館
に遊びに来るのだ。
「そ、そうだったの。ごめん。それより、泊まり込みのバイトか…それ、いいかもしんな
いわね。」
「実は、私の知り合いがK県のアミューズメントパークで夏休みバイトを募集してるんで
すけど、そこの定員が足りなくてこまってるみたいだから…リナさん達もよろしかったら
どうです?」
「ちなみに、それってどのくらい稼げるの?」
シルフィールの答えに、リナ達は一も二もなくその話に飛びついたのだった。



5−2に続く。



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1817再掲示「ここは正義館エピソード5−2」えれな E-mail 3/20-06:46
記事番号1809へのコメント


ここは正義館



エピソード5−2.ざ・さまーばけーしょん





「きゃあああっ!!海ですよっ!!すごおおい!きれいっ!!遊園地もありますう!」
はしゃぐアメリアに、ミリーナも浮遊車(レビテーション・トレーン)の窓から身を乗り
出してにっこり笑う。
「あら、ほんとにきれいな青ね。カモメがいるわ。おいしそうね。」
「おいおいっ!!ちょっと見たか?今の娘。すごかったぞ。あの足たまらんっ。」
「いやいや、あの娘の方がすごいぞっ!!ナイスバディ!!天国だな・・ここ・・」
ルークとガウリイも窓から身を乗り出して、風景をもとい女の子を観察している。
そんな窓際で騒ぐガウリイを見て、リナはため息をつく。
「ため息なんてついてどうしたんだ?リナ。」
いつのまにか、ゼルガディスがリナの横に座っている。
「なんでもない…・・そういうあんたは観察しないの?」
リナはため息を見られていたのが恥ずかしかったのか、顔をそらしながら言う。
「いや、俺は…・お前と似たような理由で海が苦手でな。」
リナは言われて、赤くなる。
…・聞かなくても、ため息の理由、わかってるんじゃない…・
ゼルガディスは、そんなリナを見てリナにだけ聞こえる声でつぶやく。
「ガウリイには悪気はないんだよ。お前は別に憂鬱になんかならなくても大丈夫だと思う
ぞ。」
言われてリナはますます赤くなる。
何か悔しいリナは、ゼルガディスに向かってこっそりと言う。
「あたしと同じ理由ってことは・・あんたも気にしてるんでしょ?大丈夫よ。アメリアは
外見なんてこだわらないから。」
今度はゼルガディスが赤面する番である。
「何お二人で赤くなってるんですか?暑いのならこれでもどうぞ。」
そんな二人を知ってるのか知らないのか、ゼロスがにっこり笑って、ジュースを渡す。
赤面しているところを見られて二人は無言のままジュースを受け取る。
二人を微笑ましい思いで見ながらゼロスは、
「大丈夫ですよ。ここには僕たちはアルバイトをしに来てるんですから。海に入る機会な
んて期待できないと思いますよ。」
さらりとそう言うと、そのまま窓際で騒ぐガウリイ達の方へと歩いていく。
見抜かれている…・
リナとゼルガディスはこの時、同時に同じことを思い、同じような顔をしているお互いを
見て思わず笑いをこぼす。
「変わってないな・・俺もお前もあいつらも…・・」
ゼルは笑いながら、ぼそりと呟く。
「え・・?なんて…?」
きょとんとした顔のリナに、ゼルガディスははっとして、
「いや…なんでもない。それより、もうすぐなんじゃないか?シルフィール。」
シルフィールに話を振る。
結局、なぜか成り行きでシルフィールまでついて来たのだ。
「ええ。もうすぐです。皆さん、そろそろ降りる準備して下さいね。ああ、それから。こ
れを渡すのを忘れてました。はい、どうぞ。」
シルフィールが渡した紙には、リナ達各人の勤務場所が書かれていた。





気持ち悪い…
非常にやかましい子供達とおばさん達に囲まれて、リナは営業用スマイルを浮かべてはい
たが、リナの心にはこの言葉がエンドレスで回り続けていた。
なんとも言えない重力が身体にかかる。
今日でもう何度目だろうか。耳鳴りと共に身体がぐんと重くなる。
チーン。
ドアが開くと、そこには寒気がするくらいの人数のガキども。
「上に参ります。上に参ります。展望台へお越しの皆様はこのエレベーターをご利用くだ
さいませ。」
リナの機械的な言葉に、ガキどもがわらわらわらわらエレベーターの中に入ってくる。
「御一歩づつ中ほどにお詰め下さいませ。」
ともすれば顔に表れそうないらだちを、必死に出さないようにしながら、リナは言う。
そして、ドアを閉める。
また、身体にかかる重力。なんとも言えない不快感。
チーン。
ドアが開くと、一斉に人々がエレベーターから降りていく。
「展望台へは左手にお進み下さいませ。御来塔ありがとうございます。」
人々が全員降りたのを見計らって、リナは下行きのボタンを押す。
ドアが閉まり、エレベーター内にはリナひとりになる。
そして、また、同じことを永遠に繰り返すのだ。
…・・あたし、この先一ヶ月、こんなことばっかりしなくちゃいけないのね…そのうち死
ぬんじゃないかな…・・ああ…気持ち悪い…・・
リナの仕事は、アミューズメントパーク内の大展望台のエレベーターガールだった。






苦しい…
水の中でガウリイはそう思った。
腕の中には、混乱してじたばた暴れる子供。
助けようとしているガウリイのお腹を容赦なく蹴りつける。
今、この手を放せばこの子は死んじまう。
しかし、こうも蹴られたり殴られたりされると、思わず手を放したくもなる。
ガウリイは暴れる子供を腕の中に抱えつつ、岸へ向かって泳ぎ出す。
なるべく、子供の顔が水面上に出るようにして泳ぎたいのだが、子供は暴れてそれどころ
じゃない。
「ぐはっ…おい・・ちょっと…頼むから…おとなしく…うっ。」
子供とは言え混乱のあまりの渾身の力をこめたキックをまともにお腹に食らって、ガウリ
イは、思わず水中で泳ぎを止めてしまい海水を飲む。
ここで、オレが溺れたらこの子も死んじまう。
腹部に痛みを感じつつも、ガウリイは平泳ぎをして、なんとか岸にたどりつく。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
岸には、さっきの子供の親と思しき人物が、げほげほ咳込んでるガウリイの耳元向かって
にぎゃあぎゃあ叫んでいる。
頼むから耳元で叫ばないでくれ…・・ただでさえ、お宅の息子に蹴られまくって気分悪い
のに…・・
ガウリイの切実な願いもむなしく、親御さんはただ泣きながら叫ぶ。
とりあえず、ほっと一息ついたガウリイの耳に、誰かの叫び声が聞こえる。
「大変だ!!女の子が溺れているぞ!!」
またか。
ガウリイの仕事は、海水浴場の監視員もとい、人命救助隊員だった。





暑い…・・
ゼルガディスの頭にはその言葉がエンドレスで回っていた。
「ああっ。かわいい!!写真撮ってもらおうよ!」
「あっ。ほんとだ!やだ〜!誰が写真撮るの?」
「あたし、この場所がいいな。いいでしょ。ムッキーのとなり。」
「ああっ。エリずるいいい!!あたしもムッキーのとなりがいい!」
「あとで場所交換すりゃいいじゃん。」
ゼルガディスは、女の子達に囲まれていた。
「は〜い。撮るよ〜。一たす一は?」
『二。』
カシャッ。
「ああっ。今、あたし、目ぇつぶっちゃったあ。」
「も一回撮ろうよ。場所変えてさあ。」
ゼルガディスの周りの女の子達は、ゼルガディスの腕を掴んだままで離してくれない。
ゼルガディスは暑さのあまり抵抗する気力もなく、無言で彼女達の好きなようにされてい
た。
「ふわふわして気持ちいいねえ。触ってみてえ。」
「ほんとだぁ。ほんとにムッキーマウスってかわいいよね。会えてよかったよね。」
「は〜い。撮るよ〜。一たす一は?」
『二。』
カシャッ。
「ああっ。あそこにムニーちゃんがいるっ!!あっちで写真撮ろうよ!行こう!」
「ほんとだ〜!待って〜!!」
女の子達は、一斉にゼルガディスから離れて、ムニーマウスの方へと走っていく。
「やっと行ってくれたか…」
ゼルガディスがそう呟いた矢先に。
「あっ!!ムッキーマウスがいるーー!!ママー!写真撮りたい!」
子供の声がゼルの聞こえづらい耳に届く。
ゼルガディスの勤務先は、ムッキーマウスのぬいぐるみの中だった。





忙しい……
アメリアは、それこそ目の回る忙しさの中にいた。
「いらっしゃいませ。ご注文はいかがなさいますか?」
「ええっとぉ。どれにしようかな…・ええっとぉ。ケーキとぉ、ジュースとぉ、でも、
やっぱり、パフェも食べたいかなあ。」
「ケーキとジュースなら、ケーキセットがございますが。」
いらだちを顔に出さない様に、むやみに、にっこりと笑うアメリア。
「でもぉ。ケーキってえ。どんなのがあるのお?持ってきて見せてくれない?」
「はい、かしこまりました。」
くそ忙しいのに、ケーキのサンプルを取りに、裏方まで走るアメリア。
「アメリアちゃーん。12番テーブル、バッシング(片づけること)してー!」
「はーい!」
ケーキのサンプルを見せ終わったら、バッシングしよう。
と、考えながら、さっきの客のところにケーキのサンプルを見せに行く。
「こちらが、ケーキのサンプルになっております。」
「ふ〜ん。このケーキ何?」
「そちらは、キャラメルのスポンジケーキです。」
「これはあ?」
「そちらは、チョコレートのムースです。」
「ふ〜ん。なんかおいしそうなのないわね。ケーキ止めるわ。パフェにする。」
「あ・・はい、かしこまりました。では、」
それなら最初からパフェにせんかい!
と心の中で思いながら、アメリアはにっこり笑ってその場を去ろうとする。
「あ。ちょっと待って。お姉ちゃん。」
「はい?なんでしょうか?」
「あたしい。このアミューズメントパークの歴史が知りたいんだけどお。創業はいつな
の?」
「えっと…・・少々お待ち下さいませ。」
アメリアは、店内を走りまわって、他のバイトに創業の年を聞きまわる。
やっと聞き出した時には、さっきの客の席にはもう誰もいなかった。
「アメリアちゃーん!10番のお客さん、帰られたからー!バッシングお願い!」
アメリアの勤務先は、パーク内でも一番の回転率を誇る巨大喫茶店だった。




おもしろい……・
ミリーナは、瞳をかがやかせて、そのレバーを握っていた。
「きゃあああああああああっ!!」
「んにゃあああああっ!!」
「止めてくれええええええっ!!」
みんな、気持ちよさそうに叫んでいる。
もうちょっとサービスしてあげてもいいかな…・
ミリーナは、少しレバーを押す。
すると、お客さんはみんなますます興奮して叫ぶ。
「うぎょえええええええっ!!」
「ぐあああああああああっ!!」
「目が回るうううううううっ!!」
そろそろ終了の時間が近づく。
フィニッシュは、最高の出来にしないとね…
ミリーナは、急にレバーをぐっと押し、そして客の反応を見る。
「…!!!!!」
あまりの凄さに声も出ないらしい。
その様子に満足して、ミリーナは徐々にレバーを引く。
ビー。
「はい、お疲れさまでした。足元に注意して降りて下さい。」
ミリーナのアナウンスの後、お客がふらつきながら、出口に向かう。
「目が回る…・・」
「なんか、こないだよりもずっと激しかった気がしないか?」
「おもしろかったあ。またあとで乗ろうね。」
お客の感想を聞きながら、ミリーナはにっこり笑う。
ミリーナの勤務先は、こともあろうか遊園地の回転絶叫マシーンの操縦席だった。





臭い……
ルークはそれを掴みながら思った。
もう感覚など麻痺してるものだと思ってはいたが、まだ感覚が残っているらしい。
いっそのこと、感覚が麻痺してくれた方がマシだ。
そんなことを思いながら、ルークは作業に入る。
「よいしょっと。ああ、何が入ってんだ?これ。重いぞっ!!」
思わず、それを乱暴に投げ込む。
乱暴になげすぎたのか、袋が破れて中身がとびだす。
「うわっ。サイテー。」
しょうがなく、中身を拾い集める。
「やだ。くっさーい。なんなのこの匂い。」
「あ・・あそこよ…・」
後ろの方から、女の子の声が聞こえる。
むかむかを押さえながら、ルークは黙って拾い続ける。
俺だって好きでこんなことしてるんじゃねえ!
そう叫びたいのはやまやまだが、叫んだところでどうにかなるものでもない。
……今ごろ、ミリーナもこんなつらい目にあってるのかな…あいつ、ああ見えて繊細だか
ら、大丈夫かな……
ルークはミリーナのことを考えると、女の子どもの罵声も忘れてしまう。
ミリーナのことを考えると怒りが沈むのだ。
ルークは、全てのものを拾い終え、次の地点へ向かう。
ルークの仕事は、ゴミ箱のゴミ収拾だった。
ちなみに。
ルークが、ミリーナが狂喜の笑みを浮かべて絶叫マシーンを操縦しているところを目撃す
るのはこの数時間後である。





「おや、みなさん、お揃いで。いかがでしたか?初日のバイトは。」
従業員食堂にゼロスの声が響く。
「気持ち悪かった…・」
「苦しかった…」
「暑かった…・」
「忙しかった…・」
「おもしろかった…・」
「臭かった…・」
それぞれが、それぞれの正直な感想を一言だけ述べて、ご飯を食べるのに戻る。
「そういうお前はどうだったんだ?ゼロス。」
ゼルガディスの言葉にゼロスはにっこり微笑んで、
「なかなか楽しかったですよ。皆さん驚いて下さって。」
本当に楽しそうに言う。
ゼロスは、お化け屋敷のお化け役だったのだ。
「お前って、どんな時でも絶対上手に生きてるよな・・世渡り上手というかなんという
か。」
ルークが、やげやりに言う。
「そんなことないですよ。まあ、今日は疲れたでしょうから、ゆっくり休んで下さいね。
では、僕は失礼します。」
「どこいくんですか?ゼロスさん。」
アメリアの質問に、ゼロスはにっこり微笑んで、
「ちょっとバーまで。」
そう言いのこして去っていった。
「また女ひっかけやがったな…ゼロスのやつ…」
「お化け屋敷の中で何してたんだか…」
立ち去るゼロスの後ろ姿を見送って、ゼルガディスとルークが呟く。
「あれ…リナ。お前、どうしたんだ…?飯、食わないのか?」
「ん…・あたし、もう寝るわ。なんか、気持ち悪くって……」
ガウリイの言葉にリナは、青ざめながら席を立つ。
一日中エレベーターに乗っていたのだから、酔っても仕方がない。
もともと、リナは乗り物にはそんなに強くないのだ。
「ちょっと、リナ。待て。部屋まで送っていくよ。」
ガウリイは、ふらつくリナを見て席を立つ。
「大丈夫よ。ちょっと酔ってるだけなんだから。薬もらって…・」
言いかけて、リナは目眩を覚えてその場にへたり込む。
「リナ!!」
ガウリイの叫び声を耳に残しながら、リナの意識は暗転した。



続く。


************************************

てなとこまでです。
ただいま。スランプ街道絶好調♪(爆)
なのでしばしお待ち下さい。
納得いかないのをアップするのだけはいやなので。ごめんなさい。
しかし・・・・我ながら・・・ひどいとこで切っている・・・
ほんとにごめんなさい m(−−)m

では。







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1819Re:再掲示「ここは正義館エピソード5−2」さぼてん 3/20-07:38
記事番号1817へのコメント
えれなさん、再掲示ご苦労様でした。


>てなとこまでです。
>ただいま。スランプ街道絶好調♪(爆)
>なのでしばしお待ち下さい。
>納得いかないのをアップするのだけはいやなので。ごめんなさい。
>しかし・・・・我ながら・・・ひどいとこで切っている・・・
>ほんとにごめんなさい m(−−)m
>
>では。

スランプですかぁ・・・大変ですねぇ・・・
私なんかいつもスランプ、一ヶ月に寝た一個見つけられれば、いい方です。
ではおもしろい作品を期待しております。
がんばってください。

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1835Re:再掲示「ここは正義館エピソード5−2」えれな E-mail 3/21-00:29
記事番号1819へのコメント
さぼてんさん。再掲示までもレスくださってありがとうです
>えれなさん、再掲示ご苦労様でした。

いえいえ。なんか容量食ってるみたいですごおおおおく気がひけてるんですが。
要望があったので、全部再掲示なんつーたわけたことさせていただきました。

>スランプですかぁ・・・大変ですねぇ・・・
>私なんかいつもスランプ、一ヶ月に寝た一個見つけられれば、いい方です。
>ではおもしろい作品を期待しております。
>がんばってください。

えれなも、年中スランプです(爆)
ネタだけはぽこぽこ湧いてくるんですけど。それをどこにどーやって入れていまま
でのとどーつなげて、あれをこーして・・・とか考えてたら、ふぬーーーっ!って
なっちゃうんです(笑)
まあ、なんとかしますので。長い目で見てやって下さいね。
ありがとうです。では。また。

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1843Re:再掲示「ここは正義館エピソード5−2」御茶らちゃ 3/21-13:14
記事番号1817へのコメント
えれな様、お久しぶりです。御茶らちゃで−すっ!!
最近、見てはいたのですがこうしてコメントを書くのはさぼっていました。なはは・・・・
このシリ−ズもずいぶんと書いていらっしゃいますよね。
これからもがんばってください。
あ、お仕事の方も。(笑)

>気持ち悪い…
>非常にやかましい子供達とおばさん達に囲まれて、リナは営業用スマイルを浮かべてはい
>たが、リナの心にはこの言葉がエンドレスで回り続けていた。
>なんとも言えない重力が身体にかかる。
うっわ−・・・・夏のエレベ−タ−って乗るだけでも悲惨なのに、よく生きてられるなあ、リ
ナ・・

>臭い……
>ルークはそれを掴みながら思った。
>もう感覚など麻痺してるものだと思ってはいたが、まだ感覚が残っているらしい。
>いっそのこと、感覚が麻痺してくれた方がマシだ。
>そんなことを思いながら、ルークは作業に入る。
いや、な−んかにあいますよねル−クにこ−ゆ−のって。(爆)


>……今ごろ、ミリーナもこんなつらい目にあってるのかな…あいつ、ああ見えて繊細だか
>ら、大丈夫かな……
うそつけ。
信頼感って時に邪魔同然な物になりますよね。(激爆)

いきなり出てきていきなり終わってすいません・・・ほんとに。
コメント書かなくても見てますから。
これからもよろしくです。
それでは、また。


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1899御茶らちゃさん♪久しぶりです♪えれな E-mail 3/24-04:02
記事番号1843へのコメント
御茶らちゃさん、久しぶりですう。いつかはどーも(笑)

>最近、見てはいたのですがこうしてコメントを書くのはさぼっていました。なはは・・・・
>このシリ−ズもずいぶんと書いていらっしゃいますよね。
>これからもがんばってください。
>あ、お仕事の方も。(笑)

ふ。最後のツッコミにちょっとせーしん攻撃受けたかなあ〜みたいな(笑)
いえいえ、どっちもがんばります(笑)

>うっわ−・・・・夏のエレベ−タ−って乗るだけでも悲惨なのに、よく生きてられるなあ、リ
>ナ・・

ほんとにこれはしんどいです(笑)えれなは元エレベーターガールですから(笑)バイトですけど
(笑)

>いや、な−んかにあいますよねル−クにこ−ゆ−のって。(爆)

わははは。正直なあなたの意見が好きです(笑)そーよね。似合うよねえ(爆)

>>……今ごろ、ミリーナもこんなつらい目にあってるのかな…あいつ、ああ見えて繊細だか
>>ら、大丈夫かな……
>うそつけ。
>信頼感って時に邪魔同然な物になりますよね。(激爆)

わははは(笑)そのとーり(笑)でも、あばたもえくぼって言いますし(笑)

>いきなり出てきていきなり終わってすいません・・・ほんとに。
>コメント書かなくても見てますから。
>これからもよろしくです。
>それでは、また。

は〜い。えれなもらちゃさんの今度読みますう。
今、読むとななめ読みになっちゃうので(眠気まっくす)ゆっくり読んでから、感想しますう。
では。また。



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1852Re:再掲示「ここは正義館」ブラントン 3/21-17:52
記事番号1817へのコメント

 えー、どうもどうもー。

 初めまして、えれな様。
 もうなんでいまさらっ! なのですが、正義館の感想載せさせていただきますね。

 いや、遅れてしまったのにもいろいろ事情がありまして。
 やれテストがあっただの、テストがあっただの、テストがあっただの……
 あ、テストもあったな。(爆)

 ですが、こんな素晴らしい話には書かねばいかーん! と自分を奮い立たせ、これから1話から
4話まで、各話ごとに感想を載せていこうと思います。


「言うことないっ!」

 ではまず、全体の総評ですが。
 ……上に書いたとおりです。
 私毎度毎度感想には小うるさいこと書いてますが、このシリーズに関しては本当に言うことない
です。
 このままとことん突っ走っていただきたいです。

 一番すごいと思うのは、機械と魔法が共存してる点。
 つっこもうと思えばつっこめそうな点はたくさんありますけど、そういう部分は全部切り捨てて
、自分に都合良く持っていく辺りはすごいです。
 それに世界が広い! 2クールぐらいならいくらでも話が作れそうなほどにオープンですね。

 で、私の一押しはやっぱりルークとミリーナでしょう。
 猫南に子猫、そして書き殴り内では初登場でしょう? 彼ら。
 私はガウリナよりもこの二人の方が好きな不届き者だったりするので、がんばってほしいです。
(でもいちばんはゼルアメですけど)
 本編のミリーナはギャグは徹底的に無理なのでどう持ってくるかと思いきや、どんどん壊れてま
すし。過去の謎も楽しみです。

 執筆が遅いのは仕方のないことです。
 いい文章なら、遅くても待ちます。それだけの価値がありますから。
 私なんてもう書き始めて一年たってるのありますし。しかもそのくせ量はたいしたことなかった
りしますし。内容も然りですし。でも今月中には完成です!
 〆切ないから、気楽に考えられますのでね。

 では、1話から載せていきたいと思います。

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1897ブラントンさま。ありがとうです♪えれな E-mail 3/24-03:36
記事番号1852へのコメント

> 初めまして、えれな様。
> もうなんでいまさらっ! なのですが、正義館の感想載せさせていただきますね。

いえいえ。感想はいつ読んでもためになりますのでいつもらってもうれしいですよ。
>
> いや、遅れてしまったのにもいろいろ事情がありまして。
> やれテストがあっただの、テストがあっただの、テストがあっただの……
> あ、テストもあったな。(爆)

あ。学生さんですね(笑)それは今回の4話は笑い事じゃなかったかも(笑)
かく言うえれなも学生ですけど(笑)

>「言うことないっ!」
>
> ではまず、全体の総評ですが。
> ……上に書いたとおりです。
> 私毎度毎度感想には小うるさいこと書いてますが、このシリーズに関しては本当に言うことない
>です。
> このままとことん突っ走っていただきたいです。

ああっ。ありがとうですう。でもまだまだ至らないとこもいっぱいあるんですよ。ほんとに。
まあ、突っ走るのはやめませんけど(笑)

> 一番すごいと思うのは、機械と魔法が共存してる点。
> つっこもうと思えばつっこめそうな点はたくさんありますけど、そういう部分は全部切り捨てて
>、自分に都合良く持っていく辺りはすごいです。
> それに世界が広い! 2クールぐらいならいくらでも話が作れそうなほどにオープンですね。

そおですねえ。ふろしき広げすぎてちょっと困ってるくらい世界広すぎですね(笑)
機械と魔法の共存は、こうだったら楽しいに違いない。って点から勝手に作っちゃいました(笑)

> で、私の一押しはやっぱりルークとミリーナでしょう。
> 猫南に子猫、そして書き殴り内では初登場でしょう? 彼ら。

そうだったのですか。えれなはネット歴がまだ浅いので詳しく知らないんですけど。
とりあえず、好きだから出してしまったのです(笑)

> 私はガウリナよりもこの二人の方が好きな不届き者だったりするので、がんばってほしいです。
>(でもいちばんはゼルアメですけど)
> 本編のミリーナはギャグは徹底的に無理なのでどう持ってくるかと思いきや、どんどん壊れてま
>すし。過去の謎も楽しみです。

これはですねえ。ミリーナはほんとはマトモ路線のはずだったんです。だって設定のとこで「正義館で一番
マトモな精神の持ち主」って書いてるくらいだし(笑)しかし。周りが濃いとミリーナも濃くなろうとする
のか、こんなことに(笑)そしてある意味、一番いっちゃってるヒトになりつつある今日この頃です(笑)

> 執筆が遅いのは仕方のないことです。
> いい文章なら、遅くても待ちます。それだけの価値がありますから。
> 私なんてもう書き始めて一年たってるのありますし。しかもそのくせ量はたいしたことなかった
>りしますし。内容も然りですし。でも今月中には完成です!
> 〆切ないから、気楽に考えられますのでね。

そうですねえ。趣味でしてることだし(笑)気分の乗らない時に無理して書いてもいいものできないし。
このへんがいいとこですよね。
お互い、楽しんでがんばりましょう。

では。

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1986Re:ぜんぶまとめていきましょう。ブラントン 3/31-18:53
記事番号1897へのコメント
 それでは、ぜんぶまとめてレスのレスいかせていただきます。

>>『「まあ、スレイヤーズだからね」と、しごく妥当な評価を……』
>> 受けてない受けてない。

>ふ。これ。えれなもよく言いわけに使います(爆)
>ああ。神坂せんせい。ごめんなさいっ!(笑)

 でりしゃすネタをご存じとはかなり手強いっ!
 私なんか、それと本編第二部しか文庫持ってないんですよっ!

>えれなはどんな趣味の方でもスレイヤーズをけなしたりしない限りは全然気にしませんよ(笑)

 おお、素晴らしいお考えです。
 基本的に私もそうですけど、さすがにや○いあたりまでくると……
 
>ああ。これは原作の話です。
>原作で、一番らぶらぶしてるのはルーク・ミリーナだという意味です。

 同感です! 
 それを決定づけたのは、何といっても12巻の
 「私は不器用ですから」
 ですよねーっ!
 このセリフは気に入りまくってます。

>いえいえ。らぶらぶも一度試してみたらどうです?(笑)
>18禁まで書けるようになってしまいました(爆)

 私がらぶらぶ無理なのにもいろいろ理由はあるのですが……
 とりあえず、猫南の話題別に設置したツリーをご覧になれば、その一端がわかるかもしれません。
 でも18禁は無理ですぅ。だって年齢いってないですもの(笑)

>某くらぶの部員ですから(笑)

 おおっ、そうだったのですか。それはそれは……

>>猫南に子猫、そして書き殴り内では初登場でしょう? 彼ら。

>そうだったのですか。えれなはネット歴がまだ浅いので詳しく知らないんですけど。
>とりあえず、好きだから出してしまったのです(笑)

 好きだから出すのは、よくわかります。これまた上に同じですね。
 それと私の記憶の限りでは、魔道士暴走組合も含めまして初登場のはずです。
 短編のチョイ役ならまだしも、正式に出てきたことはないはずです。

>えーと。リナはちょっと幼く設定してます。
>んで、ガウリイをちょっと大人に設定してるかな。
>リナは旅をしてないので、結構世間知らずなとこもあるでしょうし。
>その方が書きやすいんです(爆)

 つまり、原作と違って旅をしていないので、いわゆる世間との上手なつきあい方うんぬんを知らないのですね。
 となればますます弱くなっちゃいますねえ。リナさん。
 でもガウリイの過去にも暗い部分があるようで、弱い部分を持つのは二人共通ですね。
 オリジナルな設定がある分、愛の形もいろいろ違うのでしょう?
 これも楽しみですね。

>ごめんなさい。GSって何かわからないです(笑)

 これはサンデーに連載中の「GS美神」のことです。
 ルークが横島くんにそっくりだったのでそう思いました。

>このへんのギャグはあんまし深く考えない方がいいです(笑)

 とは言われましてもねえ……
 イッソンが魔族でしかも獣神官まで存在するのであれば、このストーカー事件自体が獣王軍の策略だったと思えて
しまいますし。
 彼女がいるのは間違いないと思うのですが。

>実はもっともっと長かったこの空中砲撃戦(笑)
>これでもかなりカットしたんです(笑)

 なんでです!?
 そんな削らなければならない理由でもあったのですか?

>で、今は7話あたりのヤマまで(笑)
>ちなみに、上のプロットと大差はないです(爆)

 5話は予想では一話完結ですので、その次から本編に戻り前後編の話にするのかと。
 それにプロットなんてそんなものかと思うのですが。

>この4話は実は、タイトルと冒頭とラストしか決まってなかったんです(爆)

 ええーっ!?
 私はてっきり最後の「生」攻撃から始まったと思っていました。
 でもガウリイを使った人体実験って、本筋に関係あるのかないのかよくわからないです。
 
>下半身でとける国語というのは、18禁な国語の問題というのではなく(爆)、
>上半身を使わない、つまり脳味噌を使わない解き方。
>つまり勘で解く。ってことです(笑)

 ・・・考えてみれば軍人だったのですから、高校での勉強なんて余裕なんじゃないですか?
 それとも天才的な才能のみでやっていったのでしょうかねえ、彼の場合。

>えれなの解釈としては「兄心が混ざった男心」が言わせてる発言なんじゃないかと(笑)
>恋愛感情が言わせてるかどーかと言えば、それはちょっと疑問です。
>ま、ガウリイの「男」な部分を現す数少ないとこだと思いますけど(笑)

 私としては、現時点でガウリイはリナに恋愛感情はほぼ持っていないと思っています。
 
>ゼロスは「転生」という言葉がふさわしくないんですけど。

 これはわからないですねえ……
 謎は深まるばかりです。
 前にも書きましたけど、とりあえずストーカー事件は獣王軍の起こした事なのではないかと。
 だから当然ゼロスも知ってたということですね。
 だって、ゼロスがイッソンが代わりをしていた間どうしてたか、書いてないじゃないですか。
 普通は監禁とかされてるものなのに。

>半分あたりですけど、半分はずれ(笑)

 ということは、ゼロスが教師やってるのは遊びを兼ねた任務ですね。
 でも何もかもわかってるのは本当みたい。

>生物教師な理由はそれがひとつです。
>けどまだあります(笑)それは秘密です(笑)

 と言われると、ガウリイの人体実験が何らか関係あると思えてしまうんですよねー。
 転生とも関連性あるのでしょうか?

>指導員ゼロスは・・・いずれまた・・(笑)

 これは監視役だと思います、はい。

>出てますねえ(笑)予想通りです(笑)

 見てみればいきなり5話の冒頭に出てました(笑)
 やっぱりガウリナらぶこめで彼女の存在は不可欠ですよね。

>そもそもイッソンはなんでゼルにあんなもん見せたのか?とか(笑)

 そんなのわかるかいっ!
 ……以上です。

 では、5話の感想は完結後に。
 とりあえず、3はリナの夢のシーンから始まるのではないかと思っているのですが。
 定番すぎてありませんかねえ……?

 それでは、執筆がんばって下さい!

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2009Re:ぜんぶまとめていきましょう。えれな E-mail 4/3-02:01
記事番号1986へのコメント
ブラントンさん,レスのレスのレス行きます(笑)
>
> でりしゃすネタをご存じとはかなり手強いっ!
> 私なんか、それと本編第二部しか文庫持ってないんですよっ!

なぜに本編二部だけ??(笑)本編のカバーイラスト変わったみたいですからこれを機に買ってみては?(笑)
えれなもでりしゃすは二つ目のしか持ってません(笑)探してるんだけどないのです。

> >えれなはどんな趣味の方でもスレイヤーズをけなしたりしない限りは全然気にしませんよ(笑)
>
> おお、素晴らしいお考えです。
> 基本的に私もそうですけど、さすがにや○いあたりまでくると……

んっふっふっふ・・・・すいません・・今回のエピソード4・・そーゆー読み方された方・・いらっしゃいます(笑)

>>ああ。これは原作の話です。
>>原作で、一番らぶらぶしてるのはルーク・ミリーナだという意味です。
>
> 同感です! 
> それを決定づけたのは、何といっても12巻の
> 「私は不器用ですから」
> ですよねーっ!
> このセリフは気に入りまくってます。

えれなも好きですーーっ!!その続きを聞きたいのに、いいとこで魔族がでてくるしーーっ!(笑)

>>いえいえ。らぶらぶも一度試してみたらどうです?(笑)
>>18禁まで書けるようになってしまいました(爆)
>
> 私がらぶらぶ無理なのにもいろいろ理由はあるのですが……
> とりあえず、猫南の話題別に設置したツリーをご覧になれば、その一端がわかるかもしれません。

はーーい。猫南最近行ってないけど今から行ってきます(笑)

>>えーと。リナはちょっと幼く設定してます。
>>んで、ガウリイをちょっと大人に設定してるかな。
>>リナは旅をしてないので、結構世間知らずなとこもあるでしょうし。
>>その方が書きやすいんです(爆)
> つまり、原作と違って旅をしていないので、いわゆる世間との上手なつきあい方うんぬんを知らないのですね。
> となればますます弱くなっちゃいますねえ。リナさん。
> でもガウリイの過去にも暗い部分があるようで、弱い部分を持つのは二人共通ですね。
> オリジナルな設定がある分、愛の形もいろいろ違うのでしょう?
> これも楽しみですね。

きゃーー。なんだかほんとに凄い読解力ですね。ブラントンさんってば(笑)
そーなんですー。弱いのは二人ともなんですー(笑)がんばって書きますー(笑)

>>このへんのギャグはあんまし深く考えない方がいいです(笑)
>
> とは言われましてもねえ……
> イッソンが魔族でしかも獣神官まで存在するのであれば、このストーカー事件自体が獣王軍の策略だったと思えて
>しまいますし。
> 彼女がいるのは間違いないと思うのですが。

う・・・・ほんとに・・・読解力ありますね・・(笑)

>>実はもっともっと長かったこの空中砲撃戦(笑)
>>これでもかなりカットしたんです(笑)
>
> なんでです!?
> そんな削らなければならない理由でもあったのですか?

いや・・・あんまし砲撃戦ばっかしやってると、戦いモノになっちゃうかと(笑)
それに、ガウリイかっこよすぎるかなーーって(笑)

>>この4話は実は、タイトルと冒頭とラストしか決まってなかったんです(爆)
>
> ええーっ!?
> 私はてっきり最後の「生」攻撃から始まったと思っていました。
> でもガウリイを使った人体実験って、本筋に関係あるのかないのかよくわからないです。

4話はギャグ月間だから、あんまし気にしちゃ駄目です(笑)
考えてもたぶん何も出てきません(笑)だって作者が何も考えてない(爆)
 
>>下半身でとける国語というのは、18禁な国語の問題というのではなく(爆)、
>>上半身を使わない、つまり脳味噌を使わない解き方。
>>つまり勘で解く。ってことです(笑)
>
> ・・・考えてみれば軍人だったのですから、高校での勉強なんて余裕なんじゃないですか?
> それとも天才的な才能のみでやっていったのでしょうかねえ、彼の場合。

軍人だけど、たぶん勉強はできないと・・(笑)本能と才能でやってたと思います(笑)

>>えれなの解釈としては「兄心が混ざった男心」が言わせてる発言なんじゃないかと(笑)
>>恋愛感情が言わせてるかどーかと言えば、それはちょっと疑問です。
>>ま、ガウリイの「男」な部分を現す数少ないとこだと思いますけど(笑)
>
> 私としては、現時点でガウリイはリナに恋愛感情はほぼ持っていないと思っています。

その解釈・・・えれなと一緒(笑)
> 
>>ゼロスは「転生」という言葉がふさわしくないんですけど。
>
> これはわからないですねえ……
> 謎は深まるばかりです。
> 前にも書きましたけど、とりあえずストーカー事件は獣王軍の起こした事なのではないかと。
> だから当然ゼロスも知ってたということですね。
> だって、ゼロスがイッソンが代わりをしていた間どうしてたか、書いてないじゃないですか。
> 普通は監禁とかされてるものなのに。

うーーん。これも・・・・・秘密(笑)

>>そもそもイッソンはなんでゼルにあんなもん見せたのか?とか(笑)
>
> そんなのわかるかいっ!

そーです。わかったら、それは天才を通り超えて、エスパーです(笑)
だってえれなしか知らん(笑)

> では、5話の感想は完結後に。
> とりあえず、3はリナの夢のシーンから始まるのではないかと思っているのですが。
> 定番すぎてありませんかねえ……?

ぎくーーーーっ!!(笑)
でも夢から始めようかと思ってたけど、違います(笑)
>
> それでは、執筆がんばって下さい!

はーい。今書いてる真っ最中です♪近いうちに5話をアップします!(笑)

いつもレスくれてありがとーです♪ブラントンさんのレスおもしろいから好きです(笑)

では!

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2000Re:再掲示「ここは正義館エピソード1」りーにょー E-mail 4/2-02:28
記事番号1809へのコメント
どうも!はじめましてりーにょーと申します♪
もう、ちょっとほんと、おもしろすぎです!!!!
なんでこんなにおもしろいんですか????(←マジできいてる)
リナりんうまい!!!!!
ガウりんうまい!!!!!!
ミリーナうまい!!!!!!(笑)
ルークうまい!!!!!!!
ゼロスもアメリアもゼルもうまいっ!!!!!!
すんごいくりそつ!!!!!(←そっくりという意味だけど・・・)
脳みそにはりつく作品弟2号ですよっっっっ!!!!!
あ〜〜〜〜〜〜〜もーーーーおもしろいよ〜〜〜〜(泣)
(おもしろすぎて泣いてる・笑)
再掲示ありがとうございます!!!!!!
続き!!!楽しみにまってますね!!!!!
がんばってください!!!!!!

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2010りーにょーさん、ありがとうです♪えれな E-mail 4/3-02:11
記事番号2000へのコメント
りーにょーさん、はじめまして。えれなです♪

>もう、ちょっとほんと、おもしろすぎです!!!!
>なんでこんなにおもしろいんですか????(←マジできいてる)

いやああん。誉めすぎです(笑)誉めたって何も出てきませんよう(笑)

>リナりんうまい!!!!!
>ガウりんうまい!!!!!!
>ミリーナうまい!!!!!!(笑)
>ルークうまい!!!!!!!
>ゼロスもアメリアもゼルもうまいっ!!!!!!
>すんごいくりそつ!!!!!(←そっくりという意味だけど・・・)

うぷぷぷぷぷぷ・・なんか・・うまいうまいって美味しいって言ってるみたいで
ちょっと笑っちゃいました(笑)
でもこれは凄くうれしーです。どれだけ本物に近いイメージで書くかを結構気にし
てるんで(笑)ミリーナのとこについてる(笑)が・・笑えます(笑)
彼女は例外(笑)

>脳みそにはりつく作品弟2号ですよっっっっ!!!!!
>あ〜〜〜〜〜〜〜もーーーーおもしろいよ〜〜〜〜(泣)
>(おもしろすぎて泣いてる・笑)

泣かせちゃいましたか(笑)ありがとうです♪なんかうれしー。

>再掲示ありがとうございます!!!!!!
>続き!!!楽しみにまってますね!!!!!
>がんばってください!!!!!!

はいっ!今、がんばって書いてますっ!
ありがとうです♪
では。えれなでした。