-花嫁の見る夢-東智華(3/21-00:05)No.1833
 ┣Re:花嫁の見る夢-松原ぼたん(3/21-10:26)No.1838
 ┣Re:花嫁の見る夢-さぼてん(3/21-11:05)No.1841
 ┃┗Re:花嫁の見る夢-東智華(3/21-23:35)No.1856
 ┣Re:花嫁の見る夢-御茶らちゃ(3/21-14:10)No.1847
 ┣紅の花嫁-東智華(3/21-23:32)No.1855
 ┃┣Re:紅の花嫁-松原ぼたん(3/22-15:21)No.1861
 ┃┣Re:紅の花嫁-さぼてん(3/23-06:54)No.1882
 ┃┣上のはミスですミス。・・こっちが本当のレスです。-さぼてん(3/23-07:01)No.1883
 ┃┃┗Re:上のはミスですミス。・・こっちが本当のレスです。-東智華(3/23-21:03)No.1894
 ┃┗花盗人-東智華(3/25-20:26)No.1907
 ┃ ┣Re:花盗人-松原ぼたん(3/25-21:39)No.1908
 ┃ ┃┗松原様♪-東智華(3/25-21:53)No.1909
 ┃ ┃ ┗東様へ-松原ぼたん(3/25-22:52)No.1913
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 ┃ ┃┣Re:悲嘆-松原ぼたん(3/27-12:35)No.1924
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 ┃ ┃┃┗ビンゴ!!-東智華(3/27-21:33)No.1934
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 ┃ ┃┃┗伝えられなかった真実-東智華(3/31-20:49)No.1987
 ┃ ┃┃ ┣Re:伝えられなかった真実-松原ぼたん(3/31-23:46)No.1992
 ┃ ┃┃ ┗寂しい瞳-東智華(4/2-20:25)No.2004
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 ┃ ┃┃  ┣Re:寂しい瞳-柚亀(4/3-19:50)No.2021
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 ┃ ┃┃   ┣Re:竜の祈り-松原ぼたん(4/6-14:40)No.2088
 ┃ ┃┃   ┃┗師匠ありがとうございました。-東智華(4/6-16:34)No.2093
 ┃ ┃┃   ┣Re:竜の祈り-さぼてん(4/6-20:26)No.2100
 ┃ ┃┃   ┗Re:竜の祈り-御茶らちゃ(4/7-20:16)No.2136
 ┃ ┃┗Re:悲嘆-御茶らちゃ(3/30-09:30)No.1967
 ┃ ┃ ┗Re:悲嘆-東智華(3/31-20:52)No.1988
 ┃ ┗Re:花盗人-さぼてん(3/28-12:03)No.1936
 ┣秘めたる想いーリナー-東智華(3/28-22:40)No.1942
 ┃┗まちがい、こっちが本当-東智華(3/28-22:46)No.1943
 ┃ ┣秘めたる想い−ゼロス−-東智華(3/28-22:49)No.1944
 ┃ ┃┣Re:秘めたる想い−ゼロス−-松原ぼたん(3/28-23:55)No.1950
 ┃ ┃┗Re:秘めたる想い−ゼロス−-さぼてん(3/31-15:49)No.1982
 ┃ ┣Re:秘めたる想いーリナー-松原ぼたん(3/28-23:48)No.1949
 ┃ ┣Re:秘めたる想い−リナ−-さぼてん(3/31-15:48)No.1981
 ┃ ┗うをぉぉぉ(感涙)-とんとん(4/19-03:18)No.2345
 ┃  ┗ありがとうございます-東智華(4/19-21:46)No.2357
 ┣ツリー対策其の一-東智華(4/9-05:50)No.2166
 ┃┣Re:ツリー対策其の一-松原ぼたん(4/9-06:41)No.2169
 ┃┃┗ありがとうございます。-東智華(4/9-21:12)No.2176
 ┃┣ツリー対策其の二-東智華(4/10-06:52)No.2189
 ┃┃┣Re:ツリー対策其の二-松原ぼたん(4/10-17:40)No.2194
 ┃┃┃┗Re:ツリー対策其の二-東智華(4/10-21:32)No.2219
 ┃┃┗ツリー対策其の三-東智華(4/10-22:48)No.2224
 ┃┃ ┣Re:ツリー対策其の三-松原ぼたん(4/10-23:18)No.2225
 ┃┃ ┃┗Re:ツリー対策其の三-東智華(4/11-16:25)No.2236
 ┃┃ ┗ツリー対策其の四-東智華(4/11-17:05)No.2239
 ┃┃  ┣Re:ツリー対策其の四-松原ぼたん(4/12-17:42)No.2246
 ┃┃  ┃┗Re:ツリー対策其の四-東智華(4/12-21:15)No.2250
 ┃┃  ┣Re:ツリー対策其の四-うみねこ(4/12-22:04)No.2251
 ┃┃  ┃┗ありがとうございました。-東智華(4/12-22:33)No.2252
 ┃┃  ┗ツリー対策其の五-東智華(4/14-23:54)No.2273
 ┃┃   ┗Re:ツリー対策其の五-松原ぼたん(4/16-18:30)No.2299
 ┃┃    ┗ありがとうございます-東智華(4/17-00:03)No.2312
 ┃┗Re:ツリー対策其の一-神楽奈津(4/10-11:21)No.2190
 ┃ ┗Re:ツリー対策其の一-東智華(4/10-21:36)No.2221
 ┣the change-東智華(4/18-22:25)No.2342
 ┃┣Re:the change-松原ぼたん(4/19-15:54)No.2351
 ┃┃┗ありがとうございます。-東智華(4/19-20:51)No.2356
 ┃┗the change2-東智華(4/28-09:36)No.2511
 ┃ ┗Re:the change2-松原ぼたん(4/28-18:50)No.2514
 ┗海の宝玉1-東智華(4/24-22:33)No.2428
  ┗海の宝玉2-東智華(4/24-22:36)No.2429
   ┣Re:海の宝玉1・2-松原ぼたん(4/25-19:53)No.2449
   ┗海の宝玉3-東智華(4/26-11:08)No.2466
    ┗海の宝玉4-東智華(4/26-11:10)No.2467
     ┗Re:海の宝玉3、4-松原ぼたん(4/26-17:02)No.2476
      ┗まとめてお礼-東智華(4/26-21:26)No.2482


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1833花嫁の見る夢東智華 3/21-00:05
記事番号1757へのコメント


 私はまだ実感できない。
 ゼロスが実在したのかどうか。
 あれは私達の見た夢なのではなかったろうか。
 黒髪に白い肌、紫水晶の瞳。
 彼が実在したかどうか伺い知ることは出来ない。
 命を懸けた駆け引き。
 穏やかな笑顔の裏にある冷酷さ。
「リナさん、綺麗ですぅ」
 アメリアが祝福してくれる。
「ありがとう」
 長い辛いときともにいた仲間・・・・だが、一つない。
 まるでパズルの一破片欠けたような感触。
 白いウエディングドレス。
 そう、あたしは結婚する。ガウリイと。
「どうしたんですか?」
「嘘みたいだな、と思ってね。あの頃が」
 平和な光景。喜ばしい。
「そうですね」
 アメリアはあたしが誰を思っているのかわかったようだ。
「実際にフィリアやヴァルガーブがいなかったらあいつのことは実はあたし達が見た夢何じゃないかと思ったでしょうね」
「リナさん・・・・」
「今でもわからなくなるの。あいつは夢だったのか現だったのか・・・・」



 アメリアが出ていってあたしは今一人で部屋にいる。
 鏡に映るのは・・・あたしだけの筈だが。
 後ろを振り向く。
「ゼロス!!」
 にこやかな表情。でもいつもと違う。
 ・・・・???
 すっとあたしの顔に手をやり上を向かせる。
「綺麗ですよ、リナさん」
 にっこりと微笑む。
「おめでとうございます」
「ありが・・・」
「・・・なんて、この僕が言うと思います?」
 冷たい空気。まるで氷のような。
「貴女を愛してるこの僕が!?」
「ゼロス・・・」
「気付いてたんでしょう?」
 冷たい口調。
 だが、その権利はゼロスにある。
 ずっと目隠しをしてたのはあたし。
「知らない振りをして貴女はガウリイさんのいえ、他の男のものになるんですね」
 ゼロスがあたしを抱きしめる。
 そして手を真横にすっと動かす。
 リナは鮮血に染まった。
 力が抜ける。
「こうすればよかったんです。これで貴女は他の男のものにならない」
 リナの血のように赤い唇にゼロスは口づけた。



 ・・・・鬼畜。反響が怖い。  

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1838Re:花嫁の見る夢松原ぼたん E-mail 3/21-10:26
記事番号1833へのコメント
 面白かったです。

> 私はまだ実感できない。
> ゼロスが実在したのかどうか。
> あれは私達の見た夢なのではなかったろうか。
 あー、何かそう思うのも分かる気がする。
> 冷たい空気。まるで氷のような。
 あー、冷酷ゼロスだー。
>「貴女を愛してるこの僕が!?」
>「知らない振りをして貴女はガウリイさんのいえ、他の男のものになるんですね」
 この台詞・・・・切ないですよね。
> ・・・・鬼畜。反響が怖い。
 別に怖がるような反応はこないとおもうけどなぁ。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありなましたなら。 

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1841Re:花嫁の見る夢さぼてん 3/21-11:05
記事番号1833へのコメント
東智華さんお久しぶりですさぼてんです。
今回はまたすごいのを書かれましたねぇ・・・

> 冷たい空気。まるで氷のような。
>「貴女を愛してるこの僕が!?」
>「ゼロス・・・」
>「気付いてたんでしょう?」
> 冷たい口調。

ゼロス様恐いです。

> そして手を真横にすっと動かす。
> リナは鮮血に染まった。
> 力が抜ける。
>「こうすればよかったんです。これで貴女は他の男のものにならない」
> リナの血のように赤い唇にゼロスは口づけた。

リナ、死んじゃったんでしょうか・・
はっきりしないんで、教えて下さればそれ幸いです。

ダークだったですけどそれなりに面白かったです。
又次の作品も頑張って下さい。

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1856Re:花嫁の見る夢東智華 3/21-23:35
記事番号1841へのコメント
すいませんリナ殺しちゃいました。
冷酷なゼロスが単に書きたかっただけです。ごめんなさい。
このシリーズもネタがつきてきた・・・・所詮発想が貧困な私。
見捨てないでくださ〜い 

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1847Re:花嫁の見る夢御茶らちゃ 3/21-14:10
記事番号1833へのコメント
はじめまして。私、御茶らちゃというものです。
このはなし最初「ををっ!!ガウリナ!?」とかおもったんですけど、どうやら違うみたいですね。
あ、一応私、ゼロリナやってるので。誤解しないでね(はあと)


>「今でもわからなくなるの。あいつは夢だったのか現だったのか・・・・」
う−ん・・・この言葉がやけに切ないぜえ。

>「綺麗ですよ、リナさん」
> にっこりと微笑む。
>「おめでとうございます」
>「ありが・・・」
>「・・・なんて、この僕が言うと思います?」
> 冷たい空気。まるで氷のような。
>「貴女を愛してるこの僕が!?」
>「ゼロス・・・」
>「気付いてたんでしょう?」
ここのゼロス、かっこいいっ!!・・・とか思ったのは私だけでしょうか・・・?
微笑みが急に変わってしまうのって、ちょっと怖いかもしれませんね・・・

>「こうすればよかったんです。これで貴女は他の男のものにならない」
> リナの血のように赤い唇にゼロスは口づけた。
ええっ!?リナ、死んじゃったんですかっ!?
(でもたまにはこういう話もいいかもしれません)

読んでいてどきどきしました。
これからも書いてくださいね。
それでは、また。


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1855紅の花嫁東智華 3/21-23:32
記事番号1833へのコメント


 本当はわかっていた。
 ゼロスがあたしの前に現れたときから。
 次に会うときは命の取り合い、それは確定した約束。
 彼と出会うときは平和なときではあり得ない。
 彼と相まみえるときこそあたしか彼の最後。
──── 会いたい。
 二人に平穏は似合わない。
─────ゼロスに会いたい。
 あたしは生き続け、死にたくない。
───── どうして会いに来てくれないの?
 気心の知れた仲間達、優しい恋人。約束された地位。
──────何で会ってはいけないの?
 絵に描いたような人も羨む人生。
────── でも何かが足りない。
 人が望むのと自分が望むのと一緒なの?
 ゼロスがあたしの前に現れたときからもう決まっていたのだ。
 欠けた足りないものがそろった。
 欠けたものはゼロス。
 魔族と人間。生と死。相反する存在。
 それでも────── 。
 それでも、この想いは本物だ。
 彼が現れてあたしは知らず唇を笑みの形に刻む。
 ゼロスの瞳の中には冷たくそして熱いあたしへの想い。
 あたしがゼロスを想うようにゼロスもあたしを想ってくれていたのだと知って嬉しくなる。
 ゼロスがあたしに手をあげる。
 あたしはそれこそを待っていたかのように瞳をゆっくりと閉じた。



───── 本当は最初から知っていたの。
 ゼロスはあたしに必要なキーパーソンだと言うことに。
 忘れられない重要な存在。
 それでもあたしは人間に過ぎず、しがらみを持っていた。
 ガウリイ・・・・あたしのことは忘れて欲しい。
 みんな嘆かないで欲しい。
 こうなることは最初からわかっていたことだもの。
 魔族に恋焦がれた人間のことを。
 そしてその末路を。

 これは前回の花嫁の見る夢の続きです。補足と思って下さってかまいません。
 まぁ、見事に夢幻抄ツリーから無くなってしまってどうしようか・・・・と思いました。これも打ち切りにしようかと思ったけど結局は書いちゃいました。
 東は一応決めていることがあります。一回サイトで書いちゃった物は絶対再掲示はしない。
それから、何か事務処理が大変ですので申し訳ありませんが打ち切りの続きの申し込みは直接東にメールで申し込んでくれた方に限ります。メールお持ちでない方は仕方ないけど・・・・結構大変なんです。申し込むのはだいたい10人以内だろうと楽観視していたら某掲示板で毎日申し込みがくるんだもの・・・・。おかげで随時掲示板checkしなきゃなんないしパソコンが暴走したらいちいち切ってまた立ち上げてアクセスして送らなきゃならない。すいませんがそう言うわけでお願いします。

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1861Re:紅の花嫁松原ぼたん E-mail 3/22-15:21
記事番号1855へのコメント
 面白かったです。

> ──── 会いたい。
> 二人に平穏は似合わない。
> ─────ゼロスに会いたい。
> あたしは生き続け、死にたくない。
> ───── どうして会いに来てくれないの?
> 気心の知れた仲間達、優しい恋人。約束された地位。
> ──────何で会ってはいけないの?
> 絵に描いたような人も羨む人生。
> ────── でも何かが足りない。
 何かここ、すごい切ないです。
> それでも、この想いは本物だ。
 リナもゼロスを思っていたと言うことですね。
> ガウリイ・・・・あたしのことは忘れて欲しい。
> みんな嘆かないで欲しい。
 こういうの思えるのって幸せな証拠って気がしますね。周りから見てどうあれ。
> 東は一応決めていることがあります。一回サイトで書いちゃった物は絶対再掲示はしない。
 そんなぁー(笑)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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1882Re:紅の花嫁さぼてん 3/23-06:54
記事番号1855へのコメント
東智華さんこんにちはさぼてんです。

> 絶対いやですっ!彼女を獲られるなんてぇ!
> 思わず声をかけてしまう。

ゼロスさまかわいいですねぇ
東さんが書かれるのって過激なのとか、ダークなのとか多いじゃないですか
何かすごくかわいく思えちゃいますよね。

面白かったですよ。
続き頑張って下さい。
短いですが、(すんません)
それでは次回作で(はあと)

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1883上のはミスですミス。・・こっちが本当のレスです。さぼてん 3/23-07:01
記事番号1855へのコメント

ごめんなさいぃぃぃぃぃっ
とんでもないミスをしてしまいました。
すみません私の書いた前のレス。あれはゼロリナ推進委員会のほうに入れる予定だったんです。
切り取って貼って、とゆう作業を繰り返してたんで、本当にごめんなさい。
一坪様に言って消してもらえるように頼んでみますね。
本当にごめんなさいです。


東智華さんどうもこんにちは
毎度毎度楽しまさせていただいております。
さぼてんです。
この小説は前作とセットで、ゼロリナ推進委員会に入れておきたい一品ですね。

> ──── 会いたい。
> 二人に平穏は似合わない。
> ─────ゼロスに会いたい。
> あたしは生き続け、死にたくない。
> ───── どうして会いに来てくれないの?
> 気心の知れた仲間達、優しい恋人。約束された地位。
> ──────何で会ってはいけないの?
> 絵に描いたような人も羨む人生。
> ────── でも何かが足りない。
> 人が望むのと自分が望むのと一緒なの?
> ゼロスがあたしの前に現れたときからもう決まっていたのだ。

うーんこんな事考えてるんですね。切ないなぁ

> それでも────── 。
> それでも、この想いは本物だ。
> 彼が現れてあたしは知らず唇を笑みの形に刻む。
> ゼロスの瞳の中には冷たくそして熱いあたしへの想い。
> あたしがゼロスを想うようにゼロスもあたしを想ってくれていたのだと知って嬉しくなる。

うーんやっぱし切ないの、ダークなの・・・

> ゼロスはあたしに必要なキーパーソンだと言うことに。

きーぱーそん?何ですかそりは・・・


> 東は一応決めていることがあります。一回サイトで書いちゃった物は絶対再掲示はしない。
>それから、何か事務処理が大変ですので申し訳ありませんが打ち切りの続きの申し込みは直接東にメールで申し込んでくれた方に限ります。
メールお持ちでない方は仕方ないけど・・・・結構大変なんです。申し込むのはだいたい10人以内だろうと楽観視していたら某掲示板で毎日申し込みがくるんだもの・・・・。
おかげで随時掲示板checkしなきゃなんないしパソコンが暴走したらいちいち切ってまた立ち上げてアクセスして送らなきゃならない。
すいませんがそう言うわけでお願いします。


そうですか・・・・・ではツリーから無くなってしまわないうちに読んで、レス書いて、気に入ったヤツは、
FDに入れとくことにします。私のとこメールはあるんですが、親しい人以外には使っちゃいけないって言われたんで・・・
残念です。私書箱とかではいけないんでしょうか?
まぁ無理は言いません。こちらで何とかすることにします。




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1894Re:上のはミスですミス。・・こっちが本当のレスです。東智華 3/23-21:03
記事番号1883へのコメント
私書箱でもかまいませんよ。出来ればどの作品が欲しいかゼロリナの方で掲示して下さいね
お待ちしております。

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1907花盗人東智華 3/25-20:26
記事番号1855へのコメント


 綺麗になった。
 一五の時から保護者という名目で側についていた。
 綺麗に美しく、まるで蕾からほころんで花になるようなだんだんと美しくなっていく彼の大切な少女。
 愛しさで胸がいっぱいになる。
 だが、咲き誇るような美しさの原因は俺ではない別の男。
──────ゼロス。
 あのにこやかな顔の魔族。彼女の心を奪った存在。
 にこやかな笑みを絶やさぬ穏やかな口調の、だがその瞳だけが裏切っていた。
 ぞっとするほどの冷たい瞳だった。
 氷のような冷たさ。
 それが、彼女をとらえた。
 リナはゼロスに逢わなくなってからいや、逢えなくなってから正直ほっとした。
 ゼロスのために咲いた花─────それでも俺はリナが欲しかった。
「リナ」
「何?」
「結婚してくれないか?」
 一瞬驚いた顔をしたが、ずっと根気強く求婚してそれは受け入れてもらった。
─────何がいけなかったのか。
 結婚式の当日彼女は朱にまみれていた。
「リナ?!」
 その顔は苦悶に満ちたものではなくいっそ安らかと言えるような微笑んだ顔。
 それだけで誰が彼女を殺したのかわかった。
─────ゼロス、彼が来たのだ。
「リナ」
 彼女を抱きしめる。
 華奢な彼女。
 まだ暖かい・・・・ガウリイの瞳から涙がこぼれ落ちる。
「ち・・くしょ・・う」
 殺すなら俺を殺せば良かったんだ。
 誓いは破られた。
 何があっても守ると誓った少女は失われた。
 彼女は俺に二度と話しかけない、微笑まない。
 俺の唯一の少女は失われてしまったのだ。


 一応、これはガウリイサイドと言うことで・・・・また変なくだらないものを・・・。  

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1908Re:花盗人松原ぼたん E-mail 3/25-21:39
記事番号1907へのコメント
 面白かったです。

> だが、咲き誇るような美しさの原因は俺ではない別の男。
 何かそれって・・・・。
> その顔は苦悶に満ちたものではなくいっそ安らかと言えるような微笑んだ顔。
 これはこれで悲しい気が・・・・。
> 何があっても守ると誓った少女は失われた。
> 彼女は俺に二度と話しかけない、微笑まない。
> 俺の唯一の少女は失われてしまったのだ。
 つらそう・・・・。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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1909松原様♪東智華 3/25-21:53
記事番号1908へのコメント
私も暗いものを書いてしまったなと反省。でもこのシリーズが悲劇ものですから。
それから松原様のメール配布小説読みたい。
どうやって申し込みすればよいのでしょうか・・・・・

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1913東様へ松原ぼたん E-mail 3/25-22:52
記事番号1909へのコメント
>それから松原様のメール配布小説読みたい。
>どうやって申し込みすればよいのでしょうか・・・・・
 えっとほしい話のタイトルか話数をメールとか掲示板とかで教えて下されば、メールで
送るなり(この場合はLHA圧縮が大丈夫がどうか教えて下さい)、私書箱に送るなり、
東様の都合のいいほうにお送りします。
 けどあれ、メインキャラがほぼ死んでいるとかいうめちゃくちゃな話ですよ(笑)。面
白くないし、アダルトでもないし(笑)。

 ではまた、ご縁がありましたなら。
 

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1916Re:花盗人ふる-と 3/26-01:04
記事番号1907へのコメント
東智華様はじめましてふる-とです.
>「リナ」
> 彼女を抱きしめる。
> 華奢な彼女。
> まだ暖かい・・・・ガウリイの瞳から涙がこぼれ落ちる。
>「ち・・くしょ・・う」
> 殺すなら俺を殺せば良かったんだ。
> 誓いは破られた。
> 何があっても守ると誓った少女は失われた。
> 彼女は俺に二度と話しかけない、微笑まない。
> 俺の唯一の少女は失われてしまったのだ。
>

これを見てから悲しいなって感じ.でも何でリナはガウリイの求婚を受けたの?好きな人はガウリいじゃ
ないのに.
こんな小説とても好きです
もっともっと書いてくださいね.

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1922悲嘆東智華 3/27-10:33
記事番号1907へのコメント


「リナさん・・・どう、して・・・」
 その光景を見た途端顔から血の気が去ったのがわかる。
 赤く染まったドレス。
 ぴくりとも動かない女性。
─────それでも顔は安らかで。
「こん・・・なの・・・嘘・・」
 かすれた声。
「リナ!」
 蒼ざめた顔の彼女の姉、ナーガことグレイシア。
「姉さん」
 頭がぐらぐらする。
 ナーガがハンカチでリナの血を出ている部分を清める。
「清めてあげなくちゃね」
「姉さん・・・リナさん、嘘でしょ・・・」
 がくがくと震えが止まらない。
『アメリア』
 今にもリナさんのいつも元気をくれた明るい自信に満ちた声が聞こえてきそうなのに・・・・
 くるくると表情の変わる人だった。
 無茶苦茶な人でもあった。
 でも、それさえも魅力的な人だった。
 私は彼女が好きだった。
 いっそ憧れに近いかもしれない。
 不可能を可能にする人。
 清められたリナさんはまるで眠っているようだった。
 幸せになるために生まれてきたような人だったのに。
 魔族という単語や魔という単語が耳にはいってきた。
「な・・・んで?な・・ん・・でリナ、さんがしな・・・なきゃな・・らな・・いの?」 言ってはならない言葉。
 それをアメリアはその禁句を言った。
 重苦しい沈黙。
 涙で言葉が上手く言えない。
「リナさん・・・・」
 その穏やかな遺体に取りすがる。
 声を上げて慟哭する。
 アメリアの涙で透明なしみができる。
 冷たい感触は暖めても変わることはない。
 


「リナさん・・・・」
 侍女達が何度言ってもアメリアは自室から出る気配はない。
 食事もあまり手を着けない。
 許さない、許さない、許さない!!
 リナさんを殺した魔族を。
 許せるわけもない。
「許しません」
 あの自信に満ちた誰よりも輝いていた人をあっさりと殺した魔族。


 セイルーンで魔族の惨殺が行われたのはわずか一年後のことである。
 

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1924Re:悲嘆松原ぼたん E-mail 3/27-12:35
記事番号1922へのコメント
 面白かったです。

> ナーガがハンカチでリナの血を出ている部分を清める。
 ナーガ・・・・血を見て卒倒しなくなったとは成長したんだね。
> 私は彼女が好きだった。
> いっそ憧れに近いかもしれない。
> 不可能を可能にする人。
 こう思うのってもっともですよね。
> セイルーンで魔族の惨殺が行われたのはわずか一年後のことである。
 ・・・・アメリア、きれい事だけど憎しみは何も生み出さないよ。

 ある意味、今までの話の中で一番悲しかったです。

 ではまた、ご縁がありましたなら。

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1930Re:悲嘆SANA E-mail 3/27-16:48
記事番号1922へのコメント
Mojibake shiteitara gomennasai.

はじめまして。いつも読ませていただいてます。
感想をツリーにUPするのはこれが初めてです。
あまりの素晴らしさに、これは書かねば!と思ったもので。

 アメリア・・・・・気持ちは痛い程わかります。
たとえどれだけ魔族を殺したところでも、リナは帰ってこない。
彼女もそれは分かっているんでしょうね。
いつもは綺麗事で済ませてしまいそうなのに、それだけに
アメリアの悲しみや怒り、やるせなさが伝わってきました。
 本当に良かったです。こんなヘタな感想で申しわけありません。

 ガウ、アメときたら、次はゼルでしょうか?
私としてはナーガ、ルナのも読みたいです。
でも一番読みたいのはゼロスのその後・・・・・・・・。

 次回作も期待しています。頑張って下さいね。

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1934ビンゴ!!東智華 3/27-21:33
記事番号1930へのコメント
> ガウ、アメときたら、次はゼルでしょうか?
>私としてはナーガ、ルナのも読みたいです。
>でも一番読みたいのはゼロスのその後・・・・・・・・。
そうです。この後の予定はナーガとゼルとルナあたりじゃないでしょうか。
 単にアメリアというのはゼロスとリナとガウリイ以外の受け止め方をかいてみたいなというものでした。

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1937Re:悲嘆さぼてん 3/28-12:06
記事番号1922へのコメント
悲嘆   東智華さんへのレス


>「リナ!」
> 蒼ざめた顔の彼女の姉、ナーガことグレイシア。
ナーガも来てたんですね、結婚式

> ナーガがハンカチでリナの血を出ている部分を清める。
>「清めてあげなくちゃね」
ナーガ優しいですね。

> 重苦しい沈黙。
> 涙で言葉が上手く言えない。
>「リナさん・・・・」
> その穏やかな遺体に取りすがる。
> 声を上げて慟哭する。
> アメリアの涙で透明なしみができる。
> 冷たい感触は暖めても変わることはない。
ううっかなしーシーンですぅ。

>「リナさん・・・・」
> 侍女達が何度言ってもアメリアは自室から出る気配はない。
> 食事もあまり手を着けない。
> 許さない、許さない、許さない!!
> リナさんを殺した魔族を。
> 許せるわけもない。
>「許しません」
> あの自信に満ちた誰よりも輝いていた人をあっさりと殺した魔族。
アメリアなんか目の前が見えてませんね。
遺品あさるとかいってたのに・・・(笑)

> セイルーンで魔族の惨殺が行われたのはわずか一年後のことである。
あんましして欲しくないかも・・・
これって続きあるんでしょうか?


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1941月夜の涙東智華 3/28-20:35
記事番号1922へのコメント


 アメリアは変わった。
 いや、変わらざるを得なくなったと言った方が良かったか。
 原因は分かっている。
──── リナの死
『不思議ですね。リナさんが死ぬ事なんて私これっぽちも考えていませんでした。』
 あいつほど生命溢れた奴はいないだろう。
『私リナさんに死ぬ直前に話してたんですよ』
 瞳に涙をためてアメリアはそう言う。
 リナは不思議なほど人を引きつけた。
 そう、あいつは太陽だった。
 人を引きつける吸引力を持った太陽。
 側にいるだけで明るい気持ちになる太陽。
 死に顔は安らかで、微笑んでもいるようだった。
『許しません、リナさんを殺した魔族を!』
 涙ながらにそう訴えたアメリア。
 だが、リナの死に顔の意味は彼女自身が望んでいたことに他ならない。
 そう思えるほど安らかだった。
 俺達部外者が口出しできることではない。
 アメリアが許せないのはリナを殺したことではなく自分達からリナを奪ったことなのだ。リナにもう永遠に逢えなくなったことなのだ。
 かたん、と音がする。
 そこには夜着姿のアメリアがたたずんでいた。
「ゼルガディスさん、いいですか?」
 寂しそうな瞳。
「ああ」
 ベッドの布団を上げて隣に招く。
 アメリアはするり、と隣に潜り込んでくる。
 そう、いつの頃かアメリアはぬくもりを求めて俺の所に来るようになった。
「リナさん」
 すすり泣きが聞こえる。
 ゼルガディスはアメリアが寝付くまで髪を撫でていた。
 銀色の光の月が浮かぶ。
 傍らには泣き疲れ眠るアメリア。
 頬には涙のあと。
「な、んだ・・・?」
 ゼルガディスの頬に熱いものが伝う。
 透明な滴。
 それがベッドのシーツにおちしみをつくる。
「俺もこいつのこと言えないな」
 そう、自分もあの少女のことが好きだったのだ。
 あの自信に満ちた風のように去っていった少女が・・・
 突然の喪失に心が麻痺するほど。
 闇の中にいてその本質は光の彼女が・・・・



 ゼルガディスとアメリアは添い寝しているだけです。
 ゼルガディスがリナを好きというのは人間として惹かれるという意味です。

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1947Re:月夜の涙松原ぼたん E-mail 3/28-23:38
記事番号1941へのコメント
 面白かったです。

> いや、変わらざるを得なくなったと言った方が良かったか。
 これって考えようによったらすごい悲しいですよね。
> そう思えるほど安らかだった。
 事実そうでしたしね。
> アメリアが許せないのはリナを殺したことではなく自分達からリナを奪ったことなのだ。リナにもう永遠に逢えなくなったことなのだ。
 こういうのって本人は分かりませんよね。
> そう、いつの頃かアメリアはぬくもりを求めて俺の所に来るようになった。
 アメリア、精神的に不安定なんですね。
> 突然の喪失に心が麻痺するほど。
 ゼルらしい悲しみ方ですね。そう思えます。

 この話はどれも切ないですね。

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1980Re:月夜の涙さぼてん 3/31-15:47
記事番号1941へのコメント
さぼてんです

>『不思議ですね。リナさんが死ぬ事なんて私これっぽちも考えていませんでした。』
> あいつほど生命溢れた奴はいないだろう。
確かにそうだなぁ・・・「すぎ」が付くほど明るいですしね。

> ベッドの布団を上げて隣に招く。
> アメリアはするり、と隣に潜り込んでくる。
> そう、いつの頃かアメリアはぬくもりを求めて俺の所に来るようになった。
アメリア女の子ですねやっぱし。

> ゼルガディスとアメリアは添い寝しているだけです。
> ゼルガディスがリナを好きというのは人間として惹かれるという意味です。
そういうことですか。一瞬なんで?と思って理解不能に落ち入りました。(笑)



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1987伝えられなかった真実東智華 3/31-20:49
記事番号1941へのコメント


「姉さん、本当に行くのですか?」
 アメリアが寂しそうに言う。
「もちろんよ。ほーっほほ」
 少し良心が痛んだがそんなことは構わない。
「父さんが即位していない時ならともかく今は姉さんが王位第一継承者なのに・・・」
「そんなのあんたにあげるわよ」
「姉さん?」
「このサーガペンダントのナーガ、そんなのに縛られたりしないわっ」
 アメリアはそんなナーガを見て姉さんらしいと苦笑した。



 セイルーンの国境から遠ざかる。
 アメリアはせめてこの国に残ってくれませんか?と言ったが断った。
 そのままずるずるいたらしゃべってしまいそうだったから。
 アメリアの悲しそうな瞳ともう一人の男の顔がよぎる。
─────確かゼルガディスとかいったわね。
 アメリアなら大丈夫。支えてくれる人がいる。
 本当はリナを殺した魔族を知っている。
 あの闇を具現したような容貌の魔族。
 漆黒の髪にアメジストの瞳。
 瞳には狂気が宿っていた。
 あれは魔族、一目でわかった。
 人間の姿をかたどっていたけど、人間にはあんな狂気は宿らない。
 ひどく楽しそうな・・・
 思えばあれはリナを殺した直後だったのだろう。
 悲鳴が上がり駆けつけてみるとリナが朱にまみれていた。
 リナの血をハンカチで拭ってやる。
 納得をしている自分に驚きながら。
 安らかな顔。恐らく抵抗らしい抵抗をしなかったのだろう。
 そんなにあの魔族に焦がれたの?
 あっさりと殺されてやるぐらいに。
 あの魔族の瞳がこびりついて離れない。
───── あの狂気を内包した瞳が。

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1992Re:伝えられなかった真実松原ぼたん E-mail 3/31-23:46
記事番号1987へのコメント
 面白かったです。

> 人間の姿をかたどっていたけど、人間にはあんな狂気は宿らない。
 結構鋭い・・・・。
> 納得をしている自分に驚きながら。
 ナーガ、強くなったんだね。
> あの魔族の瞳がこびりついて離れない。
> ───── あの狂気を内包した瞳が。
 ・・・・そりゃ怖いよね、ある意味で。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2004寂しい瞳東智華 4/2-20:25
記事番号1987へのコメント
 久しぶりにあった妹は何かを探すような瞳をしていた。
 妹が旅から帰ってきた。
 何かを無意識に探してる。
 そんな瞳をしていた。
 そんな妹が結婚するとか言い出した。
 相手は顔の良い長身の男。
 傍らにリナが微笑む。
 だが、リナは微笑みながらも寂しそうだった。
「リナ、おめでとう」
 結婚式の当日会いに行きお祝いの言葉をかける。
「姉ちゃん、ありがとう」
「あんた、よくも私よりも先に行くわねぇ〜」
「ね・・・姉ちゃん、だってだって・・・・」
 顔を引きつらせてリナが後ずさる。
 こ、こわひ・・・・
 そんな表情が顔に出ていた。
「まぁ、いいわ」
 ふふふと笑う。
 友人に囲まれてリナは楽しそうだった。
 友人がいなくなったときに聞く。
「あんたほんとにいいの?」
「何?姉ちゃん」
「あの人で」
「どういうこと?」
「別に他意はないわ。ただあんた別の人が好きだと思ってた」
 リナの表情から顔色が失せる。
 ルナは表情が消えた妹の顔を冷静に見ていた。
「わからない」
 しぼりだすように言う。
「だってあいつ酷い奴だもん。絶対幸せになんかなれない」
「リナ、恋はねしようとしてするもんでも幸せにしてくれるから恋するわけでもないのよ」「でもあいつには会えないの」
「そう、でも今の彼にはすごく失礼よ・・・・わかっていると思うけど」
 沈み込む。
「あたしガウリィのこと好き。きっとガウリィとなら幸せな家庭が築けるわ」
「そうね」
 リナ、愛してるとは言わないのね。
 それが手塩をかけて育てた彼女の妹の最後の姿だった。
 安らかな顔を見て、ああ逢ったんだなと思った。
 逢えたんだ、リナは。愛しい男に。
 あたしあんたのこと分かってるようで分からなかったんだね、リナ。
 彼女の妹はただ一言も愛しい男のことを人とは言わなかった。
 あんたが愛したのが魔族だとは知らなかったわ。
 最後に逢えたのが愛しい男で幸せ?リナ。
「リナ・・・」
 慈しんできた少女があっけなく去った。
 悲しむべきなのだろう。
 だが、この身に宿る赤の竜神が悲しみだけでなく納得もさせる。
 彼女自身の問題だと。
 人がどう思おうとこれは本人の問題だと。
 だが、悲しんでいるのは赤の竜神も同じ。
 稀な輝かしい魂が失われたことを悲しんでる。
 この想いは何処までがあたしで何処までが彼なのだろう・・・・? 

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2012Re:寂しい瞳松原ぼたん E-mail 4/3-07:37
記事番号2004へのコメント
 面白かったです。

> だが、リナは微笑みながらも寂しそうだった。
 まぁ、それはねぇ。
>「あんた、よくも私よりも先に行くわねぇ〜」
>「ね・・・姉ちゃん、だってだって・・・・」
 リナ、怖かった?
>「別に他意はないわ。ただあんた別の人が好きだと思ってた」
 分かるんですね。
>「リナ、恋はねしようとしてするもんでも幸せにしてくれるから恋するわけでもないのよ」
 鋭い台詞かも・・・・。
> 稀な輝かしい魂が失われたことを悲しんでる。
> この想いは何処までがあたしで何処までが彼なのだろう・・・・? 
 ルナさんの方が多いと思うけど・・・・。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2021Re:寂しい瞳柚亀 4/3-19:50
記事番号2004へのコメント
東智華さんは No.2004「寂しい瞳」で書きました。

とても面白かったです。まさか、ここであなたの作品が読めるとは思っておりませんでした。リナもガウリイも姉ちゃんもとても上手
く描かれていました。続きが楽しみです。


今度ゼロリナの方へも書いて下さいね。それでは、お体にお気をつけて。

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2065竜の祈り東智華 4/5-23:15
記事番号2004へのコメント


 彼女の瞳の先にはあの男がいた。
 異形の存在。
 あの男。
 獣神官ゼロス。
 にこにこ笑っているが眼は笑っていない。
 それなのに彼女を見つめるときは表情を和らげる。
 やるせないような表情。
 魔族がどうしてそんな顔をするの?
 リナさんが殺されたとき一番にあの男の顔が浮かんだ。
「どう、して・・・」
 唇が震える。
 どうして?
 そんなのは決まってる。
 リナさんを手に入れるため。
 リナさんを愛していたかどうかは知らない。
 だが、それに似た感情がゼロスの中に育っていたことは確かだろう。
 誰にも渡せないぐらい。
 魔族に恋愛感情があるかどうかは知らないが、執着心は魔族において右に出るものはいないだろう。執着によりリナさんを殺した。
 その人を想うあまりその人を殺す。
 間違ってます。
 ゼロス、間違ってます。
 だが、本当に間違っているのか?
 相手を燃やし尽くすような恋、それをしたことがないからなのかもしれない。
 ゼロスに対する嫌悪は今もある。
 だが、ゼロスを騨糾する思いとそんな資格は無いという思いとがせめぎ合う。
 ゼロスは間違っている。
 それは正しい。
 あんな事が許されるわけない。
 だが、感情は割り切れるものではない。
 理性では弾劾しているのに感情では理解している。
 それは自分が大切なものを持っているからでしょうか。
 そっとバスケットの淡く光るものに目をやる。
 たぶん、これから先私はゼロスに負けないぐらい強い思いを手に入れることになるでしょう。
 ですが、それはまだ先のこと。
 今は静かにリナさんの冥福を祈りたい。
 あの、どんな時も勇気を与えてくれた人の。
 ヴァルガーブの淡く光る光り方がいつもとは違う。
 悲しいような切ないような。
 そう見えるのは錯覚だろうか。
 すっと抱き上げる。
「ヴァルガーブ、貴方も私と一緒にリナさんの魂が安らかであることを祈りましょう」
 フィリアの頬に透明な滴が伝う。
「祈るだけでは何にもならないと貴方は言うかもしれませんが、私達にできるのはそれだけですから」
 哀しみでは前に進めない。
 怒りからは何も生み出せない。
 ならば祈るだけだ。
 リナさんの魂が平安であるようにと。 

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2088Re:竜の祈り松原ぼたん E-mail 4/6-14:40
記事番号2065へのコメント
 面白かったです。

> ゼロスは間違っている。
> それは正しい。
> あんな事が許されるわけない。
> だが、感情は割り切れるものではない。
> 理性では弾劾しているのに感情では理解している。
> それは自分が大切なものを持っているからでしょうか。
 複雑ですよね。
> リナさんの魂が平安であるようにと。 
 フィリア、ホントに強くなりましたよね、ある意味。

 本当に面白かったです。
 弟子また、ご縁がありましたなら。

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2093師匠ありがとうございました。東智華 4/6-16:34
記事番号2088へのコメント
> 本当に面白かったです。
> 弟子また、ご縁がありましたなら。
いつもいつもレスありがとうございました。もし良かったら、私書箱の中に予告した小説できあがったらまた添削して下さい。
本当にありがとうございました。師匠

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2100Re:竜の祈りさぼてん 4/6-20:26
記事番号2065へのコメント
東智華さんこんにちはさぼてんです。
今回はフィリアですね。


> 今は静かにリナさんの冥福を祈りたい。
> あの、どんな時も勇気を与えてくれた人の。
やっぱりリナの存在は大きかったんでしょうねぇ・・・

>「ヴァルガーブ、貴方も私と一緒にリナさんの魂が安らかであることを祈りましょう」
> フィリアの頬に透明な滴が伝う。
>「祈るだけでは何にもならないと貴方は言うかもしれませんが、私達にできるのはそれだけですから」
> 哀しみでは前に進めない。
> 怒りからは何も生み出せない。
> ならば祈るだけだ。
> リナさんの魂が平安であるようにと。 
フィリアらしいです。

では

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2136Re:竜の祈り御茶らちゃ E-mail 4/7-20:16
記事番号2065へのコメント
こんにちはっ

> どうして?
> そんなのは決まってる。
> リナさんを手に入れるため。
> リナさんを愛していたかどうかは知らない。
> だが、それに似た感情がゼロスの中に育っていたことは確かだろう。
> 誰にも渡せないぐらい。
> 魔族に恋愛感情があるかどうかは知らないが、執着心は魔族において右に出るものはいないだろう。執着によりリナさんを殺した。
フィリアさん、少しはゼロスのこと分かってたんですね。
考え方がアメリアとはちょっと違って、相手の気持ちも考えてるトコが大人です。

>「祈るだけでは何にもならないと貴方は言うかもしれませんが、私達にできるのはそれだけですから」
まるでヴァルガ−ヴとホントに話してるみたいですね・・・
よっぽど悲しかったんでしょう。

これからもがんばってください。
それでは、また。
 

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1967Re:悲嘆御茶らちゃ 3/30-09:30
記事番号1922へのコメント
こんにちはっ。
読みましたです。

> でも、それさえも魅力的な人だった。
> 私は彼女が好きだった。
> いっそ憧れに近いかもしれない。
> 不可能を可能にする人。
> 清められたリナさんはまるで眠っているようだった。
ここでアメリアにはリナの気持ちが伝わらなかったんですかね・・・?
まさかゼロスがやったとは思っていなかったでしょうが。

> 許さない、許さない、許さない!!
> リナさんを殺した魔族を。
> 許せるわけもない。
>「許しません」
> あの自信に満ちた誰よりも輝いていた人をあっさりと殺した魔族。
あれ?
もうゼロスがやったって気づいたんですか?
・・・でももしリナが死んだら、たぶんアメリアこうなるでしょうね。

> セイルーンで魔族の惨殺が行われたのはわずか一年後のことである。
う〜ん・・・気持ちはわからないでもないけど・・・
かなり思いつめていたんですね・・・

このシリ−ズいいですね。
ネタ切れになっても続けてください。(無理)
それでは、また。

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1988Re:悲嘆東智華 3/31-20:52
記事番号1967へのコメント
御茶らちゃさんは No.1967「Re:悲嘆」で書きました。
>こんにちはっ。
>読みましたです。
>
ありがとうございます。
>このシリ−ズいいですね。
>ネタ切れになっても続けてください。(無理)
>それでは、また。
あううぅぅぅ。私にどうしろと・・・・

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1936Re:花盗人さぼてん 3/28-12:03
記事番号1907へのコメント
さぼてんです。

> 綺麗になった。
> 一五の時から保護者という名目で側についていた。
> 綺麗に美しく、まるで蕾からほころんで花になるようなだんだんと美しくなっていく彼の大切な少女。
リナを花にたとえるところがいいです。
ぴたりですね。

> 結婚式の当日彼女は朱にまみれていた。
>「リナ?!」
> その顔は苦悶に満ちたものではなくいっそ安らかと言えるような微笑んだ顔。
> それだけで誰が彼女を殺したのかわかった。
> ─────ゼロス、彼が来たのだ。

ゼロスさまの恐いイメージが頭の中を・・・・・

> 一応、これはガウリイサイドと言うことで・・・・また変なくだらないものを・・・。  
最初はガウリナかと思ったんです。
でも結婚式の所からあ、そう言うことかってわかりました。
ダークでしたがとても「interesting」な作品でした。
これからも頑張って下さい。


 

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1942秘めたる想いーリナー東智華 3/28-22:40
記事番号1833へのコメント


──会・イ・タ・イ。
 でも会えない。
 理由は解っている。
 次に会うときはきっと敵だから……。
 きっと容赦なく彼は私を殺すだろう。
 そして私は彼を殺せない。
 死にたくはない。
 だが、会いたい。
 魔族と人間なんて決して叶いっこないのに。
 気付いたのはつい最近だった。
 この気持ちが恋だって。
 一生告げるつもりのない気持ち。
 行き場のない想い……この想いは一体何処に行くのだろう。
 『あれぐらい倒してくれなきゃ困ります』って、どういう意味?
 魔族にとって人間は取るに足らぬもの。 この想いは破滅。
 私だけならまだしも仲間をも破滅に導く。 でも知りたい。
 彼がどう思っているのか。  
「らしくはないな」
 ほんと、私らしくない。 
「リナ」
 声のした方を見やるとガウリスがいた。
 彼女の押しかけ保護者。
「ガウリスどうしたの?」
「ん〜、遅いから」
「そっか、星を見てたのよ」
「ふ〜ん」
 なんか、こんな場面どこかであったような………。
 月夜の……
 ああ、そうだ。ゼロスだ。
 にっこりと笑って極悪非道なことをするあの男だ。
「どうした?リナ?」
 心配そうにガウリスが問う。
「別に」
 くすり、と笑う
「ゼロスのこと考えてたの」
 釘を指すのを忘れない。
「『ゼロスって誰だ』なんて、馬鹿なこと云わないでね。あの謎の僧侶なんて名乗っていたやつよ」
「忘れてないさ」
 さすがにムッとしてガウリスが言い返す。「そぉ?」
 疑わしげにリナが云う。
「忘れようにも忘れられないだろ?」
「確かにね」
 リナが苦笑する。
 ゼロスと冥王の罠にかかったことは記憶に新しい。    
「………だからな」
 ぼそりとガウリスが呟く。
「え、何か云った?」
「いや、何も」
「何よー」
「何でもないって」
「嘘」
 ふとガウリスが真顔になる。
 だがそれも一瞬だけ。
 すぐにもとの柔らかい雰囲気に戻る。
「また会えるといいな」
 一瞬怪訝な顔をリナはし、それが誰のことだか思い当たる。
「あんた、もしかしてゼロスと戦いたかったとか?」
「はぁ?」
 目を丸くして、ぶんぶんと勢いよく首を振る。
「次会うときは敵なのよ」
「でも俺あいつのこと嫌いじゃない」
「だけど、多くの人を滅ぼしたのよ」
「リナは嫌いなのか?」 
 その眼にリナはどきっとする。
 ときどき全て知っているような眼をする。 そんなわけないと解っているというのに。 密かに溜め息をつく。
「そうね。嫌いじゃないわあ」
 でも、と区切る。
「でも、次会うときは敵よ」
「んじゃあ、敵じゃなかったらいいんだ」
「まぁ、そういうことになるけど」
「偶然、会えるならいいんだろ?」
「そうだけどね」
 クスリ、と笑う。
「それじゃあ、その何万分の、何億分の一に期待するとしようかしら」
「そうそう。やっとリナらしくなった」
「心配、してくれたんだ」
「そりゃあな」
「帰りましょう。そろそろ風が出てきたわ」「ああ」
 ガウリスがリナの手を握る。
 暖かい体温が手を通して伝わってくる。 その暖かさが彼の心をあらわしているようだった。
「……だったら良かったのに」
「え?何か云ったか?」
「何でもない。唯の独り言。」
───あなただったら良かったのに。
 そうすれば何も問題はなかった。
 例え両想いになれなかったとしても。
 これも云ってはならないこと。
 云えば、困るだろう。
 それにこの気持ちも云わなくてはならない。
 云えば反対されるだろう。
 解ってる。
「そうね。また会えたらいいわね、偶然に」 少し心が軽くなった。
「リナ。俺で良かったら相談に乗るぞ」
「ガウリスが?」
「ああ」
「いい」
 きっぱりっと拒否する。
「おい〜」
「何か話すだけ無駄って気がするから」
「話したら少しは楽になるんじゃないか」 これには少し心が揺れた。
「なんない」
 これは嘘。
 本当は誰かにこの想いを聞いてもらいたい気がする。
 がっくりと肩を落とす。
「まぁ、必要があったら云うわ」
「ああ」
 そのリナの一言にガウリスは浮上したようだった。
 恐らく、ガウリスはあたしを支えてくれるだろう。
 あたしを支えてくれる人。
 本当にいて欲しい時に居てくれる人。
 彼は居て欲しい時居ないのに。
 だからこそ思うのだ。   
───あなただったら良かったのに。

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1943まちがい、こっちが本当東智華 3/28-22:46
記事番号1942へのコメント
──会・イ・タ・イ。
 でも会えない。
 理由は解っている。
 次に会うときはきっと敵だから……。
 きっと容赦なく彼は私を殺すだろう。
 そして私は彼を殺せない。
 死にたくはない。
 だが、会いたい。
 魔族と人間なんて決して叶いっこないのに。
 気付いたのはつい最近だった。
 この気持ちが恋だって。
 一生告げるつもりのない気持ち。
 行き場のない想い……この想いは一体何処に行くのだろう。
 『あれぐらい倒してくれなきゃ困ります』って、どういう意味?
 魔族にとって人間は取るに足らぬもの。 この想いは破滅。
 私だけならまだしも仲間をも破滅に導く。 でも知りたい。
 彼がどう思っているのか。  
「らしくはないな」
 ほんと、私らしくない。 
「リナ」
 声のした方を見やるとガウリスがいた。
 彼女の押しかけ保護者。
「ガウリィどうしたの?」
「ん〜、遅いから」
「そっか、星を見てたのよ」
「ふ〜ん」
 なんか、こんな場面どこかであったような………。
 月夜の……
 ああ、そうだ。ゼロスだ。
 にっこりと笑って極悪非道なことをするあの男だ。
「どうした?リナ?」
 心配そうにガウリィが問う。
「別に」
 くすり、と笑う
「ゼロスのこと考えてたの」
 釘を指すのを忘れない。
「『ゼロスって誰だ』なんて、馬鹿なこと云わないでね。あの謎の僧侶なんて名乗っていたやつよ」
「忘れてないさ」
 さすがにムッとしてガウリィが言い返す。
「そぉ?」
 疑わしげにリナが云う。
「忘れようにも忘れられないだろ?」
「確かにね」
 リナが苦笑する。
 ゼロスと冥王の罠にかかったことは記憶に新しい。    
「………だからな」
 ぼそりとガウリィが呟く。
「え、何か云った?」
「いや、何も」
「何よー」
「何でもないって」
「嘘」
 ふとガウリィが真顔になる。
 だがそれも一瞬だけ。
 すぐにもとの柔らかい雰囲気に戻る。
「また会えるといいな」
 一瞬怪訝な顔をリナはし、それが誰のことだか思い当たる。
「あんた、もしかしてゼロスと戦いたかったとか?」
「はぁ?」
 目を丸くして、ぶんぶんと勢いよく首を振る。
「次会うときは敵なのよ」
「でも俺あいつのこと嫌いじゃない」
「だけど、多くの人を滅ぼしたのよ」
「リナは嫌いなのか?」 
 その眼にリナはどきっとする。
 ときどき全て知っているような眼をする。 そんなわけないと解っているというのに。 密かに溜め息をつく。
「そうね。嫌いじゃないわあ」
 でも、と区切る。
「でも、次会うときは敵よ」
「んじゃあ、敵じゃなかったらいいんだ」
「まぁ、そういうことになるけど」
「偶然、会えるならいいんだろ?」
「そうだけどね」
 クスリ、と笑う。
「それじゃあ、その何万分の、何億分の一に期待するとしようかしら」
「そうそう。やっとリナらしくなった」
「心配、してくれたんだ」
「そりゃあな」
「帰りましょう。そろそろ風が出てきたわ」「ああ」
 ガウリィがリナの手を握る。
 暖かい体温が手を通して伝わってくる。 その暖かさが彼の心をあらわしているようだった。
「……だったら良かったのに」
「え?何か云ったか?」
「何でもない。唯の独り言。」
───あなただったら良かったのに。
 そうすれば何も問題はなかった。
 例え両想いになれなかったとしても。
 これも云ってはならないこと。
 云えば、困るだろう。
 それにこの気持ちも云わなくてはならない。
 云えば反対されるだろう。
 解ってる。
「そうね。また会えたらいいわね、偶然に」 
 少し心が軽くなった。
「リナ。俺で良かったら相談に乗るぞ」
「ガウリィが?」
「ああ」
「いい」
 きっぱりっと拒否する。
「おい〜」
「何か話すだけ無駄って気がするから」
「話したら少しは楽になるんじゃないか」
 これには少し心が揺れた。
「なんない」
 これは嘘。
 本当は誰かにこの想いを聞いてもらいたい気がする。
 がっくりと肩を落とす。
「まぁ、必要があったら云うわ」
「ああ」
 そのリナの一言にガウリィは浮上したようだった。
 恐らく、ガウリィはあたしを支えてくれるだろう。
 あたしを支えてくれる人。
 本当にいて欲しい時に居てくれる人。
 彼は居て欲しい時居ないのに。
 だからこそ思うのだ。   
───あなただったら良かったのに。


ガウリィをガウリスと書き間違えた。開けてみてびっくり。
オイオイ、ガウリスって誰だぁ!?

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1944秘めたる想い−ゼロス−東智華 3/28-22:49
記事番号1943へのコメント
 まさか、こんな事になるとは思いもしなかった。
 上級魔族である自分が人間に心奪われるなんて……。
 魔族である自分が“愛する”事をするなんて驚きだ。
 魔族にとって人間が云うところの正の感情は恐らく創造主に向ける忠誠心のみだろう。
 それなのに、純魔族であり、上級である自分が人間に恋をした。
 恐らく、この恋は彼女は知らない。
 知ることはないだろう。
 しらせるつもりもない。       
 リナに魔力を増幅する呪具譲った───
時勿論無料ではなかった───その時から
恋に落ちていたのかもしれない。
 あの髪の一筋、あの笑顔、声までもが鮮明に思い出せる。
 名は一つの力。
 それだけで力となりうるもの。
 彼女に名を呼ばれた、ただそれだけなのに、心がふるえた。
 この心を彼女は知らない。
 今思えば、彼女にあの呪具を譲ったのはあの呪具から彼女の居場所を感じ取れるからかもしれない。
 到底気紛れの一言ですませないことだった。
 私を滅ぼすのは彼女かもしれませんねぇ
 苦笑する。
 だが、嫌ではない。
 魔族にとっての正義とは最終目的とは“滅び”だ。
 自らも他者も滅ぼす。
 彼女ならいいか。
 くす、と笑う。
 共に滅びの道を歩みましょう。
 誰も聞くことのない空間でゼロスは魔族にとっては最高の愛の言葉を、人間にとってははた迷惑でしかない言葉を囁いた。

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1950Re:秘めたる想い−ゼロス−松原ぼたん E-mail 3/28-23:55
記事番号1944へのコメント
 面白かったです。

> 魔族にとって人間が云うところの正の感情は恐らく創造主に向ける忠誠心のみだろう。
 まぁ、普通は・・・・ねぇ。
> 彼女ならいいか。
 最大級の愛情かもしれませんね。
> 共に滅びの道を歩みましょう。
 ・・・・いや、思い出したあたしが悪かった

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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1982Re:秘めたる想い−ゼロス−さぼてん 3/31-15:49
記事番号1944へのコメント
さぼてんです。
レスです。

> 私を滅ぼすのは彼女かもしれませんねぇ
> 苦笑する。
> だが、嫌ではない。
> 魔族にとっての正義とは最終目的とは“滅び”だ。
> 自らも他者も滅ぼす。
> 彼女ならいいか。
> くす、と笑う。
本当に思ってるかもしれないですねぇ
ゼロスさまって胸の内を隠すみたいなとこあるから・・・・

> 共に滅びの道を歩みましょう。
> 誰も聞くことのない空間でゼロスは魔族にとっては最高の愛の言葉を、人間にとってははた迷惑でしかない言葉を囁いた。
ここの文章とゼロスさまの言葉なんかひかれました。いい感じです。

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1949Re:秘めたる想いーリナー松原ぼたん E-mail 3/28-23:48
記事番号1943へのコメント
 面白かったです。

> 気付いたのはつい最近だった。
 気づかない方がよかった?(笑)
> ああ、そうだ。ゼロスだ。
> にっこりと笑って極悪非道なことをするあの男だ。
 思い出すと切なくなりますよね、夜って。
>「………だからな」
 恋敵?
>「でも俺あいつのこと嫌いじゃない」
 ガウリイらしい気が・・・・。
>「それじゃあ、その何万分の、何億分の一に期待するとしようかしら」
 うーん、低い確率。
> ───あなただったら良かったのに。
 理性と感情の問題ってところですね。
>ガウリィをガウリスと書き間違えた。開けてみてびっくり。
 かなうちの宿命でしょう(意味不明)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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1981Re:秘めたる想い−リナ−さぼてん 3/31-15:48
記事番号1943へのコメント
さぼてんです。

>「リナ」
> 声のした方を見やるとガウリィがいた。
> 彼女の押しかけ保護者。
押しかけ保護者か。(笑)

> なんか、こんな場面どこかであったような………。
> 月夜の……
> ああ、そうだ。ゼロスだ。
> にっこりと笑って極悪非道なことをするあの男だ。
そこまでいうかぁ?

>「んじゃあ、敵じゃなかったらいいんだ」
>「まぁ、そういうことになるけど」
>「偶然、会えるならいいんだろ?」
>「そうだけどね」
> クスリ、と笑う。
>「それじゃあ、その何万分の、何億分の一に期待するとしようかしら」
>「そうそう。やっとリナらしくなった」
偶然だったら敵じゃないですよね。
そっかぁそーゆー考え方があったんだ。
原作の2部でも偶然ゼロス様だしてくれたらいいのに・・・

>ガウリィをガウリスと書き間違えた。開けてみてびっくり。
>オイオイ、ガウリスって誰だぁ!?
いや私の間違いよりはいいと想う。ぜったい・・・・全然違う小説のレス書いて入れてるし・・・
そのせつはごめんなさい。





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2345うをぉぉぉ(感涙)とんとん E-mail 4/19-03:18
記事番号1943へのコメント
すみません、妙なタイトルで。ハジメマシテ!ゼロリナ狂信者の瞳々(とんとん)と申します(汗)
ひめたる思い、両方とも良かったです★
リナの方で書く方って今まで見たことなかったので更に感動いたしました。
やっぱりリナの相手はガウリイ。ゼロスの悲恋話なら結構あるんですよね。
こんな話は私もいつか書きたいです(笑)
ではまた。

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2357ありがとうございます東智華 4/19-21:46
記事番号2345へのコメント
>すみません、妙なタイトルで。ハジメマシテ!ゼロリナ狂信者の瞳々(とんとん)と申します(汗)
>やっぱりリナの相手はガウリイ。ゼロスの悲恋話なら結構あるんですよね。
ゼロリナの方なんですか?
リナの相手はガウリイ・・・そうなんですか。
いや、私リナの相手いろいろな組み合わせでやってるので。
しかも18禁・・・・あああああぁぁぁ
今までで書いたのはゼルリナとガウリナとゼロリナ。
しかも全部18禁。
あああ・・・・許してぇ〜
ありがとうございました。
シンデレラ頑張って下さい。

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2166ツリー対策其の一東智華 4/9-05:50
記事番号1833へのコメント
 辛いの。
 辛くて辛くて胸がつぶれそう。
 あの人を見ているのが辛いの。
 ねぇ、あたしどうすればいいのか教えて。
 真昼の太陽のような金の髪。
 五月の澄み切った春の青空のような瞳。
 見ているだけで幸せになれる人。
 でも、今はあの人の側にいるのが辛いの。
 彼の笑顔は誰にでも向けられて自分が特別なのではないかという思いをうち砕かれる。 保護者という言葉であたしの側にいるあの
人。
 保護者・・・何処までも平行線な恋人の対象とはなれない存在。
 あたしは保護者なんか欲しくないの。
 ねぇ、誰かこの想いを断ち切って欲しいの。
 酷くて優しい人。
 悲しいときはいつも鈍感なのにちゃんとわかって側にいてくれる人。
 その優しさを誤解してしまうの。
 ねぇ、誰か誰でもいいから助けて。
 あの人の側にいると自分がどんどん嫌な娘になってしまう。
 あのひとの側にいる女に嫉妬してしまう。
 嫌、触らないで近づかないで!
 何度そう言いそうになったかもしれない。
 お願い、私の方だけ見て。
 お願い、助けて欲しいの。
 この想いを断ち切りたいの。
 もっと強くなりたいのに。
 強くなりたい。
 魔力とかでなくて心が。
 そうしないと心が死んでしまう。
 彼を困らせたくないの。
 お願い、誰でもいいからどんな形でもいいから助けて

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2169Re:ツリー対策其の一松原ぼたん E-mail 4/9-06:41
記事番号2166へのコメント
 面白かったです。・・・・しかし身も蓋もないタイトルですね(笑)。

> 彼の笑顔は誰にでも向けられて自分が特別なのではないかという思いをうち砕かれる。 保護者という言葉であたしの側にいるあの
>人。
 あー、確かに辛いかも。
> ねぇ、誰かこの想いを断ち切って欲しいの。
 ・・・・思い詰めてますね。
> 彼を困らせたくないの。
 これは偉いと思う。
> お願い、誰でもいいからどんな形でもいいから助けて
 ・・・・難しいんじゃないの?

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2176ありがとうございます。東智華 4/9-21:12
記事番号2169へのコメント
> 面白かったです。・・・・しかし身も蓋もないタイトルですね(笑)。
>
や、やっぱり。私もこれはやばいかな、と思ったんですけどファイルに名を書き込むときもうめんどくさいからこれでいいやということにしたんで
す。
身も蓋もない・・・そのものずばりですね。
ここ、ツリー探すの時間がかかる。

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2189ツリー対策其の二東智華 4/10-06:52
記事番号2166へのコメント
「ゼロス」
 そう名前を呼ばれる。
 呼んだ相手はよく知る少女。
 そう、彼女の仲間達よりも。
 誰よりも強い少女だった。
 だが、それと同時に弱さも抱えていた。
 今の彼女は思い詰めた瞳をしていた。
 今の彼女は誰よりも弱く脆い。
 そして誰よりも綺麗で儚かった。
「リナさん」
 彼女の瞳から一筋の涙がこぼれる。
「苦しいの」
 ゼロスはマントで彼女を包む。
「胸がつぶれそう」
「リナさん」
 その細い身体を抱きしめる。
「どうされたいのですか?」
「終わらせたいの」
「そうですか」
 少女は瞳を閉じる。
「後悔はしませんか」
「わかんない」
 儚げに微笑む。
 ゼロスは精神世界からできるだけ苦しまないようにリナの心臓を止める。
 世界で一番優しく貴女を殺して差し上げましょう。
 そう囁いて。
 リナの四肢がびくんとはね、崩れていく。
 その中でリナはゼロスに微笑みかけ言葉で伝える。
「ありがとう。そしてごめん、ね・・・・・・・・」
 最後の声にならない部分をゼロスは確かに聞いた。
「いいえ」
 応える。
 誰にも見せたことのない寂しそうな笑みを浮かべて
 彼女が息絶えたときゼロスの頬に透明な滴が伝う。
 涙を流すのはこれで二度目だ。
 一度目は120年前。
 彼女の一度目の死の時。
 二度目は今。
 彼女の二度目の死。
「リナさん」
 彼女は応えない。
 その死の原因はどちらもあの男にあった。
 彼女は混沌に帰ったのだ  

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2194Re:ツリー対策其の二松原ぼたん E-mail 4/10-17:40
記事番号2189へのコメント
 面白かったです、いろんな意味で(笑)。

> 誰よりも強い少女だった。
> だが、それと同時に弱さも抱えていた。
 でなきゃ惹かれたりしなかったでしょ?
> 一度目は120年前。
> 彼女の一度目の死の時。
> 二度目は今。
> 彼女の二度目の死。
 結局リナ関係なんですね。
> その死の原因はどちらもあの男にあった。
 せつないですねー。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2219Re:ツリー対策其の二東智華 4/10-21:32
記事番号2194へのコメント
いつもいつもありがとうございます。これは補足として書いたもの。それなのに維
持のために載せるあたしって。
これは伏線はりまくりってやつですね。本編は今作成中だからたぶんわかりづらい
と思うんですが・・・

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2224ツリー対策其の三東智華 4/10-22:48
記事番号2189へのコメント
「ガウリィっ」
 彼女が呼ぶ。
 可愛らしい彼女。
 誰よりも強く魅力的な少女。
 未知の可能性を秘めたが故に誰よりも惹かれる。
 細い手足、華奢な身体。
 触れたら壊れそうな気がした。
 彼女は無邪気すぎて無防備すぎて不安になる。
 守ってやりたいと思った。
 全てのことから。
 自分も含めた者から。
 だから保護者という形で自分を戒めた。
 そうしなければ歯止めがきかなくなっていつか彼女を汚す。
 彼女が自分がいなければ生きていけないぐらいの女性だったら良かったのに。
 そうすれば自分は囲いの中に入れて一生離さないだろうに。
 だが彼女は自由が似合う。
 彼女は留まることを知らない。
 だからこそ不安になる。
 自分の知らないとこで彼女が何をやっているのか。
 自分の知らない彼女。
 そしてそれを知っている人間。
 自分の知らない彼女がいるというのに我慢できない。
 全ての者から守る。
 自分の欲望からも。


あううう、何かわけわかんな〜い。
お願い見捨てないでぇ〜

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2225Re:ツリー対策其の三松原ぼたん E-mail 4/10-23:18
記事番号2224へのコメント
 面白かったです。

> だが彼女は自由が似合う。
 確かに。
> 自分の知らない彼女がいるというのに我慢できない。
 独占欲ですね。
> 全ての者から守る。
> 自分の欲望からも。
 大切にしすぎてるんですね。
>お願い見捨てないでぇ〜
 どうしようかな(笑)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2236Re:ツリー対策其の三東智華 4/11-16:25
記事番号2225へのコメント
>>お願い見捨てないでぇ〜
> どうしようかな(笑)。
>
ありがとうございました。なんか、こういう東の小説を苦手とされている松原さん
が一番にレスつけてくれるあたり・・・・・うーん、希望としては見捨てないで欲
しいですけど好き好きですから、こう言うのは。読みたくないと思ったら無理して
読まなくても・・・・

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2239ツリー対策其の四東智華 4/11-17:05
記事番号2224へのコメント
 精神世界へと渡る。
 彼女をこの手で絶って。
 もし、僕が最初に彼女と出会ったら彼女は生きていてくれただろうか。
 もし、あの時彼女を外に出したりしなかったら彼女は僕の側にいてくれただろうか。
 もし、彼女が彼と出会わなかったら・・・
「ゼロス」
 跪く。
「ゼラス様」
「あの娘の願いを叶えたのね」
 命を絶った、とは言わなかった。
 ゼロスは俯いたままだった。
 すいっとゼラスは指でゼロスの涙を拭う。
「お前があの娘をことのほか可愛がっていたのは知っているわ」
 そう、心が傷ついて傷ついてどうしようもなくなるくらい。
 最後にはあの娘の願いをどんなことをしてまでもきき遂げてしまうぐらい。
「不憫な娘」
 美しい主の瞳に宿るは限りない哀しみ。
 何がいけなかったのかしら?
「どうしてリナさんが不幸にならなきゃいけないんでしょう」
「ゼロス」
「彼女は今度こそ幸せになるべきなのに」
 リナの幸せを誰よりも望んでいるのはこの魔族だろう。
 もし、僕が最初に彼女と出会ったら彼女は生きていてくれただろうか。
 だが、彼女は誰よりも彼と出会ってしまった。
 もし、あの時彼女を外に出したりしなかったら彼女は僕の側にいてくれただろうか。
 しかし、彼女は外に出てしまった。   
 もし、彼女が彼と出会わなかったら・・・幸せになっていただろうか。
 だが、彼女は彼と出会い、悩んで苦しんで泣いて死を選んだ。
 時は戻らない。
 時を戻す力があったなら彼女は取り戻せたのであろうか。
 流れる時を星に変えたら彼女は幸せになれたのだろうか。
 だが、時は戻せなかった。
 目に見えない時は鮮やかな美しい星ではなかった。
「人界ではね、ゼロス。美しいものは長く存在しないの。すぐ散ってしまう運命なの
よ」 美しき獣王の脳裏に一人の少女が描かれる。
 彼女が好意を持った存在。
 敵と認識をしていてもそれを凌駕する魅力。
「可哀想な娘」
 そう言って涙を流した。
 涙が哀しみを全ての記憶を忘れ癒す泉になればいいのだけれど、涙は癒しの水になれ
なかった。
 哀しみは薄れなかった。

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2246Re:ツリー対策其の四松原ぼたん E-mail 4/12-17:42
記事番号2239へのコメント
 面白かったです。

> もし、あの時彼女を外に出したりしなかったら彼女は僕の側にいてくれただろうか。
> もし、彼女が彼と出会わなかったら・・・
 こういうのって無駄だと分かっていながら思わずにはいられませんよね。
>「人界ではね、ゼロス。美しいものは長く存在しないの。すぐ散ってしまう運命なの
>よ」 美しき獣王の脳裏に一人の少女が描かれる。
> 彼女が好意を持った存在。
> 敵と認識をしていてもそれを凌駕する魅力。
>「可哀想な娘」
> そう言って涙を流した。
> 涙が哀しみを全ての記憶を忘れ癒す泉になればいいのだけれど、涙は癒しの水になれ
>なかった。
> 哀しみは薄れなかった。
 二人とも悲しいんですね。

 本当に面白かったです(別にこっちのは無理してませんから)。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2250Re:ツリー対策其の四東智華 4/12-21:15
記事番号2246へのコメント

> 本当に面白かったです(別にこっちのは無理してませんから)。
> ではまた、ご縁がありましたなら。
本当にそうですか。
読んでいただけるのは嬉しいんだけど、やっぱり無理してまで読む必要はないと思いまして・・・
でも、無理してないなら良かったです。
今度はギャグもの書きたいな・・・・

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2251Re:ツリー対策其の四うみねこ 4/12-22:04
記事番号2239へのコメント
東 智華様、読みました。
コメントというのを初めて返すので、なにか不手際があったら申しわけありません。
短いのですが、いきます。

>「可哀想な娘」
> そう言って涙を流した。
> 涙が哀しみを全ての記憶を忘れ癒す泉になればいいのだけれど、涙は癒しの水になれ
>なかった。
> 哀しみは薄れなかった。
>
…涙は悲しみの一粒一粒と云われますけど、それが出来ないと
その悲しみはつもりつもって自らを狂わせると聞いたことがあります。
ゼロスの悲しみはどこへ行くのでしょう。
ゼラス様の涙も彼を癒やすことが出来なかった。

それが切なく哀しかったです。

####################
感想を書くここでお礼するというのもどうかと思われたのですが、
次にいつお会いできるか解らなかったので、失礼ながら述べさせていただきます。
小説ありがとうございました。大切に読ませていただきます。

それでは、また東さまのお話に出会えることを祈って

  うみねこ

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2252ありがとうございました。東智華 4/12-22:33
記事番号2251へのコメント
>…涙は悲しみの一粒一粒と云われますけど、それが出来ないと
>その悲しみはつもりつもって自らを狂わせると聞いたことがあります。
>ゼロスの悲しみはどこへ行くのでしょう。
>ゼラス様の涙も彼を癒やすことが出来なかった。
>
>それが切なく哀しかったです。
はうっそうなんですか。何か貴女の感想の方が切なくて小説みたいです。
>####################
>感想を書くここでお礼するというのもどうかと思われたのですが、
>次にいつお会いできるか解らなかったので、失礼ながら述べさせていただきます。
>小説ありがとうございました。大切に読ませていただきます。
>
>それでは、また東さまのお話に出会えることを祈って
>
>  うみねこ
ありがとうございました。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

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2273ツリー対策其の五東智華 4/14-23:54
記事番号2239へのコメント
 それはあってはならないこと。
 それを見たとき目の前が真っ暗になる。
 これは何だ?
 目の前にある死体がリナそっくりだなんて。
 総てのものから守ると誓った少女が失われたなんて。
「リナ・・・」
 ふらふらと歩み寄る。
 まだ暖かいのに。
 眠っているみたいなのに。
 もう二度と彼女は自分を見ない。
 もう二度と彼女は自分に笑いかけない。
 誓いは破られたのだ。
 側にいたのは魔族。
「ゼロス、お前か・・・お前がリナを殺したのか?」
「あなたのせいでしょ」
 にっこりとした風貌から一転して冷ややかな凍り付くような表情。
「あなたがリナさんを追いつめたんでしょ」
「俺が何をしたと言うんだ!?」
「そう何もあなたはしなかった。何もしなかったからこそです」
「?」
「あなたは気付こうともしなかった。リナさんの苦しみや嘆きに」
 常であればガウリィはその瞳の中に傷ついた光を見出す事ができたであろう。
 だが、失ったもののあまりの大きさに気づこうともしなかった。
 すらり、と剣を抜く。
 かしゃん、と鞘を地に放り投げる。
 ゼロスは杖でガウリィの剣を受け止める。
「あなたが僕にリナさんを殺させたんです」
 殺したくなかったのに、リナさんをそこまで追いつめた。
 杖を振り払い、ガウリィは近くの木にぶつかる。
 口の中がぶつかった衝動で切れたのか、血を吐き出し流れた血を拭う。
「殺しませんよ、ガウリィさん。リナさんと同じ所になんか行かせません」
 瞳に宿るは憎悪。
 口調はそのままだが、表情はいつものにこやかさなど欠片も無かった。
「偉く変わるじゃないか」
「リナさんがいない今取り繕ってもしょうがないじゃありませんか」
 そう、あの表情はリナさんと一緒にいると自然に造られたもの。
 彼女と優しい時を過ごすために。
「お前が殺したんだろうが!?」
 血を吐くような叫びだった。
「でもそうさせた要因はあなたにあります。
 どうやら平行線のようですね、あなたと話していても」
 ばっと闇色のマントをゼロスが翻す。
 残されたのはガウリィだけ。
「リナ、リナ」
 呼びかけるが少女は答えない。
 俺はお前の側にいられるだけで良かったのに。
 守りきれなかった約束。
 あの太陽のような微笑みももう見れないのだ。
 彼女こそが自分の楽園だったのだ。
 楽園は失われた。
 それを取り返す術はない。
「リナ・・・」
 リナをかき抱き口づけ、貪るように深く口づける。
 飢えて飢えて死にそうだ。
 リナに飢えている。
 だが、それを癒す術はない。
 彼女は失われたのだから。 

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2299Re:ツリー対策其の五松原ぼたん E-mail 4/16-18:30
記事番号2273へのコメント
 面白かったです。

> 目の前にある死体がリナそっくりだなんて。
 認めたくないんですね。
>「そう何もあなたはしなかった。何もしなかったからこそです」
 それも罪だと言う人がいますよね。
>「殺しませんよ、ガウリィさん。リナさんと同じ所になんか行かせません」
 何かものすごく・・・・怖い。
> 彼女は失われたのだから。 
 悲しいですね。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2312ありがとうございます東智華 4/17-00:03
記事番号2299へのコメント
ありがとうございます。
何かこの対策のガウリイ性格が崩壊していってるような・・・
お〜い、帰っておいでー
松原ぼたん様の小説の続き楽しみです。
やっぱり最後は悲劇ですか?あれ

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2190Re:ツリー対策其の一神楽奈津 4/10-11:21
記事番号2166へのコメント
読みました。リナのせつなさが伝わって泣きそうになってしまいました。

> 彼の笑顔は誰にでも向けられて自分が特別なのではないかという思いをうち砕かれる。 保護者という言葉であたしの側にいるあの
> 人。
彼を独占したい気持ちがひしひしと感じられて、せつなくなりました。

> 保護者・・・何処までも平行線な恋人の対象とはなれない存在。
> あたしは保護者なんか欲しくないの。
時として「保護者」という言葉は残酷だと思います。

> ねぇ、誰かこの想いを断ち切って欲しいの。
> 酷くて優しい人。
優しさというのは寂しいものですね。自分に向けられていたら幸せなんですけど。

> ねぇ、誰か誰でもいいから助けて。
ここにゼロスが出てきた訳が分かりました。

> あの人の側にいると自分がどんどん嫌な娘になってしまう。
> あのひとの側にいる女に嫉妬してしまう。
> 嫌、触らないで近づかないで!
> 何度そう言いそうになったかもしれない。
> お願い、私の方だけ見て。
リナちゃんに「恋してる女の子は皆そうなんだよ」といってあげたかった。

> お願い、助けて欲しいの。
> この想いを断ち切りたいの。
だからといって断ち切るために死んでしまうのはいけないと思う。
だってこれからまた苦しい思いをするかもしれないけど、ガウリイの笑顔を永遠に見れる権利を持てたのだから、前向きに生きてほしかった。

> そうしないと心が死んでしまう。
ガウリイの笑顔が一番リナに向いてたのに気づいたらそんなことないのに。

> 彼を困らせたくないの。
けどわがまま言ってもいいのに。頼むから気づいてほしい。

感想としてはせつない思いをしているリナちゃんの気持ちが分かるけど、ガウリイの気持ちがリナに一番向かっていたのに気づいたら
そんなことはなかったのではと思います。リナちゃん鈍感なんですね。頼むからガウリイの気持ちに気づいてほしかった。

続き期待してます。

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2221Re:ツリー対策其の一東智華 4/10-21:36
記事番号2190へのコメント
>感想としてはせつない思いをしているリナちゃんの気持ちが分かるけど、ガウリイの気持ちがリナに一番向かっていたのに気づいたら
>そんなことはなかったのではと思います。リナちゃん鈍感なんですね。頼むからガウリイの気持ちに気づいてほしかった。
3はガウリィの気持ちになります。
これは一応すれ違い故の悲劇をテーマとしています。
恋をしたら自分のことで手一杯というわけで笑って許してやって下さい。

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2342the change東智華 4/18-22:25
記事番号1833へのコメント
 魔族の物質世界への干渉が酷くなっている。
 その手口は実に巧妙だ。
「何とかせねば」
「しかし、どうする?」
「下級ならともかく中級以上となると・・・・」
 そう、一般には知られていない人型をとれる中級魔族。
 そうなると洒落にならないほど強い。
「・・・・・」
 一同に沈黙が落ちる。
 暗い雰囲気。
 重苦しい沈黙。
「確かに我々は中級以上の魔族となると歯が立たない。
 そう我々では無理だ。
 我々ではな」
 その中の一人が提案する。
 それは人権もへったくれもない提案。
 しかしそこにいる者達はそれを受け入れたのだった。
「確かに名案だ」
「それなら対抗できるだろう」
「しかし・・・」
 その中の一人が顔を曇らせる。
「しかし、すんなりと受け入れるかのぉ・・・」
「何、何とでも手はありますとも」
「その通りですな」
 そういくらでもある。
 彼等の属している機関がその権力を行使すれば。
 それほど彼等の持つ権力は絶大であった。
 その権力はそのじんぶつにとって無視できないものだろう。
 それを十分にわかっての権力の行使。
 人類のためという大義名分の元で。
 彼等はくっくっくっくと笑いあった。
 人類のために犠牲になれ、という論理。
 魔族は脅威だった。
 彼等は今まで下級魔族しか認識していなかった。
 その彼等が中級以上の魔族を知ったときの恐怖は筆舌に尽くしがたいものがあった。
 まして魔族はこの人間界、物質世界と彼等は呼ぶ、に進攻している。
 どうすればいいのか? 
 こうなってはなりふりなど構っていられなかった。
 対策をとらねば。
 彼等の意見はそこに至った。
 そして緊急の極秘集会が開かれたのだった。
 彼等はその提案を行動にうつすべく動いた。  


 to be continued

 続き物です。そう言えばここでラブコメ書くのは初めてかもしんない。
 とりあえず終わりの落ちがわかる話ですね。

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2351Re:the change松原ぼたん E-mail 4/19-15:54
記事番号2342へのコメント
 面白かったです。

> その手口は実に巧妙だ。
 その気になればいくらでも巧妙になれますからねぇ。
> それは人権もへったくれもない提案。
> しかしそこにいる者達はそれを受け入れたのだった。
 権力者の特徴。
> 人類のために犠牲になれ、という論理。
 よっぽど魔族的だわ。
> 続き物です。そう言えばここでラブコメ書くのは初めてかもしんない。
 にゃ、ラブコメですか。楽しみです。

 いっぱい連載かかえて大変でしょうけどがんばって下さいね。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2356ありがとうございます。東智華 4/19-20:51
記事番号2351へのコメント
>> 人類のために犠牲になれ、という論理。
> よっぽど魔族的だわ。
・・・・た、確かに。
>> 続き物です。そう言えばここでラブコメ書くのは初めてかもしんない。
> にゃ、ラブコメですか。楽しみです。
>はい、たぶんラブコメです。
しかもどたばたコメディ。
とりあえずギャグに挑戦というわけで。
某HPに投稿してる黒き・・・よりずっとギャグになる予定です。

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2511the change2東智華 4/28-09:36
記事番号2342へのコメント
 セイルーン王宮の奥まった一室。
 そこに大臣達は集まっていた。
「あの方達も困ったものだ」
「第一継承者であるフィリオネル殿下が即位するに当たってあの方達のどちらかを選ばなくて
は」
「そうだなどちらにする?」
 アメリア様かグレイシア様か。
 姉か妹か。
「本来ならば悩まなくても良いのでしょうな」
「そうですな」
 苦笑する。
 フィリオネル殿下を第一継承者としたのと同じく、姉の方を第一継承者とすればよい。「グレ
イシア姫となるわけですな」
「・・・・・・」
 一同に沈黙が落ちる。
 心なしか青ざめて冷や汗が浮かんでいる。
「グレイシア様ですか」
「他国の反応が怖いですな」
 一同こくこくと頷く。
「それどころかセイルーンの未来が・・・」
「ああああぁぁぁぁぁ!!!」
「長き歴史を持つ我が国がぁ!」
 そこにいる大臣達全てがミンクの絵のような顔になる。
 グレイシア・・・・フィリオネル殿下の第一王女。黒い露出した服を来、いつも高笑いをし、
やることなすこと滅茶苦茶。ついでに云えば常識がない。
 現在出奔中のフィリオネル殿下の長女はそういう方である。
 グレイシア姫はフィリオネル殿下の妃にそっくりだった。
 たいていのスパイや他国の大臣とかは皇太子妃に引いて思わず逃げ帰ってしまった。
 そして実にこの聖王国にとって不名誉な噂が流れたことは否めない。
『王太子妃殿下』
『ほーほっほっほ。何かしら』
『・・・・いえ、何でもありません』
 そういう毎日の繰り返し。
 死の直前も・・・・。
『お母様・・・』
『妃よ・・・』
『ほーほっほっ美人薄命って本当ね』
 あまり思い出したくはない。
「やはりアメリア様ですな」
「そうですな」
 しかし・・・と一同は顔を曇らせる。
 正義のためとか云って高いところに登ったり、城外へ出ていったりするのはやめて欲しい。
「あの方ももう少し落ち着いてくれればのぅ」
 はぁっと溜息を吐く。
「それなら名案があります」
 大臣の中の一人が云った。

  to be continued

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2514Re:the change2松原ぼたん E-mail 4/28-18:50
記事番号2511へのコメント
 おもしろかってだす。

>「第一継承者であるフィリオネル殿下が即位するに当たってあの方達のどちらかを選ばなくて
>は」
 フィルさん即位ですか。
> アメリア様かグレイシア様か。
 うわ、きつい問題。
> グレイシア姫はフィリオネル殿下の妃にそっくりだった。
 ・・・・・・(^^;)。
>『ほーほっほっ美人薄命って本当ね』
 お前、本気で死ぬ気あるんかい。
> 正義のためとか云って高いところに登ったり、城外へ出ていったりするのはやめて欲しい。
 確かに緊急事態に城にいなきゃ困るわな。
>「それなら名案があります」
 うーん、名案と迷案は一時違いだからねぇ(笑)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2428海の宝玉1東智華 4/24-22:33
記事番号1833へのコメント
 いけない、離れる。
 私の手から。
 暴走する。
 絶大な力が。
 捕まえようとするがその手は宙を切っただけだった。
 駄目、駄目よ。
 きり、っと唇を噛む。
 彼女は信頼できる存在の名を口にする。
 それはやってきた。
「お呼びでございましょうか」
 彼女はその用件を口にする。
「わかりました。御心のままに」

 to be continued

 この話は東のオリジナル設定と化していますので、この人はこんなんじゃないとか扱いが酷すぎるとか、知り合いの魔族の方の、及
び神族の方の苦情は受けかねます。
 どうか心を広く持ってみて下さるようにお願いします。
 また、出演者は随時募集しておりますのでどうぞお気軽にご質問下さい。
 また、この作品ではこういう役柄だったのに次の作品では違う設定の魔族や神族になってるということも多々ありますのでお気をつ
け下さい。
 遊びで作った話ですから軽く読み流して下さい。
 ・・・たぶん、了承とった人しか読まないのだろうな。(苦笑)
 出演していいよという人は遠慮なくレスつけて下さいね。
 できれば性別なんかも・・・
 所詮遊び心で作った小説なので期待しないで下さい。
 私の文章力ですから。
 面白くないと思ったら無理に読まなくてもいいですから。
 悲しいけど仕方がない。
 それからここの出演者は私が活動してるHPで無理矢理勧誘して引き込んだ方々ですので魔族じゃないのに魔族にされている方も勿
論いますので。悪しからず。

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2429海の宝玉2東智華 4/24-22:36
記事番号2428へのコメント
「はぁ・・・綺麗な空ねぇ」
「・・・リナ」
「ほんとどこまでも続くような」
「リナさん!!どうするんですかこの状態をっ!!」
 それは酒場の喧嘩の真っ最中。
 勿論発端はリナだった。
 今や収集着かなくなっている。
「とりあえず逃げましょう」
 そう言ってリナ達はその場を離れた。
「それにしてもさっきのは尋常じゃなかったわねぇ」
「何云ってんですか?リナさんが煽ったんじゃないですか?」
 ・・・そりはそうだけど、アメリア。
「確かにぴりぴりしてましたねぇ」
 和やかにゼロスは云う。
 四方を海で囲まれた都市。
 王がいない都市。
 商業が盛んで活気に満ちあふれている。
 だが、何かさっきから視線が・・・
「ここは商業も盛んで流通も盛んで開けてたはずなんだけどなぁ・・・」
 何かぴりぴりしていた。
 不安げな顔の住民達。
 おまけにこそこそとこちらを窺っている。
 はぁっと溜息を着く。
 一体何なのよ。
「それは貴女達が異邦者だからよ」
 声をかけられる。
 そちらの方を振り向くと一人の女性。
 白いマントを羽織り、動きやすい格好に剣を指している。
 白い肌に黒ともみまがえる紺碧の絹糸のような髪に銀の瞳。
「誰?」
「私はあきら。竜嶺あきら」

 to be continued

 はい、犠牲者一人出てきました。
 某HPの管理者様です。
 もう、彼女が何者かは書き殴りの皆様は解っているでしょうけど。
 謎の美貌の女性。
 彼女は一体何者なのか。
 彼女の目的は?!
 それよりほんとにこの企画続けるのか。
 苦情がいっぱい来たらうち切るかもしれない。
 さて、伏線張った状態でこんなとこで終わってしまっていいのだろうか?
 とりあえず3に続くぞ。

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2449Re:海の宝玉1・2松原ぼたん E-mail 4/25-19:53
記事番号2429へのコメント
 面白かったです。

> いけない、離れる。
> 私の手から。
> 暴走する。
> 絶大な力が。
 何事?
> それはやってきた。
 何者?
>「リナさん!!どうするんですかこの状態をっ!!」
 リナ・・・・すっとぼけてたのね(笑)。
> 何かぴりぴりしていた。
 何かあったんでしょうかねぇ。
>「私はあきら。竜嶺あきら」
 あらー(笑)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2466海の宝玉3東智華 4/26-11:08
記事番号2429へのコメント
「竜峰さん?」
 アメリアが聞き返す。
「そうよ」
「ちょっと、何で外から来たからってぴりぴりされなくちゃいけないの?」
「今大変なことになっているから、ここ」
「大変なこと?」
「そう、正体不明のね。原因が分からないしその直後に貴女達が来たから貴女達の
せいと思っているかもね」
「冗談じゃないわっ!」
 アメリアがいきり立つ。
「不安なのよ」
 ほぅっとその美女が溜息をつく。
「それで貴女は?」
 ゼロスが相変わらずにこにこして聞く。
「私はそれを何とかしようと思ってきたのよ」
「ふーん」
「具体的にどういう被害が?」
「神殿が消失したの」
「はい?」
「神殿が消失して今もあの辺りには不思議な磁場が働いてるわ」
「それから?」
「何か空間がねじ曲がってるみたいね」
「それってとっても大事じゃない?」
「そうね」
「どうするの」
「さぁ・・・」
 思わずちゃぶ台をひっくり返したくなっても彼女を一概には責められないだろ
う。
 そして幸運にもそこにちゃぶ台なるものはなかったのである。
「いつから?」
「貴女達が来る一週間前から」
 げっ!!
「何で貴女が行くの?」
「私は関係者なの」
「神殿の?」
 彼女は微笑んだ。
「そうよ」
「他の同じ系列の神殿に頼むわけにはいかなかったんですか?」
「一つは自治領である独立都市であるこの土地に他国に介入させる余地を防ぐた
め。
 二つ目は、これが一番重要なのよね、竜王崇拝じゃないのこの土地は。」
「それって・・・」
「ここ独自の神様を信じてるの」
「成る程・・・」
「わかってくれて嬉しいわ」
「私達も竜峰さんのご協力いたします!!」
 力一杯拳を握りしめ云う。
「悪に一人で立ち向かうのを見捨てておけません!!!!何より悪を見過ごすなん
てこのアメリアの正義の心が許しません」
「・・・そ、そう。ありがとう」
 ねーちゃん、ひきつってるぞ。
 ちょっと一歩さがってる。
「とりあえずあたしも協力するわ」
 上手くいけば礼金もらえるかもしれないし神殿の宝物とか魔法書とかはたまたこ
れはマジックアイテムが作動して起こったのかもしれないし。 
     


「どうしたの?ゼロス」
 ゼロスは考え込んでいた。
 明日の昼頃待ち合わせだ。
「いえ・・・竜嶺さんのことなんですがね」
「彼女がどうかしたの?」
 深い青に銀の組み合わせ・・・どっかで知ってるような。
 どこでだろう。
 思い出せない。
 我ながら珍しい。
「あの色の組み合わせ知ってるような気がするんですが・・・」
「変わってるわよねぇ」
 うんうんとリナは頷く。
 青の髪に銀の瞳なんて。
 確かに変わっていた。
 まぁ、リナさんも竜嶺さんほどじゃないにしても変わっているんですけど。
 栗色の髪に赤い瞳。
 しかし翡翠の髪に金の瞳よりましかもしれない。
 

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2467海の宝玉4東智華 4/26-11:10
記事番号2466へのコメント
 銀の刃のような三日月が宙空に姿を現す頃ゼロスは森の中に来ていた。
 銀色の光・・・まるで今日会った彼女を彷彿させる。
 彼は昼間気にかかったことをそのままに置いておくような事はしなかった。
 杞憂に終わればそれでよし。
 だが、それが杞憂でなかったら・・・
 調べなければ。
 彼女が何者か。
 彼は精神世界へととぶ。
 彼が目指した場所は彼直属の部下のいる場所。
 精神世界へととび、彼は名を呼ぶ。
「香椰さん、香椰さんはおりませんか?」
「ここに」
 声がしてゼロスの目の前に16ぐらいの美少女が出現する。
 香椰・・・ゼロスの直属の部下だった。
 ふんわりとした緩やかなウェーブがかかった髪に夢見るような榛色の瞳。
 綿菓子のような雰囲気を持つ美少女。
「どうしたんですか?」
 鈴を転がすような声で聞く。
「調べて欲しいことがあるんです」
「何でしょう?」
 可愛らしく首を少し傾ける。
「『竜嶺あきら』、深海の青色の髪、銀色の瞳の女性を。」
「まぁ、珍しい。ゼロス様がリナ=インヴァース以外の女性に興味を持たれるなんて」
 そう言ってころころと笑う。
「香椰さん」
「どうせリナ=インヴァースがらみなのでしょうけど」
「香椰さん」
 軽やかに笑う少女を見つめる。
 この少女は実はゼロスは苦手としていた。
 事ある事にゼロスをからかうのだ。
「それでは調べときますから」
「そうしてください」
 ぐったりと疲れてゼロスはそう答える。
「そうそう」
 少女は話題を変える。
「としこ様にも聞いた方がいいんじゃないですの?」
 あの方の情報網は凄いものがありますから、とそう続ける。
 この美少女の姿をした魔族はゼロスにとって爆弾を投じたのだ。



「あら、珍しい客だこと」
 美貌の魔族がそう言う。
 20を少し越したぐらいの美貌の女性。
 射干玉の髪、黒曜石の瞳、透き通るような肌。
「何の用かしら」
 そう言って優雅に微笑む。
「竜嶺あきらという女性のことを知っていたら教えて欲しいんですが・・・」
 目の前の美貌の女性をゼロスは苦手としていた。
 魔族の中で彼女は特異な存在だった。
 魔王が4人の腹心以外に造った魔族、それが彼女だった。
 ゼロスは彼女に一度も勝てたことがなく、友人と云うより姉代わりだった。
 ゼロスは部下に説明したのと同じ説明を彼女にする。
 彼女は黙って聞いてるだけだった。
「また、あなたの大切な人間がらみ?」
 ゼロスは苦笑する。
「香椰さんにもそれを云われましたよ」
 ふふふ、と目の前の美女が笑う。
 ふと笑いをおさめ、彼女は口を開く。
「ゼロス、あなたの心配してるようなことにはならないわ。」
「一体それはどういう・・・」
 としこは婉然と微笑む。
「悪いことにならないから心配しなくてもいいわ」
 それはゼロスの望む答えではなかった。
「それで納得しろ、と」
「できないでしょうね」
 答えるつもりはない、か。
「失礼しました」
 その場をゼロスは辞退する。
 

「何を考えてるの?あきら」
 彼女の脳裏に浮かぶのはゼロスが説明した色彩を持つ魔族。
 だが、ゼロスが見た姿ではない。
 それは彼女のもう一つの姿とでも云うべきもの。
 どちらも彼女の姿。
 だが、彼女は漆黒の魔性が脳裏に描いてる姿を好んでとっていた。
「まさに台風の目ね」
 彼女の脳裏に浮かぶのはゼロスが気にかけていた女性ではなく、ゼロスですらない。
 闇をも照らす輝きを持った少女。
 栗色の髪、赤い瞳の不可能を可能にする少女。
「さてさてどうなることかしら」
 くすくすと彼女の赤い唇に笑みが刻まれた。      

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2476Re:海の宝玉3、4松原ぼたん E-mail 4/26-17:02
記事番号2467へのコメント
 面白かったです。

>「神殿が消失して今もあの辺りには不思議な磁場が働いてるわ」
 それってとんでもない。
> そして幸運にもそこにちゃぶ台なるものはなかったのである。
 そりゃよかったね。
>「ここ独自の神様を信じてるの」
 なるほど。
> しかし翡翠の髪に金の瞳よりましかもしれない。
 誰?
>「まぁ、珍しい。ゼロス様がリナ=インヴァース以外の女性に興味を持たれるなんて」
 あらららら。
> 事ある事にゼロスをからかうのだ。
 からかいたくなりますよねぇ。
> 魔王が4人の腹心以外に造った魔族、それが彼女だった。
 それってとんでもないんじゃ・・・・。
>「失礼しました」
 食い下がろうとしても無駄な訳ね。
> 彼女の脳裏に浮かぶのはゼロスが説明した色彩を持つ魔族。
 にゃ、魔族だったんですか。
> くすくすと彼女の赤い唇に笑みが刻まれた。      
 傍観を決め込む気ですね。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2482まとめてお礼東智華 4/26-21:26
記事番号2476へのコメント
ありがとうございます。
えっと、竜嶺さんはここでの設定が気に入ってると言うことでこうなりました。
また、この話には後3人出てくる予定です。
許可取り付けているのが後3人しかいないと言うだけなんですが・・・・(涙)
お礼遅くなってすいません。本当にありがとうございました。