-異界黙示録伝《 炎の書》-魔沙羅 萌(3/23-20:59)No.1893
 ┣Re:異界黙示録伝《 炎の書》-松原ぼたん(3/24-13:58)No.1900
 ┗Re:異界黙示録伝《 炎の書》-さぼてん(3/28-12:11)No.1939


トップに戻る
1893異界黙示録伝《 炎の書》魔沙羅 萌 3/23-20:59

ここは、天空楼閣、エルフ達の城『アルフ=ハイム』。
リラにある精霊界の空中に浮かぶ楼閣の中にある一つの部屋。
私はその部屋の中で本を読んでいた。
「アグニさまぁ!アグニ様、大変です!あの方がお目覚めになりました!」
けたたましい声と共に、侍女の一人が私の部屋に駆け込んでくる。
私はアグニ。容姿は腰のあたりまでの黒髪に、真紅の目。一応白い法衣なんかを着込んでいる。まあ、見た目上は綺麗でもないごく普通の人間なんだけど……実は私、アルフ=ハイムで一番偉い人だったりする。一応女だぞ!
「……あの娘が?わかったわ。すぐ行きます!」

「ふぁ……よく寝た」
「やあ、やっとお目覚めね。アメリアさん」
「……ほえ?」
アメリアさんはすっごく驚いた顔でこっちを見ている。まあ、ムリも無いけど……。
「……あなただれ……?そもそもここは何処なんですか!どーしてこんな所に私はいるんですか?!」
あっ、目覚めて早々取り乱してる……ちょっと面白いかも…。
「私はアグニ。アグニ=カテン=アルフ=ハイム。ここ、「エルフ達の家」で一番えらいヒトやってるんだけど……ヒト、いっぱいいると話しづらいかな?」
アメリアさんは小さくうなずいたので、私はエルフ達を下がるように命じた。
「あ、あの、アグニさん、私はなんでこんな所にいるんですか?」
私はにこっと笑いながら答えた。
「すっごく短めに言うわよ。スィーフィード世界が壊れちゃいました」
――沈黙。
「う…うそですよねえ」
「ほんとーよ。まったくリナンちゃんのトモダチのせいでアストラル・サイド以外壊れちゃったんだから」
アメリアさんの顔がまともに引き攣る。
「まあ、元に戻せる方法はあるにはあるんだけど……その方法は魔界にあるって玻璃に聞いたし」
「ちょ、ちょっと待って下さい!とうさんは、リナは、ガウリイさんは、ゼルガディスさんは無事なんですか?」
アメリアさんは私に食い掛かってくる。
「まあまあ落ち着いて。リナ=インバースとガウリイ=ガブリエフなら無事よ。玻璃から聞いたもの」
「遭難ですか。ところで、あなた、なんだかわたしと似てない?」
「当たり前じゃない。この世の中、そっくりさんは3人いるって言うし。実際に、私はあなたと魂を共にするものだし」
またしても沈黙。
「そうなの?」
「そ。3人いるの。月とあなた達の世界とここ。その三ヶ所に一人ずつ」
「ふーん」
「で、これからアメリアさんはどうするの?」
「決まってるじゃない!魔界に!正義の何たるかを教えに!」
「決まりね!炎の鉄槌をかましに!」
ここらへんが似てるのよね。私たち。
まあ、リナンちゃんのトモダチだけが悪いわけじゃないけど、何とかしなくちゃね。



火の鳥


闇……またもそれが胎動しはじめていた。
それは意志を持ち、女性をかたちどり始めていた。
≪リラ神に続いて火の神まで動き出したか……まあよい。いまだ我々の方が有利であるからな。のう……フェニックスよ≫
その呟きは彼女……破壊者とその側に横たわる炎の鳥にのみ聞こえていた……。

〔続く〕

トップに戻る
1900Re:異界黙示録伝《 炎の書》松原ぼたん E-mail 3/24-13:58
記事番号1893へのコメント
 面白かったです。

>「アグニさまぁ!アグニ様、大変です!あの方がお目覚めになりました!」
 何者!?
>「やあ、やっとお目覚めね。アメリアさん」
 アメリアも・・・・来てなきゃ世界崩壊とともにしんでたか。
> あっ、目覚めて早々取り乱してる……ちょっと面白いかも…。
 こらこら、他人の不幸を・・・・面白いけど(爆)。
>「決まってるじゃない!魔界に!正義の何たるかを教えに!」
>「決まりね!炎の鉄槌をかましに!」
 ・・・・ある意味、とてつもなく怖い組み合わせですね。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁があれましたなら。

トップに戻る
1939Re:異界黙示録伝《 炎の書》さぼてん 3/28-12:11
記事番号1893へのコメント



>「遭難ですか。ところで、あなた、なんだかわたしと似てない?」
>「当たり前じゃない。この世の中、そっくりさんは3人いるって言うし。実際に、私はあなたと魂を共にするものだし」
そういうことだったのかぁ・・・

>「決まってるじゃない!魔界に!正義の何たるかを教えに!」
>「決まりね!炎の鉄槌をかましに!」
>ここらへんが似てるのよね。私たち。
確かにアメリアのみたいです。

>闇……またもそれが胎動しはじめていた。
>それは意志を持ち、女性をかたちどり始めていた。
>≪リラ神に続いて火の神まで動き出したか……まあよい。いまだ我々の方が有利であるからな。のう……フェニックスよ≫
>その呟きは彼女……破壊者とその側に横たわる炎の鳥にのみ聞こえていた……。
ううっ謎めいてますっ
続きが気になるとこですね。
頑張って下さいね。
ではでは