◆−久しぶりのゼロフィリ投稿−アガサ (2001/12/25 21:10:05) No.19205
 ┗からくり−アガサ (2001/12/25 21:20:14) No.19207
  ┗あとがき−アガサ (2001/12/25 21:28:19) No.19209
   ┣感想です−neya (2001/12/31 02:19:30) No.19295
   ┗お久しぶりです−久賀かおる (2002/1/4 00:46:48) NEW No.19345


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19205久しぶりのゼロフィリ投稿アガサ E-mail 2001/12/25 21:10:05


 かなりお久しぶりにゼロフィリ投稿させていただきますが、クリスマスなのに暗いです。やはり今年の世相を反映したのか。来年はラブラブをと思うのですが。

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19207からくりアガサ E-mail 2001/12/25 21:20:14
記事番号19205へのコメント

 これが何度目かなぞ、覚えてはいない。
それは死んだ子の年を数えるにも似た行為だから。

つい先ほどまで彼に囁き続けていた女は、躯となって足元に横たわっている。
「愛しています、愛しています」
「たとえこの想いが罪と呼ばれても・・・私は」
 たまに睦言ではなく、怒声が混じるのも愛嬌だった。
「この生ゴミ、ゴキブリ魔族」
その声は昔と何一つ変わらず、耳に心地よかった。
声だけではない。光り輝くものを具現した黄金の髪も紺碧の瞳も在りし日の
ままである。
 なのに・・・

「魂の伴わぬ『からくり』ほど醜悪なものはありませんね」
紫の神官はそう言い捨てると、首に添えていた手に僅かに力を加えた。
それで終わり。できの良い「からくり」は、その感触も、最期の表情さえも生き物と変わらない。
「からくり」の投げ捨てられた先には、無数の同胞が山となって横たわっていた。

神官には考えずとも分かっていた。同じ肉体、同じ声を持とうとも、「からくり」は、
彼が愛し、彼を愛してくれた巫女にはなれない事を。
 自嘲せずにはいられない、想いの縁(よすが)にそっくりな「からくり」を作ってしまうことを、そして偽物の見苦しさに堪えれず破壊する己に。

だけど・・・

 彼は「からくり」を作りつづける。何故ならあれほど醜悪な物も、たった一度だけ美しいと感じる時がある。
 縊られ、彼の足元に崩れ落ちる瞬間、「からくり」は彼の愛しき巫女と同化する。その時のみ彼は「からくり」に愛を感じる。
そうあの日、彼の足元で魂なき物言わぬ存在と化した巫女への愛を。

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19209あとがきアガサ E-mail 2001/12/25 21:28:19
記事番号19207へのコメント

 巫女(フィリア)が何故死んだのかは秘密です。皆さんの想像にお任せします。これを書いて困ったことは、書いていているうちにスレパロというよりも、コバルト文庫の人形愛好家の妖主パパのパロになってしまったような気がしないでもなくなりました。髪の色も似ているし。

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19295感想ですneya 2001/12/31 02:19:30
記事番号19209へのコメント

はじめまして、neyaと申します。小説読ませていただきました。
1行目からのダークな雰囲気に引き込まれてしまいました。
私は基本的にハッピーエンドや甘甘が大好きなんですが、ゼロフィリだけはアンハッピーエンドも大好きです。
魔族らしさを全面に出したゼロスの姿がとても良かったです。
フィリアはすでに死んでしまっているようですが、殺したのは多分ゼロスなんでしょうね。
その時のゼロスとフィリアの心情を想像してみましたが、辛いものがあります……

とても良いお話を読ませていただいてありがとうございました。
また投稿されるのを楽しみにしています。
では。

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19345お久しぶりです久賀かおる E-mail URL2002/1/4 00:46:48
記事番号19209へのコメント

個人的には巫女(フィリア)が何故死んだのか、やっぱり気になってしまうので、「何があったんだろう?」という感じで色々想像してます。

「死んだ子の年を数える」とか「想いの縁」とか、言葉の一つ一つが計算された文章で、とても好きになりました。
でも「コバルト文庫の人形愛好家の妖主パパのパロ」ていうとこにも受けてしまいました(^_^)確かに髪の色は一緒だ。久賀はどっちかというと奥さん(こういうと燃やされそうですが…)ファンなんですが。カッコいいしv

最後になりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もアカザさんが萌え萌えなゼロフィリ話を書いてくださいますようにと祈るばかりです(←他力本願(^_^;)