◆−ふたつのみち−追河 笙 (2002/1/6 21:52:26) No.19384
 ┣ΠΔΠルナ姉ーさん・・・!!−風林みつき (2002/1/6 22:58:17) No.19386
 ┃┗Re:ΠΔΠルナ姉ーさん・・・!!−追河 笙 (2002/1/7 21:54:56) No.19404
 ┣はじめまして−一坪 (2002/1/7 08:15:51) No.19395
 ┃┗Re:はじめまして−追河 笙 (2002/1/7 22:03:51) No.19406
 ┗はじめまして。−春祭あられ (2002/1/7 23:25:44) No.19412
  ┗Re:はじめまして。−追河 笙 (2002/1/9 14:05:14) No.19440


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19384ふたつのみち追河 笙 2002/1/6 21:52:26


  はじめまして。追河 笙といいます。
  何となく思いついた話なので、矛盾点がたくさんあると思いますが、
 出来れば見なかったことにしてください。

******************************** 
 「・・・あぁ・・・そうか・・・俺は・・・ただ・・・あいつの
 ところに行きたがっていただけ・・・だったんだなぁ・・・
 あんたらの・・・手で。」
  リナとガウリィの姿が薄れていく。
 「・・・すまねぇ・・・な・・・」
  すべての感覚が薄れていく中でルークの心に浮かんだのは、やっと
 ミリーナの所へ逝ける喜びと、こんな自分を彼女が迎えてくれるのかと
 いう不安だった。
   

  ルークは、闇に落ちていく自分に呼び掛ける声が聞こえた気がした。
  目を開けると、そこはどこにでもありそうなレストランだった。
  まだ開店前なのか、客の姿は見えない。
  掃除の行き届いた綺麗な店内。窓辺には綺麗な花が飾られ、日の光を
 うれしそうに浴びている。
  自分は先程、魔王として戦い滅びたはず。まさか、此処があの世とか?
  何故自分がこんな所にいるのかわからずに、ルークが所在なさげに辺り
 を見回していると、
 「いらっしゃいませ!!どうぞ、お好きなところへお掛けください。
  今、お料理をお持ちしますね。」
  明るくよく通った声で、声を掛けてきたのは、艶やかな黒髪を肩で
 切りそろえた1人のウエイトレスだった。
  急に現れたウエイトレスは、満面の笑顔でルークに声を掛けると厨房の
 ある店の奥へと消えていく。
  今の状況が全くわからず、混乱し掛けていたルークは取りあえず近くの
 テーブルに腰掛けた。
   

  前菜から始まり、次々と運ばれてくる料理はどれも素晴らしく美味しい
 物だった。
  始めは、正体不明のレストラン(滅びたはずの自分がいつの間にかいる
 所など、普通の場所の訳がないだろう。)で出される料理など、口にせず
 に誤魔化してしまおうと考えていた。
  だが、誤魔化しの利かない雰囲気で微笑むウエイトレスと、食欲を
 そそる匂いに恐る恐る料理に口を付ける。
  見た目は見慣れた料理だが、その味は素晴らしい物だった。
 そのあまりの美味しさに、ルークは出された料理を夢中で食べていた。
  

 「ふぅー。なぁんか、久しぶりに食事したって感じだなぁ。」
  数十分後、テーブルの上の料理はきれいさっぱり食べられていた。
  まともな食事など本当に久しぶりだった。
  ミリーナが逝ってから復讐しか頭になく、ろくに食事を摂って
 いなかったし、魔王となってからは食事を摂る必要のない身体になって
 いたのだから。
  そういえば、食事に夢中になって忘れていたが、何故自分は此処に
 いるのだろうか?自分は魔王となって滅びたのではなかったのか?
  ぼんやりと考えていたルークの前に、そっと食後の香茶が置かれた。
  見ると、あのウエイトレスが微笑みを浮かべて立っていた。
 「すげぇ旨かったよ。
  俺も今まで色々な所を旅して来たけど、此処の料理が一番だな。
  見た所、このレストランに居るのはあんただけみたいだけど、
 全部1人で作ったのか?」
 「えぇ。そう言っていただけると腕を振るった甲斐がありました。
  ご満足頂けましたか?ルーク=シャブラニグドゥ殿。」
  ルークは、素早くテーブルを相手に向かって蹴倒し、間合いを取る。
  今、このウエイトレスは何と言った?
  自分は名乗っていないのに、何故自分の名前を知っている。
  それに、<ルーク>ではなく、<ルーク=シャブラニグドゥ>
 それは魔王としての自分の呼び名だ。
  それまでのゆったりとした雰囲気が張りつめる。
  いや、緊張しているのはルークだけで、目の前のウエイトレスは
 落ち着いた雰囲気で微笑んでいる。
 「あんた、いったい何者だ?」
  注意深く相手を見据える。
  年は20代前半だろうか。誰が見ても、美人だと評するだろう。
  だがそれだけではないものを感じる。
  魔族ではない。人の気配に近いが、人とは言い切れないものを感じる。
  睨み付け、警戒しているルークにウエイトレスはにこやかに答える。
 「ご挨拶が遅れました。
  この空間の管理人で、当レストラン<リアランサー2号店>シェフ兼
 ウエイトレスを勤めておりますルナ・インバースと申します。
  ちなみに、魔族でも神族でもなく、今は人間ですので。」
 「ルナ・・・インバース。もしかして、リナって姉妹がいたりして。」
 「妹です。リナが色々お世話になりました。」
  頭の中で、しばらく行動を共にしていたリナとガウリィの姿が浮かぶ。
  チビで胸がないくせに、態度はでかい。生意気なガキと思っていた
 けれども、一緒に戦っていくうちに頼りになる仲間になっていて・・・。
  最後は、自分の我が儘に付き合わせてしまった。
  目の前のルナはあのリナの姉だという。
 「・・・似てねぇ姉妹だな。
 で、そのルナさんは此処がどこで、俺に何の用なのか答えて
 くれるのかな?」
 「此処はアストラルサイドの中でも特別な場所。
  混沌にもっとも近い、ある存在のために作られた場所。
  魔王として滅びようとしていた貴方を呼んだのは私です。」
  にこやかに話す顔はそのままに、ルナの気配が変わった。
 「ルーク、今の貴方には二つの路があります。
  魔王と共に<金色の母>の元に還り安らかな眠りにつくか。
 人として輪廻の輪の中に戻り足掻き続けるか。
  貴方はどちらを選びますか?」
  言葉に力を感じる。
  纏う気配に敵意はないが、彼女がその気になれば今の自分などすぐに
 滅ぼされるだろう。だが、不思議と恐怖が感じられないのは、ルークを
 見つめる瞳に浮かぶものが優しさに満ちたものだからだろうか。
  ルークはルナから視線をはずし、溜息と共に呟く。
 「・・・一つ聞いて良いか?
  どっちに行けば、ミリーナに会うことが出来るんだ?
  俺はさ、ただあいつに会いたいだけなんだけどなぁ。」
  そう呟くルークの瞳は深い疲れに満ちていた。
 「そんなに彼女に会いたいですか?
  人は死した後、輪廻の輪に還りまた生まれてきます。世界が滅び、
 混沌へと還るまで。
  彼女に会うには輪廻の輪の中で探し出すか、世界と共に彼女が混沌
 へと還ってくるのを待つか。
  どちらでも会うことは出来ます。」
  −会うことが出来る−
  その言葉を聞き驚いた顔でルナを見ていたルークは、本来の活気の
 ある瞳で笑い掛けた。
 「それなら俺の行く道は決まりだな。
  俺は待つってのは苦手でね。今までのようにミリーナを追いかけるさ。」
 「そうですか・・・では・・・」
  音もなく瞬時にルークとの間合いを詰めたルナは、ルークの胸に軽く
 手を触れると、何かを掴み取るように手を引いた。
 「これは私がお預かりいたします。」
  そう言ったルナの手には、うっすらと光る宝玉が浮いていた。
  宝玉の中には赤黒い炎が揺らめいている。
  ルークにはその炎に見覚えがあった。
  昔、暗殺者をしていた頃に、そしてミリーナが亡くなった時に自分の
 心の奥底で揺らめいた炎だった。
 「そいつは・・・」
 「あなたの魂に封印されていたシャブラニグドゥの欠片です。
  貴方の道も定まった。
  もう見えますね、貴方の選んだ路が。」
  ルナの言葉と共に周りの景色が霞んでくる。
 「本日は当レストランをご利用いただき、ありがとうございました。
  貴方に<金色の母>の御加護のあらんことを。」
  言葉の終わりと共に、ルナの姿が溶けて消えた。
  後に残ったのは、ルークと彼方へと続くまっすぐな道がひとつ。
 「ミリーナへの道かぁ。
  よーし、今行くぜぇ!!ミリーナぁ!!」
  ルークは、深呼吸をし気合いを入れると、走り出した。
  ミリーナへと続く路をまっすぐに。

                            END       
********************************
  私のつたない小説を此処まで読んでくれた方(いるのかなぁ)
 ありがとうございます。
  思いっきり展開が早すぎて、よく分からない話になっているなぁ(涙)
  ただ、15巻を読んだ時に、魔王と同化したまま滅びたルークが、
 ミリーナの所に行くことが出来たのだろうかと思ってこの話を考えた
 だけなんです。
  実はこの話を書いている途中で、部下Sがルークを押しのけて
 でてくるシーンがあったんですが、話の展開が旨く行かず、
 部下Sのシーンはすべてカットしたという微笑まし裏話があったりします。
  まぁ、部下Sだし・・・
  それでは、ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。
    

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19386ΠΔΠルナ姉ーさん・・・!!風林みつき 2002/1/6 22:58:17
記事番号19384へのコメント

はじめまして☆
こちらで暗い駄文全開なみつきというものです。よろしくを。
あの・・・すいませんが、お名前の読み方を教えてもらえませんか?すいませんーー!!

小説、読ませて頂きました。すごく良かったです。

ルークの滅んだ後の話はけっこう見かけますが、ミリーナとの絡みが多かったので、ルナ姉ーさんが出てきたりと新鮮でしたvv
特に最後の部分がカッコ良い!!

では!感想下手なので短くてすいませんが、これにて失礼します!!

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19404Re:ΠΔΠルナ姉ーさん・・・!!追河 笙 2002/1/7 21:54:56
記事番号19386へのコメント

>
>はじめまして☆
>こちらで暗い駄文全開なみつきというものです。よろしくを。
>あの・・・すいませんが、お名前の読み方を教えてもらえませんか?すいませんーー!!

 風林みつき様はじめまして。
 追河 笙(おいかわ しょう)と言います。
 
>小説、読ませて頂きました。すごく良かったです。
>
>ルークの滅んだ後の話はけっこう見かけますが、ミリーナとの絡みが多かったので、ルナ姉ーさんが出てきたりと新鮮でしたvv
>特に最後の部分がカッコ良い!!

 私の駄文に感想が(驚)ありがとうございます。
 ルナねーちゃん好きが高じて、書いた小説だったんですが、カッコ良いと
言って下さるなんて・・・
 書いた甲斐がありました(喜)

>では!感想下手なので短くてすいませんが、これにて失礼します!!

 いえいえ、とっても嬉しかったです。
 もしもまた見かけたら、よろしくおねがいします。

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19395はじめまして一坪 E-mail 2002/1/7 08:15:51
記事番号19384へのコメント

投稿ありがとうございました!

感動しました。
前向きなルークはやっぱいいですねー。


もしよかったら、また投稿してくださいね。

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19406Re:はじめまして追河 笙 2002/1/7 22:03:51
記事番号19395へのコメント


 一坪さま、はじめまして。
 いつも読んでばかりだったんですが、とうとう投稿することにしました。
 もし、また新しい話が出来たら投稿したいと思います。
 その時はよろしくお願いします。
 
                      

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19412はじめまして。春祭あられ E-mail 2002/1/7 23:25:44
記事番号19384へのコメント

はじめましてです。私、春祭あられと申すものでございます。

小説読ませていただきました。
ルークさんの最後、私も気になっていたんですけど、こういう展開もいいですねぇ。
って言うか、これがめちゃくちゃ気に入りました。
ルナ姉もでてくるし。
これからもこの調子で頑張ってください。
次のを楽しみにしております!
では、短いですけど、これにて。


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19440Re:はじめまして。追河 笙 2002/1/9 14:05:14
記事番号19412へのコメント


  春祭あられさま、はじめまして。
  私の駄作を読んでいただきありがとうございます。
  おまけに気に入っていただけるなんて(喜)
  ネタは思いつくけれども、書くまでに時間がかかる奴ですが、
 よろしくお願いいたします。