◆−題名・・・未定。−春祭あられ (2002/1/7 23:07:07) No.19409
 ┣Re:題名・・・未定。−潮北 かずら (2002/1/8 00:37:54) No.19417
 ┃┗またまた感想有難うございました!−春祭あられ (2002/1/8 13:53:25) No.19421
 ┣題名未定なんですか?!むぅ・・・。−たかこ (2002/1/8 01:25:01) No.19419
 ┃┗題名・・・だって思いつかないんだもん。−春祭あられ (2002/1/8 14:03:12) No.19422
 ┣題名・・・未定を読んで。−匿名希望 (2002/1/8 22:32:21) No.19434
 ┃┗はじめまして♪−春祭あられ (2002/1/8 22:54:11) No.19435
 ┗題名・・・また未定。−春祭あられ (2002/1/10 15:55:54) No.19446
  ┗Re:題名・・・また未定。−潮北 かずら (2002/1/11 10:36:01) NEW No.19462


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19409題名・・・未定。春祭あられ E-mail 2002/1/7 23:07:07


珍しいことだった。非常に。
寝込みを襲われることなど今までに多々合ったと言うのに。
自分に突きつけられた魔力を含んでいる短剣。
不覚だ。
ここまで危うい場面に一気にさらされてしまうとは・・・・・・
死にはしないかもしれないが、大怪我はしてしまいそうなこの雰囲気の中、ゼルガディスは背中に冷や汗が流れるのを感じた。
いつもより細やかな感覚に敏感になってきている。
さて、どうしたら良いものか――――――――――――――


   題名・・・未定。


相手を睨みながらも数を数える。
一人、二人、そして今自分の目の前にいる三人。
ぎりぎりだが抜けきれるかもしれない。
それに、一人は明らかに女だ。
暗闇で顔は見えないが、そのシルエットから大体は想像できる。
「ゼルガディス=グレイワースか?」
目の前の男はぼそぼそと呟くように言った。
ゼルガディスの首を狙ってくるものは必ずこの言葉を口にする。
「答えてやる義理はない」
そして、毎回こう答える。
「もう一度聞く。ゼルガディス=グレイワースか?」
「だから―――」
「俺の名前はカーリー=ミナテアだ。自分も名乗った。答えろ」
「・・・・・・は?」
名乗ったぞ。確かに名乗ったよ、こいつは。
名乗られたらやはり答えるのが義理だが、っというか、普通名乗らんだろ、暗殺団とか、冒険者とかって言うのは・・・
「聞こえなかったか?俺はカーリー=ミナテア。おまえはゼルガディス=グレイワースだな?」
「・・・・・・そ、そうだ」
一応、ゼルガディスが答えると、今まで突きつけられていた短剣が無造作に引かれた。
どういうことなのだかさっぱり分からない。
「ゼルガディス=グレイワース・・・・・・カシス=ミナテフという人物を覚えているか?ついでにステラ=シュールという人物も」
「ついでって何よ!」
後ろから声が飛ぶ。
想像はつくが、多分窓に一番近いところにいるあの女だろう。
彼女がそのステラ=シュールという人物なのだろう。
「悪いが・・・・・・覚えはない」
それを聞くと、カーリーは深々とため息をつき後ろを振り返った。
「・・・・・・ほらみろ。俺の想像どおりだっただろ?覚えはないそうだ」
「そんなちょっとひどいんでない?おまえほんとにゼル?」
「もしかしたら同姓同名とか?ちょっと顔見せて!」
ステラは小声で力強く叫ぶと、懐からろうそくを取り出して火をつける。
ひょこひょこと近づいてくる様子は猫を思い出させた。
じーっとみつめあう二人。
彼女の顔は美人に入る類。瞳には好奇心の光が宿っており、それがいっそう綺麗に見せている。
金でも黒でも銀でもない麦色の髪。
それがひどく印象的で・・・・・・
(・・・・・・麦色?)
ふとよぎる記憶。
確か見たことがある。この麦色という非常に珍しい髪色。
それはずいぶんと昔で。そう昔で・・・・・・
まだ母親も父親も生きていた幸せな過去。
近所に住んでいたお姉ちゃん。
良くしてもらっていた・・・・・・ただ単に遊ばれていただけのような気も今ならするが。
彼女の名前はそう。
ステラ=シュール
「ああ?!」
「な、なによ急に悲鳴あげてぇ・・・・・・この顔は確かにゼルよ。覚えていないなんて、ホント、悲しいこというのね」
「思い出した!今、たった今!俺がまだ5歳くらいのとき近所に住んでた・・・」
「そう!思い出した?良かったぁー。そうよ、その近所のおねーさんよ!じゃあ、この人のことも思い出せる?」
すばらしい勢いでもう一人物陰にいた男を引っ張ってゼルガディスの目の前に立たせる。
その男はにへらっと笑った。たれ目で、左眼の下に泣き黒子が一つ。茶ぱつに碧眼。
そして、カーリーが言うにはこの男の名前はカシス=ミナテフ。
覚えがあるようでない。なにしろ5歳のときのことだ。
記憶があやふやでも不思議ではない。
「こう言ったら思い出してくれる?いつも笑顔の木刀兄さん」
木刀?木刀・・・・・・
そういえばいたようないなかったような・・・
いや、いた。
クッキーやらケーキやら、やたらと甘いお菓子作りの得意なお兄さんが。
まさかそれが?
「いつも笑顔の木刀兄さん。チョコチップクッキーを大の得意としていた・・・」
「そう!それが俺!思い出してくれた?」
「・・・・・・一応」
思い出したくなかったなー・・・なんて思う過去ではあったが。
いつもへらへらと笑っているくせに木刀を持って振り回しているお兄さん。
そして、このカーリーはカシスの弟と思われる。外見的年齢からして。
「おまえが俺を覚えているはずがない。まったくの初対面だ」
カーリーをじろじろと見ていたせいか、そんなことをぼそぼそと呟かれた。
「カシスと・・・兄弟か?」
「弟だ。おまえよりひとつ上」
「・・・・・・。」
何故だろう。自分よりどうしても下に見えるのは。
答えは一つ。
ゼルガディスより童顔だから。
「いやー、久しぶりの涙の再開!おにーさん、これを記念してアップルパイ作ってきたんですけど」
「あら、いいわね。食べましょ食べましょ」
すっとカシスの懐から出される風呂敷。中には箱に詰まったアップルパイが。
「ちょっと待て、作ってきたって・・・・・・それより、今食べるのか?何時だと思ってるんだ?!」
その急で奇怪な行動についていけなくてたじたじになりながら、ゼルガディスは小声で叫んだ。
大声で叫ぼうものなら、今ともに旅をしている仲間の一人に怒られるのは必然。
彼女の怒りだけは触れてはならない。
「何時って・・・・・・だいたい二時くらい?」
「そうだね。月の上がり具合からしてその辺なんじゃない?」
「正確には二時八分」
窓の外を見て答える二人と、懐中時計を取り出して答えるものが一人。
その一人とは、もちろんカーリー。
「こんな深夜にそんなもの食べるのか?!普通考えんだろ、そんなこと!」
思わず普通より大きな声で言ってから、とっさに口を塞ぐ。
・・・・・・やばい。
「どーした?ゼル。何か口にでも入ったか?」
「い、いや・・・・・・」
と、そのとき。
「きゃー!!なにこれー!!可愛いー!!どーしてゼルがこんなの持ってるのー?!」
甲高い叫び声をステラがあげた。
彼女が手に持っているのは、水色の宝石がちりばめられた首飾り。
そして、彼女の膝元にあるのはゼルガディスの荷物袋。
「あっ、なに勝手に人の荷物を・・・」
「何で女物の首飾りなんて持ってんのぉ?あ、もしかして誰かにあげるの?!ねー、ねー、おねーさんに教えてよー!」
「か、関係な・・・」

がばたんっ

突然、部屋の扉が開かれる。
ひんやりとした夜の風が、部屋に充満した。
扉の向こうには、一人の少女の姿。
うつむいてたために表情は見えないが、赤みを帯びた栗色の髪と、小柄な肩がカタカタと震えている。
しばらく無音に思えたその空間に、ゼルガディスのすばらしい聴覚は恐ろしいものを聞いた。
(ま、まさかっ)
危惧していたことよりひどい事態が起きたらしい。
だが、時すでに遅し。
少女は顔をあげたと同時に“力ある言葉”をはなった。
「火炎球っっ!」


             ◇◆◇◆◇◆◇

読んでくださった方、こんにちは。春祭あられです。
えーっとですねぇ、これは、私の書いてる小説に「ノクターン」という異世界ものがありまして、
そこに登場する私のオリキャラがスレ世界に出てきたらどうなるんだろう・・・
ということから始まったお話しです。
ちなみに続きます。
だってこんな中途半端なところで終わってるし。
もしよろしければ、この先も見守ってください。
そうしていただけると嬉しいです。

あとがきにはなってないけど、これにて。
 春祭あられ

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19417Re:題名・・・未定。潮北 かずら 2002/1/8 00:37:54
記事番号19409へのコメント

こん○○わ。
潮北 かずら……です。

「ノクターン」も読ませていただいていますが、そのキャラクターを
スレの世界に持ってこられるとは……。
いえいえ。面白かったですよ。(^0^)
目込みを襲う3人組と、ゼルの思い出が。(笑)
しかも極めつけに、夜中に騒がれて、切れた誰かさんが
「ファイアー・ボール」を打ち込みに……(爆笑)

これ、続き物ですよね。
続きかかれるんですよね。

「ノクターン」も楽しみにしていますが、こちらも楽しみにしてますので
がんばって書いてください。

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19421またまた感想有難うございました!春祭あられ E-mail 2002/1/8 13:53:25
記事番号19417へのコメント


>こん○○わ。
>潮北 かずら……です。
こんにちはです。潮北さん。またまた感想をくださいまして有難うございました。

>「ノクターン」も読ませていただいていますが、そのキャラクターを
>スレの世界に持ってこられるとは……。
>いえいえ。面白かったですよ。(^0^)
実は、物語の発端はこちらだったのです。
スレ世界で彼らを活躍させるはずが、ノクターンのほうが先になってしまったってだけで。

>目込みを襲う3人組と、ゼルの思い出が。(笑)
三人組。唯一まとものはずのカーリー君の頭も、多少壊れ気味。可哀想に。(他人事)

>しかも極めつけに、夜中に騒がれて、切れた誰かさんが
>「ファイアー・ボール」を打ち込みに……(爆笑)

>これ、続き物ですよね。
>続きかかれるんですよね。
はい、書きます。書く予定はあります。
いつになるか分かりませんが(笑)

>「ノクターン」も楽しみにしていますが、こちらも楽しみにしてますので
>がんばって書いてください。
ありがとうございます!!両方読んで下さるなんてほんともう、嬉しい限りです!
こんな私ですが、末永く宜しくお願いいたします。
ではでは。
 春祭あられ

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19419題名未定なんですか?!むぅ・・・。たかこ 2002/1/8 01:25:01
記事番号19409へのコメント


こんにちは、春祭あられさんv
マンガ喫茶にちょこっと通う事二週間。
学校にて再びパソコンにかじりついています!!
マンガ喫茶ではレスしてると時間が過ぎてしまうので読み逃げが多く、そして読むのが時間掛かりそうなものは飛ばしてました・・・・(涙)


ゼルとアメリアのお話〜〜〜vv
最近、ゼルアメ読むの好きなんです!
自分じゃどうも書きたいように書けないんで・・・・・・・・(涙)
どうも、リナがいないと話が進めないというか、しくしく・・・。

>えーっとですねぇ、これは、私の書いてる小説に「ノクターン」という異世界ものがありまして、
>そこに登場する私のオリキャラがスレ世界に出てきたらどうなるんだろう・・・
>ということから始まったお話しです。
ええ?!なんですと?!
「ノクターン」は読んでない!!(他のはちゃんと読み逃げしました!←待て)
今から早速読んできます!!

>ちなみに続きます。
はいvv
ぜひぜひ続けてくださいvv
火炎球をうけたゼル達はどういう反応したのでしょう♪

>だってこんな中途半端なところで終わってるし。
>もしよろしければ、この先も見守ってください。
>そうしていただけると嬉しいです。
もちろん!この先!ばっちり待ち伏せ(?)させて頂きます!!
ふふふふふvv(妖しい笑い)

ではでは。
たかこ



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19422題名・・・だって思いつかないんだもん。春祭あられ E-mail 2002/1/8 14:03:12
記事番号19419へのコメント

>こんにちは、春祭あられさんv
こんにちは!またレスくださって有難うございます。
何度もたかこさんのにもレスしようと思ったのですが、私、アニメのほう見てなくていまいち内容がつかめなくてできなかったんです。
ごめんなさい。

>マンガ喫茶にちょこっと通う事二週間。
>学校にて再びパソコンにかじりついています!!
家にないんですか?なんか大変そうですね・・・

>マンガ喫茶ではレスしてると時間が過ぎてしまうので読み逃げが多く、そして読むのが時間掛かりそうなものは飛ばしてました・・・・(涙)
私のは一つ一つは短いくせにぐずぐずと長く続きますからねぇ・・・
飛ばしてくださってもかまいませんよ。(セレナーデが良い証拠。結局第十楽章まで続いたし)

>ゼルとアメリアのお話〜〜〜vv
>最近、ゼルアメ読むの好きなんです!
>自分じゃどうも書きたいように書けないんで・・・・・・・・(涙)
>どうも、リナがいないと話が進めないというか、しくしく・・・。
彼女はいい板ばさみになってくれますからねぇ。
テンションも書きやすいし。
その気持ちよく分かります。

>「ノクターン」は読んでない!!(他のはちゃんと読み逃げしました!←待て)
>今から早速読んできます!!
おお!読んで下さいますか?!ありがとうございます!
まだ終わってませんよ、そのお話。(汗。早く終わらせろよ)

>ぜひぜひ続けてくださいvv
>火炎球をうけたゼル達はどういう反応したのでしょう♪
続く予定なんですけどね・・・いつになったら更新されるか、分かったもんじゃありませんよ。(笑)

>もちろん!この先!ばっちり待ち伏せ(?)させて頂きます!!
>ふふふふふvv(妖しい笑い)
>
>ではでは。
>たかこ
どうもありがとうございました。
レスいただけるだけでとことん嬉しいです。
では、なるべく早く更新できるように頑張りますので、今回はこれにて。
 春祭あられ


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19434題名・・・未定を読んで。匿名希望 2002/1/8 22:32:21
記事番号19409へのコメント

 春祭あられさんのお話、ここではじめて読ませてもらいました♪ ノクターンは読んでないんですけど、寝首をかかれた三人にたじたじなゼルが情けなくもあり、でも可愛くもあり(いいかげんゼル好き)。
 続くようですがオチが(笑)でしたー♪ 竜破斬で問答無用にはっ倒すでもなく、かといって炎の矢程度で許しもせず、ちょっとマニアックな蓮獄火炎陣とかでいちびらないでお約束の火炎球でさようなら、ってのがミソですかね。特にそんなこともないですかね、そーですか。
 次の話では菓子スおにーさんがレアチーズケーキをつくってくれるんじゃないかと淡い期待をしていたりします(むしろ切望)。
 楽しませていただきました。

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19435はじめまして♪春祭あられ E-mail 2002/1/8 22:54:11
記事番号19434へのコメント

こんにちは。はじめまして、匿名希望様。
これは、本当に匿名希望なんですか?それともペンネームが匿名希望?
・・・ムムム、どちらでしょうか・・・

> 春祭あられさんのお話、ここではじめて読ませてもらいました♪
本当ですか。では、これからこの春祭あられという不束者を末永く見守ってやってくださいませ。
宜しくお願いいたします。

> 次の話では菓子スおにーさんがレアチーズケーキをつくってくれるんじゃないかと淡い期待をしていたりします(むしろ切望)。
レアチーズケーキ、ですか。
うっし登場させてみましょう・・・・・・できたら、ですけど。
次の回でお菓子を作るかどうか怪しいので・・・・・・なんとか頑張ります。

> 楽しませていただきました。
私の小説で楽しんでいただけるとは嬉しい限りです。
昨年の年末に来たばかりの新参者の私ですが、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
では、これにて。
 春祭あられ


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19446題名・・・また未定。春祭あられ E-mail 2002/1/10 15:55:54
記事番号19409へのコメント

カシス=ミナテフ。
彼は非常に優秀な菓子職人でありながら、ある一種の武術の達人でもあった。
ただ、その武術を見たものは今のところなく、何の武術だかは明らかではない。
ちなみに、弟のカーリーのほうが腕が立ちそうに見えるのは、その緩みきった顔が原因かもしれない。


   題名・・・・・・また未定。


テーブルに座っているのは全部で7人。
リナ、ガウリィ、アメリア、ゼルガディス、ステラ、カシス、カーリー。
見事にカタカナばかりが並んでてちと気持ち悪い気もするが気にせず、がんば。
とりあえず、先に言うべきは四人が何故無傷で座っているのか。
昨夜、ゼルガディス(以下省略)はリナの「火炎球」によって丸焼きにされたはずなのである。
ちなみに、泊まっていた宿屋は無傷で収まっている。
「良かったですね、ゼルガディスさん。昨日リナさんが魔術使えない日で」
アメリアは小声でゼルガディスに耳打ちした。
まったくだ。と、彼は心の中だけで呟く。
あの時、自分は死を覚悟していたことは否めない。


「火炎球っっ!」
叩き込まれると予想された炎の固まりは、叫びと同時にぽすっと音を立てて消えた。
抱えて、防御していた頭を上げると、そこには青い顔をしたリナが立っていた。
「し・・・・・・」
「し?」
「しまったぁぁぁぁぁぁっ!!」
リナの叫び声が、結局宿にいた全員を起こしたのであった。


「で、あんたらいったい誰っ?!」
不機嫌に。限りなく不機嫌にリナは言った。
ステラ達三人に指なんかさしちゃったりして。
「えーと、ステラ=シュールって言います(はあと)よろしく(はあと)」
「同じくカシス=ミナテフです(はあと)よろしく(はあと)」
二人の自己紹介はハート乱舞。かわい子ぶった二人に呆れた目を向けながら、最後の一人はため息をついた。
「・・・・・・カーリー=ミナテフだ」
よろしくの意をこめて、少々頭を下げる。
あまりそのようなことは思ってなさそうな無愛想な顔のままではあったが。
「だ・か・らぁ、どーいう人たちなのかってきいてんの!」
肩をぴくぴくと震わせながらリナはもう一度言った。
「ねー、ねー、貴女はなんていうの?!何歳?明らかにゼルより下よね?」
「そーだねー・・・誕生日はいつ?お兄さんがとっておきのレアチーズケーキを作ってあげよう!」
「いーなーっ、カシスのレアチーズケーキってとぉぉぉっても美味しいのよね!今度ちゃんと私にも作ってね(はあと)」
「もちろんっ(はあと)それ以外にもちゃんと作ってあげるよ(はあと)」
「ありがと(はあと)」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
会話が通じないためかリナの怒りは最頂点。
ちゃぶ台返しのようにテーブルを掴んだその瞬間を隣にいたアメリアとガウリィが必死に止めた。
「抑えろ!抑えろリナぁ!!」
「落ち着いてくださあぁぁぁぁぁいぃぃぃっ!!」
はふぅっ  はふぅっ
顔を真っ赤にして荒い息。
しかしだいぶ収まったのか、抵抗はしなくなった。
「あんたら、話聞く気はあんのかっ」
「話?ちゃんと聞いてるわよ?」
「俺ら耳なし人間じゃないから」
二人してにっこりと笑ってすんなりと答えてくる。
「殺したろか?!」
一度引いた顔の赤さが再び再発し、暴れだす。
「俺を訪ねてきたそうだ。昔の知人でな」
その様子に、ゼルガディスは頭を抱えながら答えた。
「一ヶ月ほど前、兄がゼルが載ったチラシを持ってきてな。“狂戦士”とか書かれていたものだから、確かめたいとわめきたて始めて・・・・・・それで、情報を集めながらここの宿屋にいることを突き止めたんだ」
二人のノリとはまた違う、淡々と、そしてぼそぼそと話すカーリー。
彼がこの中で、あたりまえのことだが一番まともだった。
「もしほんとに狂っているのだったら、自分達がどうにかしてやるんだって張り切っていた。念のため、反撃されてもいいように奇襲という形で忍び込んだのだが」
「すんな。奇襲なんか。寝込みを襲われた気にもなってみろ」
憮然とゼルガディスが呟く。
誰も聞いていなかった。
「とりあえず、狂ってはいないようだからあいさつだけで帰ろうと思う。俺はそう思っているが、後はそこの二人次第だ」
カーリーはニコニコと笑っている二人に眼を向けて深々とため息をついた。
その気持ちがとことん良くわかるような気もしなくはない。
「ぜるぅ〜私たちも一緒に旅しちゃダメ?」
「大却下」
リナが即答した。
「なによ。貴女に聞いてないったら」
「ゼルが今一緒に旅してんのはあたしたち、あたしたちなの!だからあんた達についてこられちゃ大めーわく!!」
「そんなぁ〜いぢわるぅ〜っ」
「あたしより年上なくせしてかわい子ぶるなぁぁぁぁぁぁっ!!」
その日、リナのスリッパの音が、村全体に幾度となく響き渡ったという。
その音はすこぶる響きが良く、どうしたらそこまでいい音が出るのか見物しにきた客も多かったとかなかったとか。
とりあえず、伸びに伸びまくったステラとカシスをカーリーが一人でつれて帰ったということは言うまでもない。


            ◇◆◇◆◇◆◇

またまたやってしまいました。題名未定。
本気で思いつかんのです。すいません。
とりあえず、長々とやっても私が疲れるだけなので、無理やりでしたが終わらせました。
本当はもっとやりたいことがあったのですが、それはまた今度という形で。
このシリーズは、気が向いたら続けていくつもりなので、また書き殴り上にひょこっと現れるかもしれません。
とりあえず、今は他の連載しているものの方を終わらせてしまおうかと。
実は、また新しく「眠れる森」というものも出そうとしていたりしていなかったり。
とりあえず、また近々現れる予定ですので、そのときはまたよろしくお願いいたします。
またこれを読んでくださった人たちに会えることを祈って。
 春祭あられ



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19462Re:題名・・・また未定。潮北 かずら 2002/1/11 10:36:01
記事番号19446へのコメント

こん○○わー。

もう続きが……。早いですね。


>昨夜、ゼルガディス(以下省略)はリナの「火炎球」によって丸焼きにされたはずなのである。

まぁ、夜中に騒がれれば、誰だって怒りますよ。(^0^;)
ただ、だからといって丸焼きにしようとする人間は、リナくらいだと思いたいですね。(笑)

>あの時、自分は死を覚悟していたことは否めない。

ゼル、リナが「あの日」で良かったね。(笑)
リナの寝起きで手加減なしの「火炎球」を受けたら、さすがのゼルも、無傷じゃすまないでしょうしね……。不幸中の(小さな)幸い!

>「そーだねー・・・誕生日はいつ?お兄さんがとっておきのレアチーズケーキを作ってあげよう!」
>「いーなーっ、カシスのレアチーズケーキってとぉぉぉっても美味しいのよね!今度ちゃんと私にも作ってね(はあと)」
>「もちろんっ(はあと)それ以外にもちゃんと作ってあげるよ(はあと)」
>「ありがと(はあと)」

リナをからかってる!?
しかも自覚なし(笑)

>「もしほんとに狂っているのだったら、自分達がどうにかしてやるんだって張り切っていた。念のため、反撃されてもいいように奇襲という形で忍び込んだのだが」
>「すんな。奇襲なんか。寝込みを襲われた気にもなってみろ」

念のために寝込みを襲うって……。
でも、普通はそういう作戦は、理に適ってるんだよね……。
でも、襲われた方は、たまったものじゃない。
まさにフンダリケッタリですね。(笑)

>その日、リナのスリッパの音が、村全体に幾度となく響き渡ったという。
>その音はすこぶる響きが良く、どうしたらそこまでいい音が出るのか見物しにきた客も多かったとかなかったとか。
>とりあえず、伸びに伸びまくったステラとカシスをカーリーが一人でつれて帰ったということは言うまでもない。

『当事者にとっての悲劇も、他人にとっては喜劇でしかない』と言いますが
まさにそのとおりですね。
面白かったです。
なんがかんだ言いながら、それでもマイペース一直線な全員の
掛け合いが。(^0^)

これでこの話が終わるのは残念ですが、他の連載、新連載(気の迷いでの続編
の投稿も!)等を楽しみにしています。

お疲れ様でした。
また、がんばってくださいね!