◆−雪がそっと囁く声(ゼロリナ)−柚琳 (2002/1/12 05:28:31) No.19502 ┣はじめまして♪−れーな (2002/1/12 22:59:09) No.19508 ┃┗Re:はじめまして♪−柚琳 (2002/1/13 01:38:51) No.19513 ┗はじめまして−一坪 (2002/1/14 01:26:43) No.19521
19502 | 雪がそっと囁く声(ゼロリナ) | 柚琳 E-mail URL | 2002/1/12 05:28:31 |
初投稿なのです〜。今までは読み逃げ常習犯だったのですが、ふと気まぐれに投稿を思い立ちまして。 ホント気まぐれなのです。流してやってください。 あ、ちなみに私はゼロリナ純粋培養です。 ゼルアメも結構好きです。密かにS×ルナも好きですvv どうぞよろしくお願いします♪ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『雪がそっと囁く声』 ――ゼロス 呼ばれたことはまったく気付かなかった。 だから当然反応もしようがなかった。 何かに見とれて言葉が耳を素通りするなんて、ないようであるものなんだなと思った。 もう一つ付け加えるなら、魔族にもそういうことがあるものなのだな、と後で思った。 雪が降っていた。 はらはら 少し前から降り始めたようだった。 ゼロスは顔を不自然でない程度に空へ向けて、淡く儚い来訪者たちを見ていた。 己の頭に、肩に、差し出した掌に雪が積もることも気にせず。 ――ゼロス 2度目は少し呼ばれたような気がした。 でも気がしただけで、現実だとは思わなかった。 だから、2度目もやっぱり言葉が耳を素通りしていたということである。 一応、反応はした。 首を振ってまわりを見ると、道行く人が不思議そうにこちらを見ていた。 雪はゆっくりと降り続けていた。 ちらちら よくよく見ると自分は公道のど真ん中に立っている。 確かにこれでは非常に目立つ。 白い景色の中、黒ずくめの神官姿というのも目立つ原因の一つかもしれない。 なめらかな動きで、そっと道の端に寄った。 追いかけてくる視線はなかった。 そこで止まっているのも不自然なので、ゼロスは手近な店の中に入った。 高級そうな宝石店だった。 店員が割と気さくに声をかけてくる。 「お兄さん、体に雪が積もってるよ。」 言われたとおり、体のところどころにしっとりと雪が積もっていた。 体温のない体は、さらさらとした雪を僅かも溶かしていない。 「ああ、どうもすみません。」 入り口近くで軽く払い落とす。 店員の前のガラスケースには、様々な色の光が煌めいていた。 照明を反射しているだけでなく、魔力の込められたものの中には自ら仄かに光っているものもある。 種々の輝きがそこにあった。 ゼロスは一段と素晴らしく輝く紅い宝石がいくつか集められているところに目を留めた。 目聡い店員が得意そうに喋る。 「どうです?美しいでしょう。ほら、これなんて特に素晴らしい。これよりも美しい紅なんてありませんよ。」 そうだろうか? ふと疑問に思う。 自分はこれよりもずっと、ずっと綺麗に輝く紅を知っている。 「僕は……僕はこれよりも美しいのを見たことがありますよ。」 口に出してから、余計なことをしたと後悔する。 「ほぉう、どんなでしたか?」 ハナから売る気がないのか、神官が買うはずもないと思ったのか、店員は面白そうに聞いてくる。 どんなと聞かれても、あの唯一無二の輝きは説明のしようがないし、答える気もない。 だから、ゼロスはいつもの笑顔で言った。 「それは…秘密です。」 ――ゼロス 3度目ははっきりと聞こえた―――ような気がした。 やっぱり気がするだけで、空耳なのかもしれないとも思った。 また周囲を見回してみたけれど、やはり見当たらない。 疲れているのかもしれない、と思って、二、三度頭を振った。 その時、今度こそ確かに頭の中に声が響いた。 ――ゼロス、来い… 決して逆らうことなどできないその声に、逆らうことなどできず、ゼロスは近くの路地に滑り込み、空間を渡った。 「獣王様、ただ今参りました。」 一礼をして、ゼロスは眼前の麗しい美女を見る。 「5秒」 「は?」 「私が呼んでから5秒もたっている。遅い。」 「……申し訳ありません…」 内心で溜息をついて、ゼロスは再び主に頭を下げる。 「写本は片づけたのか?」 「はい、滞りなく。」 「なら、当分は休んで良い。下がれ。」 そっけない主の言葉に、普段は何も言わず去るのだが、一つ気になることがあった。 「あの、獣王様。」 「なんだ?」 「僕が呼ばれてから5秒ということは、先刻より以前にはお呼びになってないのですか?」 「当然だ。一度で来なければ即刻滅ぼしている。」 即答された返事に、気付かれない程度に頬をひきつらせてゼロスはみたび頭を下げた。 「わかりました。失礼いたします。」 ゼロスはまた、舞い散る雪の中にいた。 しんしん 呼ばれたのはいつも雪の降る中でだった。 もう一度、呼ばれることをただ待っていた。 風はないが、降る量はどんどん増えている。 視界はほとんど塞がれていた。 ゼロスはここにきてやっと声の正体がわかっていた。 宝石店の真向かいには宿屋があった。 そこには、彼女が泊まっていた。 呼んで欲しくて、自分の名前を呼んで欲しくて、ゼロスはその前を彷徨いていたのだ。 くす わかってなお、彼女の声を待ち続ける自分を笑った。 自分がここにいることすら、彼女は知らないだろうに。 その時、宿屋の扉がきいと開いた。 こんな天気に外に出てくるとは、とゼロスは自分のことを棚に上げて呆れた。 そして、ふと振り向こうと……… 「ゼロス」 振り向いた、そこにはふわふわと揺れる栗色の髪と、小さな体と、宝石よりも美しく輝く真紅の瞳があった。 頭が真っ白になるということは、ないようであるものなんだなと思った。 もう一つ付け加えるなら、魔族にもそういうことがあるものなのだな、と思った。 「リナさん……どうして…?」 驚くというより、混乱していた。 「どうしてもなにも、窓から雪見てたら道の真ん中でぼーっと突っ立ってるあんたが見えたから、心優しいあたしがわざわざ中に入れてあげようとしてあげてるだけだけど?」 やや大袈裟に言ってくる。 無性に、嬉しかった。 彼女に近づいて、包むように抱きしめた。 しばし彼女は硬直していたが、それが解けると逃れようともがき始めた。 「ちょっと、ここ寒いからあたし中入りたいんだけどっっ。」 「じゃあ、入りましょうか。」 わざとからかうような口調で言う。 そして彼女を抱きかかえると、空間移動で彼女の部屋に現れた。 「ちょっっ、お〜ろ〜せ〜!!」 「はいはい」 優しく床に立たせる。 「ったく、呼ぶんじゃなかったわよ。」 文句を言いながらベッドに腰掛ける。 「でも、リナさんは僕を呼んだでしょう?」 「あんたが入れて欲しそ〜に立ってたからよ。」 「僕はそれで満足です……」 雪は静かに降り積もる 雪の積もる音は誰にも聞こえない ただその音の中に 何かが聞こえるかもしれない そう、例えば眠る少女がぽつりと漏らした言葉が―――― ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ あ、結構話がまとまってくれました。らっきぃ(笑) 私はお話書くのめっちゃ遅いですから、今回は異例の早さです。 一晩徹夜で書きました。 今度はギャグにも挑戦……できたらいいなぁ… それでは 〈柚琳〉 |
19508 | はじめまして♪ | れーな E-mail | 2002/1/12 22:59:09 |
記事番号19502へのコメント どうもはじめましてです。 れーなと申します〜vゼロリナ贔屓・・・とゆーかまっしぐらな奴ですが。よろしくして下されば嬉しいです〜。 ところで柚琳さん・・・、失礼ですが、なんて読めば・・・(汗)ごめんなさい、無知で(−−;; えっと。お話読ませていただきました♪ どこが好きって全体的に好きなんですけども。なんてゆーか・・・お話の雰囲気って言うんでしょーか。 らぶらぶでもなく、かといってシリアスでもダークでもないよーな。 ほのぼの・・・う〜ん、ちょっと違うです。なんとなく、あったかくなるような、ほっとするような感じ・・・。あぁもう、とにかく素敵過ぎなんです・・・! 具体的に、ここがどうって言えないんですけど・・・ごめんなさい。 あ、でも雪は好きです〜(関係無さげ) けどあたし、この冬はまだ一度しか雪見てないんですよ〜っ 雪が積もる音なんて・・・聞いてみたい・・・(涙 感想になってないよーなレスですみません。 ギャグも楽しみにしてます〜v では、れーなでした。 |
19513 | Re:はじめまして♪ | 柚琳 E-mail URL | 2002/1/13 01:38:51 |
記事番号19508へのコメント れーなさんは No.19508「はじめまして♪」で書きました。 >どうもはじめましてです。 はじめましてっっ。れーなさんのお話よく読んでおります。 ホント読み逃げばっかで……すみません >れーなと申します〜vゼロリナ贔屓・・・とゆーかまっしぐらな奴ですが。よろしくして下されば嬉しいです〜。 あはは〜、同志です。私もゼロリナまっしぐらですvv(しかも重症) >ところで柚琳さん・・・、失礼ですが、なんて読めば・・・(汗)ごめんなさい、無知で(−−;; 「ゆうりん」と読みます。ぱっと見ではやっぱ読みにくいですか。 でもふりがな付けるのも…格好悪いですね(^^;) >えっと。お話読ませていただきました♪ >どこが好きって全体的に好きなんですけども。なんてゆーか・・・お話の雰囲気って言うんでしょーか。 あっっありがとうございますっっ♪♪ 今自分で読み返してきて、駄文っぷりにちょっと悶えてたんですが(笑)、好きと言って下さる方がいるなら、「書いて良かったな〜」と思います。 ああでもやっぱり内心は闇に葬りたいかも(涙) >らぶらぶでもなく、かといってシリアスでもダークでもないよーな。 >ほのぼの・・・う〜ん、ちょっと違うです。なんとなく、あったかくなるような、ほっとするような感じ・・・。あぁもう、とにかく素敵過ぎなんです・・・! 普段、お話の雰囲気というのはあまり意識せずに書くのです。 ただキャラの本質だけは壊さないように気を付けてます。 私のゼロス様は、一人でいるときは迷える子羊気味(笑)で、リナちゃんの前だと余裕有りという感じです。 >あ、でも雪は好きです〜(関係無さげ) >けどあたし、この冬はまだ一度しか雪見てないんですよ〜っ 雪は降ってるときが綺麗ですね。そーっとひとひら手にのせた結晶が溶けてくのが好きですvvv うちの地方は山の中なので、降りまくりです。道が通れなくなるまで降りましたから(笑) >ギャグも楽しみにしてます〜v ぎくぅっっ、う〜ん、当分無理そうです。 また時間が空いたら気まぐれに投稿すると思います。 れーなさん、感想ありがとうございました。 |
19521 | はじめまして | 一坪 E-mail | 2002/1/14 01:26:43 |
記事番号19502へのコメント 投稿ありがとうございましたー! 綺麗な作品ですねー。 タイトルからして綺麗だなーと。 あとリナさんの態度がすごく可愛らしかったです。 では、これからもよろしくお願いします! |