◆−よろしくね!    ガウリナ?かな−龍崎星海 (2002/1/13 23:36:28) No.19520


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19520よろしくね!    ガウリナ?かな龍崎星海 2002/1/13 23:36:28


はい、どうも龍崎です。
ちょっと、今更かな〜って話を1つ。
なぜ今更なのか、は読んでからのお楽しみ、って事で。
さて、今回の話は、一応ガウリナではありますが、カップリングではありません。
どっちかって言うと、ほのぼの系かと思います。
では、また後でお会いしましょう。

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よろしくね!

チュド〜〜ンッ!!
夜の森に爆発音が響く。
あたりの木々はなぎ倒され、あちこちで火の手があがる。
その中を逃げまどう盗賊達の姿があった。
「ンッンッンッ‥‥やっぱ、こーでなくっちゃあ‥ファイアー・ボールッ!!」
チュド〜〜ンッ!!
あたしの放った呪文が炸裂する!
「ワ〜〜ッ!!」
吹っ飛ばされる盗賊達。
「ほらほら、もーいっぱつ!ファイアー・ボールッ!!」
チュド〜〜ンッ!!
「ヒエ〜〜ッ!!」
「さあ〜て‥と。ホラ、あんた!お宝の隠し場所はどこよ!キリキリ白状しなさいっ!!」
あたしは、そこらでノビていた盗賊をとっ捕まえると、問いつめた。
「お‥お宝?‥って‥ま、まさかっ!あんた、リナ=インバースかっ!!ドラまたとか、ロバーズキラーとか呼ばれている‥友達になりたくないヤツアンケートで、常時トップの座を守っている、あのリナ=インバースなのかっ!!」
ヒクヒクヒク‥‥
このヤロー‥何言ってくれるかな‥‥
「ンッンッンッ‥‥そこまで言うとは‥あんた、命が惜しくないみたいねえ‥‥」
言いつつ、手に魔力光を点してみせると。
「ヒエエエエエ‥‥す、すびばせぇぇんっ!!お宝のありかまで、案内いたしますので、命ばかりはお助けをっ!!」
地面に額をこすり付けんばかりにして、謝っている。
ったく。そんなに怖がるくらいなら、最初っからあんな事、言うんじゃなああいっ!!
本っ気で吹っ飛ばしてやろーか、とも思ったけど‥まあ、大人しくお宝のありかまで案内してくれるみたいだから、今回だけは許してやろう。
この寛大なリナ=インバース様に感謝しなさいよ、あんた!
「分かったから、とっととお宝のありかまで案内しなさい!早くしないと‥」
と、また手に魔力光を点して見せる。
「ヒエエエエ‥‥分かりました、こちらですっ!!」

あたしは、盗賊Aに案内されて、お宝の隠し場所へとやって来た。
そこは、ちょっとした洞窟の中だった。
中へ入って見ると‥‥へぇ〜っ‥‥結構あるじゃないの。
大した連中じゃなかったから、きっとお宝もロクな物がないんじゃないか、って心配してたけど‥
こりゃ、なかなかのモンだわ。
あたしは、急いでその場にあったお宝をゴッソリと持ち出した。
後には‥‥カスみたいなのしか残っていない。
「あのー‥‥それ、全部、持って行くんですか?」
洞窟の外で待っていた、盗賊Aが恐る恐るあたしに聞いてくる。
何聞いて来るかなー。
「そんなの、当たり前じゃないの」
あたしがあっさりと答えてやると、盗賊Aがいきなりあたしの足にすがり付いて来た。
「な!何すんのよ!」
お、お許しくだねえっ!それ全部持ってかれたら、俺達、おマンマの食い上げです!今年の冬を越せませんっ!!家では、ガキ共がハラ空かせて待ってるんです‥お願いです!どうか、少しでもいいから残してくだせえっ!!」
目をウルウルさせながら、懇願する。
‥‥ったく、こ〜んな下手なお芝居、ど〜こで覚えて来たんだが。
自分達は情け容赦なく奪ってるくせに、何言ってんだか。
あんた達に、掛ける情けなんて、持ち合わせてないわよっ!!
「そんなの、あたしの知ったこっちゃないわよ!!」
そう言って、足にすがり付く盗賊Aを蹴り飛ばすと、あたしはその場を後にした。
「オニッ!アクマッ!!」
後ろから、盗賊Aがあたしをなじる声が聞こえて来るけど。当然ムシ。
「ペチャパイ!ドングリ目のチビガキッ!」
ピキ‥‥
「ファイアー・ボールッ!!」
チュド〜〜ンッ!!
「あ〜〜れ〜〜‥‥」
余計な事を言った盗賊Aをお星様にすると、あたしは宿への道をたどった。

うくくくく‥‥大漁、大漁!
あ〜今回はお買い得だったわよね〜(はあと)
大したヤツラじゃなかった、ってのに、こおんなに収穫があるなんてっ!!
ルンルン気分で歩いていると。
「‥ったく‥こんな日にまで、盗賊いびりに行く事、ないじゃなのか?」
行く手の闇の中から、聞き慣れた声がした。
ゲ‥‥ガウリイ‥‥もう、気が付いたのか‥‥
邪魔されたくなかったから、ガウリイが酒場へ行っている間に、こおっそり窓から抜け出して来たのに‥‥
「‥‥いーじゃないの。別に。こんな時だからこそ、盗賊いびりをやるんじゃないの。あいつらも、まさか今夜襲撃があるとは思ってないからね」
そう言い返してやると、ガウリイは、呆れたように大きく、ため息をついた。
「ハァ〜〜〜ッ‥‥全く‥‥お前さんときたら‥オレが酒場へ行っている間にこっそり宿を抜け出しちまうんだもんなぁ〜‥‥なんか、ヤな予感がしたんで、お前さんの部屋を覗いてみたらもぬけの殻だし。オレがどれだけ探したと思ってんだ?全く」
う‥‥そ、そりは‥‥
「‥‥しょーがないじゃない。あんたにバレたら、邪魔されるに決まってるんだもん」
「当たり前だろ。オレはお前さんの保護者なんだから、お前さんが危ない事をしようとしてたら、止めるのが普通だろ?‥‥ったく。2年越しで盗賊いびりをするなんて。お前さん、今年も盗賊いびりを続けるつもりかよ」
「と〜ぜん!」
即答してやると。
ガウリイは、もう1つ、大きなため息をついた。
「ハァァァ〜〜ッッ‥‥今年もオレの苦労はなくならない訳だな‥‥ま、その方がお前さんらしいか」
そう言うや、ワシワシとあたしの髪をかき混ぜるガウリイ。
「ちょっと、やめてよ!髪が痛むじゃない!何度言ったらわかんのよ!」
ブーたれてるあたしに、
「ハイハイ、それより、行くぞ。お前さんも、こんな所で夜明かしはしたくないだろ?」
ニッコリ笑ってそう言うガウリイ。
そう言えば‥‥盗賊やっつけるのに夢中になってて気が付かなかったけど、今に夜明けじゃないの。
そりゃ、あたしだって、こんな所で朝日を拝みたくないわよ。
「‥‥わかったわ。行きましょ」

先に行くガウリイの後に、あたしが歩いて行く。
‥‥なんか、いつもと逆だな。
そう思いつつ、町が見える所まで来た時に。
後ろから光が差してくるのが分かった。
‥‥日の出だ。
クルリと振り向いたガウリイが、その日の光を浴びながら、
「初日の出だな。リナ、新年あけましておめでとさん。今年もよろしくな」
そう言って、ニッコリと極上の笑みを浮かべた。
‥金の髪が日の光にキラキラ光って、この世の物とも思えないくらい、キレイなんですけど‥‥
あたしがボ〜〜ッと見とれていると、ガウリイが手を差し出した。
「え?何?」
「だから。今年もよろしくな。ホラ、握手」
そう言って、ニッコリと笑う。
「う‥うん、よろしく‥‥」
あたしは、ちょっと赤くなりながら、手を差し出した。
ギュッとあたしの手を握るガウリイ。
おっきな手だね‥‥あったかい手だね。
‥‥そうだね。今年も、きっと色々とあると思う。
魔族に襲われたり、盗賊いびりをしたり。
でも。あんたが居てくれるから、あたしは突っ走れる。
後ろを守ってくれる人がいるから‥‥前だけ見ていられる。
だから‥‥今年もよろしくね!相棒さん!
「ンじゃま、宿まで競争しましょ!遅い方が朝食をおごる、って事で!」
走り出してから、そう言うあたし。
「ええ〜っ!おい、待てよ、リナ!卑怯だぞっ!!」
あわててあたしの後を追うガウリイ。
でも、あたしとの差は、結構あったりする。
「そこはそれ、ハンディ、って事で!」
「そんな〜〜〜っ!!」

あたし達は走り続ける。
止まる事は許されない。
なぜなら、止まる時、それはあたし達の人生が終わる時だからだ。
だから、あたし達は走り続ける。どこまでも。

「待ってくれよ、リ〜ナ〜〜ッ!!」
「おっそいぞ、ガウリイ!あんたのおごりで決まりね!」

                           END

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はい、ご苦労様でした。
なぜ今更なのか、と言うと‥今更、正月話だから、です。
いやあ、この話、去年のうちから思いついてはいたんですけど、書いているヒマがなくって。
で、今になっちゃった、って訳です。
まあ、来年の正月に合わせてアップしてもよかったんですけど‥
アップした時だけ、読まれる訳じゃないんだし、まあいいか、と思いまして。

それにしても。ほのぼの、と言いつつ、甘いですねえ‥
なんか、最近、何を書いても甘くなってる気がする‥
どうやら、癖になったらしいです。
困ったもんだ‥
それでは、これにて。