◆−ふたつのみち −その後の二人−−追河 笙 (2002/1/17 00:07:59) No.19575
19575 | ふたつのみち −その後の二人− | 追河 笙 | 2002/1/17 00:07:59 |
前作からこんなにすぐに投稿することになるとは・・・ 「ふたつのみち」の続編です。 前回はルークとルナねーちゃん。 今回はルナねーちゃんと前回で出番を消された部下Sです。 この二人って、書いていて楽しいかもv *********************************** ルークの気配が遠ざかっていく。 あの様子では、すぐにミリーナの元へたどり着けるだろう。 「さてっと、あの子の方はこれで大丈夫でしょう。 ・・・いい加減、姿を現したらどうなの? 実体化できるくらいのエネルギーはあるはずよ。」 ルナは自分の側で浮いている、ルークから取り出した宝玉に向かって 言葉を掛けた。 すると宝玉が割れ、赤黒い炎がひときわ大きく燃え上がると、そこには 1人の男が立っていた。 「やっとお目覚め?おはようシャブラニグドゥ。 しばらく会わないうちに、ずいぶんと寝ぼ助になったのね。」 男に向かい、ルナは小馬鹿にしたように笑うと、どこからともなく 取り出したティーセットから香茶を注ぐと、香りを楽しむように 口に含んだ。 「何故お前が此処にいる!!スィーフィード!! おまけに、ルークに食事を摂らせ、我に此処までのエネルギーを 与えるなど・・・ 何を企んでいる!?」 不機嫌な顔で、ルナを睨みながらシャブラニグドゥはテーブルの 向かい側に座り込む。 ルナはそんな様子に気にもとめずに、優雅な手つきで香茶を入れると カップをシャブラニグドゥに渡した。 が、シャブラニグドゥは香茶には手を着けずに、ルナを睨み付けている。 張りつめた空気が店内を流れる。 ルナは、静かに紅茶を飲んでいたが、店内の雰囲気を払うかのように 一つ溜息をつくと、呆れたようにシャブラニグドゥの顔を見た。 「まったく、出て来たと思ったらすぐにそれ!? もう少し、気の利いたセリフを言ってくれても良いんじゃない? 別に私は何もしないわよ。 今日の役割は、これでおしまい。」 ルナは席を立つと、スタスタとドアに向かって歩いて行くが、外に 出る直前、何かを思いだしたようにポンッと手を合わせると、顔だけ 振り返った。 その顔は、気の毒そうな表情をしているが、瞳は笑っている。 シャブラニグドゥの胸に嫌な予感が押し寄せてくる。 「そうそう、言い忘れるところだった。 今回の件についての説明楽しみにしているって、L様からv じゃ、がんばってねv」 その言葉を聞いた瞬間、シャブラニグドゥの顔色が蒼白になった。 心なしか、姿にも色が付いていない。 「ス、スィーフィード!!貴様、まさかその為に我にエネルギーを!?」 テーブルと椅子を倒しながらルナに近寄ろうとするシャブラニグドゥに 向かい、ルナはヒラヒラと手を振りながら無情にもドアを閉めた。 その後、シャブラニグドゥがL様にネチネチいびられた後お仕置き されたのは言うまでもない・・・ END *********************************** 前回の補足としてこの話が出来ました。 ルナねーちゃんがルークに食事を出したのは、感謝の意味も あったのですが、部下Sに実体化させるエネルギー補給の 意味もありました。 実体化させたのはL様の命令です。 その方が、お仕置きのし甲斐があるからでしょう。 裏設定では、このレストランはL様の宮殿の敷地の一角にあり、 ルナは時々此処で、L様に料理を作っている。といったものがありました。 ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。 追河 笙 |