◆−風を背負う少年−克真 サイ (2002/2/7 20:16:58) No.19964
 ┣おはつめにかかります。−春祭あられ (2002/2/8 00:41:13) No.19972
 ┃┗どうもです。−克真 サイ (2002/2/8 17:13:36) No.19974
 ┣はじめまして−一坪 (2002/2/8 19:01:06) No.19977
 ┃┗Re:はじめまして−克真 サイ (2002/2/10 03:24:27) No.19982
 ┗風を背負う少年−克真 サイ (2002/2/9 03:25:04) No.19978


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19964風を背負う少年克真 サイ 2002/2/7 20:16:58


初めまして。オリジナルの小説です。よろしく。


*************************************

 いつにもまして強い風に、俺は一人静かに顔を向けていた。

 まるで風が見えたような気がしたんだ・・

 目が開けられないほどの激しさの中にたしかに光る金色の髪の毛があった。

 やっと開いた目の前に、はっきりと広がるその長い髪が俺の心の中に焼き

 ついたのは言うまでも無い。

 

 1、許せない裏切り

  
                (1)


 いつもと変わらない朝。青い空に輝く太陽が今日もまた頼みもしない朝を連れてきた。

 「トキ!!てめぇ何度言ったらわかるんだ?!おめぇはただユウの持ってきたモノを港まで運べばいいっていってんだろ?」
 
 粗末な布切れがドア代わり。その辺で拾ってきたかのような木箱がベットの代わり。与えられているのは、つぎはぎだらけの布シャツと、洗ったことのなさそうな綿のズボンだけだった。
 俺は、うすよごれたボロ小屋にいた。
 「バキッッ!!!」
 「ズザザザッ!!!」
 この馬鹿力めっ!!痛てぇんだよ!
 「あ?何だその目は!!能無しのくせに態度でけぇんじゃねえのか?」
 「ドゴッッ!!」
 「ガッッ!!」
 トキはけりを顔に喰らい壁にぶつかった。
 くそっっ!!能無しなのはてめぇの方じゃねえかっ・・。
 「カチスうるせえぞ・・ボロ小屋が壊れる。」
 「ギド!・・だってこいつが失敗なんかやらかすから・・」
 「そんなもん飯抜きにでもすりゃあいいだろ?」
 「・・わかったよ。・・トキぃ!!てめぇ今度やったらぶち殺すぞ?!」
 そこまでいうとつかんでいたシャツのえりを乱暴に離して奥の部屋に行ってしまった。
 「・・・トキ、てめぇは飯抜きだ、外へ出な。」
 「・・・・・。」
 トキは血をふきながらギドのほうを少し見て、すぐにボロギレをくぐって外へ出て行った。
 奥の部屋からはぶち切れた様子のカチスが他のターゲットを見つけ暴れているみたいだった。
 「・・・はぁ、カチスもカチスだがやつの過剰な反応もわからないでもないよなぁ・・あの目、15やそこらのガキの目じゃねえよ。」
 ギドはボソッと吐き捨てて奥の部屋へ向かった。

*************************************
次回へつづく




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19972おはつめにかかります。春祭あられ E-mail 2002/2/8 00:41:13
記事番号19964へのコメント

こんばんは。克真さん。
私の詩なんぞにレスを下さいまして有難うございました。
本来は、というより、投稿している物の大半が小説なんで、今度そっちも見てもらえると嬉しい限りです。

オリジナル小説「風を背負う少年」
なんか題名からして惹かれてしまいました。
意味深な感じがグーです。
そして、内容を読んでてまず最初に思ったこと・・・・・・
トキって・・・・・・トキって・・・・・・
私の、ドラクエ4の主人公の名前ではないかぁぁぁぁぁっ!!
うわおぅっ!!ごめんなさい、張り倒さないで!!
悪気はあったようでない発言なのだからね!!(正確にはどっちなのだろう)
ま、そんなおふざけは置いといて・・・・・・よっこらしょ。
まず、なんか第一話にして登場人物おおいっすよね。
ちょっとびっくり。覚えきれるかなぁ?とも思ったけれど、この人物達がこの先どう動くのかと思ったらワクワクです。
伏線いっぱい張ってそうですよね。
続きを楽しみにお待ちしております!

よく分からないレスでしたけれど、今回はこの辺にて。
 春祭あられ



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19974どうもです。克真 サイ 2002/2/8 17:13:36
記事番号19972へのコメント

春祭あられさんは No.19972「おはつめにかかります。」で書きました。
>
>こんばんは。克真さん。

こんにちは。春祭さん。

>私の詩なんぞにレスを下さいまして有難うございました。
>本来は、というより、投稿している物の大半が小説なんで、今度そっちも見てもらえると嬉しい限りです。

今度拝見させていただきます。

>オリジナル小説「風を背負う少年」
>なんか題名からして惹かれてしまいました。
>意味深な感じがグーです。
>そして、内容を読んでてまず最初に思ったこと・・・・・・
>トキって・・・・・・トキって・・・・・・
>私の、ドラクエ4の主人公の名前ではないかぁぁぁぁぁっ!!

!!本当ですか?・・私は名前考えていたとき時計が目の入ったのでトキ(時)でいいかなとか思って適当に決めたんですよね(爆)

>うわおぅっ!!ごめんなさい、張り倒さないで!!
>悪気はあったようでない発言なのだからね!!(正確にはどっちなのだろう)
>ま、そんなおふざけは置いといて・・・・・・よっこらしょ。
>まず、なんか第一話にして登場人物おおいっすよね。
>ちょっとびっくり。覚えきれるかなぁ?とも思ったけれど、この人物達がこの先どう動くのかと思ったらワクワクです。

いや主人公だけでも覚えてくだされば他の登場人物なんて覚えんくていいですよ(汗)脇役なんで・・・。脇役にもきちんと名前つけちゃう習性があるんですよ私。何かストーリー的には私の気に入っているものなんですけど、私の腕があんまよくないのでちょっと悲しいんですよね・・知らないことが多すぎて。

>伏線いっぱい張ってそうですよね。
>続きを楽しみにお待ちしております!

あぁ、ちょっと話し考えるのが遅いんで結構間があくと思うんですけどみつけたら読んでやってくださいお願いします。

>よく分からないレスでしたけれど、今回はこの辺にて。
> 春祭あられ
ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
 克真 サイ
>
>

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19977はじめまして一坪 E-mail 2002/2/8 19:01:06
記事番号19964へのコメント

投稿ありがとうございました!

個性的なキャラが揃ってるようですね。
これからの活躍が楽しみです。

では、連載ガンバって下さいね。

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19982Re:はじめまして克真 サイ 2002/2/10 03:24:27
記事番号19977へのコメント

一坪さんは No.19977「はじめまして」で書きました。
>
>投稿ありがとうございました!

どうも初めまして!

>個性的なキャラが揃ってるようですね。
>これからの活躍が楽しみです。
>
へたくそですみません・・・(汗)登場人物多いし・・・

>では、連載ガンバって下さいね。

がんばります!それではよろしくお願いします。
 克真 サイ

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19978風を背負う少年克真 サイ 2002/2/9 03:25:04
記事番号19964へのコメント

1、許せない裏切り

         (2)

 
 くそっ!!何だってカチスは俺のことを目のかたきにしやがんだ・・!!
 俺が何したってんだよ!俺はきちんと持ってったじゃねぇか。

 風が強く、古い町並みからは家々の悲鳴が聞こえる。植物はみな風に身を任せ優雅に踊っているようだった。
 トキは小屋を飛び出してすぐ繁華街の方へ向かっていった。細い路地の多いこの町は、この町の人も知らないような小道がたくさんある。トキはその中の一角で、屋根と屋根の間から見える冷たい青空を眺めていた。雲なんてほとんどなくて寂しい感じの空だった。 
 「・・・何だっていうんだよ、くそっ・・」
 風が強くなった。


 トキはある店の裏口にいた。
 この町自体古ぼけた町ではあるけれど、ここはそう・・下町と言ってよいだろうか、木製の建物がほとんどで気のいい貧乏人がたくさん住んでいる、そんなところだ。
 ただしここら辺は、治安のがあまり良くなく子供が近づくような場所ではなかった。ドロドロとしたいやな雰囲気のところだ。
 「ガチャッ。」
 ドアを開けた店の中には、まだ起きたっばっかりのような女性が数人、鏡の前やイスに座ってそれぞれ好きなことをやっていた。
 「・・あら、トキ久しぶりじゃない。」
 「またカチスになんかされたのかい?」
 朝食を食べていたレイチェルとエリーナが艶やかな声でトキに話しかけた。
 トキが二人の方を見て”まあね”と言う感じのあいずち見せた。
 「またなのぉ?まったく同じことばっかやって・・学習能力ないんじゃない?」
 「ははは!ふふ、レイチェルそれ言い過ぎじゃない?」
 エリーナは笑いながらレイチェルに言った。
 「そうかしら?」
 二人の左奥の方で鏡に向かい髪を結っていたミリーが言う。
 「単純で馬鹿で・・いいお客じゃない。」
 その言葉を聞いてみんながドッと笑いだした。
 「ははは!そのとうりだよ!」
 
 この店はここらでも一番人気のある酒場で、この女性達はここの酒場で雇われている踊り子なのだ。
 少し前までこの近くにあった娼館が、支配人が麻薬の売人だということがバレてつかまってしまい、つぶれてしまった。その時ここの店の女主人が働く場所を失った娼婦達を雇い、踊り子として店で働かせることにしたのだ。

 「どうしたんだい?やけににぎやかじゃないか。」
 「あ!姐さん。」
 「ん?トキ、来てたのかい。」
 右奥にある階段から降りてくるこの女性こそここの女主人センギスだ。
 小柄ではあるけれど年のわりにはスタイルがよく色気のある女だった。
 「センギス・・久しぶり。」
 「ふふ、何度言えばわかるのかねぇここはお前のようなガキがくるとこじゃないよ。」
 そう言いつつも、センギスは嬉しそうにトキ近づく。まるで自分の息子を見るような優しい笑顔を見せていた。
 
 たくさんの元娼婦を雇ったわけそれは、何を隠そうセンギス自体も昔娼婦だったからだ。昔は今よりもずっとひどい娼館ばかりで、センギスも彼女達以上に苦しい思いをしてきた。だからその苦しみがわかるからこそ、彼女達を見捨てられなくて今にいたっている。もちろん彼女達が踊り子をやっているおかげで店も繁盛している。
 「今度はどんなおしおきをされてるんだい?」
 「・・飯抜きだってさ。」
 「ふふ、そんなことかい。朝は食べた?食べてないね?」
 まるで母親のように話しかける。
 「食べてないけど・・」
 「ふふ、食べなきゃだめだ・・来な、飯くらい作ってやろう。」
 そう言ってトキの頭をくしゃくしゃになでて「上に行ってな」と一言言った。
 「サンキュ!センギス!」
 「上にはマリーが寝てるから起こしてやんな。昨日も客をとってたらしくて遅かったんだ・・。」
 「わかった!」
 トキは元気よく階段を駆け上がっていった。
 「・・トキは姐さんの前だと本当に子供っぽくなるのね。」
 「ホント!・・でもあーいうトキもかわいくて好きだわ。」
 「私も・・」
 トキのいなくなった部屋は少ししんみりしてしまった。トキはここの人たちにとてもかわいがられているのだ。トキの生い立ちも、今までどうやって生きてきたかも、ここの女性たちはみんな知っていた。
 「・・ほらほら!どうした?仕事よ仕事!レイチェルは他の子達を起こしてきな!エリーナはロイタナのとこへ行って卵とミルクと小麦粉を買ってきな!他の子達は店の掃除だ!さあ!早くやりな!!」
 「「「はーい!!」」」

 「ちょいと、ミリーこっちきな。」
 みんなが仕事に取り掛かかろうとしたとき、センギスがミリーを呼んだ。
 「姐さん何か?」
 「・・トキはやっぱり普通の子じゃないのかねぇ。」
 「・・・・・・そうね、少し普通の子と違うかもしれない。」
 「・・お前でもあの子に頼りたくなることはあるかい?」
 「・・・ええ、あるわ。」

 沈黙が少し続いた。
 「本当は誰より弱くて傷つきやすい子なのにね・・・」
 「そうね、いつも普段は15歳だって思いもしないほど大人びてるからついね。」
 二人が考えていることは一緒だった
 ”私たちがあの子を守るんだ・・・”


次回へ続く



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”1”だけでどれだけ続くのだろうか・・・(汗)
まぁ、気長に終わるのを待っててくださると嬉しいです。
それでは・・・・。
 克真 サイ