◆−運命の歌13−静 (2002/4/2 13:02:09) No.20502 ┣はやいですvvつづきですvv−海藤雄馬 (2002/4/2 19:39:28) No.20510 ┃┗そうなんですvvがんばりますvv−静 (2002/4/4 11:18:35) No.20530 ┗運命の歌14−静 (2002/4/6 19:55:55) No.20550
20502 | 運命の歌13 | 静 | 2002/4/2 13:02:09 |
こんにちは。静です。ツリーが落ちました。 12まで落ちましたので、見たい方は過去ログを御覧下さい。 と、言うわけで13話です。 昨日とある事情で中途半端で12が終わっています。 だから、『12話・後編』といってもいいかなあ・・・・・・。 とにかく、続きをどうぞ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ セツナが指差す先には、何も無いように見えた――が。 突然、景色が歪んだと思うと、目の前に、一振りの剣が現れる。 「・・・・なに?あの剣。」 相変わらず幻影を倒しつつ、問うあたし。 「普通の剣に見えるが・・・・・?」 ゼルも、いたって不思議そうな声を上げる。 ゼロスは、何かを考えるように、黙っている。 そして・・・・ 「・・・セツナさん、本を使ってみてください。」 ・・・本?何のことだろうか。 セツナはゼロスの声に戦う(どちらかと言うと避ける)手を止め、荷物から一冊の本を取り出す。 そして、ゼロスの方を向き、 「これを使えって、何をすればいいの。」 「僕の考えが正しければ、『歪み』を消す方法がどこかにあるはずです。」 「ゼロスッ!その本は何?」 「分かりません。しかし、『歪み』に少なからず関係しているはずです。 ・・・・・セツナさん、急いでください!」 急に、ゼロスが声を荒げる。 見れば、先ほどの剣が鈍く光り始めた。 すると、周りの木々が急激に枯れてゆく。 「何ですかっ!これは!」 アメリアが驚きの声を上げる。 「おそらく、『歪み』の力が強くなりすぎて、周りのすべてを取り込もうとしているんです!急がないと、僕達も飲み込まれます。」 「なんだって!」 「くそっ!何とかならないのか!」 「なんかよくわかんないけどっ! セツナ!急いで何とかしなさいっ!」 あたし達の慌てぶりを知ってか知らずか、セツナがのんびりと本を開く。 「・・・うーん。これかなあ・・・・・?」 そして、剣に近づいていく。 「セツナさん、近づいちゃだめですっ!危ないですよっ!」 「大丈夫、大丈夫。」 アメリアの声にかるーく答えるセツナ。 ・・・・こいつは、本当に状況が分かってるんだろーか。 なんだか不安になってきた・・・・・。 「失敗したらごめんねえ。」 ごめんで済むかっ! 思わず心の中で突っ込むあたし。 セツナは静かに目を閉じると、歌うように読み上げる。 ―――全ての影になりし者よ 我が運命の声を聞け――― キ・・・・・ン・・・・・ 何かが砕けるような音。そして、周りに変化が起こる。 木々のざわめきが止まる。 剣の周りを金色が包み始める。 ―――汝の在るべき懐へ 全ての者の源へ――― 剣の周りを包み込んでゆく金色の影。 剣を静かに飲み込んでゆく。 「・・・・これって・・・・・もしかして・・・・・」 あたしはある考えに行き着く。 ・・・・金色・・・・・全ての源・・・・・・・ (金色の・・・・・魔王の・・・・力・・・・・。) ―――光の中に導かれ 永遠の無へと還らん――― 光に完全に包まれる剣。 そして、セツナはゆっくりと言葉を紡ぐ。 「今、ここに汝に裁きを。」 光が強くなり、そして・・・・。 光が収まったそこは、ごく普通の街道。 異変の前と何も変わらない。 全てが元に戻っている。 「今のは・・・・・?」 「何だったんだ、一体・・・・・。」 疑問の声を上げるゼルとアメリア。 あたしは、ひたすら考えていた。 (あんなものの力を扱ったなんて・・・・・セツナは、何者なの?) ・・・・まあ、考えて分かるモンでもないか。 「・・・よくわかんないけど、一応この場は解決ね。」 「ああ。そうだな。」 ほっとするガウリイ。 「しかし、今のは何だったんだ?」 「でも、セツナさん、すごかったですねっ!」 アメリアの声にはっとする。 そーいや、セツナはどーしたんだろ? あたしが振り向くと・・・・・ 「って!セツナっ!」 見えたのは、セツナを支えるゼロスの姿。 さっきから姿が見えないと思ったら、セツナを支えてたのか。 「ゼロス。大丈夫だよお。一人で歩け・・・・・」 そして、突然倒れそうになるセツナ。 「大丈夫じゃ無いですよ。」 ゼロスは、手近な木の横にセツナを座らせる。 「アメリア!」 「解りましたっ!」 アメリアが急いでセツナの元に向かう。 あたしはゼロスに近づき、声をかける。 「セツナは?」 「いま、アメリアさんが診てくれてます。少し力を使いすぎたんでしょう。 ・・・まったく、無茶しますよねえ。セツナさんったら・・・・。」 ゼロスが苦笑すると、あたしの方を向く。 「リナさんなら気づいたでしょう。今の力は・・・・」 「ええ。解ってるわ。」 その答えにゼロスは頷く。 「今は、聞き出すのは無理でしょう。情報が少なすぎます。 セツナさんに聞いてもうまくごまかすでしょう。 ああ見えて、結構頭の回転が速いみたいですし。」 「そうね。あんたに似てるしね。納得だわ。」 「・・・・なんか、それで納得されても・・・・・。」 少し困った表情をするゼロス。 あたしは手をパンッと叩くと、 「とりあえず、セツナを近くの町に連れて行きましょう。話はそれからでも出来るわ。アメリア、いい?」 「はい、解りました。セツナさん、立てますか?」 「大丈夫。歩けるよー・・・。」 ゆっくり立ち上がるセツナ。そして、歩き出そうとする。 「おい、本当に大丈夫か。顔色がかなり悪いぞ。」 ゼルが声をかけるくらい、セツナはつらそうに見える。 「へーき、へーき・・・・・。」 ・・・・・あんまし平気には見えないぞ・・・・・・。 そんな様子に、ゼロスは肩をすくめ、 「嘘はいけませんよ。セツナさん。」 そう言って、セツナに近づく。 近くまで来ると、セツナは、気を失い、ゼロスに抱えられる。 「眠らせたの?」 あたしが問うと、ゼロスはこちらを向き、 「ええ。やっぱりかなりつらかったようですねえ。 普段、セツナさんに僕の力ってあまり効かないんですよ。」 「つまり、それほど弱ってるという事か。」 ゼルの問いに頷くゼロス。 あたしはため息一つ、 「・・・ったく。セツナももうちょっとあたし達を信用して欲しいもんだわ。 じゃあ、みんな、急いで街に行きましょう。」 あたしがそう言うと、みんなも歩き出す。 (セツナ。あんた、何者なの?) そんな事を考えながら、あたしも街に向かって歩き出した。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ははははは。なんか、どんどん話が変わっていくなあ。 こんなんで、次は一気に飛んで、音楽の街に着いたところからです。 ・・・・いや、間が思いつかなそーなんで。 話は変わりますが、なぜか友達の間で、『静魔族説』が流れている・・・・・・。 何でだろ? 確かに少しおちょくったり、関係のないことは見守っていたりしたかもしれないけど・・・・・・。 終いにはニコ目君だとか言われ・・・・・・・。 私は(一応)人間だーーーーーーー! ふう。 では、静でした。 またお会いしましょう。 |
20510 | はやいですvvつづきですvv | 海藤雄馬 E-mail URL | 2002/4/2 19:39:28 |
記事番号20502へのコメント こんにちは、静さん。 続きですvv うれしいですvv >こんにちは。静です。ツリーが落ちました。 >12まで落ちましたので、見たい方は過去ログを御覧下さい。 すみません(汗) 静さんのツリー落としたのきっと私でしょう・・・・・・・・・(汗) いや、あれだけ投稿したから誰かしらのツリーは落ちるだろうと思ってましたが・・・・・・・・・・・・(滝汗) >セツナが指差す先には、何も無いように見えた――が。 >突然、景色が歪んだと思うと、目の前に、一振りの剣が現れる。 >「・・・・なに?あの剣。」 >相変わらず幻影を倒しつつ、問うあたし。 そういえば、語り手(とでもいうのか?)がちょっと前から・・・・確かリナさんとセツナさんが合流した辺りからでしたっけ?(違ってたらすみません!!)・・・・・・リナさんになってますね♪ >見れば、先ほどの剣が鈍く光り始めた。 >すると、周りの木々が急激に枯れてゆく。 >「何ですかっ!これは!」 >アメリアが驚きの声を上げる。 >「おそらく、『歪み』の力が強くなりすぎて、周りのすべてを取り込もうとしているんです!急がないと、僕達も飲み込まれます。」 >「なんだって!」 大変です!! 大変なことになっています!! >「大丈夫、大丈夫。」 >アメリアの声にかるーく答えるセツナ。 >・・・・こいつは、本当に状況が分かってるんだろーか。 >なんだか不安になってきた・・・・・。 相変わらずのマイペースさんですね(汗) セツナさん。 まぁ、慌てて、ぱにくっても困るでしょうけど・・・・。 >「・・・・これって・・・・・もしかして・・・・・」 >あたしはある考えに行き着く。 >・・・・金色・・・・・全ての源・・・・・・・ >(金色の・・・・・魔王の・・・・力・・・・・。) おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! あの方の力♪ エル様♪エル様♪ わくわくvv >見えたのは、セツナを支えるゼロスの姿。 >さっきから姿が見えないと思ったら、セツナを支えてたのか。 >「ゼロス。大丈夫だよお。一人で歩け・・・・・」 >そして、突然倒れそうになるセツナ。 >「大丈夫じゃ無いですよ。」 >ゼロスは、手近な木の横にセツナを座らせる。 ゼ、ゼロスさん、何か優しいですよ。 紳士ですよ、魔族らしくないですよ〜〜〜vv(←嬉しいらしい) >「ええ。やっぱりかなりつらかったようですねえ。 >普段、セツナさんに僕の力ってあまり効かないんですよ。」 >「つまり、それほど弱ってるという事か。」 >ゼルの問いに頷くゼロス。 そうなんですか、不思議ですね〜〜。 セツナさん一体何者なんでしょう・・・・・・。 ま、とにかく、つづき楽しみにしてますvv やっぱり、リナさんとセツナさんの会話が楽しみですvv ではでは。 |
20530 | そうなんですvvがんばりますvv | 静 | 2002/4/4 11:18:35 |
記事番号20510へのコメント 海藤雄馬さんは No.20510「はやいですvvつづきですvv」で書きました。 > > >こんにちは、静さん。 >続きですvv >うれしいですvv こんにちはー、またまたどうもです! >>こんにちは。静です。ツリーが落ちました。 >>12まで落ちましたので、見たい方は過去ログを御覧下さい。 >すみません(汗) >静さんのツリー落としたのきっと私でしょう・・・・・・・・・(汗) >いや、あれだけ投稿したから誰かしらのツリーは落ちるだろうと思ってましたが・・・・・・・・・・・・(滝汗) うーん・・・確かに。でも、大丈夫ですよ。投稿する事は良い事(?)ですし。 >>セツナが指差す先には、何も無いように見えた――が。 >>突然、景色が歪んだと思うと、目の前に、一振りの剣が現れる。 >>「・・・・なに?あの剣。」 >>相変わらず幻影を倒しつつ、問うあたし。 >そういえば、語り手(とでもいうのか?)がちょっと前から・・・・確かリナさんとセツナさんが合流した辺りからでしたっけ?(違ってたらすみません!!)・・・・・・リナさんになってますね♪ 「語り手はいろいろやりますよお。チェックしてみてくださいねえ。」 はっ!セツナさん、なぜここに! 「なんとなくー。」 ・・・・・そうですか。 >>見れば、先ほどの剣が鈍く光り始めた。 >>すると、周りの木々が急激に枯れてゆく。 >>「何ですかっ!これは!」 >>アメリアが驚きの声を上げる。 >>「おそらく、『歪み』の力が強くなりすぎて、周りのすべてを取り込もうとしているんです!急がないと、僕達も飲み込まれます。」 >>「なんだって!」 >大変です!! >大変なことになっています!! そうなんです。大変なんです。 「へえー。」 へーって、一番重要なのはセツナさんなんですけど・・・・。 「へえー。」 ・・・・・もういいです・・・・・・。 >>「大丈夫、大丈夫。」 >>アメリアの声にかるーく答えるセツナ。 >>・・・・こいつは、本当に状況が分かってるんだろーか。 >>なんだか不安になってきた・・・・・。 >相変わらずのマイペースさんですね(汗) >セツナさん。 >まぁ、慌てて、ぱにくっても困るでしょうけど・・・・。 セツナさんをのんびりさんにしたのは結構良かったかも。 「・・・・・眠い。」 ・・・・・真剣さに水を差しますけどね。 >>「・・・・これって・・・・・もしかして・・・・・」 >>あたしはある考えに行き着く。 >>・・・・金色・・・・・全ての源・・・・・・・ >>(金色の・・・・・魔王の・・・・力・・・・・。) >おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!! >あの方の力♪ >エル様♪エル様♪ >わくわくvv エル様なんですよ。登場させないと怖いですから・・・・・。 >>見えたのは、セツナを支えるゼロスの姿。 >>さっきから姿が見えないと思ったら、セツナを支えてたのか。 >>「ゼロス。大丈夫だよお。一人で歩け・・・・・」 >>そして、突然倒れそうになるセツナ。 >>「大丈夫じゃ無いですよ。」 >>ゼロスは、手近な木の横にセツナを座らせる。 >ゼ、ゼロスさん、何か優しいですよ。 >紳士ですよ、魔族らしくないですよ〜〜〜vv(←嬉しいらしい) うちのゼロスは魔族じゃない(笑)。 >>「ええ。やっぱりかなりつらかったようですねえ。 >>普段、セツナさんに僕の力ってあまり効かないんですよ。」 >>「つまり、それほど弱ってるという事か。」 >>ゼルの問いに頷くゼロス。 >そうなんですか、不思議ですね〜〜。 >セツナさん一体何者なんでしょう・・・・・・。 ふふふ・・・・。実はですね・・・・。 「秘密でーす。」 ・・・ま、そーゆー事です。 >ま、とにかく、つづき楽しみにしてますvv >やっぱり、リナさんとセツナさんの会話が楽しみですvv > >ではでは。 > ありがとうございます。リナとの会話も挑戦してみます。 「リナさんと?楽しそうだなあ。」 ・・・リナさんが頭を抱えそうですね。 それでは、ありがとうございました。 静と、セツナがお送りしました。 |
20550 | 運命の歌14 | 静 | 2002/4/6 19:55:55 |
記事番号20502へのコメント こんにちは、静なのです。 いよいよ、ネタが尽きてまいりましたこの私。 収拾つくんだろーか・・・・・・・。 何はともあれ、行きますのです。ハイ。 あ、今回はセツナさんが語りです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「腹減った・・・・・。」 「ガウリイ・・・・・。それは言わない約束よ・・・・。」 弱弱しい――いや、物欲しそうな声。 「大体・・・・・。何で・・・・こんな・・・・山の中を・・・・通るんですか・・・・。」 「しょーがないでしょ、アメリア・・・。街道を見失ったんだから、ゼルの土地勘に頼るしかないのよ・・・・・。」 そして、やたらとノー天気な声。 「そうそう、しょうがないよお。がんばろう。」 「あんたのせいでしょうが!セツナっ!」 「あははははは。」 リナの突っ込みに、私は、ただ、笑う。 すると、アメリアからも声がかけられる。 「笑い事じゃないですっ!セツナさんったら、勝手にてくてくてくてくてくてくてくてく歩いてっちゃうんですもの。道にも迷いますよっ!」 ・・・・・えへ。 そんな事もあったなあ・・・・。 「大丈夫だよお。何とかなるなる。」 「・・・・その自信はどこから来るのよ、一体・・・・・。」 リナが思わずため息を漏らしていると、 「まあまあ、皆さん落ち着いて。」 やたらと落ち着いた声に顔を上げれば、ニコニコ笑顔の真っ黒神官。 獣神官ゼロス。れっきとした、高位魔族である。 ゼロスは、前方を指差しながら、 「どうやら、そろそろ到着ですよ。」 「間違いない。あそこに見えるのが、『レインダスト』だ。」 後からかかった声は、セルがディスの声である。 指差す方を見ていると、だんだんと街が見えてきて・・・・・・・・・・・・ 「・・・ふう。やっと着いたわね。」 私達は、『レインダスト』正面入り口にたどり着いた。 この街は、結構な大きさで、街の周りを白い壁がぐるりと取り囲んでいる。 入り口もいくつかあるようだけど、私達がいるのは、正面――つまり、一番大きな・・・・言い換えれば、一番チェックの厳しい門である。 「さあ、早く宿に行きましょう。」 「そうだ、飯だ、飯だ!」 リナとガウリイはそういうなり街に入ろうとして・・・・・・ 『ちょっと待て!』 突然現れた門番A、B、C、にはじきだされる。 「・・・・なんでしょう?」 ゼロスは首をかしげ、ゼルは門番を見つめる。 リナと言えば・・・・・ 「ちょっと!なんなのよ、一体っ!説明しなさい!」 「首絞めてたら、説明出来ないと思うぞ・・・・。」 早速門番に食って掛かってたり。 首を絞められながら、門番Aが、口を開く。 「こっ・・・この街に・・入る前にっ!・・試験をっ・・・・・受けてもらっ!・・・・ぐふっ。」 ・・・・・あ、力尽きた。 それはともかく、試験? 「試験・・・・ですか?」 「そうだ。街に入る前に、試験を受けてもらう。」 アメリアのつぶやきに答える門番C。 「・・で。一体何をやれと言うんだ。」 ゼルの問いに、門番Bは、 「ここは、何の街と呼ばれているか知っていますか?」 「?・・音楽の街でしょ。それがどーしたってのよ。」 リナが答えると、門番Bは頷く。 「その通りです。ここは、音楽の街・・・・。と、言う訳でっ!」 おもむろに門番A(復活)、B、C、が取り出したのは・・・・・ 「・・・楽器・・・?ですか・・・・。」 「楽器・・・・だねえ・・・。」 そう。さまざまな楽器の数々。 ゼルは、知っているのか、ため息を一つ。 そして、門番達は、こう叫んだ。 『さあっ!この街に入りたいのなら、何か演奏をっ!』 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」 と、ゆーわけで。 私達は一人ずつ演奏をする事になった。 ・・・・なんだかなあ・・・・。 「・・・・・で。誰からやります?」 アメリアが問いかける。 「・・・・・俺がやろう。前にもやったからな。」 そう言って、ゼルが立ち上がった。 そして、楽器の中から選んだのは、古びたギター。 「よっ!ゼル!がんばれよっ!」 ガウリイの声に手を挙げると、手馴れた手つきで弦を爪弾く。 ・・・・なんか、孤高のさすらい人・・・・といった感じの曲。 門番Bは頷くと、 「なかなかお上手ですね。どうぞ、お通り下さい。」 その声に、門をくぐると、ベンチに腰掛け、こちらに一言。 「あまり難しいモンじゃない。早く来いよ。」 「じゃあ、二番手、アメリア行きますっ!」 元気に手を挙げ、楽器を選び始める。 「・・・じゃあ、行きますっ!」 アメリアが奏で始めたのは、ハープである。 演奏が終わると、リナが一言。 「アメリアって、お姫様だったんだねー・・・・。」 「ひどいですっ!リナさん!」 アメリアがすかさず抗議の声を上げる。 そして、すたすたと門を通る。 「・・・じゃあ、俺もやるかなあ・・・・・・。」 ガウリイが声を上げると。 「ええっ!ガウリイ、あんたにもなんか出来るのっ!」 「想像できませんねー・・・・・。」 口々に驚きの声が上がる。 ゼルとアメリアも何かつぶやいている。 「お前らな・・・・。俺にだって、やれば出来るんだぞ。」 「・・で、何をやるわけ?」 「ん?これだ。」 そう言って取り上げたのは・・・・・ タンバリン。 「・・・そんな事だろうと思ったわよ。さっさと行っちゃいなさい」 リナのあきれ声に促されつつ、ガウリイは、 「なんだよ。タンバリンだってなあ、奥が深いんだぞ。」 そう言って、おもむろに一打ち。 シャンッ! 次々とリズム良く打ち始める。 ・・・・・・良く見れば、いくつものタンバリンを使っている。 「タンバリンって、こんな音が出来るんだねえ。」 私のつぶやきに、リナが一言。 「・・・ふつータンバリンなんて極めないわよ・・・・。」 ・・・シャンッ! どうやら終わったらしい。 「タンバリンでの合格者は初めてですよ。」 そう言って、門番Bはガウリイを通した。 残るは、私と、リナと、ゼロス。 「僕が行きましょう。」 ゼロスは楽器の中から、リュートを選ぶ。 聞こえてきたのは、軽快で、きれいな音楽。 ・・・こんな明るい曲弾いていいのかなあ・・・・・。 「合格ですね。」 ゼロスは、難なく合格した。 「セツナ、先に行ってもいい?」 そう聞いてきたリナに、私はニッコリと頷く。 「がんばってねえ。」 「もっちろん!」 そして、リナが選んだのは、ピアノ。 「リナさん、ピアノ弾けるんですか?」 「似合わんな・・・・。」 ゼルとアメリアの声が聞こえる。 リナは、不敵に笑うと 「見てなさい。上手に弾いて見せるわよ。」 演奏が始まる。 辺りに、ピアノの奏でるメロディーが響く。 へえー。すごーい・・・・・・。 思わず関心する私。 合格組を見れば、そちらも驚いているようである。 『あのリナさんが・・・・』とか、『なんて意外な・・・・』とか、『信じられない・・・』とか、いろいろ聞こえるよーな・・・・・。 あ。リナ、顔が引きつってる。 ・・・しーらないっと・・・・。 結果は、文句なしの合格。門をくぐると、リナはすかさず 「フレア・アローっ!」 あーあ。みんな焦げちゃったあ・・・。 まあ、いっか。 ゼロスも器用に焦げている。 ・・・・・・・さて、と。 残るは、私だけである。 私は門番Bにすたすた近づくと、聞いてみる。 「あのお、歌でもいいですかあ?」 「もちろん、いいですよ。歌も音楽です。」 門番は笑って了解。 よおーし、がんばるぞおっ! 「セツナさん、がんばってください。」 「不合格なんかになるなよー。」 「旦那じゃあるまいし・・・。」 「正義の心で歌うんですっ!」 私は、みんなにウインク一つ。 そして、歌う。 ゆっくりと、滑らかに。 低く、高く、旋律を紡ぐ。 「なんか、不思議な歌ですねー。」 「そうだな。」 ゼルとアメリアの声。 「それにしても、うまいなあ。」 ガウリイの関心の声。 歌い終わると、私は門番に聞く。 「どお?合格できる?」 「・・・・す・・・・・」 「す?」 「・・・すばらしいですっ!」 「・・・ふえっ?」 「すばらしいですっ!お上手ですっ!祭りの主役にもなれますっ!合格ですよっ!花丸合格っ!」 キンコンカンコーン! 大げさにも鐘を打ち鳴らす門番B。 「・・・・?とにかく、ありがとお。」 私は門をくぐる。 ・・・と。 「セツナさんっ!」 「・・・・・・うわっ。」 いきなり、アメリアに抱きつかれる。 「どーしたのお?」 「どーしたのお?じゃありませんよっ! すっごく良かったですっ!」 ゼルにも声をかけられる。 「吟遊詩人とかになっても、食っていけるだろうな。」 「ああ。すごいなあ。セツナ。」 次々に褒めてくれる。 ・・・・そんなにすごかったのかなあ? 人に聞いてもらった事って、あんまり無かったからなあ・・・・・。 私はリナの方を向き、 「ねえ。そんなに上手だった?あんまり自覚が無いんだけど・・・。」 リナは頷きつつ、 「すっごく上手よ、セツナ。自信もちなよ。」 「・・・・リナさんが褒めたあ・・・・。」 「何よ?あたしが褒めちゃあいけないっての?セツナ?」 「うーん・・・あんまり・・・。」 「答えるなっ!そんなことっ!」 「まあまあ。そんなに怒らないで。」 「誰のせいよ・・・。」 「え?」 ・・・・・・・・・うーーーん・・・・・。 「悩むんじゃなーいっ!」 「はっはっはっはっは。」 と、私とリナが話していると、 「セツナさん、リナさん、皆さん、行っちゃいますよ。」 「え?」 「・・・んー?」 ゼロスの声に振り向けば、通りの角を曲がろうとする姿が目に入る。 「・・・あらあー。おいてかれたねえ・・・。」 「セツナッ!ゼロスッ!のんびりしてないで行くわよっ!」 そういうなり、私の手を掴み引きずっていく。 「そんなに慌てないで〜〜・・・・・・・。」 「少しは慌てなさいっ!急ぎなさいっ!」 「ゼロスもはやくう〜〜〜・・・・・・・・・・。」 「やれやれ・・・・。」 こうして、私達は無事にレインダストに着いたのでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こうして、小説が書きあがったのでした。 それではこの辺で・・・・・・・・・・・ 「短すぎますよ。きちんと書きなさい。」 あ。ゼロスさん。こんなところにくるとは、暇なんですねえ・・・。 「いえいえ。頼まれたんですよ。」 ・・・・・って、何を? 「無計画な作者に制裁を♪だそうです。」 ・・・・・誰に? 「それは秘密です。」 そんな理不尽な・・・・・ 「計画性も無く適当に小説を書くあなたが悪いんです。 さあ、覚悟してくださいね。」 ・・・・・なんか、うれしそうですね・・・・。 「最近、ストレスたまってるんですよー。」 私でストレス解消するなあー!(と、言いつつ逃走。) 「ふふふふふ。逃がしませんよおっ!」 それでは、静でした。 またお会いしましょうって!ああ、錐はやめてっ! |