◆−彼方より来たる者(はじめまして、初投稿です。)−棒太郎 (2002/4/28 22:58:48) No.20694 ┣はじめまして。−砂緒 (2002/4/28 23:37:48) No.20695 ┃┗Re:はじめまして。−棒太郎 (2002/4/29 09:39:13) No.20698 ┣はじめまして!!!!エル様だぁぁぁぁぁ!!!!!!!−かお (2002/4/28 23:46:23) No.20696 ┃┗Re:はじめまして!!!!エル様だぁぁぁぁぁ!!!!!!!−棒太郎 (2002/4/29 09:59:25) No.20699 ┣彼方より来たる者 其の2−棒太郎 (2002/4/29 23:28:57) No.20703 ┃┗もしかして、暗黒の男(だったよな?)とくっつくのか!?−かお (2002/5/1 21:41:52) No.20726 ┣彼方より来たる者 其の3−棒太郎 (2002/5/2 00:42:27) No.20728 ┃┗ナ、ナイター中継が延長・・・・・・・?−海藤雄馬 (2002/5/3 19:29:37) No.20741 ┣彼方より来たる者 其の4−棒太郎 (2002/5/4 02:38:37) No.20744 ┗彼方より来たる者 其の5−棒太郎 (2002/5/11 00:18:06) No.20781
20694 | 彼方より来たる者(はじめまして、初投稿です。) | 棒太郎 | 2002/4/28 22:58:48 |
はじめまして。棒太郎といいます。 スレイヤーズ初心者のくせに、いきなり小説を書くという身の程知らずです。 つたない文章ですが、どうぞよろしくお願いします。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『彼方より来たる者』 悠久の時の漂う空間。 すべてのものが生まれ、そして還ってゆく場所。 無限ともいえる混沌の海の中心に彼女は在った。 どのくらいの時がたったのか、など考えるのもおこがましいほど遥かな時をたゆたっていた。 『・・・・・ほう、面白いものが来たな・・・・』 ある時、彼女はふと自分の産み出したものたちとは違う存在が、彼女の世界の外から来たのを感じた。 『さて・・・・』 ここは彼女の世界である。 このやってきたものを拒むのも、消し去るのも彼女の意思ひとつなのだ。 だが彼女の頭のなかで、もうひとりの自分が囁きかけていた。 これはきっと面白いことになる、と・・・ その意見を受け入れ、彼女はやってきたものを中へと通した。 そしてそれは彼女の創り出した世界のひとつへと降り立った。 『ふふふ――楽しみだな―――』 どれほどの時がたったのか。 混沌の海にたゆたう彼女は、自分の世界の外からまたなにかが来たのを感じた。 「長いご無沙汰ですね。金色の魔王殿。」 円筒型の帽子を被り、法衣を身に纏った、闇のよう漆黒の肌を持った長身痩躯の男が懐かしそうに彼女に言った。 『”這い寄る混沌”か。ふん、我に何の用なのだ?』 彼女の声が混沌の海に響く。 「いえ、ちょっと伺いたいことがありましてね。まあ、まずは御姿でも現してくれませんか?」 男の言葉に応え、彼女は化身のひとつにその身を変える。 目の前に絶世という言葉がまさに似合う美女が現れた。 「相変わらずお美しいですね。L殿。」 「なに当たり前のこと言ってんのよ。で?用って何?ナイアルラトホテップ。」 Lの言葉に男―ナイアルラトホテップは用件を切り出した。 「実はですね、男をひとり探していまして。その男、私たちが抹殺したはずなのですが、どうやらうまいこと欺かれてしまったみたいなのですよ。」 ナイアルラトホテップは自分たちのミスをまるで他人事のように笑っていた。 「それに気づいて行方を追っていたのですが、どうやらヨグ=ソトースの門を通って別次元の宇宙へ行ったようなんです。」 「で、そいつがあたしンとこに来たと・・・そういうわけ?」 「その通りです。」 某神官のようにニコニコ笑いながら答える。 「つきましては貴女の許可と約定を頂きたいと思いまして。」 「どーゆーやつなのよ?」 「貴女の世界を動いて回る許可とこのことに関して手を出さないという約定を。」 「別にいーわよ、そんなの。」 「ありがとうございます。あの男は私たちで抹殺しないといけませんからね。」 礼を言い、ナイアルラトホテップは混沌の海から姿を消した。 後に残ったLは愉快そうに笑みを浮かべていた。 「さ〜て、面白いことになってきたわね〜。これはぜひとも最後まで見ないといけないわね〜。」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 展開が無茶苦茶ですが、こんな感じです。 クトゥルー神話のキャラまで引用してるし・・・ しかも続きます。 どうでしょうか?こんなんでもよければ続けていいですか? |
20695 | はじめまして。 | 砂緒 | 2002/4/28 23:37:48 |
記事番号20694へのコメント こんばんは、はじめまして。砂緒と申します。 わたしは『クトゥルー神話』とかいうのについてよく知らないんですけど、なんだか面白そうだなぁと思いました。 謎の言葉がいっぱいでてきて、今後の展開が気になります! >どうでしょうか?こんなんでもよければ続けていいですか? もちろんですよ。 続き、楽しみにしてますから♪ ではでは、短いですが。 |
20698 | Re:はじめまして。 | 棒太郎 | 2002/4/29 09:39:13 |
記事番号20695へのコメント どうもはじめまして。棒太郎といいます。 このような話を気に入っていただいて、どうもありがとうございます。 無茶苦茶な展開になりそうですが、頑張って続き書きます。 クトゥルー神話ですが、これはハワード・フィリップス・ラヴクラフトという作家の作品をベースとして、いろいろな作家が参加して創り上げた恐怖文学の作品群です。 ちなみにここにでてきたナイアルラトホテップはクトゥルー神話に出てくる邪神の一人です。 |
20696 | はじめまして!!!!エル様だぁぁぁぁぁ!!!!!!! | かお E-mail URL | 2002/4/28 23:46:23 |
記事番号20694へのコメント 棒太郎さんは No.20694「彼方より来たる者(はじめまして、初投稿です。)」で書きました。 > >はじめまして。棒太郎といいます。 こんにちわ。 始めまして。 棒太郎さん。 一の方で神出鬼没してるかおといーます(笑) >スレイヤーズ初心者のくせに、いきなり小説を書くという身の程知らずです。 ・・・初心者・・なんですか?? じゃあ、まだ小説とかを集め始めの段階でしょぅか?? 映画から入った口とか・・(まてってば・笑) >つたない文章ですが、どうぞよろしくお願いします。 わーいvvエル様!!エルさま!!!!! スレのキャラで一番好きなキャラがエル様だという、 私なのです(笑) > >――――――――――――――――――――――――――――――――――――― > >『彼方より来たる者』 > >悠久の時の漂う空間。 >すべてのものが生まれ、そして還ってゆく場所。 >無限ともいえる混沌の海の中心に彼女は在った。 >どのくらいの時がたったのか、など考えるのもおこがましいほど遥かな時をたゆたっていた。 むちゃくちゃに長いですからねぇ。 というか、その混沌の海そのものがある空間もエル様の中だし(はあと) > >『・・・・・ほう、面白いものが来たな・・・・』 >ある時、彼女はふと自分の産み出したものたちとは違う存在が、彼女の世界の外から来たのを感じた。 >『さて・・・・』 >ここは彼女の世界である。 >このやってきたものを拒むのも、消し去るのも彼女の意思ひとつなのだ。 >だが彼女の頭のなかで、もうひとりの自分が囁きかけていた。 >これはきっと面白いことになる、と・・・ >その意見を受け入れ、彼女はやってきたものを中へと通した。 >そしてそれは彼女の創り出した世界のひとつへと降り立った。 >『ふふふ――楽しみだな―――』 わくわくvv > >どれほどの時がたったのか。 >混沌の海にたゆたう彼女は、自分の世界の外からまたなにかが来たのを感じた。 >「長いご無沙汰ですね。金色の魔王殿。」 >円筒型の帽子を被り、法衣を身に纏った、闇のよう漆黒の肌を持った長身痩躯の男が懐かしそうに彼女に言った。 >『”這い寄る混沌”か。ふん、我に何の用なのだ?』 >彼女の声が混沌の海に響く。 つまり、エル様とは別次元のエル様と同じ存在(はあと) わーいvv よかった(はあと) すみれちゃんの仲間がいて(はあと)←激しく待て!!!!!(爆!) >「いえ、ちょっと伺いたいことがありましてね。まあ、まずは御姿でも現してくれませんか?」 >男の言葉に応え、彼女は化身のひとつにその身を変える。 >目の前に絶世という言葉がまさに似合う美女が現れた。 >「相変わらずお美しいですね。L殿。」 >「なに当たり前のこと言ってんのよ。で?用って何?ナイアルラトホテップ。」 >Lの言葉に男―ナイアルラトホテップは用件を切り出した。 おおおおおおおおおお!!!!!!! 神話だ!!!!! 神話だ!!!!! クトゥルー神話・・だったっっけ!!?? アザートス『盲目にして白痴』(まて!)もでてくるのでしょうか? (激しく待て!!) スレのモデルになっているのでは、 と一部のファンの間で定番というか常識になっている、 あのクトゥルー神話ですねvv(スレイヤーズの超秘密・・より・笑) >「実はですね、男をひとり探していまして。その男、私たちが抹殺したはずなのですが、どうやらうまいこと欺かれてしまったみたいなのですよ。」 >ナイアルラトホテップは自分たちのミスをまるで他人事のように笑っていた。 さすがです(はあと) ・・実は、あの話を買い集めようかどうしようか今だに悩み中・・(爆!) でも、英語は読めないからなぁ・・しくしくしく・・・・。 >「それに気づいて行方を追っていたのですが、どうやらヨグ=ソトースの門を通って別次元の宇宙へ行ったようなんです。」 >「で、そいつがあたしンとこに来たと・・・そういうわけ?」 >「その通りです。」 >某神官のようにニコニコ笑いながら答える。 >「つきましては貴女の許可と約定を頂きたいと思いまして。」 >「どーゆーやつなのよ?」 >「貴女の世界を動いて回る許可とこのことに関して手を出さないという約定を。」 >「別にいーわよ、そんなの。」 >「ありがとうございます。あの男は私たちで抹殺しないといけませんからね。」 >礼を言い、ナイアルラトホテップは混沌の海から姿を消した。 >後に残ったLは愉快そうに笑みを浮かべていた。 >「さ〜て、面白いことになってきたわね〜。これはぜひとも最後まで見ないといけないわね〜。」 わくわくわくわくわくわく!!!!!! 続きが楽しみなのですぅぅぅぅぅ!!!!! Sはやっぱり不幸決定か!!!?(まて!!) まさか、追ってきたやつの名前がシュブ=ニグラス!? (だからまて!!) > >――――――――――――――――――――――――――――――――――――― > >展開が無茶苦茶ですが、こんな感じです。 たのしいですぅぅぅぅぅぅ!!!! ってことは、棒太郎さんは、クトゥルー神話、全部読んでいるのですか? アメリカ人作家、ハワード=フィリップス=ラブクラフト創作者の。 (資料を見ながら打ち込み・笑) >クトゥルー神話のキャラまで引用してるし・・・ >しかも続きます。 >どうでしょうか?こんなんでもよければ続けていいですか? 読みたいのです!!! だいじょうぶ!!!! 私なんか、駄文のながぁぁぃ長編を恐れ多くも、投稿してるから!!!!!! (前回の長編が42話・・長すぎ・・汗・今の何話になることか・・汗) ふふふ♪ 続きが楽しみなのです♪ それでは、始めましてなのに、ながながと何かいらないことを言っていますけど・・。 気にしないでくださいね(はあと) 追伸:エル様が出てくるのでしたら、 ねじばな会長のエル様を活躍させる会に・・・入りません?? (だから勧誘すなってば!!!・汗) それでは、感想になってない感想まで♪ Byかお > > |
20699 | Re:はじめまして!!!!エル様だぁぁぁぁぁ!!!!!!! | 棒太郎 | 2002/4/29 09:59:25 |
記事番号20696へのコメント はじめまして。棒太郎と申します。 一応スレイヤーズの本編は全部読んだんですが、でも皆さんほど詳しくないと思います。 そんな奴がスレイヤーズの話書こうってんですからね〜。 ほんと身の程知らずもいいとこです。 クトゥルー神話・・・・・知ってる方がいらっしゃってちょっと安心。 わたしは学校の図書館に置いてあったラヴクラフト全集を読んで、クトゥルー神話に入りました。 「インスマスを覆う影」や「ダンウィッチの怪」なんかの有名どころやその他短編など全部は読んでないけど、だいたいは読みました。 邪神の性格付けとか間違った部分があるかもしれませんがご了承ください。 この話のなかでは、アザトースがL様と同等の存在としています。その下にナイアルラトホテップ、クトゥルー、ヨグ=ソトースなどと続きます。 ちなみにナイアルラトホテップは自分の一部をL様の世界に向かわせました。 だって自分のところの管理もしないとね。(盲目白痴の主神はまどろんでるままだから) |
20703 | 彼方より来たる者 其の2 | 棒太郎 | 2002/4/29 23:28:57 |
記事番号20694へのコメント こんにちわ。 『彼方より来たる者』続きです。 いろいろ暴走してますが、よければ読んでください。 では。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『彼方より来たる者』 其の2 「あ〜、ど〜してこんなに懐が寒いのよ〜?しくしく・・・」 山の一本道をブツクサ嘆きながら一人の少女が歩いていた。 年の頃は15,6ほど、栗色の髪が似合う活発といえる少女だった。 背中には細長い包みを背負っている。 ちなみに懐が寒いのは前の町で名物料理を馬鹿食いしたからである。 「ふ〜んむむ。こりはなんとかしないと。こんな天才美少女が餓死なんてことになったら世界の損失だわ。」 なんとも自身満々に言うと先程の嘆きはなんだったのかというくらい軽い足取りで道を歩いていった。 「さ〜てさて、どーなってるのかな〜?」 混沌の海の中、Lは楽しげに自分の世界を覗き込んだ。 「ほうほう、彼奴は無能の部下Sの世界にいったのね。」 ふむふむと頷きながらしばし考える。 「う〜〜〜ん、ナイアルラトホテップの奴に手ぇ出さないって約束しちゃったしな〜。でもSの奴も身動きできないし〜。む〜〜〜〜。」 悩ましげに考え込んでいるようだが、顔も口調も全然困った風ではない。 「ん?」 ふと何かに気づいたようだ。 「お〜やおや、こりはこりは。」 ニヤ〜リと笑みを浮かべるL。 「思った以上に楽しくなりそうだわ〜。」 その男はつまらなさそうに自分の周りを見渡した。 男の周りはいかにもな荒くれ者が取り囲んでいた。 「ニィチャンよ、無事にここを通りたかったら有り金全部おいてきな。」 お約束の台詞を言いながら、手にしている得物をちらつかせる。 けれど男―黒の鍔広の旅人帽を被り、黒のマントや古風な装飾の黒の法衣、ふくらはぎの半ばまで覆う黒のブーツを履いている―は別段臆した様子もなく、その場に立っていた。 「いちいち下らん事で私に構うな。」 男は高慢ともいえる口調でそう言った放った。 「お前たちのような俗物と遊んでる暇などないわ。」 男の言葉に荒くれ者たちの頭に血が昇る。 「この野郎!ブッ殺してやる!!」 だがそう叫んだ瞬間、荒くれ者の2,3人がその場に倒れた。 何が起こったのか理解ができずにあっけに取られている他の者たちに向かって男は手をかざした。 その手に闇が凝縮し、槍となって飛び出した。 また数人がその餌食となる。 「ひ、ひいぃぃぃぃぃ!!!!」 そこにはもはや恐怖しかなかった。 荒くれ者たちは我先にと逃げ出そうとする。 そのとき茂みの奥からひとつの影が出てきた。 「あらら、お取り込み中?」 あの栗色の髪の少女であった。 目の前の惨劇を目にしても顔色ひとつ変えていない。 「た、助けてくれっ!!」 溺れるものは藁をも掴む。 荒くれ者たちは目の前に現れた少女に助けを求めた。 「別にあんたら助ける義務はないんだけどね〜。悪人に人権はない、ってのがあたしのモットーだし。けど、こういうのって好きじゃないからね。」 そう言って男に歩み寄っていった。 「ちょっとあんた。もうこれぐらいにしたら?」 「・・・・・・・」 男は無言で少女を見つめる。 「・・・ちょっとそのおかしな眼、やめてくんない。心臓が一瞬止まったわ。」 「ほう、私の魔眼に耐えたのか。」 先程荒くれ者を倒したのがこの眼だとはあまり気づくものはいないだろう。 「あんたね〜、ここまでしてどーすんのよ。こんなんしちゃったらお宝のありかが聞き出せないでしょうが!!」 「お宝だと?」 「そ〜よ。こういう奴らは殺さない程度にいたぶってそのあとでお宝をがっぽり頂く。それが世の方程式ってもんよ。」 そう言って後ろを振り返る。 すでに荒くれ者たちの姿はなかった。 「あ〜〜〜〜、せっかくの金ヅルが〜〜〜〜。」 シクシクと泣き崩れる少女を尻目に男はスタスタと歩き出した。 「ちょっと!!まちなさいよ!!」 それに気づいた少女が呼び止める。 「こうなったらあんたにこの代金分払ってもらうからね!!逃したお宝は大きいのよ!!」 男は興味無さげに少女に目を向けている。 「あんた名前は?」 「自分で考えろ。それが私の名だ。」 「ベロッチョブッチャア。」 「・・・・・・・・・・」 「チョチョリゲスゲロー。」 「・・・・・・・・・・」 「ムッチャリーナジュルンパ。」 「・・・・ファウストだ。」 「はい?」 「ドクトル・ファウスト。人はそう呼ぶ。」 「ふ〜〜ん、そう。あたしはリア、リア=マルガレーテ=インバースよ。」 ドクトル・ファウスト リア=マルガレーテ=インバース 後にインバース家伝説の先祖と呼ばれる二人の運命の出会いであった。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『彼方より来たる者』 其の2でした。 ・・・・・かなり暴走してます。 ・・・・・・・・・・・・・・・すんません・・・・ 本当にこんなんでいいんでしょうか? |
20726 | もしかして、暗黒の男(だったよな?)とくっつくのか!? | かお E-mail URL | 2002/5/1 21:41:52 |
記事番号20703へのコメント 棒太郎さんは No.20703「彼方より来たる者 其の2」で書きました。 > >こんにちわ。 こんにちわ♪ 棒太郎さん♪ ホムペへの書き込み、ありがとうなのです(はあと) >『彼方より来たる者』続きです。 >いろいろ暴走してますが、よければ読んでください。 >では。 > わーいvv続き♪続きvv (まじで、ラヴクラフト全集・・買おうかなぁ・・←図書館でしか読んでない人・・・。・・でも、置き場が・・涙) >――――――――――――――――――――――――――――――――――――― > >『彼方より来たる者』 其の2 > >「あ〜、ど〜してこんなに懐が寒いのよ〜?しくしく・・・」 >山の一本道をブツクサ嘆きながら一人の少女が歩いていた。 >年の頃は15,6ほど、栗色の髪が似合う活発といえる少女だった。 >背中には細長い包みを背負っている。 ・・・リナ??? >ちなみに懐が寒いのは前の町で名物料理を馬鹿食いしたからである。 >「ふ〜んむむ。こりはなんとかしないと。こんな天才美少女が餓死なんてことになったら世界の損失だわ。」 >なんとも自身満々に言うと先程の嘆きはなんだったのかというくらい軽い足取りで道を歩いていった。 ・・・・性格がリナにそっくり(はあと) > >「さ〜てさて、どーなってるのかな〜?」 >混沌の海の中、Lは楽しげに自分の世界を覗き込んだ。 >「ほうほう、彼奴は無能の部下Sの世界にいったのね。」 >ふむふむと頷きながらしばし考える。 >「う〜〜〜ん、ナイアルラトホテップの奴に手ぇ出さないって約束しちゃったしな〜。でもSの奴も身動きできないし〜。む〜〜〜〜。」 >悩ましげに考え込んでいるようだが、顔も口調も全然困った風ではない。 楽しんでますね♪エル様♪ >「ん?」 >ふと何かに気づいたようだ。 >「お〜やおや、こりはこりは。」 >ニヤ〜リと笑みを浮かべるL。 >「思った以上に楽しくなりそうだわ〜。」 確かに。 面白くなりそう(はあと) > >その男はつまらなさそうに自分の周りを見渡した。 >男の周りはいかにもな荒くれ者が取り囲んでいた。 >「ニィチャンよ、無事にここを通りたかったら有り金全部おいてきな。」 >お約束の台詞を言いながら、手にしている得物をちらつかせる。 >けれど男―黒の鍔広の旅人帽を被り、黒のマントや古風な装飾の黒の法衣、ふくらはぎの半ばまで覆う黒のブーツを履いている―は別段臆した様子もなく、その場に立っていた。 ・・・・暗黒の男・・バージョンか!?(まてや!!) >「いちいち下らん事で私に構うな。」 >男は高慢ともいえる口調でそう言った放った。 >「お前たちのような俗物と遊んでる暇などないわ。」 >男の言葉に荒くれ者たちの頭に血が昇る。 >「この野郎!ブッ殺してやる!!」 >だがそう叫んだ瞬間、荒くれ者の2,3人がその場に倒れた。 >何が起こったのか理解ができずにあっけに取られている他の者たちに向かって男は手をかざした。 >その手に闇が凝縮し、槍となって飛び出した。 >また数人がその餌食となる。 >「ひ、ひいぃぃぃぃぃ!!!!」 >そこにはもはや恐怖しかなかった。 >荒くれ者たちは我先にと逃げ出そうとする。 >そのとき茂みの奥からひとつの影が出てきた。 >「あらら、お取り込み中?」 >あの栗色の髪の少女であった。 >目の前の惨劇を目にしても顔色ひとつ変えていない。 さすがです(はあと) >「た、助けてくれっ!!」 >溺れるものは藁をも掴む。 >荒くれ者たちは目の前に現れた少女に助けを求めた。 >「別にあんたら助ける義務はないんだけどね〜。悪人に人権はない、ってのがあたしのモットーだし。けど、こういうのって好きじゃないからね。」 >そう言って男に歩み寄っていった。 >「ちょっとあんた。もうこれぐらいにしたら?」 >「・・・・・・・」 >男は無言で少女を見つめる。 >「・・・ちょっとそのおかしな眼、やめてくんない。心臓が一瞬止まったわ。」 >「ほう、私の魔眼に耐えたのか。」 >先程荒くれ者を倒したのがこの眼だとはあまり気づくものはいないだろう。 魔瞳ですね(はあと) しかし、精神がさすがに強いですね(はあと) >「あんたね〜、ここまでしてどーすんのよ。こんなんしちゃったらお宝のありかが聞き出せないでしょうが!!」 >「お宝だと?」 >「そ〜よ。こういう奴らは殺さない程度にいたぶってそのあとでお宝をがっぽり頂く。それが世の方程式ってもんよ。」 >そう言って後ろを振り返る。 >すでに荒くれ者たちの姿はなかった。 ははははははは♪ やっぱ、さすがに、リナの先祖♪←まて(笑) >「あ〜〜〜〜、せっかくの金ヅルが〜〜〜〜。」 >シクシクと泣き崩れる少女を尻目に男はスタスタと歩き出した。 >「ちょっと!!まちなさいよ!!」 >それに気づいた少女が呼び止める。 >「こうなったらあんたにこの代金分払ってもらうからね!!逃したお宝は大きいのよ!!」 >男は興味無さげに少女に目を向けている。 こらこら(笑) >「あんた名前は?」 >「自分で考えろ。それが私の名だ。」 ・・・・しぃらないっと(笑) >「ベロッチョブッチャア。」 >「・・・・・・・・・・」 >「チョチョリゲスゲロー。」 >「・・・・・・・・・・」 >「ムッチャリーナジュルンパ。」 >「・・・・ファウストだ。」 さすがに、訂正したか・・・・(笑) (ちっ・・ドロンゴロショって呼おうかともおもったのに・・byリア) >「はい?」 >「ドクトル・ファウスト。人はそう呼ぶ。」 >「ふ〜〜ん、そう。あたしはリア、リア=マルガレーテ=インバースよ。」 > >ドクトル・ファウスト > >リア=マルガレーテ=インバース > > >後にインバース家伝説の先祖と呼ばれる二人の運命の出会いであった。 ・・・・ひょっとして、もしかして、この二人ってくっつきます!?(笑) だったら、面白いかも・・・・(だからまてぃぃい!!!!!) > >――――――――――――――――――――――――――――――――――――― > >『彼方より来たる者』 其の2でした。 >・・・・・かなり暴走してます。 >・・・・・・・・・・・・・・・すんません・・・・ >本当にこんなんでいいんでしょうか? わくわくvv ふふふ♪ホティプ様(まてぃぃぃ!)がとういう風に関るのか!? それでは、感想になってない感想でした(笑) ・・・まじで、買おうかなぁ・・・・・(結構気に入っている人・・笑) リナ先祖がアザートスの血(!?)を引いている(勝手に決定!!・爆!) となると、桁違いの魔力も納得ですね(はあと) それでは♪ 感想になってない感想ですので、ごみ箱にでも捨ててやってくださいな♪ それでは、次回も楽しみにしています♪ では♪ > |
20728 | 彼方より来たる者 其の3 | 棒太郎 | 2002/5/2 00:42:27 |
記事番号20694へのコメント さてさて『彼方より来たる者』 其の3でございます。 もうどんどんと暴走してますが、よければお付き合いください。 それでは。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『彼方より来たる者』 其の3 「プハ〜、労働の後の一杯は美味いわね〜。」 栗色の髪の少女―リア=マルガレーテ=インバースはジョッキのビールを一気に飲み干して、幸せそうに言葉を発した。 「・・・・・貴様。そのビールは私のだぞ。」 対面の黒づくめの服装の男―ファウストが凄まじい目で睨みつける。 「な〜によ、あんたもう5杯も飲んでるじゃない。けち臭いこと言わんの。ってそれ、あたしのシシカバブよ!!!」 「お前こそたらふく食ってるだろう。料理のひとつくらいでガタガタ言うな。」 「それはそれ!これはこれよ!」 そしてもう第何回になるのかわからないが、料理争奪デスマッチが幕を開けた。 ちなみに二人の周りのテーブルに座っていた人間はことごとくその巻き添えを食らったのは言うまでも無い。 リアの懐はこの間と打って変わってほくほくだった。 街へ来る途中の道で、魔物に襲われていた商人の荷馬車を助けたからだ。 どうやら魔物に護衛をやられて絶体絶命だったらしい。 そこへちょうどリア達が通りかかったのだ。 「ふん、こんな雑魚、この天才美少女リア=マルガレーテ=インバースの敵じゃないわ。」 そう言い、肩に背負っていた包みを解いた。 そこから黒塗りの鞘に収められた太刀が現れた。 それを手にすると、リアの体から凄まじい闘気と殺気が発せられた。 (ほう。これほどの闘気、殺気を身に纏えるとは・・・・・) それを感じたファウストは心の中で感心する。 刀身を鞘に収めたまま構えるリアに、本能的に感じる恐怖を振り払うかのように魔物は襲い掛かった。 ヒュッ!チャキン! 音が聞こえた瞬間にはリアと魔物の位置は入れ替わっており、振り返った魔物はそのまま横に真っ二つとなり倒れた。 「フッ。またつまらんものを斬ってしまったわ。」 そうキメたあと、あっけにとられている商人のところへといった。 「あ、ありがとうございます。あ、あの、貴女様のお名前は・・・」 「あたしの名前?リア=マルガレーテ=インバースよ。」 「リ、リ、リア・・・・・」 その名を聞いた商人の顔がひどく青ざめる。 「も、もしかして、あ、あの血刀の殲滅者、剣鬼リア=マルガレーテ=インバース?」 ヒィィィィと悲鳴をあげながら後じさる。 「か、金目のものはいくらでも差し上げますからどうか、い、命だけは〜〜。」 「ど〜〜〜いう〜〜〜意味じゃい!そりゃっ!!」 ボコスッ、といい音を響かせながらリアは商人を殴りつけた。 「無様だな・・・・・・」 ファウストは小さく笑いながら、ひとことポツリと呟いた。 「お前がそれほどの剣の使い手だったとはな。」 「はあへ。ほへほほへほはふはよ。」 「・・・・・・・口の中のものを食べ終えてから喋れ・・・・・」 ファウストが非難がましい目つきでリアを見る。 「ごくん・・・なによ、あんたが食べてる最中に話し掛けてくるからでしょ?」 「・・・・・・・・・・・それは悪かったな。」 その言葉に機嫌をよくするリア。 「まあ、あたしは修行を兼ねて旅にでてんのよ。世界を知るってのは大切だしね。井の中の蛙でいたくないもの。」 「それはいいことだ。その年でそんな考えをできる者はそうはおらん。なかなか立派なものだ。」 まさかそんな言葉がでるとは思っていなっかたので、リアは目をぱちくりとさせる。そしてそのときファウストが見せた笑みに思わず見惚れてしまった。 「どうした?」 「え、な、なんでもないわよ。それよりあんたはなんで旅をしてるのよ?」 我に返り、顔を紅くしながら言葉をつむぐ。 「・・・・・・・更なる叡智を集めるため・・・だな。」 「ふ〜〜〜ん。そういやあんたってば何処から来たの?あたしはゼフィーリアからだけど。」 「・・・・・・・遠いところからだ。」 「ってどこなのよ。答えになってないわよ。」 「言ったところでわからんよ。」 そう言って代金をテーブルの上に置き、ファウストは宿の2階へと上がっていった。 「う〜〜〜みゅみゅ。あいつはあたしを馬鹿にしてんのか。こうなったら意地でも聞き出してやるからね。」 とある小高い丘。 漆黒の闇夜の中、それよりも更に昏い闇を思わせる男が立っていた。 「ほう、二つ目の世界でそれらしきものを感じるとはラッキーですね。」 男は凄みのある笑みを浮かべて、楽しげにつぶやいた。 「さて、どこにいる?ドクトルよ。」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ・・・あんまり話が進んでませんね。反省。 さて、次はあの男が二人の前に現れる? リアとファウストの運命やいかに? ナイター中継が延長の場合は時間を繰り下げてお送りします。 |
20741 | ナ、ナイター中継が延長・・・・・・・? | 海藤雄馬 E-mail URL | 2002/5/3 19:29:37 |
記事番号20728へのコメント こんにちは、恐らく(恐らくも何もないだろうが)はじめまして、棒太郎さん。 最近は、ぽつぽつこちらに来ている海藤雄馬というものです。 実は、一話から読んでました(ちゃんとレスしましょう!) なにやら混沌のあの方が関わっているようで・・・・・・・・。 ふふふふふvv(←怪しい) エル様ですね〜〜〜vv >「プハ〜、労働の後の一杯は美味いわね〜。」 >栗色の髪の少女―リア=マルガレーテ=インバースはジョッキのビールを一気に飲み干して、幸せそうに言葉を発した。 >「・・・・・貴様。そのビールは私のだぞ。」 最初、このリアさん、リナさんかと思いました。 なんか、そっくしだし・・・・・・・・・。 リナさんがいる時代とは違うんですね。 >「リ、リ、リア・・・・・」 >その名を聞いた商人の顔がひどく青ざめる。 >「も、もしかして、あ、あの血刀の殲滅者、剣鬼リア=マルガレーテ=インバース?」 >ヒィィィィと悲鳴をあげながら後じさる。 >「か、金目のものはいくらでも差し上げますからどうか、い、命だけは〜〜。」 >「ど〜〜〜いう〜〜〜意味じゃい!そりゃっ!!」 にゅぅ・・・・・・・・・・(汗) インバースの家系は世間にこういう評価をされる宿命(?)なのでしょうか・・・。 それとも、そういう評価をせざるをえないほどの性格・・・・。 ごめっ リナ:何か言ったかしら? リ、リナさん・・・・?何故ここに・・・・・・・・・(汗) リナ:あんたが、続き書かないから、あたしは暇で暇で暇で暇で・・・ひ・ま・で!!! そ、そんな区切って言わなくても・・・・・・・・・。 >「まあ、あたしは修行を兼ねて旅にでてんのよ。世界を知るってのは大切だしね。井の中の蛙でいたくないもの。」 >「それはいいことだ。その年でそんな考えをできる者はそうはおらん。なかなか立派なものだ。」 >まさかそんな言葉がでるとは思っていなっかたので、リアは目をぱちくりとさせる。そしてそのときファウストが見せた笑みに思わず見惚れてしまった。 美形さんなのですね、ファウストさんvv とういうか、リアさんにはそういう美形顔に耐性がないとか(笑) ファウストさん、リアさんを認めてるってことですね〜。この台詞からすると。 >「ほう、二つ目の世界でそれらしきものを感じるとはラッキーですね。」 >男は凄みのある笑みを浮かべて、楽しげにつぶやいた。 >「さて、どこにいる?ドクトルよ。」 をぉぉぉぉぉ!! なんとなく、何かが起こりそうな予感です!! 展開が楽しみなのです!! 何しろ、エル様〜〜〜vv エ〜〜〜ル〜〜〜様〜〜〜〜!! が関わっている(?)のですから!! >・・・あんまり話が進んでませんね。反省。 >さて、次はあの男が二人の前に現れる? >リアとファウストの運命やいかに? >ナイター中継が延長の場合は時間を繰り下げてお送りします。 ナイター中継・・・・・・・・・・・・・・・・? 延長とか有りですか? 雨天の場合はどうなります?(こらまて!) ま、そいういうことで、これからも、こっそり読ませて頂きつつ、たまにレスをしつつ(ちゃんと読んだらレスしましょう)、楽しみにしております!! ではでは。 |
20744 | 彼方より来たる者 其の4 | 棒太郎 | 2002/5/4 02:38:37 |
記事番号20694へのコメント どうも。棒太郎です。 いいとこまで書いてたのに途中で全部消えてしまって物凄いショックです。 気を取り直してもう一度。 それでは『彼方より来たる者』其の4をどうぞ。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「はろ〜〜〜〜。S〜〜〜〜〜〜。」 「どおぅわああああああああっ!!!!L様ッ!!!!」 「な〜〜〜によ、もう。そんなに感激しちゃって。」 「え、ええ、いえ、そんな・・・・・・・あの・・何の御用でしょう?」 「ちょっとあんたらに言っときたいことがあってね〜。」 「は、はい・・・・」 「この子知ってるでしょ?この子にはね、何があっても絶ッッッ対手ぇだしちゃ駄目だかんね。」 「ええええええ!!!で、でもその人間は――――」 「うっさい!あたしに口答えすんの!?部下Sのくせに生意気よっ!!」 「そ、そんな、L様―ってその凶悪にギザギザしたものは、っっっゲフウゥゥゥゥゥゥ!!!!」 「あ〜、すっきりした。どれどれ向こうはどうなってんのかな〜?」 『彼方より来たる者』 其の4 「あ〜〜〜〜〜、暇〜〜〜〜〜〜〜。」 机に突っ伏しながら、リアは対面に座る人物にわざと聞こえるように呟いた。 その人物―ドクトル・ファウストは聞こえてないのか、無視しているのか手にした本を休むことなくめくり続けている。 そんな光景を見ながらリアはフンと呟いて側にあった本を手繰り寄せた。 リアがファウストに無理矢理同行して、早3ヶ月がたった。 ファウストは街に着く度に、そこの図書館や魔道士協会の資料室に入り浸っていた。 閲覧禁止のものも多数あるが、ファウストがそれを読んでいても誰一人注意する者はいない。 第一そんな場所に入れること自体がおかしい。 なにか変な術でもかけたんだろう、とリアは思っている。 リアも暇だ、退屈だといいながらそれに付き合っている。 もっとも大半はボーッとファウストの様子を眺めている。 時折何故か顔がほんのり紅くなったりしていたりする。 (ん〜〜〜なになに・・・・神魔戦争記?そういや小さい頃よく聞いたっけ・・) 手にした本は神魔戦争に関することが書かれたものだった。 (赤の竜神スィーフィードは魔王シャブラニグドゥを7つの欠片に分け、封印した・・・か。確か200年前、そのうちの1つが復活して降魔戦争が起こったんだっけ・・・いつか他の6つも復活するのかな〜?) そのとき妙な違和感がリアの体に走った。 ドクン・・・・・ 「――――どうした?」 ファウストの声にリアは我に返った。 「え・・・・・あ、ああ、なんでもないわよ。なんでも・・・・」 「そうか。」 そう言ってファウストはまた本に目を向けた。 リアもボーッとあさっての方向を見ていた。 だがファウストの脳裏にはひとつの疑問が浮かんでいた。 「・・・・・さっっき彼奴から何か違和感を感じたが・・・・」 その夜。 リアは宿の部屋のベッドの上にころがって虚空を見つめていた。 (あのとき感じた違和感はなんだったんだろう?) じっと自問してみる。 だが答えは浮かばない。 漠然とした不安が心に翳る。 (あたしらしくないな。こんなの。) そしてひとりの男の顔が浮かぶ。 それはファウストであった。 (あいつならなにかわかるかな・・・・・・・ってなんであいつの顔がうかんでくるのよ!) 心の中で自分の突っ込みがはいる。 (あ、あたしは別にあいつのことなんかなんともおもってないわよ!・・・そりゃあ、ちょっとはかっこいいなとは思うけど・・) あのとき見た笑みや本を読んでいるときの真剣な顔が浮かぶ。 「あ〜〜〜〜、こんなのあたしらしくないったらない!!こんなときは剣を振ってすっきりするに限る!!」 そう言うと愛刀をもって、ドスドスというような足踏みで外に出て行った。 夜空は満点の星空だった。 そしてそこに一人、先客がいた。 「こんなとこでなにしてんのよ?」 それはさきほど思い描いていた人物―ファウストであった。 リアの不機嫌そうな声など全然感じていないようだった。 「・・・少し前から妙な感じがしてな。それでだ。」 いつになく真剣な顔つきだった。 それを見てリアの顔は色づき、胸がドキッと鳴った。 「ふ、ふ〜ん。っ!!!!」 胸の高鳴りを感づかれないように相槌を打ったとき、不意に凄まじい殺気を感じた。 それに向かってリアは愛刀を抜き放った。 ギャイン!!! それは突然現れた。 獣のようにみえるがどこか違っていた。 鋭い凶悪な爪と牙、そして凍りつくような恐ろしい瞳があった。 「なによ!これ!」 「ティンダロスの猟犬か。」 ファウストが呟いた。 「時間を遡った果ての異常な角度の空間に棲息するモノだ。きをつけろ。奴らは時間、空間に関係なく90度以下の角度を通って現れるぞ。」 「んなのどうしろってのよ!」 それでも襲い来る殺気を感じ取り剣を振るうリア。 「だがこいつらはあちらの次元の宇宙にいるもの。とすると―――」 「そうですよ。ドクトル。」 声のした方を振り向くとそこには、夜の闇より深い漆黒の肌を持った男がいた。 「貴様か。ナイアルラトホテップ。」 「久しぶりですねぇ。ドクトル・ヨハン=ファウスト。」 ナイアルラトホテップは凄みのある笑みを浮かべていた。 「フン、こんなところまでご苦労なことだな。」 「ええ、誰かさんがおとなしく抹殺されてくれればこんなことはしなくてすむんですがねぇ。」 「ちょっとちょっと、あんたら知り合い?」 リアが二人の会話に割って入る。 「ほう、こんなお嬢さんを側に置いているとは・・・・」 「フン・・・・・・」 「ちょっとーーー!!質問に答えなさいよ!!!!」 「やれやれ、そんなの見ればわかるでしょう。私が殺す者で、彼が殺される者。それだけですよ。」 「明確な答えになってなーーーーーい!!!」 叫んでファウストの方を向く。 「・・・・・・・奴はナイアルラトホテップ。この世界とは別の次元の神とでもいうやつだ。」 「は?」 「そして彼も私のいる世界の人間・・・ですよ。」 「・・・・・つまりあんたら異界の者」 「半分正解ですね。まあほとんどの人間に金色の魔王殿のことなど理解できないでしょうし。」 ナイアルラトホテップは嘲笑を浮かべる。 「まあそれはそこまでにして、とりあえず私が連れてきた彼らに殺されてください。」 そう言うと、ティンダロスの猟犬はファウストたちに向かって一斉に襲い掛かった。 グシャッ!!! ザシュッ!!!! その凶悪な牙と爪が触れる寸前、ティンダロスの猟犬たちの体を闇が凝縮した黒い槍が貫いていた。 「ほほう、闇槍ですか。」 ますます愉快、とナイアルラトホテップは笑う。 「別に礼は言わないからね。」 「そんなもの期待はしていない。」 ファウストにかばわれるようなかたちになったリアは、憮然とした表情で言った。 そしてナイアルラトホテップのまえに立った。 「あんた!あたしはこいつからまだお宝分の代金取立ててないんだからね!勝手に殺さないでよっ!!」 剣先を突きつけて叫ぶ。 「はっはっは。人間とは面白いですね。そんなことのためにすすんで身を滅ぼそうとする。」 嘲るような視線をリアに向ける。 そしていつのまにか手にしていた黒い石を放り投げた。 リアの剣がその石を二つに斬った。 と、同時にリアはその場に崩れ落ちた。 「その石――――」 「シュレコバイカールの黒い石――ですよ。深き眠りへと誘い、狂おしい悪夢を彷徨わせる。ふふふ、よい夢を。」 そう言ったとき、ナイアルラトホテップの頭から唐竹割りに鋭い剣撃が走った。 「なっ!?」 二つになり倒れるナイアルラトホテップ。 そしてその前には何事もなかったかのようにリアが立っていた。 「ふ〜、おかしなことしてくれたわね。ちょっとまどろんじゃったわ。」 そう言い、ファウストのほうへ振り返る。 「まだだ。」 ファウストが告げたとき、 「いやいや、あの石が効かないとは。たいした精神力ですね。」 二つになったままナイアルラトホテップが立っていた。 「や〜〜れやれ。たいしたものだこと。」 「お嬢さん。貴女、面白いものを持ってますね。」 ナイアルラトホテップは楽しげに笑い、人間に発音できぬ音で何かを呟いた。 「何を―――――」 そのときまたあの感触が彼女の体を駆け巡った。 ドクン・・・・ ドクン・・・・ 体の中から湧き上がる瘴気。 赤い・・・・赤いものが中にみえる。 そして聞こえる―――――――――――――滅びへの誘い 「どうした!?リアッ!!!」 ただならぬ雰囲気にファウストは叫んだ。 「あ・・あああああああ・・・・ああ・・・」 自分の体を抱きかかえるようにうずくまるリア。 「これはっ!!まさか!」 「そう。この娘、ここの世界の魔王の一部を中に宿しているようですね。」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― この話、それなりに読んでくれている人がいるようなので嬉しいですね。 さてさて、ナイアルラトホテップがついに現れました。 そしてリアの身にも異変が。 まだもうちょい続きます。お付き合いください。 次回はナイターが延長でも時間通りにお送りします。 |
20781 | 彼方より来たる者 其の5 | 棒太郎 | 2002/5/11 00:18:06 |
記事番号20694へのコメント どうもお久しぶりです。 久々に続きをお送りします。 では。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『彼方より来たる者』 其の5 「うあああああああああっ!!!!」 リアの叫びが響く。 その眼は血のように紅い色に変わり始め、闇の魔力を帯びてきていた。 「ナイアルラトホテップ!貴様っ!」 ファウストが自分のマントをナイアルラトホテップめがけて投げつけた。 まるで生き物のように絡みつき大蛇のごとく締め上げた。 「ほうほう。これはなかなかの呪縛だ。」 楽しげに喋るナイアルラトホテップ。不気味な笑みがその顔に広がっている。 「さて、次はどう楽しませてくれるのかな?」 ナイアルラトホテップがそう言うや早いか、ファウストは両手を突き出し凄まじい勢いで印を結んだ。 ゴバッ!!!! 1秒にも満たない時間で十数もの印を結び終えたとたん、ナイアルラトホテップの周りの地面が一瞬にして細かな砂へと変わった。 そして大津波のように盛り上がり、四方から次々とナイアルラトホテップを呑み込んだ。 だが呑み込まれたとみえたナイアルラトホテップの姿が砂の波の中から現れた。 みると彼の口の中に砂の波が吸い込まれていっていた。 すべての砂を吸い込み終えた彼の前にリアとファウストの姿はなかった。 「ふむ、逃げられたか。まあいい。そう遠くへは行っていまい。」 縦に割れた体を左右から押して引っ付けながら、にやりと笑った。 夜も深けた森の奥 そこに二つの人影があった。 地面に体を横たえたリアと彼女に手をかざすファウストであった。 「ナイアルラトホテップめ。手の込んだことをしてくれる。」 ファウストが忌々しげに呟いた。 「自分の闇を植付けたな。これでは魔王の魂が常に触発され活性化してしまい、封印をうけつけん。となると魔王の魂を消滅させるしかないが――――」 リアに目をやる。 何かに必死に耐えるように苦しげな表情を浮かべている。 彼女の体を包む瘴気がだんだんと濃くなってきている。 「ここまで融合が進んでしまっては彼女の魂も消滅しかねん。」 顎に手を当て考え込む。 「・・・・・・これしかないか・・・・」 そう言い、自分の胸に右手を食い込ませていった。 「おやおや、こんなところにいましたか。ドクトル。」 背後からナイアルラトホテップの声が響く。 「あなたがそこまでその娘に御執心とはね。やはり彼女の面影をみたからですか?」 「・・・・・・・・・・・・」 「たしか――グレートヘンといいましたか?あの少女――あなたが人生ただひとり想いを交わした人物でしたねぇ。」 ぐつぐつと笑い声が響く。 ファウストは青白い妖気の宿った眼で睨んでいる。 「・・・・・リアはリアだ。彼女はグレートヘンではない。」 「それでもあなたが気にしているのは事実でしょう?そうですねぇ。その娘も彼女と同じくヨグ=ソトースの供物にでもなってもらいましょうか?」 その言葉を聞くや否やファウストが闇の槍を繰り出した。 次々とナイアルラトホテップの体を貫く。 「くはは。無駄なことを。」 効いた様子も無く不敵に笑うナイアルラトホテップ。 「ならば、これはどうかな?」 力がファウストに集まる。 「竜破斬<ドラグスレイブ>!!」 一度に10もの赤い光弾がナイアルラトホテップに襲い掛かった。 「ほう!?流石はドクトル!」 片手を突き出し、呪文を防ぐ。 「既にこの世界のことはほとんど理解したか。だが、一部とはいえこのわたしがこの程度の呪文で倒れるとで――!!?」 そのとき聞こえてきた詠唱にナイアルラトホテップは絶句する。 「闇よりも昏きもの、夜よりもなお深きもの、混沌の海に―――」 「なっ!!?それはっ!!?」 驚愕の声が響く。 まさかファウストがこんな魔法を扱うとは思ってもいなかったし、自分の主と同等の彼女の力を受ければたとえ本来の自分であってもただではすまないからだ。 「さらばだ!重破斬<ギガスレイブ>!!!!」 混沌の力が彼の手のもとに集まる。 だが突如としてそれが消えてしまった。 「なにっ!!?」 今度はファウストに驚愕が走る。 そしてその隙を逃さず、闇がファウストを捕らえた。 「ふう、流石に焦りましたよ。まさか金色の魔王殿の呪文を使うとは。」 やれやれと呟きながらファウストに近づいてゆく。 「その闇牢はさすがのあなたでも簡単には破れませんよ。それにしてもあのとき交わした約定がこんなところで功を奏すとは思いもよりませんでしたね。さて、その脳だけはいただいていきましょうか。」 そのとき後ろからある気配を感じた。 振り返ってみるとリアが首をうなだれて立っていた。 「おやおや、お目覚めですか?お嬢さん?」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今回はファウストさん活躍編。 というか今回で終わるはずだったのにもう一回延びてしまいました。 次回はいよいよ最終回(予定。諸般の事情により変わるかも知れません) |