◆−BREAK HEART外伝 予告−羅琴みつき (2002/5/12 16:54:07) No.20799
 ┗鎮魂曲の創曲者−羅琴みつき (2002/5/12 16:56:48) No.20800
  ┗いつも考えされられます。むむ。−蒼杜 (2002/5/14 19:37:45) No.20840
   ┗考えてもらえれば幸いです。うう。−羅琴みつき (2002/5/15 19:59:12) No.20852


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20799BREAK HEART外伝 予告羅琴みつき E-mail 2002/5/12 16:54:07


こんにちは。みつきです。

やっと書きました;外伝。
今回投稿するお話は、以前書いた『壊心』という詩の小説版、『BREAK HEART』の外伝です。初めて読む方も多いと思います。著者別の方で読んでからの方が良いかと思います。
リギさんも出ます!!←リギさん大好き


この話の中に出てくる曲には、一応音もついてます。もう友と唄ったことあります(え)。でもあたしは表現力がないので、教えることが出来ないです。
まあ、勝手音考えて下さって結構ですよー。


レクイエムの漢字に困りました;


では、微妙に短い壊心外伝、お楽しみいただけたら、幸いです。

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20800鎮魂曲の創曲者羅琴みつき E-mail 2002/5/12 16:56:48
記事番号20799へのコメント



BREAK HEART


〜鎮魂曲の創曲者〜



唄が聴こえる
誰から誰への唄かは
わからない






それは偶然か。必然か。
歩き続ける一人の少女は、山にいた。
名をクレシェという。誰がつけてくれたのかは、忘れた。知らないのかもしれない。
それは偶然か。必然か。






「――クレシェちゃん!?どうしたの!」
声が。
かけられた。
クレシェはのろのろと、声のした方を向く。
そこにはリギがいた。
かつて―と言っても、まだつい最近のこなのだが―、クレシェを救おうとした山暮らしの少年だ。少女にしか見えないけれど。
「この前旅に出たばかりでしょ?いつ来たの」
大木だらけの山の中、リギはクレシェに駆け寄ってきて言った。
「……………?……ああ」
一拍不思議な間を空けて、
「少し行ったら、もう大陸終わってた」
「あ、そう……。ターンしてきたわけだね」
リギは苦笑した。
考えてみれば、クレシェはもうずっとずっと前から旅を続けているのだ。大陸横断も不思議なことではない。のかもしれない。
「ボクね、今、木を拾いに来たんだけど、家はすぐそこだし、寄っていきなよ。
 もう暗くなるし」
「え」
即答。止まることを嫌う彼女はあからさまに不満の声をあげた。
「いや、えって………そこまで嫌そうにしなくても……。
 まあ、どうせ今からじゃ今日中に山は越えられないよ。別にずっと居ろって話じゃないんだし」
言いながらリギはクレシェの背を押して、家の方へ向かう。
「あ、クレシェちゃん。先に断っておくけど、ボク別にクレシェちゃんに何かするつもりはないから」
「何かって何?」
「……………………うーん…つまりね、ボクにとってクレシェちゃんは、妹みたいな感じ。もし妹がいたら、こんな感じかなって。
 淋しいんだね、きっと」
リギは笑いながら言った。
クレシェは思い出す。彼は一人で暮らしているのだ、と。クレシェには、やっぱり今でもわからない。
何で笑えるのか。
何がおかしいのか。
そして、何故哀しそうな顔をするのか。



リギは食事を用意してくれたが、相変わらずクレシェは、粘土のような携帯食料をもそもそ食べていた。









「何してるの?そこで」
星降る夜。
はしごを使って家の屋根に、クレシェはいた。座っていた。
「別に」
顔を上―空に向けながらクレシェは答える。果たして答えになっているのか。
「別にって………」
苦笑しつつ、リギもはしごを登って屋根の上に来ると、クレシェの隣に腰掛けた。
「綺麗でしょう、ここは。星が」
空を仰ぎ見て言った。
でも彼は気付いている。この少女に星の綺麗さの加減はわからない。星をじっくり見るのは、多分これが初めて。あるいは何度めか。
クレシェに上を見る余裕はなかったから。
「…?綺麗なのはここだけ?」
案の定、受け取り方が間違っていた。
「いいや、そんなことないよ。ここより綺麗な所はいくらでもあるし、あ…でもね、星の一つ一つに優劣をつけちゃいけないんだ。自分が見た場所とか、全体の数とかで、あそこよりももっと綺麗、ってな具合にしないといけない」
「何故?」
クレシェの問いに、リギは少し考えてから、言った。
「星にはね、魂があるんだよ。聞いたこと………ないと思うけど、『人が死んだら星になる』っていう言い伝えがあるの。肉体が滅び、魂だけになった人達が星になるって。
 だから星の光はね、魂の輝きだから。死してなお輝き続ける人たちに、優劣はつけられないし、失礼なことなんだよ」
「…………………?」
クレシェは不思議そうな顔をしている。
わかんないか……とリギは笑った。
「だだの言い伝えだよ。ただの。
 そんなの信じるなんて、バカみたいだよね」
「じゃあ、」
クレシェはゆっくりと、リギを指さし、
「バカなんだ」


え?


「ははっ……!そうだね、ボクはバカだよ。わざわざ町を離れて、星が見やすい所に住んで……本当に、バカだね」
リギは笑いながら言った。
ほんの少し、ほんの少しだけ、哀しそうだった。
「誰かが死んで、哀しかったの?」
クレシェに聞かれ、リギは返答に困った。
「えと…………ああ、ボクね、こんな思わせぶりなこと言ってるけど、死なれたのはだいぶ昔のことだから。子供の時からここに住んでるんだよね。今も子供っていや子供だけど」
『哀しかったの?』それに応えていないことには、気付いている。
クレシェはリギの顔をまじまじと見つめると、冷めた口調で、言った。
「誰かが死んで、哀しかったのなら、その誰かは幸せ」
「どうして?」
「だって。自分の死を悲しんでくれる人がいるのは、とても幸せなことだから。
 死んだのに、誰も悲しんでくれないのは、とても哀しいことだから」
少女は淡々と喋る。
そして。
「私が死んで、泣く人は誰もいない。
 私が死んだことに気付く人もいない」
ああ、なるほど。
リギは妙な納得を感じる。
「じゃあ、クレシェちゃんが死んだら、ボクが泣いてあげようか」
「別にいい」
即答。
「うーん……そうだ!!鎮魂曲を唄ってあげるよ。死者へ捧げる唄。
 昔ね、母さんが唄ってくれたことがあるんだ。『自分への鎮魂曲だ』って短いけど」
「自分への?」
「そう。自分への。どういう意味かわからなかったんだけど、多分自分を変えたい時に唄うんだよ。
 旅をしているクレシェちゃんの死は、やっぱりわからないかも。気付いてあげられないかも。ならボクは、毎日鎮魂曲を唄ってあげる。何か縁起悪いけどね…」
リギは屋根の上で立ち上がると、大きく息を吸った。



そして、高い唄声が、

星降る夜に響いた。





   堕とされた 

   世界での役目を

   終えてから

   行き着く場所が 

   明るいかなんてわからないけど


   
   笑顔も涙も想いも全て



   もう零れることがなくて

   声が聞こえるけれど

   応えることができなくて

   声が聞こえるけれど

   私はもう二度と笑わない






「ま、こんな感じの唄だった気がする」
「下手」
「それはほっといて欲しいな……」
「リギさんはバカじゃない。星の魂を信じるのは、バカなことじゃない」
「ありがと。あれ?クレシェちゃんてボクのこと『さん』付けるんだね。いつも偉そうだけど」
「私は旅をやめたりしない」
「そう」
「でも、またここに来てもいいの?」
「良いよ。死んでないって報告に来なよ」
「………………………」
「………………………」
「………………………」
「……………………?」
「ありがとう、ございます」
「どういたしまして」

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20840いつも考えされられます。むむ。蒼杜 E-mail 2002/5/14 19:37:45
記事番号20800へのコメント

昨日はどうも有難うvの蒼杜です。
こんばんわ、みっきー。
壊心の外伝という事で、喜んで読ませていただきました。
リギさんもクレシェちゃんも好きなのでv
というか、私好みのタイトルに最初からノックダウンでした♪


>「……………………うーん…つまりね、ボクにとってクレシェちゃんは、妹みたいな感じ。もし妹がいたら、こんな感じかなって。
> 淋しいんだね、きっと」
>リギは笑いながら言った。
>クレシェは思い出す。彼は一人で暮らしているのだ、と。クレシェには、やっぱり今でもわからない。
>何で笑えるのか。
>何がおかしいのか。
>そして、何故哀しそうな顔をするのか。
ここは、もしかしてですね。今連載中の「虚像」に関連してるんでしょうか?
でもって、クレシェちゃん出てくるとか?


>「誰かが死んで、哀しかったのなら、その誰かは幸せ」
>「どうして?」
>「だって。自分の死を悲しんでくれる人がいるのは、とても幸せなことだから。
> 死んだのに、誰も悲しんでくれないのは、とても哀しいことだから」
>少女は淡々と喋る。
>そして。
>「私が死んで、泣く人は誰もいない。
> 私が死んだことに気付く人もいない」
凄く深いですね。
普通に生きていれば、死についてあまり考えない事かもしれませんが、確かにふと考えてしまいます。
独りで生きてきたクレシェちゃんは道中、ずっと考えていたのかもしれませんね。


>   堕とされた 
>
>   世界での役目を
>
>   終えてから
>
>   行き着く場所が 
>
>   明るいかなんてわからないけど
>
>
>   
>   笑顔も涙も想いも全て
>
>
>
>   もう零れることがなくて
>
>   声が聞こえるけれど
>
>   応えることができなくて
>
>   声が聞こえるけれど
>
>   私はもう二度と笑わない
自分に対しての鎮魂曲、という事ですが少し悲しくて綺麗です。
自分を変えたい時、…やはり奥が深いです。
でも、どんな曲なのか聴いてみたいですv
考えてみるも、さっぱり分からない(^^;


>「でも、またここに来てもいいの?」
>「良いよ。死んでないって報告に来なよ」
>「………………………」
>「………………………」
>「………………………」
>「……………………?」
>「ありがとう、ございます」
>「どういたしまして」
このラスト、すっごく好きなんですけど!私。
リギさんも中々にいい(笑)性格してるし、さらりとした二人の関係が意外につぼでした。
でも、リギさんって結構ひねくれてます?(笑)

最初から最後まで考えさせられる作品でした。
とても良かったです。
…想いをうまく言葉にできない自分がとても悲しい(TT)

かなり短いし感想になってないですが、ではこの辺で。
連載&詩を楽しみに待ってますvv
最近全く書いてない(苦笑)蒼杜でした♪

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20852考えてもらえれば幸いです。うう。羅琴みつき E-mail 2002/5/15 19:59:12
記事番号20840へのコメント

蒼杜さんは No.20840「いつも考えされられます。むむ。」で書きました。
>
>昨日はどうも有難うvの蒼杜です。
>こんばんわ、みっきー。
こんばんはvこちらこそ、お世話になりました。
またお話しませうー。

>壊心の外伝という事で、喜んで読ませていただきました。
>リギさんもクレシェちゃんも好きなのでv
ありがたうですーーvvv

>というか、私好みのタイトルに最初からノックダウンでした♪
少なからずそーちゃんの影響もあるかと(な)。

>>「……………………うーん…つまりね、ボクにとってクレシェちゃんは、妹みたいな感じ。もし妹がいたら、こんな感じかなって。
>> 淋しいんだね、きっと」
>>リギは笑いながら言った。
>>クレシェは思い出す。彼は一人で暮らしているのだ、と。クレシェには、やっぱり今でもわからない。
>>何で笑えるのか。
>>何がおかしいのか。
>>そして、何故哀しそうな顔をするのか。
>ここは、もしかしてですね。今連載中の「虚像」に関連してるんでしょうか?
>でもって、クレシェちゃん出てくるとか?
んー……多分関係ないです(多分)。そーちゃんに言われてそれもアリかな、とか思い始めたもよう(え)。
でもクレちんを出すのは、至難の技ですね……!てかもうすぐ終わ……

>>「誰かが死んで、哀しかったのなら、その誰かは幸せ」
>>「どうして?」
>>「だって。自分の死を悲しんでくれる人がいるのは、とても幸せなことだから。
>> 死んだのに、誰も悲しんでくれないのは、とても哀しいことだから」
>>少女は淡々と喋る。
>>そして。
>>「私が死んで、泣く人は誰もいない。
>> 私が死んだことに気付く人もいない」
>凄く深いですね。
>普通に生きていれば、死についてあまり考えない事かもしれませんが、確かにふと考えてしまいます。
>独りで生きてきたクレシェちゃんは道中、ずっと考えていたのかもしれませんね。
そしてあたしはいつでもどこでも考えています(まて)。
何か考えてしまうのですよ。自分が死んだ時の周りの反応とか、死んだ後とか。
そして気になるのは、死んだあとも記憶があったりするのかなー…と。お話みたいに。
ホントの所はみんな、死んでみないとわからないんですけどね。


>>   堕とされた 
>>
>>   世界での役目を
>>
>>   終えてから
>>
>>   行き着く場所が 
>>
>>   明るいかなんてわからないけど
>>
>>
>>   
>>   笑顔も涙も想いも全て
>>
>>
>>
>>   もう零れることがなくて
>>
>>   声が聞こえるけれど
>>
>>   応えることができなくて
>>
>>   声が聞こえるけれど
>>
>>   私はもう二度と笑わない
>自分に対しての鎮魂曲、という事ですが少し悲しくて綺麗です。
>自分を変えたい時、…やはり奥が深いです。
気合い入れて書いただけあり、そう言ってもらえると嬉しいですーv

>でも、どんな曲なのか聴いてみたいですv
>考えてみるも、さっぱり分からない(^^;
本当、どうやって表現すればいいんでしょう……;
でもあたしなんかは音感ないんで、唄うたびに、微妙に音程変わります。はい、問題発言でした。

>>「でも、またここに来てもいいの?」
>>「良いよ。死んでないって報告に来なよ」
>>「………………………」
>>「………………………」
>>「………………………」
>>「……………………?」
>>「ありがとう、ございます」
>>「どういたしまして」
>このラスト、すっごく好きなんですけど!私。
うあああっっ!ありがとうございますー!!!嬉しさで天に召されてしまいそうです!!

>リギさんも中々にいい(笑)性格してるし、さらりとした二人の関係が意外につぼでした。
>でも、リギさんって結構ひねくれてます?(笑)
そこに気付いてもらえて光栄ですね!!
そうですともv彼は隠れひねくれ(言いにく…)です!
もうちょっと、そのへんにも触れたかったですね。

>最初から最後まで考えさせられる作品でした。
>とても良かったです。
>…想いをうまく言葉にできない自分がとても悲しい(TT)
いえ!そんなことないです。想いは来ました。
そしてその嬉しさを言葉にできない自分こそ、とても哀しい……

>かなり短いし感想になってないですが、ではこの辺で。
立派な感想でしたよ☆
あたしは普段短すぎですが…;

>連載&詩を楽しみに待ってますvv
こちらこそ、そーちゃんの新作待ってますよーv

>最近全く書いてない(苦笑)蒼杜でした♪
以下同文っ

それでは。羅琴でした。