◆−深々と雪は降る−春祭あられ (2002/5/25 02:34:23) No.20923
 ┣盂蘭盆(え?季節はずれ?いやん、突っ込まないでよ)−春祭あられ (2002/5/25 22:48:40) No.20927
 ┗例えばこんな終わり方−春祭あられ (2002/5/27 02:46:10) No.20933
  ┣(・△<).・゜・.。,……!!−羅琴みつき (2002/5/27 19:59:09) No.20935
  ┃┗Re:(・△<).・゜・.。,……!! ←泣いてるの?!−春祭あられ (2002/5/29 01:16:12) No.20941
  ┗例えばこんな終わり方(ガウリナver)−春祭あられ (2002/5/29 01:08:07) No.20940
   ┗おおっ!?−羅琴みつき (2002/6/4 22:28:48) No.20976
    ┗Re:おおっ!?−春祭あられ (2002/6/16 22:36:26) No.21023


トップに戻る
20923深々と雪は降る春祭あられ E-mail 2002/5/25 02:34:23


「なあ、リナ。俺の存在って何だと思う?」




           深々と雪は降る





あたしの連れのガウリィと言う男はとんでもなく馬鹿だ。あほだ。
彼の頭の中はいつ液体になってもおかしくないと思われるほど。
そんなあいつが、ある日こんなことを言った。
「なあ、リナ。俺の存在って何だと思う?」
珍しく真顔で、真剣な目をしていた。
「便利な、対魔族用の道具。都合のいい攻撃力」
即答するあたしに、あいつは悲しそうな目で、そうか、とだけ呟いた。
本当にそれだけ?
それだけしか言ってくれないの?
あいつは本当に馬鹿だと思う。肝心な時が分からないのよ。

その日は寒いなとは思っていたけど、まさか雪が降るとは思わなかった。
そのせいで足止めもされ、結局この寒い中野宿をする羽目になる。
あたし達は寒さをしのぐために焚き火の近くで寄り添いあいながら眠った。
しんしんと降る雪。
―――白さは何を映すの?
しんしんと降る雪。
―――深々と心に染み渡る
寒いのに、野宿をしているのに、何故安心して安らげるのかをあたしは知ってる。
気付かれないようにもう少し肩を近づければ、暖かかった。
安らげる術をあたしは見つけた。
あいつは馬鹿だから。きっとこのことには気付いていないのだろう。
向こうから言い出さない限り、絶対に教えてやらないわ。この想いなど。

ふっと凍える寒さに目を覚ました。
曙の空の下あたしは一人だった。白んでいく山の端を一人で見るのはあまりにも心細かった。
掛けられた毛布を掴み、あたりを見回してガウリィを探す。
何だろうなんて野暮なことは言わない、この心の恐怖。
理由はわかりすぎてる、心の寂しさ。
もう一人ではいられない。
「朝から大変ね」
あいつは少し離れた場所で、ご丁寧にも素振りをしていた。
早朝特訓ってやつですか?
「起きたのか?もう少し眠っていればよかったのに」
笑ってくるその顔。
そんな優しさはいらない。
「眠れないのよ」
「どうした?」
「眠れないの」
その顔は不思議と心配が混ざっている。
なんて心地いいのとは言わない。そんな醜い心は持ちたくない。
でも。
「まえに自分の存在価値意は何かって聞いたわよね」
「……そう、だったか?」
だめよ。
とぼけたり嘘をついたりするときの癖をあたしはもう熟知しているんだから。
ほら今だって。
「格上げしてあげるわ。プラス湯たんぽよ」
「……は?」
間抜けな顔は、今が最高潮みたいね。
「寒くて眠れないのよ。もう一眠りしたいから傍にいてよ」
傍にいて。
これは本音。
寒くて眠れない。
これも本音。
じゃあ何が口実?
二つがイコールに繋がらないところ。
寒いから傍にいてほしいんじゃないわ。ねえ、そのヨーグルトの脳で気付くかしら?
「仰せのままに、リナ姫」
でもま、いいわ。
その笑顔だけでも十分だって思うから。
やっぱりこれは、惚れた弱みってやつなのかしら?



               ◇◆◇◆◇◆◇


ども。春祭です。
やっとこさ中間テストが終わり、突発的にこんなの書いてしまいました。
書き殴り上では初のガウリナ。……リナガウ?
ま、いいやその辺はどーでも。(いいのか?!)
さっさと連載してるやつの続きを書かなきゃなぁ…などと思いつつ(まだ書いてなかったんかい)今日はこの辺にて。(短っ!)

また会えることを祈って。
 春祭あられ


トップに戻る
20927盂蘭盆(え?季節はずれ?いやん、突っ込まないでよ)春祭あられ E-mail 2002/5/25 22:48:40
記事番号20923へのコメント

お囃子の音が鳴る。
その音で目を開けると、そこは混沌ではなかった。
お囃子の音が鳴る。人々のざわめき。
彼は人間の祭りに足を踏み入れていた。
迷い込んだそこに広がる懐かしい空気、すれ違う熱。
赤い髪をはためかせながら、目を凝らした。
―――自分も人間であったのだと自覚する。
「いらっしゃい」
金髪の女性が彼に声をかけた。
にっこりと笑っているその顔は―――
「ミリーナ?」
愛しい人。
心臓が高鳴る。
「そう、この娘はミリーナというの。残念だけどあたしはミリーナじゃないわ」
違う。  と彼女は言う。
記憶にあるミリーナと同じ顔で。同じ声で。
「あたしを思い出しなさい。この姿はかりそめにすぎない―――我が子よ」
囁く。それは。
「ロードオブ・・・・・・ナイトメア?」
金色なる母上。広大なる大地の、生命の創造主。
「シャブラニグドゥ・・・・・・こちらに来なさい」
母が透明な宝珠を差し出す。
そのとたんに彼は―――ルークは軽い喪失感を感じた。
目の前の宝珠が紅く染まっていく。
あぁ―――ルークには分かった。
一体化していた赤の魔王と自分が分断された。人間に、戻っていく、魂。
「貴方は―――これが何の祭りなのか知ってる?」
母の笑う顔。
お囃子の音が鳴る。
「いや――――――俺は死んだんだろ?」
仲間の、リナの、手によって滅んだ自分。滅びを望んだ自分。
母は肩をすくめた。
「この祭りは“盂蘭盆(うらぼん)”。魂を苦から開放するために、次の命に向かうための祭りよ。分かる?」
「生まれ変わるため?」
「そういうこと。行きなさい、この娘の元へ。貴方が見ているこの姿が、この姿の持ち主が貴方の捜すべき相手。共にいることを望むのなら」
そう言って母は周囲に溶け込んだ。風のように。
ふわりとした・・・空気のように。
狐の面をつけた人々が祭りを楽しんでいる。
この中から特定のある一人を捜すことなど、無理難題に思えた。
それでも歩き出す。共にあることを望むから。
行き交う人々の中に金髪はたくさんいた。背の高さを考慮しても、かの人と同じ様な人は溢れる水のように、いた。

      誰を捜しに行くの?

蛍は目の前にいた。

      何処へ行くつもりなの?

足が止まる。
ほのかにうち光る、蛍のような美女。
面の下の顔は、とるまでもなく想像がつく。
彼女はこちらを見ていた。
ルークも彼女を見つめる。
「ミリーナ」
ゆっくりと面を取る。
蛍のように淡く、氷のように青い人。
「誰しも道に迷うことはあるわ。道は一つではないから」
「ミリーナ?」
「それでも人は前に進める。例え目に映るものが違っていても、互いに繋がっていると信じているから」
「ミリーナ、ごめん、俺・・・・・・」
「馬鹿な人。これから自分達がどうすれば前に進めるのか考えなさい」
はっと顔を上げた。
ミリーナの顔が微笑んでいた。
手を伸ばす。
その手を―――掴んでくれた。
「一緒に、進もう。迷ってもかまわない。一緒にいられるのなら」



お囃子が終わる。
魂は一つ一つ光となって地上へと舞い上がってく。
母はそれを見上げ、笑う。
望むことは、罪ではないのだ、と。



                ◇◆◇◆◇◆◇

こんちは。再び春祭っす。
今回の盂蘭盆・・・・・・本来は7月の半ば当たりから・・・つまりお盆の時期の物語なのですが・・・なんか時期が思い切り違いますね、すいません。
妙にお盆ネタ = ルーク&ミリーナなんて思ったわけで・・・書きたくなっちまいまして。てへっ。
そしてえっと、L様が良い人に・・・なんか性格違う気がする・・・
あ?なに?・・・・・・ふんふん、気にしなくていいって?そう?どーも有難う。
じゃあ、気にしないことにする。(をい)
それでは、今回も短いですがこの辺にて。

 また会えることを祈って。
  春祭あられ


トップに戻る
20933例えばこんな終わり方春祭あられ E-mail 2002/5/27 02:46:10
記事番号20923へのコメント

「何処へ、いかれる気ですか?」
アメリアの問いに、ゼルガディスが軽く笑った。
「止める気か?」
彼女は肯こうとして、思いつめたように首を横に振った。
「いえ、ただ気になったものですから」
「俺が行きたい場所は、この世界のどこかだ。存在する場所なら何処でも」
「じゃあ今回は・・・・・・“私の目の前”が貴方の行きたい場所だったわけですか?」
久しぶりに現れたゼルガディスに、本当はものすごく嬉しかったのに。
「・・・・・・別れを言いに来たんだ」





     例えばこんな終わり方






ゼルガディスは目を細めてあたりを見回した。
車が走り、構築マンションが立ち並び、人々が渦巻いている。
「変わったな、セイルーンも」
かつて白魔術の都市と呼ばれた面影はなく、思い出にあったそこはまったく別のものに変わっていた。
1000年もすればこんな物か?とも思ってしまうが。
町並みを歩く。
かつてあった大通りの場所はなんとかかわらずにあったが、細かな地形は変わって分からない。
しかしあそこは大通り沿いにあったから。
「ここら辺だったか・・・・・・」
セイルーン城のあった場所。そこはもう大きな公園になっていた。
噴水がある。緑がある。子供がいる。
笑い声。
アメリアが守ろうとしていた物。
人の幸せ。
とんっと何かがぶつかった。下に落ちた物を見れば紙飛行機だった。
見覚えのある、独特な折方。
不意に昔のことを思い出した。



「お別れ・・・・・・それは今生のお別れですか?」
「―――そうだ」
「何故、またそんな急に・・・・・・」
「俺の身体は、探し続けているものの未だに元に戻る術が見つからない。このままなら何千年も生き続けるだろう。おまけに俺には子は出来ない。生殖反応がないんだ。このまま身近な者の死を見続けることはもう絶えられないんだ」
アメリアの顔が、悲しそうに微笑む。
「見取っても下さらないんですね」
「家族が死んだときに、レゾを倒したときに、もうさんざん泣いたよ。涙は枯れた。これ以上・・・」
「あら、何も私の死に泣いてくださいなんて言ってませんよ」
手に持っていた紙飛行機を飛ばすと、それはカーブしてぽとっと音を立ててゼルガディスのもとに落ちた。
以前アメリアが言っていた。これはアメリア独特の折り方で、誰にも真似は出来ないのだと。
自分が教えない限り。
「私は子を成します。その子も子を成し、またその子も子を成すでしょう。私の血族はずっと生き続けます。ゼルガディスさんが死んでも生き続けるでしょうね」
これがその証になるでしょう・・・・・・
そう言って首の飾りを示す。
王家に代々伝わる宝だった。
「だから、生きているということに泣いてください。それなら不器用なゼルガディスさんにもできるでしょう?」
不器用は余計だ、と言いながらも、ほっと笑ったのを覚えている。



「お兄さん、それあたしの・・・・・・」
大きな瞳の女の子が両手を広げていた。
彼の持つ、紙飛行機に。
「ああ、そうか。はい」
「ありがとう!」
満面の笑みで女の子が笑う。
その胸元に、きらりと光る物を見つけた。
「マリアー!何してんだー?!」
「あ、にいさま!!」
駆け出していく女の子を、ゼルガディスは呆然と見ていた。
兄らしき男の子と共に歩いていく。
胸元のペンダントは、王家の宝だった。
アメリアの示した証・・・・・・

自然と、彼の目からは涙が零れた。


“生きているということに、泣いてください”





               ◇◆◇◆◇◆◇

あふ。今晩は、春祭です。
今回はまたわけわかんねー上にみじけー。うっわさいあくー。
でも涙物を目指したつもり何だけどなー。

例えばこんな終わり方。
別にリナたちの終わりじゃなくって、ゼルアメの終わりです。
悲しい終わり方だな、おい。
誰か私を殴ってもかまいませんよ。(笑)

それではもう夜更けなのでこの辺で。
また会えることを祈って。
 春祭あられ



トップに戻る
20935(・△<).・゜・.。,……!!羅琴みつき 2002/5/27 19:59:09
記事番号20933へのコメント


こんばんはです。


ちょっとあられん!!
ステキだよ、あなた(何)!!
切ないけど、切なすぎだけど、こんな終わりも良いかもって思っちゃいました。
何気に強いアメさんもカッコ良くていいです!!

>“生きているということに、泣いてください”
シメがすごく良いです。
この一文に泣かされます。
文体も上手で羨ましいですたい。
紙飛行機の折り方とか……!!あたしはそういうアイテム(笑)に、非常に弱いのです。

殴りません。
そして催促します。ガウリナの終わりも書いてください(きぱ)。いや、真面目に。
あたしはあんまりガウリナ好きじゃないので、さらっと読めます(外道)。
もう、ダークな別れって憧れますよう。お願いしますvv

それでは、友達に付き合っている人がいることを知って驚くみつきでした(何ソレ)。


トップに戻る
20941Re:(・△<).・゜・.。,……!! ←泣いてるの?!春祭あられ E-mail 2002/5/29 01:16:12
記事番号20935へのコメント

羅琴みつきさんは No.20935「(・△<).・゜・.。,……!!」で書きました。
>
>
>こんばんはです。
こんばんはです。春祭でございます。
>
>ちょっとあられん!!
な、なに?

>ステキだよ、あなた(何)!!
そ、そうかい?!

>切ないけど、切なすぎだけど、こんな終わりも良いかもって思っちゃいました。
>何気に強いアメさんもカッコ良くていいです!!
私も好きだ!ってか、この作品は自分の中でかなり泣ける作品に入ったと思うんだけどどう思うよ!(自画自賛)

>>“生きているということに、泣いてください”
>シメがすごく良いです。
>この一文に泣かされます。
私もこれは自分の中で最高の一言だと思うよ。
なんかもう、これ以上の言葉は出てこないんじゃないか?

>文体も上手で羨ましいですたい。
いやいや、なんかみっきーならもっと上手く書けたのではないかと、今本気で思っておりますたい。

>紙飛行機の折り方とか……!!あたしはそういうアイテム(笑)に、非常に弱いのです。
アイテム!ガッテム!(謎)
一体どういう折かたしたんだろうね。私も知らない(笑)

>
>殴りません。
>そして催促します。ガウリナの終わりも書いてください(きぱ)。いや、真面目に。
・・・・・・頑張って書いてみました。

>あたしはあんまりガウリナ好きじゃないので、さらっと読めます(外道)。
うわっ。さらっとかい!

>もう、ダークな別れって憧れますよう。お願いしますvv
・・・・・・ダークねぇ・・・・・・
私ハッピーエンドが好きだからなぁ・・・・・・

>それでは、友達に付き合っている人がいることを知って驚くみつきでした(何ソレ)。
なにそれ!
いいなぁー。私も彼氏欲しい!!
もてない暦17年、約一ヶ月・・・・・・さらに更新中・・・・・・
しくしくしくしく

では、また次の機会にて。
 春祭あられ


>

トップに戻る
20940例えばこんな終わり方(ガウリナver)春祭あられ E-mail 2002/5/29 01:08:07
記事番号20933へのコメント

「本当に、それでいいんですか?リナさん」
「決心も覚悟もないうちにこんなこと言うほど馬鹿じゃないわよ」
ゼロスの顔が、笑顔のまま沈む。
その様子を見て、リナは得たり、と笑った。
「―――契約しましょ、ゼロス」



      例えばこんな終わり方



大雨が降り注ぐ中、一人の少女がルナの家に駆け込んできた。
豊かな秋の恵みのようにふんわりとした栗色の髪、透き通る湖の底のような碧眼。
彼女の名をラクナといった。
目は充血し、おそらく涙を出していたと思われるが、雨に濡れて判別は出来ない。
温かい紅茶をすすりながら、ルナは言った。
「今日あたり来ると思ってたわ」
「分かって・・・っ?!」
「まあ、ね。混沌の使者から連絡があって、そろそろって事だったから。ま、全ては予定されてた事だったってことよ」
「予定されてたこと・・・・・・?父さんの死が?」
ラクナが脱力してその場にへたり込む。
それを見て、ルナは立ち上がり、レインコートと傘を持ち出して戸口に向かった。
いつも自ら動こうとしない彼女の予想外の行動にラクナはやや呆然としながらその様子を見送る。
そんなラクナに、ルナは無表情に呟いた。
「行くわよ。リナがもうすぐ死ぬわ」



その日、いつものように家族団欒に食事をしていた。
ラクナがいて、父であるガウリィと母のリナがいる。
そして悲劇は起こった。つい先ほどまで一緒になって笑ってたガウリィが、頭を抱えて倒れ伏し、そのまま帰らぬ人となった。
脳内出血らしい。
リナは少しだけ涙をこぼし、ラクナに言った。
「姉ちゃんを呼んで来て」
泣きながらも、ラクナはルナを呼びにいった。

ガウリィの亡骸を見て、リナは顔をその胸に押し付けた。
まさかこんなに早く来るとは思ってなかったのになぁ。ガウリィの死が。そして自分の死が。
「あんたもそう思うでしょ、ゼロス」
自分の後ろに向かって言う。
音もなく、そこにはゼロスが佇んでいた。やはり複雑な顔をしている。
「まったく、貴女ぐらいですよ。魔族とわざわざ死ぬことを契約するなんて」
リナが軽く笑った。
「あれから何年になる?あんたと契約を交わしてから・・・」
「約20年になりますね。いやほんとに短かった」
くすり、とゼロスが笑う。
二人とも、そのときのことを思い出していた。



「ガウリィが死んだら、その後私も殺して欲しいの」
リナは言った。
「なぜ?人間の命は限られている。普通、魔族と契約を交わすなら永遠の命を望むでしょうに」
「永遠の命なんていらない・・・・・・私にはもう宿っているわ。ルーク=シャブラニグドゥを倒したときに飲んだ石は、あれは賢者の石と同じだった。永遠の命なんて私は望んでなかったのに・・・・・・」
「ならば自分で死ねばいい」
「それが出来ないから言ってるんでしょ?石は消化されずに私の中で残ってる。残っている限り、よっぽど強い魔力で再生不可能なほどにしてもらわないと、私は死ねないのよ」
「魔族になる気は?」
「まるっきりなし」
「・・・・・・そう、ですか」
魔族になれば、永遠も何も関係なく、さらには賢者の石を使いかなり上級の魔族にもなれるというのに。
ゼロスは彼なりに、リナのことを気に入っていた。
ゆえに、失うのは辛かった。
「本当に、それでいいんですか?リナさん」
「決心も覚悟もないうちにこんなこと言うほど馬鹿じゃないわよ」
ゼロスの顔が、笑顔のまま沈む。
その様子を見て、リナは得たり、と笑った。
「―――契約しましょ、ゼロス」



リナの契約が、今実行される。
最後の景色は雨の中、雲の合間からわずかに射す太陽の光。緑豊かな木々が風に揺れている。
風と共に、水と共に、空と共に。貴方と共に行こう。再び自由に旅に出よう。
リナは目を閉じた。
さよなら、この世の人々。

「母さん?!」
ラクナとルナが家についた時には、すでにリナは息を引き取っていた。
安らかな笑みは、何事にも満足そうだった。
「どうして、リナの身体が残っているの?」
ルナが部屋の奥を見れば、ゼロスが立っている。
おや、僕に気付いてらしたんですか?と、とぼけるゼロスをルナは軽く睨んだ。
やれやれ、と首を振る。
「賢者の石が全ての要因でしたからね・・・・・・からだの内部は賢者の石を破壊したときにずいぶんとめちゃくちゃになっちゃいましたけど、何とか外側だけでも残ったし・・・・・・自然に還してあげてください」
「自然に還す?魔族らしかぬ行動ね」
「何よりもリナさんが望んでいた事ですから。知ってました?魔族って人間にも恋をするんですよ?」
「鳥肌が立つような事言わないでくれる?」
うっすらといつもの笑みを残して、ゼロスは消えた。
ルナが空を見上げる。
雨は上がりかけ、青空が出てきている。
この二人が、無事ともに混沌へとたどり着けますように。

「しっかしま、もったいないことしたよなーお前も」
「なによ」
「永遠の命だって。俺欲しい」
「あのさ、人間って限りあってこそだと思わない?永遠があったらそこらの魔族と一緒じゃない」
「そんなもんか?」
「そんなもんよ」
「じゃ、いきますか・・・・・・えっと、ローなんとかかんとかとか言う人のところへ」
「ロードオブ・ナイトメア!いいかげん覚えなさいよねっ、たくもー」



“ラクナ、人間はやっぱり限りが一番なのよ。あんたもほどほどに生きなさいよ。待ってるから!”




                 ◇◆◇◆◇◆◇

こんばんは。春祭です。
ああ、そろそろ春じゃなくなってきたなーと思いつつ、まだ長袖にブレザーで頑張って汗流してます。

さて今回「例えばこんな終わり方」で、ガウリナを書いてくれといわれたので書いてみました。
只でさえガウリナ苦手なので、かなりしっくりとこないきが・・・・・・
でもそこは笑って許してちょv (え?すまない?)

では、短いですがこれにて。
また会えることを祈って。
 春祭あられ



トップに戻る
20976おおっ!?羅琴みつき 2002/6/4 22:28:48
記事番号20940へのコメント

こんなタイトルで初めといて、実は投稿されたその日に読んでいました(死)。
ごめむなさいごめむなさい……

その上短くてごめむなさい……

さてそれで!!
真面目にハッピーな終わりのガウリナ!そんな御素敵な話の中、私的ツボヒットは↓

>「何よりもリナさんが望んでいた事ですから。知ってました?魔族って人間にも恋をするんですよ?」
>「鳥肌が立つような事言わないでくれる?」
………………え。ダメ?(おずおず)
あたしってば結構ゼロリナ好きかもしれません。一時期はまってましたけどね。

流れとしてはこんな感じなんですよ↓
ガウリナ→ゼロリナ→ゼルリナ→マイナー→リナ至上主義

…………何か偏ってる(今更)。最新ではアメリナとか好きになりました。爽やかに(当たり前)。

うわあ。いつのまにかカップリング論になってますが、とにかくここは良かったです。
恋をした相手を殺すための契約……くうぅ!!切なっ!ゼロぽんサイドとか書く気ありません(まて)?
このあとのお姉様とかもすごくいいです。

もちろんガウが脳内出血で死ぬってのもツボでしたが(まて)。


催促しといてまともな感想も書かずにごめむなさい(こればっか)。
そして何のフォローもないまま退散………

トップに戻る
21023Re:おおっ!?春祭あられ E-mail 2002/6/16 22:36:26
記事番号20976へのコメント

羅琴みつきさんは No.20976「おおっ!?」で書きました。
>
こんばんみょ。

>こんなタイトルで初めといて、実は投稿されたその日に読んでいました(死)。
>ごめむなさいごめむなさい……
いえいえ(笑)

>その上短くてごめむなさい……
いえいえ(苦笑)

>さてそれで!!
>真面目にハッピーな終わりのガウリナ!そんな御素敵な話の中、私的ツボヒットは↓
>
>>「何よりもリナさんが望んでいた事ですから。知ってました?魔族って人間にも恋をするんですよ?」
>>「鳥肌が立つような事言わないでくれる?」
>………………え。ダメ?(おずおず)
いや、私はいいんですけど。だってゼロリナ書いてるし。

>あたしってば結構ゼロリナ好きかもしれません。一時期はまってましたけどね。
やっぱいいよね。ゼロリナ。
ゼロリナだけのでっかいホームページもあるくらいだし。検索したらすぐに出てくる。(笑)

>流れとしてはこんな感じなんですよ↓
>ガウリナ→ゼロリナ→ゼルリナ→マイナー→リナ至上主義
至上・・・・・

>…………何か偏ってる(今更)。最新ではアメリナとか好きになりました。爽やかに(当たり前)。
アメ・・・ッ?!

>うわあ。いつのまにかカップリング論になってますが、とにかくここは良かったです。
>恋をした相手を殺すための契約……くうぅ!!切なっ!ゼロぽんサイドとか書く気ありません(まて)?
今ちと忙しいので、気が向いたらまた今度ということで。ごめんちょ。

>このあとのお姉様とかもすごくいいです。
ルナ姉って、本当のところどんな性格なんだろう。一度もお目見えしたこと無いからかなり想像なんだよねぇ・・・・・・
会っても嫌だけど。

>もちろんガウが脳内出血で死ぬってのもツボでしたが(まて)。
彼の死因が思いつかなかっただけなのね。(苦笑)
だってそう簡単に死にそうに無いじゃん。
だから、なったら必ず死ぬ物を思いついてすぐに書いたのです。
他にも思いつきました。
心不全。
何処のお年寄りだよ。(笑)
心筋梗塞
・・・・・・同じだな。
やはり脳内出血が一番かと。

>催促しといてまともな感想も書かずにごめむなさい(こればっか)。
>そして何のフォローもないまま退散………
こっちも返事遅くなってごめんねー。
であ。

 春祭あられ