◆−夏のある日。−春祭あられ (2002/7/9 19:39:09) No.21160


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21160夏のある日。春祭あられ E-mail URL2002/7/9 19:39:09


今回は、わけのわからないオリジナルを書いてみました。
書いた本人も、結局何が言いたかったんだか良く分かりません。(汗)
そういうわけで、覚悟のある方だけどうぞお読みくださいませ・・・・・・


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人を信じたって、それは単なる自己満足だって事、知ってますから。









夏のある日。










陽射しが燦々と照りつける。アスファルトが熱を反射して揺らいでいる。
延々と同じ声で繰り返す蝉の声。誰も通らない道。青々と繁っている木。
どこかで風鈴がちりんと鳴いた。
人のざわめきが、遠くに聞こえた。
そんな午後。
私は見てた。ただ、見つめることだけ。
校庭には人が元気に、けれども苦しそうに、騒いでいる。
あつい。
誰かの口が、そう呟いた。
教室の先生が教科書を読み上げている。とりあえず、今生きていくのにはあまり必要としない数式を、汗をかきながら読み上げて、黒板に書き写していく音。
カリカリと、それをノートに写していく音。
パタパタと、下敷きやうちわで扇ぐ音。
空が青い。積乱雲が高くそびえている丘の向こう。
ただ、疲れて目を閉じた。

夏だった。







「それで、駿河はどーすんの?」
ふいに。
後ろからかけられた言葉に、私は目を覚ました。
「ちょっと起きてた?また目を開けながら寝てた?」
そばかすを残した顔が私の顔を覗き込む。
ああ、私はいつの間に目を開けていたんだろう。
「どうしたの?」
「やっぱ寝てたんだ。今度の土曜に花火大会あんじゃん。駿河は誰と行くの?」
「花火大会・・・・・・あったんだそんなの」
「夏の特大イベントじゃない。毎年恋人と盛り上がろう!!って男女が騒ぎ出す・・・」
妙に力説するその子に、私は少し呆れた。
「悪いけど興味ないから」
そう言うと、その子は駿河らしいわね。といった。

そういえば、この子は誰だったかしら。
知ってるけど、名前が思い出せなかった。






蝉の音だけが、そこにあった。
静まり返った住宅街。
アスファルトの反射する熱が、湿気が、さらなる汗を呼んで滴り落ちていく。気持ちが悪い。
駄菓子屋のおばちゃんは、奥で涼んでいた。
「このガリガリ君頂戴」
「あーこちゃんかい?それだったら持ってって良いよ。おごりだ」
「ありがと。ここで食べてっても良い?」
「だったら奥に来るかい?涼しいよ」
「ううん。いいや、ここで良い」
ぺりっと、音をたてながら袋を破った。ひんやりとした空気が、流れ出す。
そのまま、それをかじった。
あたりが出たら、次どの味食べようかな、なんて思いながら。






家に帰っても、誰もいないことは予想済みだった。
誰もいない午後。
電気のついていない部屋。
カーテンの閉まっている窓。
冷蔵庫だけが動いている音。
私だけの世界。唯一の場所。
ひんやりとした床。寝転ぶ。
心地好かった。






いつの間に眠っていたのか、チャイムの音がした。
時計を見ると、電池が切れているのか1時32分をさして止まってる。
仕方なく携帯を見ながら受話器を取った。
「どちら様?」
もう、5時をまわっている。
「俺、浩介」
知っている人間だったのでドアの鍵を開ける。
今日、来る約束だったのを思い出した。
「なんだ、まだ制服でいんの?着替えてきたら?」
「冷蔵庫のお茶飲んでていいですから。待ってて下さい」
「はいはい」
苦笑する相手は、そのままリビングに入っていった。
私はそのまま私服に着替えた。
そうしたら、リビングに行って相手に言われた。
ちょっとは人のことも考えたら?男と二人っきりなのに警戒心がなさ過ぎるよ、と。
「見たければ見ればいいんです。それが何の意味があるのだか知らないけど」
本心を言ったつもりだった。
そうしたら、相手は私を押し倒していった。
「藍子は、いまだに人を信じられないわけ?」
「人を信じたって、それは単なる自己満足だって事、知ってますから」
相手の顔が、かすかにゆがむ。
そうして、その日母が帰ってくるまで、お互いに黙って、何も言わずに、過ごした。
クーラーの音。
座るソファのきしむ音。
読んでいた本をめくる音。
カーテンの隙間から入る光が、消えていった。
それだけの時間。
相手は、帰り際に私に言った。
「人には、感情があるんだってこと、信じろよ」




否定してるわけではない、と。心の中で言った。






次の日、携帯のメールに相手からのがあった。
“土曜日空けておくように”
忘れそうだと、少し思った。





人に感情が無いわけではない。
私に感情が無いのだということを知っている。
だから人との関わり合いに信用はいらない。
信用は単なるエゴを生むだけに過ぎないことを知っている。
それだけのこと。

それだけのこと。





土曜日は、やはり定番に浴衣を着るべきなのだろうかと。
少し迷った。




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ね、わけ分からなかったでしょう。
ちなみに主人公は駿河藍子という名前です。
相手の名前は浩介です。
他にも2名ほど人が出てきましたが、かわいそうに、藍子ちゃんに名前覚えてもらえてません。
頑張りましょう、御二方。

最近、わけのわからないものを書くのが増えてきているのは、何かの病気なのだろうか・・・・・・
それとも、もう脳が暑さにやられてとろとろのヨーグルトにでもなっているのだろうかとちょっと悩みつつ。
はたまた期末テストがほとんど赤点ギリギリなのがショックなのかとか・・・・・・
いろいろと考え中。

それではまた皆様に会えることを祈って。
 春祭あられ