◆−彼方の血脈 其の2−棒太郎 (2002/7/10 00:04:12) No.21164
 ┣インバース家、ついに、世界を敵にまわす!?(まて!)−かお (2002/7/10 10:10:01) No.21167
 ┃┗Re:インバース家、ついに、世界を敵にまわす!?(まて!)−棒太郎 (2002/7/10 17:28:16) No.21169
 ┗彼方の血脈 其の3−棒太郎 (2002/7/13 23:41:06) No.21203


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21164彼方の血脈 其の2棒太郎 2002/7/10 00:04:12


お久しぶりです。
前に書いて放りっぱなしになってる話の続きです。
憶えてるひといるかな〜?

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

『彼方の血脈』 其の2

「こーいーびとーよー♪ぼくはーたーびだーつー♪ひがーしへーとー―――」
生い茂った森の中を歌声が響く。
森の小径を軽快に走る小さな荷馬車を操る男のものだった。
獅子のたてがみを思わせるような豊かな白い髪を持ち、顔には相応の皺が刻まれている。
しかし老人と呼ぶには似つかわしくないほどの、がっしりとした体つきと若々しい活力の持ち主だった。
「いいえ〜、あなた〜♪わたしは〜ほしいものはないのよ〜♪」
続いて女性の歌声が響く。
男の隣に熟年のおっとりとした雰囲気の女性が座っていた。
顔に幾分皺が刻まれているが、それがまた円熟した美しさを醸し出していた。
「もうすぐゼフィーリアか。」
「そうですわね。」
男の言葉に女性がやわらかな声で答えた。
「それにしてもルナやリナに会うのも5年ぶりになるか。ファルネーゼ?」
「はい。わたしたちが旅に出たのがそれくらいですから。」
ファルネーゼと呼ばれた女性は、にっこりと微笑む。
「そうかそうか。そんなになるんなら、もう随分大きくなってるな〜。」
「そうですわね。リナも旅でいろいろな経験をしたようですし、もう立派なレディですわ。」
「はっはっは、インバース家の家訓だからな。”子どもがイイ歳になったら世界を見てこさせろ”っていうのは。」
「うふふ。それに何やら殿方を伴っての帰郷のようですし。」
「それもインバース家の血筋だな。俺もお前を連れてきたのはその旅でだったな。」
「はい。」
当時のことを思い出したのか、ファルネーゼの頬が薄っすらと紅くなる。
「はっはっは、楽しみだな。近いうちにひ孫の顔が見られるかも知れんな。」
そう言って笑っていると、不意に遠くから強大な魔力の波動の余波が流れてきた。
「ん?」
「あら、これは・・・・・」
それに気づき、流れてきた方角に目を向ける。
「あらあら、フィルアったら派手にやったようですわ。」
のほほんとファルネーゼは、その場で見ているかのように言う。
「あいつが暴れるなんて久しぶりだな。」
「相手は黄金竜のようですわ。あなた。」
「な〜るほど。リナのことでか。」
「たかだか魔王の欠片ひとつで大層なことですわね。」
「まあでも、これからが面白くなるだろうな。おそらく魔族も動き出しているだろうからな。」
「あの子がルナとリナに継承の儀をさせようとしているのもそのためでしょうか?」
「ま、それもあるだろう。けど『リア=マルガレーテ=インバース』と『ドクトル・ファウスト』の名を受け継ぐにふさわしいだけの力を十分身につけたとみたからだろう。」
男はニヤリと笑みを浮かべる。
「それで、十二代目『リア=マルガレーテ=インバース』、ベルベイン=インバースが呼ばれた理由は?」
「フィルアのやつ・・・・・一族あげて神族と魔族相手に喧嘩をやらかすのかもな。」
「あらあら。」
ファルネーゼも楽しそうに笑う。
「十二代目ファウストもゼフィーリアに向かっているだろうしな。まあ着いてからのお楽しみだな。」
そうして馬車はゼフィーリアの地へと入っていった。
嵐の前の静けさをともに引き連れて。

----------------------------------------------------------------------
あんまし話すすんでませんね。反省。
それでは次はちゃんとすすめたいと思います。

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21167インバース家、ついに、世界を敵にまわす!?(まて!)かお E-mail URL2002/7/10 10:10:01
記事番号21164へのコメント

棒太郎さんは No.21164「彼方の血脈 其の2」で書きました。
>
>お久しぶりです。
こんにちわ♪
棒太郎さん♪
>前に書いて放りっぱなしになってる話の続きです。
>憶えてるひといるかな〜?
>
はいぃぃぃい♪まってました♪
>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>
>『彼方の血脈』 其の2
>
>「こーいーびとーよー♪ぼくはーたーびだーつー♪ひがーしへーとー―――」
>生い茂った森の中を歌声が響く。
>森の小径を軽快に走る小さな荷馬車を操る男のものだった。
>獅子のたてがみを思わせるような豊かな白い髪を持ち、顔には相応の皺が刻まれている。
>しかし老人と呼ぶには似つかわしくないほどの、がっしりとした体つきと若々しい活力の持ち主だった。
>「いいえ〜、あなた〜♪わたしは〜ほしいものはないのよ〜♪」
>続いて女性の歌声が響く。
>男の隣に熟年のおっとりとした雰囲気の女性が座っていた。
>顔に幾分皺が刻まれているが、それがまた円熟した美しさを醸し出していた。
>「もうすぐゼフィーリアか。」
>「そうですわね。」
>男の言葉に女性がやわらかな声で答えた。
・・・・だぁれ?
>「それにしてもルナやリナに会うのも5年ぶりになるか。ファルネーゼ?」
>「はい。わたしたちが旅に出たのがそれくらいですから。」
>ファルネーゼと呼ばれた女性は、にっこりと微笑む。
>「そうかそうか。そんなになるんなら、もう随分大きくなってるな〜。」
>「そうですわね。リナも旅でいろいろな経験をしたようですし、もう立派なレディですわ。」
>「はっはっは、インバース家の家訓だからな。”子どもがイイ歳になったら世界を見てこさせろ”っていうのは。」
>「うふふ。それに何やら殿方を伴っての帰郷のようですし。」
>「それもインバース家の血筋だな。俺もお前を連れてきたのはその旅でだったな。」
>「はい。」
>当時のことを思い出したのか、ファルネーゼの頬が薄っすらと紅くなる。
>「はっはっは、楽しみだな。近いうちにひ孫の顔が見られるかも知れんな。」
とゆーことは、リナ達のお爺さん!?
>そう言って笑っていると、不意に遠くから強大な魔力の波動の余波が流れてきた。
>「ん?」
>「あら、これは・・・・・」
>それに気づき、流れてきた方角に目を向ける。
>「あらあら、フィルアったら派手にやったようですわ。」
>のほほんとファルネーゼは、その場で見ているかのように言う。
>「あいつが暴れるなんて久しぶりだな。」
>「相手は黄金竜のようですわ。あなた。」
>「な〜るほど。リナのことでか。」
>「たかだか魔王の欠片ひとつで大層なことですわね。」
・・・・感覚が麻痺してくるな・・・。
ま、ゼフィーリアの人間だし・・・。
インバースの血筋だし・・・(汗)
>「まあでも、これからが面白くなるだろうな。おそらく魔族も動き出しているだろうからな。」
とゆーか、ルナがいる時点で、腹心は、かなわないのでは!?
それに、リナの母も祖父たちも、これでは・・(汗)
>「あの子がルナとリナに継承の儀をさせようとしているのもそのためでしょうか?」
>「ま、それもあるだろう。けど『リア=マルガレーテ=インバース』と『ドクトル・ファウスト』の名を受け継ぐにふさわしいだけの力を十分身につけたとみたからだろう。」
>男はニヤリと笑みを浮かべる。
>「それで、十二代目『リア=マルガレーテ=インバース』、ベルベイン=インバースが呼ばれた理由は?」
>「フィルアのやつ・・・・・一族あげて神族と魔族相手に喧嘩をやらかすのかもな。」
>「あらあら。」
>ファルネーゼも楽しそうに笑う。
・・・・・楽しんでます!?(滝汗)
喧嘩って・・・・。
くれぐれも、全てを滅ぼさないようにしてくださいよぉ・・・・(涙)
彼らの実力なら、全て排除するのは、たやすいだろうし・・・(汗)
>「十二代目ファウストもゼフィーリアに向かっているだろうしな。まあ着いてからのお楽しみだな。」
十二代目は、だぁれ?(素朴な疑問・・)
>そうして馬車はゼフィーリアの地へと入っていった。
>嵐の前の静けさをともに引き連れて。
本当に、嵐がきそうな予感・・(汗)
ガウリイ、リナを守ってね(はあと)
エル様・・出てきたりして・・・・(はあと)
>
>----------------------------------------------------------------------
>あんまし話すすんでませんね。反省。
>それでは次はちゃんとすすめたいと思います。
ふふふふ♪続き♪
続き、楽しみにまってます♪
それでは、短い感想ですが、感想になってない感想まで♪
では♪
>

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21169Re:インバース家、ついに、世界を敵にまわす!?(まて!)棒太郎 2002/7/10 17:28:16
記事番号21167へのコメント

かおさんは No.21167「インバース家、ついに、世界を敵にまわす!?(まて!)」で書きました。
>
>棒太郎さんは No.21164「彼方の血脈 其の2」で書きました。
>>
>>お久しぶりです。
>こんにちわ♪
>棒太郎さん♪

どうもお久しぶりです。ご無沙汰しててすみません。

>>前に書いて放りっぱなしになってる話の続きです。
>>憶えてるひといるかな〜?
>>
>はいぃぃぃい♪まってました♪
そう言ってもらえるとうれしいです。
>>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>>
>>『彼方の血脈』 其の2
>>
>>「こーいーびとーよー♪ぼくはーたーびだーつー♪ひがーしへーとー―――」
>>生い茂った森の中を歌声が響く。
>>森の小径を軽快に走る小さな荷馬車を操る男のものだった。
>>獅子のたてがみを思わせるような豊かな白い髪を持ち、顔には相応の皺が刻まれている。
>>しかし老人と呼ぶには似つかわしくないほどの、がっしりとした体つきと若々しい活力の持ち主だった。
>>「いいえ〜、あなた〜♪わたしは〜ほしいものはないのよ〜♪」
>>続いて女性の歌声が響く。
>>男の隣に熟年のおっとりとした雰囲気の女性が座っていた。
>>顔に幾分皺が刻まれているが、それがまた円熟した美しさを醸し出していた。
>>「もうすぐゼフィーリアか。」
>>「そうですわね。」
>>男の言葉に女性がやわらかな声で答えた。
>・・・・だぁれ?
>>「それにしてもルナやリナに会うのも5年ぶりになるか。ファルネーゼ?」
>>「はい。わたしたちが旅に出たのがそれくらいですから。」
>>ファルネーゼと呼ばれた女性は、にっこりと微笑む。
>>「そうかそうか。そんなになるんなら、もう随分大きくなってるな〜。」
>>「そうですわね。リナも旅でいろいろな経験をしたようですし、もう立派なレディですわ。」
>>「はっはっは、インバース家の家訓だからな。”子どもがイイ歳になったら世界を見てこさせろ”っていうのは。」
>>「うふふ。それに何やら殿方を伴っての帰郷のようですし。」
>>「それもインバース家の血筋だな。俺もお前を連れてきたのはその旅でだったな。」
>>「はい。」
>>当時のことを思い出したのか、ファルネーゼの頬が薄っすらと紅くなる。
>>「はっはっは、楽しみだな。近いうちにひ孫の顔が見られるかも知れんな。」
>とゆーことは、リナ達のお爺さん!?
イエース、ザッツライト!

>>そう言って笑っていると、不意に遠くから強大な魔力の波動の余波が流れてきた。
>>「ん?」
>>「あら、これは・・・・・」
>>それに気づき、流れてきた方角に目を向ける。
>>「あらあら、フィルアったら派手にやったようですわ。」
>>のほほんとファルネーゼは、その場で見ているかのように言う。
>>「あいつが暴れるなんて久しぶりだな。」
>>「相手は黄金竜のようですわ。あなた。」
>>「な〜るほど。リナのことでか。」
>>「たかだか魔王の欠片ひとつで大層なことですわね。」
>・・・・感覚が麻痺してくるな・・・。
>ま、ゼフィーリアの人間だし・・・。
>インバースの血筋だし・・・(汗)

この人たちにとっては魔王の欠片なんぞなんともないんです。
それだけ凄い人たち(ある意味変人)なんです。

>>「まあでも、これからが面白くなるだろうな。おそらく魔族も動き出しているだろうからな。」
>とゆーか、ルナがいる時点で、腹心は、かなわないのでは!?
>それに、リナの母も祖父たちも、これでは・・(汗)

なはは。まあ、魔王四人集まってもど突き倒されるでしょうな。

>>「あの子がルナとリナに継承の儀をさせようとしているのもそのためでしょうか?」
>>「ま、それもあるだろう。けど『リア=マルガレーテ=インバース』と『ドクトル・ファウスト』の名を受け継ぐにふさわしいだけの力を十分身につけたとみたからだろう。」
>>男はニヤリと笑みを浮かべる。
>>「それで、十二代目『リア=マルガレーテ=インバース』、ベルベイン=インバースが呼ばれた理由は?」
>>「フィルアのやつ・・・・・一族あげて神族と魔族相手に喧嘩をやらかすのかもな。」
>>「あらあら。」
>>ファルネーゼも楽しそうに笑う。
>・・・・・楽しんでます!?(滝汗)

楽しんでます。(きっぱり)

>喧嘩って・・・・。
>くれぐれも、全てを滅ぼさないようにしてくださいよぉ・・・・(涙)
>彼らの実力なら、全て排除するのは、たやすいだろうし・・・(汗)
>>「十二代目ファウストもゼフィーリアに向かっているだろうしな。まあ着いてからのお楽しみだな。」
>十二代目は、だぁれ?(素朴な疑問・・)

次あたりに出てきます。

>>そうして馬車はゼフィーリアの地へと入っていった。
>>嵐の前の静けさをともに引き連れて。
>本当に、嵐がきそうな予感・・(汗)
>ガウリイ、リナを守ってね(はあと)
>エル様・・出てきたりして・・・・(はあと)

エル様か・・・(にやり)
あと邪神たちも・・・・・・
>>
>>----------------------------------------------------------------------
>>あんまし話すすんでませんね。反省。
>>それでは次はちゃんとすすめたいと思います。
>ふふふふ♪続き♪
>続き、楽しみにまってます♪

頑張ります!

>それでは、短い感想ですが、感想になってない感想まで♪
>では♪
>>
>

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21203彼方の血脈 其の3棒太郎 2002/7/13 23:41:06
記事番号21164へのコメント

どうも、棒太郎です。
なんか話が膨らんできてどうしようとうろたえております。
でもまあ、書いてきゃどうにかなるでしょう。(←超楽天的)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『彼方の血脈』 其の3

「リアランサー・・・・・ここか。」
ゼフィーリアにある名物レストラン、リアランサーの前に異様な風体の男が立っていた。
背中には布にくるんだ大剣を背負っている。
「この地の赤の竜神の騎士の力、どれほどのものか・・・」

「店長、ちょっと私用で10分ほど出てもいいですか?」
肩まで伸びた青い髪に紅の瞳、彼女はリアランサーの名物ウェイトレスである。
「ああ、ルナちゃん。かまわないよ。」
「ありがとございます。では。」
そう言って店の外へ出て行くルナ。
ルナ=インバース。
彼女こそ、あのリナ=インバースの姉にして、赤の竜神の力と魂を宿す赤の竜神の騎士(スィーフィードナイト)である。
「あんたね、さっきからチリチリと殺気をぶつけてきてたのは。」
ルナは目の前に立つ男に忌々しげに言い放つ。
男は法衣を思わせる紅のコートを身に纏っている。
「はじめまして、だな。ルナ=インバース。俺はヴェルディオス=グレンディル=ロクサード。お前と同じスィーフィードナイトさ。」
「あんたの名は聞いてるわ。外の世界じゃ結構有名なようね。」
「お前とは違うからな。」
皮肉を込めた笑みを浮かべるヴェルディオス。
「スィーフィードの力を宿していながら、何故お前は動かない?魔族どもは魔王の復活、そして世界の滅びを推し進めんと暗躍している。それを知りながら何故傍観している。」
「そんなに不満?わたしが動かないことが?」
「光を護り、魔を殲滅する。それが俺たちスィーフィードナイトの使命のはずだ。」
「・・・・・・・・・・」
「何故動かん。ルナ=インバース。」
「・・・・・自分の運命は自分で決める。他人に決められたくはないわ。」
ルナの言葉にヴェルディオスはスッと目を細める。
そして背中の大剣を手にする。
「スィーフィードナイトの面汚しが。その力お前には必要ない、俺が貰い受ける。」
身を構えるルナの手にも剣が現れる。
「やれるもんならやってみなさい。」

凄まじい攻防が続いた。
ルナとヴェルディオス、お互いに一歩も譲らず剣を打ち合う。
(流石にやるわね。でもこれぐらいならわけないわ。)
徐々にルナの剣がヴェルディオスの剣を押してゆく。
だがヴェルディオスの顔には不敵な笑みが浮かんでいた。
数十合打ち合い、ルナの剣がヴェルディオスの剣を撥ね上げた。
そのままルナの剣がヴェルディオスの身を貫く―
かに見えたとき、
「!?」
ルナの左肩が鮮血を吹き上げた。
「秘剣影法師。」
ヴェルディオスの声が響く。
見るとヴェルディオスは剣を撥ね上げられているが、ヴェルディオスの影がルナの影に剣を突き立てていた。
「影の刃で影を斬ることにより、実体をも斬る剣。いかにお前とて防ぎきれまい。」
「・・・わたしとしたことが・・油断したわ。」
呟くルナの影を、ヴェルディオスの影から伸びた影の剣が、何本も取り巻いていた。
「これで終わりだ。」
影の刃が一斉に襲いかかろうとしたとき、
「そうはいかんわね。」
声とともに飛んできた針が、影の刃の上に突き刺さり、縫いとめた。
「なにっ!?」
「あんたね〜〜、うちの可愛い姫ちゃんになにさらしてくれてんのよ。」
シックな黒のドレスを身につけた女性が現れた。
「何者だ・・・?」
「大叔母さま!?」
「はぁい、ルナ。お久しぶり〜♪」
女性はルナに向かって陽気に挨拶する。
「身内の者か。邪魔立てすればお前も容赦はせんぞ。」
ヴェルディオスの言葉に、何寝ぼけたこと言ってんの、このスカポンタンという顔を向ける。
「はっ、私が誰だか知らないのね。無知って怖いわねぇ。」
そう言ってパチンッと指を鳴らす。
その瞬間、ヴェルディオスを中心とした空間が大きく歪みはじめる。
「何っ!?」
「天地崩壊。」
その言葉とともに、突如歪んだ空間が砕け散り、次々と亜空間に呑み込まれていく。
「お、お前はいったい――」
「十二代目『ドクトル・ファウスト』、セリシア=インバース。」
セリシアはにっこり笑う。
「あんた、面白そうだから生かしといてあげるわ。いずれまたうちの姫ちゃんがお礼参りに行くからね。」
亜空間に消えていったヴェルディオスに言葉をかける。
「大叔母さま。いったいどうして・・・」
「にょっほほ〜、フィルアに呼ばれてね。久し振りの里帰りよ。」
ルナの傷を、手を触れただけで瞬時に完治させる。
「ベルベイン兄さんやファルネーゼ義姉さんもこっちに来てるし。ルナ、あなたいよいよ継承の儀を受けるようよ。」
その言葉にルナはやや顔をこわばらせる。
「でもその前に今日はドンチャン騒ぎよっ!」
最低でも3日間はブッ通しだなと思うルナであった。