◆−ある宿から事は始まった 1−萌芽 (2002/8/10 14:11:52) No.21381
 ┣初めまして♪−まい (2002/8/11 18:41:21) No.21388
 ┣はじめましてv−らん (2002/8/11 19:58:30) No.21390
 ┗ある宿から事は始まった 2−萌芽 (2002/8/12 12:03:50) No.21395
  ┣ある宿から事は始まった 2 の訂正−萌芽 (2002/8/18 17:41:05) NEW No.21459
  ┗ある宿から事は始まった 2 の訂正−萌芽 (2002/8/18 17:41:47) NEW No.21460


トップに戻る
21381ある宿から事は始まった 1萌芽 E-mail 2002/8/10 14:11:52


 こんにちは、というかはじめまして。萌芽(ほうが)といいます。
 題名は「ある宿から事は始まった」なんぞとありますが、そんなたいそうなもんじゃありません。ある程度の(期待はずれの)覚悟をお願いします。
 では、初執筆にして初投稿の文をどうぞ!


====================================



 あたし、可憐な少女にして天才魔道士のリナ=インバースは、いつものメンバーと共に旅をしていた。
いつものメンバーというのは、黙っていれば一国の王子、剣は超一流。口を開けばボロが出る、頭はクラゲ並みのガウリイ。
英雄伝承歌(ヒロイック・サーガ)オタク、正義と高い所が好きな聖王国セイルーンの第2王女アメリア。
五賢者の1人であった盲目の赤法師レゾによって合成獣(キメラ)にされ、つい先日人間の姿に戻ったゼルガディス。
 以上の3人とあたしは決して大きくはない町の宿を取る事にした。
 理由はふたつある。
1つは、ここ何日も野宿でいたため、「どこでもいい」と満場一致で決まったから。
もう1つは、ここしか(上手い飯が食べれる)食堂が無いから!

「こら、ガウリイっ!そのエビチリはあたしのもんよ!!」
「リナこそ、俺のロールキャベツとるな!」
「このロールちゃんはあたしに食べてほしいって言ってるのよ。クラゲには食べてほしくないっても言ってるわ!」
「ていっ、スキアリ!!」
「あ―――っ、あたしの鳥ちゃんが――!!許せん!!
 あ、おじさ〜ん。ステーキセット2人分追加ね――!!」

あたしとガウリイの争奪戦はまだ始まったばかり。

「あ、ゼルガディスさん。このお魚の煮込み、美味しいですよ。」
「あぁ、本当だ。アメリア、いい所がとれたな。」
「はい、良かったです!」

――ったく、あんたらはどこぞの仲良しカップルか…ι
あっ、気を取られていたスキに卵焼きが1つない!!
不覚!
ガウリイめ…、この借りは必ず果たす!!


「ん〜〜っ、満足満足。それに、シングルなんて久しぶりだわ。」

ガウリイとの争奪戦に勝利し、お腹の方も満足している。
――卵焼きちゃんを5つのうち、3つ取られたのが悔しかったが……。

「これで、疲れも吹っ飛びますね!」

本当に疲れているのかと1回問いただしてみたい。

「ふぁ〜〜〜っ。」

こっちはハンサムも台無しの大アクビだよ。

「リナ、部屋は全員シングルだよな。」

と、広げた手のひらを見ながら、問うゼル。

「そうよ?なんで?」

何を聞くんじゃ、こやつは。
ロビーのところで聞いていたじゃないか…。


「いや、さっきもらった鍵が3つしかないんだが……。」


「「「はっ!?」」」


――なんですと!?

あの〜クソオヤジ〜〜!!
『シングル4つ、空いてるよ。』とか言っておきながら、3つしかないだと!?
この、美少女天才道士リナちゃんを騙すとは…。

……許せん、(実力行使の)抗議せにゃ…。

と心の中で怒り狂っていると、アメリアが、


「あれ?これ、シングルが2つとツインですよ?」


「「「はっ!?」」」

――と、いうことは……
「んじゃ、ガウリイとゼルが同室ね。」


「「はっ!?」」


予想通り、男2人は情けない声を出してきた。

「まさか、この可憐でか弱い女の子を一部屋に押し込むなんて事、しないわよね〜?」

口の中で、カオス・ワーズを紡ぎ始める。

――黄昏よりも暗き存在、血の流れより紅き存在、時の流れに埋もれし…

ご存知の通り、ドラスレvv
おや?ゼルが、一歩後ずさった。
ちっ、気付いたか…。
けど、ちゃんと認めるまで止めない♪(ワオッ!リナちゃん、過激vv)

「いいぜ、俺達ツインで。」

声の主は顔はハンサム、中身はクラゲのガウリイ。
てっきり、話の内容が分からないと思っていたが、

……成長したんだ…。(←失礼)


「さ、リナがぶっ放す前に行こうぜ。」
と、アメリアからツインの鍵をもらい、ゼルの首に腕を巻きつけ部屋に入っていった。



最後の1個が、徐々に丸みを帯び、護符付きの宝石になる。
「っおし、終わり!さて、寝よ。」
いつもどおり、盗賊いじめ(あぁ、なんて甘美なひ・び・きvv)で獲得した宝石の修理をして、今それが終わったところ。
布団に潜り込み、明日、何処で売ろうと考えてると、


コンコン


「だ〜れ〜??」
「私です、アメリアです。」
隣の部屋−ガウリイとゼルの部屋と私の部屋の間−にいるはずのアメリアが訪ねてきたのだ。

――ったく、なんで今頃。

寝ようとしていた所を止められたので不機嫌きまわり無いが、訪ねて来た相手を追い返すようなことはしない。
仕方なく、ドアを開けると


 ドダダダダ―――――ッ


となだれ込むようにアメリアが入ってきた。
真っ赤な顔して、大きな瞳をうるわせて。

「こっ、ここで寝てもいいですか??」
「………はっ?」
「だ、だから、ここで寝てもいいですか?」
「部屋になんか居たの?」
「あ、へ、部屋には行かないほうがいいです!」

行くなと言われて、行かないリナちゃんではない。
腰にしがみつき、必死に訴えるアメリアを引きずりながら、ドアの前に来た。
万が一のために火炎球(ファイヤーボール)を唱えておく。

……別に、さっきの収穫が少なかった怒りをぶつける為ではない。
                            ………信じて。

ドアをゆっくりと開け、足を踏み入れ、左右を見渡す。
が、何も無い。

「……?何も無いじゃん。」
「え、あ、あれ?」
「……ちょっと待ってて。」

アメリアにそう言い残し、窓の方へ近づく。
窓を開け、呪文を唱えて一発。


「火炎球(ファイヤーボール)!!!」


ドッゴ―――――ン


っおし、絶好調!
これなら、明日もバッチシだ。
…あ、ドアのところでアメリアが固まってる。
けど、気にしない気にしない。

「さ、アメリア。寝よっか?」
「え、あ。はい!」


「オヤスミ、アメリア。」
「おやすみなさい、リナ。」

こうして、夜は更けていく。

だが、あたしのエルフ並みの耳は、音を捉えていた。
ガウリイ達の部屋からの3つの音。
途切れ途切れで、熱を持っているようなゼルの声。
落ち着いた、ガウリイの声。
ゼルが声を発するたびに軋む、ベットの音。

…………

…そーいや、ゼルにガウリイの寝相の悪さ、言ってなかったっけ。
そんな事を思いつつ、あたしは眠りの淵に落ちていった。

トップに戻る
21388初めまして♪まい E-mail URL2002/8/11 18:41:21
記事番号21381へのコメント

萌芽さんは No.21381「ある宿から事は始まった 1」で書きました。
>

 初めまして♪萌芽さんっ♪まいと申しますvv
 最後の一文が何となく怪しかったのでレスをさせてもらいます♪(私の方が怪しい)
 暇つぶしの相手からとごっちゃ混ぜ?!〜誰が誰やら〜を書かせて頂いてます♪暇つぶしに見てください♪

> あたし、可憐な少女にして天才魔道士のリナ=インバースは、いつものメンバーと共に旅をしていた。
>いつものメンバーというのは、黙っていれば一国の王子、剣は超一流。口を開けばボロが出る、頭はクラゲ並みのガウリイ。

 ををを!!ナイスな言い方!!頭の中はクラゲでいっぱい、という他にもこういう言い方が!!

>英雄伝承歌(ヒロイック・サーガ)オタク、正義と高い所が好きな聖王国セイルーンの第2王女アメリア。
>五賢者の1人であった盲目の赤法師レゾによって合成獣(キメラ)にされ、つい先日人間の姿に戻ったゼルガディス。

 戻ったの?!ゼルちゃん!!(ちゃん?)よかったね〜アメリア(はあと)

> 以上の3人とあたしは決して大きくはない町の宿を取る事にした。
> 理由はふたつある。
>1つは、ここ何日も野宿でいたため、「どこでもいい」と満場一致で決まったから。
>もう1つは、ここしか(上手い飯が食べれる)食堂が無いから!

 納得です〜〜・・・

>
>「あ、ゼルガディスさん。このお魚の煮込み、美味しいですよ。」
>「あぁ、本当だ。アメリア、いい所がとれたな。」
>「はい、良かったです!」
>
>――ったく、あんたらはどこぞの仲良しカップルか…ι

 リナ達もはたから見れば仲良しカップルに見えますよ〜〜〜(はあと)

>
>「ん〜〜っ、満足満足。それに、シングルなんて久しぶりだわ。」
>
>ガウリイとの争奪戦に勝利し、お腹の方も満足している。
>――卵焼きちゃんを5つのうち、3つ取られたのが悔しかったが……。
>
>「これで、疲れも吹っ飛びますね!」
>
>本当に疲れているのかと1回問いただしてみたい。

 疲れてないんじゃぁ・・・・?

>「そうよ?なんで?」
>
>何を聞くんじゃ、こやつは。
>ロビーのところで聞いていたじゃないか…。
>
>
>「いや、さっきもらった鍵が3つしかないんだが……。」
>
>
>「「「はっ!?」」」
>
>
>――なんですと!?
>
>あの〜クソオヤジ〜〜!!
>『シングル4つ、空いてるよ。』とか言っておきながら、3つしかないだと!?
>この、美少女天才道士リナちゃんを騙すとは…。
>
>……許せん、(実力行使の)抗議せにゃ…。

 いや〜〜!!実力行使?!せめて宿は破壊しない程度にっ・・・!!!

>
>と心の中で怒り狂っていると、アメリアが、
>
>
>「あれ?これ、シングルが2つとツインですよ?」
>
>
>「「「はっ!?」」」
>
>――と、いうことは……

 リナとガウリイが同室・・・・(衝撃音)!!!!!!
 リナ:ふっふっふ・・・・何を言い出すかな〜〜?この馬鹿は。

>「んじゃ、ガウリイとゼルが同室ね。」
>
>
>「「はっ!?」」
>
>
>予想通り、男2人は情けない声を出してきた。
>
>「まさか、この可憐でか弱い女の子を一部屋に押し込むなんて事、しないわよね〜?」

 どこが可憐でか弱い・・・・??(更に衝撃音)

>
>口の中で、カオス・ワーズを紡ぎ始める。
>
>――黄昏よりも暗き存在、血の流れより紅き存在、時の流れに埋もれし…
>
>ご存知の通り、ドラスレvv
>おや?ゼルが、一歩後ずさった。
>ちっ、気付いたか…。
>けど、ちゃんと認めるまで止めない♪(ワオッ!リナちゃん、過激vv)

 過激どころか・・・・(またまた衝撃音)

>
>「いいぜ、俺達ツインで。」
>
>声の主は顔はハンサム、中身はクラゲのガウリイ。
>てっきり、話の内容が分からないと思っていたが、
>
>……成長したんだ…。(←失礼)

 成長したんだ・・・・ガウリイ・・・・
 ガウ:俺を何度と思ってるんだ?!お前は!!
 全員:脳みそクラゲ〜〜!!

>
>
>「さ、リナがぶっ放す前に行こうぜ。」
>と、アメリアからツインの鍵をもらい、ゼルの首に腕を巻きつけ部屋に入っていった。

 ・・・・・・・・怪しい・・・・・・・・・
 ガウ君、リナちゃんいるのに男同士で・・・・・っ!!(違)←失礼しました。

>
>
>
>最後の1個が、徐々に丸みを帯び、護符付きの宝石になる。
>「っおし、終わり!さて、寝よ。」
>いつもどおり、盗賊いじめ(あぁ、なんて甘美なひ・び・きvv)で獲得した宝石の修理をして、今それが終わったところ。

 また行ったのですね・・・・飽きずに毎日毎日・・・・
 それにしても、ガウリイ、よく止めませんでしたね〜〜

>
>「だ〜れ〜??」
>「私です、アメリアです。」
>隣の部屋−ガウリイとゼルの部屋と私の部屋の間−にいるはずのアメリアが訪ねてきたのだ。
>
>――ったく、なんで今頃。
>
>寝ようとしていた所を止められたので不機嫌きまわり無いが、訪ねて来た相手を追い返すようなことはしない。

 今まで盗賊いぢめに行ってた人(?)が言う言葉じゃないですねぇ・・・
 リナ:ちょっと・・・人(?)って何よ!人(?)って!!!
 今までやってきた事に対して、人間って言い張れますか?
 リナ:・・・・姉ちゃんの方が人間じゃない(衝撃音)
 あ・・・手紙らしき物が・・・なになに?『何言ってるのかしら?リナちゃんはvvByルナ』

>>「だ、だから、ここで寝てもいいですか?」
>「部屋になんか居たの?」
>「あ、へ、部屋には行かないほうがいいです!」
>
>行くなと言われて、行かないリナちゃんではない。

 ナメクジがいたりして・・・(ニヤニヤ)
 リナ:なっ・・・何を言ってるのぉぉぉぉぉぉ!!!!!!

>窓を開け、呪文を唱えて一発。
>
>
>「火炎球(ファイヤーボール)!!!」
>
>
>ドッゴ―――――ン
>
>
>っおし、絶好調!
>これなら、明日もバッチシだ。
>…あ、ドアのところでアメリアが固まってる。
>けど、気にしない気にしない。

 寝ようとしたときにこられた憂さをこんな所で晴らすなんて・・・宿の人が迷惑・・・
 リナ:ダ・カ・ラ(はあと)憂さ晴らしじゃないってば(はあと)

>
>だが、あたしのエルフ並みの耳は、音を捉えていた。
>ガウリイ達の部屋からの3つの音。
>途切れ途切れで、熱を持っているようなゼルの声。
>落ち着いた、ガウリイの声。
>ゼルが声を発するたびに軋む、ベットの音。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//////////!!!!
 ガウ君!!!男の子を襲う物じゃ・・・(切られる音)
 ガウ:誰が襲った!!誰が!!!!

>
>…………
>
>…そーいや、ゼルにガウリイの寝相の悪さ、言ってなかったっけ。
>そんな事を思いつつ、あたしは眠りの淵に落ちていった。
>

 リナさん!!そんな事を知っているなんて!!何故?!何故そんな事を知ってるの?!
 と、壊れるのもいい加減にしたいな〜とか思ってるところでさよ〜〜なら〜〜
 続きを待っておりますvv


トップに戻る
21390はじめましてvらん URL2002/8/11 19:58:30
記事番号21381へのコメント

萌芽さんは No.21381「ある宿から事は始まった 1」で書きました。

 らん:こんにちはvはじめまして〜♪らんというものです。今後ともよろしくお願いしますm(_)m

> こんにちは、というかはじめまして。萌芽(ほうが)といいます。
> 題名は「ある宿から事は始まった」なんぞとありますが、そんなたいそうなもんじゃありません。ある程度の(期待はずれの)覚悟をお願いします。
> では、初執筆にして初投稿の文をどうぞ!

 らん:はいですv読ませていただきましたv

>「あ、ゼルガディスさん。このお魚の煮込み、美味しいですよ。」
>「あぁ、本当だ。アメリア、いい所がとれたな。」
>「はい、良かったです!」
>
>――ったく、あんたらはどこぞの仲良しカップルか…ι

 らん:リナとガウリイのほうも負けておりません!二人の仲にたち入れません!
 リナ:ら〜〜〜ん!!!!////////変なこというな!!!

ちゅどぉぉおおおん!!!!

 らん:・・・・直ぐに暴力に訴えるのは止めてください〜〜><
(飛ばされつつ反論)

>――黄昏よりも暗き存在、血の流れより紅き存在、時の流れに埋もれし…
>
>ご存知の通り、ドラスレvv
>おや?ゼルが、一歩後ずさった。
>ちっ、気付いたか…。
>けど、ちゃんと認めるまで止めない♪(ワオッ!リナちゃん、過激vv)

 らん:おや、認めるようになったのですか?
 リナ:何が?
 らん:自分が相貌極まりない、過激で乱暴・・・・・(どが・がき・ずどぉおおん!!)

>行くなと言われて、行かないリナちゃんではない。
>腰にしがみつき、必死に訴えるアメリアを引きずりながら、ドアの前に来た。
>万が一のために火炎球(ファイヤーボール)を唱えておく。
>
>……別に、さっきの収穫が少なかった怒りをぶつける為ではない。
>                            ………信じて。

  らん:・・・・・
アメリア:信じられませんよね・・・
  らん:そうですね・・・
  リナ:ア〜〜メ〜〜リ〜〜ア〜〜。ら〜〜ん〜〜。
  らん:まぁまぁ、そんなに怖い顔しないでください・・・・しくしく
アメリア:ううう・・・痛いです。
(二人ともスリッパで叩かれた)

>だが、あたしのエルフ並みの耳は、音を捉えていた。
>ガウリイ達の部屋からの3つの音。
>途切れ途切れで、熱を持っているようなゼルの声。
>落ち着いた、ガウリイの声。
>ゼルが声を発するたびに軋む、ベットの音。
>
>…………
>
>…そーいや、ゼルにガウリイの寝相の悪さ、言ってなかったっけ。
>そんな事を思いつつ、あたしは眠りの淵に落ちていった。

 らん:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  どうして、そんなことを知っているのですか!リナが!!!!
  続きが気になります><ってことで続きのほう楽しみにお待ちしておりますv
  それでは〜これにて。


トップに戻る
21395ある宿から事は始まった 2萌芽 E-mail 2002/8/12 12:03:50
記事番号21381へのコメント

 こんにちは、萌芽です。
まいさん、らんさん。早速のコメント、有難うございます。

 さ、「ある宿から事は始まった 2」です。
アメリアの部屋では、何があったのか?
亡霊が現れたのか!?
フィルさんが、娘の身を案じてアメリアの部屋に現れたの…

「平和主義クラッッッッッッッシュ!!!!」

ドガがガ!!

ピクピクピク……

「わしを疑うとは何たる事じゃ!!人を疑う事は、正義に反する事!もう一度うけてみよ!
 クラッッッッッッッシュ!!!」

ドガガガ!!

………

「…ったく。
 おお、そうじゃった。セイルーンに戻らねば!!」

ドダダダダダ……(立ち去る音)

=====================================



 窓から微かな光が差す。
 小鳥のさえずりも、心地よい。
 ここで、淹れたてのコーヒーでもあれば最高なのだが…。

ベットから身体を起こし、着替えを始める。

ふと、周りに眼を配ると、

――おや?アメリアの姿がな……


ベシャッ!!


 ……あ、明らかに窓の外から聞こえた。それも、何かが高い所から落ちる様な…。
振り向きたくはないが、振り向かざるを得ない…。

視線を窓の外に移すと、ちょっと大きめの木に登って何もない空を指差すアメリアの姿があった。

「あっ、リナ。起きたんですね!?」
「そーゆーあんたは何やってんのよ…。」
「そんなこと決まっています!いつ来るか分からない悪のための練習です。王宮に居た時も、毎朝していました。」

――それで、その度に木に登っては着地して(落ちて)いたのね…。


「おっちゃ〜ん、モーニングセット2つと大盛り炒飯、それから鳥と野菜の盛り合わせを3つね〜!!」
「私、モーニングセットのB、お願いしますっ!!」

 ふにゅ〜〜。
これよ、これが1番良いのよ。
この出来上がったばかりの香り!ほんわかとした湯気!!みずみずしい新鮮さ!!!

さて、ガウリイが起きて来ないうちに半分は、食べておかなければ…。

…と、階段を降りる音が聞こえてきた。

共に2人の声も耳に捉えることが出来た。

「……ったく、もう嫌だからな。今でも痛くてしょうがない。」
「んなこと言うなよ。俺は気持ちいいんだし…。」
「旦那はよくても、俺が嫌だ。たまに良いと言うと、これだから…。」
「だから、悪かったって。」


その台詞を聞いた瞬間、あたしとアメリアの時間は止まった。

16といっても、そういう類の話は聞いたことがある。
郷里(くに)の友達がそーゆー本をあたしの家に持ってきては、その人とねえちゃんが話に花を咲かせていたのを覚えている。

セイルーンは聖王国と言われていても、やっぱりそーゆー類があったらしい。
実際、アメリアと話していてちょっとしたきっかけでそんな話がのぼった記憶がある。

「例えどんな形の愛だろうと、人を愛する気持ちに変わりはありません!」

と豪語したアメリアの姿が眼に浮かんだ。
だが、言った当の人物は、ゆでタコ状態である。
(本当のタコなら、食べごろで美味しそうだが…。)

しばらくして、2人の姿が眼に入った。

明らかに不機嫌なゼル。
明らかに機嫌を取ろうとするガウリイ。


…………………………………………


「おい、リナ。アメリア、どうかしたのか?」

いつの間に来たのやら、ゼルがアメリアの隣にいる。

彼の言葉の通り、アメリアはまだ…というよりも更に茹で上がっている。

「…だ、だいじょ〜ぶよ。……朝、木から落ちたんで、腫れてんのよ。」

なんとか回復したわたしが答える。
我ながら、苦しい言い訳である。

「……そうか。」

いささか呆れながらも、納得したよーである。

「…お〜い、アメリア。大丈夫か?」

彼女の顔の前で手をヒラヒラさせると、眼の焦点が合ってきた。

「………ほえっ!?ゼ、ゼルガディスさん!?」
「フゥ〜、全く…。腫れ…は治ったようだが、一応冷やしておこう。」

そういい残すと、店員の1人に近づいていった。

「………ふにゅ〜〜〜…。」

ふしゅ〜〜と風船から空気が抜けるように、アメリアはテーブルに突っ伏した。

「どーしたんだ、リナ?鳥、いらないんなら、もらうぞ。」

パクッ


……………………


「ああああああああああ〜〜〜〜〜〜!!!!!!
 ガウリイ!勝手に人の取らないでよ!!」
「なんでだよ!ご飯を前にして食べないのは、いらないという証拠!!
 それに、『勝手に』ではない!ちゃんと断ったぞ。『いらないんなら、もらう』と!!」
「いばるなっ!あたしは聞いてもないし、許してもない!
 くぬ〜〜…。昨日の卵焼きちゃんの恨み、ここで晴らしてくれる!!」
「その勝負、受けた!昨日のロールキャベツと野菜炒めの恨みを晴らす!!」

かくして、あたしとガウリイの朝食争奪戦のゴングが鳴る!!


 それから1週間。
目立った事件もなく、わたしたちの旅の中では平穏な日々だった。
旅のお楽しみ、盗賊い・じ・めvvの収穫も上々で、懐も暖かかい。

そんな中、たどり着いたのがセイルーン御用達のローンサ・シティ。
アメリアのコネのおかげで(コネというかセイルーン専用なんだけど)、四ツ星ホテルに泊まれた。
もちろん、レストランも四ツ星vv

いや〜、持つべきものは友だね〜。



ズズズ〜

食後の紅茶もまた美味。

アメリアに

「もし、いつもの様なことをしたら、他のお客さんに迷惑になるので…。いいですね?」

と食事の前に言われた。
つまりは、「暴れたら、追い出します。」ということだ。
その結果、異例なほど静かに穏やかに夕食を済ませた。

「最上階のシングルが空いていたので、そこの部屋を取りました。」
「へ〜、よく取れたね〜。(///)」
「な〜に言ってるんですか。ここは、セイルーン専用ですよ?」
「あ〜、そうだったね〜。ニャハハハ〜。(//////)」

さっきの紅茶にブランデーが入っていたことを知ったのは、酔ってちょっっっと動動して落ち着いた後、ガウリイから聞いた。
周りに眼を配ると、テーブルやイスがそこらじゅうに転がっている。
――なんか、どんちゃん騒ぎでもしたのか?


「う〜〜ん、流石に王国御用達のホテルは違うわ〜。フニャニャ〜。」

まだちょっと体が熱い。

ふかふかのベットに国宝級の骨董品、一部屋ずつにお風呂と簡易キッチン、バルコニー付きで眺めもバツグン!
さて、明日と美容と健康のために寝ましょうか。


コンコン


ノック音はドアからではなく、バルコニーに続く窓の方から聞こえた。

――こんな芸当ができるのは…。

「や、リナさん。お久しぶりです。」

――やっぱし…。

獣王(グレーター・ビースト)に作られた万年笑顔の獣神官(プリースト)ゼロス。
しかしその実態は、中間管理職の生ゴミパシリ魔族。

「何の用?また、ゼルを魔族に引き入れに来たの?ゼルなら、5つ隣の部屋よ。」

部屋割りは、1番端の部屋がアメリア、一部屋空けてあたし。
さらに二部屋空けてガウリイで、また一部屋空けた部屋がゼル。
ついでに、最上階はひとつひとつが広いだけに数が少ない。
アメリアとゼルは互いに、この階の端っこの部屋。

「いえ、半分正解半分間違いってところです。ゼルガディスさんに関係はありますが、魔族に引き入れる事ではありません。
 …説明する前に、部屋に入れくださいませんか?」

窓の鍵を開け、あたしの優しさで部屋にあったお茶を淹れた。

「はふ〜、さすがセイルーン御用達のホテルですね。お茶が美味しいです。」
「んなこたどーでもいいけど。…で?」
「は〜、お月様も綺麗ですね〜。」

夜空に浮かぶ月を見ながら、すっとぼけるゼロスくん。

温厚なあたしでも、これはキレるぞ…。
けど、ここでキレるのも大人気ない。
ぐっっと抑え、

「あんたがここに来た理由は、理由!」
「ああ、そうでしたね。
え〜っと、実は僕、この1週間なんの命も受けなかったので、暇だったんですよ。そこで思いついたのが、リナさんご一行の観察です。」
「で?」
「1週間前、決して大きくはない町で宿を取った時、ガウリイさんとゼルガディスさんが同室になりましたよね?」
「なんでそんなこと知ってんのよ?」
「見てましたから。リナさんが竜破斬(ドラグ・スレイブ)でお2人を脅していたのも。」

――ギクッ!!

「話を続けましょうか。お2人が部屋に入った後、しばらく何かを話していました。話がひと段落ついた所で、ガウリイさんがゼルガディスさんの後ろ手を取って、ベットに押し倒しました。つまりは、うつ伏せになったゼルガディスさんの上に馬乗りになったんですよ。…って、リナさん?大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫よ!続けて、続けて!」

このときのあたしは、自覚できるほど赤面していた。

「まあ、僕もお2人の邪魔をしたらいけないと思い、そのまま帰りました。」


どがしゃぁぁぁぁぁぁっ!!


「……な、なんで、止めなかったのよ!」
「なんでって……。く、苦しいですぅぅぅ…。」

「必殺・襟首掴んで、ガックンガックン」は魔族にも通用するらしい。

「そ、そーいえばぁぁ、ここ1週間の宿…ってぇぇ…シングルでした…よねぇぇぇ…。」
「それがどーしたのよ?」
「そ、その夜にぃぃ…ガ、ウリイさんが…ゼルガ…ディスさんの部屋にぃぃぃ…。」


パッ

ドシャペキッ


なんか変な音がしたが、無視。

廊下に出て、アメリアの部屋に急行&中に飛び込む&ベットにダイブ!!

「………っ。」

カエルがつぶれたよーな、そんな感じの感触が伝わる。

――やば…。超合金娘でも、これはきついか?

「……なにするんですか、いきなり!!」

――お〜、復活した。常人なら、こうはならんぞ。

「んな小さい事はほっといて…。」
「小さくありません!」
「ゼルの部屋に行くわよ!」
「は?なんでですか?」
「1週間前の真相を確かめに行くのよ!
 それじゃ何?ゼルがそっちの道に行っても良いって言うの?」


一時の沈黙


「いえ、いけません!例えそれが愛だろうと人の道を外れる事は、正義に反する事!
 リナ、行きましょう!」

――ホント、扱いやすいキャラだわ…。


一路、ゼルの部屋へ出発した。


====================================
フィルさん、少しは手加減してくださいよ…。(ヨロッ)
 えっと、一言言っておきます。
何やら、怪しげな文ですが、決してホ○小説ではありません。最後は、しょーもないオチです。
 それと、前書きに出てきたフィルさんですが、密かにこの小説と関係あるのです。
どこかは秘密ですvv

グサッ(何かが刺さる音)
ピクピクピクピク…

「まったく、人の台詞を取らないでくださいよ?いいですね?」

コクコク…

フッ(消え去る音)

トップに戻る
21459ある宿から事は始まった 2 の訂正萌芽 E-mail 2002/8/18 17:41:05
記事番号21395へのコメント

 すみません、間違えたところがあったので訂正します。

>16といっても、そういう類の話は聞いたことがある。

歳、間違えてました!
リナ:あたしはそのままでいいのに…。
萌芽:けどそのままだと、いつまでもお子チャマです…。

バクギャッ

リナ:ったく。
  あたしはね、歳を重ねられて老けて見られるのがいやなの。
  いい?
萌芽:はっ、はいぃぃぃぃっ……。

バタッ

リナ:この位で堕ちるとは、弱いわね…。
  こんな作者に代わって、登場人物の年齢を言うわ。
   
   あたしは今年で19歳。
  背はガウリイの肩ぐらいに伸び、女性特有の体になりつつあるわ。
  けど、華奢な体と愛くるしい顔立ちはご健在よ♪
  魔力も強くなったし、盗賊いじめにも攻撃呪文の花を咲かせているわvv
   
   自称保護者のガウリイは、23歳。
  光の剣の代わりに、切れ味がバツグンすぎる剣を手に入れたわ。
  顔はちょっと大人びたが、頭の方は、クラゲのまんま。
  …ったく、少しは成長しなさいよって!
   
   アメリアはあたしの1つ下だから18歳ね。
  彼女も背が伸びたし、胸も発達した(悔しいが…)。
  黒くつやのある髪は伸び、肩甲骨あたりまである。
  うなじのところで、後ろでひとつにまとめてる。
   
   ゼルは2つ上だから21歳。
  半年前に合成獣(キメラ)から人間に戻ったの。
  青い眼はそのままだけど、岩の肌は白く、金属の髪はサラサラ(羨ましい…)の銀髪になったわ。

   
   ぶっちゃけた話、「ある宿から事は始まった 3」は影も形もないそうよ。
  もし、た〜〜〜っぷり待たせたのに、も〜〜〜んのすごい駄文だったら許してvv
  このあたしが、作者にたっっっっぷりとさせておくから、ね?

トップに戻る
21460ある宿から事は始まった 2 の訂正萌芽 E-mail 2002/8/18 17:41:47
記事番号21395へのコメント

 すみません、間違えたところがあったので訂正します。

>16といっても、そういう類の話は聞いたことがある。

歳、間違えてました!
リナ:あたしはそのままでいいのに…。
萌芽:けどそのままだと、いつまでもお子チャマです…。

バクギャッ

リナ:ったく。
  あたしはね、歳を重ねられて老けて見られるのがいやなの。
  いい?
萌芽:はっ、はいぃぃぃぃっ……。

バタッ

リナ:この位で堕ちるとは、弱いわね…。
  こんな作者に代わって、登場人物の年齢を言うわ。
   
   あたしは今年で19歳。
  背はガウリイの肩ぐらいに伸び、女性特有の体になりつつあるわ。
  けど、華奢な体と愛くるしい顔立ちはご健在よ♪
  魔力も強くなったし、盗賊いじめにも攻撃呪文の花を咲かせているわvv
   
   自称保護者のガウリイは、23歳。
  光の剣の代わりに、切れ味がバツグンすぎる剣を手に入れたわ。
  顔はちょっと大人びたが、頭の方は、クラゲのまんま。
  …ったく、少しは成長しなさいよって!
   
   アメリアはあたしの1つ下だから18歳ね。
  彼女も背が伸びたし、胸も発達した(悔しいが…)。
  黒くつやのある髪は伸び、肩甲骨あたりまである。
  うなじのところで、後ろでひとつにまとめてる。
   
   ゼルは2つ上だから21歳。
  半年前に合成獣(キメラ)から人間に戻ったの。
  青い眼はそのままだけど、岩の肌は白く、金属の髪はサラサラ(羨ましい…)の銀髪になったわ。

   
   ぶっちゃけた話、「ある宿から事は始まった 3」は影も形もないそうよ。
  もし、た〜〜〜っぷり待たせたのに、も〜〜〜んのすごい駄文だったら許してvv
  このあたしが、作者にたっっっっぷりとお仕置きさせておくから、ね?