◆−恋愛カタログ1〜恋せよ少年少女たち!〜−春祭あられ (2002/8/27 01:17:48) No.21566 ┗恋愛カタログ2〜恋せよ少年少女たち!〜−蒼杜 (2002/9/1 06:32:53) No.21635 ┗お二方へ!!−生きていたみつき (2002/9/5 00:34:40) No.21675
21566 | 恋愛カタログ1〜恋せよ少年少女たち!〜 | 春祭あられ E-mail URL | 2002/8/27 01:17:48 |
私のことを知ってる人も、はじめましての人も、こんにちは。 春祭あられです。 今回、ちょっと面白いことをしてみたいと思いましてリレー小説をはじめることにしました。 相方は蒼杜ねーさんです。 ファンの方いっぱいいらっしゃることでしょう。 どうぞ楽しんでってくだされば幸いです。 そんなわけで、ねーさんを巻き込んでのこのリレー小説、幕開けです。 ++++++++++++ 時空を越えて、 次元を超えて、 そう、世界をも越えて。 君に届けよう。 恋愛カタログ。 【恋愛カタログ1〜恋せよ少年少女たち!!〜】 みーんみーんみーん。 蝉が鳴く。 つくつくほーしつくつくほーし。 蝉が鳴く。 太陽の視線がきらり。うるさいほど暑く。 ちろちろと川の流れが心地良い。 さわさわと音がなる秋への米の実り。 バッタがはねる。かえるがはねる。とうもろこしの畑で。 「あーっ!!お前何食ってんだよ?!」 「何・・・って。ガリガリ君。見りゃ分かるじゃん」 縁側に座る少女は、答えながらも溶けそうになるアイスを一口、また口に入れた。 「じゃーなーくーてーっ、それ俺がとっといたやつじゃんか!」 麦藁帽子をかぶった少年が、今にも泣き出しそうな悲痛の声で叫んだ。 それを一瞥して、少女がまた一口、がぶり。 「ばーか。早いもん勝ち」 「それ、俺が買ってきてもらったやつじゃないか!!」 「誰に?」 「ば、ばあちゃんに・・・・・・」 「じゃ、ばあちゃんは私の祖母なんだからあんただけのってわけじゃないじゃない。誰のでもないのは早いもん勝ち〜♪」 少女は少年を小馬鹿にするように見下して、最後の一口をぺろりと口に含んだ。 まるで見せつけるかのように。 まるでむちゃくちゃな理由であっても悔しくて悔しくて、少年は地団駄を踏んだ。 そんな様子を見て、またも彼女がにやりと笑う。 「圭介」 「んだよ?!」 「うっそぴょーん」 「・・・・・・はぁ?」 「本当は、圭介の分ちゃんと冷凍庫に入ってるよ。これは、私が自分で買ってきた分」 にやにやにや。 その笑いと発言に、圭介はしばらく騙されて遊ばれたという感覚がせず、しばらくしてからふつふつと怒りが舞い上がってきた。 「ざけんな美由!何で俺を小馬鹿にするようなことしかしないんだよお前は!!」 怒って縁側に乗り上げてくるのを見ながら、しれっと 「だって面白いんだもん」 悪気の無いその発言に、圭介は怒る気力を失せる。 胸倉を掴みそうになった手を宙に浮かべたまま、しばらくの後素直に冷凍庫に向かった。 「ねー、圭介ー」 縁側で美由がなにやら叫ぶ。 「あー?」 「今日一緒にお祭行こうよー」 今日の夜から花火大会があり、お祭とは多分その時に行なわれる屋台の集合のことだろう。 「だめー」 考えるまもなく即答する。 「なんでよ、けちー」 圭介はアイスを取り出すと縁側まで戻って、美由の隣に腰をかけた。 隣では美由が口を尖らせている。 「あーゆー人込みが多いところいくと皿がすぐに乾くから駄目」 「今みたいに濡れタオルつけて帽子かぶれば?」 「あのさ、夜に帽子かぶるやついないって」 念願のアイスを一口かじると、横から美由の顔が伸びてきてパクリと一口かじられてしまった。 「あ、おい」 声をかけるも、平然と無視されてしまう。 一体誰に似たんだ、この女王様な性格は。 「ね、行こうよ。夏祭」 「だーめだーめ」 「だって、もう今年までじゃない」 少し真剣みの入った声に驚いて、横を振り向くと、美由は本当に泣きそうな顔をしていた。 「私、あんたを見ることが出来る最後の歳なんだよ。今年は」 「・・・・・・何歳だっけ、今」 「18」 圭介はしばし黙り、遠くを見つめた。 蝉がまだうるさい。 「私、ばあちゃんみたいに特別な力なんて無いもん」 言って、美由はすばやく立ち上がってどこかへ行ってしまった。 圭介はまだ黙っていた。 とりあえず、溶け出しているアイスに目をやってぱくりと食べた。 「あらあら圭介、また悩み事かねぇ?」 後ろで、何時の間にかいた美由の祖母が笑っていた。 「ばあちゃん。何時の間にあんなに美由はおっきくなったんだろうね」 「そうねぇ。私も歳をとるわけだ」 「美由は、もう18だって。来年になったら俺を見ることは出来なくなるんだな。俺はいつでもここにいるのに」 祖母もしばし言葉をなくし、圭介の背中を優しく撫でた。 「しょうがないよ、圭介は河童なんだから。普通の人間には18の歳までしか見れない、それが自然の掟だからねぇ」 「美由も、ばあちゃんみたいな“見る”力があればよかったのに」 目をつぶって、眠るように祖母に寄りかかる。 それを、祖母は何も言わずに抱きしめた。 +++++++++ 一応、カタログという題名ですから短編でいっぱいいろんなの載せようと思ってます。 時にちゃんとスレイヤーズが出てくることもあるでしょう・・・(笑) こんなもんで私の番終わり。 では、ねーさん。続きを期待してますvv(押し付け) では、また皆様に会えることを祈って。 春祭あられ |
21635 | 恋愛カタログ2〜恋せよ少年少女たち!〜 | 蒼杜 E-mail | 2002/9/1 06:32:53 |
記事番号21566へのコメント こちらではとってもお久しぶりな蒼杜(そうと)です。オハヨウございます。 今回、あられちゃんに誘われ、リレー小説を書かれていただくことになりました。 中々に初めての試みなので、新鮮であり、少しドキドキしております。 春祭さんのファンの方楽しみにしてくださいvv(お返しv) というわけで、そんなこんなで第二話、始まりです。 ++++++++++++ 【恋愛カタログ2〜恋せよ少年少女たち!!〜】 「おばあちゃん、一つ聞いていい?」 「なんだい?」 「どうして、おばあちゃんには圭介が見えるの? 私は…これからも会えると思う?」 夕方、祖母に白地に赤の浴衣を着せてもらいながら、美由はぽつりと聞いた。 「それは分からないねぇ」 微かに微笑んでいた祖母は、一瞬顔を歪めたように見えた。 「私にも何故なのか、未だに分からないからね。 子供の頃は兄弟とともにそりゃぁ、うんと仲のいい家族みたいなもんだったのさ。 でもね、段々年がいくにつれて、他の皆は見えなくなってしまった。ただ、私だけが見えていた。何も別に変わったことをしていた訳でもないんだけどね」 「そう、…なんだ」 「でも美由は私の孫なんだ。もう一回や二回、奇跡が起こってもバチは当たらないよ」 「ありがと。おばあちゃん」 帯を綺麗に整えながら、ゆっくり祖母は立ち上がると、鏡の中の美由にやんわりとした笑みを向ける。 「はい。出来上がり。さっ、これで可愛くなったろう?」 「うん」 その場でクルリと一回りして、大好きな浴衣をなびかせると、美由は笑顔で返した。 祭は今年も賑わいを見せていた。町の外れには明々と夜店の明かりがつき、活気溢れる人々の声で満ちている。 圭介は少し遅くなったものの、濡れタオルと帽子をつけたいつものいでたちで、約束通り、美由の家に出向いていた。 「ほら、早く行こうよー!」 「はいはいっって、美由、そんなに手を引っ張るなーーーって!!」 「遅れてくる圭介が悪い」 あっかんべーをして圭介を即座に黙らせた美由は、手を繋いだまま、夜へと駆け出した。 「さてと、カキ氷も食べたし、あとは、じゃあ、そろそろイカ焼き!」 最初は人ごみが多いとぶつくさ文句を言っていた圭介も、夜店を回りつつ美由とともにこの祭を愉しんでいた。 そして毎度このような調子で、美由は圭介の手をとり、走り出す。 目当てのモノを買うと、二人は少し夜店から外れた所で仲良く並んで座っていた。 自分の隣をちらりと見ると、顔一面の笑みで、イカをほおばる美由がいる。浴衣に身を包む彼女はいつもとは違う雰囲気で、圭介は一瞬ドキリとした。 「何?圭介食べないの? じゃあ私が、…ていっ!」 「って待て。これは俺の分だっ!!」 少しの間、口を休め、ぼんやりと考えていた圭介の手から、イカ焼きがすっと消えさる。美由に対し必死の形相を見せ、ようやく取り返した時には、すでにイカは元の半分ほどまで減っていた。怒る事さえ一時忘れ、ふぅ、と溜息一つ。 「ったく、どれだけの食欲があるんだ?!」 「もう、お腹いっぱーーーいv」 Vピースを見せて、にやりと笑う。 「美由! おーまーえーなーーー!!」 「あー、そろそろ花火大会だよー ほら早く」 圭介の気持ちを知ってか知らずか、ふと腕時計を眺めていた美由は急にすくっと立ち上がる。怒鳴ろうと思っていた所で出足をくじかれた圭介は、やはり溜息一つこぼした。 花火が一番見やすい場所はすでに多くの人々が集まっていたため、二人は比較的人ごみの少ない所に陣取った。美由が立ち止まり、ここでいいというので、何も言わず圭介も歩みを止めた。 陽も落ちて辺りはもうすでに暗く、隣の人の顔すらはっきりと見えない。隣に並んだ二人は、珍しく無口のまま、花火の時を待った。 どーーん! パラパラ… どどーーーーんん!! パラパラパラ… 花火が音をつれて開くとともにざわめきが聞こえるも、二人は一言も言葉を交わさない。ただ、闇夜の華を眺めていた。 ヒューーーー どどどーーーーーーーんんん!! パラパラパラパラパラ…… 一際大きな華の後、「これにて花火大会は終了します。どうもありがとうございました」というアナウンスが流れる。 ざわざわと人の群れは二人の横をすり抜け、帰路につく。 しかし、美由は立ち止まったままだった。 「美由… そろそろ帰ろう」 「やだ」 「やだって、なあ。皆心配するだろ。 ほら、行くぞ」 そういって、圭介は手を握り歩こうとしたが、美由は依然として動かない。振り向くと俯いたまま、美由は静かに泣いていた。 「だって、だって、…… 私…圭介の事…」 「俺…」 +++++++++ ふう、ようやく私の番が終わりました。 感想。…ツリーが落ちやしないかと内心ビクついておりました。(マジ) でもバトンが渡せそうですv 次をよろしくお願いしますね♪ あられちゃんvv では、この辺にて。 読んでくださり、ありがとうございました☆ 蒼杜こと、杜めぐみ子でした。 |
21675 | お二方へ!! | 生きていたみつき E-mail | 2002/9/5 00:34:40 |
記事番号21635へのコメント こむばむはー。 お二人とも、お久しぶりです!みつきは生きていました!! 覚えていたら生き延びたかいがあるというものです。 基本的に私はカタログという言葉に弱いです。今日気付きました(きぱ)。 てか河童です!河童ですよ!?読まないわけにはいかないじゃないですかー! 皿があるということは、やっぱり緑色の肌に黄色いくちばし、キュウリが大好きなのでしょうか(え)!!?←興奮 それに加えてなかなかファンタスティックな設定v 18の時までしか見れないんですね。 ばあちゃんが圭介を育てて(?)いたんでしょうか? 続きが気になりますーー。奇跡は起こるのかー! 相変わらず感想短いですが、これにてー。 |