◆−子供(ピノキオ)―前編―−お久しのりぃ (2002/8/27 23:59:25) No.21571
 ┣子供(ピノキオ)―後編―−お久しのりぃ (2002/8/28 00:20:26) No.21574
 ┃┗ゼロやん可愛すぎvv−春祭あられ (2002/8/29 13:02:48) No.21592
 ┃ ┗ゼロやん(爆)−お久しのりぃ (2002/8/29 21:19:09) No.21600
 ┣おまけ 拾いゼル−のりぃ (2002/8/31 22:18:37) No.21633
 ┃┗お久しぶりですのりぃ様vv−むくぅ (2002/9/1 12:41:56) No.21638
 ┃ ┗ああっバレたっ!?(かなり待てっ!)−のりぃ (2002/9/1 20:47:48) No.21646
 ┗勝手に書いてしまった番外編(かなり待て)−Yuppy (2002/9/10 09:29:15) No.21777


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21571子供(ピノキオ)―前編―お久しのりぃ E-mail URL2002/8/27 23:59:25


 お久しぶり――と言うよりむしろはじめまして皆さん(爆)なのりぃです。
 いやなにしろ、さっき確認したら活動期間が実質3ヶ月もなかった上1年以上投稿休んでましたので、これはむしろはじめから謝り倒すのが筋かもと(かなり待て)
 そして、これだけ休んでいるにもかかわらず、今回投稿するのは新作ではなかったりします(汗)もともと、1年以上前に、オフラインの友人に差し上げたものなのですが、友人の許可を得たので投稿させていただきます(ありがとう友人)

 ちなみに、ちょっと実験的な手法を使ってます。
 語り手が、仲良し4人+ゼロス+アルファの中で、ころころ代わります。一応、一人称が全部違っているのと、語り手以外の人名を全部入れるようにしているので、分かるとは思います。

 それと、昔のことなのではっきりしませんが、おそらくアニメ版準拠だと思われます。キャラの書き方とか五人の腹心の書き方とか。といっても、アニメ見てないのですが私(をいっ!)
 多分、当時まだアニメ版の腹心たちの方が多かったので、それに習ったのでしょう。

 では。長くなりましたが、楽しんでいただければ幸いです♪

*****************************************


子供(ピノキオ)―前編―


 「ふう」
 僕はベッドに腰掛けて、軽く息をついた。
 どこにでもある宿の一室である。
 左右のベッドでは、ガウリイさんとゼルガディスさんが寝ている。
 別に取りたてて変わった事はないのだが、僕が寝付けないという事は……
 「何か起こるんでしょうかねぇ……」
 「当ったり〜」
 何やらのーてんきな声と共に。
 いきなり僕の目の前に金色の光があふれ出たっ!
 よく見ると、中に金髪の女性の姿が……って……
 あの方!?
 な、何であの方がこんなところに!?
 わーっ!僕さっきのーてんきな声とか言っちゃったしっ!
 慌ててベッドから飛び降りて膝をつく僕。
 もうパニックである。
 横のガウリイさん達が目が覚めないのは、多分あの方が何か細工をしていらっしゃるのだろう。
 パニくる僕とは対照的に、あの方の声はあくまで涼やかだった。
 「あなたがいい子でいるならば、いつかきっと人の子にしてあげましょう」
 ………………はい?
 ……涼やかではあるが、なんだか意味が分からない。
 「あ、あの、それって一体どういう…………」
 思わず口を出しかけて、慌てて僕は気がついた。
 …………良く考えたらこっちから声なんかかけていいんだろうか?
 僕はあの方のほうから話し掛けてくださるのをしばらく待つ事にした。
 「………………」
 「………………」
 …………しばし、部屋に沈黙が落ちる。
 「……あーもうっ!話が進まないっ!」
 今までの涼しさをどこかに放り投げて、だんっ!と床を踏みしめてあの方はおっしゃった。
 「よーするにっ!今回はあんたがネタなのよっ!
 とゆーわけでっ!今回は『実録っ!ゼロスを人間にしたらどうなるかスペシャルっ!』という事に決まったから、分かったらとっとと人間やってきなさいっ!」
 ひえええええっ!怒ってるぅぅっ!って事は今回こそ僕の最大級のピンチ……
 ……ってちょっと待ったぁっ!
 「い、今とんでもない事言いませんでしたっ!?
 いやですよ僕そんなのっ!」
 「あーっ!おまけに口答えまでするなんてっ!
 査定表マイナス1、及び今回はオプション追加よっ!
 文句行ってないでとっととやんなさいっ!せーのっ!」
 
がんっ!

 何やらタ○ラ製(推定1280円)みたいなステッキで頭を殴られて……
 僕は意識を失ったのだった。



 「うわぁぁぁっ!」
 あたしの穏やかな眠りを妨げたのは、隣りの部屋から聞こえてきた悲鳴だった。
 「どうしたの、ガウリイ、ゼル、ゼロスっ!」
 あたしはとりあえずショートソードだけ持って、隣りの部屋のドアを蹴り開けるっ!
 部屋の中は昨日と変わりない。中にいるのはガウリイとゼルと……を?
 ゼロスがいない代わりに、ゼロスによく似た7,8歳ぐらいの黒のTシャツに半ズボンの男の子がベッドの上できょとんとしている。
 「りっりっリナっ!なんか朝起きたらふとんに潜ってたゼロスの子供がっ!」
 で、パニくったガウリイがその子をぶんぶん指しながらあわてている。
 「……ってちょっと待ったっ!ゼロスの子供ぉっ!?」
 「違うだろガウリイっ!ゼロスが子供になってたんだろうがっ!」
 思わず自爆しかけるあたし、ツッコミを入れるゼルガディス。
 「ふぁぁぁぁ……
 リナさん、どーしたんですかぁ?」
 アメリアが寝ぼけ眼で出てきて……
 「うっわ。」
 ……一言それだけ言って固まった。
 「……ってゼル、何でこれがゼロスだって言いきるわけ?」
 「……じゃあもう一度やってみるか?」
 言ってゼルは、その子供……じゃないかもしんないけど……に近寄って、
 「おい、お前、何でこんなかっこしてるんだ?」
 「それは秘密です♪」
 『わぁぁぁぁっ!?』
 みんなでいっしょに声上げて、部屋の隅まで下がったりする。
 ちなみにアメリアも、硬直が解けたかついてきている。
 しっかし……言い方確かにゼロスだけど声が子供だし……
 なんか妙にギャップがあるんですけど……
 「ちょっちょっと、何なのよあれ!?」
 「そんな事オレに聞いたって分かるわけないだろ」
 「やっぱりゼロスの悪ふざけなんじゃないのか?」
 「見た目も確かに似てますし」
 ひそひそそのまま隅っこで話し合うあたしたち。
 ちなみに張本人の謎の少年は、こっちを何やら変な目で見ているが、取りたてて妙な動きはない。
 「でもよリナ、あいつ、何つーか……魔族のような気がしないんだけどよ」
 ……そう言えばガウリイは、前にもゼロスが魔族だって言うのに気づいていたし……
 「じゃあ確かめてみましょうかっ!」
 言ってあたしはそいつの首を絞め上げるっ!
 「あーっリナさんっ!かわいそーじゃないですかっ!」
 「おいリナっ!いくらなんでも相手は子供だぞっ!」
 「二人とも……もしゼロスだったら首絞められるぐらいどうって事ないだろうが……」
 それらの声を無視して絞めつづけると、やがてそいつはあっさりと気絶した。
 「ふーん……
 どうやら、少なくとも人間には違いないみたいね」
 「何で言い切れるんだ?
 ゼロスだとしたらこの程度の死んだ振りぐらいいくらでもやるだろう」
 言うゼルにあたしは首を振り、
 「別に首絞めたのは気絶させるためじゃないわ。
 絞めた時の感触が知りたかったのよ。
 魔族っていうのは骨だの筋肉だのないから、絞めた時の感触が違うの」
 「……なるほどな」
 「……ってリナ、何でお前魔族の首絞めた感触なんか知ってんだ?」
 「前にゼロスの首絞めたから」
 「あ、なるほど」
 それぞれに納得するゼルとガウリイ。
 「つまりリナさん、リナさんは今何の関係もない子供を絞めたって事ですか?」
 うっ!そういうことになるかも……
 「……いや、それはないだろうアメリア。俺はともかくガウリイをごまかして、こんな子供が部屋にこっそり入れるとは思えん。
 それに、さっきの言い方といいしぐさといい、よく知ってなきゃまねできるもんじゃないだろうしな」
 ……あ、なるほど。さすがゼル。
 「……良く分からん」
 はいはい。ガウリイはいつも通りね。
 「まあ詳しい事はこの子に聞くのが一番早いかな。
 じゃあアメリア、この子起こして。
 そいでもって、続きは下の食堂でやるわよっ!」
 「……ってリナ、お前本当はメシ食いたいだけだろ?」
 「いーのよっ!朝ご飯は一日のエネルギーなんだからっ!」
 あたしたちが掛け合いを始めた向こうで、アメリアが復活(リザレクション)の呪文を唱え始めた。



 リナとガウリイが掛け合いを始めて、アメリアが呪文を唱えている間、俺はその子供を見張っていた。
 別に他意があるわけではないが、ごく普通の子供であるわけもないし、ゼロスがらみなら何が起こっても不思議ではないと思う。
 ……何が起こっているのかはさっぱり分からないが。
 その子供は、やっぱり肉体的には普通の人間なのか、リザレクション復活が効いてきたようだ。
 うっすらと目を開けて……
 「アメリアおねーちゃん、リナおねーちゃんが怖いっ!」
 いきなりアメリアの胸にしがみつくっ!
 こら待てっ!
 「正義と友情アタァァァックっ!」

ばぎめごどしゃぁっ!

 掛け声と同時に、アメリアの肘鉄とリナの飛び膝蹴りと俺のかかと落しが炸裂した。
 ……ちなみにガウリイは、事態についてきてないのか、立ったままである。
 「……ってアメリア、なんだ今の『正義と友情アタック』って掛け声は?」
 「こう言えば絶対にみんながノってくると思ったんですっ!」
 ………………………………
 しまったぁぁぁっ!またギャグキャラにハメられた!?
 「……………………っ!
 いいから行くぞっ!」
 ……それだけ言って、俺はマントを翻し、一足先に部屋を出た。



 「つまり、あんたはとりあえず、ゼロスの記憶は持ってるわけね?」
 チキンのモーニングセットが二人前に、豚の甘辛炒めにスペシャルサラダ。
 軽い朝食を終えた後、あたしたちはこの件の検証に入っていた。
 「う、うん、リナおねーちゃん。
 と、とりあえずみんなの名前は知ってるし、僕がゼロスって呼ばれてたのも分かるし」
 さっき首を絞められた事を気にしているのか、おどおどしつつも答える子供ゼロス(めんどくさいんで勝手に命名)。
 こういうところを見てるとまるっきり別人なのだが……でも覚えてはいるらしい。
 「でもそれが自分の事のように思えない、と?」
 「うん」
 ……アメリアだと素直に答えるのか……こひつは……
 「なんて言うかねぇ……
 他人の夢見てたっていうか、そんな感じ。
 だって僕ならともかく、いい年こいた大人が『それは秘密です♪』とか言うんだよ?
 ばかみたいじゃん」
 ずるずるずるずる……
 ガウリイを除く3人は、それぞれの速度で椅子からずり落ちた。
 「まあそう言うなよ。人それぞれ個性ってもんがあるんだからさ」
 ……あんたはへーきなんかガウリイ……
 いやガウリイだし別に不思議でもないかもしんないけど……
 「でも記憶はあるんだな?」
 「うん」
 その答えを聞いて、ゼルは子供ゼロスの手をがっちり握って、
 「じゃあ俺を元の体に戻す方法も分かるよな!?」
 ……それが目的か。あんたわ。
 「何それ?」
 「…………分からないか…………」
 あからさまにがっかりした様子で座り直すゼル。
 「あ、じゃあ。
 まず聞きますけど、魔族ってわかります?」
 「……昔話に良く出てくるやつ?」
 アメリアの質問にも、大した反応も示さない。
 つまり……
 「ゼロスの記憶を埋め込まれた普通の子供ってあたりかしら」
 あたしの意見に、それぞれうなずく残りの3人。
 ……どーせガウリイは何にも考えてないとは思うけど……
 「ねえアメリアおねーちゃん、もう難しい話って終わり?」
 ……軽く首をかしげて聞いてきたりするそのしぐさも、確かに普通の子供のものである。
 「うーん……」
 「まあ、あんたにこれ以上聞いても何か分かるって事はないみたいだけどね」
 それぞれ答えるアメリアとあたし。
 「じゃあさ、僕海行ってきてもいい!?いい天気だしっ!」
 「昼メシまでには帰ってこいよー」
 ……あたしたちがまたずり落ちている間、子供ゼロスはガウリイに釘などさされつつ、宿のおっちゃんから麦わら帽など借りて宿から元気に飛び出していったのだった。



 「おにーちゃんたちも難しい話してないでくれば良かったのに」
 僕は海に続く道を行きながらそうつぶやいた。
 空は雲一つないいい天気。
 向こうに見える海が太陽を反射してまぶしすぎるくらいだ。
 小鳥達もあちこちで楽しげにさえずっている。
 ……何か叫びたくなった。
 
「人生って素晴らしい〜♪」
 
……後ろのほうで何かが落ちたような音がしたが、無視した。



 「な、な、な、何なんだよ今のは!?」
 何もない虚空から落ちてきた少年は、息絶え絶えでそうつぶやいた。
 12,13歳ほどの美少年ではあるが、その顔は引きつって台無しである。
 「た、確かに、おかーさまに様子を見てこいって言われたんだからよっぽどすごい事があったんだろーとは思ってたけど……まさかいきなりこんなに強烈な精神攻撃を食らうとは……」
 それだけ言って、少年はよろよろとどこかへ消えていった……



 どがっしゃぁんっ!

 外から聞こえたその声に、わたしたちはテーブル巻き込みつつひっくり返った。
 「な、な、な、何なのよ今のっ!」
 ……始めに立ち直ったのはリナさんだった。。
 「あの子供ゼロス、やってる事はふつーの子供といっしょだなー」
 「……普通の子供が往来であんな事叫ぶわけないだろうが……」
 テーブルの下から出てくるガウリイさんと、テーブル直しつつツッコミを入れるゼルガディスさん。
 「でも、これで少なくともゼロスさんが子供に変形して遊んでるって線はナシですね。ゼロスさんがあんな事を大声で叫んで無事で済むとは思えませんし」
 わたしも何とか立ち直ってそう言ってみる。
 「……確かにね。
 じゃあ次っ!あれが普通の子供だとして、何でゼロスがンな細工をして姿を消したのでしょうっ!」
 ………………………………
 しばらく沈黙が落ちる。
 ウェイトレスさんが落ちたり割れたりしたお皿を持っていく。
 「……やっぱ、ゼロスが何かの拍子で子供になったんじゃねーのか?」
 あっなるほどっ!
 「ンなわきゃないでしょーがガウリイっ!」
 「いーえっ!そーに違いないですっ!」
 「……へ?」
 リナさんがスリッパを取り出した格好で固まっているが、かまわず続ける。
 「わたしが散々真人間になりなさいっていったのを聞いてくれたに違いありませんっ!」
 「何ガウリイみたいなボケかましてんのよアメリアっ!」
 リナさんがこっちにスリッパをびしっ!と突き付けつつ、
 「ンなてーどであのゼロスが根性直すわきゃないでしょ!?」
 「愛と正義と友情があれば人間何とかなりますっ!」
 「ゼロスは魔族でしょーがっ!だいたい、世の中それで全部すむってもんじ ゃ……」
 「…………二人ともとりあえず座れ。目立ってるぞ」
 ……あ。
 ポーズを取っていたわたしと、スリッパ片手に仁王立ちしていたリナさんは、ゼルガディスさんの声にもう一度座り直す。
 ……結論が出るまで、まだまだ時間がかかりそうだった……



 「海だ〜♪」
 僕は、海について、まずそう叫んだ。
 別に深い意味というものはないが、お約束というもんである。
 僕はさっそく服を脱いで海に入ろうとして……
 しかし、いきなり海の中からきれいなドレスの女の人が現れたっ!
 「え、えええええっ!?」
 「………………ゼロス…………
 なんかえらく変わり果てた姿に……」
 「ひょっとして、海の女神様!?」
 
ぶぶぶぶぶ。

 ……女神様はそのまんま海に沈んでしまいました。まる。
 「……………………どーしよ…………
 そーだっ!海じゃなくて山に虫取りに行こうっ!」
 というわけで。
 僕はいったん宿へ走って帰ったのだった。



 その後。
 海王(ディープシー)ダルフィンが海でおなかを見せてぷこぷこ浮いているのを、地元の漁師が見つけて魚拓を取り出したなどの騒ぎがあったが、それはまた別の話。



 「……まあ、そんなところじゃないか?」
 ゼルガディスがコーヒーをすすりつつそう言った。
 「そうですね」
 アメリアがフライを切りつつそう答える。……ということはそんなところらしい。
 「で、どんなところなんだ?」
 がんっ!
 いきなりリナにステーキセットの空き皿で殴られた。
 「ガウリイっ!あんたもーちょっと話を聞こうってぇ気概はないわけ!?」
 「オレは聞いてるぞ。聞いた先から忘れてるだけで」
 「こおのクラゲぇぇっ!」
 「ガウリイおにーちゃーん、虫捕り網持ってる?」
 
どごしゃぁっ!

 いきなり入って来た子供ゼロスのその声に、オレ以外の3人はまたテーブル巻き込んでひっくり返った。
 ……まだオレのポークソテー残ってたのに……
 「……っと。何だって?」
 「あのねぇ、海じゃなくて山に行こうと思ったんだけど、宿のおじちゃんが虫捕り網持ってないっていうから、おにーちゃんなら持ってるかなーって」
 どーやってかっぱらったのか、無事だったパンなどかじりつつ言う。
 「いくらオレだって旅するのに虫網持ってこねーって。
 ……あ、そーだ。確かタカアシグモの巣を適当な木の枝につければ網代わりになるぞ」
 「え、そーなの?」
 「オレもちっちゃい時はよく虫取りしたからなー」
 「あ、じゃあおにーちゃんも来る?」
 「大人はやんねーんだって。
 やれんのは子供のうちだけなんだからな。しっかり遊んできな」
 「うん♪」
 素直に返事をして、子供ゼロスはまた元気に外へ飛び出していった。
 
がんっ!

 子供ゼロスが出て行くなり、リナにまた空き皿ではたかれる。
 「なっ何すんだよリナっ!いきなりっ!」
 「さっきタイミングはずして殴れなかったからよっ!
 大体ガウリイっ!あんたなんで一人でそんなに順応してんのよっ!」
 「なんでって……
 ふつーの素直ないい子じゃないか。
 いやー、ゼロスにもあんな子供時代があったんだなぁ」
 「………………………
 こぉぉのとーふ脳みそぉぉぉっ!」

がごしゃぁぁんっ!

 何ではたかれたのかは意識がなかったので分からない。



 「ガウリイおにーちゃんのうそつきぃ。ちっとも取れないじゃん」
 僕はそうぶーたれながらも虫を探して山の中を歩いていた。
 「あ」
 向こうのほうにオオムラサキトンボが止まっている。
 僕はそぉっと後ろから近付いて……
 「えいっ!」
 網をかぶせたっ!
 しかし、トンボはクモの巣虫捕り網をあっさりやぶって飛んでいってしまった。
 「ちゃんとした網なら今の取れたのにぃ……」
 あふれそうになる涙を何とか押さえる。僕は男の子だから。
 
「ガウリイおにーちゃんのいぢワるッ!」

 ……そう叫ぶだけにして、僕はまた別の虫を探し始めた。



 ……この時。
 別の木の上で、獣王(グレーター・ビースト)ゼラス=メタリオムが硬直していた。
 「ぜ、ゼロス……ダルフィンがうわ言ばっかり言ってるから何かあったとは思ってたけど……
 ……ってこうしちゃいられないわっ!とっとと元に戻さないとっ!」
 ……どーやらL様、本っ気で思い付きだけでやったらしい。直属の上司に一言ぐらい言っておくべきだと思うが。



 「ゼロスっ!あんたこんなとこで一体何してんのっ!」
 ……いきなり女の人にそう怒鳴られた。
 どこかで見たような気もするが、思い出せない。
 とりあえず聞いてみる。
 「おばさん、誰?」
 「おばさんんんん?
 もーアッタマ来たっ!根性叩き直すわよあんたっ!」
 そう言われるなり僕は耳たぶ掴まれて吊り上げられたっ!
 「痛い痛い痛いっ!うわぁぁぁぁんっ!」
 「泣いたって無駄よっ!今度という今度は愛想が尽きたわっ!」
 「あー……ちょっと待ったゼラス……それ止めたほーがいーと思う……」
 向こうから出てきてそう声をかけたのは、12,13歳ぐらいの黒髪黒瞳のおにーちゃんだった。
 ……なんかみょーにだるそうだったけど……
 「……………………
 どーしたのよフィブリゾ。あんたがそんなに参ってるなんて」
 「いや……さっきそっちのゼロスに『人生って素晴らしい』って絶叫されてね……
 それがちょっと……キツかったって言うか……」
 「じゃああんた、これが一体何なのか知ってんのね!?
 どーゆーことよこれっ!わたしなんか面と向かっておばさん呼ばわりされたのよ!?」
 「ゼラス……とりあえず落ち着きなよ……口調変わってるよ……
 ……………………おかーさまのおふざけ」
 
びしっ!

 その一言で、おばさんは完全に凍り付いた。
 僕を吊り上げた手が離れる。
 「えっ…………それって…………」
 「じゃあ僕は伝えたからね……これ以上ややこしくなる前に帰るけど……」
 「ちょっちょっと待ってっ!わたしも帰るわっ!」
 ……そして、わけわかんない二人はどこかに消えた。
 「う…………」
 忘れてた耳の痛みが、また戻ってきた。
 「うぇぇぇぇぇぇんっ!」
 そして、僕は泣きながら全力ダッシュでみんなのいる宿へと帰っていったのだった。



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21574子供(ピノキオ)―後編―お久しのりぃ E-mail URL2002/8/28 00:20:26
記事番号21571へのコメント



子供(ピノキオ)―後編―


 「ぅわああああんっ!」
 子供ゼロスは、今度は泣きながら走って部屋に帰ってきた。
 ちなみに俺たちは昨日と同じ宿の同じ部屋に1日居座っている。もしあの子供が、ゼロスか何かの陰謀で、誘拐されて連れてこられている場合などにはトラブルが起きるからである。このまま出ていったら、最悪の場合誘拐犯扱いされる事もありえるからだ。
 「アメリアおねーちゃあああんっ!なんか変なおばさんにいじめられたぁぁぁぁっ!」
 部屋の中に走り込んでアメリアに飛びついてやっぱり胸のあたりに顔を埋めるっ!
 またかお前はっ!
 「グレイワーズ・スラァァァッシュっ!」
 「インバース・ファイナル・ガトリング・キィィィックっ!」
 
ばごめぎぃぃぃっ!

 ……俺が放ったアッパーで子供ゼロスが宙に浮いたところをリナのキックが壁までぶっ飛ばした。
 「……ってアメリアっ!なんで今抵抗しなかったんだ!?」
 「いや何でって……どうも普通の子供らしいですし……」
 「そーだな。子供のやる事にいちいち目くじら立てるなんて大人らしくないぞ。ゼルガディス」
 平然と言うアメリアとガウリイ。
 「……なんでお前らこんなわけ分からん事に順応してやがるんだ……」
 「ところでゼル、今あたしより先に出たわよねぇ?
 あたしは女の敵は許さないってだけだけどさぁ、あんたは一体なぁんでそんなに反応が早かったのかしらぁ?
 ……ひょっとしてゼル、子供に嫉いてる?」
 「ば、馬鹿言うなっ!ンなわけないだろうがっ!」
 「いや、だとしたらやっぱり子供を殴り倒すのはまずかったんじゃないか?お前らしくもない」
 「お前らなぁぁぁっ!」
 「……………………
 う、う、うぇぇぇぇぇんっ!ゼルガディスおにーちゃん怖いよぉぉっ!」
 「あーあーよしよし。もう大丈夫だからね。
 ちょっとゼルガディスさんどーするんですか!?」
 ……………………

 俺は覚えていないのだが。
 後でリナたちが「やり過ぎた」と謝りに来たところによると、俺はしばらく画面隅の方で「いーんだいーんだ……どーせ俺なんか……」とかつぶやいていたらしい。



 「ゼル……だいじょーぶかな……あんなに落ち込んじゃって……」
 「確かに……ちょっとやり過ぎちゃったかもしれませんね……」
 あたしのつぶやきに、アメリアがそう返してくる。
 ぴちょーん。
 上から水滴が落ちてきて、水面に波紋を投げかけた。
 宿の温泉である。
 「でも大丈夫ですよ。ゼルガディスさんなら」
 「……まあね。
 後で謝んなきゃなんないとは思うけど」
 あたしは天井を眺めながらそう返す。
 ……いやそーでもしないと……その……胸のサイズをついつい比べちゃって……
 そんなあたしの複雑な乙女心にはかまわずに、アメリアが爆弾発言をかました。
 「……それにしても良かったですねー、リナさん。
 なんかガウリイさん見てると、すっごくいいお父さんになりそうじゃないですか」
 
がぶぶぶぶっ!?

 思わず沈むあたし。
 「……ぷっはあっ!
 な、何言い出すのよいきなりっ!」
 「えー?そーじゃないですか。あんなに一生懸命子供ゼロスの世話しちゃって。
 何て言うか、結構いろいろ面倒見てくれそうじゃないですか!?
 いいですよねー。子育て二人で仲良くやってる夫婦って♪」
 「夫婦って♪ぢゃないでしょーがっ!
 だいたい何であたしとガウリイが、ちょっとまった、そ、そ、そんな子供なんてぇっ!」
 顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。
 「うっわー、リナさん、赤くなってますよ?ひょっとしてそーぞーしてたりします?」
 「し、し、し、してないわよっ!」
 くっそー……こいつあたしより年下のはずなのにこーゆーとこばっかしっ!
 となればっ!このまま黙ってても勝ち目は薄いっ!反撃あるのみっ!
 顔にお湯をはたき、赤い顔を何とかごまかして、
 「大体アメリア、あんたこそ人の事どーのこーの言う前に自分はどーなのよ?」

がばばばばば。

 ……アメリアが水面下に沈んだ。



 「ぷはっ!
 な、何言うんですかリナさんっ!」
 私は何とか顔を出してリナさんに食ってかかった。
 ……確かに、ちょっとリナさんの事からかい過ぎたかもしれないけど……
 さすがリナさんっ!やっぱり油断のできない相手ですねっ!
 一人で闘志など燃やしてみる私。
 「なーに言ってんのよ。
 あんた人の事ばっかし聞いといて、自分の事言わない気?」
 何やらリナさん、にっこにっこ笑っているように見える。
 あの顔は絶対、これからしばらくからかい倒してやろうとか思ってるに違いないっ!
 ならからかえないような方向に話を持っていくのみっ!
 「……言っときますけどリナさん……
 ゼルガディスさんの子供って……どーゆー体になるんでしょー……」
 ぴちょーん。
 静寂が落ちた女湯に、水滴の音がやけに響いた。
 ……と思ったら。
 「知んないわよ。ンなもん。
 産まれたら知らせてね。見てみたいから♪」
 いきなしお気楽に言い切るリナさん。
 「……ってそんないーかげんなっ!」
 「だってあんたたちのことでしょーが」
 言い募る私を更にさらっと流して、 
 「大体あんたそんな事もう考えてるわけ?
 ゼルがこの旅で人間に戻れるかもしんないとかそーゆーのじゃなくて?
 そんなのは後で考えればすむ事じゃない」
 またあっさりと言い切る。
 「え…………
 じゃあリナさん、リナさんはその……ガウリイさんと落ち着くとか、そーゆー事考えてないんですか?」
 ……一回聞いてみたかった事を聞いてしまった。
 「んー、あたしねー」
 考えてるのかとぼけてるのか。しばらく目線を天井に向けて。
 「……ガウリイがそういうなら考えてもいいけど、あたしとしてはもーちょっと旅してたいかな。
 ま、そーなるならそれはそれで悪くないんじゃないかなーって思うしね」
 ………………余裕だな、って思った。
 「だってさー、ガウリイのあのクラゲ頭についてけるのなんかあたしぐらいじゃない?」
 ……リナさん、きっと、自信あるんだ。
 ガウリイさんが勝手にどっか行っちゃったりしないって。
 ……私は時々、ゼルガディスさんが急にいなくなっちゃうんじゃないかって心配になってつい甘えちゃうのに……
 ぴちょーん。
 また水滴の音が響く。



 ……ふっ。勝った。
 あたしは黙り込んだアメリアを見て、始めそう思っていた。
 あたしより年下の分際で、やれ子供がどーのお父さんがどーの落ち着くのがどーの何て言う方が悪いっ!
 ……それが半分。
 もう片方は……アメリアがそこまで考えてるんだなっていうのが分かったから……
 たぶん、負けたくなかったんだと思う。
 アメリアって……その……胸とか女らしさとか可愛さとかそういうのできっとあたしより勝ってるから。
 でもあたしは、正直考えてなかった。
 いや、考えた事はあったけど、まだ先延ばしにしていたかった。
 だから、あたしの落ち着いた態度は、半分以上嘘。
 でも、言ってる事は本当。
 ………………ふう………………
 あたしはため息一つついて、窓の外へと目をやって……
 窓の外から見ていた何かと、ばっちり目が合った。
 
!!!!!

 「きゃああああっ!のぞきよのぞきっ!
 竜破斬(ドラグ・スレイブ)っ!」

づどがぁぁぁぁんっ!

 「リナさん、服、服っ!」



 かくして。
 窓を間違えた覇王(ダイナスト)グラウシェラーは、ゼロスに引き続き、「魔族としてめちゃめちゃにレベルが低くて恥ずかしい犯罪を犯した奴2号」と言われて、他の腹心達に散々にからかわれることになったと言う。
 無論罪名はのぞきである。




 「まったくっ!
 のぞきなんて悪そのものですっ!
 今度あったら絶対に正義の裁きを下してやりますからねっ!!」
 「……っていうか今度似たよーな事があったら証拠がなかろーが冤罪だろーが絶っっ対にぶっ飛ばすっ!
 ……あ、じゃあそういう事で。ガウリイ、ゼル、お休みっ!」
 ……ばたん。
 扉が閉まった。
 俺とガウリイは何だか良く分からなかったのでなんとなく顔を見合わせる。謝りに来た……らしいのだが。
 子供ゼロスは自分のベッドの上でもう寝ていた。
 「リナの竜破斬(ドラグ・スレイブ)を受けて、なおかつへーきで痕跡すら残さず消えられるよーなやつがのぞきをやんのか?」
 「……て言うかガウリイ、俺覚えてないんだが、そんなに落ち込んでたのか?」
 「よっぽどの落ち込みようでなきゃリナたちが謝りになんか来るわけないだろう。
 なんか部屋の隅っこに行って縦線背中にいっぱい引きつつぶちぶち言ってたぞ」
 「……………………」
 ……俺……そんなにみっともないことしてたのか……
 別に嫉妬したわけじゃない……と思って……いるんだがなあ……
 ただアメリアがゼロスかもしれんやつに触られるのが嫌だっただけなんだが……
 ………………………………
 「ま、気にすんなって。リナたちも謝りに来たんだしよ」
 こっちの気も知らずにのーてんきにガウリイが言う。
 「……お前さ、リナの胸触られたりしたらどうする?」
 「リナの胸わざわざ触るようなやついないって。
 いーからとっとと寝よーぜ。オレいーかげん疲れたよ」
 ……こいつに聞いた俺が馬鹿だった。




 「わぁぁぁぁっ!」
 夜中に悲鳴を上げて飛び起きたのは、子供ゼロスだった。
 「ん…………どうした?」
 「ゆ……夢……?
 ぅわぁぁぁんっ!ゼルガディスおにーちゃーんっ!怖かったよぉぉぉっ!」
 ベッドの上にぺたんと座っていきなり泣き出す。
 オレは良く分からなかったのでゼルガディスに聞いた。
 「おいゼルガディス、今の何だぁ?」
 「良く分からんが怖い夢でも見たらしい」
 ゼルガディスは背中を叩いてなだめてやったりしている。
 ……が、何も言わずにぺしぺし叩いてるだけじゃあ効果薄いと思うぞ……
 まあ子供に慣れてないだけだと思うが。
 「ううっ……ひっく……
 ……………………
 ゼルガディスおにーちゃん、一緒に寝ていい?」
 「俺じゃなくて向こうのにーちゃんにしとけ。俺だと髪が刺さって危険だ」
 ……そーいえばそうだ。
 「ほれ」
 オレは言ってふとんのすそを開けてやった。
 子供ゼロスは素直にベッドにもぐって、しばらくごそごそしていたが、やがて俺の腕を枕にして落ち着いた。
 すぐに寝息を立て始める。
 「お前……慣れてないか?」
 「そーでもないって」
 ゼルガディスはまたふとんに潜り直したらしい。……ここからじゃ見えないが。
 「ただオレ、子供の頃結構甘ったれだったからなー」
 「……なるほどな」
 子供ゼロスは腕枕をしてもらって丸くなっている。
 「……何がなるほどなんだよ?」
 「子供の頃よく甘えさせてもらったやつは甘えさせるのも上手なんだって言うからさ」
 ゼルガディスの声にかすかに笑いが混じっているように聞こえる。
 「そーゆーお前はどーなんだよ」
 オレも同じくそう返してやった。
 「俺はどうにも子供ってやつがな……」
 「苦手なのか?」
 「………………
 前に通りすがりの子供に『わーママ、石が動いてるー』『しっ!見ちゃだめよっ!』とか言われたからな……」
 「なるほど……」
 ……今度はオレが納得する番だった。
 「それにしても」
 ゼルガディスが話題を変えた。
 「こいつ、本当に何なんだろうな」
 「ゼロスだろ」
 「……っておい、お前さっきもそう言ってリナに殴られただろうが。ウェイトレスの持ってた皿満載のトレイで」
 ……そーだったのか。全然気づかなかった。
 「でもゼロスだぞ?どっからどー見ても」
 「……お前……わかるのか?」
 「わかんねーのか?」
 聞くゼルガディスに聞き返す。
 「…………まあいいか。
 どうせすぐ元に戻るんだろうし、戻らなかったらお前に任せとけばいい事だからな。
 面倒見ろよ。パパ」
 「ぱぱぁ!?」
 思わず起き上がってしまった。
 が、ゼルガディスは言うだけ言ってさっさと寝入ってしまっていた。
 ……いや、さっきまで話してたのにいきなり寝るなんてこともないだろーから、絶対寝たフリこいてるだけだと思うが。
 「…………うーん…………」
 腕枕がいきなり抜けたからか、子供ゼロスがごそごそしている。
 「ま、いっか」
 それだけつぶやいて、オレはまたふとんに潜り直した。



 どんっ!
 「…………痛った〜……」
 僕はベッドの上から落っこちてしまった。
 どうも、ガウリイおにーちゃんが寝返りを打った拍子に転がり落ちてしまったらしい。
 すっかり目が覚めてしまった。
 「…………ふう」
 軽く息をついて、周りを見回してみる。
 別に特に変わった事はない。ゼルガディスおにーちゃんも向こうで寝ている。
 壁の向こうでは確かアメリアおねーちゃんとリナおねーちゃんも寝ているはず。
 「どーしよっかなー。また寝よっかな」
 そんな事を言いながら、なんとなく寝る気にならないでベッドに座っていると。
 いきなり目の前に光と共に女の人が現れたっ!
 「ゼロス、起きなさい……ってもう起きてんのね」
 「また女神様!?」
 
ずずずずず。

 ……女神様はいきなり床にずり落ちてしまった。
 「あ、あんたねぇ……
 いや、みんながみんな半死半生で帰ってくるからよっぽどすごかったんだろーとは思ってたけど……
 なんつーか……確かにこれ見てるだけでかなりキッツいものはあるわね……」
 何だか訳の分からない事を言いつつ体を起こす。
 「ど、どーしたんですか?僕何か言いました?」
 「あー……あんたはもー黙ってていーから……
 これ……設定段階ではもーちょっときれいで美しくてちょっと切な目のラブストーリーになるはずだったのに……
 私だって出られるっていうから喜んで出てきたのに……」
 何やら安っぽいステッキを使って立ち上がり、
 「もーいーわっ!とりあえず、これ以上被害がひどくなる前に元に戻すわよっ!」
 言ってそのステッキをびしっ!と構えるっ!
 「えーっ!ちょっと待ってよっ!僕結構今これ気に入ってるのにぃっ!」

びしっ!

 今度はいきなり硬直してしまった。
 よく見ると腕なんかちょっと痙攣している。
 そのまんまステッキがふるふるしながらこっちに近付いてきた。
 そして。
 
「きえぇぇぇぇいっ!」

ばごばごばごばごばごっ!

 ……めった打ちにされた僕は、ベッドにひっくり返ってまた気絶したのだった……



 「だぁぁぁぁぁっ!」
 「うわぁぁぁぁぁっ!?」
 あたしの穏やかな眠りを妨げたのは、やっぱり昨日のように隣りの部屋からの悲鳴だった。
 「ガウリイさんの声と……
 ゼロスさんの声……?」
 アメリアも起き出してきてそう言う。
 としたら……
 「だいたい想像はついたわね」
 そう言ってあたしは、アメリアと一緒に隣りの部屋のドアを開けた。



 「だぁぁぁぁぁっ!」
 「うわぁぁぁぁぁっ!?」
 朝起きて、ガウリイさんと僕は、それぞれ互いに悲鳴を上げた。
 「うるさいっ!
 ……あ、ゼロス。戻ったか」
 ゼルガディスさんはあまり驚いていない。
 「ぜ、ゼロス、お前いつ?」
 ……ガウリイさんはただいま絶賛驚愕中である。
 無論僕だってそれは同じである。
 「僕だって聞きたいですよっ!一体何がどーなってるんですか!?何で僕とガウリイさんが一緒のベッドにいるんです!?」
 夜中にあの方がいらっしゃったのは覚えているが、頭をはたかれた後の記憶はない。
 あああああっ!一体あの方は何をさせてくだすったんだ!?
 何か敬語が間違っているような気もするがそれどころではないっ!
 ガウリイさんは、どうやら立ち直ったようである。
 「覚えてないのか……?」
 「覚えてないですっ!ひょっとして僕、何かすごい事してませんか!?」
 「……まあすごいって言えば確かにすごかったかな」
 えええええっ!?僕一体ガウリイさん相手に何を!?
 「教えてくださいっ!」
 「……それは秘密だ」
 「ゼルガディスさんまでそーやってぇっ!」
 ドアが開いた。
 「ほーらやっぱり予想どーり♪」
 「……でも、ちょっともったいないような気もしますね。昨日のゼロスさんの方が可愛かったです」
 「やっぱり昨日のはゼロスの変形だったらしくてな。……理屈は良く分からんが」
 リナさんとアメリアさんは、ゼルガディスさんと話しつつ大して驚いた様子もなくこっちを見ている。
 「リナさんっ!アメリアさんっ!
 僕ひょっとして、昨日女装してみたりとか演歌歌ってみたりとかガウリイさんに迫ったりとかしてたんですかっ!?」
 リナさんとアメリアさんは互いに顔など見合わせて。
 「別にそーゆー事は無かったと思うけど……」
 「ひょっとして覚えてないんですか?」
 「覚えてないですっ!教えてくださいっ!」
 リナさん達は4人でまた顔を見合わせる。
 「別に教えてもいいけどな……
 ゼロス、お前、下手すりゃ完璧に滅びるかも知れんぞ。
 俺たちだってかなり精神的にきつかったんだからな」
 ゼルガディスさんがため息交じりにそんな事を言う。
 「でも、このまんまほっといたらこいつ誤解したまんまじゃない?
 だったらきっちり教えといた方がいいと思うけど。
 ……妙なうわさとか立ったら困るし」
 「まーそーだろーな。うん」
 リナさんにガウリイさんが同意している。
 ……まあガウリイさんはどーせ何も考えてないだろーけど……
 「さてそこでっ!
 私が昨日こっそり付けといたこの極小メモリー・オーブ記憶球の出番ですねっ!」
 「おおっ!なーいすアメリアっ!」
 「アメリア、お前、いつのまに!?」
 「昨日肘鉄食らわせついでに付けといたんですっ!」
 「へー。器用だなー」
 4人で何やら話している。
 なんか……見たくないような気もするんですけど……
 でもはっきりさせておいた方がいいような気もしますし……
 「さーゼロスっ!見てショックを受けるのと見ないで一人でどんどん消耗してい
くのとどっちがいい?」
 リナさんの心底嬉しそうな笑顔を見ながら。
 僕はしばらく悩んだ。



 後日。
 僕は結局映像を見て、生の賛歌を放ちまくる自分の姿に失神し、さらに獣王(グレーター・ビースト)様と冥王(ヘルマスター)様と海王(ディープシー)様と覇王(ダイナスト)様に怒られ、赤眼の魔王(ルビーアイ)様には自分が出てないのになんでお前らばっかり出るんだと愚痴られ、あの方には散々笑われまくったあげく、嫌がらせのような仕事の量に没頭する事になったのを付け加えておく。


*****************************************

 と、いうわけで、子供(ピノキオ)でしたっ!
 実はこれ、L様のいっていた通り、当初はゼロス君を子供にするつもりはありませんでした。むしろゼロアメ系シリアス風味の小説になる予定だったのですね(だからゼルがちょっと妬いてる)
 がっ!一番初めのオープニングで、いきなりL様が暴走、後はもう成り行きに任されてしまったわけです(爆)
 とりあえず、一番書いていて驚いたのは、グラウシェラーが覗きに走った(核爆)ことと、ガウリイが意外と目立った事ですか。
 とりあえず今回はこの辺で。魔族ファンの方、怒らないでくださいね♪
 でわのりぃでした〜。

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21592ゼロやん可愛すぎvv春祭あられ E-mail URL2002/8/29 13:02:48
記事番号21574へのコメント

こんにちは。レスでははじめましての春祭ですvv

ふふふ。読みましたよ。読みましたともさ、ちょっと違ったピノキオ物語!!
子供の、人間化したゼロやん(ゼロス)可愛すぎです!
特にあの「人生って素晴らしいっ!」と叫んだ辺りが・・・・・・
げふっ。私も精神攻撃食らっちゃいましたよ。なんて可愛いんだっ。(危)
パパ化してるガウリィとか、やはり女の子同士の恋のお話ししてる(修学旅行みたいだったv)リナとアメリアとかも凄い良かったです。
そして、嫉妬心丸出しだったゼルガディスも。(笑)
結局L様は何がやりたかったんだか。(爆)
ま、とっぴな行動はいつものことですけどねぇ。

そんなわけで、短くて感想にもなってないけどこれにて。
次も頑張ってください!!待ち伏せしてますからvv(えっ?!)
 春祭あられ

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21600ゼロやん(爆)お久しのりぃ E-mail URL2002/8/29 21:19:09
記事番号21592へのコメント


>こんにちは。レスでははじめましての春祭ですvv

 はい、こんにちは。同じく始めましてののりぃです〜♪感想ありがとうございます♪

>ふふふ。読みましたよ。読みましたともさ、ちょっと違ったピノキオ物語!!
>子供の、人間化したゼロやん(ゼロス)可愛すぎです!
>特にあの「人生って素晴らしいっ!」と叫んだ辺りが・・・・・・
>げふっ。私も精神攻撃食らっちゃいましたよ。なんて可愛いんだっ。(危)

 ひそかに「ガウリイおにーちゃんのいぢワるッ!」もかなり来てますね。
 これ書いたときには15巻発売直後でしたので、そこから持ってきた模様です。
 しかしゼロやん……ゼロやん……確かにそういうとかわいいかも……ぷぷぷぷぷぷっ!(待て)

>パパ化してるガウリィとか、やはり女の子同士の恋のお話ししてる(修学旅行みたいだったv)リナとアメリアとかも凄い良かったです。
>そして、嫉妬心丸出しだったゼルガディスも。(笑)

 ガウリイが甘えさせ上手だよなって言うのは前からあったんですよ。なにせあのリナが甘えてるぐらいだから(爆)そいでもって順応するのも一番早かったのでパパと化した(笑)
 アメリアもだんだん慣れてきてましたね。あのまんまほっといたらもっと面白かったかもです(待て自分)

>結局L様は何がやりたかったんだか。(爆)
>ま、とっぴな行動はいつものことですけどねぇ。

 L様は出番を目ざとく見つけてきただけだと思われます(さらに爆)
 まあ私の場合、大体においてキャラは勝手に動くものなので、フィブ君は勝手に空中から逆さに落っこちてくるし、グラさんは勝手に窓を勘違いして覗きと化してくれましたし(連爆)
 気づけば、今まで書いた中で一番キャストが派手な作品となってました。っつーか、こんな話が一番派手でいーんでしょうか自分(汗) 

>そんなわけで、短くて感想にもなってないけどこれにて。

いや、短くてもレスがあるだけでもう十分にありがたいのですよ(笑)

>次も頑張ってください!!待ち伏せしてますからvv(えっ?!)
> 春祭あられ

 うっ!期待された上待ち伏せされてるっ!?(汗)
 実はまだ昔に書いたストックが残っていたりもしますが……やっぱりかなりの実験作なので、投稿は悩んでたりします(をい)

 まあそれはともかく。感想ありがとうございましたv
 でわこのあたりで。のりぃでした〜♪

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21633おまけ 拾いゼルのりぃ E-mail URL2002/8/31 22:18:37
記事番号21571へのコメント

 え〜っと、ついでですので、昔練習ページに投稿した一発ネタを再投稿させていただきたいと思います。
 ちなみにゼルガディス君一人称。皆さん、思う存分こけてください(爆)

それでは「拾いゼル」、どうぞ。

*****************************************


 ――とんでもないことをしてしまった――
 衝動が過ぎて、俺はそれを後悔していた。
 自分のしている事ぐらいはコントロールが効くという自信があった。
 なのに――気がついたらこいつを抱きしめていた――
 俺が――俺は今――こんなことをしているわけには――
 だが――抱いた腕は離れない。腕自体には力が入らず、中途半端に開いた手には逆に力がこもり過ぎてぶるぶると震える。
 瞳の中で、かすかに白がゆれる。
 それはこいつが不安で震えているのか、それとも震えているのは俺なのだろうか?
 見つめる、瞳。
 星が散り、涙が浮かんだ、その漆黒。
 その瞳に魅入られた。
 だが――俺はこいつを離して行かなければならない。
 ――それができるのか?
 ――それをしたいのか?
 ――俺は一体何をどうするべきで、今何をしているのだ?
 俺は――俺は――





 「――子犬を拾ってしまったぁぁぁっ!」




 俺の叫びが、雨の降る街にちょっと響いた。


*****************************************


 あははははははっ!すいませんでしたっ!もう何も言い訳する言葉が無いですっ!
 と、言うわけで、問答無用で撤収させていただきます。のりぃでした〜っ!でわっ!

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21638お久しぶりですのりぃ様vvむくぅ E-mail URL2002/9/1 12:41:56
記事番号21633へのコメント

 こんにちは。真昼間です。むくぅなのです。お久しぶりです(礼)
 サイト開設おめでとうございますッ! ていうかご挨拶にも参りませんで申し訳ありません(汗)
 ようやっと書き殴りにやってこれた……と思ったら、のりぃさんのお話が投稿されているじゃあありませんかっv
 というわけで、両方に感想垂れ流し(待て)てみたいと思います♪


 子どもゼロスさんが実にぷりちーです。そして不気味です(爆)
 確かに『人生って素晴らしーッ!』と叫ぶ子どももまれだと思いますが、なんというかまぁ、そんな風に叫ぶ魔族も珍しいなーと思ってみたり(滅びるって)
 L様ぢつにご健在でv というかとてもとても生き生きしていらっしゃるのが恐ろしい(笑) ゼロス以下高位魔族の方々(少々リナ一行特にゼル)災難でしたvv(何故嬉しげ)
 そしてむくぅ的にはのぞきと間違えられた覇王様が激ヒットです。竜破斬まで食らって……近隣の方々にごめーわくが出なかったかびみょーに心配です……
 最後に戻ってよかったのかゼロスさん。子どもゼロスに関しては何か最強だったような気がするんですけど(笑)

 ンで、おなつかしやな拾いゼルv 可愛らしゅう存じます(何語)
 子犬っこを拾うにもこれだけ悩むってことは、ことあるごとに人生で悩むんだろうなぁと思いました(何ゆえに)


 ……とゆーわけで、いきなりやってきた挙句につらつらと感想(汚染物質)を垂れ流してしまいましたが……すみません。
 これにて逃走させていただきますッ! それでは、またお会いしたいなーと思いつつ、むくぅなのでしたッ♪ 逃走ッ!

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21646ああっバレたっ!?(かなり待てっ!)のりぃ E-mail URL2002/9/1 20:47:48
記事番号21638へのコメント


> こんにちは。真昼間です。むくぅなのです。お久しぶりです(礼)
> サイト開設おめでとうございますッ! ていうかご挨拶にも参りませんで申し訳ありません(汗)
 
 はいこんばんわ。なんかパソ画面の見すぎで目が痛かったりするのりぃです(をい)
 ……ぎくっ!サイトがばれたっ!?(待てっ!)
 いえ、挨拶に行ってないのはこちらも同じ……とゆーより、ゴロ番ぽい番号踏んどきながらいまだに挨拶に行ってないこっちの方がより悪かったりするのではないかと(滝汗)
 ……すいません。もーちょっと落ち着いたら挨拶に参ります(ぺこり)

> ようやっと書き殴りにやってこれた……と思ったら、のりぃさんのお話が投稿されているじゃあありませんかっv
> というわけで、両方に感想垂れ流し(待て)てみたいと思います♪

 感想ありがとうございます♪ええ、いくらでも垂れ流してくださって結構ですよ〜それにのって流されつつ撤収しますから(さらに待て)

> 子どもゼロスさんが実にぷりちーです。そして不気味です(爆)
> 確かに『人生って素晴らしーッ!』と叫ぶ子どももまれだと思いますが、なんというかまぁ、そんな風に叫ぶ魔族も珍しいなーと思ってみたり(滅びるって)

 いや、でもさりげなーくけなげです子供ゼロス。「僕は男の子だから」とか言って泣きかけるの我慢してるあたり特に。精神攻撃バリバリに飛んでますが(だから滅びるって)

> L様ぢつにご健在でv というかとてもとても生き生きしていらっしゃるのが恐ろしい(笑) ゼロス以下高位魔族の方々(少々リナ一行特にゼル)災難でしたvv(何故嬉しげ)

 ……事件はL様の気まぐれから始まったといっても過言ではなかった……
 っつーか、元々ゼロスを子供にする予定は無かったのですが……L様の気まぐれでああなってしまったとゆー。
 いきなし著者の思惑を目いっぱい裏切る形で始まったこの短編、一体どうなるのか、書いてる途中で作者がひたすらどきどきしてました(をいこら)

> そしてむくぅ的にはのぞきと間違えられた覇王様が激ヒットです。竜破斬まで食らって……近隣の方々にごめーわくが出なかったかびみょーに心配です……

 腹心達はそれこそ勝手に出番を見つけて出てきましたから(爆)別に作者に悪気があったわけではないのです。ええホントですとも。そーいうことですから後書きに乱入して作者をどつき倒してどさくさ紛れに出番増やそーとかするの止めてください覇王様(滝汗)

> 最後に戻ってよかったのかゼロスさん。子どもゼロスに関しては何か最強だったような気がするんですけど(笑)

 あのまんまほっといたらもっと面白い展開になったかもしれませんねぇ(笑)
 ガウリイおにーちゃんと海に泳ぎにいってゼルガディスおにーちゃんに夏休みの宿題やらせて(爆)
 ……最終的には「対魔族汎用最終兵器ゼロぽん」と化すのでしょうか。なにせL様すら脱力する威力ですから(爆死)

> ンで、おなつかしやな拾いゼルv 可愛らしゅう存じます(何語)
> 子犬っこを拾うにもこれだけ悩むってことは、ことあるごとに人生で悩むんだろうなぁと思いました(何ゆえに)

 なつかしいっ!?はっ!もしや、こっそり練習ページに投稿したのもバレていたとわっ!?
 HP開設に当たり、過去作品を漁ってたら出てきたので、今ならそう大きい反応も無いだろうと思ってこ〜っそり投稿したのですが(何)
 「ゼルガディス君の犬のしつけ奮闘記」と言うのも面白かったかもしれませんね〜。どーせ噛まれても痛くないし。でも絶対しつけ本を集めまくってかえって失敗するタイプですね。彼(をい)

> ……とゆーわけで、いきなりやってきた挙句につらつらと感想(汚染物質)を垂れ流してしまいましたが……すみません。

 いえっ!むしろ反応が無ければこのままとんずら決め込む覚悟でしたからっ!(だから)

> これにて逃走させていただきますッ! それでは、またお会いしたいなーと思いつつ、むくぅなのでしたッ♪ 逃走ッ!

 はいっ!それではこちらもあわせて逃走したいと思いますっ!ていうかちょっと目が痛かったりするのが収まるまでパソ見るの止めたいけどどーせ無理ですしっ!(こら)次は多分昔書いたゼロリナもしくはオリジになると思いますっ!でわのりぃでした〜っ!撤収ぅぅぅぅぅっ!(あ〜懐かしい……)

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21777勝手に書いてしまった番外編(かなり待て)Yuppy E-mail 2002/9/10 09:29:15
記事番号21571へのコメント

勝手に書いてしまいました、Yuppyです。
えー、これはゼロスがもとに戻って、群狼の島に帰ったときの話で、かなり短いです。
題して、『獣王様のおしおき』です。


#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭

 ゼロスは憂鬱だった。なぜなら、いくらL様のおふざけとはいえ、人間化しているときに自分の上司を『おばさん』よばわりしてしまったからだ。元に戻って、アメリアのメモリーオーブで自分が人間化している時の様子を見て、思いっきり焦った。
『人生ってすばらしい〜〜〜〜!』
と絶叫する自分がいたり、
海王を
『海の女神様』
と言ったり、あまつさえ、獣王に会ったとき、
『おばさん、誰?』
である。
 思わず卒倒してしまった。よく滅びなかったものだと思う。
 で、いくら記憶がなかったとはいえ、上司に無礼を働いたのだ。謝りにいくべきだと思って、主の居る群狼の島に戻ったのだが、
(殺される、絶対殺される〜〜〜〜!)
 獣王の私室の前で、さっきから1時間以上心の中で絶叫していた。
 扉を開ける勇気がない。
 でも、獣王のことだ。ゼロスが扉の前にいることはすでにわかっているだろう。意を決して中に入る。
「あ、あの、獣王様・・・・・・?」
 返事がない。良く見ると、ソファーに座ってワインを飲んでいたりする。つまり、ヤケ酒だ。
「あ〜、おかえりゼロス」
(お、怒ってない?)
 ゼロスが不信に思っていると、獣王がつかつかとゼロスの元に来て、
「ゼロス、誰がおばさんだって?」
 ぴしっ!
 ゼロスは硬直した。
「・・・・・・・・・・・・・(滝汗)」
「だ〜れ〜が〜、おばさんだってえ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(超滝汗)」
「答えらんないんだ。おしおきじゃあああああああああああ!」
「うどああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?」
 群狼の島にゼロスの叫び声が響き渡った。
 ゼロスがどんな目にあったのかは定かではない。
 合掌。

#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭#♭

ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。ええ、反省しております。
では、私は逃げます!!