◆−突然ですが、一話です!−恵宝 (2002/9/6 22:55:14) No.21704 ┣さらに、二話です!−恵宝 (2002/9/7 17:25:52) No.21716 ┃┣どうも、はじめまして−龍崎星海 (2002/9/7 20:38:47) No.21721 ┃┃┗ありがとうございますっ♪−恵宝 (2002/9/7 21:47:39) No.21724 ┃┗そして、三話です!−恵宝 (2002/9/7 21:48:00) No.21725 ┃ ┗さらに四話ぁぁぁあああっっ!!−恵宝 (2002/9/8 00:38:25) No.21731 ┃ ┣おおう‥続きですね−龍崎星海 (2002/9/8 03:24:51) No.21732 ┃ ┃┗はい、つづきでした〜♪−恵宝 (2002/9/8 15:50:41) No.21739 ┃ ┗五話ですぅぅぅぅぅっっ!!!−恵宝 (2002/9/14 23:53:30) No.21861 ┗ちょっと意見なんですが。−山中 智也 (2002/9/9 17:38:54) No.21762 ┗ご意見、ありがとうございます。−恵宝 (2002/9/12 19:32:54) No.21808
21704 | 突然ですが、一話です! | 恵宝 E-mail | 2002/9/6 22:55:14 |
恵宝:うあああああっっ!! ごめんなさい――!!!! エル様:突然何事かと思うわよ、普通。 恵宝:すいません・・・・・・。誘惑に負けたんです・・・・・(涙) エル様:今度はとあるマンガのパロ。一部スレイヤーズキャラに置き換えて読んでたら、書きなくなったのよ。こいつ。まだあれ、あたしが再登場近いってとこなのに。 (エル様、恵宝を一睨み。空気が凍りつく・・・) エル様:一応ガウリナで、ゼルアメになるかは未定、最初の頃はルクミリもアクセントとしてあり、よ(はぁと) 恵宝:もし、苦情が三件以上あったら打ち切ります・・・・・・ので。とりあえず、書こうかと。 エル様:この設定・・・・・・あたしがほとんど出ない・・・リナとガウリイばかりじゃない・・・(怒) 恵宝:っっ!!!(悪寒) エル様:あんたそれでも・・・あたしを活躍させようの会、会員!? 恵宝:で、でも〜! 今進行中の話も。今回も!!かなり偉い役柄ですよ〜!その所為で出番は少ないですが。 エル様:あたしは元々偉いわよ。万物の母だもの。 恵宝:で、では・・・・誘惑に負けたぞ記念(?)。一話・・・。 いきます!(ちなみに、今現在「無題」。思いつかなかった・・・。その代わり、サブタイトルはつけますが・・・。題募集・・・) 1話 物語は、今始まる。 天敵。平たく言えば、天然の敵。お互いの意思など全く関係なく、争う事が義務付けられているといってもいい間柄。 天敵には様々な種があるが、決して闘いたくて闘うわけではない――たぶん。 そして。あたしにとっての天敵――それは。間違いなく。誰がなんと言おうと。 ――あの男の事だ――! そう思いながら、叫ぶ栗色の髪の女性。 「ガウリイ=ガブリエフ――――――――、……博士っ!!!!!」 彼女の声が、かなりの広範囲にわたり、響き渡っていた。 「ガブリエフ博士はどこですっ!!!」 そう言い、すたすたと走る――いや、歩いている。その後を、「班長っ」と呼び、ついていく数名の隊員達。 彼女は、振り返り―― 「廊下は走るな」 そう怒気に満ちた声で言う。 「走れば、スピードが増す分、歩行時の五倍以上の衝撃が生じる。VIPには老人も多い。注意しなさい」 「――…はひ……」 そう一気に言われ、隊員は冷や汗をかきながらも返事をする。その顔は、少し蒼白となっていた。 「よし」 そういうと、くるりと前に向き直り、物凄いスピードで歩いていく。 この女性。リナ=インバース。二十一歳。 長く、ゆるいくせっ毛の栗色の髪。今は怒りに満ちた、大きな紅い瞳。 「新大陸調査隊、警備班・班長」。小柄で華奢ながら、人並み外れた素早いスピードと、かなり稀有な、“術”を扱うという特技を持つ。百メートルを十秒で走る女。歩いても十六秒という説もあるほどに速い。 ――……この調査基地に来て以来、常に活火山。 「それをオレにくれるのか?」 そう言っているのは、長い金髪の男性。その横には、きらきらと薄く光る花を持つ子供達。 この大陸の子供達だ。 「綺麗だな、ありがとう」 「あいかわらずもてるわね。ガウリイ」 そう言うのは、パーマ頭の女性、ヴァージニア。同じ研究所内のスタッフで、ガウリイをファーストネームで呼ぶ、数少ない人間のうちの一人だ。 「これは特別に綺麗だな。これを見たらリナだって――」 「――あたしが、なんです?」 後ろからかかる、冷ややかな声。リナだった。 「あたしと今日会うのは何度目です?――博士」 「あ、リナじゃないか。今日は本当によく会うなあ。 何度目だっけ?」 のほほん、とした声で答えるガウリイ。その言葉に、リナの怒りゲージはどんどんどんどん上がっていく。 「さっきまで、大陸人子供がここにいたんだ。ほら、この花、綺麗――」 「そんな嬉しそうに言うんじゃな―――――――――――――――――――――――――――――――いっっっ!!!!!!!!!!!!!!!」 そして、リナの本日五度目の絶叫が基地に響き渡った。 彼らが、今訪れている、この大陸。 もう何百年も未開の地として放っておかれた場所であるが為、あまりにも『未知』という名の危険に満ちていた。 それ故、調査基地内でさえ、細心の注意を払い、どんな些細な事にも気をつけなくてはならないような、注意を怠ってはならない場所。そして、調査の為にそこにいるVIPの学者方を無事に守り抜くのが、ゼフィーリア世界警備、つまり、リナの勤める会社に依頼された仕事。 リナは、その為に選ばれ、派遣してきた警備員――。 そして、仕事は、絶対だ。上司でもある姉に逆らうような真似だけは死んでも出来ない。 ――だが。 「こンのくらげぇぇぇええええっっっっ!!!!! あたしはまた、注意に来たのよ!!!??? これで、今日だけで五回!! 無断で調査不十分な生物を持ち込まないように、何度言ったら忘れずに実行すんのよあんたはっ!!!」 そういいながら、どこかから出したスリッパで一撃お見舞いする。 その時、ガウリイの顔は、まるで捨てられる子犬のような悲しげな眼でリナの事を見上げていた。 「五回……そんなに怒られたっけか?」 「くらげぇえええええっっ!!!!!!!!!!」 リナは、また再びガウリイの頭をスリッパではたく。 ガウリイ=ガブリエフ。二十八歳。 さらさらで長髪の金髪で碧眼、にっこり微笑めばそれだけで周囲を騒がす容姿の持ち主にして、七つの博士号、そして七つの古代言語を解する、世界屈指のブレーン。 しかしながら、すぐに言った事、あった事を忘れるが故、リナがつけたあだ名が、「くらげ」という。 ガウリイ=ガブリエフ本人の性格を知るものはなんと適切な――と思った者が多数だったという。 「しっかし……花を摘むのは百歩譲っていいとして。 なんでわざわざ、警備室に飾ったのよ?」 「え……と。たしか、リナが怒ってばっかりいるから、心が和むように、と思ったんだが……」 その言葉に、リナは言葉を失い、この時ほど、誰かに助けを求めたかった事はなかった。 ――まだ、大陸に上陸して間もない頃、突然基地内で肉食種の二メートル以上もの、エイリアナとかいう虫が孵化し、大暴れした事があった。 激闘の末に、何とか倒したのだが。 後に、あれも、このガウリイ=ガブリエフ博士があれの卵を持ち込んだのだという事を、リナは人伝に聞かされていた。 そして、彼女は、時折―― ――ふふふ……―― 神に問う。 仏に問う。 本社に、そして―― ねーちゃんに問う……!!! いったい全体………こんな危なっかしいくらげを連れて……こんな危険な大陸を、どう渡れと……!!?? “術”も何も使わずに。ただ、自力で。甲冑を着こみ、海の底を歩く方が簡単な気がする…! リナはそう、心底思っていた――。 基地より、少し離れた、岩陰に、同じような顔をした少年のような子供達がいた。三人の名は、ティト、カッレ、シルといった。 [――博士、……いる?] [いる、いる] そう言う子供達。彼らが話すのは、この大陸の言語。 [早く行こうよ] [そうだな。でも――] もう一人は、他の二人とは違う、鋭い目で見る。 [……今はよそう。他の旧人が一緒にいる] [せっかく、石、取ってきたのに] [倒しちまえばいいじゃねーか、シル! 旧人なんか、おれ達に勝てやしねーんだし] [待つだけだよ。それに――] そこで、シルは一旦言葉を切る。そして、静かに目を閉じて言う。 [あいつ、“女性”なのに、他の旧人よりよっぽど強いんだ。 ――以前、エイリアナを一人で倒したと博士から聞いているし] その言葉に、他の二人は目を見開く。 [エイリアナ!?] [いいのかよ、旧人がおれ達の大地で殺生してよ] シルは、静かに目を開き、空を見上げる。 [それに――あの“女性”は常に博士を守っている。 今、あえて敵にまわす事もないよ――] 岩だらけの荒野に、青い、澄んだ空。 その地にて、未来を左右しかねない冒険の序曲が始まろうとしていた――。 これは、遠い未来の物語。 かつて、異変が重なり、地形が激変し、妙な病気が流行り、他の動物達とともに人口は激減し――それでも、生き抜いた人類が、安全な大地から、未知の世界と化した荒野に、目を向けるようになった事で始まった冒険の物語。 恵宝:書いちゃった・・・・・・。あははは。 エル様:あたしなんて欠片も出てこないし。 恵宝:だって、エル様は女王様ですから。まず、ガウリイそっくりさんが出てこない事には、名前すら出てきません・・・・・。 エル様:そぉ・・・・ふぅうん・・・ 恵宝:え、エル様!? そ、そのガラスってもしかして―――――!!! エル様:正解ッ♪ 恵宝:―――――――――――――――っっ!!!!!!! エル様:それでは、し〜ゆ〜っ♪ |
21716 | さらに、二話です! | 恵宝 E-mail | 2002/9/7 17:25:52 |
記事番号21704へのコメント 恵宝:こんにちは、続きです〜♪ エル様:懲りないわね・・・・・・あんた。 恵宝:あはははは。もうひとつの方と、常に同時にすればいいかと思いましてっ♪ エル様:まだ苦情もきていないしね。 恵宝:そういう事ですっ♪ それでは、二話!! 2話 二人に起きた変化 それは、今から数ヶ月ほど前の話。 学の都と呼ばれるところにあるプランナーズの会議室。 わずかに色がついているところ以外、真っ白に、昔の地形で描かれている世界地図。それは、その地域がどうなっているのか、全く分かっていないからに他ならない。 それは、全体の二分の一以上もあろうかと言うほどの大地だった。 「今現在、地形も分かっていない場所が、これほどにあります」 「――衛星を打ち上げる事が、出来ればな……」 「まず五年はムリだろう。経済力、資源、技術者。全てが足りない」 「我々の文明は、進化しているのかね。それとも、後退しているのかね」 「地形だけでなく、生態系も不明。我々に似た“人類”もいるという話ですしね」 「我々は、もうすでに、滅びゆく旧人類、という事なのかも……」 「あの――」 そんな人々の言葉を黙って聞いていた青年が、口を開いた。 「お金、そんなにないんですか?」 「そんなにないんですよ、ガブリエフくん」 くすくす、と笑いながらいう者が一人。 「十六世紀、欧州よりないですか?」 その言葉に、その会場にいた全員が言葉を失った。 驚きに満ちた顔を上げ、いっせいに全員がそう言った青年を見る。 「――人間の力だけで、コロンブスは海を渡りました。 お金持ちではなかったけれど、それでも、なんとかして――。 ――……オレ、行った方が早いと思うんです。 どんな場所かも、全くわかってはいない、その大陸へ――……」 そして、今。彼等は、その大陸にいる――。 [――博士!] そう言って、ガウリイを呼び止める、シル、ティト、カッレ。 三人は、基地内まで入り込んできたのだ。 [シル……! それに、ティトにカッレも……] ガウリイは、三人の姿を見て、驚く。 [ダメじゃないか、基地内まで入ってきちゃ……ここは] [――博士。すぐに行くから。 この石を、一緒に持って欲しい……それだけ、だから] [……石?] ガウリイに石を持たせ、三人は次々と、一緒に石に触れる。だが、何も起こらない。 そして、三人とも、その事実に落ち込み…… [どうしたんだ? ――これ、何だ?] [……博士] [――その石、あげる……記念に、して……] [――――その石は、貴方にあげる] そう言って、三人は走り出す。が、シルだけが、振り返り―― [その石を、誰かと一緒に持って欲しくない。運命が、それを命じようとも――] そう言うと、シルも二人の後を追うように走っていった。 「本当にもてるわね」 そう突然後ろから声がかかったのは、三人が行ってしまい、その青く薄い光を放つ石をしげしげと眺めていた時だった。 「…ヴァージニア」 「何、あの子達……ここまでわざわざくるなんて。それに……運命がどうとかって聞こえたけど……」 そういいながら、二人は歩いていく。 ガウリイは、 大陸は、謎が多いなあ――と、のほほんと考えながら。 そして、その道の角で、パトロール中の、リナとばったりと出くわした。 「あ、リナ。 今日はえーと……六回目だったっけ? 会うの」 そう言うガウリイの言葉には、リナは全く反応をしない。リナの視線は、ガウリイが持っている謎の物体にのみ注がれていた。 そして、低い声が紡がれる。 「それ。――卵じゃ、ないでしょうね……」 「たま、ご?」 その言葉に、なんのことだ? という表情で聞き返すガウリイ。 「ほら……以前の、虫の。二メートルの」 「あ、ああ、あれ……。いや、だぶんこれ、石だから。違うはずだぞ」 「……『多分』? 『はず』? 何故以前、自分が持ち込んだものとは違うと断言できないの?」 そのリナの声は、かなり怒りを含んだものに変わりつつあった。 「そ、それ…は、その……」 リナの言葉に、言葉に詰まるガウリイ。 「それを貸しなさい!」 「だ、だめだ!貰い物なんだし……!」 「検査が済み、害がないと分かったら返すわよっ! 今は貸しなさ――」 そう言って、リナがその石に触れた途端――。 ぱきぃぃぃん――――――――― 石が、音をたて、――割れた。 「ちょ…! ちょっと!! 大丈夫!!??」 そう叫ぶヴァージニアの声を、遠くに、どこか遠い感覚でリナとガウリイの二人は聞いていた。 ――体が、熱い……―― 二人は、その異常を感じ取っていた。 そして、リナの方のみ、力が抜けて……その場に、立てなくなっていた――。 メディカル・チェックの結果は――異常なし。 あれはなんだったのだろう――そう思いながら、リナはスープを口に運んでいた。 と、突然、力がまた入らなくなり……スプーンすら持つのがやっとと言う状態になる。 「な、なによ……これ……また――」 「リナ、大丈夫か? まだ顔色が――」 そう突然、ガウリイに声をかけられ――リナはスプーンを落としてしまった。スープの中身が、周りに飛んで……ガウリイのメガネにもかかる。 「だ、大丈夫か?」 そう言いながら、ガウリイはめがねを拭く――と。 めきょ。 メガネが、あっさりと曲がったのだ。 「と、特殊――チタンの、フレームが……新品なのに」 曲げた本人であるガウリイが、驚きの声を出す。 「いったい……」 そう言いながら、リナは立ち上がろうとする。だが。 ふらり。とよろめく。 ま、また、力が――抜ける―――……… 「――リナっ!」 ガウリイは、急いで、医務室へと駆け出した。 自分も、医学博士号を持っているが、その事実を、すっかりと忘れさって。 だが、今走っているガウリイのスピードは……今までの、ゆったりとしたガウリイのスピードではなく……百メートルを、八秒で走るほどの異常なまでの速度で、だった――。 「運命の石の話を聞きたい? ふうん・・・・・、 確か――」 それとほぼ同じ時間。 他のスタッフから、石の噂を聞いたヴァージニアは、ただただ、絶句するしかなかった――。 なんだろう……なにか、いい匂いが――する。 今まで。嗅いだ事のないような――でも、 体に力が入らない――。 かぐわしいのはわかった。だから……だから。 頼むから、消えて―――――――っ!!!! 「うーん、意識ははっきりしないのね。なにやら、うなされているけれど――」 「妙な話だな、ミリーナ」 「けれど、特にこれといって深刻な症状はないわ。少し心拍数が早くて、呼吸は早めだけど……未知のウイルスや細菌が検出されるわけでもないし」 「確かに……これは異常なしとしか診断が出来ないな――」 そうガウリイと会話してるのは、黒髪の男性と、銀髪の女性。医療班の数少なくなってしまったスタッフ、ルークとミリーナだ。ちなみに、どちらも医者。 「でも以外だったな。こいつがこんな風に倒れるなんて」 「そうね、ストレスの度合いから言っても、もっと内臓がぼろぼろでもおかしくないんだけど。軽度の胃炎で済んでいる。そんな丈夫な人なのに……」 「え……」 二人の客観的な言葉に、絶句するガウリイ。ルークの方は、多少面白がっている節があるが。 「オレ……リナは、いつも元気で快活に、仕事をしているんだとばっかり思ってて。 そんな心労がかさんでいたなんて、露ほども思ってなかった……。 でも、そうだよな……激務なんだから……」 その言葉に、ルークは内心、お前の所為で、激務になんだよ。と呟いていた。 「それじゃ、オレ……仕事もあるし――」 と言ってガウリイは部屋から出て行った。その姿は、しんみりとしていた。 だが。すぐに立ち直り。 オレの事を心配してくれたりしてる、あんな親切な人が、倒れたってのに――原因を究明しなきゃいけないよな。 よし! と、またやっかいな決意をしてくれていたのだった。 「――あれ? おい!!! こいつ……心拍数と呼吸が!」 「どういう事なの……」 「なあ……博士が出て行ったら元に戻った――そんな感じがしないか……?」 二人の医師は、訳がわからず、顔を見合わせたのだった。 「虫除けスプレーに、飲料水。非常食――。 あとなにかあったか? 冒険に必要なものって」 服装を変え、外へ行く準備をしてるガウリイ=ガブリエフの姿が、そこにあった。 「ねえ! リナ班長が倒れたって――」 そう駆け込んできたのは、ヴァージニア。 しかし、その部屋で彼女が見たのは、かなり怒気を発しているリナが医療室のベッドの上に座っている姿だった。 「気がついてたの」 「ええ、一時間ほど前に」 そう答えるリナの声は、少しばかり疲労の色が感じられた。 「博士がいなくなった途端に回復したの」 「ストレス性の失神症か? 意外と神経繊細だったんだな――」 そのルークの言葉に、リナはじろり、と睨みつけ、 「あたしは、ストレスや、プレッシャーに負けたことなんて一度もないの。 そんな事じゃ、ねーちゃんのお仕置きにだって耐えられなかったわよ」 そうして、小さく息をつくと。かなりの怒気を振りまいて。 「……そんな事より。博士は――あのくらげはどこに? 聞きたいことが山のようにあるのよね………」 「それが――その、彼、どこにもいないのよ。 それと――部屋に、あの鳥馬のグリフィードっていうペットも……いないのよね〜……」 その言葉に、リナは部屋の奥へとすたすた、と入っていき、ものの一分程度で再びあらわれた。 外へ行くため、着替えたのだ。 「行きましょう。あの博士は、生きた風船みたいなもの。 捕まえておかないと、何をしでかすか……――」 そう言うと、リナは、すたすたと歩いていたのだが、ぴく、と何かに反応し、急に足を止め―― 「――……どうしたの?」 ヴァージニアの声が、また遠くから聞こえるような感覚だった――。 この匂い――医務室で嗅いだものと、同じ匂い――。 リナは、何故その匂いを嗅ぐと息切れがして、やたらと心拍数が上がり、力が抜けるのだという事実のみは受け入れていた。そして、その匂いの原因が恐らくは――あのくらげ頭の博士であろうという事も。 それは、はたから見ると、なんともいえなくなるような光景だったのだが――。 「こっち――に続いてる……――」 そうして、リナは、その匂いを辿り――博士の消息を聞けば。 「ガブリエフ博士? 水が欲しいって持っていったよ」 「固形燃料くれって言って、持っていったよ」 「ガレージに行ったぜ?」 という、次々と彼の行動順に辿るように進んでいったのである。 「――そして、外……?」 「な、なんで? リナ、貴方の言うとおりに進んだら…… ――本当に、ガウリイのあとを、辿ったみたいじゃない……」 鳥と馬を混ぜたような動物に乗っているガウリイが、ふと、風の中にとある匂いを感じていた。 あ、リナの匂いだ――。と。 「まさかな、いくら風下だからってもうこんなに離れてるんだ」 けど――と、心の中で付け足す。 今、オレは何の疑いもなくリナの匂いだと確信した。 ――なんでだ? 「ごめん、リナ。一人で出歩くのは駄目だってわかっているんだが。 あの石の事――どうしてもシル達に聞かないとな。 でも、いつくるか分からないのを待っているより、聞きに行った方が断然早いし……それに、早くしないと、向こうも移動してしまうかもしれないからな……」 大陸人は、定住をしない。ごく少数の集団で移動を繰り返す。 だから、彼らが気まぐれに教えてくれるポイントに行ったとしても、常に遭遇できるとは限らない――。 「さて、待ってろよ。リナ。必ず、謎を解いて、戻るから」 そう言うと、ガウリイは、また大陸の大地を、突き進んでゆくのだった……。 恵宝:ふう、やっぱスレイヤーズはガウリイがいないと♪ くらげに散々振り回されるリナ♪ エル様:それで、こっちが書きたくなったってわけね・・・・・・ 恵宝:とりあえず、勢いがある今日のうちにどーんとアメリア、基地に登場するとこまでは持ってけそうです。あと一個くらいなら書けそうだから・・・・・・。 エル様:もう一つの方は? 恵宝:じ、時間さえあれば・・・・・・でも、もうすぐビデオ使えなくなるし・・・・セリフ&状況最終確認が出来なくなるので・・・・・・今日はムリかと(汗) エル様:それじゃあ、覚悟はいいわね(はあと) 恵宝:え、エル様? その植木鉢……まっ…そ、それって!!!み、みみみみみみみみみみみみ………………っ!!!! ――――――――――――っ、いやぁあああああああああああっっっ!!!! エル様:恵宝は大量にいるのは苦手ってモノを見て失神してるけど。 それでは、し〜ゆ〜あげ〜んっ! |
21721 | どうも、はじめまして | 龍崎星海 | 2002/9/7 20:38:47 |
記事番号21716へのコメント どうも、はじめまして。龍崎と申します。 このお話、面白いですね。 元はあるマンガ、との事ですが。 う〜ん、こういうマンガって読んだ事ない‥って、数あるマンガ雑誌の中で、読んでるのがプリンセス1誌だけでは、知ってるはずないんですが(笑) とにかく、続き待ってますので。 それでは、短いですが、これにて失礼します。 |
21724 | ありがとうございますっ♪ | 恵宝 E-mail | 2002/9/7 21:47:39 |
記事番号21721へのコメント 龍崎星海さんは No.21721「どうも、はじめまして」で書きました。 > >どうも、はじめまして。龍崎と申します。 はじめましてです!レスありがとうです!! >このお話、面白いですね。 >元はあるマンガ、との事ですが。 >う〜ん、こういうマンガって読んだ事ない‥って、数あるマンガ雑誌の中で、読んでるのがプリンセス1誌だけでは、知ってるはずないんですが(笑) うーん・・・結構読んでる人は読んでる、有名な漫画家さんのほとんど初期に近い頃からで今もまだ連載中の作品、なんですよね・・・・・・。 分かる人にはすぐわかる、っていう・・・(笑) >とにかく、続き待ってますので。 >それでは、短いですが、これにて失礼します。 > いえいえ、レスありがとうでした♪ |
21725 | そして、三話です! | 恵宝 E-mail | 2002/9/7 21:48:00 |
記事番号21716へのコメント こん○○は、恵宝代理、エルよ(はあと)! さあて、もうどっちでもいいから、とっとと書かせるわ! とうわけで、奪ってきた、三話のデータよ(はあと) 3話 とんでもない事実 ガウリイは、大地をひょいひょいと進んでいた。 少し遠くから、見られていたのだが。もちろん、ガウリイは気がついていて。 こっちから話し掛けて、刺激する事もないよな〜と考え、無視しているのだ。 [旧人だな……一匹でこんなところに迷い込むとは] [だが、旧人の、しかも雄など、何の使い道も――いや、ちょっとまて……!] [あれは……あれはなんだ!? つかまえろ!!!!] そんな会話がひそひそとなされたあと、彼等は、ガウリイの前に飛び出した。 ガウリイは、二人を見て、驚き、あんぐりと口をあけた。 彼等は、羽飾りを纏っている――ヴァースという発音をした……大陸の戦士達だ。 [――……こんにちは] ガウリイは、そう言うと、グリフィードから降りる。そして、にっこりとした笑みを浮かべたまま、てこてこと歩いていく。 [オレは、別に怪しい者じゃない。人を捜しているんだが……――] だが、二人は、そんなガウリイのことは全く聞かず、ぼそぼそと話し合っていた。 小声であるが為に、ガウリイにその会話は届かない。 当然、ガウリイは、そんな二人を、不思議そうに見ているだけだ。 [確かに、これは――] [どういう事なんだ……] そう言う声が、わずかに聞こえただけだった。 [お前は旧人、か? 雄だな?] [ああ] 一人が、ガウリイに向き直り、そう聞き返し、ガウリイは当然、即答で答えた。 [――……本当に、旧人か?] だが、彼はもう一度、しつこく旧人かどうかを確認してきた。 この事実に、ガウリイは少し不思議そうに眉を潜めた [――……答えろ!! 俺達はお前の姿を知っている!] [旧人が何故――、あの魔神と同じ姿をしている!?] 二人は、黙っているガウリイに痺れを切らし、怒鳴りつけた。 そう言われ、ガウリイの脳裏に浮かんだ魔神、とは。 まず、ランプの精。 その次に、大魔神。 そして――なぜか、マジンガーZ、だったりした。 [どの魔神と同じ顔なんだ、オレ――――] そう言って、どばーっと涙をどばどばと泣き出したのだ。 もちろん、目の前の大陸人二人は……なにか訳がわからず、少し呆れてしまったのだが。 [な、なんなんだ、こいつは――] [油断するんじゃない。こいつに、あいつと同じ能力がないという保障はない! 来るんだ! 裁きにかけてやる!!!] 「え……――?」 突然、そう言われ。ガウリイは、訳もわからないうちに、岩場の上の方へと連れて行かれてしまったのだった。 「え?」 ガウリイは、こんな状況でも、のんびりとしている。 [確かにあの顔だ] [せっかく南から逃れてきたのに……――] [……でも、こいつ旧人だろ?] [でも、なんかおかしくねえか? 本当に旧人か?] [それになんか、こう……トロくさいぞ? 似ても似つかん――] [どうする……?] [殺してしまった方が早いよ] [だが、得体が知れないからな……] という会話が、聞こえているにも関わらず、である。 たいした大物なのか、ただひたすらにボケているのか……それは、誰にも分からない。 そして、ガウリイは、ふと気がつく。 声が――皆、若い事に。 皆、ちゃんと成人しているのか? まるで、大人がいなくなって――それで、無理に繰り上げたような――そう、考えていた。 すると、代表らしき二人が、ガウリイの近くへと歩いてきたのだ。 そして、何かを拾い、板の上に載せ、その上に布を被せた。 [俺達は、よそ者を裁く時は、いつもこうしている――。 ここに、石が二つある。黒い石と赤い石だ。それを、俺が持つ。お前は、赤い石がどちらかを当てればいい。 もし、赤い石を当てれば、お前の言い分を考慮の上で裁きを行う。 もし、黒だった場合……――] 言葉を切る。そして、に、っと笑い [何も聞かない。――黙って死ね] そう言われた瞬間――ガウリイは、ふと、ある事に気がつき、立ち上がった。 匂い―― リナの匂いが、してきたのである……―― 「ちょ……あんた……リナ!! 本当に大丈夫なの―――!!??」 そう叫ぶヴァージニアの前には。 心なしか、赤い顔をして、今にも倒れてしまいそうな、リナがいた。 心頭滅却、心頭滅却――これくらいでへたばってたら。 ねーちゃんからのお仕置きが待っている……! と、リナはずっと心の中で呟き続けて、なんとかここまで歩いてきたのだが―― 「はあ……まあ、多分……こっちよ」 そう言いながら、よろめきながら歩いていくリナ。 本当、おかしい――けれどこれは、おそらく、あのくらげが近くにいるという事――。 体の芯が痺れ――力が抜けていくから――あの医療室とも、その前とも同じ感覚――。 「リナ!? どーしたんだ、病み上がりなのに!」 そう叫ぶ声が、ふと上の方向から、聞こえてきたのだ。 [おいこら貴様――ちょっと待て…… 止まらないと叩き斬――、っわぁ!] そう、大陸人はガウリイのことを止めたのだが。軽く押しただけ――いや、ガウリイは、ただ軽く押しただけのつもりだったのだが――ガウリイを押し止めようとした大陸人を押しのけてしまった。 「え?」 そう言う、声が聞こえ、軽く駆け出し――物凄いスピードであったばかりに、びゅん、と岩場から、転げ落ちるようにして飛び出してしまったのである。 「え? え? ええ?」 そう驚いた顔のまま、落下する男性がリナたちのすぐ上の方に見えた。そのまま落下すれば、ただではすまない――だが、ガウリイは、だん、と足で岩場を蹴り、反転し……リナの上に落ちていったのだった。 「リナ!? リナ、リナしっかりしろぉっ」 「が、ガウリイ?」 あんな高さから落下して、無事なガウリイに驚いて声を上げるヴァージニア。 「お、お願いだから離れてよっ」 そう言うリナは、へたん、と再び力が抜けていた。 な、なによこれ。やっぱりこれは……―― と、混乱するリナ。 そして、 リナ…。なんだろう……いい匂い〜っ(はあと) と思いながら、意識が戻ってよかった〜っとリナに抱きつく、ガウリイ。 そして、そのまわりに集まってくる大陸人。 [運命の石……石の作用だ] [間違いない。旧人にも、効くのか――] と、二人は、大陸人の注目を集めていたのだった。 「この、くらげ……」 ぽそり、とリナは小さく言う。 「いい加減、離れなさいよ……くらげ」 その光景を見て、一緒に来た隊員達は、疲れ果てた顔をする。 「もう、班長も博士も、なんだか変ですよ――――」 「そうね……もともとガウリイは人懐っこい性格だけど、こんな風にスキンシップする方じゃないし……これはきっと、本当に、あの石の噂、本当なのかも」 と、ヴァージニアも、疲れたような声を出したのだった。 [では、裁きの続きを行う] 「は!? 赤い石の方を当てないと、殺される?」 「ああ、困っただろ?」 あはは、と笑って言うガウリイ。 「何故そんな事に……」 「うーん…… わからん」 「……………くらげ(怒)」 そうリナは呟いた……その時、大陸人が拾った石が、リナには偶然にも見えた。その色は、二つとも黒。 大陸人たちは、小さくくすくすと笑っている。 それを見て、リナは小さく笑った。 「なるほど。どうやら、この賭けは、単なる大義名分――見せ掛けね。 あの石は、どちらも黒」 「え!」 その言葉に、ガウリイは目を見開いた。 「今見えたの。どちらにしろ、貴方を殺すつもりのようね」 リナは、小さく笑ったまま、大陸人の方を見る。 「不正を訴えてみる? 多勢に無勢、と言う感じもするけれど」 それに―― 神聖な儀式を汚したとか言って、殺されてしまうような気もするけれど――。 この賭けは、しなければならないのだろう――。 「どっちも、黒」 そう言った後、ガウリイの顔は、見る見るうちに明るくなっていく。 「やった、ラッキー!」 と、にこやかに言ったのだ。 「は!?」 その言葉に、リナは素っ頓狂な声を出す。 「石が赤と黒なら、確立は五分五分だが。どっちも黒なら問題ない。 オレは赤を選べる」 え? え――――と……? リナは、ガウリイが何を言いたいのか、いまいち分からなかった…。 [あの――、この賭けって絶対だよな? それじゃ、俺が勝ったら、皆を基地に帰して、あと、石の秘密を教えてくれないか?] と、なんだか知らないが、とっても強気なガウリイの姿がそこにあった。 「えーと。こっちにするかな」 そう言い、ガウリイは、石を置いてある板、その上に置いてある布を取ろうとして、その石をポロリ、と落とす。 [あっ、あれ、落としちまった。 でも、今の。赤だったよな、リナ] そう振り返り言うガウリイ。リナは、呆然と事の成り行きを見ている。 [ふざけんなっ!黒だ黒!!俺は見たぜ!!] [ええ、赤だろ。だって……] そう言うと、ガウリイは、残った方の布を取る。そこには、確かに残る、黒い石。 [残ってるこれ、黒だからさ] と言ったのだった。 リナに、その会話はわからなかったのだが――皆の行動などから、リナも大体を察知し、気が抜け……彼女は、再び脱力してしまった。 そして、ガウリイは――とんでもない事実をつきつけられる事になる。 [あの石は、俺たちが性別を決めるときに使う石。 お前が力が強くなり、頼れるようになったのなら、お前が「男」、そして、相手の力が失せ、抵抗できなくなったのなら、「女」と石が決めたのだ。 そして、それは、お互いの匂いによって縛られる。 効力が切れる方法はただ一つ――「女」が「男」の子供を生んだ時のみだ] という、大陸人の説明をうけたのだ―――。 恵宝:ああああっ!? 思ってたより長くなっちゃった!!! アメリア登場は次回。 エル様:まったく……時間がかかってるわねえ…… 恵宝:うう…… エル様:さて、覚悟は出来てるわよね。 恵宝:あれだけは……あれだけはしないで下さい……他のお仕置きは耐えますからあ…… エル様:あら……まだあのお仕置きがあとを引いてるの……。 じゃあ、続きを書くなら、許すわよ(はあと) 恵宝:じゃあ、早速始めます……今日中に出来るって言う保障はないですが…… それでは……。 |
21731 | さらに四話ぁぁぁあああっっ!! | 恵宝 E-mail | 2002/9/8 00:38:25 |
記事番号21725へのコメント 恵宝:ふう……。書いてて、こんな楽しいの、初めてかもしれないです…。そして、こんなにたくさん、連続で書くのも………。 エル様:あんたねえ…… 恵宝:それでは、続きです! 4話 それは突然の爆弾発言 突然だが。ここは、人の住む地、第一復興都市。医学が盛んな都市である。 そこに、一人の正義に心を燃やす、女性がいた。 「正義を世に広めるのです!!」 と叫び、彼女にとって悪を成敗している女性。 その彼女の職種は、少し恐ろしい事に……白衣の天使であったりした。 アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。二十歳、早生まれ。 幼い顔立ちだが、かわいい顔立ちに、艶やかな黒髪、その上、気は優しく力持ち、第一復興都市の中で有名な医療の名家・セイルーン家の次女。天は、彼女に二物も三物も与えたが。 正義を世に広めるという妙な信念を持ち合わせることとなり……差し引き0。 「大陸に、1ヵ月……?」 「そう、基地での医療班がね、人手が欲しいらしいんだ。 どうかね、セイルーン君」 その言葉を聞いた途端、彼女の脳裏を支配したのは。 大陸に正義を広めるチャンス!!!! というものだったりして、自分の信念のためには命をかける女であった。 「相手は一人。絶対に帰す訳にはいかないわね……」 「この間の便で看護婦はもう全員帰ってしまって、誰もいないんだ。これ以上深刻な人手不足というものはないよな!」 そう言っているのは、大陸にいる医療班で医者のミリーナとルークの二人だった。 「一人しか来ないのよね……今回は」 「書類で見る限り、明るくて、使えそうな娘なんだ、帰す訳にはいかない!」 「作戦はまかせるわ……」 「う……そうだ、ハンサムで釣るっていうのはどうだ!? 成人した、未婚の女性なんだし」 「いるの? この基地に適切な男性が?」 そういう彼女の適切は最もだった。この基地は、もう既に既婚者が多い。結婚していない者も、大半が……すでに婚約者がいたりする。 「あれがいるじゃないか!」 と、ふと思いついたように叫ぶルーク。 「あれ、って……詐欺をするのね」 「あの人……身長も顔も、収入も……全て並以上なのに……その言葉、否定できないのは何でだろうな……」 そう小さく落ち込むルーク。だが、 「だが、1ヵ月!なんとか騙しきれば……!」 「騙しきれる難かしら……あれ」 そう呟くミリーナと、今度の看護婦は帰すものか、と野望に燃えるルークがいたのだった。 あの事件から、五日。 ガウリイは、あれ以来、えんえんとリナから逃げ続け、顔をあわせない日が、五日も続いていたのだ。 「全く……張り紙をしちゃったわよ、基地内に。 まさかこんな事になるなんてね……」 同じ基地内で働いているにも関わらず一度も顔をあわせないのだ。 リナは、その本腰の入った逃げ方に、むしろもう関心をしていた。 「本当に立派な逃げ足よ。 毎晩、夜中に寝室に奇襲をかけたとしても、逃げた後なんだもの」 「そんな事してるんですか、はんちょお……」 コーヒーを飲みながらいうリナに、疲れたような声を出す、隊員。 「多分今頃は、寝不足でふらついているわよ。たいしたものよね――」 「でも、嫌いじゃないんですよね、博士の事」 そういわれ、リナは、ふと考える。 嫌い――…… たしかに、今は、嫌いでは、ないのかもしれないけれど――…… リナは、出会った時の第一印象は、最悪だったなあという事を、思い出していた。 それは、今から数ヶ月前――……まだ、学の都といわれる地にいた頃の事――。 「大陸調査――!? マジ!?」 「ほら、募集要項だ! うっわ、審査内容、目茶苦茶厳しいぜ!!」 「俺! 俺行ってみてえ!!!」 「こんなの――世界初だよな!?」 そう次々に言う、リナの同僚達。 リナは、これに参加しなくてはいけないと姉命令が降りていた。 もしも、何かミスでもして、この審査に落ちるような事があれば――お仕置きスペシャルコース一年分とも言われて。 それで、この審査を受けずにいられる人間が果たして、この世に存在するだろうか――リナは、そんなことを考えながら用紙を見ていた。 ふと、リナの近くにいた青年がぽつりのいった言葉を聞くまでは、あまりのり気ではなかったのだが――。 「これ――受かったら、本当にいけるんだよな……嘘みてえ……――」 という言葉を聞くまでは。 そう、あの時―― こんな事を考えたやつは――この数百年、いなかったんだなあ……と。見た事もない相手、発案者のガウリイ=ガブリエフという人物に感心したのだった。 ――……そして、その審査の後…… 「なあ、お譲ちゃん、どうしてこんなところにいるんだ?」 そう声をかけられたのだ。金髪、碧眼の青年に。 「何言ってるのよ!? あたしは、警備班、班長に決まったゼフィーリアの社員よ! あんたこそ何!」 びし、っと青年を指差すリナ。 「えええ!? お譲ちゃんが警備班長!? 嘘だろ……まだ中学生くらい……」 すっぱぁぁああ――――――――んっ!!! 閃光の一撃と言われるほどの見事なスリッパ捌きで、その男性をひっぱたいた。 「あたしはお譲ちゃんじゃない! リナ=インバース!!! こう見えても、もう二十一! とっくに成人してるんだから!!! あんたこそ誰よ!!??」 「痛てて……オレは、ガウリイ=ガブリエフ……この計画の発案者だ……」 「ええええええええええええええっっっっ!!!!!!!???????」 そう、あの後……彼がまだ二十八だと知って……あたしは、その時に受けた衝撃が、今もまだ――忘れられないでいる。 あの時、本当に意外なほどに強い衝撃を受けたのだ――。 それにしても……あの時。あの裁きとかいうものの事件のすぐ後―― 「それで、彼らから石の事は聞けたの?」 「すまん。すまない……リナ」 そう聞いても、ただ謝る事しかしなかった。あのくらげは―― 「あ゛―――――――もう、なんでもいいから」 そんなに情けない顔、してないでよね……―――――。 ガウリイは、ふと見た自分の顔写真つきの紙を見て、呆然としていた。 「なんだ、これ――」 「警備の人たちが、パトロールついでに貼ったんだ。 いつまでも逃げ回っていては駄目ですよ、博士。 ――指名手配、ウォンテッド」 そう言われ、ガウリイはそれに書かれてあることを始めて読んだ。 『ガウリイ=ガブリエフ博士を見かけた方は、警備室、インバースまでご一報下さい。 ――尚、博士がこれをご覧になったなら、もう怒らないから、出てきなさい――』 なんて……いい人なんだ……。 でも。すまん、リナ……オレは……オレは。怒られるのが怖くて……逃げてるわけじゃないんだ……。 ……どうしたらいいのか……この五日間ずっと考えてたんだが……。 「一つだけ……――。一つだけ、思いついた事が、あるんだが……」 やって……――みようか―― そうして、ふらふらと歩いていったのだが。 「お、いたいた、博士!!」 そう言ってガウリイを呼んでいるのは、医療班の医者、ルークだった。 「ルーク……」 「頼みがあるんだ。今日新人が来るだろ?だからその時……ちょっとだけ、顔を見せてくれないか? な、いいだろ?」 「はあ……オレなんかで、何か役に立つんなら……」 「お、おう……」 そうして、ふらふら〜と歩いていく。 「あ!」 そうして、ゆっくり、振り返り…… 「電話。使っていいか……?」 警備室に、コール音が鳴った。 それは、博士からの電話で。 「班長。自首です」 ふう、とリナは小さく息をついて。 「――……そう」 そう言って、受け取る。 「見回り交代の際、張り紙をはがすようにって言っておいてくれる? ――捨てないでね、あとで、移動の際の荷物の詰め物に使うんだから」 そう言うと、マイクの位置を合わせ…… 「全く。今どこにいるんです、このくらげ博士」 『リナ――――・・・・・・・・・――――――――・・・・・・・』 「博士? ちょっと聞こえづらいので……もう少しはっきりとお願いします」 『―――それで、その―――――――ちょ―――――――――』 外部スピーカーだと音量が出せるかな……? そう考え、リナはスピーカーに切り替えて…… 『それで、いろいろ、考えて――これが、一番かと思ったんだが――』 「なんです?」 『リナ、その…――――オレと、結婚……――してくれないか―――?』 その言葉に、警備室内の空気は、マイナス五千度を超えたと言う―――――。 「な、なななななななな………っ!!!!! なにを言ってんの―――――――――――――――――っっっ!!!???」 長い、長すぎる沈黙を破ったのは、真っ赤になったリナの絶叫だった。 『オレは、本気だけど……責任は、取らないといけないし――』 「何、人に誤解されるような事言ってるの!!?? あたしは。あんたに。 あんたに、責任をとってもらうような事をした覚えは全くないぃぃぃいいいいいい―――――――――――――――――――っっっっっ!!!!!!!」 がっしゃんっ! そう叫ぶと問答無用で通話を切り――りんごより赤いんじゃないかと思えるほどに真っ赤な顔をしたリナは、風より早いんじゃないかというほどのスピードで、警備室を飛び出していったのだった―――。 恵宝:ふう……ガウリイ、リナにプロポーズ(?)。一応アメリアも登場したし……。 エル様:もう少し後なのよね、リナがあの石について知るのは。 まだリナは知らないのよね〜石の事・・・・・・。 恵宝:そうですねえ……。これによって基地内に、リナ、ガウリイ恋人説?が浮上し……アメリアが、この二人をくっつけようと暴走予定・・・・・・(笑) エル様:それじゃあ、恵宝? 昨日の間に仕上げられなかったって事で…… 恵宝:え、エル様……? その、手に持ってる櫛ってなんです……? エル様:櫛ってねこういう使い方も出来るのよ♪えいっ(はあと) 恵宝:――――――――――――――――っっ!!!!!! エル様:それでは〜♪ (―――幕) |
21732 | おおう‥続きですね | 龍崎星海 | 2002/9/8 03:24:51 |
記事番号21731へのコメント どうも、こんばんは。龍崎です。 続きですね。早いですね。 ‥元マンガ、分かりません。 お話から行くと、結構昔から連載されている漫画らしいんですが。 ‥わたしって、案外マンガって読んでないから‥ でも、面白いです。 ガウリイのプロポーズは‥あれが彼の下した判断なんですね。 ガウリイらしいです。 責任って‥確かにそうですが、他の人が聞いたら‥絶対、別の事、考えますよね(笑) ‥あれ?でも、そうするとガウリイにあの石渡した子供達は一体何を考えていたんでしょう。 ガウリイが好きだったんでしょうか。 とにかく、続き、楽しみにしてますので。 それでは、これにて。 |
21739 | はい、つづきでした〜♪ | 恵宝 E-mail | 2002/9/8 15:50:41 |
記事番号21732へのコメント 龍崎星海さんは No.21732「おおう‥続きですね」で書きました。 > >どうも、こんばんは。龍崎です。 こんにちはです、龍崎さん。レスありがとうです!! >続きですね。早いですね。 ありがとうございます・・・。 >‥元マンガ、分かりません。 >お話から行くと、結構昔から連載されている漫画らしいんですが。 >‥わたしって、案外マンガって読んでないから‥ ええと・・・ひょっとして元漫画を聞かれているのかなあと思ったので、さらにヒント〜♪ このマンガを描いている方のペンネームは全てひらがな、連載が始まったのは1995年、いまだ巻数は一ケタ台。 最近、これを連載していた雑誌は月刊誌の姉妹誌と合併しました〜。 今現在、その月刊誌に元々その雑誌で連載されてる別の作品とともに、不定期連載中〜♪ ちなみに、今月号は載ってなかった・・・(泣) っていうか、引っ越してからまだ本編一度も載ってなひ……(涙) >でも、面白いです。 >ガウリイのプロポーズは‥あれが彼の下した判断なんですね。 >ガウリイらしいです。 >責任って‥確かにそうですが、他の人が聞いたら‥絶対、別の事、考えますよね(笑) あはははは。確かに。誤解されますよね〜、しかも警備室にいた全員が聞いてしまいましたからね。 もう噂が噂を呼びますよvv >‥あれ?でも、そうするとガウリイにあの石渡した子供達は一体何を考えていたんでしょう。 >ガウリイが好きだったんでしょうか。 それは次回の彼らの会話にて明らかに♪(←ほんとに次回か!?) >とにかく、続き、楽しみにしてますので。 うみゃああああ!!?? 楽しみだなんて言ってくださってありがとうです・・・。 >それでは、これにて。 はい、それでは。レスありがとうでした〜♪ |
21861 | 五話ですぅぅぅぅぅっっ!!! | 恵宝 E-mail | 2002/9/14 23:53:30 |
記事番号21731へのコメント 恵宝:こんにちは、もしくはこんばんは! 結構放っておいてしまいました・・・。 エル様:あら自覚はあるのねえ・・・(に〜っこり) 恵宝:う、そんな事言われても・・・・。課題は山のようにあるし(←提出した途端、次の課題の提出がすぐに・・・!!!当然だけど!でも一つの授業で一気に三つはきつい!)それに、来週の頭に提出するレポートだってまだ三枚分も残ってて・・・(涙)それは明日からの久々の連休を利用して何とかしますけど・・。 それでは、五話です。 五話 旧友との再会 「あのくらげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!! 一体なにを考えてるのか、ほんっと―――――――――――――――にぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいっっっ!!!!!!!!!!!」 ぜいぜい。 リナは、そう叫ぶ為に、屋内から外へと飛び出したのだ。少し走りすぎて、基地内から出てしまっていたりするが、リナ本人はまだ気がついていない。 それ程に、動揺していたのだ。 その背後に、突然、エイリアナが現われた。 その事実に気がついたリナが振り返り、背後から突然襲ってきたエイリアナに―― 「問答無用で呪文省略、ドラグ・スレイブぅぅぅ―――――――!!!!!」 を、お見舞いしたのだった。 どごっぉぉぉおおおおおおんっ!!! あたりは、大きな爆音とともに煙があがる。 標的だったエイリアナは、あっさりと呪文で消滅、不本意だったろうが、リナのストレスの発散に協力してくれたこととなる。 それ故、このエイリアナは、基地内の皆に感謝される、数少ない虫となったのだった。 その時、ほぼ同時刻。 アメリアは、とっくの昔に、大陸に到着して、上陸していた。「少し、周りを見てきますっ!!」そう言うと、共に来た皆から早速離れて別行動を取り――もちろん警備の人間などは止めたのだがアメリアが聞くはずも無い――ごつごつとした岩場に登ると・・・・・・ 「ここが大陸ですねっ! なるほど、未知に溢れた感じがします! ここに、このアメリアが正義を広めてみせます――――――――――――――――――――っ!!!!!」 と、人が見たら呆れ返るような宣言を叫んでいたのだ。 偶然にも、それを聞いていたのは、単独行動を取ったときいて、心配して探しに来ていた、ルークただ一人であった。 「………あれが、新しい看護婦の子……? これなら……一ヶ月くらい軽く持ちそうだな。作戦、たてる必要もなかったかも」 とアメリアから死角となっている岩陰で呟いていたのは、当然の事ながら、誰も気がつかなかった。 どごっぉぉぉおおおおおおんっ!!! そこへ、大きな爆音と、その振動が轟き、アメリアは、もともと不安定な足場だったので、見事にバランスを崩して――ルークの目の前に、めきょ。というなんとも痛そうな音をたてて、顔面から落下してきたのだった。 「のわっ!!??」 思わず変な声が出たのは、突然の事に驚いたからである。顔も随分と引きつっているが、ルーク本人に自覚はない。 アメリアは、見事なまでに地面とキスをしている。こんなものを突然見せられては、たまったものではないだろう。常人ならば。 「おい、大丈夫か―――?」 ルークは、恐る恐る声をかける。 がばっ! 突然、アメリアは起き上がる。その時、うおっ!?と声を上げてしまったのはまあ、普通の反応だろう。 そして、彼女は、その大きな青色の瞳でぱちくり。とした表情をして―― 「あ、調査隊に参加なさってる方ですね。わたし、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです。 これから、よろしくお願いいたします」 と、にっこり笑顔で言うと、 「先ほどの爆音、この大陸ではよくある事なんですか?」 周りは、ごつごつとした岩場。そんな場所の、随分と高いところから落下して、無傷。という事実に驚いて言葉を失っているという事に、それが普通なアメリアは気が付くはずもなく、不思議そうにまだ爆煙の上がっている方を見て、言ったのだった。 「あれ、あそこにいるのは!」 ルークが、普通、こんな事はない。というと、アメリアは、事の真相を突き止める。それこそ正義です!!といい、ルークを巻き込んで、爆発のあった場所へと向かっていたのだ。 だが、アメリアは、その先に見える人影を確認すると、ルークの存在は完全無視、走り出す。 それは、ルークには、ちょっとにわかに信じがたいスピードだったりした。 そのスピードとは、リナよりちょっと遅いかな?程度の、とんでもなく速いスピードだったからである。 「やっぱり!! リナさ――――――――――――――ん!!!!!」 アメリアは、まだかろうじて見える程度の距離にいる栗色の髪の女性が振り返った時、リナの名前を呼んだ。 「あ、アメリア!? なんでここに?」 すごい勢いで走りこんでくるアメリアに、リナは驚いた声を出しながらも、笑顔で迎える。 アメリアは、勢いよく走りすぎ、リナがいる所よりも少し先の方へ進んでしまった為、てこてことリナの方へと歩きながら、言う。 「リナさんこそ! どうして大陸にいるんです? あたしてっきり、学都とかの復興都市でVIPの護衛をしてるんだとばっかり思ってました!! だから忙しくって、連絡がつかないんだろうって!」 「あれ、言ってなかったけ? あたし、最初からこの調査隊に警備班の班長として参加していたの」 あははは、と笑いながら言うリナ。 「聞いてないですよ――――――――! 酷いです、リナさん。教えてくれないなんて……。そんなの正義じゃないです!!!!!!」 リナの言葉に、一気に詰め寄るアメリア。 正義を愛する彼女は、隠し事や嘘などを嫌うのだ。 「せ、正義かどうかはともかく、なんでアメリア、ここにいるの?」 「あ、さっき到着したばかりなんです。医療班の看護婦としてきたんですよ」 楽しそうににこやかに言うアメリアを見て、リナはアメリアに気がつかれないように、小さく溜め息をついた。 ただでさえ、あのくらげの行動に振り回され、厄介な事が多いのに、これは確実に、行動が要注意な人物が増えてしまったと確信できているからだ。 小さい頃から、リナはアメリアと一緒に遊んできたのだが、その時もリナは随分とアメリアの暴走に付き合わされる羽目になっていたりしたのだ。 その分、リナも色々とアメリアを巻き込んだりもしていたが。 「ま、それはともかく、基地に戻りましょ、アメリア」 そう言い、リナは基地のあるほうへと歩き出す。 「ええ〜〜〜! もっとこの大陸を見て回りたいです〜!!」 その場を動かずに言った、アメリアの抗議に、リナは小さく溜め息をついた。 もう本日、何度目か分からない回数の。 そして、次に言った言葉は、溜め息まじりのものとなった。 「アメリア、最初に言っておくけど、基地内からあまり外に出ないでね」 「えええええ! そんな!! それじゃ、この大陸に正義を広められないじゃないですか、リナさん!!!! リナさんは、この大陸に正義が広まらなくてもいいんですか!!??」 「アメリア、どんな危険があるかもわかってないところなんだから、禁止事項は山のようにあるのよ。禁止事項を侵すって事は、正義じゃないんじゃないかなぁ?」 「う・・・・・・そ、そうかもしれないですけど・・・・・・」 にっこりと笑って言うリナに、言葉を失うアメリア。 アメリアは、長年の付き合いで察したのだ。 このリナの笑み。それは、つまり。 今のリナの機嫌は、かなり悪いのだという事を。 「お前ら、知り合いだったのか・・・」 ひどく疲れた声が、そんなやり取りが一通り終わった頃に、ようやく二人の前に到着する事が出来たルークから発せられた。 ここで、少し昔話を。 今から二十年ほど前。 リナとアメリアは知り合った。正確には、出会った。と言うべきだろうか。二人の記憶が始まるは、それから数年後の事柄からになるのだが。 それは、二人の家が、家族ぐるみで仲のいいお付合いというものをしていたからである。 二人は当然のように、遊ぶときもほとんど一緒、学校に通うのも、ずっと小学校から同じクラス。学校だけに止まらず、二人の生活圏内では、二人は大親友であるという事を、知らない者は誰一人いないという状態だった。 だが、高校を卒業し、アメリアは看護短大に進み、リナは姉も勤める警備会社に就職して以来、二人とも個人の連絡はずっと途絶えていた。 アメリアは家を出て看護婦になっていたから、リナも仕事を理由に、あまりセイルーン家に行く事はなくなっていた。 アメリアとは仲がよかったが、その父親のフィリオネルや、姉のグレイシアは、リナにとって、少し苦手系の人物であるという事も手伝って。 だから、二人が会うのは、高校卒業以来――しかも、ふたりともスキップをして高校を卒業していたので――二人が会うのは、実に、約四年ぶりのことであった。 また、二人は常人よりもかなり早いスピードで歩き、基地へと向かう。 ルークはそんな二人の後をついて、置いていかれまいと必死になって走り、基地内へと戻ったときには、肩で大きく息をしていた。 「それじゃアメリア、あたしは警備室に戻るから」 「はい。それじゃリナさん、近いうちに色々ここの事聞かせてくださいね。 絶対ですよ!!!!」 「あ〜はいはい、わかったわかった」 そう言って、リナは警備室へと戻っていく。小さく手をひらひらと振って歩いていった。 その先に、一騒動が起きているとは知らずに。 「基地って、広いんですね――――」 「・・・まあ、全部即席だけどな・・・」 歩くアメリアのスピードに、なんとかついていくルーク。 そのスピードは、一見、競歩をしている感じがしていた。 はっきりいって、かなりの量の汗が流れていて、実は内心、水分を補給したくて堪らなかったりした。 そんなルークに気がつかず、すたすたと歩いていくアメリア。 「ここで調査をしてるんですね―――」 ルークと、基地を歩きながらそんな会話をするアメリアの内心は。 正義を広める為にきたのに、どうすれば基地外に正義を広める事が出来るんでしょう・・・。 という事だったりするので、実は、会話しているように見えて、ルークとの会話は、上の空だった。 「ミリーナぁぁ!!」 「突然なんですか、ルーク」 医務室に入った途端、ルークはそこにいた銀髪の女性――ミリーナに抱きついた。 ミリーナはというと、また?と言いたげな、呆れた顔をして、軽く押しのける。 これは、この医務室では、最近特に、時折繰り広げられる光景だ。 「ああ、あなたがアメリアね? ミリーナよ、よろしく」 「あ、はじめまして。よろしくおねがいします」 二人はルークを全く無視して、これからや、諸注意などの会話をそのまま続けたのだった。 ルークが部屋の隅でいじけ出したのはそれもいつもの事といえばいつもの事であった。 それからしばらくして。 女性のスタッフが通りかかったので、アメリアの居住棟までの案内を頼んだ後。 ルークは、ガウリイが来ているはずなのに姿が見えない事を今更ながらに不思議に思い、あたりをきょろきょろと見回して、 「なあ、ミリーナ。あの博士は?」 「ああ・・・・・・なんでも最近寝不足だったからって、そこでぐっすり寝てるわ」 そう言ってミリーナは医務室に備え付けてある簡易ベッドのある方を指す。 そこからは、確かに人がいる気配。 「そうか・・・まあ、もう呼んだ意味無いしな・・」 その一言に、ミリーナは、 ああ、もうあの噂を聞いたのか・・・・・ と思っていた。 アメリアのあの性格から考えて、余裕で1ヵ月持ちそうな気がする、という風に考えているとは、ミリーナには分からないのだから、当然である。 ミリーナは、もともと噂話などにあまり興味を示す方ではなかったが、もう既に、基地内に広まった噂については知っていた。 ルークがアメリアを迎えに出た後に体調が悪い、といって訪れた患者から聞いたからだ。 そして、そんなルークとミリーナの会話とほぼ同時刻。 アメリアは、部屋まで案内してくれた女性スタッフから、その「噂」を耳にしていた。 ガウリイ=ガブリエフが、リナにプロポーズした、という、今や基地に知らぬ者はいない噂を。 そして、それを聞いたアメリアは。 「あのリナさんに! ようやく春が訪れたんですね!! これは是非とも応援しなくては!!」 リナにとって、かなり、厄介な決意をしてくれていたのだった。 エル様:・・・・・随分とアメリアが暴走したわね。今回は。 恵宝:それは、アメリアは正義おたくって事は変えられませんから。それを強調しようとしたら、こんな結果に・・・。それに、リナとアメリアの過去ってのも、ちょっとだけ書き加えましたから。 エル様:それと、他にいう事はあるかしら?(すすっと鎌を取り出すエル様) 恵宝:はぃぃいい!! 遅くなって申し訳ありませんです!! 鎌、しまってください・・・・・・! エル様!! エル様:い・や(はあと) 遅くなったんだし、覚悟はいいわね〜♪ 恵宝:エル様、ちょ、まっ―――――――――――ッッッ!!!!!!!! エル様:さて、と。 あ、そうそう、それでは、し〜ゆ〜。 (そうしてエル様も何処かへと去っていく。後には何も残らない――幕) |
21762 | ちょっと意見なんですが。 | 山中 智也 E-mail | 2002/9/9 17:38:54 |
記事番号21704へのコメント こんにちわ、初めまして! ええ、知ってますよ(笑)「原獣文書」ですよね? なるしまゆり先生の。私も凄く好きなマンガの一つです。 スレと同じくらい好きなんですが・・。 だから最初前書きを見た時は凄く楽しそうだなと思いました。 でも・・・・まんますぎやしませんか?(笑) 心理描写もセリフも、キャラが変われば多少変わるものでは ないでしょうか。 もう少しオリジナルシーンを入れると良いかと正直思いました。 他のツリーの小説も読んだのですが、恵宝さんの文章好きなので、 もっと「創作」の部分を入れて欲しかったですね。 では次回を楽しみにしてます! |
21808 | ご意見、ありがとうございます。 | 恵宝 E-mail | 2002/9/12 19:32:54 |
記事番号21762へのコメント 山中 智也さんは No.21762「ちょっと意見なんですが。」で書きました。 > >こんにちわ、初めまして! 山中 智也さん、はじめまして、こんにちは! >ええ、知ってますよ(笑)「原獣文書」ですよね? >なるしまゆり先生の。私も凄く好きなマンガの一つです。 >スレと同じくらい好きなんですが・・。 >だから最初前書きを見た時は凄く楽しそうだなと思いました。 >でも・・・・まんますぎやしませんか?(笑) >心理描写もセリフも、キャラが変われば多少変わるものでは >ないでしょうか。 >もう少しオリジナルシーンを入れると良いかと正直思いました。 >他のツリーの小説も読んだのですが、恵宝さんの文章好きなので、 >もっと「創作」の部分を入れて欲しかったですね。 はい、ご忠告ありがとうございます。 これからは気をつけて書いていこうと思います。 思った事、率直なご意見、これからもありましたら、もおどんどん言ってやって下さい。 直すべきところはどんどん直していこうと思いますので。 ありがとうございました。 >では次回を楽しみにしてます! はい、これからもよろしくおねがいします。 レスありがとうでした。 |