◆−海王将軍苦悩の日々(爆)−ユアさんに感化された東琥珀 (2002/9/8 13:48:56) No.21737 ┗Re:海王将軍苦悩の日々(爆)−ドラマ・スライム (2002/9/10 00:07:03) No.21776 ┗違う違う違いますッ!!(滝汗)これ、『五大魔族』の番外編ですッ!−東琥珀 (2002/9/10 21:35:51) No.21783
21737 | 海王将軍苦悩の日々(爆) | ユアさんに感化された東琥珀 | 2002/9/8 13:48:56 |
「あ〜…………ああああああ……………………………………………………」 海王将軍………………………………………………………………… オルエンの朝は早い。 っつーか早すぎ。 よく詩には『日の光よりも早く起きて』と言う表現があるが。 この魔族の場合、本当に毎日日の光よりも早く起きるのだから大変である。 そして、この日も。 まだ暗い中を欠伸と共に起きあがる彼女。 「んにょっ」 訳の解らない掛け声と共にベッド(ウォーターベッドだったり)を飛び降りる。 「リシェーリス、カリオン、起きろッ」 横で寝ている部下二人を叩き起こした。(正確には『蹴り起こした』) 「…オルエン様ぁー…頼みますから一晩くらいゆっくり寝かせてくださいよ」 「やかましい」 リシェーリスの頼みを一言の元に足蹴にする。 「早寝早起き、規則正しい生活を心がけるよーにっ!」 ……魔族が規則正しい生活送って一体何になるんだろう。 そう思うが、賢明にも口には出さないカリオン。 「今日も一日海王様の御力となる為に頑張るのだッ!」 拳をぐぃっ、と握りしめつつ主張するオルエン。 「…そんなんだから彼氏できないんですよ」 ぼそり。 リシェーリスの呟き。 ぴくっ。 オルエンの口元が引き攣ったのがはっきり見えた。 「…は…ははは…何を馬鹿な事を…」 「じゃあ、いるんですか?コイビト」 「……………………………」 引き攣った笑顔のまま硬直する。 海王海王と、任務一直線の為に、人付き合いをおろそかにしてきたツケがここに出る。 恋人どころか友達すらマトモにいないオルエンだった。 「………私には………私には海王様さえいれば良いさ………海王様さえ………」 ぶつぶつぶつぶつ。 陰湿なオーラを纏いつつ、海王宮裏庭の草むしりをするオルエン。 「………海王様が私の全て………海王様が………海王様が………」 ぶちぶちぶちぶち。 そんな時。 「きゃあああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 ひゅううううううううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。 どっかん。 ずごしっ!! めぎゃっ!! ずしゃああああああっっっっ!!!!! 空から悲鳴を上げつつ何かが降ってきた。 真っ直ぐにオルエンに直撃する。 その勢いで前につんのめり、前方の庭木に叩き付けられる。 見事オルエンの上に着地する何か。 オリンピックの体操選手の様なポーズをとっている。 「………着地成功?」 いや、聞くな。 「…………………」 地面に顔を突っ込み、口も聞けないオルエン。 「あをぅ」 ようやくオルエンに気付いたらしい。 マイペースな口調で、 「何やってんの?そんな所で」 「…………………」 「変わったシュミねー。」 「…………………」 「そんなんだから彼氏できないのよ」 ぴくっ。 オルエンの肩が震えた。 ずぼう。 ようやく土の中から顔を引き抜く。 「…………………りぃぃぃのぉぉぉあぁぁぁぁんんんんん????」 「『お姉ちゃん』くらいつけなさいよ。『リノアンお姉ちゃん』」 「誰が呼ぶかフェロモン小娘ッッ!!!」 ぜぇ。 はぁ。 肩で息をする彼女。 重ねて何やら言おうとして…… 言う気が失せたらしい。 「………あぁっ!もういいっ!失せろ!」 「そぉいぅワケにもいかないのよね」 「は?」 「悔しさと激昂に耐えてるオルを見て負の感情を食べる予定なの。今日は。」 ………………………………………………………………………………………ぷちん。 「消えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッ!!!!!!!」 すかこぉぉぉぉぉぉぉぉんっっっ!!!! 音も軽やかに。 オルエンの手にした植木鉢がリノアンの顔面にめり込む。 「いったいわねェっ!姉に向かってなんてことすんのっっ!!!??」 「都合のいいときだけ姉ぶるな不良神官バカ神官!」 「んまぁーっ!失礼しちゃうわッ!!」 「消えろ!失せろ!!滅びろ!!!海王軍の恥さらし!!!!」 これが仮にも姉妹の会話だろーか。 「………………ッッ」 額を押さえるオルエン。 どぉもリノアンと話していると自分のペースを見失いがちである。 「あ、そうそう」 急にフレンドリーになるリノアン。 「あぁ?」 「アンタの部下あるでしょ。ほら、女の方」 「リシェーリス」 「そう、そのリスちゃん」 「リスじゃない」 「ま、なんでもいーけど。そのリスがアンタの事捜してたわよ」 「だからリスじゃ無いっつーの!!」 「もっとセンスのある名前つけてあげなきゃねー」 「めんどくさがって未だに部下の一人も創造してない貴様に言われたくはない!」 「だって、部下創るのって何かと大変そうだし」 「いやまぁそうだけど」 「それに」 急に真剣な顔をするリノアン。 つられて真剣な顔をするオルエン。 「部下が出来たらお給料払わなきゃなんないじゃない。 ただでさえ薄給なのに、その中から更に出費増やしてらんないわよ」 「………一応気になったから聞くが………… そういえば、お前いつも給料何に使ってんだ? 給料払う必要も無いクセに、なんか使うの早くないか?」 「ああ、それは、ブランドのバッグとかも欲しいし、新しい服とかも欲しいし」 「ああ。成程」 ……………………………………………………………………………………………………………… 「魔族が給料ンな事に使うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」 「アンタ一瞬納得したじゃ無いのよぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!!」 ざっく。 オルエンが投げたスコップは、見事リノアンの頭に突き刺さった。 どこぞの金色ママンと張り合えそうなスコップさばきである。 「んなッ!?」 「どぉしましょぉぉぉオルエン様ぁぁぁぁぁ」 リシェーリスが持ちかけた『相談』に、顔面蒼白になるオルエン。 「私、こんなのやった事ありませぇぇぇぇん」 「私だってこのような事した事など無いッ!!」 あるはずもない。 バラバラのティーカップと何かのチューブ。 それらとにらめっこする二人。 リシェール(あだ名)の話によると。 海王が朝の紅茶を所望。 海王お気に入りのティーカップを戸棚から取り出したリシェール。 水をくぐらせようとして……… ぱりん。 割ってしまったのである。 海王の怒りは凄まじいものだったようで… 即刻元通りにするように命令された。 『接着剤』で。 人間の道具で。 …………………………………………… 「無理ですよぉぉぉぉっ!!!オルエンさまぁ!なんとかしてくださひっ!!」 「なんとかと言われても…何をどうすればいいのだ…」 「とにかく、『なんとか』」 「…お前なぁ…」 何も考えてないタイプの女らしい。 「そういえば…お前が『何とかしろ』って言って来たの、今月何回目だ? 確かこの間『海王様のペットのシーラカンスを逃がしてしまった』って泣きついてきたとき……… 『もう二度とオルエン様に迷惑はかけません』言ってなかったか」 「それはそれこれはこれッ!」 「……………………………」 リシェーリスには、昔の事は持ち出してみるだけムダである。 「…まぁ…今回だけだぞっ」 「わーいっ♪オルエン様話わかるーvv」 「ふふ…………v」 激親バカ子バカなオルエン、外見年齢二十ン歳、実際年齢三百ン十歳。 …………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………………… 百四十五年と四ヶ月二十二日二十三時間五十二分四十八秒後。(←ゑ) 「………できた………」 くたりっ、とテーブルに突っ伏して言うオルエン。 「………あ、ありがとほですオルエンさまぁぁぁぁ………」 ティーカップ(ほぼ完璧に復元済み)を持って歩いていくリシェーリス。 「………寝る」 一言宣言し。 心配そうなカリオンを横目に。 よろよろ。 ベッドに向かうオルエン。 倒れそうになりながらも、五分程かけてやっと部屋の前にたどりつく。 部屋に入ろうとしたとき……… その背中に。 どんッ! リシェール直撃。 ずさぁ。 コケるオルエン。 「………なんだ………またお前か………」 叱る口調にも今イチ覇気が無い。 「おるえんさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 えぐえぐえぐ。 「……なッ……どうした!?何故泣いている!?」 「海王様が…ダルフィン様がぁぁぁぁ………」 「海王様!?海王様がどうかしたのか?!」 「………じょぉだんだったって言うんですぅぅぅぅぅ」 「………は?」 「ティーカップ持っていったら……冗談だった、て言うんです……… アレには元々ヒビが入っていて………もう捨てようと思ってたって……… 直せ、ってのは冗談だって………………」 ………………………………………………………………………………… くらっ。 オルエンは、人間が言う『目眩がする』と言う感覚がどの様な物か解った気がした。 よろけそうになるのを、柱にしがみついて押さえる。 いくら魔族とは言え、ン百年もムダにちまちま作業をしていたと知ったときのダメージは大きい。 「………もうなんでもいい……ッ……何も考えずに眠りたい………ッ 何もかも忘れて眠りたい…………………」 はらはら涙を流す。 「………私も………もぉ………限界………」 ぱたり。 その場に倒れるリシェーリス。 「ああああああああ………仕方ない子………」 自分もふらふらしていると言うのに。 倒れたリシェーリスを抱き上げる。 そして、彼女のベッドまで運び…………… やっとの想いで自分の部屋まで辿り着く。 ぱたん。 オルエンがベッドに突っ伏したとき。 彼女にはもう既に意識がなかった。 …………………………………………………………………………… ……………何も……………考えずに……………眠りたい………… …………………………………………………………………………… ……………何もかも………忘れて…………………………………… 彼女の『希望』は。 この二ヶ月後、思いもよらない形で成就するが……… それは、また別の話。 言い訳あんど言い逃れ。 ユアさんの書いてくださっている『忘却の彼方』に感化されて……… 書いてみました。オルエン昔話。 ……………………………………………………………………… 不幸やねぇぇぇぇ……オルエン………(涙) 書いててなんか涙出たわ(汗) て言うか、彼女は真面目すぎるのが欠点ですか(汗)見習いたいくらいよ。 彼女に真の休息が訪れるのは当分先ですが…… 頑張って頂きたいですねッ。うみゅっ。 それでは………東琥珀でしたッ☆ 幕。 |
21776 | Re:海王将軍苦悩の日々(爆) | ドラマ・スライム | 2002/9/10 00:07:03 |
記事番号21737へのコメント 東琥珀さん読ませていただきました・・・ ギャグ小説・・・ですよね?(違ってたらすみません) 将軍、神官のお名前はご自分でお考えになられたのですか。 これから先どうなるのでしょうか・・・ 続きを期待しております・・・ |
21783 | 違う違う違いますッ!!(滝汗)これ、『五大魔族』の番外編ですッ! | 東琥珀 | 2002/9/10 21:35:51 |
記事番号21776へのコメント ドラマ・スライムさんは No.21776「Re:海王将軍苦悩の日々(爆)」で書きました。 初めまして。 東琥珀……… アズマコハクと申します。 琥珀、と呼んで頂けたら幸せです。 > >東琥珀さん読ませていただきました・・・ ありがとうございます。 >ギャグ小説・・・ですよね?(違ってたらすみません) 私の話は……… ギャグとシリアスがめったらくったらに混じり合ってて。 書いてる本人もギャグなんだかなんなんだかワケわかんないです。 『ワケわかんない話』で納得なさってください。(爆) >将軍、神官のお名前はご自分でお考えになられたのですか。 はい。 一応。 『どっかで聞いた名前だー』ってのもありますが。 冥王軍の六名は神話の女神を引っ張って参りましたが。 >これから先どうなるのでしょうか・・・ >続きを期待しております・・・ ………いや……… これから先っつーか……… これ、『過去話』なんですけど……… 投稿小説2のほうに、『五大魔族と五人の部下達in神魔戦争』てのを 連載しておりまして………(過去ログちぇっくぷりぃず) その中に出てくるキャラの過去の話を書いたものなんです。 これからどうなる………って。 これから先の話を既に公表してますよ(汗) できればそっちも読んで頂ければ嬉しさ倍増。 ………オルエン、かなり不幸ですけど……… |