-超短編小説の真似事 3-時計うさぎ(4/10-23:53)No.2227
 ┣Re:超短編小説の真似事 3-松原ぼたん(4/11-00:23)No.2228
 ┃┗ありがとうございますっ!-時計うさぎ(4/12-23:06)No.2253
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  ┗Re:超短編小説の真似事 4-松原ぼたん(4/16-19:17)No.2302


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2227超短編小説の真似事 3時計うさぎ E-mail 4/10-23:53

 あ・・・あのねっあのねっ・・・これ一応続編でねっ!過去の記事bQ068に
これの前編があるから・・それから読んでねっ!!
 では・・・3書かせてもらいますぅっ!
 
★☆★☆
 どんっという、人にぶつかる音が響くと「きゃぁっ。」か「うわぁっ。」という
悲鳴がおまけにつく。
 あたしは、紙を握り締めたまま、前方を逃走する 緑色の髪の青年をおっていた
のだった。
 あたしを巻くつもりか、人通りの多い 露店の並ぶ大通りを駆け抜ける、青年。
 追う あたし。
 もしも障害物なしなら、彼に追いつく自信はめいいっぱいある。
 だが・・・ここまで多いとなると、しかもマントが人に引っかかったりするもん
だから なおさら、不利だ。
 空間を渡にしても、彼の行き先を知らねば、むやみにやっても仕方ない。
 だから。あたしは仕方なく 走っていた。
 程なくして、彼は 古ぼけた家(廃屋かも?)の間の細い道に入りこむ。
 置いてあった、ごみ箱を蹴り倒し たむろするチンピラの上を、飛び越える。
 あたしは、いちいち彼が消しかける障害物を、彼に習うかのように跳躍して追う
しかなかった。
 そして・・・・。
 ぱぁぁっ・・・闇に閉ざされた暗い細い道から、光りある通りに出たようで、瞳
に溢れんばかりの光が満ちる。
「うくぅっ・・・!?」
 あたしは、眩しさと・・・それと、その通の情景に、うめいた。
 露出度の高いドレスにケープを羽織った、遊女。(あたしみたいにマントを羽織
ってる奴もいるが)
 いかにもスケベそーな顔をして 彼女たちに声をかける、男ども。
 ・・・・をいをいをい・・・あいつは、なんちゅうー所に逃げ込むんだっ!
 そこは、見ての通りの、遊女裏通りだった!!!
「ちぃっ・・。」
 あたしが、面食らっている間に、青年は、かなり間合いのあるところで、あたし
を見ている。
 その顔には・・・微かに嘲りの笑みが・・・。
 むかっ。
 あたしは、顔を引き締め、左掌を彼に向かって突き出すと、「力ある言葉」を大
声で叫んだ。
「獣王牙操弾!!!」
 緑色の光が、彼に向かって突き進む。もちろん、手加減はしているから 死ぬこ
たぁないでしょうけど。
 と・・・。
 ずばがっぁぁぁぁぁぁん・・・・。
 あたしの予想とは裏腹に凄まじい轟音を残しそこらへんで悲鳴と土埃が上がる。
 あ・・・あれ?威力弱めたはずなんだけどな、死んでたらどーしよー!?
 あたしは生死を確かめるべく 彼のいたであろう所に 駆け寄るが、地面が煮沸
している。
 直撃してたら、骨も残らず消滅しているだろうが・・・。
 がばぁっ・・っと、あたしは振り仰いだ。
 上空に 黒い翼を広げて 左脇腹を押さえて飛んでいる先ほどの青年がいた。
 あたしは、ふっっと笑みを浮かべて、朗々たる声で青年に叫ぶ。
「鬼ごっこは終わりよ。 その深手じゃ、あたしから逃げようなんざ馬鹿な真似は
よしなさいとしか言えないわ。」
 ちっっと青年が舌打ちし、彼は、緩やかに降りてきた。
「利口ね・・・案内してくれるわね? 彼の元へ!」
 あたしが言い放つと、青年は、ぎりっっと奥歯をかんで頷いた。
 
 彼が案内したのは 廃屋だった。
 まだ、空き家となって数年たらずなのか 崩れているという所までは行っていな
いが・・・人が住めるとは思えん。
 本当にいるんだろうか。
 あたしの脳裏にそんな疑問が浮かびあがりつつ あたしは、戸口に立って中に入
るよう無言で促す青年の言う通り入る。
 ばだむっ。
 あたしが入った直後、扉は、かなりの勢いで閉められた。
 ちっ・・・やっぱり罠かっ!?
 あたしは、辺りに視線をめぐらすと、「お前らはもぐらかぁっ!!」と突っ込み
を入れたくなるようになってしまった。だって、床下から出てくるんですものっ!
 リザードマンが約十名。
 それと、赤い狐の獣人が一匹。
「ヴァルガーヴ様からの命令。 お前、死んでもらうっ!!」
 人語にあまり慣れていないのか、単語を並べ立てたような号令がかかる!
 そして、リザードマンが 一斉に飛び掛かってきた。
 しかし、今のあたし、そんな雑魚たちよりも さっきの獣人が言った「ヴァルガ
ーヴ」という名前について考える事が最優先だった。
 ・・・ヴァル・・・ガーヴ・・・ね。
−きしゃぁぁぁぁぁぁ!!!−
 リザードマンの奇声にあたしは我に返ると リザードマンの一撃より遥かに速く
右手を振り上げ、再び「力ある言葉」を放つ。
「獣王牙繰弾!!」
 さっきとは、ちょっとだけヴァリエーションが違う。
 先ほどのは、放っただけ。 今のは、武器形状「鞭」で、リザードマン達の首を
狙って、一回り舞ったのである。
 ぞぱぁっ!!と首がはねられると同時に リザードマンの身体のことごとくが砂
となって砕け落ちる。
 赤狐の獣人は背がちっこすぎて鞭にあたんなかったようだけど、衝撃で吹っ飛ば
されて目を回している。
 あたしは、そいつの襟首を引っつかむと、扉を蹴破る。
 廃屋の前では 事が終わるのをまっていたのか、さっきの青年「ヴァルガーヴ」
がいた。
 扉が蹴破られあたしが無傷で出てきた事に驚きを隠せないようである。
 あとずさる「ヴァルガーヴ」、にじり寄る あたし。
「くすっ・・・意外? あなたに傷つけた奴が 人海戦術で倒れるようなか弱い奴
だと思った?」
 ぽいっっと、あたしは 狐を彼に返すと、彼の襟首を引っつかむ。
「今度こういう真似をした場合 あなたには、滅んでいただくわ。」
 あたしは、彼の顔のまじかで、残酷な笑みを浮かべて言い放つ。
 そして、今度こそ案内させるべくあたしが彼空手を放つと同時に。
 あたしの一瞬前までいた所に太い太刀筋が空を閃く。
 ・・・微かな殺気に、あたしが 勘だけで、真上に飛びあがったから、切捨てら
れる事もなく、傷なくいるけどね。
 ま・・殺気の持ち主の心当たりは一人しかいないけど。
「いきなり、ご挨拶ね?ガーヴ。」
 あたしは、フードを跳ね上げトパーズの瞳で、彼を睨む。
 ざぁっ・・・。
 一陣の風が舞う。
「ご挨拶はそっちじゃねーのか・・・おい・・・獣王ゼラス=メタリオムさんよぉ
?」
 赤い髪をなびかせて、両刃のバスタードソードを切り下げたまんまの姿で とま
っているガーヴ・・・不敵な笑みを浮かべて。

 次回へ続くっ! 
★☆★☆
 ヴァルだぁっ ガーヴだぁっ・・・・。
 ゼラス様 ゼロス ヴァル ガーヴ・・・あたしはこの4人が魔族ないで一番好
きなんですぅ。
 だから、この4人をメイン(ゼロスが出てきてないけどちゃんと出すからね、後
々)書いて見たかったんですぅっ!
 あぅ・・・こんなあたくしの好み突っ走り小説をここまで読んでくださいまして
ありがとうございます。 
 早々に残りも書きます、お付き合いありがとうございます。  

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2228Re:超短編小説の真似事 3松原ぼたん E-mail 4/11-00:23
記事番号2227へのコメント
 面白かったです。

> だが・・・ここまで多いとなると、しかもマントが人に引っかかったりするもん
>だから なおさら、不利だ。
 大変ですねー。
> ・・・・をいをいをい・・・あいつは、なんちゅうー所に逃げ込むんだっ!
 まったくだよ。
> それと、赤い狐の獣人が一匹。
 あら?
>「くすっ・・・意外? あなたに傷つけた奴が 人海戦術で倒れるようなか弱い奴
>だと思った?」
 あ、何かこの台詞いい。
> 赤い髪をなびかせて、両刃のバスタードソードを切り下げたまんまの姿で とま
>っているガーヴ・・・不敵な笑みを浮かべて。
 でたっ。
> ゼラス様 ゼロス ヴァル ガーヴ・・・あたしはこの4人が魔族ないで一番好
>きなんですぅ。
 そうなんですか。あたしも結構好きです(笑)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2253ありがとうございますっ!時計うさぎ E-mail 4/12-23:06
記事番号2228へのコメント
返答遅くなりまして申し訳ございません。

> 面白かったです。
 それはよかったですっ(^^)/

>> だが・・・ここまで多いとなると、しかもマントが人に引っかかったりするもん
>>だから なおさら、不利だ。
> 大変ですねー。
 一応このマント訳ありではずせないんです。

>> ・・・・をいをいをい・・・あいつは、なんちゅうー所に逃げ込むんだっ!
> まったくだよ。
 はっはっはっ・・・裏通りと聞くとついこれが出てきてしまって。

>> それと、赤い狐の獣人が一匹。
> あら?
 はいっ、ヴァルを、ヴァルガーヴ様と呼び、グラボスを親分と呼ぶ、ジラス君です。
 グラボスは、ちょっとおやすみ。

>>「くすっ・・・意外? あなたに傷つけた奴が 人海戦術で倒れるようなか弱い奴
>>だと思った?」
> あ、何かこの台詞いい。
 魔族らしさに欠けてたようなので、魔族らしさを出したかったんです。
 
>> 赤い髪をなびかせて、両刃のバスタードソードを切り下げたまんまの姿で とま
>>っているガーヴ・・・不敵な笑みを浮かべて。
> でたっ。
 でたっ、でましたっ、だしましたっ!!
 ヴァル君のおとーさま(!?)!!魔竜王ガーヴ!!

>> ゼラス様 ゼロス ヴァル ガーヴ・・・あたしはこの4人が魔族ないで一番好
>>きなんですぅ。
> そうなんですか。あたしも結構好きです(笑)。
 好きな人がいて良かったっ♪

> 本当に面白かったです。
> ではまた、ご縁がありましたなら。
 本当に読んでくださいましてありがとうございます!!

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2291超短編小説の真似事 4時計うさぎ E-mail 4/15-23:44
記事番号2227へのコメント

> あ・・・あのねっあのねっ・・・これ一応続編でねっ!過去の記事bQ068に2が
あるから・・で、3よんでこの4に進んでいただきたいと思います。
> 
>★☆★☆

 不敵な笑みを浮かべるガーヴ・・・あたしは、彼を見下ろす。
 と、いきなり、にらみ合っていた、あたしとガーヴの沈黙を破ったのは、ガーヴの後ろ
にいたヴァルガーヴの甲高い声であった。
「ガーヴ様っ!? こいつの事知ってるんですかっ!?」
 びしぃっっとあたしの方を指で指しつつ、叫ぶ。
 こ・・・こいつってねぇ・・・をい・・・。
「ま・・まぁな・・。」
 鼻をぽりぽりかきながら答えるガーヴ。
 鼻ぽりぽりかきながらって・・・まるで父子のような・・・て。
 いっやだぁぁぁぁこんなのガーヴじゃないぃぃぃぃっ!!!!!
「あのねっっ!!まるで、家庭ほのぼのケンカのよーなことを、人の前で展開して恥ずか
しくないのっ!?」
 あたしは、来る途中で一転し、翼を仕舞うと、たんっと地に足をおろすなり、ずかずか
とガーヴとヴァルガーヴの間に割り込み、2人の胸に交互に指をつきつける。 
「ヴァルガーヴっていったわね? あたしには、ちゃんと獣王ゼラス=メタリオムって名
前があるの、こいつじゃなくてよっ!?」
「ガーヴっ!?人間ボケしたんじゃなくてっ?あのほのぼのとした雰囲気はなにっ!?あ
の昔のあなたはどこに行ったのっ!?」
 あたしは、右手に掴んでいた赤狐を ガーヴに押し付けた。
『す・・・すまん。』
 2人は一歩あとずさる。
「よろしい。」
 あたしは、にっこりと微笑むと、付け足すように言葉を紡いだ。
「で? お決まりの「なにようだっ。」てセリフはなくて?」
 言いながらあたしは、数歩前にでて180度回転し、にっこり微笑みながら人差指をぴ
っとたててウインクする。
 うっ・・・ゼロスの真似してみたんだけど変だったかな?
「お・・おまえ・・・降魔戦争以来、お茶目になったんじゃねーか?」
 おちゃめって・・・・昔のあたしって・・・?
「理由があるならば、S様がカタートにお眠りになられてから、こっちで良く遊んでるか
らじゃないかしら?」
 そう、あたしは肩をすくめて言うと ガーヴはきぃっんと、剣を鞘に仕舞い込む。
「ほぉぅ・・・。」
 ガーヴは面白そうな呟きをあとにつきつけられ、抱えたままだった赤狐(後で知ったが
、ジラスという名らしい)を肩に担ぐ。
「立ち話もなんだな? お望み通り、案内してやるよ・・・砦にな。」
 あたしはぱちぃっんと 指を鳴らして歓喜する。
「そうこなくっちゃっ♪」
 だがあたしのよろこびとは正反対に、ぶすぅっっとふくれっつらをするヴァルガーヴが
抗議の声緒を上げる。
「ガーヴ様っ!なんで、こんな奴を連れてくんですかっ!!」
「こんなやつって、教えたでしょう?あたしの名はゼラス=メタリオムだとっ、この際、
呼び捨てでも構わないから、「こんな奴」呼ばわりするのはおやめっ!」
 あたしは、ぐにぐにとほっぺを引き伸ばす。
「何しやがるこのアマっ!」
 ヴァルガーヴがあたしの手を払い除ける。
「ガーヴ?ちゃんと教育してないんじゃなくて?」
 あたしがガーヴにそういうと、ヴァルガーヴはあたしの方を引っつかむと噛み付かんば
かりの勢いで叫ぶ.
「ガーヴ様を愚弄するかっ!?」
「はっ?愚弄ですって?自分の責任だという事が分からなくて?子供は親のしつけがその
まま出るのよ?」
「うぐっ・・・。」
 唸るヴァルガーヴ。
 ゼロスの生みの親たるあたしに口でかとうなんか百万年はやいねっ!
「まーそこまでにしろや。 一応ここも人通りが無いわけじゃねーんだしな?」
 ガーヴはそう言いながら、子供をあやすように、ヴァルガーヴの髪をぐしゃぐしゃと描
きまわす。
「・・・悪かったわね。」
 あたしは、そうひとこだけ呟くと、ヴァルガーヴもそれに応じるように 「悪かったな
。」と呟くのだった。

★☆★☆
次回ラストっ!! 

 ここまで読んでくださいましてありがとうございます。
 実はこれ、文章を改定し、イラストを付けて、コピー本になり、同人誌として、友人サ
ークルにて売られる事となりました。
 5月5日にありますインデックス大阪内で見つけられましたら、イラストとともども見
てみてください。
 本当にありがとうございました。

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2302Re:超短編小説の真似事 4松原ぼたん E-mail 4/16-19:17
記事番号2291へのコメント
 面白かったです。

> こ・・・こいつってねぇ・・・をい・・・。
 こいつ呼ばわりされたらいい気はしないわな。
> いっやだぁぁぁぁこんなのガーヴじゃないぃぃぃぃっ!!!!!
 あははははは。
> 言いながらあたしは、数歩前にでて180度回転し、にっこり微笑みながら人差指をぴ
>っとたててウインクする。
> うっ・・・ゼロスの真似してみたんだけど変だったかな?
 素敵ですぅぅ。
> ゼロスの生みの親たるあたしに口でかとうなんか百万年はやいねっ!
 ものすんごい説得力が・・・・(笑)。
>次回ラストっ!! 
 楽しみにしてます。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。