◆−彼方の血脈 其の6−棒太郎 (2002/10/8 01:06:58) No.22552 ┣こんにちは、あのお方の登場ですね−猫楽者 (2002/10/8 08:36:49) No.22554 ┃┗どうもです−棒太郎 (2002/10/8 17:54:48) No.22571 ┣ご無沙汰なので、こっそりと・・・−Key (2002/10/9 22:46:57) No.22611 ┃┗Re:ご無沙汰なので、こっそりと・・・−棒太郎 (2002/10/10 19:35:15) No.22636 ┣彼方の血脈 其の7−棒太郎 (2002/10/14 00:48:45) No.22774 ┃┣竜騎士さんのとご登場ですね−猫楽者 (2002/10/14 13:05:58) No.22788 ┃┃┗彼女もただの嫁ではなかった(笑)−棒太郎 (2002/10/14 21:21:51) No.22809 ┃┗続きがでてるぅ〜〜vv−Key (2002/10/14 15:16:20) No.22794 ┃ ┗うれしいです−棒太郎 (2002/10/14 21:31:30) No.22810 ┗彼方の血脈 其の8−棒太郎 (2002/10/16 12:20:06) NEW No.22822 ┣感想です♪−Key (2002/10/16 21:07:26) NEW No.22827 ┃┗ありがとうございます−棒太郎 (2002/10/17 23:45:14) NEW No.22854 ┗あああああ、続きが−猫楽者 (2002/10/17 23:32:47) NEW No.22853 ┗ツリーよ、まだ沈んでくれるな−棒太郎 (2002/10/18 00:37:15) NEW No.22855
22552 | 彼方の血脈 其の6 | 棒太郎 | 2002/10/8 01:06:58 |
こんにちわ、棒太郎です。 なんだか話がどんどん大きくなっていきそうで怖いのですが、とりあえず続きです。 それではどうぞ。 ************************************* 『彼方の血脈』 其の6 ―――やれやれ、美人薄命とはよくいったものよね――― ―――ひ孫までいる年まで生きて薄命もなにもないだろう――― ―――なによ文句あんの?昔からの定説なのよ――― ―――そういうことにしておこう――― ―――・・・・・・・・あんたに出会えてよかったわ、ヨハン――― ―――リア・・・・・・・・――― ―――愛してるわ・・・あなた――― ―――私もだ、リア・・・・・・・ゆっくり眠れ・・・・・・・・――― どのくらいの時間が経ったのか――― リナは白昼夢のような薄ぼんやりとした曖昧な感覚のそこから、急速に意識が戻っていった。 そうして先程まで感じていたあの不思議な夢のようなもののことが頭の中を巡っていた。 ――あの二人は誰なんだろう?―― そう思っていたとき―― 「あら、気がついたのね。リナ。」 その声に振り向くと母、フィルアがにこやかに立っていた。 「まあ、あれだけいろんなことをいっぺんに知ったら頭の中がショートするわね。」 言いながら暖かいお茶の入ったカップを渡す。 「母ちゃん・・・ここは?」 リナは今自分がいる場所を見回した。 石造りのその部屋には、様々な器具や書物、道具が所狭しと占拠していた。 ふと、ずらりと本が納められた本棚が目に入った。 そこには今はそのほとんどが入手困難といわれている様々な魔術の希書が勢ぞろいしていた。 そしてそれに交じりながら、『ネクロノミコン』、『ナコト写本』、『暗黒の大巻』、『妖蛆の秘密』、『屍食教典儀』、『セラエノ断章』、『無名祭祀書』、『グ=ハーン断章』、『グラーキ黙示録』、『深海祭祀書』、『ポナペ島経典』、『ルルイエ異聞』などといった見たこともないような魔道書まであった。 「ふふ、ここは初代から受け継がれてきたインバース家の聖地ともいえる部屋ね。誰でも入れるってわけじゃないのよ。」 「初代・・・ってあの?」 「そうよ。ヨハン=インバース――旧姓ヨハン=ファウストの書斎兼研究室よ。そして代々の『ドクトル・ファウスト』に受け継がれてきたのよ。」 そうしてリナの顔をじっとみる。 「リナ。あなたは『ドクトル・ファウスト』の名を受け継ぐに足る心と力がついたわ。これから継承の儀を受けてもらうわ。」 そう言ってリナの胸にそっと手をかざした。 「か、母ちゃん?」 「リナ・・・あなたの中に魔王の欠片があるということは聞いたわね。」 「う、うん・・・」 「これから魔王の欠片を活性化させるわ。だからそれを克服し、自分のものとするのよ。それができてから『ドクトル・ファウスト』の全てを伝えるわ。」 フィルアのあまりの言葉に絶句するリナ。 「母ちゃん!?そんなの無理よ!」 「・・・・リナ。どちらにしろ魔王の欠片はあなたがどうにかしないといけないのよ。そうでなければ、いつか滅びの誘惑にとらわれるわ。」 フィルアの言葉にグッっと詰まるリナ。 「リナ、心しなさい。これは自分との闘いよ。」 ガキンっ 「はっはっは、若いの。なかなかの腕だな。」 家の外ではガウリイとベルベインが剣を打ち合っていた。 フィルアガリナを運んでいったあと、ベルベインがガウリイとひとつ手合わせを頼んだためだった。 (なんてジイさんだ。オレの本気の一撃を軽く捌くなんて!) ガウリイの額に一筋の汗が伝う。 対するベルベインは楽しそうに笑いながら、片手に剣を持って無形の位に構えている。 「剣撃の重さ、キレ。どれも申し分ない。はは、若い頃を思い出すな。」 スッとベルベインの手が動いた。 咄嗟に守りの態勢にはいるのとすれ違いに、大上段からの一撃が降ってきた。 おそらく恐るべき野生のカンがなければ、からだの右と左がすっぽり分かれていたことだろう。 距離をとり、また正眼に構えるガウリイ。 そこへ―― 「・・・・・・・客だな。」 ベルベインがボツリと呟き、 「こそこそ隠れてないで出てきたらどうだ?それとも物陰から様子を窺うことしかできない腰抜けか?」 ベルベインのその言葉に、突如一人の男が現れた。 「ゼロスじゃないか。」 獣神官ゼロスがそこにいた。 「やれやれ。何者ですか?ガウリイさん並にカンが鋭いなんて。」 「お前などに名乗る名はないよ。」 そう言い、ベルベインはゼロスのほうに向いた。 「お前たちの目的はリナだろう?あの子の中に魔王の欠片があることに気づいたか。」 「おやおや、知っておいでですか?ますます何者ですか?」 「リナのジイさんだ。」 ガウリイの一言にゼロスが驚愕に目を見開く。 「な、なるほど・・・・なら納得ですね。」 リナの身内という事実に衝撃を受けたのか、ゼロスはやや体をよろめかした。 「どーゆー意味だ、そりゃ。」 ************************************* あんまり話がすすんでない・・・・・・ 次からはいよいよ魔族VSインバース家でしょうかね。 それでは読んでくださった皆さん。 ありがとうございました。 |
22554 | こんにちは、あのお方の登場ですね | 猫楽者 E-mail | 2002/10/8 08:36:49 |
記事番号22552へのコメント 棒太郎さんは No.22552「彼方の血脈 其の6」で書きました。 > >こんにちわ、棒太郎です。 > おはようございます、棒太郎さん。 お元気ですか、猫楽者です。 > >なんだか話がどんどん大きくなっていきそうで怖いのですが、とりあえず続きです。 >それではどうぞ。 > はい、続きをお待ちしていました。 > >************************************* > > 『彼方の血脈』 其の6 > > > ―――やれやれ、美人薄命とはよくいったものよね――― > > ―――ひ孫までいる年まで生きて薄命もなにもないだろう――― > > ―――なによ文句あんの?昔からの定説なのよ――― > > ―――そういうことにしておこう――― > > ―――・・・・・・・・あんたに出会えてよかったわ、ヨハン――― > > ―――リア・・・・・・・・――― > > ―――愛してるわ・・・あなた――― > > ―――私もだ、リア・・・・・・・ゆっくり眠れ・・・・・・・・――― > 別れは、辛く寂く、そして悲しくて仕方ないのに、それを感じさせない とても穏やかな雰囲気ですね。 受け売りですが、『深い眠りにつくのはステキに生きた時だけ』、という言葉を思い出しました。 > >どのくらいの時間が経ったのか――― >リナは白昼夢のような薄ぼんやりとした曖昧な感覚のそこから、急速に意識が戻っていった。 >そうして先程まで感じていたあの不思議な夢のようなもののことが頭の中を巡っていた。 > >――あの二人は誰なんだろう?―― > >そう思っていたとき―― >「あら、気がついたのね。リナ。」 >その声に振り向くと母、フィルアがにこやかに立っていた。 >「まあ、あれだけいろんなことをいっぺんに知ったら頭の中がショートするわね。」 >言いながら暖かいお茶の入ったカップを渡す。 >「母ちゃん・・・ここは?」 >リナは今自分がいる場所を見回した。 >石造りのその部屋には、様々な器具や書物、道具が所狭しと占拠していた。 >ふと、ずらりと本が納められた本棚が目に入った。 >そこには今はそのほとんどが入手困難といわれている様々な魔術の希書が勢ぞろいしていた。 >そしてそれに交じりながら、『ネクロノミコン』、『ナコト写本』、『暗黒の大巻』、『妖蛆の秘密』、『屍食教典儀』、『セラエノ断章』、『無名祭祀書』、『グ=ハーン断章』、『グラーキ黙示録』、『深海祭祀書』、『ポナペ島経典』、『ルルイエ異聞』などといった見たこともないような魔道書まであった。 > おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。 す・・・すごい蔵書です。 この本を手に入れるために、戦争でさえも起こってしまいそうですね。 『エイボンの書』や『黄衣の王』も所有していそうですね。 > >「ふふ、ここは初代から受け継がれてきたインバース家の聖地ともいえる部屋ね。誰でも入れるってわけじゃないのよ。」 >「初代・・・ってあの?」 >「そうよ。ヨハン=インバース――旧姓ヨハン=ファウストの書斎兼研究室よ。そして代々の『ドクトル・ファウスト』に受け継がれてきたのよ。」 >そうしてリナの顔をじっとみる。 >「リナ。あなたは『ドクトル・ファウスト』の名を受け継ぐに足る心と力がついたわ。これから継承の儀を受けてもらうわ。」 >そう言ってリナの胸にそっと手をかざした。 >「か、母ちゃん?」 >「リナ・・・あなたの中に魔王の欠片があるということは聞いたわね。」 >「う、うん・・・」 >「これから魔王の欠片を活性化させるわ。だからそれを克服し、自分のものとするのよ。それができてから『ドクトル・ファウスト』の全てを伝えるわ。」 >フィルアのあまりの言葉に絶句するリナ。 >「母ちゃん!?そんなの無理よ!」 >「・・・・リナ。どちらにしろ魔王の欠片はあなたがどうにかしないといけないのよ。そうでなければ、いつか滅びの誘惑にとらわれるわ。」 >フィルアの言葉にグッっと詰まるリナ。 >「リナ、心しなさい。これは自分との闘いよ。」 > な・・・なにか、こりから大変そうですねリナさん。 ファウストさんの力を受け継ぐ為の、『継承の儀』・・・・どんな試練がまっているのでしょうか。 > >ガキンっ >「はっはっは、若いの。なかなかの腕だな。」 >家の外ではガウリイとベルベインが剣を打ち合っていた。 >フィルアガリナを運んでいったあと、ベルベインがガウリイとひとつ手合わせを頼んだためだった。 >(なんてジイさんだ。オレの本気の一撃を軽く捌くなんて!) >ガウリイの額に一筋の汗が伝う。 >対するベルベインは楽しそうに笑いながら、片手に剣を持って無形の位に構えている。 >「剣撃の重さ、キレ。どれも申し分ない。はは、若い頃を思い出すな。」 >スッとベルベインの手が動いた。 >咄嗟に守りの態勢にはいるのとすれ違いに、大上段からの一撃が降ってきた。 >おそらく恐るべき野生のカンがなければ、からだの右と左がすっぽり分かれていたことだろう。 >距離をとり、また正眼に構えるガウリイ。 > 流石は、ベルベインさん。 あのガウリイさんを相手に・・・・楽しそうに笑いながら・・とは、余裕ですね。 > >そこへ―― >「・・・・・・・客だな。」 >ベルベインがボツリと呟き、 >「こそこそ隠れてないで出てきたらどうだ?それとも物陰から様子を窺うことしかできない腰抜けか?」 >ベルベインのその言葉に、突如一人の男が現れた。 >「ゼロスじゃないか。」 >獣神官ゼロスがそこにいた。 >「やれやれ。何者ですか?ガウリイさん並にカンが鋭いなんて。」 > いや、もしかしたら・・・・ガウリイさんよりもカンが鋭いかも・・・(汗) > >「お前などに名乗る名はないよ。」 >そう言い、ベルベインはゼロスのほうに向いた。 >「お前たちの目的はリナだろう?あの子の中に魔王の欠片があることに気づいたか。」 >「おやおや、知っておいでですか?ますます何者ですか?」 >「リナのジイさんだ。」 >ガウリイの一言にゼロスが驚愕に目を見開く。 >「な、なるほど・・・・なら納得ですね。」 >リナの身内という事実に衝撃を受けたのか、ゼロスはやや体をよろめかした。 >「どーゆー意味だ、そりゃ。」 > ゼロスさん・・・・悪いことは言いません。 いつものように不幸な目に遭う前に、深く関わり合わない方が良いような・・。 あっ、でも、もしかしたら・・・・既に手遅れですかね(笑) > >************************************* > >あんまり話がすすんでない・・・・・・ >次からはいよいよ魔族VSインバース家でしょうかね。 > 面白かったです〜。 次回は戦争ですね。楽しみにお待ちしておりますね。 ゼロスさん、インバース家側に味方してくれると良いのですね。 > >それでは読んでくださった皆さん。 >ありがとうございました。 > こちらこそ、続きを楽しく読ませて頂きました。 秋らしくなってまいりましたが、お体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
22571 | どうもです | 棒太郎 | 2002/10/8 17:54:48 |
記事番号22554へのコメント 猫楽者さんは No.22554「こんにちは、あのお方の登場ですね」で書きました。 > >棒太郎さんは No.22552「彼方の血脈 其の6」で書きました。 >> >>こんにちわ、棒太郎です。 >> > >おはようございます、棒太郎さん。 >お元気ですか、猫楽者です。 > こんにちわ、猫楽者さん。 日々、なんとか生きております。 >> >>なんだか話がどんどん大きくなっていきそうで怖いのですが、とりあえず続きです。 >>それではどうぞ。 >> > >はい、続きをお待ちしていました。 > >> >>************************************* >> >> 『彼方の血脈』 其の6 >> >> >> ―――やれやれ、美人薄命とはよくいったものよね――― >> >> ―――ひ孫までいる年まで生きて薄命もなにもないだろう――― >> >> ―――なによ文句あんの?昔からの定説なのよ――― >> >> ―――そういうことにしておこう――― >> >> ―――・・・・・・・・あんたに出会えてよかったわ、ヨハン――― >> >> ―――リア・・・・・・・・――― >> >> ―――愛してるわ・・・あなた――― >> >> ―――私もだ、リア・・・・・・・ゆっくり眠れ・・・・・・・・――― >> > >別れは、辛く寂く、そして悲しくて仕方ないのに、それを感じさせない >とても穏やかな雰囲気ですね。 >受け売りですが、『深い眠りにつくのはステキに生きた時だけ』、という言葉を思い出しました。 > 別れというのは悲しく寂しいものですが、やっぱり送るほうも送られるほうもにっこり笑っていたいですね。 >> >>どのくらいの時間が経ったのか――― >>リナは白昼夢のような薄ぼんやりとした曖昧な感覚のそこから、急速に意識が戻っていった。 >>そうして先程まで感じていたあの不思議な夢のようなもののことが頭の中を巡っていた。 >> >>――あの二人は誰なんだろう?―― >> >>そう思っていたとき―― >>「あら、気がついたのね。リナ。」 >>その声に振り向くと母、フィルアがにこやかに立っていた。 >>「まあ、あれだけいろんなことをいっぺんに知ったら頭の中がショートするわね。」 >>言いながら暖かいお茶の入ったカップを渡す。 >>「母ちゃん・・・ここは?」 >>リナは今自分がいる場所を見回した。 >>石造りのその部屋には、様々な器具や書物、道具が所狭しと占拠していた。 >>ふと、ずらりと本が納められた本棚が目に入った。 >>そこには今はそのほとんどが入手困難といわれている様々な魔術の希書が勢ぞろいしていた。 >>そしてそれに交じりながら、『ネクロノミコン』、『ナコト写本』、『暗黒の大巻』、『妖蛆の秘密』、『屍食教典儀』、『セラエノ断章』、『無名祭祀書』、『グ=ハーン断章』、『グラーキ黙示録』、『深海祭祀書』、『ポナペ島経典』、『ルルイエ異聞』などといった見たこともないような魔道書まであった。 >> > >おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。 >す・・・すごい蔵書です。 >この本を手に入れるために、戦争でさえも起こってしまいそうですね。 > >『エイボンの書』や『黄衣の王』も所有していそうですね。 > もちろん持ってます。あちらの世界の魔道書は一通り持ってきてますから。 ファウスト・コレクション(笑)は侮れませんよ。 >> >>「ふふ、ここは初代から受け継がれてきたインバース家の聖地ともいえる部屋ね。誰でも入れるってわけじゃないのよ。」 >>「初代・・・ってあの?」 >>「そうよ。ヨハン=インバース――旧姓ヨハン=ファウストの書斎兼研究室よ。そして代々の『ドクトル・ファウスト』に受け継がれてきたのよ。」 >>そうしてリナの顔をじっとみる。 >>「リナ。あなたは『ドクトル・ファウスト』の名を受け継ぐに足る心と力がついたわ。これから継承の儀を受けてもらうわ。」 >>そう言ってリナの胸にそっと手をかざした。 >>「か、母ちゃん?」 >>「リナ・・・あなたの中に魔王の欠片があるということは聞いたわね。」 >>「う、うん・・・」 >>「これから魔王の欠片を活性化させるわ。だからそれを克服し、自分のものとするのよ。それができてから『ドクトル・ファウスト』の全てを伝えるわ。」 >>フィルアのあまりの言葉に絶句するリナ。 >>「母ちゃん!?そんなの無理よ!」 >>「・・・・リナ。どちらにしろ魔王の欠片はあなたがどうにかしないといけないのよ。そうでなければ、いつか滅びの誘惑にとらわれるわ。」 >>フィルアの言葉にグッっと詰まるリナ。 >>「リナ、心しなさい。これは自分との闘いよ。」 >> > >な・・・なにか、こりから大変そうですねリナさん。 >ファウストさんの力を受け継ぐ為の、『継承の儀』・・・・どんな試練がまっているのでしょうか。 > やっぱりあれだけの力を受け継ぐんですから、相当なものでしょう。 >> >>ガキンっ >>「はっはっは、若いの。なかなかの腕だな。」 >>家の外ではガウリイとベルベインが剣を打ち合っていた。 >>フィルアガリナを運んでいったあと、ベルベインがガウリイとひとつ手合わせを頼んだためだった。 >>(なんてジイさんだ。オレの本気の一撃を軽く捌くなんて!) >>ガウリイの額に一筋の汗が伝う。 >>対するベルベインは楽しそうに笑いながら、片手に剣を持って無形の位に構えている。 >>「剣撃の重さ、キレ。どれも申し分ない。はは、若い頃を思い出すな。」 >>スッとベルベインの手が動いた。 >>咄嗟に守りの態勢にはいるのとすれ違いに、大上段からの一撃が降ってきた。 >>おそらく恐るべき野生のカンがなければ、からだの右と左がすっぽり分かれていたことだろう。 >>距離をとり、また正眼に構えるガウリイ。 >> > >流石は、ベルベインさん。 >あのガウリイさんを相手に・・・・楽しそうに笑いながら・・とは、余裕ですね。 > まあなんていうか強い奴との手合わせが趣味みたいな人ですから。 >> >>そこへ―― >>「・・・・・・・客だな。」 >>ベルベインがボツリと呟き、 >>「こそこそ隠れてないで出てきたらどうだ?それとも物陰から様子を窺うことしかできない腰抜けか?」 >>ベルベインのその言葉に、突如一人の男が現れた。 >>「ゼロスじゃないか。」 >>獣神官ゼロスがそこにいた。 >>「やれやれ。何者ですか?ガウリイさん並にカンが鋭いなんて。」 >> > >いや、もしかしたら・・・・ガウリイさんよりもカンが鋭いかも・・・(汗) > そうかもしれません(笑) >> >>「お前などに名乗る名はないよ。」 >>そう言い、ベルベインはゼロスのほうに向いた。 >>「お前たちの目的はリナだろう?あの子の中に魔王の欠片があることに気づいたか。」 >>「おやおや、知っておいでですか?ますます何者ですか?」 >>「リナのジイさんだ。」 >>ガウリイの一言にゼロスが驚愕に目を見開く。 >>「な、なるほど・・・・なら納得ですね。」 >>リナの身内という事実に衝撃を受けたのか、ゼロスはやや体をよろめかした。 >>「どーゆー意味だ、そりゃ。」 >> > >ゼロスさん・・・・悪いことは言いません。 >いつものように不幸な目に遭う前に、深く関わり合わない方が良いような・・。 >あっ、でも、もしかしたら・・・・既に手遅れですかね(笑) > 手遅れです(笑) インバース家は一族に害なすものはなんであれ容赦しませんから。 >> >>************************************* >> >>あんまり話がすすんでない・・・・・・ >>次からはいよいよ魔族VSインバース家でしょうかね。 >> > >面白かったです〜。 >次回は戦争ですね。楽しみにお待ちしておりますね。 > >ゼロスさん、インバース家側に味方してくれると良いのですね。 > そう言っていただけると幸いです。 ゼロスの運命やいかに。 >> >>それでは読んでくださった皆さん。 >>ありがとうございました。 >> > >こちらこそ、続きを楽しく読ませて頂きました。 > >秋らしくなってまいりましたが、お体にお気を付けて、お元気で。 > >では、失礼します。 ありがとうございました。 こんな駄文ですが、これからもよろしくお願いします。 |
22611 | ご無沙汰なので、こっそりと・・・ | Key | 2002/10/9 22:46:57 |
記事番号22552へのコメント 棒太郎さん、こんばんわ。 遅まきながら感想を書きにきました、Keyでごさいます。 >なんだか話がどんどん大きくなっていきそうで怖いのですが、とりあえず続きです。 毎回楽しみに読んでいますので、遠慮なくどんどん大きくしてください。(笑) >************************************* > > 『彼方の血脈』 其の6 > > > ―――やれやれ、美人薄命とはよくいったものよね――― > > ―――ひ孫までいる年まで生きて薄命もなにもないだろう――― > > ―――なによ文句あんの?昔からの定説なのよ――― > > ―――そういうことにしておこう――― > > ―――・・・・・・・・あんたに出会えてよかったわ、ヨハン――― > > ―――リア・・・・・・・・――― > > ―――愛してるわ・・・あなた――― > > ―――私もだ、リア・・・・・・・ゆっくり眠れ・・・・・・・・――― リアさんが、先に逝かれたのですね。 一生懸命前向きに生きて、大切な人に会えて、 その人と、家族に見取られて眠りにつく・・・・・・。 人間として、一番幸せで理想的な最後ですね。 ファウストさんは、この後ぐらいですか? それとも、まだ・・・・。 >どのくらいの時間が経ったのか――― >リナは白昼夢のような薄ぼんやりとした曖昧な感覚のそこから、急速に意識が戻っていった。 >そうして先程まで感じていたあの不思議な夢のようなもののことが頭の中を巡っていた。 リナさんが、もしかして一番血が近しいのでは? だから二人の夢を見たとか。 >「あら、気がついたのね。リナ。」 >その声に振り向くと母、フィルアがにこやかに立っていた。 >「まあ、あれだけいろんなことをいっぺんに知ったら頭の中がショートするわね。」 フィルアさん・・・・ かなりショッキングな事だったのですから、そんなにこやかな一言で済ませないで下さい。 >「母ちゃん・・・ここは?」 >リナは今自分がいる場所を見回した。 >石造りのその部屋には、様々な器具や書物、道具が所狭しと占拠していた。 >ふと、ずらりと本が納められた本棚が目に入った。 >そこには今はそのほとんどが入手困難といわれている様々な魔術の希書が勢ぞろいしていた。 >そしてそれに交じりながら、『ネクロノミコン』、『ナコト写本』、『暗黒の大巻』、『妖蛆の秘密』、『屍食教典儀』、『セラエノ断章』、『無名祭祀書』、『グ=ハーン断章』、『グラーキ黙示録』、『深海祭祀書』、『ポナペ島経典』、『ルルイエ異聞』などといった見たこともないような魔道書まであった。 >「ふふ、ここは初代から受け継がれてきたインバース家の聖地ともいえる部屋ね。誰でも入れるってわけじゃないのよ。」 >「初代・・・ってあの?」 >「そうよ。ヨハン=インバース――旧姓ヨハン=ファウストの書斎兼研究室よ。そして代々の『ドクトル・ファウスト』に受け継がれてきたのよ。」 さすがドクトル。 一冊だけで国が二つ三つ買えるような本ばかり・・・・・・。 でも、ドクトルなら『ネクロノミコン』じゃなくて『アル・アジフ』の方を持っているかと思ってたのですが(笑) ちなみに、道具の方ですが、『アルハザードのランプ』とか『銀の鍵』とか置いてたりしません?(笑) >そうしてリナの顔をじっとみる。 >「リナ。あなたは『ドクトル・ファウスト』の名を受け継ぐに足る心と力がついたわ。これから継承の儀を受けてもらうわ。」 >そう言ってリナの胸にそっと手をかざした。 いよいよですね。(どきどき) >「か、母ちゃん?」 >「リナ・・・あなたの中に魔王の欠片があるということは聞いたわね。」 >「う、うん・・・」 >「これから魔王の欠片を活性化させるわ。だからそれを克服し、自分のものとするのよ。それができてから『ドクトル・ファウスト』の全てを伝えるわ。」 >フィルアのあまりの言葉に絶句するリナ。 >「母ちゃん!?そんなの無理よ!」 >「・・・・リナ。どちらにしろ魔王の欠片はあなたがどうにかしないといけないのよ。そうでなければ、いつか滅びの誘惑にとらわれるわ。」 >フィルアの言葉にグッっと詰まるリナ。 >「リナ、心しなさい。これは自分との闘いよ。」 大丈夫です!(断言) リナさんは、L様に取り込まれても無事だったのですから。 たかが、部下Sごときに乗っ取られるなんてありえません!(根拠のない自信) それにガウリイさんもいますし(笑) >ガキンっ >「はっはっは、若いの。なかなかの腕だな。」 >家の外ではガウリイとベルベインが剣を打ち合っていた。 初対面でああいう事をやってましたから、やるんじゃないかと思ってましたが、 やっぱりやってましたね。 >フィルアガリナを運んでいったあと、ベルベインがガウリイとひとつ手合わせを頼んだためだった。 >(なんてジイさんだ。オレの本気の一撃を軽く捌くなんて!) >ガウリイの額に一筋の汗が伝う。 >対するベルベインは楽しそうに笑いながら、片手に剣を持って無形の位に構えている。 ベルベインさん、本気で楽しそうですね。(汗) >「剣撃の重さ、キレ。どれも申し分ない。はは、若い頃を思い出すな。」 ・・・・・・一体、若い頃なにしてたんですか? >スッとベルベインの手が動いた。 >咄嗟に守りの態勢にはいるのとすれ違いに、大上段からの一撃が降ってきた。 >おそらく恐るべき野生のカンがなければ、からだの右と左がすっぽり分かれていたことだろう。 リナさんと結婚したら、毎日相手させられそうですね。(笑) しかも、祖父、義母、義父、義姉が日替わりで。(爆笑) >距離をとり、また正眼に構えるガウリイ。 >そこへ―― >「・・・・・・・客だな。」 >ベルベインがボツリと呟き、 >「こそこそ隠れてないで出てきたらどうだ?それとも物陰から様子を窺うことしかできない腰抜けか?」 リナさんの血のルーツを感じる一言です。 >ベルベインのその言葉に、突如一人の男が現れた。 >「ゼロスじゃないか。」 >獣神官ゼロスがそこにいた。 >「やれやれ。何者ですか?ガウリイさん並にカンが鋭いなんて。」 いや、それ以上ですね。 まがりなりにも、あの二人の子孫ですから(笑) >「お前などに名乗る名はないよ。」 >そう言い、ベルベインはゼロスのほうに向いた。 >「お前たちの目的はリナだろう?あの子の中に魔王の欠片があることに気づいたか。」 >「おやおや、知っておいでですか?ますます何者ですか?」 >「リナのジイさんだ。」 >ガウリイの一言にゼロスが驚愕に目を見開く。 調査不足ですね。 >「な、なるほど・・・・なら納得ですね。」 >リナの身内という事実に衝撃を受けたのか、ゼロスはやや体をよろめかした。 >「どーゆー意味だ、そりゃ。」 読んで字のごとく、聞いて言葉のごとくといった所でしょうか(笑) リナさんが、聞いていたらスリッパが飛んできますが・・・・・・。 >************************************* > >あんまり話がすすんでない・・・・・・ >次からはいよいよ魔族VSインバース家でしょうかね。 そうですか。(嬉) 楽しみです。 しかし、勝負になるんですか?(笑) なんか、小一時間くらいで終わりそうなんですけど、インバース家側の勝利で(笑) >それでは読んでくださった皆さん。 >ありがとうございました。 一雨ごとに寒さが増していきますので、体調にはお気をつけて。 続きを楽しみにしています。 ではまた。 |
22636 | Re:ご無沙汰なので、こっそりと・・・ | 棒太郎 | 2002/10/10 19:35:15 |
記事番号22611へのコメント こんにちわ、Keyさん。 感想ありがとうございます。 >毎回楽しみに読んでいますので、遠慮なくどんどん大きくしてください。(笑) そう言ってもらえると幸いです。 多分これからもとんでもない展開になっていくかもしれませんから・・・・・ さすがドクトル。 >一冊だけで国が二つ三つ買えるような本ばかり・・・・・・。 >でも、ドクトルなら『ネクロノミコン』じゃなくて『アル・アジフ』の方を持っているかと思ってたのですが(笑) >ちなみに、道具の方ですが、『アルハザードのランプ』とか『銀の鍵』とか置いてたりしません?(笑) おお!『アル・アジフ』とは気がつきませんでした。 『ネクロノミコン』の名のほうが有名ですからね。 道具の方も・・・・・色々もってるんじゃないでしょうか?なんたってドクトルですから。 >>あんまり話がすすんでない・・・・・・ >>次からはいよいよ魔族VSインバース家でしょうかね。 > >そうですか。(嬉) >楽しみです。 >しかし、勝負になるんですか?(笑) >なんか、小一時間くらいで終わりそうなんですけど、インバース家側の勝利で(笑) なんかわたしもそんな気がします(笑) >一雨ごとに寒さが増していきますので、体調にはお気をつけて。 >続きを楽しみにしています。 >ではまた。 ありがとうございます。 これからもよろしくお願いします。 |
22774 | 彼方の血脈 其の7 | 棒太郎 | 2002/10/14 00:48:45 |
記事番号22552へのコメント こんにちわ、棒太郎です。 なかなか話が進みませんが、とりあえず第7話です。 今回も無茶苦茶です。 それではどうぞ。 ************************************* 『彼方の血脈』 其の7 辺りは緊迫した空気に包まれていた。 にこにこと笑いながら油断無く構える獣神官ゼロスと、不敵な笑みを浮かべ無形の位に構えるベルベインが対峙していた。 少し離れてガウリイがそれを見ていた。 「ほう、俺とやる気か?身の程知らずが。」 ベルベインは手にした刀の刃を返す。 「いえいえ、僕はそんな野蛮なことは好きじゃありません。」 ゼロスは笑って答えた。 ベルベインもくっくっくと笑っていた。 と、その時―― バシュッ ベルベインに向かって空間から黒い錐が現れ、ベルベインを貫いた。 ゼロスの顔に先程とは打って変わって邪悪な笑みが浮かぶ。 が、しかし― 「タイミングを外しておいて、不意をついて機先を制す。」 見るとベルベインは黒い錐を突き出した刀の先で受け止めていた。 「遅れたケンカの仕方をしてるな。魔族はよ。」 ベルベインがニッと笑ったとみるや、ヒュッと空気を切り裂く音が聞こえた。 「グアッ!」 それと同時にゼロスが声をあげた。 ゼロスの右の肩口から腰にかけて大きく斬られていた。 「くく、神に遭えば神を斬り、魔に遭えば魔を斬る。それがインバースの剣よ。」 ベルベインが八双に刀を構えた。 「くっ、流石はリナさんの身内というわけですか・・・・・」 いまだ驚愕の色を張りつけながら、それでも構えるゼロス。 それを見て、ベルベインが動こうとしたとき、 「ゼロス、もういい。下がれ。」 そう声がしたかと思うと二人の間に一人の女性が姿を現した。 「じゅ、獣王様・・・・・・」 「獣王だと?」 そこには赤眼の魔王の腹心の一人、獣王ゼラス=メタリオムがいた。 「ゼロス・・・・・私から彼らに話をしよう・・・」 ゼラスが呟く。 「獣王ゼラス=メタリオムか・・・・・・」 そう呟くベルベインは、先程までとは違い、恐ろしいほどの殺気を放ち凄まじい眼光を飛ばしていた。 ゼラスはそれを哀しげな表情で見ていた。 「ふん、よくものこのこと姿を現せたものだな。俺たちがお前を許したとでも思っているのか?」 背筋の凍りそうな冷えた声が響く。 そして刀の切っ先をゼラスに突きつけた。 「いい気なものだな。この裏切り者が。」 「リナ、しっかりやっているかしら?」 お茶を一口啜りながらファルネーゼが呟いた。 「大丈夫よ、義姉さん。フィルアの子なんだし。」 セリシアがアハハと笑い飛ばす。 「でも想い人が側にいたほうがいいかもね。」 「そうですね。」 そのとき、ふと何かに感づいたようにファルネーゼが遠くに視線をやった。 「セリシアさん。ちょっと出てきますわ。」 「義姉さん、いいの?私がいこうか?」 「ありがとう、セリシアさん。でも大丈夫ですよ。」 それでは―と言い、ファルネーゼの姿が消えた。 ファルネーゼが姿を現した先には異様ともいえる光景があった。 まるで空を埋め尽くさんばかりの数の黄金竜が向かってきていた。 やがて黄金竜がファルネーゼに気がついた。 「それほど大勢でどちらにいかれるのですか?」 ファルネーゼがにこやかに問い掛ける。 黄金竜は何も聞こえなかったように無視する。 「リナ=インバース抹殺には向かわせませんよ。」 その一言に黄金竜が足をとめる。 「何故それを知っている?」 だがその問いにファルネーゼは答えず、 「ふふ、あの方も相変わらず、か・・・・・・」 そう呟き、フッと右手を振るった。 空を切る音ともにその右手に一本の槍が現れた。 「かかってきなさい、坊やたち。」 ヒュオォォッと風が大地を吹きぬけた。 吹きぬけたさきには、黄金竜の屍の山7が累々と積み重なっていた。 そしてその中央には、槍をもった一人の女性が立っていた。 「ぐ・・・・お・・お・・・・ま、まさか・・・その竜槍は・・・・・・」 まだ息のある黄金竜が呟いた。 「か・・火竜王様配下の黄金竜にして・・竜族最強といわれた最強の戦士・・・・ファルネーゼ=グレス=ディルバーン・・・っ!!?」 そう言うや、ファルネーゼの槍が黄金竜を貫いた。 「その名は捨てたわ。」 槍を振り払い、一瞥をくれるファルネーゼ。 「今の私はベルベイン=インバースの妻、ファルネーゼ=インバースよ。」 ************************************* どんどんとインバース家が人外のものになってきますね。 それに次々と明かされる衝撃の事実。 皆さん、見捨てないで下さい・・・・・・・ もうすぐまた、邪神たちもでてくると思います。 それでは。 |
22788 | 竜騎士さんのとご登場ですね | 猫楽者 E-mail | 2002/10/14 13:05:58 |
記事番号22774へのコメント こんにちは、棒太郎さん。 お元気ですか、猫楽者です。 続きを、とても楽しみにお待ちしておりました。 >「ほう、俺とやる気か?身の程知らずが。」 >ベルベインは手にした刀の刃を返す。 >「いえいえ、僕はそんな野蛮なことは好きじゃありません。」 >ゼロスは笑って答えた。 >ベルベインもくっくっくと笑っていた。 ベルベインさんとゼロスさんが、本気で戦ったりしたら・・・・・この辺りの地形が変わるほどの 被害が・・・・出でしまうのでは(汗) >と、その時―― >バシュッ >ベルベインに向かって空間から黒い錐が現れ、ベルベインを貫いた。 >ゼロスの顔に先程とは打って変わって邪悪な笑みが浮かぶ。 ゼロスさんの十八番、アストラル・サイドからの攻撃ですね。 邪悪な笑みを浮かべたゼロスさんは、まさに魔族という感じですね。 >が、しかし― >「タイミングを外しておいて、不意をついて機先を制す。」 >見るとベルベインは黒い錐を突き出した刀の先で受け止めていた。 ベルベインさん、アストラル・サイドからの黒い錐の攻撃をあっさりと防ぐとは、やりますね。 ゼロスさんも、まさか余裕で防御されるとは、夢にも思っていなかったのでしょうね。 >「遅れたケンカの仕方をしてるな。魔族はよ。」 >ベルベインがニッと笑ったとみるや、ヒュッと空気を切り裂く音が聞こえた。 >「グアッ!」 >それと同時にゼロスが声をあげた。 >ゼロスの右の肩口から腰にかけて大きく斬られていた。 >「くく、神に遭えば神を斬り、魔に遭えば魔を斬る。それがインバースの剣よ。」 >ベルベインが八双に刀を構えた。 >「くっ、流石はリナさんの身内というわけですか・・・・・」 >いまだ驚愕の色を張りつけながら、それでも構えるゼロス。 ベルベインさんの『インバースの剣』、獣神官を圧倒しています。 ゼロスさん、ピンチです。やはり、リナさんのご家族には関り合わない方が良かったのでは。 >「ゼロス・・・・・私から彼らに話をしよう・・・」 >ゼラスが呟く。 >「獣王ゼラス=メタリオムか・・・・・・」 >そう呟くベルベインは、先程までとは違い、恐ろしいほどの殺気を放ち凄まじい眼光を飛ばしていた。 >ゼラスはそれを哀しげな表情で見ていた。 >「ふん、よくものこのこと姿を現せたものだな。俺たちがお前を許したとでも思っているのか?」 >背筋の凍りそうな冷えた声が響く。 >そして刀の切っ先をゼラスに突きつけた。 >「いい気なものだな。この裏切り者が。」 ベルベインさんを悲しげに見つめる獣王様・・・・・そして『裏切り者』とは・・・・・・・。 お二人、そして獣王様とインバース家の間に、どんな過去があったのでしょうか。 >「リナ、しっかりやっているかしら?」 >お茶を一口啜りながらファルネーゼが呟いた。 >「大丈夫よ、義姉さん。フィルアの子なんだし。」 >セリシアがアハハと笑い飛ばす。 >「でも想い人が側にいたほうがいいかもね。」 >「そうですね。」 『継承の儀』を受けているリナさん以外の方は、もうすっかりガウリイさんのことを認めているのですね。 ガウリイさん、良かったですね。 >ヒュオォォッと風が大地を吹きぬけた。 >吹きぬけたさきには、黄金竜の屍の山7が累々と積み重なっていた。 >そしてその中央には、槍をもった一人の女性が立っていた。 >「ぐ・・・・お・・お・・・・ま、まさか・・・その竜槍は・・・・・・」 >まだ息のある黄金竜が呟いた。 >「か・・火竜王様配下の黄金竜にして・・竜族最強といわれた最強の戦士・・・・ファルネーゼ=グレス=ディルバーン・・・っ!!?」 >そう言うや、ファルネーゼの槍が黄金竜を貫いた。 >「その名は捨てたわ。」 >槍を振り払い、一瞥をくれるファルネーゼ。 >「今の私はベルベイン=インバースの妻、ファルネーゼ=インバースよ。」 黄金竜の方々・・・・・仕えた相手の無謀な計画の犠牲になってしまったのですね。 流石は、ベルベインの奥様ですね。 それにしても黄金竜の方だったとは、驚きました。 しかも、仕えていたのは・・・あの火竜王さんですか・・・・暴走上司の下を離れたのにも複雑な事情があったのでしょうね。 竜騎士の称号を持っていそうな強いお力の持ち主の方ですね。 >どんどんとインバース家が人外のものになってきますね。 >それに次々と明かされる衝撃の事実。 >皆さん、見捨てないで下さい・・・・・・・ あのリナさんのご家族ですから、まさに『人外』と納得してしまいました。 毎回、すごいなあと驚いております。 とても面白かったです。 >もうすぐまた、邪神たちもでてくると思います。 >それでは。 今度は、どの『邪神』の方が登場するのか、とても楽しみです。 続きを楽しみにお待ちしております。 日一日と朝夕の冷え込みが厳しくなって参りますが お体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
22809 | 彼女もただの嫁ではなかった(笑) | 棒太郎 | 2002/10/14 21:21:51 |
記事番号22788へのコメント こんにちわ、猫楽者さん。 感想どうもありがとうございます。 >>「ほう、俺とやる気か?身の程知らずが。」 >>ベルベインは手にした刀の刃を返す。 >>「いえいえ、僕はそんな野蛮なことは好きじゃありません。」 >>ゼロスは笑って答えた。 >>ベルベインもくっくっくと笑っていた。 > >ベルベインさんとゼロスさんが、本気で戦ったりしたら・・・・・この辺りの地形が変わるほどの >被害が・・・・出でしまうのでは(汗) はは、そうかも。でもフィルアさんが結界をはってるでしょう。 >>が、しかし― >>「タイミングを外しておいて、不意をついて機先を制す。」 >>見るとベルベインは黒い錐を突き出した刀の先で受け止めていた。 > >ベルベインさん、アストラル・サイドからの黒い錐の攻撃をあっさりと防ぐとは、やりますね。 >ゼロスさんも、まさか余裕で防御されるとは、夢にも思っていなかったのでしょうね。 >ベルベインさんの『インバースの剣』、獣神官を圧倒しています。 >ゼロスさん、ピンチです。やはり、リナさんのご家族には関り合わない方が良かったのでは。 > それが彼の才能というか運命というか貧乏くじというか・・・・・・・ やっぱりろくなことありませんね。 >>背筋の凍りそうな冷えた声が響く。 >>そして刀の切っ先をゼラスに突きつけた。 >>「いい気なものだな。この裏切り者が。」 > >ベルベインさんを悲しげに見つめる獣王様・・・・・そして『裏切り者』とは・・・・・・・。 >お二人、そして獣王様とインバース家の間に、どんな過去があったのでしょうか。 > 次でだいたい明かされます。 お楽しみに。 >>「か・・火竜王様配下の黄金竜にして・・竜族最強といわれた最強の戦士・・・・ファルネーゼ=グレス=ディルバーン・・・っ!!?」 >>そう言うや、ファルネーゼの槍が黄金竜を貫いた。 >>「その名は捨てたわ。」 >>槍を振り払い、一瞥をくれるファルネーゼ。 >>「今の私はベルベイン=インバースの妻、ファルネーゼ=インバースよ。」 > >黄金竜の方々・・・・・仕えた相手の無謀な計画の犠牲になってしまったのですね。 > >流石は、ベルベインの奥様ですね。 >それにしても黄金竜の方だったとは、驚きました。 >しかも、仕えていたのは・・・あの火竜王さんですか・・・・暴走上司の下を離れたのにも複雑な事情があったのでしょうね。 > >竜騎士の称号を持っていそうな強いお力の持ち主の方ですね。 なはは。我ながら無茶苦茶だなぁと思った次第であります。 いろいろあったんだと思いますよ。あんな上司ですから。 ギャグがつまんないとか(待て) > >>どんどんとインバース家が人外のものになってきますね。 >>それに次々と明かされる衝撃の事実。 >>皆さん、見捨てないで下さい・・・・・・・ > >あのリナさんのご家族ですから、まさに『人外』と納得してしまいました。 > >毎回、すごいなあと驚いております。 >とても面白かったです。 いやはや、なんとももったいないお言葉です。 > >>もうすぐまた、邪神たちもでてくると思います。 >>それでは。 > >今度は、どの『邪神』の方が登場するのか、とても楽しみです。 > >続きを楽しみにお待ちしております。 > >日一日と朝夕の冷え込みが厳しくなって参りますが >お体にお気を付けて、お元気で。 > >では、失礼します。 > ありがとうございます。 これからも頑張ります。 |
22794 | 続きがでてるぅ〜〜vv | Key | 2002/10/14 15:16:20 |
記事番号22774へのコメント 棒太郎さん、こんにちわ。 こりもせずに感想を書きにきました。 Keyでございます。 >辺りは緊迫した空気に包まれていた。 >にこにこと笑いながら油断無く構える獣神官ゼロスと、不敵な笑みを浮かべ無形の位に構えるベルベインが対峙していた。 >少し離れてガウリイがそれを見ていた。 >「ほう、俺とやる気か?身の程知らずが。」 >ベルベインは手にした刀の刃を返す。 >「いえいえ、僕はそんな野蛮なことは好きじゃありません。」 >ゼロスは笑って答えた。 >ベルベインもくっくっくと笑っていた。 子供が見たら、泣き出しそうなくらい殺伐とした情景ですね。 >と、その時―― >バシュッ >ベルベインに向かって空間から黒い錐が現れ、ベルベインを貫いた。 >ゼロスの顔に先程とは打って変わって邪悪な笑みが浮かぶ。 >が、しかし― >「タイミングを外しておいて、不意をついて機先を制す。」 >見るとベルベインは黒い錐を突き出した刀の先で受け止めていた。 >「遅れたケンカの仕方をしてるな。魔族はよ。」 >ベルベインがニッと笑ったとみるや、ヒュッと空気を切り裂く音が聞こえた。 >「グアッ!」 >それと同時にゼロスが声をあげた。 >ゼロスの右の肩口から腰にかけて大きく斬られていた。 >「くく、神に遭えば神を斬り、魔に遭えば魔を斬る。それがインバースの剣よ。」 >ベルベインが八双に刀を構えた。 『獣神官』が子ども扱い・・・・・・。 さすがは、リアさんの子孫ですね。(笑) >「ゼロス、もういい。下がれ。」 >そう声がしたかと思うと二人の間に一人の女性が姿を現した。 >「じゅ、獣王様・・・・・・」 >「獣王だと?」 >そこには赤眼の魔王の腹心の一人、獣王ゼラス=メタリオムがいた。 えっ、いきなり獣王登場ですか? >「ゼロス・・・・・私から彼らに話をしよう・・・」 >ゼラスが呟く。 >「獣王ゼラス=メタリオムか・・・・・・」 >そう呟くベルベインは、先程までとは違い、恐ろしいほどの殺気を放ち凄まじい眼光を飛ばしていた。 >ゼラスはそれを哀しげな表情で見ていた。 >「ふん、よくものこのこと姿を現せたものだな。俺たちがお前を許したとでも思っているのか?」 >背筋の凍りそうな冷えた声が響く。 >そして刀の切っ先をゼラスに突きつけた。 >「いい気なものだな。この裏切り者が。」 獣王とベルベインさん。 一体過去にどんな因縁があったのでしょう。 まさか、恋の鞘当とか。(笑) >「リナ、しっかりやっているかしら?」 >お茶を一口啜りながらファルネーゼが呟いた。 >「大丈夫よ、義姉さん。フィルアの子なんだし。」 >セリシアがアハハと笑い飛ばす。 >「でも想い人が側にいたほうがいいかもね。」 >「そうですね。」 孫が試練の真っ最中で、旦那と婿(予定)が高位魔族と交戦中なのに随分とほのぼのした会話を繰り広げてますね。 このくらいで騒がないのがインバース家の家風なのでしょうか? >ファルネーゼが姿を現した先には異様ともいえる光景があった。 >まるで空を埋め尽くさんばかりの数の黄金竜が向かってきていた。 火竜王の軍勢ですか? プライドがないのか、なりふり構ってませんね。 >ヒュオォォッと風が大地を吹きぬけた。 >吹きぬけたさきには、黄金竜の屍の山7が累々と積み重なっていた。 >そしてその中央には、槍をもった一人の女性が立っていた。 お、お強いんですね。ファルネーゼさん(汗) さすが、インバース家の嫁といったところですか。(笑) >「ぐ・・・・お・・お・・・・ま、まさか・・・その竜槍は・・・・・・」 >まだ息のある黄金竜が呟いた。 >「か・・火竜王様配下の黄金竜にして・・竜族最強といわれた最強の戦士・・・・ファルネーゼ=グレス=ディルバーン・・・っ!!?」 >そう言うや、ファルネーゼの槍が黄金竜を貫いた。 >「その名は捨てたわ。」 >槍を振り払い、一瞥をくれるファルネーゼ。 >「今の私はベルベイン=インバースの妻、ファルネーゼ=インバースよ。」 火竜王配下の竜族? フィリアさん以前に火竜王に見切りをつけた方がいらっしゃったのですね。 それよりもベルベインさんとファルネーゼさんの馴れ初めが知りたいですね。 もしかして、三日三晩戦って嫁取りしたとか?(笑) >どんどんとインバース家が人外のものになってきますね。 ドクトルが婿入りした時点で、既に人外のような気が・・・・・・。 >それに次々と明かされる衝撃の事実。 >皆さん、見捨てないで下さい・・・・・・・ 大丈夫です。 見捨てたりなんてしません。(断言) 見失わないように、紐つけときたぐらいです。(笑) >もうすぐまた、邪神たちもでてくると思います。 >それでは。 邪神たちがどういう活躍をしてくれるか楽しみです。 次の話にもまた感想を書きに来ます。 ではまた。 |
22810 | うれしいです | 棒太郎 | 2002/10/14 21:31:30 |
記事番号22794へのコメント >棒太郎さん、こんにちわ。 >こりもせずに感想を書きにきました。 >Keyでございます。 > こんにちわ、Keyさん。 どうもありがとうございます。 >>「獣王ゼラス=メタリオムか・・・・・・」 >>そう呟くベルベインは、先程までとは違い、恐ろしいほどの殺気を放ち凄まじい眼光を飛ばしていた。 >>ゼラスはそれを哀しげな表情で見ていた。 >>「ふん、よくものこのこと姿を現せたものだな。俺たちがお前を許したとでも思っているのか?」 >>背筋の凍りそうな冷えた声が響く。 >>そして刀の切っ先をゼラスに突きつけた。 >>「いい気なものだな。この裏切り者が。」 > >獣王とベルベインさん。 >一体過去にどんな因縁があったのでしょう。 >まさか、恋の鞘当とか。(笑) > 次で明らかになります。 インバース家と獣王の因縁。 これで余計本編がすすまなくなったりして・・・・ >>「リナ、しっかりやっているかしら?」 >>お茶を一口啜りながらファルネーゼが呟いた。 >>「大丈夫よ、義姉さん。フィルアの子なんだし。」 >>セリシアがアハハと笑い飛ばす。 >>「でも想い人が側にいたほうがいいかもね。」 >>「そうですね。」 > >孫が試練の真っ最中で、旦那と婿(予定)が高位魔族と交戦中なのに随分とほのぼのした会話を繰り広げてますね。 >このくらいで騒がないのがインバース家の家風なのでしょうか? > 何があっても動じない胆の座った人たちですから(笑) > >>ヒュオォォッと風が大地を吹きぬけた。 >>吹きぬけたさきには、黄金竜の屍の山7が累々と積み重なっていた。 >>そしてその中央には、槍をもった一人の女性が立っていた。 > >お、お強いんですね。ファルネーゼさん(汗) >さすが、インバース家の嫁といったところですか。(笑) > なはは、やっぱりインバース家の嫁ですから。 >>「ぐ・・・・お・・お・・・・ま、まさか・・・その竜槍は・・・・・・」 >>まだ息のある黄金竜が呟いた。 >>「か・・火竜王様配下の黄金竜にして・・竜族最強といわれた最強の戦士・・・・ファルネーゼ=グレス=ディルバーン・・・っ!!?」 >>そう言うや、ファルネーゼの槍が黄金竜を貫いた。 >>「その名は捨てたわ。」 >>槍を振り払い、一瞥をくれるファルネーゼ。 >>「今の私はベルベイン=インバースの妻、ファルネーゼ=インバースよ。」 > >火竜王配下の竜族? >フィリアさん以前に火竜王に見切りをつけた方がいらっしゃったのですね。 >それよりもベルベインさんとファルネーゼさんの馴れ初めが知りたいですね。 >もしかして、三日三晩戦って嫁取りしたとか?(笑) > 二人の馴れ初め・・・・・・ 似たようなもんですかね(笑) >>どんどんとインバース家が人外のものになってきますね。 > >ドクトルが婿入りした時点で、既に人外のような気が・・・・・・。 > 言われてみればそうかも(笑) >> それに次々と明かされる衝撃の事実。 >>皆さん、見捨てないで下さい・・・・・・・ > >大丈夫です。 >見捨てたりなんてしません。(断言) >見失わないように、紐つけときたぐらいです。(笑) > ありがとうございますぅ。 感謝感激雨あられです。 >>もうすぐまた、邪神たちもでてくると思います。 >>それでは。 > >邪神たちがどういう活躍をしてくれるか楽しみです。 >次の話にもまた感想を書きに来ます。 >ではまた。 > もう、こんな駄文になんというありがたいお言葉。 頑張って書いていきます。 |
22822 | 彼方の血脈 其の8 | 棒太郎 | 2002/10/16 12:20:06 |
記事番号22552へのコメント こんにちわ、棒太郎です。 いつもこの駄文を読んでくださっている皆様、ありがとうございます。 予定以上に話が広がってきましたが、お付き合いください。 それでは其の8をどうぞ ************************************* 『彼方の血脈』 其の8 リナは白く染まった虚空のようなところを彷徨っていた。 気を緩めると自分の体がその中へ溶けていってしまいそうだった。 「意外としぶといわねぇ、あんた。」 その声に目をやると、そこにもう一人の自分が立っていた。 ただし、その瞳は紅く輝き、全身からは瘴気が発せられていた。 「大人しく身を任せれば楽になれるのに。」 紅い瞳の自分がニヤリと笑う。 「あたしはあたしよ。あんたの好きにはさせないわ。」 「わたしもあんたなのよ。」 それを忘れないで――と笑った。 「さあ、大人しく力の前にその身を委ねなさい。それはとても快感なことよ。」 「だ、だれが――」 「この力があれば、何もかもが自分の思い通りよ。望むままに生殺与奪を握れるわ。すべては自分の思うまま。」 人を闇の道へ誘う悪魔のように、リナに囁きかける。 「いやよ!そんな神を気取るようなことのために修行したんじゃないわ!」 「それは偽善に過ぎないわ。人はみな、己の欲望のままに動くものよ。」 「たとえそうだとしても、あたしは力に溺れたりはしない!”自らの力に溺れた者は自らの身を滅ぼす”、それが小さい頃から教え込まれたインバ−ス家の訓えよ!」 キッと強い意志を宿した瞳でもう一人の自分を見据える。 しばらくそれを見つめていたもう一人のリナはやがて小さく笑い出した。 「うふふ、力や技以外の訓え、正しく身に付けているようね・・・・・」 やがて先程は違い、優しい笑みを浮かべた。 「合格よ。あなたは『ファウスト』の名を受け継ぐ資格があるわ。」 そして一筋の光を指し示す。 「さあ、戻りなさい。みんなが待ってるわ。」 リナの体が急速にその光に吸い寄せられていった。 「じゃあね、しっかりやりなさいよ。」 もう一人のリナの姿が別の女性に変わった。 それはあの白昼夢のような光景で見た姿だった。 「あ、あなたは!?」 「それじゃあね、わたしとヨハンの訓え、忘れないでね。」 「いい気なものだな。この裏切り者が。」 ベルベインの氷のような冷たい殺気が辺りを包む。 それに当てられたように木々のざわめきも消え、恐怖に縮まるような沈黙が支配していた。 「裏切り・・・・?獣王様が・・・・・・?」 ゼロスが呆然と呟いた。 獣王は悲しげな瞳でベルベインを見ていた。 「わかっている・・・・・・お前たちが私を憎んでいるのは。だが信じてくれ。私は今でもあの人を愛して――」 「黙れっ!!!!」 ベルベインが吼えた。 「よくもぬけぬけとそんなことが言えたものだな。ふん、ならば何故四代目をその手に掛けた?」 その言葉にゼラスは声を詰まらせた。 「あの〜〜、ジイさん。ちょっといいか?」 緊迫した空気の間をガウリイが入り込んだ。 「なんだ?」 「この女のひとって誰?」 そのときわずかに時が止まった。 ベルベインはビミョ〜〜〜〜〜な顔つきでガウリイを見た。 「・・・・・・・・・・・・・お前さん、本気でそれを言ってるのか?」 「ああ、そうだけど。」 はっきりきっぱり答えるガウリイ。 「あ、あのガウリイさん・・・・・一度お会いしてるはずですけど・・・・・・獣王様と・・・・・・」 「獣王?そうだっけ?」 う〜〜〜〜〜〜〜んと唸っていたがやがてぽんと手を叩いた。 「ああ!あのときの受付係のネエちゃん!」 ガウリイの言葉にゼロスの体がよろめく。 「はっはっはっはっは!」 不意にベルベインの笑い声が響いた。 「面白い男だな、お前さんは。まったくどうなっとるんだその頭は?俺のジイさん――十代目ファウストが生きてたら頭ん中解剖してただろうな。」 はっはっはと笑う。 先程まで支配していた押し潰されそうな緊迫した空気が和らいだ。 「やれやれ気が削がれてしまったな。」 そう言い、ベルベインは刀を鞘に収めた。 「なあ、ジイさん。裏切り者ってどういうことだ?」 ガウリイが訊ねる。さきほどよりはいくらかましな空気の中でベルベインがしばし考え込んだ。 「ふむ、お前さんも知っていたほうがいいな。」 やがて顔をあげると口を開き、そう言った。 「我が先祖、四代目ドクトル・ファウスト、ヨハン=ヴェルミス=インバースは彼奴のために非業の死を遂げたのだ。」 黄金竜の屍の山の中をファルネーゼは何かを待つようにじっと佇んでいた。 「来ましたね。」 ファルネーゼが呟くと、彼女の前に一人の男が姿を現した。 「ファルネーゼ・・・・・生きていたか。」 「お久しぶりですね。火竜王ヴラバザード様。」 ファルネーゼはにこりと笑い、一礼した。 「貴方様自らが赴かれるとはね。」 「ふん・・・腕前は昔のままか。いささかも衰えておらぬようだ。流石は竜族最恐といわれた非情の竜騎士よ・・・」 周りの黄金竜の屍の山を見渡して呟く。 「まさかリナ=インバースがお前の血を引く者だったとはな。だがお前ももともと我らの下にいたのならばわかるであろう?あの人間は危険だ。」 「かつて古代竜を滅ぼしたときもそうおっしゃってましたねぇ。」 「同じことだ。芽は早いうちに摘み取る――」 その言葉が終わらぬうちにファルネーゼの竜槍が閃いた。 「・・・・・ファルネーゼ、貴様我に刃を向けるというのか。」 「ふふ、貴方にはわからないでしょうね。愛するものと共に生きるという歓び、愛する者と共に在るという幸福。かつての私が持ち得なかった大切なもの。それを与えてくれた人たちのためならば、例え神であろうとも私は立ち向かう!」 竜槍を構え、そう叫ぶファルネーゼ。 「愚か者が・・・・・我に刃向かいしことを後悔しながら死ぬがいい!」 静かな沈黙の中、ベルベインの話が木々の間に響いていた。 「四代目は歴代のファウストの中でもただ一人、ヨハンの名を名乗ることを許されたほどの天才だった。恐らく彼に比肩し得る者はフィルアぐらいだろう。その四代目があるとき、一人の女を連れてきた。それがそこにいる獣王ゼラス=メタリオムよ。」 ベルベインが鋭い目つきで睨みつけた。 「四代目と獣王がどのようにして出会ったのかはあまりわからん。なにしろインバース家の屈辱としてそれに関することはすべて処分されたのでな。 そして四代目と獣王は血の盟約を交わし、結ばれた。今となっては忌々しいことだがな。獣王は我が一族の一員となった。」 そこでベルベインはひとつ話を区切った。 「お前さんにはなかなかキツイ話じゃないのか?」 笑いながらゼロスのほうを見た。 ゼロスは顔を青ざめさせ、荒く息をしているがなんとか体を支え立っていた。 「まあ、お前さんが滅びようが俺にはどうでもいいことだがな。」 そしてうつむき沈黙するゼラスを睨みつけ、話を続けた。 「だが所詮は魔族。滅びを推し進める者にともに在ろうという心が分かろうと期待した我らが愚かだったよ。」 再びベルベインの瞳に剣呑な光が宿る。 「違う・・・・私は・・・」 「何が違う?お前は四代目の想いを裏切り、その手に掛けた。そして我らが伝えし秘儀の一部を盗んだ。」 ベルベインが低く重い声で言う。 「四代目の遺言のため、俺たちから手を出すことは出来ん。だが、我ら一族を裏切った罪は重い。それを承知しているのなら俺たちの前に姿を現すな―――って、」 不意にベルベインの言葉が途切れた。 彼の視線はガウリイに向けられていた。 そしてガウリイはお約束通り、 寝ていた。 無言のまま、ベルベインはその頭に裏拳を振り下ろした。 ************************************* 獣王とインバース家の因縁がちょっとは明らかになりました。 四代目がそう簡単に倒されるわけ無いので、彼の死にもなにかありそうですが・・・ さて、これから考えよう(待て) ではここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。 それではまた其の9で。 |
22827 | 感想です♪ | Key | 2002/10/16 21:07:26 |
記事番号22822へのコメント 棒太郎さん、こんばんわ。 また、懲りずに感想を書きに来ましたKeyでございます。 >リナは白く染まった虚空のようなところを彷徨っていた。 >気を緩めると自分の体がその中へ溶けていってしまいそうだった。 >「意外としぶといわねぇ、あんた。」 >その声に目をやると、そこにもう一人の自分が立っていた。 >ただし、その瞳は紅く輝き、全身からは瘴気が発せられていた。 赤瞳の魔王Ver.のリナですか? もう一人の自分と対話してそれと融和する。 かなりきつい試練ですね。 >「それは偽善に過ぎないわ。人はみな、己の欲望のままに動くものよ。」 >「たとえそうだとしても、あたしは力に溺れたりはしない!”自らの力に溺れた者は自らの身を滅ぼす”、それが小さい頃から教え込まれたインバ−ス家の訓えよ!」 >キッと強い意志を宿した瞳でもう一人の自分を見据える。 代々強大な力を伝えてきたインバース家らしい家訓ですね。 昔読んだ本の受け売りですが、”力の陰に禍潜む、力を持つという事は禍もまた持っているのだという事を忘れてはならない”といった事ですが、それを理解しているからこその家訓ですね。 誰かさんに見習って欲しいです。 >しばらくそれを見つめていたもう一人のリナはやがて小さく笑い出した。 >「うふふ、力や技以外の訓え、正しく身に付けているようね・・・・・」 >やがて先程は違い、優しい笑みを浮かべた。 >「合格よ。あなたは『ファウスト』の名を受け継ぐ資格があるわ。」 やった〜〜〜♪(万歳) 合格ですか。よかったですねリナさん。 >もう一人のリナの姿が別の女性に変わった。 >それはあの白昼夢のような光景で見た姿だった。 >「あ、あなたは!?」 >「それじゃあね、わたしとヨハンの訓え、忘れないでね。」 試験官はリアさんだったんですね。 では、ルナさんのところはドクトルですか? >「いい気なものだな。この裏切り者が。」 >ベルベインの氷のような冷たい殺気が辺りを包む。 >それに当てられたように木々のざわめきも消え、恐怖に縮まるような沈黙が支配していた。 リナさんを見ていると、インバース家の人間って激しく人(人じゃないですけど)を憎むような気風じゃないと思うのですが・・・・・・。 獣王は一体なにをやったんでしょうか? >獣王は悲しげな瞳でベルベインを見ていた。 >「わかっている・・・・・・お前たちが私を憎んでいるのは。だが信じてくれ。私は今でもあの人を愛して――」 >「黙れっ!!!!」 >ベルベインが吼えた。 >「よくもぬけぬけとそんなことが言えたものだな。ふん、ならば何故四代目をその手に掛けた?」 >その言葉にゼラスは声を詰まらせた。 愛して? 滅びを望む魔族の最高幹部の一人が人を愛したのですか? しかも、インバース家の『名』を襲名した人間を・・・・・・。 >「あの〜〜、ジイさん。ちょっといいか?」 >緊迫した空気の間をガウリイが入り込んだ。 >「なんだ?」 > >「この女のひとって誰?」 > >そのときわずかに時が止まった。 ・・・・・・・・・・・・・(呼吸困難起こすほど爆笑中) い、い、いうと思ったぁぁぁぁああぁぁ!!! この緊迫した状況下で、ボケられるあなたこそ真の強者! これにリナさんの突っ込みが入れば更に完璧なのですが。 やっぱり、リナさんの相手はガウリイさんしかいないです!! >ベルベインはビミョ〜〜〜〜〜な顔つきでガウリイを見た。 >「・・・・・・・・・・・・・お前さん、本気でそれを言ってるのか?」 >「ああ、そうだけど。」 >はっきりきっぱり答えるガウリイ。 ベルベインさん。 哀しい事に、彼は何時も本気です。(笑) >「あ、あのガウリイさん・・・・・一度お会いしてるはずですけど・・・・・・獣王様と・・・・・・」 ゼロスさん・・・・・・。 何年ガウリイさんと付き合っているんですか? 覚えてないに決まっているじゃないですか〜〜〜。 >「獣王?そうだっけ?」 >う〜〜〜〜〜〜〜んと唸っていたがやがてぽんと手を叩いた。 >「ああ!あのときの受付係のネエちゃん!」 >ガウリイの言葉にゼロスの体がよろめく。 ガウリイさんらしい覚え方です。(笑) >先程まで支配していた押し潰されそうな緊迫した空気が和らいだ。 >「やれやれ気が削がれてしまったな。」 >そう言い、ベルベインは刀を鞘に収めた。 >「なあ、ジイさん。裏切り者ってどういうことだ?」 >ガウリイが訊ねる。さきほどよりはいくらかましな空気の中でベルベインがしばし考え込んだ。 ガウリイさん、もしかしてそれを聞くためにわざとボケて場を和ませました? もしそうなら、底の知れない人ですね。 >「ふむ、お前さんも知っていたほうがいいな。」 >やがて顔をあげると口を開き、そう言った。 >「我が先祖、四代目ドクトル・ファウスト、ヨハン=ヴェルミス=インバースは彼奴のために非業の死を遂げたのだ。」 ドクトルとリアさんの曾孫にあたる方ですか? そんな方と獣王がどんな関係だったのでしょう。 >黄金竜の屍の山の中をファルネーゼは何かを待つようにじっと佇んでいた。 >「来ましたね。」 >ファルネーゼが呟くと、彼女の前に一人の男が姿を現した。 >「ファルネーゼ・・・・・生きていたか。」 >「お久しぶりですね。火竜王ヴラバザード様。」 最近、いろんな所で悪役を張ってらっしゃる方ですね。(笑) >ファルネーゼはにこりと笑い、一礼した。 >「貴方様自らが赴かれるとはね。」 >「ふん・・・腕前は昔のままか。いささかも衰えておらぬようだ。流石は竜族最恐といわれた非情の竜騎士よ・・・」 >周りの黄金竜の屍の山を見渡して呟く。 『最強』ではなく『最恐』ですか? 竜騎士時代は、命令のまま敵を葬ってきたのでしょう。 それをベルベインさんに合って・・・・・・といったところでしょうか? >「まさかリナ=インバースがお前の血を引く者だったとはな。だがお前ももともと我らの下にいたのならばわかるであろう?あの人間は危険だ。」 >「かつて古代竜を滅ぼしたときもそうおっしゃってましたねぇ。」 >「同じことだ。芽は早いうちに摘み取る――」 その考え方がヴァルガーブという哀しい存在を作ったとなぜ気付かないのでしょう・・・・・・。 自分にとって危険なものだから殺すというやり方は、 敵を無限に作り出す危険な方法だとなぜ気付こうとしないのでしょう? >「・・・・・ファルネーゼ、貴様我に刃を向けるというのか。」 >「ふふ、貴方にはわからないでしょうね。愛するものと共に生きるという歓び、愛する者と共に在るという幸福。かつての私が持ち得なかった大切なもの。それを与えてくれた人たちのためならば、例え神であろうとも私は立ち向かう!」 >竜槍を構え、そう叫ぶファルネーゼ。 >「愚か者が・・・・・我に刃向かいしことを後悔しながら死ぬがいい!」 愚か者は、あなたの方でしょう! 信念のある方はけして屈したりしません。後悔もしません。 力があるから、神だからという理由で簡単に命をけすような愚か者に負けるはずはないです。 >静かな沈黙の中、ベルベインの話が木々の間に響いていた。 >「四代目は歴代のファウストの中でもただ一人、ヨハンの名を名乗ることを許されたほどの天才だった。恐らく彼に比肩し得る者はフィルアぐらいだろう。その四代目があるとき、一人の女を連れてきた。それがそこにいる獣王ゼラス=メタリオムよ。」 >ベルベインが鋭い目つきで睨みつけた。 >「四代目と獣王がどのようにして出会ったのかはあまりわからん。なにしろインバース家の屈辱としてそれに関することはすべて処分されたのでな。 > そして四代目と獣王は血の盟約を交わし、結ばれた。今となっては忌々しいことだがな。獣王は我が一族の一員となった。」 >そこでベルベインはひとつ話を区切った。 >「お前さんにはなかなかキツイ話じゃないのか?」 >笑いながらゼロスのほうを見た。 >ゼロスは顔を青ざめさせ、荒く息をしているがなんとか体を支え立っていた。 >「まあ、お前さんが滅びようが俺にはどうでもいいことだがな。」 >そしてうつむき沈黙するゼラスを睨みつけ、話を続けた。 >「だが所詮は魔族。滅びを推し進める者にともに在ろうという心が分かろうと期待した我らが愚かだったよ。」 >再びベルベインの瞳に剣呑な光が宿る。 >「違う・・・・私は・・・」 >「何が違う?お前は四代目の想いを裏切り、その手に掛けた。そして我らが伝えし秘儀の一部を盗んだ。」 四代目の悲恋ですか・・・・・・。 しかし、いくら魔王の腹心であっても邪神とすら渡り合ったあのドクトルの子孫がそうそう遅れをとるとは思えないのですが・・・・・・。 なにやら、冥王の影がちらほらと見え隠れしていそうですね。 >ベルベインが低く重い声で言う。 >「四代目の遺言のため、俺たちから手を出すことは出来ん。だが、我ら一族を裏切った罪は重い。それを承知しているのなら俺たちの前に姿を現すな―――って、」 それでも、愛していたのですね四代目は・・・・・・。 子孫にそんな遺言を残すほどに・・・・・・。 冥王の計画にリナさんの名前が出た時、獣王はどんなお気持ちだったのでしょう? ルーク=シャブラニグドゥのとき実際にリナさんにあった時、四代目の事を思い出していたのでしょうか? >不意にベルベインの言葉が途切れた。 >彼の視線はガウリイに向けられていた。 >そしてガウリイはお約束通り、 >寝ていた。 >無言のまま、ベルベインはその頭に裏拳を振り下ろした。 ・・・・・・・どシリアスなこの状況で寝てられるあなたが素敵です。ガウリイさん。 でも、お願いですからちゃんと聞いていてください。(涙) 絶っっっ対、リナさんに関係する話のはずですから! >************************************* > >獣王とインバース家の因縁がちょっとは明らかになりました。 >四代目がそう簡単に倒されるわけ無いので、彼の死にもなにかありそうですが・・・ >さて、これから考えよう(待て) とっても楽しみです。(笑) でも、愛しているといった獣王の気持ちは本物ですよね? さて、試練を無事終わらせたリナさんは次ぐらいに登場ですか? 火竜王と対峙中のファルネーゼさんの勝負の行方は? ベルベインさんの話の続きは! どう答えるか、獣王! 話についてこられるのか、ガウリイさん!(笑) それよりも無事かゼロスさん! いまだ出番待ちの邪神たちはどうなるのか? エル様のちょっかいは? と楽しみな事がたくさんで、続きがとても待ちどうしいです。 朝夕の冷え込みが厳しくなってきましたが、お体にはお気をつけて ではまた。 |
22854 | ありがとうございます | 棒太郎 | 2002/10/17 23:45:14 |
記事番号22827へのコメント >棒太郎さん、こんばんわ。 >また、懲りずに感想を書きに来ましたKeyでございます。 > ありがとうございます。 もうただただ感謝するばかりです。 >>「それは偽善に過ぎないわ。人はみな、己の欲望のままに動くものよ。」 >>「たとえそうだとしても、あたしは力に溺れたりはしない!”自らの力に溺れた者は自らの身を滅ぼす”、それが小さい頃から教え込まれたインバ−ス家の訓えよ!」 >>キッと強い意志を宿した瞳でもう一人の自分を見据える。 > >代々強大な力を伝えてきたインバース家らしい家訓ですね。 >昔読んだ本の受け売りですが、”力の陰に禍潜む、力を持つという事は禍もまた持っているのだという事を忘れてはならない”といった事ですが、それを理解しているからこその家訓ですね。 >誰かさんに見習って欲しいです。 やっぱりどんなにせよ力というのは諸刃の剣ですからね。 >> >>「この女のひとって誰?」 >> >>そのときわずかに時が止まった。 > >・・・・・・・・・・・・・(呼吸困難起こすほど爆笑中) >い、い、いうと思ったぁぁぁぁああぁぁ!!! >この緊迫した状況下で、ボケられるあなたこそ真の強者! >これにリナさんの突っ込みが入れば更に完璧なのですが。 >やっぱり、リナさんの相手はガウリイさんしかいないです!! > やっぱりガウリイさんはこうであってこそ、でしょう。 >>先程まで支配していた押し潰されそうな緊迫した空気が和らいだ。 >>「やれやれ気が削がれてしまったな。」 >>そう言い、ベルベインは刀を鞘に収めた。 >>「なあ、ジイさん。裏切り者ってどういうことだ?」 >>ガウリイが訊ねる。さきほどよりはいくらかましな空気の中でベルベインがしばし考え込んだ。 > >ガウリイさん、もしかしてそれを聞くためにわざとボケて場を和ませました? >もしそうなら、底の知れない人ですね。 > もしかしたら無意識下でやったのかもしれませんね。 まあ、インバース家に認められた人ですから。 >>黄金竜の屍の山の中をファルネーゼは何かを待つようにじっと佇んでいた。 >>「来ましたね。」 >>ファルネーゼが呟くと、彼女の前に一人の男が姿を現した。 >>「ファルネーゼ・・・・・生きていたか。」 >>「お久しぶりですね。火竜王ヴラバザード様。」 > >最近、いろんな所で悪役を張ってらっしゃる方ですね。(笑) > 出演多数で大忙しな方です(笑) >>「・・・・・ファルネーゼ、貴様我に刃を向けるというのか。」 >>「ふふ、貴方にはわからないでしょうね。愛するものと共に生きるという歓び、愛する者と共に在るという幸福。かつての私が持ち得なかった大切なもの。それを与えてくれた人たちのためならば、例え神であろうとも私は立ち向かう!」 >>竜槍を構え、そう叫ぶファルネーゼ。 >>「愚か者が・・・・・我に刃向かいしことを後悔しながら死ぬがいい!」 > >愚か者は、あなたの方でしょう! >信念のある方はけして屈したりしません。後悔もしません。 >力があるから、神だからという理由で簡単に命をけすような愚か者に負けるはずはないです。 > 大切なもの、愛する者を護ろうとする人はとても強い心をもっていますからね。 >それでも、愛していたのですね四代目は・・・・・・。 >子孫にそんな遺言を残すほどに・・・・・・。 >冥王の計画にリナさんの名前が出た時、獣王はどんなお気持ちだったのでしょう? >ルーク=シャブラニグドゥのとき実際にリナさんにあった時、四代目の事を思い出していたのでしょうか? > だからこそ護衛としてゼロスをリナのもとへ行かせたのでしょう。もっともゼロスは知りませんが。 >>不意にベルベインの言葉が途切れた。 >>彼の視線はガウリイに向けられていた。 >>そしてガウリイはお約束通り、 >>寝ていた。 >>無言のまま、ベルベインはその頭に裏拳を振り下ろした。 > >・・・・・・・どシリアスなこの状況で寝てられるあなたが素敵です。ガウリイさん。 >でも、お願いですからちゃんと聞いていてください。(涙) >絶っっっ対、リナさんに関係する話のはずですから! > やはりこれもガウリイたるゆえ・・・・・・・ >>************************************* >> >>獣王とインバース家の因縁がちょっとは明らかになりました。 >>四代目がそう簡単に倒されるわけ無いので、彼の死にもなにかありそうですが・・・ >>さて、これから考えよう(待て) > >とっても楽しみです。(笑) >でも、愛しているといった獣王の気持ちは本物ですよね? > >さて、試練を無事終わらせたリナさんは次ぐらいに登場ですか? >火竜王と対峙中のファルネーゼさんの勝負の行方は? >ベルベインさんの話の続きは! >どう答えるか、獣王! >話についてこられるのか、ガウリイさん!(笑) >それよりも無事かゼロスさん! >いまだ出番待ちの邪神たちはどうなるのか? >エル様のちょっかいは? >と楽しみな事がたくさんで、続きがとても待ちどうしいです。 > >朝夕の冷え込みが厳しくなってきましたが、お体にはお気をつけて >ではまた。 感想をどうもありがとうございます。 もういろいろとごちゃごちゃしてきましたが、これからもよろしくお願いします。 それでは。 |
22853 | あああああ、続きが | 猫楽者 | 2002/10/17 23:32:47 |
記事番号22822へのコメント >こんにちわ、棒太郎です。 こんにちは、棒太郎さん。 お元気ですか、猫楽者です。 続きを楽しみにお待ちしておりました。 >「この力があれば、何もかもが自分の思い通りよ。望むままに生殺与奪を握れるわ。すべては自分の思うまま。」 >人を闇の道へ誘う悪魔のように、リナに囁きかける。 >「いやよ!そんな神を気取るようなことのために修行したんじゃないわ!」 >「それは偽善に過ぎないわ。人はみな、己の欲望のままに動くものよ。」 >「たとえそうだとしても、あたしは力に溺れたりはしない!”自らの力に溺れた者は自らの身を滅ぼす”、それが小さい頃から教え込まれたインバ−ス家の訓えよ!」 >キッと強い意志を宿した瞳でもう一人の自分を見据える。 悪魔のささやき・・・・・・ですね。 ファウスト博士と賭けをした悪魔メフィストよりも、甘美で危険な誘いですね。 そして、それを物ともしないで跳ね除ける、リナさん。 リナさん、そしてインバース家の方々、とても素晴らしい方々ですね。 >しばらくそれを見つめていたもう一人のリナはやがて小さく笑い出した。 >「うふふ、力や技以外の訓え、正しく身に付けているようね・・・・・」 >やがて先程は違い、優しい笑みを浮かべた。 >「合格よ。あなたは『ファウスト』の名を受け継ぐ資格があるわ。」 リナさん、良かったです。おめでとうございます。 今まで誘引されていた、さらなる『力』が仕えるように、なるのでしょうか? >「この女のひとって誰?」 > >そのときわずかに時が止まった。 >ベルベインはビミョ〜〜〜〜〜な顔つきでガウリイを見た。 >「・・・・・・・・・・・・・お前さん、本気でそれを言ってるのか?」 ベルベインさん・・・・・流石の貴方の豊富な人生経験のうちに、様々な方との出会いと別れが あったのでしょうが・・・・・・ガウリイさんのような、ひょうひょうとして捕らえどころが無い・・ 風のような方は・・・居なかったのでしょうね。 >う〜〜〜〜〜〜〜んと唸っていたがやがてぽんと手を叩いた。 >「ああ!あのときの受付係のネエちゃん!」 >ガウリイの言葉にゼロスの体がよろめく。 ガ・・・ガウリイさん・・・・魔王様の腹心のお一人を・・・そ〜いう覚え方ですか(汗) ゼロスさん・・・・傷付いたお体に・・・さらにダメージ受けてますね。 泣きっ面に蜂、ですね(笑) >「はっはっはっはっは!」 >不意にベルベインの笑い声が響いた。 >「面白い男だな、お前さんは。まったくどうなっとるんだその頭は?俺のジイさん――十代目ファウストが生きてたら頭ん中解剖してただろうな。」 か・・・解剖ですか・・・・いや・・・流石にそれはリナさんが、どんな事をしても、止めそうな気が(汗) >はっはっはと笑う。 >先程まで支配していた押し潰されそうな緊迫した空気が和らいだ。 >「やれやれ気が削がれてしまったな。」 >そう言い、ベルベインは刀を鞘に収めた。 ガウリイさん、ナイスです。 もしかして・・・・クラゲのふりをしているだけで・・・実は物凄く頭が良い方・・・だったりしませんか(汗) >「ふん・・・腕前は昔のままか。いささかも衰えておらぬようだ。流石は竜族最恐といわれた非情の竜騎士よ・・・」 >周りの黄金竜の屍の山を見渡して呟く。 ファルネーゼさん・・・・過去にいったい何が・・・・。 『最凶』、『非情』と呼ばれたゆえんは、火竜王さん・・・・貴方が無茶な命令を下していたからなのでは。 >「まさかリナ=インバースがお前の血を引く者だったとはな。だがお前ももともと我らの下にいたのならばわかるであろう?あの人間は危険だ。」 >「かつて古代竜を滅ぼしたときもそうおっしゃってましたねぇ。」 >「同じことだ。芽は早いうちに摘み取る――」 仮にも、『神』の言葉とは、思えませんね。 大の虫を生かすために、小の虫を殺す・・・・・・・、芽を摘み取るのは・・・何のためなのですか。 もし、危険そうだから・・・とりあえず殺しとくか・・・とかの理由だとしたら・・・・。 魔族と同じ考え方ですよ。 『神』とは、常に切り捨てる側にいるのですね。 >その言葉が終わらぬうちにファルネーゼの竜槍が閃いた。 >「・・・・・ファルネーゼ、貴様我に刃を向けるというのか。」 >「ふふ、貴方にはわからないでしょうね。愛するものと共に生きるという歓び、愛する者と共に在るという幸福。かつての私が持ち得なかった大切なもの。それを与えてくれた人たちのためならば、例え神であろうとも私は立ち向かう!」 >竜槍を構え、そう叫ぶファルネーゼ。 >「愚か者が・・・・・我に刃向かいしことを後悔しながら死ぬがいい!」 ファルネーゼさん・・・・いくら精神は腐っていても、相手は竜王・・・・お一人で大丈夫でしょうか。 >「何が違う?お前は四代目の想いを裏切り、その手に掛けた。そして我らが伝えし秘儀の一部を盗んだ。」 >ベルベインが低く重い声で言う。 獣王様が・・・・四代目の方を手に掛けた・・・いったいお二人に何があったのでしょうか。 >彼の視線はガウリイに向けられていた。 >そしてガウリイはお約束通り、 >寝ていた。 >無言のまま、ベルベインはその頭に裏拳を振り下ろした。 ガ・・・・ガウリイさん、寝ちゃだめですよ。 ベルベインさん・・・・ナイス突っ込みですね。 >ではここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。 >それではまた其の9で。 面白かったです〜。 ツリーが早くも沈みかけていますね。 毎日少しずつ寒くなってゆきますが、お体にお気を付けて、お元気で。 では、続きを楽しみにお待ちしております。失礼します。 |
22855 | ツリーよ、まだ沈んでくれるな | 棒太郎 | 2002/10/18 00:37:15 |
記事番号22853へのコメント >こんにちは、棒太郎さん。 >お元気ですか、猫楽者です。 > >続きを楽しみにお待ちしておりました。 > こんにちわ、猫楽者さん。 どうもありがとうございます。 >>「この力があれば、何もかもが自分の思い通りよ。望むままに生殺与奪を握れるわ。すべては自分の思うまま。」 >>人を闇の道へ誘う悪魔のように、リナに囁きかける。 >>「いやよ!そんな神を気取るようなことのために修行したんじゃないわ!」 >>「それは偽善に過ぎないわ。人はみな、己の欲望のままに動くものよ。」 >>「たとえそうだとしても、あたしは力に溺れたりはしない!”自らの力に溺れた者は自らの身を滅ぼす”、それが小さい頃から教え込まれたインバ−ス家の訓えよ!」 >>キッと強い意志を宿した瞳でもう一人の自分を見据える。 > >悪魔のささやき・・・・・・ですね。 >ファウスト博士と賭けをした悪魔メフィストよりも、甘美で危険な誘いですね。 >そして、それを物ともしないで跳ね除ける、リナさん。 >リナさん、そしてインバース家の方々、とても素晴らしい方々ですね。 > 力に溺れないよう自らを戒めることを代々おしえこんでますから。 こんな人たちがいれば、世の中まだマシだと思うんですがね。 >>しばらくそれを見つめていたもう一人のリナはやがて小さく笑い出した。 >>「うふふ、力や技以外の訓え、正しく身に付けているようね・・・・・」 >>やがて先程は違い、優しい笑みを浮かべた。 >>「合格よ。あなたは『ファウスト』の名を受け継ぐ資格があるわ。」 > >リナさん、良かったです。おめでとうございます。 >今まで誘引されていた、さらなる『力』が仕えるように、なるのでしょうか? > 初代より培われてきた膨大な叡智を授かるのでしょう。 ほとんど無敵かも・・・・・ >>「この女のひとって誰?」 >> >>そのときわずかに時が止まった。 >>ベルベインはビミョ〜〜〜〜〜な顔つきでガウリイを見た。 >>「・・・・・・・・・・・・・お前さん、本気でそれを言ってるのか?」 > >ベルベインさん・・・・・流石の貴方の豊富な人生経験のうちに、様々な方との出会いと別れが >あったのでしょうが・・・・・・ガウリイさんのような、ひょうひょうとして捕らえどころが無い・・ >風のような方は・・・居なかったのでしょうね。 恐らく彼の中でもガウリイさんほどの人物はいなかったのでしょう。 > > >>はっはっはと笑う。 >>先程まで支配していた押し潰されそうな緊迫した空気が和らいだ。 >>「やれやれ気が削がれてしまったな。」 >>そう言い、ベルベインは刀を鞘に収めた。 > >ガウリイさん、ナイスです。 >もしかして・・・・クラゲのふりをしているだけで・・・実は物凄く頭が良い方・・・だったりしませんか(汗) > 野生のカンで察知して無意識で行ったのかも、ですね。 >>「ふん・・・腕前は昔のままか。いささかも衰えておらぬようだ。流石は竜族最恐といわれた非情の竜騎士よ・・・」 >>周りの黄金竜の屍の山を見渡して呟く。 > >ファルネーゼさん・・・・過去にいったい何が・・・・。 >『最凶』、『非情』と呼ばれたゆえんは、火竜王さん・・・・貴方が無茶な命令を下していたからなのでは。 > 彼女にとっては語りたくは無い過去でしょう。 色々と闇で汚い仕事をさせられたと思います。 >>「まさかリナ=インバースがお前の血を引く者だったとはな。だがお前ももともと我らの下にいたのならばわかるであろう?あの人間は危険だ。」 >>「かつて古代竜を滅ぼしたときもそうおっしゃってましたねぇ。」 >>「同じことだ。芽は早いうちに摘み取る――」 > >仮にも、『神』の言葉とは、思えませんね。 >大の虫を生かすために、小の虫を殺す・・・・・・・、芽を摘み取るのは・・・何のためなのですか。 >もし、危険そうだから・・・とりあえず殺しとくか・・・とかの理由だとしたら・・・・。 >魔族と同じ考え方ですよ。 > >『神』とは、常に切り捨てる側にいるのですね。 > 所詮は自分たちの使命が最優先ですからね。 そのための犠牲を、犠牲とは思っていないのでしょう。 >>「何が違う?お前は四代目の想いを裏切り、その手に掛けた。そして我らが伝えし秘儀の一部を盗んだ。」 >>ベルベインが低く重い声で言う。 > >獣王様が・・・・四代目の方を手に掛けた・・・いったいお二人に何があったのでしょうか。 > それはまた後々あきらかに・・・・ >>彼の視線はガウリイに向けられていた。 >>そしてガウリイはお約束通り、 >>寝ていた。 >>無言のまま、ベルベインはその頭に裏拳を振り下ろした。 > >ガ・・・・ガウリイさん、寝ちゃだめですよ。 >ベルベインさん・・・・ナイス突っ込みですね。 > やはり彼ですから・・・・・・ >>ではここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。 >>それではまた其の9で。 > >面白かったです〜。 >ツリーが早くも沈みかけていますね。 > >毎日少しずつ寒くなってゆきますが、お体にお気を付けて、お元気で。 > >では、続きを楽しみにお待ちしております。失礼します。 > 感想どうもありがとうございます。 なんだかんだいってまだまだ続きますが、よろしくお願いします。 |