◆−オリジナル小説開始−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:10:15) No.22832 ┗黒き刃の大暴走記:前書き:−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:21:16) No.22834 ┗黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:プロローグ−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:23:47) No.22835 ┣黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:1章:それは始まろうとしていた−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:25:59) No.22836 ┃┗グラシャラボラスって……(笑)−Yuppy (2002/10/17 19:36:10) No.22840 ┃ ┗Re:グラシャラボラスって……(笑)−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:40:56) No.22841 ┣黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:2章:それ以外の−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:28:06) No.22837 ┃┗グラシャラボラスの技名→果てしなき暴走(だから待て)−Yuppy (2002/10/17 21:08:35) No.22842 ┃ ┗Re:グラシャラボラスの技名→果てしなき暴走(だから待て)−ドラマ・スライム (2002/10/17 22:11:25) No.22847 ┣黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:3章:静寂を−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:29:24) No.22838 ┃┗眠い……(ここに書くなって)−Yuppy (2002/10/17 22:49:52) No.22851 ┣黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:4章:そしてさらなる−ドラマ・スライム (2002/10/17 19:30:59) No.22839 ┃┣グラッドっていくらでしょうか……−Yuppy (2002/10/18 10:11:31) No.22856 ┃┃┗Re:1グラッド=100円ほど−ドラマ・スライム (2002/10/18 12:34:19) No.22857 ┃┗Re:オリジナル!−エモーション (2002/10/18 23:24:40) No.22859 ┃ ┗Re:オリジナル!−ドラマ・スライム (2002/10/19 10:31:22) No.22864 ┣黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:5章:消えて・・・−ドラマ・スライム (2002/10/19 23:07:18) No.22871 ┣黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:6章:殺した−ドラマ・スライム (2002/10/21 13:03:35) No.22883 ┣黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:7章:魔術−ドラマ・スライム (2002/10/21 13:06:51) No.22884 ┗黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:エピローグ−ドラマ・スライム (2002/10/21 15:06:55) No.22885 ┗後書き−ドラマ・スライム (2002/10/21 15:31:20) No.22887 ┣まとめレスです。−Yuppy (2002/10/21 17:34:38) No.22888 ┃┗Re:まとめレスです。−ドラマ・スライム (2002/10/21 18:02:30) No.22889 ┗Re:ひとまずお疲れさまです−エモーション (2002/10/21 20:48:50) No.22890 ┗Re:ひとまずお疲れさまです−ドラマ・スライム (2002/10/21 21:54:56) No.22894
22832 | オリジナル小説開始 | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:10:15 |
さてオリジナル小説を書こうと思います。(もう書いてるけど・・・) それではあらかじめ注意書きです。 このような方はご閲覧時に問題があるかも知れません。 ・他人のオリジナル小説を読むと虫酸が走る方 ・魔術士オーフェンを神聖視している方 ・逆に魔術士オーフェンを毛嫌いしている方 (※オーフェンを知らなくても全く問題はないです) ・長文が苦手な方 ・お疲れの方 後 火陽(ひ)=陽 火月(つき)=月 と読みます。(特に意味はないですが・・・) それでは〜 読み逃げ大歓迎です。 |
22834 | 黒き刃の大暴走記:前書き: | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:21:16 |
記事番号22832へのコメント オーフェン風にカバーのあれを書きます。 それはド田舎の大商業都市の休日から始まる。 いきなり絡んでくるなよお前等 俺は無一文なんだよ。だが見逃してくれって 言ってやるもんか、すぐにぶち倒すも 本日の事件はそれだけじゃなかった。 シビアな日常が、ハードな非日常に 極楽暴走竜破斬ものファンタジー 第1弾。 それでは〜 |
22835 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:プロローグ | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:23:47 |
記事番号22834へのコメント 遠い日。 いつの日だったか・・・。しかし明らかにその日は雨が降っていた。 水の日だったからか・・・?それは偶然だろう。 石で造られた年代を感じさせる建物、その入り口に立っているのはまだ10代にも達していないような少年、漆黒の髪と強さを秘めた黒い瞳。 少年は待っていた。いつもの事なので既に何を待っているのか忘れていると思った。 だがその心は覚えている。 少年は石の屋根の下ずっと待っていた。 いつもなら注意されていたかも知れない。 その日は誰も少年の元へ来なかった。 少年はここが好きではなかった。いや嫌いだった。愛に満ちている。哀しい愛に・・・。 いつもは抜け出していた。そして連れ戻されていた。だがそのまま逃げる事も出来たのではないか。だがなぜ連れ戻されたのであろう。愛ではないか、哀しい愛。 だがそれも今日で終わった。少年はまだ知る由もなかったがそれは向かっていた。 足音は確かに・・・しかしそれは雨の音にかき消されてゆく。 だがその足音は次第に雨の静寂を打ち破り少年に響いて来た。 そして雨に濡れた人影が近づいて来る。いや傘は差していたようだ。 やがて人影が完全に姿を見せた。 赤味がかった茶髪の男、歳は20代半ば、若い強さと、熟練された風格を持つ男、それでいて知的な雰囲気も持っている。 彼が現れた事が少年の物語の始まりだった。雨の音より始まる長い長い物語。 いや、それは少年が生まれた時から始まっていたのかも知れないが・・・。 |
22836 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:1章:それは始まろうとしていた | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:25:59 |
記事番号22835へのコメント 「ふぁーーー。」 男のあくびによりその部屋は刻を取り戻した。 もう頂点に近い火陽(ひ)射しが窓から覗く。広いとはいえない部屋だが窓からの火陽では明かりには不充分であり暗いとも言う。 部屋の唯一の明かりであるランプをつける暗い光だが部屋を見渡すには充分だ。 男はそれなりに小奇麗なその部屋を漁り、黒いジャケットを拾う、それを白いシャツの上から羽織る、夏にしてはやたらと暑そうだが・・・ 部屋の明かりに男の黒髪がのぞく、光沢がまるで無い漆黒の髪、瞳も黒いのだがこの明かりの中ではさすがに見えない。 男は適当な時間の後部屋を出た。 その部屋は2階にあったらしい。実を言うとここはこの街の裏路地にはそこそこ存在する安宿の1つのなのだ、だがその割には部屋も奇麗で店主の愛想もいい。 男はここに世話になっていた。とにかく安いのだ、さらに親切心か男への憐れみか、さらに値引きされていたりする。 「じゃあ出かけてくる。」 男の声、特に活気などは感じさせない、まあ事情があってだが・・・。 「ああ行ってきな。」 店の店主である壮年の男、むしろこちらの方がエネルギーに満ち溢れている。と言ってもこちらは歳相応のものなのだが――まあ生活のゆとりか何かの差だろう――。 今日は街が賑わっている。この地方では最高の商業都市であるここ『エルヴェント』では休日など無いに等しい、いや休日である、神の日にこそ人々の忙しさが最高潮に達する。 この男はまあ毎日忙しいのだが・・・。 男の職とはこの街に多い商人や職人などの専門的なものではない。そういう関係には向いてないようだ無論商売を始める余裕もないのだが・・・。 男の職はいわゆる『なんでも屋』である。とは言っても人の頼みを引き受けるようなタイプではなく儲け話に勝手に首を突っ込むタイプだ。 だがあまり稼ぎにはなってないようだ。 男は裏路地を眠そうに歩いていた。人通りは無い。 嫌に静かだ・・・そしてふと眠気が消える。 変わりに疲れたような表情を浮かべ 「おいおいまたかよ。」 面倒くさそうに男が呟く。男を囲む数人の人相が悪い男達数人。だがその男達は少々普通と違った。 「だから金はねえよ。」 「ふざけんな!」 軽く放つ男とは違い回りを囲む方の頭的存在――まあここでは雑魚Aとしよう――はひどく怒りに満ちている。 周りの男達も――いや雑魚達が正しいか――はひどく殺気立っている。 唯一平然を保っている男。 そして今にも飛び掛ってきそうな雑魚達数人。 だが早いのは平然としている男、よく見ると懐に何かがある。 ・・・それは一本の刃だった。鞘から外していないそれを男が一閃させると・・・。 数人の雑魚が体のどこかの部分を押さえ倒れている。 「なめやがって。」 雑魚の頭が憤怒の声を上げる。刃の男は動じた様子はない。 雑魚達はそれぞれ刃を抜き取った。男のものよりは短いものだが、男と違って鞘から抜き取っている。 雑魚達は男に向かって来た。・・・しかし次の瞬間立っていたのは1人だった。 「素人が束になったところで俺に勝てると思ったのか・・・。」 やたらと余裕に満ちた。 「・・・くっ踏み倒す気か・・・。」 雑魚の頭は苦やしそうにうめく。 「俺は罪人なんでね。」 「ぐっ・・・覚えて置けよ。」 「その立場で言えるセリフか。」 そう発すると男は刃を抜き取り雑魚の頭に突きつける。 「ぐっ・・・。」 その時! 「何をしている。」 路地の奥から現れた大柄な男、黒い短髪の30代半ばほど、ごつい顔つきでゆったりとした黒い服の後に巨大な刃を背負っている。そしてひどく無愛想な表情だ。 「用心棒か?」 「違う家の兄貴だ。」 「ほう借金取り兼ゴロツキのお前等の中にもこんなやつがいるとはな。」 恐らく元傭兵の類だろう。男にも腕に自信はあった。それこそ並の剣士には負けないような。 「名は何と言う。」 元傭兵風の男が落ち着いた声音で言ってくる。・・・殺気は消してないが。 「あんたから名乗れよ。」 男は即座に切り替えした。自分より遥かに上背がある男の迫力に飲まれてか少し口調が変化してるが充分平然としている方だ。 「・・・グララシャラボラス・・・。」 どこかできた名前だと思ったが考えるのは止めて置いた。 「・・・クリミナル。」 「罪人?・・・それが本名か?」 「本名のことか。」 余裕で切り返す。ペースを取り戻すためだろうか。 「・・・エッジこれが本名だ。」 今度は真剣な声で答える男=エッジ。 「刃(エッジ)・・・面白い名前だ。」 嘲笑するような声だったが顔には笑みはなく不動だ。表情を知らないのだろうか・・・。 「俺の先生は剣(ブレイド)だが・・・。」 「剣の師匠か。」 あくまでも表情は変えずにグラシャラボラスは聞いてくる。 「そうだ・・・ラッシーちゃんよ。」 その言葉には迷いと動揺が感じられた。 「ははは。」 グラシャラボラス――ラッシーと呼ぼう――は初めて笑い声を見せた、嘲笑うような・・・。 「くっ。」 何を思ったかエッジは唇を噛む、その瞳の向こうには相手の眼差しが浮かぶ・・・まるですべてを見透かしたような笑い声と共に・・・。 いつの間にか雑魚達は消えていた。エッジとラッシーは対峙している。 それは長い時間だったが、恐らくそう感じただけだろう。 睨みあっていた2人は次第に刃に手を・・・しかし明らかにエッジの方が先であり、ラッシ―はそれを見てから行動を起こしいてるようだった。 そして双方の表情を見ても明らかに違う。やたらと動揺している――明らかに相手のプレッシャーだけではないだろう――エッジとそれを嘲笑うように見下しているラッシーと・・・。 そして始まった。客はいない。 この日は裏路地になど誰もいない。休日でありまた最も盛んな日であるから。昼間なのにこんなに薄暗い所には誰もいるはずはない。 「ほう貴様、それは剣のようだな。」 登場時の無表情からは考えられないような口調だ。そして彼の言ったことは確かに当たっていた。 確かにエッジの持っている刃は剣であった。この大陸で剣と呼ばれているのものは基本的に魔法により刀身を強化させられた刃のことである。もちろん普通の刃にではないのだが・・・。 「やらんぞ。」 エッジはその一言に強い意思を込めた。口調は穏やかだが・・・。 「そうか残念だ。」 残念そうではなかったし、第一、金を貸している相手の気持ちなど踏み躙ればいいのだが、それも明らかに分かっているような、そんな声だった。 「始めるぞ。」 「・・・そうだな。」 エッジの声によってそれを思い出したかのようだった。そう闘いを・・・。 そしてその声と同時にラッシ―の表情が元に戻った。 始まった・・・闘いが。 エッジの持つのは詳しいことは分からないが剣なのに対しラッシーのそれはは明らかに普通の刃であった。 しかし実戦では何より自分の腕が要求される。そしてその腕の差は歴然であった。 エッジの腕は一流に限りなく近い腕だった。 エッジの剣が唸る・・・しかしそれは紙一重で受け止められ強烈な返しを受けていた。 その後、狭い路地でなんとか粘る・・・。 そうラッシーの腕はエッジの遥かに上だった。 じりじり追い詰められてゆくエッジ・・・。 その勝負は警備官が見つければ大事になるようなものであった。まあこんな日に裏路地など見回る警備官などいないだろうが・・・。 まさに死闘である。彼等にお互いを殺す気があったかは分からないが・・・。 闘いは熾烈を極めていた。 「本気を出したらどうだ。」 今度は笑いはなかったが眼は明らかに嘲笑していた。 「もう出してる。」 叫びのつもりだったが疲れからか声はそう響かなかった。 「そうかあくまで出す気はないのだな。」 嘲笑うかのように言うが表情はやはり変えてはいない。 「本気だって言ってんだろうが!」 エッジは怒り混ざりの叫びを上げる。 それに対してもラッシーは全く動じた様子はない。 そしてその瞬間決着は付いた。怒りまかせに剣で斬りかかったエッジの額にはラッシーの刃が向けられていた。 ◇◆◇◆ それは始まろうとしていた。 この街を恐怖に陥れる事件はここから始まった。すでに忘れ去られた裏路地の片隅から・・・。 「見つけたよ。」 声は路地の静寂にかき消されながらも続いた。 そしてその声の主はどこかへ向かっていた。 |
22840 | グラシャラボラスって……(笑) | Yuppy | 2002/10/17 19:36:10 |
記事番号22836へのコメント > 「・・・くっ踏み倒す気か・・・。」 オーフェンとは逆ですね。 > 「・・・グララシャラボラス・・・。」 ………………………………はい? > どこかできた名前だと思ったが考えるのは止めて置いた。 > 「・・・クリミナル。」 > 「罪人?・・・それが本名か?」 > 「本名のことか。」 > 余裕で切り返す。ペースを取り戻すためだろうか。 > 「・・・エッジこれが本名だ。」 > 今度は真剣な声で答える男=エッジ。 > 「刃(エッジ)・・・面白い名前だ。」 > 嘲笑するような声だったが顔には笑みはなく不動だ。表情を知らないのだろうか・・・。 > 「俺の先生は剣(ブレイド)だが・・・。」 > 「剣の師匠か。」 > あくまでも表情は変えずにグラシャラボラスは聞いてくる。 > 「そうだ・・・ラッシーちゃんよ。」 名犬ラッシー…………すみません冗談です。 > その言葉には迷いと動揺が感じられた。 > 「ははは。」 > グラシャラボラス――ラッシーと呼ぼう――は初めて笑い声を見せた、嘲笑うような・・・。 グラシャラボラス→果てしなき暴走。 投稿早いですね。 FFZのエンディングムービーを無視しつつレスしてます。 プロローグ読んでなんとなく孤児院時代のスコールを連想しましたごめんなさい。 ではこれにて(一件落着……?) 失礼しました〜。 |
22841 | Re:グラシャラボラスって……(笑) | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:40:56 |
記事番号22840へのコメント ありがとうございます。 グラシャラボラス・・・ごつい名前にしたかったので それではありがとうございます。 |
22837 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:2章:それ以外の | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:28:06 |
記事番号22835へのコメント 「私の勝ちだな。」 ラッシーは死闘には似合わない声とともに殺気を消した。 「そうか・・・。」 屈辱とも安堵とも思えない声だったが、そういう感情も含まれていたかも知れない。 「剣を渡せとは言わん・・・今日は消えろ。」 ラッシーは暗い路地に消えた。 負け犬・・・エッジはその言葉が今の自分だと思った後、違うとも思った。 グラシャラボラス・・・その名を今になってやっと思い出した。昔、傭兵として活躍し、炎魔獣(ドラゴン)や悪魔族(デヴィル)を倒したとまで噂された、無論そんなはずはない、それらの生物は人間の戦士には到底勝てる存在ではないからだ。 それと同時に頭に浮かび上がった文字。 負け犬・・・エッジは今の自分のことを言うのだと思った。 その後本気を出していれば勝てていたと考えていた。もちろんそのつもりはないし、金輪際そんなことはしないと誓ってもいた。 そうあの日のことを思い出しながら・・・。 ◇◆◇◆ 5年前・・・だろうか そこは小さな校舎の小さな庭、そこに集まっていたのは、教師が3人、そして10数人の生徒、涙を浮かべている者もいればそれを堪えている者もいる、中には動じていない者もいただろうが。 そうこれは葬儀である。そこに少年も出席してた。・・・友の葬儀に・・・。 「・・・大丈夫か。」 少年は名前を呼ばれた、よく聞き取れなかったが確かにそれは本名ではなかったはずだった、本名は忘れた、いや思い出したくない・・・かつての友であったエドは本名で呼んでいたはずだが・・・。 そうこれは彼の葬儀なのだ・・・昼休みに起こった不幸な事故・・・少年だけはそうは思ってなかっが・・・。 燃え上がる炎そしてその中心で苦しみもがく1人の少年・・・その傍らには何も出来ずにいる別の少年――彼だった。 だがそれ以上その記憶を視ることは拒絶される。だが分かっていた・・・自分が殺したのだと・・・。 彼はその後ここを後にした。 ◇◆◇◆ 休日忙しいのは何も商売人だけではない。 国立や公立の学校などはこの神の日にも開かれる・・・。まあこの町に多い商売人の子はこの日休む者が多いのだが・・・例外もいる。 彼は帰宅した。年齢は1つ繰り上がって数年目というところだ。小柄な体格と穏やかそうな顔付きの光沢のある茶髪の可愛げに溢れる美少年だ。 彼は裏路地を歩いて1つの宿風の建物に入っていった。 帰り道争いごとに巻き込まれなかったのは幸運か偶然か・・・それとも。 「父さんただいま・・・エッジは。」 彼は慌ただしくそう声に出した。声の先には昼食を取っている壮年の男がいた。 彼の二言目には他人の名が出る。彼にとっては他人ではないかったし、父さんと呼ばれた男もそうだと思っていなかったが 「彼は出てったよ少しばかり遅かったようだね、アルフ。」 アルフ・・・アルフレッド・アドバーグに昼食の手を止めて優しく言う父、エルフォーグ・アドバーグ。 「どこ行ったか知らない?」 その慌てた言葉と仕草は、かなり魅力に溢れている。 「さあ・・・でもどうしたんだい。」 「今日エッジに剣を教えてもらうつもりだったんだ。」 彼とエッジという男は親友であった。だが上辺だけなのかも知れない。彼はそうは全く思ってはいないが、エッジは過去を全く語っていない。どんな人間であろうと過去はあるものだ。彼が聞かなかっただけなのかも知れないが、エッジは明らかに話してくれそうにはなかった。 「ちょっと探してくる。」 「私も行こう。」 慌てて飛び出そうとしていた彼をその父は落ち着いた口調で引き止めた。 「何で。」 いっそう慌てる彼に 「休日は危ない、子供1人じゃ危険だ。」 まるで水を差したようだった。 「そんなこと言ってるの父さんだけだよ、じゃ行くね。」 そして素早く外へ出た。 「こらっ。」 父、エルフォーグは心配性だった。・・・男手1つで育てた息子なので可愛いのは当然なのだが・・・。 ◇◆◇◆ そこは暗闇に覆われていた。この部屋の主は暗闇を好んでいたのか、そうではないのだが明かりをこの暗闇の雰囲気は好んでいたのだろう。 「どうだ取り立ての状況は。」 声が暗闇から響く。しかしよく見ればそこは完全な闇ではなかった。火陽の光が黒のカーテンの隙間から射している。それ以外は無明なのだが・・・。 「すみません。」 別の声だ。・・・どうやら先の声の主に対しては並以上の敬意を払っているらしい。 「貴様は不向きだな。」 「そうでしょうか。」 後の声は先の声に対して素早く答える。敬意は感じられるが忠誠となると難しいのかも知れない。先の声の真意は分からないが・・・。 「まあいい、我等から逃れることは出来んのだ!」 「そうですね。」 「そうだわははははは・・っ。」 (ドテッ!) その部屋にはその音がうるさいくらい響いた。何かが倒れた音――実を言えば先の声の主なのだが――に後の声の主は微妙な表情の変化を堪えているようだ・・・。 「貴様、笑ったな。」 「いえとんでも・・・。」 先の声は前より強い口調だが前のをやたらと抑えていた・・・と言う方が適切だろう。 そして後の声の主は明らかに表情を変化させていた。 ◇◆◇◆ 表通りは賑わっていた。露店が立ち並び絶好の火陽射しが人々の活気を煽っている。休日でもここまで賑わう日は多くない。 この日を狙っていたか・・・いやそんなつもりは毛頭もなかったとは言えないだろうが、それは始まろうとしていた。 恐怖は始まる。 少年の声と共に・・・。 「君が来るのを待っているよ。 少年の言葉は一時途切れ・・・ 「・・・ジェイクリオン。」 誰かの名を呼んだ。 ◇◆◇◆ 「魔物だぁーーーーー。」 声は表通りから・・・それも複数、・・・それを彼、エッジは聞いていた。 「おっ仕事だな。」 その声には生気が溢れている。その魔物を片付ければ報酬がもらえるかも知れない。 まあ魔物というのは正しい呼び方ではなく(凶暴な精霊獣)と呼ぶのが適切だ。普通の人は精霊獣という言葉をまず知らないので専門用語と言われても文句は言えないだろう。別に無理して言いたがる者もいないだろうし。 とにかくエッジは表に向かった。表への道ならそこに住むものはほぼ必ず知っている。自分の範囲外の裏道を知っているものは専門家(マニア)くらいだろう。 すぐに辿り着いた。 全力で走っていたのでエッジは息を切らしていた。結構後先を考えない性格のようだ。 ここ表通りはかなり広い。裏全体には遥かに及ばないものの・・・。 だが悲鳴はそう遠くはなかった。それにしても今になって不思議に思えてきた。 人間には精霊獣を召喚することはまず不可能だ。どんな優れた魔道士でも絶対に出来ない。 なぜなら魔法とは異世界の力を使うものであり、精霊獣はこの世界の存在だ。出来るはずはない・・・霊術使いの人間など結界の森のシャーマン部族以外には聞いたこともない。 だがその疑問はすぐにはじけた。エッジがそんなことを考えながらも現場を探しているとそれは姿を見せた。・・・それにより吹き飛んだ。 「違う。」 そうその怪物を見てエッジは気付いた。 「精霊獣じゃない。」 ・・・それは明らかに魔法生物だった。もちろん明らかに分かったのは知識のあるエッジのみだろうが・・・。 でもそれでも人間に召喚など使えるはずもないのも彼等の内では常識だ。 ・・・そして使える存在。 「まさか・・・。」 認めたくはない・・・もし真実なら自分には絶対に出来ないことをしようとしたことになる。そんなことはどうでもいいのだが、 「飯が食えんくなる!」 そう彼は生活に困っていた。この魔物退治でこれから食い繋いでいくつもりだったのだ。 このチャンスを逃せば明日はあるか分からない。 「えーい魔族だろうが悪魔だろうが関係ない!」 エッジは怪物に向かっていった。 ◇◆◇◆ 暗闇に笑みが浮かぶ 「ふっ・・・彼にはあいつをぶつけてやれ」 「正気ですか社長。」 「貴様は私の意見に従っていればいいのだ。」 社長と呼ばれた方は言葉を強めた。 「・・・はい。」 「くくくっ面白いことになりそうだ。」 外から漏れる火陽射しはその口元を照らした。 ◇◆◇◆ 彼は走っていた。急いでいたのだろう。 表での騒ぎは知らずにそちらに向かっていた。 それほど長くはない茶髪が頭の上で激しく踊る・・・次第に顔には水滴が付着し体が熱く感じてくる。 彼、アルフは裏路地を駆けている。理由は1つ・・・彼の唯一の親友にして剣の師である、エッジを探しているのだ。恐らく剣の訓練をよほど楽しみにしていたのだろう。汗で体中が滲んでいる。息はもう上がっており、すでに歩きになっている。 それでも時々思い出したように走り出し、すぐに疲れて足を止め、また歩き出すと・・・繰り返している。 ここから表まではそう近くはないが別に遠くはない、すぐに出口が見えた。・・・そこに彼の探し人がいるとは限らないのだが、偶然にも探し人は近かった・・・。でもけして行くべき状況ではなかったのだが・・・。 そう表は例の騒ぎで逃げ惑う人と、狂える怪物でパニックになっていた。 彼は理解してないようで、ただ突っ立っていた。それもしばらくのこと、彼は人込みに押され転倒した。慌てて裏路地入り込み、荒い息を吐いた。 表では彼の探し人がいたのだが、それは知らなかったし、裏にいる可能性も充分だった。 ・・・しかし裏は危険である。表の方が事件は多いが、通る人が少ないので直接的な事件は少ないし、ここ最近はあまり聞かないが、いざ通りかかる人などは狙われやすい。 なので住人の帰宅時間などは警備が強まる。しかし昼過ぎ頃は警備が甘いので自分の知らない地域は行ってはならない。裏は迷路のように広いからだ。 彼もそれくらいはわきまえていた。なので知ってる地域を探そうと・・・それでも危険なのだが・・・。 ◇◆◇◆ 「くそっ!」 人の数は減っている。警備官もまだ来ていない。今がチャンスなのだ・・・。 が剣が通用しない。 「くっ・・・。」 怪物は最も典型的な獅子、山羊、蛇の複合獣(キメラ)をドロドロに溶かして再構築したようなやつだった。かなり気持ち悪い・・・出来ればこれ以上の描写を頭に入れたくない――エッジはそう思った。 しかも剣が効いている様子がない。 ――本気を出せ―― 幻聴か? 本気を出す・・・。意味は分かっていた。だが・・・。 「そう簡単に使ってたまるかよ。」 ――晩飯・・・そうだこれは生きるとための戦いだ。くだらん誇りなど必要ない――よくこれで今まで剣士で通せてきたとエッジは不思議に思ったが、どうでもいい。 後に飛んで身を退き、彼はジャケットを漁った・・・汗で濡れている中、内ポケットにそれを見つける。 結局持っているんだよな――その手には小さな青銀色金属の棒状のものがあった。 ・・・≪杖≫である。 そして彼は小さな≪杖≫を両手で握り―― ・・・ ・・・ ・・・ 「光の波紋よ!」 彼が使ったもの・・・魔法! それは――光を生んだ。 「ライト・ブレイク」 最後の言葉で光を放出する・・・が・・・エッジは耐え切れずに転倒する。 光も消えていた。 彼は手のひらから≪杖≫を落としていた。 「くっ・・・まさか使えなくなってるとはな。」 それは絶望的なことであった。魔法を使えなくなった魔道士・・・その理由は自分にあるのだが・・・。 彼は絶望的な表情を浮かべた。 「やばい・・・晩飯が・・・。」 ◇◆◇◆ 裏路地・・・ここには誰も来ない。忘れられた区画そこには少年だけがいる。 「ジェイクリオン・・・失望したよ。 君がこんなに弱いとはね。」 あくまで笑みを絶やさずに独り言を言う。 「まあ僕のせいなんだけどね。」 そしてくすくす笑う。 ここにはそれ以外の音は届かなかった。 |
22842 | グラシャラボラスの技名→果てしなき暴走(だから待て) | Yuppy | 2002/10/17 21:08:35 |
記事番号22837へのコメント > グラシャラボラス・・・その名を今になってやっと思い出した。昔、傭兵として活躍し、炎魔獣(ドラゴン)や悪魔族(デヴィル)を倒したとまで噂された、無論そんなはずはない、それらの生物は人間の戦士には到底勝てる存在ではないからだ。 グラシャラボラス・・・遮断機が敵の行く手をふさぎ、レール上を走る魔列車・グラシャラボラスが体当たりを仕掛ける。毒属性のダメージと多くのステータス変化を与えるG.f.なので、長期戦になりそうなバトルで使うと効果的。 技名・・・果てしなき暴走 対象・・・敵全体 属性・・・毒 ステータス変化・・・多いので省略 初期レベル・・・28 入手方法 @万能薬改、鉄パイプ、モルボルの触手をそれぞれ6個以上所持する。 Aソロモンの指輪を使う。 ※雑誌のオカルトファンをすべて読むと、グラシャラボラス入手法のヒントが得られる。 以上、FF[アルティマニアより抜粋。 > ◇◆◇◆ > 5年前・・・だろうか > そこは小さな校舎の小さな庭、そこに集まっていたのは、教師が3人、そして10数人の生徒、涙を浮かべている者もいればそれを堪えている者もいる、中には動じていない者もいただろうが。 > そうこれは葬儀である。そこに少年も出席してた。・・・友の葬儀に・・・。 > 「・・・大丈夫か。」 > 少年は名前を呼ばれた、よく聞き取れなかったが確かにそれは本名ではなかったはずだった、本名は忘れた、いや思い出したくない・・・かつての友であったエドは本名で呼んでいたはずだが・・・。 > そうこれは彼の葬儀なのだ・・・昼休みに起こった不幸な事故・・・少年だけはそうは思ってなかっが・・・。 > 燃え上がる炎そしてその中心で苦しみもがく1人の少年・・・その傍らには何も出来ずにいる別の少年――彼だった。 > だがそれ以上その記憶を視ることは拒絶される。だが分かっていた・・・自分が殺したのだと・・・。 > 彼はその後ここを後にした。 オーフェンのはぐれ旅1巻のアザリー葬儀に似てますね。(ネタばれ) > ◇◆◇◆ > ◇◆◇◆ > > 暗闇に笑みが浮かぶ > 「ふっ・・・彼にはあいつをぶつけてやれ」 > 「正気ですか社長。」 ルーファウス:正気だ。ウェポンを倒すにはシスター・レイしかない。 ハイデッカー:了解!魔晄キャノン、発射――――――――――っ!!! (冗談です。失礼しました) > 「貴様は私の意見に従っていればいいのだ。 ルーファがぁ(違)……。 > 社長と呼ばれた方は言葉を強めた。 > 「・・・はい。」 > 「くくくっ面白いことになりそうだ。」 ルーファ……(だから違うって) > 外から漏れる火陽射しはその口元を照らした。 > ◇◆◇◆ >◇◆◇◆ > > 裏路地・・・ここには誰も来ない。忘れられた区画そこには少年だけがいる。 > 「ジェイクリオン・・・失望したよ。 >君がこんなに弱いとはね。」 > あくまで笑みを絶やさずに独り言を言う。 > 「まあ僕のせいなんだけどね。」 > そしてくすくす笑う。 > ここにはそれ以外の音は届かなかった。 この口調は……(以下、多分おわかりでしょうから略)っぽいですね。 ふぅ。FFに感化されまくってるYuppyがお送り(待て)致しましたレスです。 チャットに誰も来ないからオリ小説書きつつ待機しつつレスしてます。 FFの単語並べまくってごめんなさいです。 ではっ > > |
22847 | Re:グラシャラボラスの技名→果てしなき暴走(だから待て) | ドラマ・スライム | 2002/10/17 22:11:25 |
記事番号22842へのコメント >オーフェンのはぐれ旅1巻のアザリー葬儀に似てますね。(ネタばれ) というかそのものなんですが・・・ >この口調は……(以下、多分おわかりでしょうから略)っぽいですね。 もちろん・・・ですね。 それでは〜 こんなクソ長い長文読んでくださってありがとうございますです。 |
22838 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:3章:静寂を | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:29:24 |
記事番号22835へのコメント 彼の師はとても強かった。小さな魔道士学校の教師の1人だった。人望は厚く魔道士としては天才的だったし、刃の扱いも上手かった。・・・教師としては最低だったが。 その教師ブレイドは彼の他に5人の生徒を持っていた。ブレイド・・・剣。 教師はその剣のように特別だった。まさに剣の石(ブレイド・メタル)のごとく・・・。 魔道士としての純粋な腕ならば≪霧の塔≫の教師など敵ではなかっただろう。 宮廷魔道士に並ぶほどの魔法と一流の剣の腕・・・えとせとらv 教え子は皆強く育った。そう法外な入学金と授業料を取る≪霧の塔≫の生徒達よりも・・・。 その点では優れていたのかも知れない。だが致命的な点があった。教師であるが・・・放浪癖を持っており彼が今でも明白に覚えているものだけでも18回・・・計約3年半ほど許可なく休みを取っていた。何をしていたのかは誰も分からない・・・ただ教室内ではよく噂になった。どんなものだったかは記憶から消えているが・・・。 ◇◆◇◆ 魔法とは異次元の力を引き出し使うものだ。・・・誰が言ったかは分からない。 その異次元というのはあまりいい呼び名だとは誰も思わなかったが、気にする者もいなかった。 名前などどうでもいいのだ。彼とその師はそうでもないようだが・・・。 魔法は本来、人間の使えるものではない。そうどんな優れた魔道士でもそれからは逃れられない・・・例外もいるのだが、それは禁断とされている。理由は分からないが・・・。 魔道士は皆、特殊な金属製の小さな≪杖≫を持つ。それにより異次元に干渉し、力を引き出す能力を飛躍的に高める。 それでも精神集中と呪文、それに≪放出音声≫が必要とされる。時間がかかる上に精神力も消費する。 また杖はかなり貴重品である。≪霧の塔≫の授業料が高いのはこのせいも含まれると言うが・・・小さな学校でも支給できるのが現実であるためにそれはただの口実だろう。 だが杖なしで・・・それも間である呪文を飛ばして魔法を使う者もいる。 それは魔術士と呼ばれ、使うのも魔法ではなく魔術と呼ぶ。そして実を言えば魔術は人間の魔法を上回るという・・・。 詳しいことは分からないが魔術師になるのは銃の一般使用並に禁止されている。元よりその方法は誰も知らないのはずなのだが・・・。 ◇◆◇◆ 彼は歩いていた。心は焦っているようだが足取りは重い・・・。どうせこんな状態で探し人を見つけてもどうしようもないのだが・・・。 「君はアルフレッド・アドバーグ君だな。」 突然名を呼ばれ足を止める彼、アルフ。 そこには誰もいない――いやいたっ。――いたぞぉーーー。――声の主は小さかった。 「あのう、どなたでしょうか。」 「わははこの地獄の鬼神兵器ニキータ・ガトリング・マシンガン知らんとはな、笑わせてくれる!」 「いえあの・・・。」 アルフは黙り込んでしまった。この種の人間は彼にとっては苦手意識があるのだ、まあ誰でもそうだと思うが・・・。 それにしても身長が低い・・・聞く気にはならなかったが。 顔は年齢不詳だが少なくともアルフよりは上だろう。ごろつき風だが、さらに貧相な身なりで、その割には体には栄養の蓄えを感じる。 「ところでなんで僕のことを・・・。」 すると即座に 「それは企業秘密だ。」 「企業って・・・。」 とても企業関係の人間には思えない。 「がははは俺様はあの有名な『ルビーアイ金融』のエリート返済取立てエージェントだ!」 この小さな人・・・やたらと偉そうだ。 「早い話が借金取りですね。」 「そんな名で呼ぶなぁーーー!」 そしてやたらとつまらないことにこだわる人だ。 「でも家、あなたの所からは借りてないし・・・。」 「いや君のことを言ってるわけじゃない気にしないでくれたまえ。がははははーーーーーーーーーーーーーーー。」 それにしても笑い声がうるさい。 「じゃあ関係ないですね。」 アルフは彼が危険な人種だと気付き、すぐさま去ろうとしている。 「そんな冷たいこと言わないでくれーーーーーー。」 (・・・よく分からないこの人) 今度こそ去ろうと歩き出す。 「待たんか、待たんと魚といっしょに火あぶりの刑だぞ。」 ・・・困った表情でアルフは立ち止まり、哀願の表情で怖いこと言っている小さな借金取りに目を向ける・・・目を合わせようとは全く思わなかったが・・・。 「で何なんですか。」 いつの間にか強気になっているアルフ。 「実は・・・20くらいの黒いジャケットを着た剣士を知らないか・・・。」 こっちは弱気になっている・・・人とは不思議だ・・・。 心当たりはあった。ありすぎて困るほど・・・ 「もしかして・・・エッジのこと?・・・あっ。」 アルフは思いっきり自分の探し人の名を出して後悔した。 「やはりこの鬼神兵器の目に狂いはない!がはははところでその男はどこに?」 いきなり強気に戻る・・・ううこれ以上関わりたくない、逃げよう――アルフはそう心に決めた。 だが・・・。 「どこに行くのかね少年。」 呼び止められて足が止まる。 「まさかあの男を匿おうと・・・。」 うっ・・・4分の1ほど図星だった。残りはお分かりだろう。 「いえそんなつもりは・・・。」 焦ったように言うアルフ。 「それで居場所は!」 この小さな借金取りの顔が大きくなったような気がした。実際そうかも知れないが・・・。 「実は・・・僕も探して・・・。」 一層焦って言うアルフ。 「ほう匿うのかね・・・。」 顔を近づけて――小さな体なので届かないはずだが――かなり強気に発言した。 「いえ・・・本当なんです。」 「分かっている、君はあの男に騙されているんだ。」 今度は諭すように言う。分かってない。全然分かっていない。 「いえいえあの人はいい人ですし・・・。」 言った後アルフは非常に後悔した。 (これじゃあ僕が匿っているみたいじゃないか・・・。) 「ほうあれがいい人ぉ。」 疑わしそうに顔を近づけて言ってくる。 「いい人ですよ。」 あなたよりは・・・そう言おうと一瞬、衝動に駆られたがなんとか振り切った。 (危ない、危ない、あんな人種の人(かな?)にあんなこと言ったら、人生終わらされちゃうよ・・・世にも残酷なやり方で・・・。) 少し震えていたようだが小さな借金取りは別に気付いた様子もない。気付いていてもまともなことは言わなかっただろうし。 「ところで君はあれとどういう関係なんだね。」 「えっと・・・それは・・・。」 「言えないようなことか・・・なら無理せずに告白したまえ。」 (無茶苦茶だよこの人。) 「いえ・・・ごく普通の友達ですが・・・。」 「ほう・・・嘘は付かなくていいぞ。」 「本当のことですってば!」 必死で訴えるアルフ。 ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ 数時間後 もう夕火陽が沈もうとしている。 「どうやら君のことを誤解していたようだ、すまなかった。」 「いいんですよ、分かってくれれば・・・。」 友情のようなものが出来ようとしていた。 「本当にすまなかった。今日は帰らせてもらう。」 ・・・小さな借金取りは去った。 (案外いいひとなんだな・・・。) そう思いながらアルフはもう今日は帰ろうと思った。 ◇◆◇◆ アルフが借金取りに出会っていた頃、 表通りでは・・・。 「くっ・・・。」 男、エッジは完全に追い詰められていた。怪物が彼に襲い掛かってくる。 (ガッシャーーーン!) 後の建物が凄まじい音を立てて崩れる。 (・・・こいつはやばいな) 彼は魔道士の小さな≪杖≫を手に祈る・・・。 (誰に祈ってるんだ俺は・・・神か?、いるはずのない神にか!) その時! (ドゴーーーーーン!) 爆発音! 怪物の表情が歪む。 (・・・この威力・・・警備官か!) 彼にとっては絶対に来て欲しくなかった人種だ。・・・報酬がもらえなくなるから。 そしてこの音はまるで・・・銃声! そう王都の兵と国営の警備官だけが持つ至高の武器。国宝級の刀匠と大魔道士の技術と知識の結晶である。 (クソ警備官め、俺の仕事横取りしやがって) だが彼は一瞬目を疑った。 銃声の発端にいたのは・・・まだ20にもなってない金髪の少女・・・しかも警備官の制服ではなく一般人が着るような動きやすい布製の服を着ている。 「なんだ怪物もちょろいわね。」 「何がちょろいわねだボケーー。」 出来るだけ近所迷惑な声でエッジは叫ぶ。 「どうしたの被害者Aさん。」 いきなり変な名前で呼ばれたエッジは怒りが逆に萎えてくる・・・。 「とにかく何でお前みたいなガキが銃持ってるんだ。」 今度は控えめにそれでも強気に言い放つ。 「銃じゃないわよ。」 あっさり答える少女。 「へっ。」 「だから銃じゃなくて爆裂ダーツよ。」 「充分危険だろうがーーーーー。」 再び大声に戻す。 「そんなに怒らないでよ、助けてあげたんだし・・。」 「知るかーー俺の獲物奪いやがって。」 「獲物って・・・。」 ?マークを浮かべる少女・・・それにしてもこの男の叫びに態度を全く変えないとは・・・大物だろうか・・・。 「だから俺の晩飯・・・。」 悲しそうにかつ恨めしく言うエッジ。 「えっあなた、あれを食べるつもりだったの。」 密林の怪生物を見るような目で聞いてくる少女。 「違うわーーーー!」 大声で否定する・・・その頃だろうか人が集まってきたのは・・・。 いつの間にか2人の漫才を聞く人多数。 それに気付いたかエッジはボリュームを下げて話すようになる。 ・・・しばらくしてやっとエッジの目的が少女の言う「ゲテモノ怪物晩飯計画」じゃないことが分かって一段落する。 「ところであなた何者。」 少女の問いに一瞬迷ってからエッジは 「エッジ・・・何でも屋または剣士だ。」 「ふうん。」 少女の答えはけしてそっけないものではなかった。 「わたしはエリアナ・・・ところでお願いがあるんだけど・・・。」 「金次第では何でも引き受ける。」 「じゃあ・・・・・ここじゃあちょっと。」 「どうした。」 「・・・どこかのお店でも入らない?」 「おごってくれるんならいいが。」 ・・・2人はすぐ近くの喫茶店に入った。 警備官が駆けつけたのは彼等が去った後だった。 ◇◆◇◆ 「ふう・・・予定外だ。」 火が欠け、その通りは表より格段に早く暗闇に飲まれる。いやすでに通りとも言わないのかも知れない。 「だが・・・面白くなりそうだ。」 少年の声だけがその忘れらた通りの静寂を埋めている・・・。 |
22851 | 眠い……(ここに書くなって) | Yuppy | 2002/10/17 22:49:52 |
記事番号22838へのコメント >彼の師はとても強かった。小さな魔道士学校の教師の1人だった。人望は厚く魔道士としては天才的だったし、刃の扱いも上手かった。・・・教師としては最低だったが。 モデルはチャイルドマンですね。 > また杖はかなり貴重品である。≪霧の塔≫の授業料が高いのはこのせいも含まれると言うが・・・小さな学校でも支給できるのが現実であるためにそれはただの口実だろう。 ≪霧の塔≫……。≪牙の塔≫+≪霧の滝≫ですね。 > だが杖なしで・・・それも間である呪文を飛ばして魔法を使う者もいる。 > それは魔術士と呼ばれ、使うのも魔法ではなく魔術と呼ぶ。そして実を言えば魔術は人間の魔法を上回るという・・・。 オーフェンとは逆になってますね。 魔術の方が強いってことは。 > そこには誰もいない――いやいたっ。――いたぞぉーーー。――声の主は小さかった。 > 「わははこの地獄の鬼神兵器ニキータ・ガトリング・マシンガン知らんとはな、笑わせてくれる!」 モデル→間違いなくボルカン。 >必死で訴えるアルフ。 >・・・ >・・・ >・・・ >・・・ >・・・ >・・・ >・・・ >数時間後 長ッ! > 「どうしたの被害者Aさん。」 > 「とにかく何でお前みたいなガキが銃持ってるんだ。」 > 今度は控えめにそれでも強気に言い放つ。 > 「銃じゃないわよ。」 > あっさり答える少女。 > 「へっ。」 > 「だから銃じゃなくて爆裂ダーツよ。」 コギー……ですかね。 モデルを当てまくってみましたごめんなさいです。 4章のレスは明日させていただきます。 ではっ。 |
22839 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:4章:そしてさらなる | ドラマ・スライム | 2002/10/17 19:30:59 |
記事番号22835へのコメント 喫茶店 コーヒーを飲みながら何か話している2人。 「はあ・・・。」 「だからあなたに父さんの護衛をして欲しいのよ。」 その声は周りに聞こえただろうか・・・ (他人に聞かれるのをいやがってたんじゃねえのか・・・。) 「いやだから・・・。」 いったん口を閉ざしてから・・・。 「安すぎるんだよ!」 声は先ほどよりもなお店中に響き渡った。 「じゃあ、どれくらいならいいのよ!」 いい加減に少女、エリアナは怒り出した。 「えっと護衛雇えるくらいのやつだし10000グラッドくらいかな。」 緩やかに言い放つ男、エッジ。 「あなた、人見て依頼料選ぶの、最低っ!」 爆発――破局か・・・そう思った。 「分かった・・・5000に負けてやる。」 しょうがなくそう答えてしまう。 「わあっありがとエッジ!」 急激な態度の変化・・・。 (ちっ・・やりやがる。) 「それより・・・周りのやつ等、目え光らせてるぞ・・・。」 突然声をひそめるエッジ・・・。それに気付いたエリアナは 「・・・そうね・・・出ましょう。」 2人はそうっと店を出た。もちろん金は払って・・・。 ◇◆◇◆ 火陽が暮れる・・・。 街を歩く人も減った頃 うごめく影・・・だがそれは誰も気付かない・・・。 影は向かう・・・。 今宵の宴の場へと 「くくく面白いことになる。」 そんな声は影に聞こえたか・・・。 しかしどこかでその声がする。 影は動き出す。 今宵の宴・・・血の宴に向けて・・・。 夜は近い・・・。 ◇◆◇◆ 「エッジ遅いなあ。」 そう独りで呟いているのは、はっきり言うと安宿の息子、アルフレッド・アドバーグ。 愛称はアルフ。 彼は待っていた。それほどの時間ではないが、この頃には帰ってくることが多い。 帰れない理由があったのだが、彼は知らなかった。知る由もなかった。 「アルフ、夕飯が出来たよ。」 彼の部屋は2階の1室・・・客が少ないので客用の部屋を使っている。・・・安宿なので、それに腹を立てる人もいない。まあ人が来るのは珍しいのだが・・・彼の待つ人以外は・・・。 声は1階から聞こえる。 ここの主人、エルフォーグ・アドバーグの声である。 この宿の1階は食堂と自分達の食事場を兼ねている。 料理は宿を自分だけで経営しているため、かなり腕はいい。彼は待ち人がいたせいで、食欲がわかない・・・ということはなかった。 それを忘れることはないものの、いちいち過剰に気にすることはなかった。 すぐさま部屋を出て食卓へ向かう。 「わあ美味しそう。」 思わずよだれが出そうになる。 そこにあるのはやわらかそうな巨大な鶏肉に野菜の入ったソースをかけたものとサラダにスープ・・・安宿の料理とは思えないものだった。 2人は食べ始める。ちなみにエルフォーグはまだこの料理の名前を決めてないらしい。なぜ私が知っているかは秘密だ。 夕食は2人ながらも温かく始まり、その余熱を残して彼は部屋に帰る。 もちろんエッジの心配も忘れずに・・・ ◇◆◇◆ 「おいこれまた、でかい屋敷だな。」 エッジはすべてを表情に出さないものの、かなり驚いている様子だった。まあこの辺り――高級住宅街は避けて通る――でかい屋敷を見ると無性に腹が立つから――ので見たのは初めてだろう。 それはかなり豪華かつ奇麗な屋敷だった。 「じゃあ入るわよ。」 高級な非錆鉄で出来た格子状の門をこれまた非錆鉄の鍵で開けると、宵闇の火月に照らされる楽園しかしそれは明らかに自然が創った園ではないことは暗闇でも分かる。だが奇麗であることには変わりない。 鍵をかけ直すのも忘れない。 「広い庭だな。」 「いちいち驚かないで。」 平然と言うがそれは結構難しい・・・。 数秒のこと・・・彼にとっては数分、数時間だったかも知れない。だが数秒で建物に辿り着く。 そこは暗黒の海に閉ざされた小さな島のようだ・・・実際は庭の総面積とそれほど違わない広さなのだが・・・。 少女、エリアナは巨大で豪華な黒檀製のドアをさっきとは別の鍵でドアを開けると 「ただいま〜。」 今のエッジには到底出せない気力に満ち溢れた声、その声と同時に家の中の光に消えて行く・・・。 (俺も入ればいいのか・・・。) 戸惑いながらもゆっくりと建物に入って行く。 「どうも。」 廊下を歩いているとここ、リビングに連れてこられたのだが・・・ここもかなり豪華だ。 炎魔獣(ドラゴン)を象った小型の彫刻や女神像のようなものもある。 エッジとエリアナ、それに50代前後の白髪混じりの小太りの男がいる。 「ようこそいらっしゃいました、私はクリーク・ソーディアと申します。あなたのことは娘に聞いてますので・・・。」 (ソーディア・・・この大陸でも有数の武器商人か) 「ところで護衛と言われましたが・・・。」 さすがに口調は変える。 「実は・・・命を狙われていまして・・・。」 遠慮の感情よりも遥かに恐怖が優先して出ている。 クリークが恐る恐る続ける。 「暗殺の予告があり、一応妻は高級ホテルに従者付きで避難させましたが、娘がどうしても・・・。」 かなり今の言動に殺意を覚えるものの、なんとか堪えるエッジ。 「で相手に心当たりは・・・。」 おおありですよねと言いたかったが、やめておいた。 「私に恨みを持つ人など私の全資産の額には及ばないものの、かなりいますね。」 いちいち気に触るようなことを言う。 「とにかく、その暗殺者から必ずお護りいたしますので、前金の方を・・・。」 「あんたねえーーー!」 今まで黙っていたせいで存在すら忘れかけていたエリアナが叫ぶ。 結局、前金は出なかったが、成功報酬は7000と彼にとってはかなりの高額だった。いや多すぎる・・・そんな金あったら・・・。 もはや夜。 屋敷の1室で・・・ (退屈だ。) 「ねえしりとりでもしない?」 (ああまだか。) 「ねえってば。」 「うるさい!第一、何でお前がいるんだ?」 溜めた怒りを放つ・・・この程度でも溜めたといえるのがこの男が短気といわれるゆえんである。 「だってここわたしの家だし・・・。」 「だぁーーーお前ここに暗殺者が来るかも知れないんだぞ。」 「まさか、予告通りに来るわけないでしょ。」 「まあそれはそうだが・・・。」 怒りを押さえ込まれ、さらに続ける言葉も失い、黙り込む その瞬間 「あっ・・・何かいる。」 「はあ?」 態度を戻して疑問符付きの言葉を出すエッジ。 「だからあそこ。」 エリアナはその部屋の外を指す。そこには当然のように広い庭がある。だがそれだけだ。 「何もないぞ。」 「よく見てよ・・・あそこ動いているわ。」 「はあ?」 もう一度見てみる。 ・・・ ・・・ ・・・ いた。 「それにしてもお前凄いな。」 感心したように言う。 「昔のあだなの1つ、猫目のエリちゃんは伊達ではないわ。」 なんじゃそりゃ 「とりあえず行ってくる。」 「えっ、待って!」 付いて来させる気はなかったが、1人にするのも危険なので連れて行く。 向かう先はクリークの寝室、付き添っていてもよかったし、その方がいいのだがクリークは自分の従者のみで就寝すると言って聞かない。 「はあはあ。」 そして辿り着き。 「暗殺者が来た、開けてくれ。」 従者に言い放ち開けてもらう。 そしてすぐさま中に入る。 明かりがついておりクラークがいる。そして背後より黒い影。 「来たか。」 即座に≪剣≫を抜き黒い影に向かう。 影は危険を察知し窓から飛び降りる。ここは2階・・・その高さが判断を鈍らせ・・・ることはなくすぐに飛び降りるエッジと・・・エリアナ。 黒い影はいなかった。 「いないな。」 「帰る。」 「そうだなクリークさんを朝まで見張ることにする。」 ・・・ 時は光をもたらした。夜明けである。すべての闇が火陽の光に消し去られる。 ・・・結局襲撃はなかった。 「本当にありがとうございました。」 感謝と安堵を浮かべてエッジに向けて言うクリーク。 「いえ、やつは逃しましたし、また襲撃が来るかも知れません。」 「そうですな・・・でも毎晩あなたを雇うのはなにかと・・・。」 「いえ気にしないでください。」 「そんなわけには・・・。」 ・・・ ・・・ ・・・ 話は続き、結局エッジは追い返された。 (ったく。) さらに言うと報酬も微々たるものだった。 (勝手に殺されやがれ) そう思いながら高級住宅街を後にする。 ◇◆◇◆ 暗い路地にも火陽の光は射す。だが他者の訪れはない。・・・少年だけがそこにいる。他のどこにも行かずに・・・。 「さてとそろそろ動こう。」 そしてさらなる動きが始まる。 |
22856 | グラッドっていくらでしょうか…… | Yuppy | 2002/10/18 10:11:31 |
記事番号22839へのコメント > 「えっと護衛雇えるくらいのやつだし10000グラッドくらいかな。」 1グラッドいくらくらいですか? ………………ん?グラッド……?(何かを考えている) あっ! グラッド・・・バラムガーデンの訓練施設に棲息する食虫植物。『消化液』は毒の、『催眠ガス』はパーティ全員に睡眠のステータス変化を引き起こす。『吸血』はHP吸収の効果を持つ単体攻撃。ブレイク(ってあったんだFF[にも)またはスリプルが有効なので、後者をドロー(はなつ)して攻撃……というパターンをくり返せば、難なく倒せる。 以上、FF[アルティマニアより抜粋。 (ごめんなさいです) > 爆発――破局か・・・そう思った。 は、破局ぅっ!? > 「おいこれまた、でかい屋敷だな。」 クリーオウの屋敷がモデルですか? >少女、エリアナは巨大で豪華な黒檀製のドアをさっきとは別の鍵でドアを開けると モデルはおそらくクリーオウ……だと思います。 >「ようこそいらっしゃいました、私はクリーク・ソーディアと申します。あなたのことは娘に聞いてますので・・・。」 >(ソーディア・・・この大陸でも有数の武器商人か) ソーディア…………なんとなく某剣が喋るプレステのゲームを連想。ごめんなさい。 >「私に恨みを持つ人など私の全資産の額には及ばないものの、かなりいますね。」 >いちいち気に触るようなことを言う。 なんか、こういう人……すぺしゃるにもいましたね。 >話は続き、結局エッジは追い返された。 >(ったく。) >さらに言うと報酬も微々たるものだった。 あれ?7000グラッドは? やはりFFに感化されているようです。私は。 ではこの辺で。 がんばってください。 |
22857 | Re:1グラッド=100円ほど | ドラマ・スライム | 2002/10/18 12:34:19 |
記事番号22856へのコメント モデル 正解です。(いやすぐ分かるし) 魔術、魔法についてはこの先分かってくると思ひます。 それでは〜(3,4まとめてレスレス) ありがとうございます〜 |
22859 | Re:オリジナル! | エモーション E-mail | 2002/10/18 23:24:40 |
記事番号22839へのコメント こんばんは。 オリジナル発表、おめでとうございます。 「オーフェン」をオマージュにしているんですね。 あちらこちらに、モデルがちらほらいて、思わずにやりとしてしまいます。 今のところコメディ路線ですが、シリアス路線への気配がひたひたと……。 さあ、どうなる? というところですね。楽しみです。 最初にでてきたグラシャラボス(?)さん。 舌噛みそうだと思いましたが、略して「ラッシー」に爆笑しました。 私の脳内では、それがどんどん変形していき、「パトラッシュ」になってます。 そういえば、文無しでしたね、あの名作の主人公も……。 ところで、クリークさんって「暗殺者」捕まえなくて良いんでしょうか? 普通はこの手のって一日いくら、じゃなくて「捕まえたらいくら」の報酬だと 思うのですが……。 それとも、この世界での護衛の報酬って、ノリとしては現代日本で探偵を 雇うようなものなのでしょうか?(確か、基本料金は一日いくら、だったはず……。 あと着手金と、必要経費) では、今日はこの辺で失礼します。 |
22864 | Re:オリジナル! | ドラマ・スライム | 2002/10/19 10:31:22 |
記事番号22859へのコメント >今のところコメディ路線ですが、シリアス路線への気配がひたひたと……。 エネルギーがなくなり次第シリアスに変わります。 >ところで、クリークさんって「暗殺者」捕まえなくて良いんでしょうか? >普通はこの手のって一日いくら、じゃなくて「捕まえたらいくら」の報酬だと >思うのですが……。 >それとも、この世界での護衛の報酬って、ノリとしては現代日本で探偵を >雇うようなものなのでしょうか?(確か、基本料金は一日いくら、だったはず……。 >あと着手金と、必要経費) 7000グラッド(約70万円)が惜しくなったので別の人を雇うことにしたのでしょう まあこの辺いい加減に書いたので変なところもあるかもしれませんが・・・ レスありがとうございます。 読んでくださっただけでもうれしいのに・・・ それでは〜 |
22871 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:5章:消えて・・・ | ドラマ・スライム | 2002/10/19 23:07:18 |
記事番号22835へのコメント 何を殺したか、本当に殺したか、彼の頭の中で爆発が規則的に繰り返され何かが飛び散る。 彼は記憶を掘り返した。いや実はそれは埋めようとしていたのをそう錯覚していたのかも知れない。 記憶は在った。それは消えることはない。だがそれを掘り返すことは出来ない。彼のすべてが拒絶する。 炎・・・それが見えると記憶が奥底にまで落ちてゆく、そして彼の頭に爆発が起こる。それは全身を焼いた。 それは一瞬のうちに何度も起こる、まるで時が刻まれていないのかように・・・。 彼は永遠にその炎に焼かれ続ける。 永遠などないのだが・・・。 永遠。彼が創り出した不完全で限りのある永遠。 いとも簡単に崩れる硝子の幻想・・・。それが彼の永遠の弱さと美しさを現すには最適だった。あくまで彼の中では・・・。 永遠は続いたか焼ける硝子の永遠は、すぐに消えるだろう。それには限りがあるから・・・、簡単に終わりが来るから・・・。 硝子は崩れゆく、炎に焼かれつつも永遠を保とうとする、不変であってなによりももろい硝子は・・・。 そう何よりも弱くそれでいて鋭利で強力な震え、彼のすべてを癒し、すべてを破壊する力ある震え・・・。 これは言葉だった。 唐突に投げかけられた言葉・・・彼にとってはそれが聞き取れなかったため声の方が適切だっただろうか・・・。 とにかくそれが永遠の破滅だった。 そして救いでもあり、地獄への導きでもあった。 (そーいや地獄って何だろう。) 彼はそう思うも突然思いついた言葉よりも、投げかけられた言葉の方が大切・・・だと思った。 「どうしたのティア。」 彼はすぐに言葉を返した。恐らく彼だけはそう思っていただろう・・・一瞬の永遠から帰還した彼には・・・。 「いえ、何でもない。」 儚い声・・・それが正しいか・・・だがなぜ儚い? 声が小さい・・・硝子の如く綺麗な声だ。 彼とはさほどの年齢差もない、1つ上だが・・・。 布製のオレンジと白の入り混じった服、長めのスカート・・・彼女、ティアの最も主な私服だった。お気に入りだろうか・・・さほど派手さはなく、むしろ地味から数えた方が早い・・・。 顔は幼さを残しており、可愛げがある、まだ16なのだが・・・。 彼にとっては友人の1人だった。姉でなければ、特別な好意もない。 ただの友達の1人だ。 前者は血の繋がりがないものの存在はしてるし、近くにいると言えばいる。 後者はいないが、求めているわけでもない。 どちらかと言えばおとなしい彼女はその後黙った。それでも優しく眺めている。 校舎裏の風は心地がいい、草は風にあおられ優しく揺れ、乾いた音を立てる。 彼はまた永遠に還ろうとしている・・・いや飲み込まれそうになっているのか。(恐らく後者だろう) それはすぐに救われた。 「こら、何黙りこんでるのよ。」 声が響く・・・本当に響く。 はっきり言って (やかましいわ〜!!) だが口には出さない・・・いや、出せない。脅えている・・・。それでも慣れたつもりだ。・・・この姉には。 「もう昼休み終わるわよ」。 絶対的な声・・・。 「分かったよ。」 校舎――小さい――に、向けて姉の後をわざとゆっくり目に歩く、ティアは後から来るだろう、授業をサボるようなことはないだろう。 姉は違うだろうが・・・。 (自分はよくサボるくせに他人にはうるさいんだよな。) 姉に導かれるが如く彼は校舎へと入った。 この学校は1階建てで広くもなく奇麗な建物とは言い難い。・・・少し後の方にそびえ立つ、大陸西部の魔道士達の最高峰、≪霧の塔≫とは違い。 あそこはここの生徒の誰もが忌み嫌っていた。・・・全生徒と言っても、3教室、19人と多くはないが・・・。 彼はその中でも最優秀・・・いや別格である、魔道士ブレイドの教室に所属していた。このクラスに入って6年、いや7年だろうか・・・、彼は8才の頃に孤児院よりブレイド当人より連れて来られた・・・。 魔道士としては優秀だった。一番の力を持っていたのが教師ブレイド、その後に他の2クラスの教師――名前など忘れた――が続くわけだが、その後はブレイド教室がほぼ上位を独占するだろう。 最年長の兄アーレス、彼の姉であるフレア、彼の友人ティア、彼の妹アティ、ブレイド教師の放浪癖を習ったのではないか言われているライド、彼・・・そして彼の最高の親友であったエド。 彼の姉フレアは天才的だった。魔法という不安定なものを使いこなす才能は凄まじかった。・・・だが教室最強の生徒と言われれば誰もが様々な知識を見に付け格闘術と魔法の双方に長けた兄アーレスを差すだろうし、最強の魔道士と言われれば誰もが≪硝子の瞳≫と呼ばれたティアを差すだろう。さらに別教室には魔女がいたが・・・。 彼ジェイクリオンは魔道士としては申し分なかった・・・が天才的な姉と女友達の足元にも及ばなかった。 ジェイクリオンは刃を教えられた。師の腕からかかなり上達した。 ジェイクリオンは特にエドと親しかった。実をいえばその名で呼んでくれたのはエド1人だった。 ・・・エドは・・・死んだ。理由は彼が一番よく知っていた。 そう思い出すのも恐ろしいほどに・・・。 その夜 「・・・まさか君がそこまで思いつめているなんて・・・。」 声はそう若くもないが老いるにはまだまだ遠すぎる・・・30代半ばの男、赤味のある茶髪の男、屈強な肉体を持ち、大魔道士とも呼べる器を持つ・・・そう呼べるような・・・だけだが。 彼こそがブレイド、≪霧の塔≫のどんな教師よりも素晴らしい魔道士だ。宮廷魔道士にも匹敵するのではないかと噂されることもある。 「・・・正気か。」 彼はとてつもなく驚いた表情だが、それは作りものに過ぎないだろう・・・彼はよく知っていた。 「・・・分かった。」 彼は許可を出す。かなり早い答えだが、本当は初めからそのつもりだったのだろう。 つまり答えが返るのは遅すぎた。・・・早い遅いはどうでもいいのだが。 「これを持っていけ。」 刃・・・違った。グラッド鋼製の刀身に柄のグリップにはめ込まれた赤茶色の石。それがこれが何かを明白にさせていた。 そう・・・剣≪ブレイド≫である。 ・・・刃≪エッジ≫ではなく。 そして彼は去った。見送りは寂しいものだった。 彼の眼には涙はなかったと彼は記憶している。 ◇◆◇◆ 「魔法っていうのは人間の使えるものじゃないんだよ。」 彼はよく言っていた。 異次元への干渉→魔法効果のイメージ→魔法の精神による制御と発生による放出。人間種族にはそのすべての能力が先天的に欠けていた。 干渉については≪杖≫の力により解決され、イメージについては特殊な呪文を唱えることにより、その効果を助けることが出来た。 だが問題は制御と放出である。これは訓練である程度コツを身に付けるしかないが、それでも完全にバランスのとれた形で制御し放出することは難しい。発生にもタイミングが重要だ。 さらに質は悪く、高い効果は期待できないしバリェーションにも乏しい・・・。魔法は人間のものではない。それは事実なのだが。 彼は親友にそれをよく言っていたが相手にはされなかった・・・。 あまりに異常な考えだったからだ。詳しいことは言わなかったがそれは紛れもなく、あれのことを言っていた。そう魔術である。 詳しいことは告げずに彼はこの世を去った。いや追い出されたのだろうか・・・そう親友の手により・・・。 これで彼の夢は断たれた・・・。愚かな夢は・・・。 エド=エヴァーグリーン・・・ここに眠る。 純白の墓石・・・奇妙なまでに汚れのないそれはこの校舎裏に在った。 風が校舎裏の草を揺らし駆け抜けてゆく。 この日の空は灰色だった。そしていつもよりも濃い霧が漂っている。だが世界はむしろ明白に分かる・・・この目のお陰で・・・。 墓は虚ろだった。 意味としては正しいだろう。 ◇◆◇◆ この地方はどうしようもない田舎だった。今でもそうだが、しかしこの街は違う。活気に満ちた商人達の街はたちの街は・・・。 「えー今から60年ほど前、この地方に王都よりの旅人が来ました。・・・ここは彼の思いの通り、田舎でした。 これはこの貧相な地域で過ごしました。彼はけして裕福ではなく貧しい人でした。 しかし彼は大発見をしました。ここの地方の村人が誰も見つけていなかった。 そこは村人達には≪禁断の地≫と呼ばれていました。その理由はよく分かりませんが、そこに彼が足を踏み入れました。 なんとそこは大鉱山でした。そしてそこには素晴らしいものがありました。 そう・・・鉱石。その鉱石を見つけた彼は一躍大富豪となりました。 そう彼の名があの有名なグラッド氏です。 そしてその鉱石は今、世界中で最も偉大なものつまり、グラッド鉱石なのです。頑丈な刃の材料になったり、建物を造るときに大切なあのグラッド鉱石です。」 この男は熱く語っている。一段高い教壇から見下ろすようにして、そう彼は教師である。名前はジャン。歳は30代・・・確か33だったろう。 その言葉を教室の最後尾で聞き流している少年がいた。 少年、アルフは授業が終わるのをずっと待っていた。終わるのは11:50分、今は11:20分である。この授業が終われば帰れる。帰ればエッジが刃を教えてくれる。 ただそのときを待つだけだった。だが・・・。 「こらそこ!」 虚ろな表情をしたアルフに向けて鋭い声を発するジャン。やる気がなさそうな顔をしていたのは事実だが・・・。 「はははっ何サボってんだよアルフ。」 「ははは・・・。」 「ははは・・・・・。」 「ははは・・・・・・・・・・・・・・。」 嘲笑うような声・・・アルフは無視した。 アルフの席は最後尾の隅っこである。後はよく目立つというが、実際そこは教室の最後尾の壁と暗いカーテンで表情など分かるはずがない、誰かが分かったとしてもそれは熱心に授業をしているここから教室内で最も離れた教師ではないだろう。 だが仕方なく彼はノートを取った。 授業が終わって・・・ 生徒たちは学校を後にする。思えば昨日に比べるとかなり数が多い・・・昨日は休日だったので当然だが・・・。 彼は我が家にいやエッジの元に一目散で向かっていった。裏通りにしてはひらけたところに位置する校舎を抜けて・・・。 (どうせまだ寝てるんだろ。) 心で呟いた。彼は答えを知らないが・・・。 (今日こそは教えてもらうんだ。) がんばれアルフ 負けるなアルフ ・・・何言ってるんだ私は ◇◆◇◆ 「ったく早起きもいいもんだな。」 11時過ぎに起きたのを早起きとは普通は言わないだろうが、朝の7時頃に宿に帰ったのだから、微妙ではあるが・・・。 「ちょっと出かけてくる。」 1階に降りてそこにいる壮年の男に眠たそうに一言。 「だが、家の子に刃を教えるとか・・・。」 それを気にしているのだろうか・・・。 しかし彼、エッジとしては教える気は全くなかった。 「ああ、適当な時刻には帰る。」 適当に言い放ち、適当に建物の外にでる。なんとなく後を振り返ると、店のやたらとこの路地に不釣合いな小奇麗な入り口、上を見上げれば≪ホテル・アドバーグ≫と書かれている。外見に不似合いな名前だ。 まあそんなことは気にせずに散歩へ向かった。 火陽玉(えんぎょく)の日、・・・気のせいかも知れないがいつもより天にある火陽玉が輝いているように見える。裏通りに差す火陽の光もそう感じられなくもないだろう。 今日も来るのか・・・そう頭に浮かべながらも恐怖はない。まあ昨日のあいつが来るのは少々困るがけして嫌ではない。 いろいろなことが頭に浮かび消えてゆく、まるで表通りを行き交う人々のように・・・ここは裏だが。 「うわーーーー。」 「きゃーーー。」 何やら月並みな悲鳴が聞こえる。悲鳴自体月並みではないのだが・・・。そのことに気付いたのは一瞬遅れてだった。 エッジは寝耳に水をかけられたように驚き、そして今起こっている事態の予想を立てた。 悲鳴=何かひどい目にあっている=助ければ感謝される=報酬をもらえる。 (決まりだな。) エッジは声の方に走った。 声の方向はすぐに分かった。 (まさか2日連続ってことは無いだろうな) 声の方向はまさに表の方だった。 急いで向かう。 (またかよ。) エッジはため息を付く。 借金取りが出て来る。 「金は出来たか。」 「悪いな。」 実際少しは持っていたが、渡す気はなかったし急いでいた。 即座にかわして、そのまま走ると 「わはははこの天下の英雄ニキータ・ガトリング・マシンガン様が貴様に引導を渡して・・・。」 「邪魔だどけ!」 突然正面に出て来た小さな借金取りを吹き飛ばし加速を続ける。 表には昨日と同じ光景が広がっていた。ただ違うのは怪物が複数になっているということだった。さらに人が目減りしている・・・避難したのだろう。怪物は昨日のものとさほど変わりがない。少し粘り気が強く思えたが・・・。 (ちっ1匹でも勝てなかったのに・・・) だが諦めては金が入らない。倒してお金をもらえるのかと言えばそれも疑問だがエッジはもらえると思い込んでいるようだ。 しばらく怪物を見つめる。 そして剣を手に立ち向かう。 (これは剣だ。切れるはずだ。) 思い込ませる。 だが (どうなってるんだ。) あっさり弾き返され地面に後から激突する。 (魔法・・・もう1回やってみるか・・・。) ◇◆◇◆ 「まったく今日も逃げたりして。」 彼アルフは昨日と同じように外に出た。 そして昨日と同じようになんとなく表へと向かう。 最もここから近い表部分へはしばらく歩けば辿り着く。10分ちょっと・・・か。この広い街の中では遠くはない方で、むしろかなり近い。 そして10分ほどたった。つまり表に着いた。他の誰にも会うことなく、そこで見つけた。 「エッジ何してるの。」 声をかけてみる・・・反応はすぐに来た。 「ライト・ブレイク!」 そう反応は凄まじい白の光だった。それは辺りを覆い、眩き世界を創り上げる・・・そして世界が消え去りそれが終わる。 アルフは何をしているのかさっぱり分からなかった。 だが浮かぶ単語は1つある。 ・・・そう魔法である。 魔法。 「エッジが魔法を使ったぁー!」 使った理由やその答えである怪物にはまったく気付いていなかったようだ。 ・・・アルフは驚きの渦の中で思考なく、ただ呆然としていた。 ◇◆◇◆ そこには今もそれだけがあった。 「ふふふ。」 不気味な笑みを浮かべる少年。 彼は向かっていた。 それは静寂の中で・・・ そしてその区画から彼の気配が消えて・・・。 久しぶりにそこは無人と化す。 |
22883 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:6章:殺した | ドラマ・スライム | 2002/10/21 13:03:35 |
記事番号22835へのコメント 光が押し寄せる。それは白の世界創る光だけが覆う・・・すぐに消える薄氷の如き不安定な世界・・・薄氷は崩れれば暴走する・・・それがどの程度の暴走かは事態により変化する。 それは魔法である。不安定な力、人間の使う力に安定などない。それが人間に与えられた力の代償であると考えるものもいる。 事実そうかも知れない。・・・そうならば魔法はその代表格だろう。 不安定だが強力な力。それが魔法だ。 安定した力・・・魔術・・・それは禁断である。理由は知らないが・・・。 光の魔法はその区画を覆った。・・・被害はない。 それは破壊魔法などではなかった。破壊魔法のストックも一応――今は使おうとしても使えないだろうから――あったが、・・・それならば確実だろう・・・。 彼が使ったのは昨日と同じ・・・だがすべては大きく違ったが・・・。 そう・・・成否の差は遥かに大きい。それが1つの運命でもある。 そしてそれは成功した、今の彼の状態から言えばかなり幸運だっただろう。 ライト・ブレイク・・・広範囲型の魔力分解魔法である・・・。そうその場にある異次元からの力を分解させ魔法を防ぐものである。 本来、怪物相手に使うものではない。この大陸で怪物や魔物と呼ばれる精霊獣が使う、霊術を魔力分解で防ぐことは出来ない。 彼が魔力分解を使った理由、まず破壊魔法よりも使いやすい。もちろんそれだけでは何の理由にもならない。 そう考えたのは、この怪物が魔法生物かということだ。精霊獣は人の領域をまず侵すことはない。犬や猫など愛玩用になっているものもいるが・・・。 魔法で造られた生物なら魔力分解で消し去ることが出来る。 そしてそれも成功していた。警備官や昨日の少女が来ることもなく、彼が怪物を自分の手で倒したのだ。 これはもう礼金たっぷりだな。 (よしこれで1週間は贅沢にいけるな) 結局まとまった金銭が入れば、すぐに消えてしまうのが人の性。しょうがないのだそれだけは・・・。違うのかな。 とにかく事件は解決された・・・昨日のことを考えるとまだ続く可能性もあるが・・・。 (それなら、なおさらいいことだ。) つい口元が歪み、笑みが漏れる。これも人の性だろうか・・・。 彼、エッジがその後ふと我に返ったのはすぐだったが、彼には実に充分な時間だったかも知れない。 ・・・目撃者は? ・・・いない? ・・・やばい誰かが証言してくれないと ・・・ごーじゃすでりっちでぐれーとな計画が ・・・ ・・・あっいた! 「おい、アルフいいところに来たな。」 裏路地から少し出たところで彼はどうやら両足を前に出して座っているようだった。表情は何やら動揺、その他が含まれていた。と言うよりそんな感情に支配されていた。 エッジは親しみのある友人――事実似たようなものだが――に対しての笑顔を見せながら近寄る。 「あっああっ・・・。」 思わず謎の言葉を口にして少年は後退りを始める。そのまま裏路地に入って行く。 「どうしたんだよ。」 後をわざわざ同じくらいの速度で追うエッジ。 「あっああっあああ。」 意味不明の言語を呟く少年、アルフ。 「アルフ、お前実は宇宙人だろ。」 その言葉がアルフの耳に届いた直後彼はクエスチョンな表情を浮かべた。 (宇宙人って何だろう?) そんなことはどうでもよかった、はずみで意味不明の言葉を発するのは人の性・・・じゃないな。彼の特長であった。 「あああああ。」 「いい加減にしろ!」 ついに耐えかねて怒りを吐き出す。 「あああーーー。」 「いい加減にしろ、と言ってるんだボケ!!。」 「あああエッジが魔法を使ったーーーーーーーーーーーーーーーーー。」 「はあ、そんなことも知らなかったのか。」 その後アルフは即座に卒倒する。 ・・・そのとき気付いた。確かに言わなかったな。 「起きろーーー!!」 怒鳴りかかって拳を打ち込む。 「ぎゃああああ。」 飛び上がるように起きる。 「なにするんだよ。」 明らかに不満気なアルフ。 「いいか、俺はここを荒らした怪物を退治した。それは事実だ。」 「へえ。」 初めて知ったような表情のアルフ。 「だが、それには証人がいる。それをお前に頼みたい。」 「でも証明する必要あるの?」 ?マークを浮かべる。 「・・・金だよ。」 小さく呟く。 「本当にもらえると思っているの。」 普通な感じで返してくる。 「押しだよ。押しの強さがすべての命運を決める!」 やたらと胸を張って言う。その顔は自信に満ちている。そして目は輝いている。・・・黄金色に。 「さてと待つだけだな。」 「そだね。」 1人は表通りに都合よく置いてあったベンチに腰掛け時を待った。 ・・・ ただ無意味に時が流れる。時というものは大変貴重な存在だ。ただ在るが、それは過ぎゆき、還る事はない。 ・・・ 「あった誰か来たみたいだよ。」 その声に反応し、一瞬で適当な方向を向く・・・がいない。エッジの向いたほうこうは大きな道だった。その方向が違うと分かり、アルフの向いている方向を察知する。 そこは見当違いの方向だった。普通に見れば、何も気にとめることがない場所だが、確かに路地入れる。 エッジはそこに人影を見つけた。 「なんだと!」 いきなり声を上げる。怒りとは少し違う、派手な驚きだろうか。 「どうしたの?」 少し遠慮気味に訊ねる。 「予定が変わった。金はお前が受け取れ!」 かなり強い口調で声を放つ。 「えっ?」 「頼んだぞ。」 有無を言わさずただ走りゆく。その後姿をアルフは呆然と見ていただけだ。 (そんなはずはない。) (在り得ない。) (見間違いだ。) (絶対にだ。) そんな言葉が浮かび上がる。そして風に流されてゆく。 エッジは走りながらそれを繰り返していた。 裏路地へ入り、狭い中を駆け抜ける。ぎりぎりのところで人影は見失っていない。 (そんなはずはない。) (人違いだ。) 繰り返される誰にも届かない叫び。風にすら実は触れてはいない。 路地には火陽の光と鋭い風だけがそこに在った。 ◇◆◇◆ それは炎だった。何度でも繰り返される。永遠に繰り返される。 それは記憶だった。 忘れられない記憶・・・悪夢。 いやそれは現実として叩きつけられる。 そう罪。 「ジェイクリオン・・・ついにこの日が来たようだね。」 少年の声は今だそこに響く。 ◇◆◇◆ 1つの部屋、けして狭くない。いやかなり広い。広すぎる上にやたらと豪華だ。 エリアナ・ソーディアは退屈だった。母のいる高級なホテルの1室で常に護衛の従者に見張られていた。 (父さんたら心配性なんだから) ほぼ監禁――いや軟禁か――に近い状態だ。そのそれと言われても不思議でも何でもないように彼女は思っている。 「こらっエリアナ、少しは落ち着きなさい。」 同じ部屋にいる母が叱り付けるように言った。 「でもこんな狭い部屋じゃあ・・・。」 「これが最高の部屋なのよ贅沢言うんじゃありません。」 (・・・そういうつもりじゃないんだけどなあ。) 母は理解していないだろう。いやしたとしてもそれは理解にはならないだろう。 彼女はそんな人種じゃないのだから、それを決めたのは自分なのだから・・・。 ◇◆◇◆ 「私に御任せください。」 冷たい声・・・そんな声だ・・・最も機械的――この大陸で機械と呼べるものは非常に不安定なものだが――でかつ人間的な声。 「私の財産の一握りくらいの期待はしているよ。」 そこは豪華な屋敷の1室だった。豪華なソファーに座る老人1歩手前の男と、奇麗な椅子に座るしっかりとした銀鎧の青年。顔もかなりいいほうでその輝ける金色の頭髪は非常に似合いすぎていた。年齢は20ちょっと手前ほど、やや華奢だがそれでも均整の取れた素晴らしい体付き。落ち着いた物腰もなかなかいい。 ただ目は虚ろだった。虚ろと言うより自我を持たないような意思はあるが自分のためには使わない。人間性に欠けている。 ・・・そんなことはどうでもよかった。 とにかくこれがクリーク・ソーディアの新しい護衛だった。 ◇◆◇◆ 彼は走っていた。痛みが伴うがそれは簡単に無視できた。しかし風の重みは確実に重荷へとなって行く。だがそれは自分だけだ。彼は例外のようだ。 ・・・自分が追っている彼は。 呼吸が荒くなる。体の機能が停止を求め、彼に牙を剥く、体力的には限界だ、精神が何とか保っていると思えるが、人間の精神など疑わしきものだ。実際は残る体力を振り絞っているのみ・・・。 ・・・すぐに墜ちる。 自分の体の重みと苦痛を感じる。それでも走るが・・・限界だ。 そこで終わった。 彼は止まる息を切らせて・・・。 どれだけくらい走っただろうか・・・。実はそうも長くはないと思う。 かなりの速度で走った。・・・それがそうも長く続くとは思えない。 彼の体は・・・いや今酷使した体の部分は動きを止めた。だが全身が止まったようだ。 そしてまともな思考が戻ってくるのは少し後のようだ。 (ここはどこだろうか。) この街のすべてを把握している者など、そうそういまい。必要なのは自分のすむ区画とそこへの道を出来るだけ多く。後は表くらいだ。 だがそれでも彼はそこを知っていた。 (記念像・・・グラッド・グレイブスターか。) この街に住む人間・・・いや大陸中の常識を持つすべての一般人なら知ってるはずだ。 奇跡の大富豪・・・そうグラッド鉱石の発見者。さらに大陸共通通貨の名前にもなっている。・・・あれは確かグラッド鉱石の方からだったが・・・。 (どちらにしろ同じだがな。) どうでもいいことを呟いたと自分でも思う。 そう今はそんなことを考えているひまはない。・・・と思った後それも間違いだと気付く。 どうせ動けない。何を考えようと変わりはない。 そしてそれは自分に過去を思い出させる機会でもあった。 それを思い出そうとするのを必死で制御する。・・・もちろん効果はない。それを遮ろうとしたならば、すでにその記憶は蘇る。 (やめろーーーー。) それが誰に向けて言ったのかは分からなかったが、この世界の住人ではない。 声にならない叫びは、存在することのないそれに向けて放った。 ・・・それは自分自身にだ。もう存在することのない。過去の自分。終わった自分。 そしてそのすぐ向こうに炎・・・その中には存在しないはずの過去の親友。 存在しないはずの・・・そうしないはずだった。 (いや違う。) (存在するはずがない。) (たとえそこに在ったとしても) (それは在り得ない。) (それ・・・。) (絶対に・・・。) (いや・・・本当に絶対か。) また繰り返される。 それは真実を見るまではやむことはないだろう。 けしてやむことのない。言葉の雨。 (そういえばあの日はどうだったか。) 無理に考えを変えようとする。 あの日は雨だった。 そしてあの日は・・・・・雨だった。 思い起こせばどちらも同じ日だった。 (2度の雨の降る水の日に俺は変わった。) そして雨の日に燃え上がる炎を見た。 今まではよく思い出せなかったがそれは雨の日だった。あの日が真に俺を変えた日。 あの日の昼休み・・・雨が降っていた。 (なのになぜ俺は外に?) どうでもいいことだ。そう思った。 今日は晴れている。これでもかというくらい晴れている。 (俺は殺してしまった。) ふと違う考えが頭をよぎる・・・。特に違わなかった。 すべては同じなのだから・・・。連続して同じ日にいや同一だったか。 考えの内に・・・体が調子を取り戻した。 そして・・・ それはゆっくりと・・・ 姿を・・・現した。 「・・・久しぶりだね。」 現れたのは少年。 自分の体は震えている。その少年を見てそうなった。・・・恐怖。 そう幽霊(テラー)にあったかのような。実際そうかも知れない。その確率の方が遥かに高いし、その方が断然いい。 しばらくして返答した。恐怖を振り払ったわけではない。 それに耐えてだ。 「久し・・・ぶりだな・・・エド!」 震えていたが声にはなっていた。 「覚えてくれるとはね。」 「あれで・・・忘れられるかよ。」 調子を徐々に取り戻していく。 「・・・君が殺したんだからね。」 そのとき凍るような悪寒が駆け抜けた。 殺した・・・。 確かに殺した。 俺が・・・殺した。 |
22884 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:7章:魔術 | ドラマ・スライム | 2002/10/21 13:06:51 |
記事番号22835へのコメント 殺した・・・。 そう殺した。 それは偶発の事故であったと言える。それが正しいのかも知れない。 (俺の魔法が暴走した?) 確かにそうだったかも知れないが彼にはそれが目的だった。意志が親友を殺した。 即席のくだらない意志が・・・。 (俺は殺した。) (それは認める。) (ならばなぜここにいる。) (・・・殺したはずの。) (・・・エド。) 幽霊(テラー)なのかとも思う・・・その確率は遥かに高いし、その方がずっといい。 だが絶対に幽霊(テラー)ではない。 彼はそう確信出来た。・・・根拠などない。それを確信とは言い難いだろうが、確信だ。 「久しぶりだねジェイクリオン。」 別にこの返答はその確信と関係ない。幽霊(テラー)は記憶を読む。記憶は自然なもの、魔法が記憶を司ることも不可能ではないだろうが、実在するもの力を使うのは霊術の方が遥かに勝手がいい。 彼の師である魔道士に教えられた。 幽霊(テラー)を充分厄介な存在である。しかし彼にとってはそれはさらに遭遇したくない存在だった。 幽霊(テラー)は確かに厄介な精霊獣だが、人の手に負えないものではない。それもそうなのだが彼はそれにはけして遭遇したくなかった。彼だけではないだろうが彼が最もだろう。 殺したのだから・・・。 それを・・・。 「魔法が使えたようだね・・・安心したよ。」 滑らかに言葉を進めてゆく・・・。相手を嘲るような口調だ・・・。 「俺は全然安心出来ねえんだがな。」 「まあ無理もないよ。・・・君は」 「てめえ。」 完全に挑発に乗っている。彼は自分でもそれは気付いている。 そして怒りを浮かべてはならないように思えてくる。 「僕を殺したんだ。」 「くっ。」 彼は堪えた。堪えていく内に何を堪えているのか分からなくなる。錯覚のようなものにも陥った。 風と光がそこを支配している。思えば湿気も・・・。 乾いた風が湿った地面の上を駆け抜けそこに対峙している2人を火陽の光が照らす。今さら言うことでもないが・・・。 そんなことを考えながらも彼は1点を見ていた。彼と対峙している少年を・・・。1点というがその視線は絶えず移動している。しかしその目を見ることは出来ないようだが。 「君は殺した。」 (殺した。) (殺した。) 殺した。 それが連続して浮かぶ (やめろーーー) 頭の中の叫びは誰にも届かない。誰にも救われない。 殺した。・・・何よりも逃れたい事実。 罪人(クリミナル)。・・・それが浮かぶ。その名を名乗るつもりだったが・・・結局名乗るべき相手には名乗れなかった。 どうでもよかったが、今はそうは思えなかった。 (結局逃れたかった・・・か。) 「君は殺した。」 「何度もうるせえな。」 その声は怒声だったが・・・完全な怒りではない。悲しみ、罪悪感、憎しみ、迷い・・・ためらいも・・・。 「僕を殺した。」 少年はその言葉を繰り返す。彼の頭の中も大して違わないだろうが・・・。 そして・・・ 「君は僕を殺したそれを消し去ることは出来ない。」 彼は口を閉ざされた。物理的にではない。精神的なものだが、それは自分の意思がやったことだ、精神攻撃・・・などではない。 精神? それはこの世界に存在するものなのだろうか、分からない・・・。分からないがどっちでもいい。 どうでもいいのだそのことは・・・少なくとも今は・・・。いや今がもしかすればその答えが一生で最も必要とされていたのかも知れない。 彼はそして・・・。 その手には≪杖≫。 けして剣ではない。 これには少年はどう思うか。 ・・・ ・・・ ・・・ この間は・・・。 ただ何もしていないのではない。少年には分かった・・・。 だがこれは普通の時間ではない。彼は・・・衰えていた。・・・知識だけは残っていたようだが、衰えはあまりにも大きかった。 それがこの間を生んだ理由。彼にも少年にも分かり切っていること だがあえて少年は待った。 「炎の舞よ。」 呪文が響く。 少年は・・・笑っていた。 「君が使うとはねえ・・・あの時の・・・。」 「フレア・バースト!」 荒れ狂う炎の嵐が少年を飲み込む。それは5年前の光景に酷似していた。だがすべてが違ったが・・・。まず雨が降っていなかったし、もっと広くて自然的なところだった。 そして両者の立場も何もかも違った。炎の威力は5年前を遥かに上回っていた。 「暴走・・・したね。」 そう、彼の放った魔法は精神集中が上手く出来なかったためほぼ無制御状態で放たれた。暴走した魔法を放つのは自分の命を危険にさらすことでもある。彼が無事だったのは奇跡だろうか。・・・魔道士は奇跡を信じないが。 炎がうごめき、少年の体を焼き尽くす。その中から声が聞こえる。・・・それは声にならない小さなものが最初に聞こえ、そしてやがて言葉が聞こえる。 「そう僕を再び殺せば過去は消せなくとも逃れることは出来る。・・・だけど君は剣を使うことも出来た。・・・でもなぜ魔法を選んだんだい。」 「・・・くっ。」 彼は答えられなかった。答えはない。なぜそうしたかは分からない。 そしてそれ以上に彼には考えを支配させられるものがあった。 (なぜ・・・) 「疑問を持っているようだね。」 「当たり前だ・・・。」 その返答は今の状況には合わない。不自然なものだと彼は思った。 少年は笑みを浮かべている。 「僕は力を得た・・・もう同じ魔法では死なない。」 「なぜ生きている!」 両者の言葉はほぼ同時だった。言葉が終わるのが・・・。 「それも力さ。」 笑みをいっそう強める。嘲笑の限りなく直前で笑みを崩す。 「うそを付くな!」 彼はいつの間にか強気に戻っていると自覚する。自覚したことがためらいを生む。 「本当だ、僕は力を得た。」 「いくら力があったとしても死者は蘇らない。」 先ほどに比べると少しは口調が弱まっていた。 「僕を殺したやつの質問にいちいち答える気はないね。」 高熱の氷が心臓を・・・貫く。そんな感覚だった。 死者が蘇るはずがない。だが5年前の姿で少年は現れた。あの時もし生きていたとしても同じ姿を保つことは不可能だ。たとえどんな魔法を使おうとも・・・。 「僕は力を得たのさ。」 すでに彼は反論出来なかった。口を開こうにも震えがそれを邪魔する。動くことも出来ない。ただ5感はむしろ過敏に働く。 「そう魔術をね。」 魔術・・・禁断の力。 「ジェイクリオン・・・5年前も言ったね・・・魔術は禁断ではないと。」 明白ではないがそんな記憶もある。 「魔術は人間のための魔法なんだよ。」 「そんな・・・ことは・・・どうでもいい・・・何しに来た!」 その声は激しく震えていた。 「君の力が借りたい。」 「ふざけるな!」 彼は震えに抵抗し、剣を抜き取った。 「くっ強いね君は・・・やはり役立ちそうだ。」 少年の声を無視して彼は拒絶に逆らい突っ込んだ。 剣の振り下ろされる。 「甘いね。」 少年は紙一重でかわし足を払う。彼の体が中を舞い落下する。彼は空中で体勢を立て直し、着地するがその瞬間に強烈な蹴りを喰らい転倒する。 「最強の剣士だった君も感情には勝てないようだね。」 そう・・・その通りだった。冷静に戦えば勝てた可能性も高い。 「僕は君が来るのを待っている。僕達の師のもとで・・・来るか来ないかは君の自由だ。」 「ぐっ・・・。」 「最後に見せてあげるよ。」 少年は言葉を切って即座にまた発する・・・それは・・・。 「シャイン・ソニック!」 少年は・・・消えた。≪杖≫も呪文も何もない・・・ただ放出発声のみで転移の魔法を使った。 ・・・転移など彼の師でも使えなかったのに・・・。 魔術・・・その力を彼は目の当たりにした。 ◇◆◇◆ 「ぐっ・・・助け・・・。」 「私は悪人にかける情けなど持ち合わせておりませんので・・・。」 冷たいセリフ・・・極寒を思わせるその言葉に震える・・・黒ずくめの男。 「貴方を雇われた方を教えていただけないでしょうか・・・。」 虚ろな瞳が黒ずくめの男を凝視する。 男は何かを聞き取るとそのまま去っていった。 銀鎧の男・・・闇に生きるものすら超越し・・・。 「貴方のお命を狙いになった方が判明いたしました。」 「おおそれは誰だね。」 「グラウディス・ソーディア・・・。」 「何っ私の弟がっ!」 「そうです。」 「まあとにかく報酬を出さんとな・・・。」 「ええ、彼に合わせていただきましょう。」 豪邸の1室で会話が続く。 |
22885 | 黒き刃の大暴走記1:我が過去の罪:エピローグ | ドラマ・スライム | 2002/10/21 15:06:55 |
記事番号22835へのコメント (待っている・・・か。) (行く・・・のが俺のためだよな。) (償い・・・になるかは分からんがな。) 夕刻 「もえらなかっただと!」 怒鳴り声が裏路地の小さな安宿に響く。 「そんなこと言われても・・・。」 申し訳なさそうに答えるアルフ。 「まあいい。」 急に怒りを抑えるとそのまま、違う方向を振り向き・・・。 「明日から俺、旅出るから・・・。」 答える・・・どこか寂しげな声。 「そう・・・か。」 「すなない。」 「ああ、いいんだ。」 アルフはいなくなっていた。 そして夜が更けた。 翌朝 「じゃあ言って来る。」 「じゃあな。」 エッジはそして宿を後に・・・ 「エッジーーーー。」 声がした。大声だ。 「帰ってきたら刃絶対教えてねーーー。」 「ああ分かった約束する。」 エッジは去った。 街の出口・・・。 「馬車はまだか?」 エッジは停留所のベンチに座って関係者の男に話し掛ける。 「えっと後30分ほどで・・・。」 「そうか。」 ・・・ 「馬車が間も無く到着いたいます。」 30分は意外にも短かった。だが誰も見送りには来なかった。 (ちょっと寂しいな。) エッジは馬車に乗った。 (さて出発だな。) 馬車が動き出した。 「待ってーーーー。」 馬車が動き出して間も無く、金髪の少女が飛び乗ってきた。 「あっお金は後でこの人が払うから。」 そして少女の指差した先は・・・ 「何で俺が払わにゃならんのだーーー!」 こうしてエッジの旅が始まった。 ◇◆◇◆ 「くっあの踏み逃げ野郎めこのニキータ・ガトリング・マンシガン様が招き猫で誘い出しの刑に服役させてやる、行くぞ同志よ。」 「だから何で僕が同志なんだよ。」 そう言ったのは我等が(?)アルフである。 「そんなこと言ってると一流のエージェントにはなれんぞ、なあラッシーよ。」 「・・・まあそうだが。」 その後に付いて来る大男、グラシャラボラス(ラッシー)は一応同意しておいた。 |
22887 | 後書き | ドラマ・スライム | 2002/10/21 15:31:20 |
記事番号22885へのコメント ふうやっと終わりました。 黒き刃の大暴走記〜 読んでくださった方なら分かると思いますがまだまだ続きます。 次回はどうなるのでしょうか 多分あれがこーなってこーなります。 かなりオーフェン風な感じです。 なんというかはぐれ旅みたいなのが書きたいけどオーフェンの世界はほとんど出尽くしているので・・・。 ちなみに銃というものが出てきますが、現実世界の銃とはかなりかけ離れたものです。 ちなみにこの世界では繊維業、建築業、商業は発達していたますが、複雑な機械などは一流の職人のみが作れるという感じです。 それでは3話くらいには激しい物語になる予定なので・・・ さようなら〜 |
22888 | まとめレスです。 | Yuppy | 2002/10/21 17:34:38 |
記事番号22887へのコメント >ふうやっと終わりました。 こんにちはです。 チャットで1人でやってたFFのしりとりで体力使い果たしました私は(だから何だ) >黒き刃の大暴走記〜 >読んでくださった方なら分かると思いますがまだまだ続きます。 頑張ってくださいです。 楽しみにしてます。 >次回はどうなるのでしょうか >多分あれがこーなってこーなります。 ふむふむ。あれがこーなってこーなるのかぁ。なるほどぉ(待て) >かなりオーフェン風な感じです。 >なんというかはぐれ旅みたいなのが書きたいけどオーフェンの世界はほとんど出尽くしているので・・・。 >ちなみに銃というものが出てきますが、現実世界の銃とはかなりかけ離れたものです。 >ちなみにこの世界では繊維業、建築業、商業は発達していたますが、複雑な機械などは一流の職人のみが作れるという感じです。 そうなんですかぁ。初めて知った(核爆並爆発) >それでは3話くらいには激しい物語になる予定なので・・・ >さようなら〜 さようならです〜。 まとめレスでした〜 > |
22889 | Re:まとめレスです。 | ドラマ・スライム | 2002/10/21 18:02:30 |
記事番号22888へのコメント >そうなんですかぁ。初めて知った(核爆並爆発) 今初めて言いましたし・・・。 それではレス大変ありがとうございました。 さようなら〜 |
22890 | Re:ひとまずお疲れさまです | エモーション E-mail | 2002/10/21 20:48:50 |
記事番号22887へのコメント こんばんは。 来てみたら終わっていて、びっくりしましたー。 でも、とりあえず、第一部完、というところですね。 何故かラッシーが気に入りましたので、出番と活躍を(どんなお間抜けなものでも) 期待しています。 また、未読分通して読んで、ティアの「オレンジと白の混ざった服」が 妙に気になりました。えっと、色として混ざっているんですよね? 多分、パステル系のオレンジに近い色なのかなーと。 でないと、とても地味とは……(汗) >ちなみにこの世界では繊維業、建築業、商業は発達していたますが、複雑な機械などは一流の職人のみが作れるという感じです。 宮○駿のファンタジーみたいな感じもしますね。 あれもどんな文化レベルか、サッパリ分からないことがありますから。 >それでは3話くらいには激しい物語になる予定なので・・・ 初っぱなから決戦なんでしょうか? とにかく、ひとまず、お疲れさまでした。がんばってくださーいっ! |
22894 | Re:ひとまずお疲れさまです | ドラマ・スライム | 2002/10/21 21:54:56 |
記事番号22890へのコメント >また、未読分通して読んで、ティアの「オレンジと白の混ざった服」が >妙に気になりました。えっと、色として混ざっているんですよね? >多分、パステル系のオレンジに近い色なのかなーと。 >でないと、とても地味とは……(汗) まあそうだと思ってください。(よく考えてなかったり・・・) >宮○駿のファンタジーみたいな感じもしますね。 >あれもどんな文化レベルか、サッパリ分からないことがありますから。 そうなんですか? >初っぱなから決戦なんでしょうか? 多分そうなりそうです。 レスありがとうございました。 そしてお疲れ様です。 ではさようなら〜 |