◆−血の後継者 第23話 〜自分以外の誰かによる、〜−羅琴みつき (2002/11/5 23:27:01) No.23147
 ┣Re:血の後継者 第23話 〜自分以外の誰かによる、〜−ドラマ・スライム (2002/11/6 12:42:58) No.23149
 ┃┗お久しぶりですv−羅琴みつき (2002/11/8 20:57:08) No.23182
 ┣やっとレスができる・・・−リナ&キャナ (2002/11/8 21:44:38) No.23184
 ┃┗肩負傷デスカ!?−羅琴みつき (2002/11/8 22:55:40) No.23187
 ┗血の後継者 第24話 〜世界恐慌〜−羅琴みつき (2002/11/9 23:00:21) No.23219
  ┣人間(というか平民)って残酷・・・−リナ&キャナ (2002/11/10 13:21:06) No.23224
  ┃┗醜いなあ……−羅琴みつき (2002/11/11 21:57:37) No.23257
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23147血の後継者 第23話 〜自分以外の誰かによる、〜羅琴みつき E-mail 2002/11/5 23:27:01


みなさまこんばんは、羅琴みつきです。
テストがあって前回から随分たってしまいました。期末も今度あります。(え
こんなへっぽこ小説でも、待っていてくださってた方、すいませんでした。
初めての方は、これまでのお話が著者別ツリーにあるので、そちらから読んでいただけると嬉しいです。

てかそれより、いいかげん虚像を書けって感じですね。
再掲示した意味がまるでありません。ああっ!!そのうちに、必ずや……!!














『血の後継者』
第23話
〜自分以外の誰かによる、〜








その日は朝から、変な胸騒ぎがした。
例え死んだ身といえども。



窓には見知らぬ悪魔の黒い羽が目立った。
街に住んでいる悪魔だろうか?





                      嫌 な 予 感



あたしが。
とりあえず死んでから、まだ日の浅い今日。
何となく、みんなが避けていたレイファの部屋へ、あたしは入ってみた。
避けていた、といっても、別に彼女を恨むか恐れるかしてのことじゃない。
触れたくなかったのだ。
彼女の心に。


部屋のドアを通り抜け、中を見渡す。
きちんと整理整頓されて、特に興味をひかれるものはなかった。らしいといえば、らしい。
遺品の整理のために来たわけではないけれど、他人のものをあさる気もない。死んだ感覚もないし。
じゃあ何でここにきたか?
そう……何というか…、その、上手くは言えないけど。あたしは今、死んだ彼女に何か期待しているのかも。
何か、残してくれているかも、という一方通行な期待。
でも流石に、ワンパターンな手紙類は見あたらない。これもまた、らしいといえば、らしい。


コンコン
ガチャ
「なにしてんの?リナ」
不意にドアがノックされ、返事も待たずにLが入ってきた。
「うわ、Lかー。びっくりさせないでよ」
「あんたの存在のがびっくりよ」
挨拶のように返される。
「失礼なこと言うわねー!!好きでやってんじゃないわよ。
 で?Lこそ何でここに来たのよ。律儀にノックまでしちゃって」
「まぁいいじゃない。
 あんたにレイファのことも教えたかったしね。今ここに来たのはたまたまだけど」
レイファのこと?
「何よ、それ。あんた何か知ってんの?」
浮いているあたしは、背の高いLを少し見下ろして訊く。
するとLは肩をすくめ、おどけて答える。
「別に何かって程じゃないけどね。一応言っておこうかなーっと思ってね。あの子、レイファはあたしに謝ってたわ。あんたが殺されるちょっと前―休暇明けぐらいだったかしら。―に、あたしに謝ったの。
 あたしはその時あの子のことも知ったわ」
「は…………え、ちょっと待って、」
てことは……何ですか、つまりあんたは、
「あたしが殺されるって知ってたわけ!?」
自分とLを交互に指さして怒鳴る。
そして、うん。とあっさり頷く大悪魔L。
「だってあたし、まだ死にたくないしー」
言いながら大げさな身振りで髪をかき上げる。
「ま、それだけだから。家捜しなんてやめなさいよ?レイファは生真面目なわりにアフターケアとかしないから」
「……………………っ!!」
どこから指摘しようかと思ったその時、


「おいっ!!二人とも!大変だ!!」

「急いで集まってください!」


バタンッッ
大きな音を立ててドアが開くと、ルークとミリーナがひどく慌てた様子で現れた。
「どうしたの?」
訊くと二人は部屋には入らず、戸口に立ったままルークが早口でまくし立てる。
「どうしたもこうしたも!!今朝から空飛んでる悪魔の数が増えてただろ!地方から集まってきてたんだ!何か…よくわかんねえけど地方も含めてそこらじゅうの天使に喧嘩ふっかけてる。遺産がどうとか、昔天使に騙されたとかって騒いで!!」
「な…………!!!」

遺産………?
昔、天使に騙された………?



「革命だ!!!」










あとがき
血継はそろそろクライマックス!!無駄に長々と続けてきましたが、本当に。
私のペースだからもう少しありますけどね。革命的には(何)。
ちなみに最後の『革命だ』はルークが言ったのではないかと。わかりにくいですね…。
リナとL!!ダメじゃないか!話し込んでて情報にうとくなってちゃー。
君たち一応悪魔のホープなんだからいち早くだね、ごにょごによ。


さて、それではまたしても作者の設定ミスが浮き彫りになった所で、しーゆーあげいんまた来週(え)。

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23149Re:血の後継者 第23話 〜自分以外の誰かによる、〜ドラマ・スライム 2002/11/6 12:42:58
記事番号23147へのコメント

>みなさまこんばんは、羅琴みつきです。
こんばんは〜、と言ってもこれ書いてるのは昼間だし・・・。
お久しぶりです。
>テストがあって前回から随分たってしまいました。期末も今度あります。(え
テストでしたか・・・お疲れ様です。
>こんなへっぽこ小説でも、待っていてくださってた方、すいませんでした。
いえいえ。素晴らしいですよ。
>初めての方は、これまでのお話が著者別ツリーにあるので、そちらから読んでいただけると嬉しいです。
>
>てかそれより、いいかげん虚像を書けって感じですね。
>再掲示した意味がまるでありません。ああっ!!そのうちに、必ずや……!!

>例え死んだ身といえども。
死んでも、そんな感覚があるんですね。

>「あたしが殺されるって知ってたわけ!?」
>自分とLを交互に指さして怒鳴る。
>そして、うん。とあっさり頷く大悪魔L。
ほう、知ってたとは・・・。

>「どうしたもこうしたも!!今朝から空飛んでる悪魔の数が増えてただろ!地方から集まってきてたんだ!何か…よくわかんねえけど地方も含めてそこらじゅうの天使に喧嘩ふっかけてる。遺産がどうとか、昔天使に騙されたとかって騒いで!!」
でも天使の勢力の方が強いのでは・・・。
そして遺産の話がでてきましたね。

さて天使と悪魔の戦いはどうなるのでしょう。

それでは期待しています。


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23182お久しぶりですv羅琴みつき E-mail 2002/11/8 20:57:08
記事番号23149へのコメント


>>みなさまこんばんは、羅琴みつきです。
>こんばんは〜、と言ってもこれ書いてるのは昼間だし・・・。
>お久しぶりです。
こんばんは、レスどうもですー。

>>テストがあって前回から随分たってしまいました。期末も今度あります。(え
>テストでしたか・・・お疲れ様です。
二週間後には期末が控える身です(悲)。
今も勉強しなくちゃいけないんですけどねー……。

>>こんなへっぽこ小説でも、待っていてくださってた方、すいませんでした。
>いえいえ。素晴らしいですよ。
ありがとうです!!でも何か照れますね;

>>例え死んだ身といえども。
>死んでも、そんな感覚があるんですね。
みたいですねー( ̄ー ̄)

>>「あたしが殺されるって知ってたわけ!?」
>>自分とLを交互に指さして怒鳴る。
>>そして、うん。とあっさり頷く大悪魔L。
>ほう、知ってたとは・・・。
ほっとくあたり外道です。

>>「どうしたもこうしたも!!今朝から空飛んでる悪魔の数が増えてただろ!地方から集まってきてたんだ!何か…よくわかんねえけど地方も含めてそこらじゅうの天使に喧嘩ふっかけてる。遺産がどうとか、昔天使に騙されたとかって騒いで!!」
>でも天使の勢力の方が強いのでは・・・。
んー……ちゃんと成長できる悪魔が少ない(捨てられたり、殺されたりで)ですからね。数で言えば天使のが多いです。

>そして遺産の話がでてきましたね。
出てきます!!でも正直作者は先のことを何にも考えておりません(きぱ)。
遺産の話もまとめられるかどうか…。

>さて天使と悪魔の戦いはどうなるのでしょう。
どうしませう(ぇ

>それでは期待しています。
あーりがたうです。頑張って書きあげます、早いうちに!!

それでは、これにて。

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23184やっとレスができる・・・リナ&キャナ 2002/11/8 21:44:38
記事番号23147へのコメント

こんばんはです。
掲示板にも書いたのですが、腕の肩を痛めてしまいまして・・・投稿直後に読ませて頂いたのに、レスが今頃になってしまいました。



>その日は朝から、変な胸騒ぎがした。
>例え死んだ身といえども。
>
>
>
>窓には見知らぬ悪魔の黒い羽が目立った。
>街に住んでいる悪魔だろうか?
町に住んでいる『悪魔』って、やっぱり周りに迫害されてるんですよね・・・
ただ、『悪魔』に生まれた、というそれだけの理由で。



>そう……何というか…、その、上手くは言えないけど。あたしは今、死んだ彼女に何か期待しているのかも。
>何か、残してくれているかも、という一方通行な期待。
>でも流石に、ワンパターンな手紙類は見あたらない。これもまた、らしいといえば、らしい。
確かにらしいですね・・・
ワンパターンとか、そういう分かりやすいネタとか嫌ってる雰囲気ですら・・・



>「うわ、Lかー。びっくりさせないでよ」
>「あんたの存在のがびっくりよ」
同感(爆)。


>「は…………え、ちょっと待って、」
>てことは……何ですか、つまりあんたは、
>「あたしが殺されるって知ってたわけ!?」
>自分とLを交互に指さして怒鳴る。
>そして、うん。とあっさり頷く大悪魔L。
大悪魔って・・・
二つの意味で『大悪魔』(笑)


>「おいっ!!二人とも!大変だ!!」
>
>「急いで集まってください!」
えっ!?えっ!?
な・・・何があったの!?


>「どうしたもこうしたも!!今朝から空飛んでる悪魔の数が増えてただろ!地方から集まってきてたんだ!何か…よくわかんねえけど地方も含めてそこらじゅうの天使に喧嘩ふっかけてる。遺産がどうとか、昔天使に騙されたとかって騒いで!!」
ちょっ・・・ちょっと待った!!
そこらじゅうの天使にって・・・
アメリア&ゼルは!?フィリアは!?
しかも、何でリナとアメリア以外の人が、『遺産』を・・・!?



>リナとL!!ダメじゃないか!話し込んでて情報にうとくなってちゃー。
>君たち一応悪魔のホープなんだからいち早くだね、ごにょごによ。
・・・ホープ?
って言うか・・・リナ・・・正確に言えば、もう悪魔じゃないんでは・・・(笑)



>さて、それではまたしても作者の設定ミスが浮き彫りになった所で、しーゆーあげいんまた来週(え)。
え!?来週ですか!?
来週続きが読めるんですか!?
楽しみにしてます〜(笑)

では、失礼いたします。

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23187肩負傷デスカ!?羅琴みつき E-mail 2002/11/8 22:55:40
記事番号23184へのコメント


>こんばんはです。
お久しぶりですv

>掲示板にも書いたのですが、腕の肩を痛めてしまいまして・・・投稿直後に読ませて頂いたのに、レスが今頃になってしまいました。
そうだったのですかー…。お大事にです。今は大丈夫なんですか?
それでもレスがもらえるなんて嬉しいですー!!

てかリナ&キャナさんの小説……終わってますか!!?ツリー見ました。
今までためてた分読んできたいと思う次第です。
なるべく早いうちにレスしたいのですが…。遅いもので(何が)。
でもでも待っててくださいなっ。

>>窓には見知らぬ悪魔の黒い羽が目立った。
>>街に住んでいる悪魔だろうか?
>町に住んでいる『悪魔』って、やっぱり周りに迫害されてるんですよね・・・
>ただ、『悪魔』に生まれた、というそれだけの理由で。
そう、ですね。だから塔に入って群れたり(言い方がよくない)するんですね。
街にいる悪魔はほとんど空飛ばないです。肩身狭いので黒服着ないで平民のふりしてる悪魔とか。あ、作中にもっと書きたかったな…(いまさらー)。

>>そう……何というか…、その、上手くは言えないけど。あたしは今、死んだ彼女に何か期待しているのかも。
>>何か、残してくれているかも、という一方通行な期待。
>>でも流石に、ワンパターンな手紙類は見あたらない。これもまた、らしいといえば、らしい。
>確かにらしいですね・・・
>ワンパターンとか、そういう分かりやすいネタとか嫌ってる雰囲気ですら・・・
私も嫌ってますしネ(きぱ)!!
それはそれで良いんですけど、最近の私はすぐ突っ込みます。テレビとか見てたらかなり毒舌です(うわ)。

>>「うわ、Lかー。びっくりさせないでよ」
>>「あんたの存在のがびっくりよ」
>同感(爆)。
同じく(爆)。

>>「は…………え、ちょっと待って、」
>>てことは……何ですか、つまりあんたは、
>>「あたしが殺されるって知ってたわけ!?」
>>自分とLを交互に指さして怒鳴る。
>>そして、うん。とあっさり頷く大悪魔L。
>大悪魔って・・・
>二つの意味で『大悪魔』(笑)
さすがに大魔王とか言えない(笑)。

>>「おいっ!!二人とも!大変だ!!」
>>
>>「急いで集まってください!」
>えっ!?えっ!?
>な・・・何があったの!?
さあ!事件はどこで起こった!?

>>「どうしたもこうしたも!!今朝から空飛んでる悪魔の数が増えてただろ!地方から集まってきてたんだ!何か…よくわかんねえけど地方も含めてそこらじゅうの天使に喧嘩ふっかけてる。遺産がどうとか、昔天使に騙されたとかって騒いで!!」
>ちょっ・・・ちょっと待った!!
>そこらじゅうの天使にって・・・
>アメリア&ゼルは!?フィリアは!?
>しかも、何でリナとアメリア以外の人が、『遺産』を・・・!?
全ての謎は次回、明かされるのか!!?
………………いや、ごめんなさい半ばこじつけで遺産が持ち上がってきましたが、この先全く考えておりません(滅)。何で遺産のこと知ってんの!!

>>リナとL!!ダメじゃないか!話し込んでて情報にうとくなってちゃー。
>>君たち一応悪魔のホープなんだからいち早くだね、ごにょごによ。
>・・・ホープ?
>って言うか・・・リナ・・・正確に言えば、もう悪魔じゃないんでは・・・(笑)
本質的にはそうなんですけどね。それは後々。

>>さて、それではまたしても作者の設定ミスが浮き彫りになった所で、しーゆーあげいんまた来週(え)。
>え!?来週ですか!?
>来週続きが読めるんですか!?
>楽しみにしてます〜(笑)
出来ることなら今日にでも出したいんですけどねー(笑)。
少なくとも『来週』だけは守らなければ!!がむばりますっ!!

>では、失礼いたします。
それでは私もこのへんで。レスどうもでしたvv

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23219血の後継者 第24話 〜世界恐慌〜羅琴みつき E-mail 2002/11/9 23:00:21
記事番号23147へのコメント

こむばむはー。少なくとも『来週』は守ろうと葛藤。
この次は虚像をあげたいかな?
でも今はスランプなのであります……。血継もめちゃくちゃな展開になってきていますが;

今回のサブタイトルは、作者の趣味であります。使いたかったのです。そんなに大袈裟じゃないです。この世界ちっちゃいし(え)。

何はともあれ血継本編、お楽しみ頂けたら幸いです。







『血の後継者』
第24話
〜世界恐慌〜



革……命…………

「行くわよ!!」


バタンッッ!!!

考えている暇はない。
あたしは開いたままのドアから部屋を出て、ルークやミリーナよりも早く、動いた。
Lが乱暴にドアを閉めた。



今回ばかりはLも一緒。全員揃って塔を飛び出し、黒い翼で空を翔る。
あたしの蒼白い背にも、それはあった。もう必要はないと思うのに、早く高く飛ぼうと思った結果だ。
空にはせわしなく地方の悪魔が動いている。
「おい!」
「わっ!!」
そばにいた悪魔に、ルークが近づき、いきなり胸ぐらつかんで事情を聞く。
「一体どうなってんだ!何故今天使に戦いをしかける!」
「なっ…………ッ!お前らこそ、何でここにいて今まで気付かなかったんだ!!
 今、我々の汚名を返上しないでどうする!!」
最初は怯えた表情を見せていた悪魔だったが、やがてきつい口調で怒鳴る。
「だから何のことかって訊いてんだよ!」
「俺は平民に事実を知らせなきゃなんねえ。口ん中が乾燥しちまうぜ。他のみんなも同じだ。だからその話だったら白の塔に行って訊きな」
白の塔、当然向こうでも騒ぎが起こっているわけか。
「もっとも、塔がまだあったらな」
そう言うと悪魔は、ルークの手を引き離して街に降りていった。よく見ると街には普段と比べたらずっと多い数の悪魔がいた。

塔がまだあったら。

そう、遠くに見える白の塔からは、黒い煙が上っていた。

けれど特別慌てる人はいない。
天使の心配をする人も。
だって奴らは敵だから。

だけどあたしは、ちょっとだけ、先を急ぎたい。
早く何とかしたくてたまらない。
どうして?

とりあえずは、
「急ぐわよ!!」
行動でしょ。
「お…おお」
みんなもつられてスピードをあげる。
下の街の様子を見て、驚いた。
天使が襲われている。
悪魔に。
だけど基本的には『平民に』。あれほど天使を尊敬して悪魔を毛嫌いしていた平民が、悪魔と一緒になって。
街のあちこちで火の手が上がる。
聞こえる悲鳴の血の主は、誰か。
「何で仲が悪くなってるの?」
後ろで。ラミサがミリーナに訊くのが聞こえる。
ミリーナはため息ひとつ。
「どうしてでしょうね」
と言った。
そしてあたしに声をかけ、
「ほっといていいんですか?」
「あたしにはあんなたくさんの騒ぎを止められないわ。天使助けたくなんかないしね。…………まずは、白の塔に行かなくちゃ」
「……………………………」
ミリーナはしばしあたしの顔を眺め、
そして、
「天使を助けに?」
急がなくちゃ。いらいらする。
「そんなんじゃないわ。事情を知るためよ」
「いつもの貴方なら、街へ降りる。
 今の貴方は、どうかしています」
それからミリーナは何も言わなかった。表情はいつもと変わらない。
あたしは前方の、まだ遠い白の塔を見据えた。
その時。


「リナ!!」
「何!?」
ヴァル兄に呼ばれて、大きな声で返事をする。風の音で聞き取りにくいだろうから。
「下を見ろ!!うちが囲まれてる!」
言われて下―街の方を見渡せば、一応だけどあたしの〃家〃がある。そして今家は、十何人かの平民に囲まれ、激しくドアを叩かれている。
「姉さんが狙われてるんだ!!」
「フィリアが!?」
空中で停止して、かつての姉の名前を叫ぶ。
「下降りて何とかするぞ!」
「でも白のと……」
「お前どっち選ぶ気だよ!!!」
あたしの言葉を遮って、ヴァル兄はものすごい剣幕で言った。
ここまで真剣―むしろ怒っているのは、久しぶりに見た。
だけど。
「でもアメリアが!!」
え…………?あれ、何で…………あたし……。
あたしは思わず叫んでいた。天使の名を。
「アメリア………?」
彼女のことを知らないみんなは、不思議そうな顔をする。
ややあって、
「……………………………………ったく」
ヴァル兄は小さく笑うと、
「お前白の塔行け。俺が街に残る」
「ヴァル兄………だけど…」
「ただし、姉さんは泣くぞ。わかっとけ」
「………………………………………………うん」
あたしは姉より、敵の天使を選んでしまったことになるのだろうか。
あたしに選ぶ権利や資格があるのだろうか。
「じゃ、俺も残るわ。ラミサ、お前もな」
「うん。いいよー」
ルークは街のいざこざを解決する方に残った。
ヴァル兄一人じゃ誰も聞かないばかりか、かえって危険だ。その方がいい。戦略的にも、人選ミスはしていない。彼がここでミリーナを引き込まないあたり、打倒な所だと言える。
「そっち頑張れよ!」
「そっちもね!!」
3人は降下し、あたしとミリーナ、Lはさらにスピードを上げる。

白の塔は、確実に大きくなっている。

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23224人間(というか平民)って残酷・・・リナ&キャナ 2002/11/10 13:21:06
記事番号23219へのコメント

>こむばむはー。少なくとも『来週』は守ろうと葛藤。
こんにちはですぅ〜〜
葛藤だったんですか・・・?


>今回のサブタイトルは、作者の趣味であります。使いたかったのです。そんなに大袈裟じゃないです。この世界ちっちゃいし(え)。
先日、世界史で世界恐慌に入りました(関係性ゼロ)


>「おい!」
>「わっ!!」
>そばにいた悪魔に、ルークが近づき、いきなり胸ぐらつかんで事情を聞く。
やると思った・・・(嘆息)
まあ、気持ちはわかるけど・・・


>「一体どうなってんだ!何故今天使に戦いをしかける!」
>「なっ…………ッ!お前らこそ、何でここにいて今まで気付かなかったんだ!!
> 今、我々の汚名を返上しないでどうする!!」
>最初は怯えた表情を見せていた悪魔だったが、やがてきつい口調で怒鳴る。
>「だから何のことかって訊いてんだよ!」
>「俺は平民に事実を知らせなきゃなんねえ。口ん中が乾燥しちまうぜ。他のみんなも同じだ。だからその話だったら白の塔に行って訊きな」
この名も無き悪魔だけがそうなのか、悪魔全体的に見てそうなのか、何でこんなに口の悪い人ばかり・・・?
まあ・・・ラミサという例外もいますが・・・


>だけどあたしは、ちょっとだけ、先を急ぎたい。
>早く何とかしたくてたまらない。
>どうして?
『悪魔』と『天使』は敵。
歴史的背景を考えれば、当然のことですが・・・なんだか、みんなそれに縛られている気がして悲しいです・・・


>下の街の様子を見て、驚いた。
>天使が襲われている。
>悪魔に。
>だけど基本的には『平民に』。あれほど天使を尊敬して悪魔を毛嫌いしていた平民が、悪魔と一緒になって。
このシーンが、今回一番ショックでした・・・
人間って、いったん何かの衝撃があると、ここまで残酷になれるんですね・・・
手のひら返して・・・
・・・

つらいです。


>「何で仲が悪くなってるの?」
>後ろで。ラミサがミリーナに訊くのが聞こえる。
>ミリーナはため息ひとつ。
>「どうしてでしょうね」
>と言った。
・・・レイファがいなくなってから、ミリーナがラミサの一番の被害者・・・もといお守りですね・・・
混沌学園のときと同じ構図・・・


>「いつもの貴方なら、街へ降りる。
> 今の貴方は、どうかしています」
さすがミリーナ・・・
洞察力が凄いです・・・


>「でもアメリアが!!」
>え…………?あれ、何で…………あたし……。
>あたしは思わず叫んでいた。天使の名を。
あ・・・
リナ・・・口にしちゃいましたか・・・
でも・・・本当に、リナが『天使』のアメリアを大切に思ってるから、ですね・・・


>「……………………………………ったく」
>ヴァル兄は小さく笑うと、
>「お前白の塔行け。俺が街に残る」
>「ヴァル兄………だけど…」
>「ただし、姉さんは泣くぞ。わかっとけ」
>「………………………………………………うん」
ヴァル・・・
兄貴だ!!って言うか最高だ!!!
よく言った!!(←何かが壊れてます)


>「じゃ、俺も残るわ。ラミサ、お前もな」
>「うん。いいよー」
>ルークは街のいざこざを解決する方に残った。
>ヴァル兄一人じゃ誰も聞かないばかりか、かえって危険だ。その方がいい。戦略的にも、人選ミスはしていない。彼がここでミリーナを引き込まないあたり、打倒な所だと言える。
同感です・・・
一瞬、「何であんたがミリーナじゃ無くてラミサ!?」とか本気で思いました(笑)
まあ・・・ラミサをリナのほうにつけたら、それこそシリアスシーンがどっちらけになりますし・・・(そういう問題か?)




平民の皆さん・・・残酷です。
『悪魔』の方々に、どんなことを聞かされたのでしょうか・・・
いえ、『天使』は、『悪魔』に昔何をやったのでしょうか・・・

すみません。なんだか暗くなってしまいました・・・
この辺で、失礼させていただきます・・・

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23257醜いなあ……羅琴みつき E-mail 2002/11/11 21:57:37
記事番号23224へのコメント


>>こむばむはー。少なくとも『来週』は守ろうと葛藤。
>こんにちはですぅ〜〜
>葛藤だったんですか・・・?
めちゃくちゃ。

>>今回のサブタイトルは、作者の趣味であります。使いたかったのです。そんなに大袈裟じゃないです。この世界ちっちゃいし(え)。
>先日、世界史で世界恐慌に入りました(関係性ゼロ)
今地理ですが、日露戦争までやりました(以下同文)

>>「おい!」
>>「わっ!!」
>>そばにいた悪魔に、ルークが近づき、いきなり胸ぐらつかんで事情を聞く。
>やると思った・・・(嘆息)
>まあ、気持ちはわかるけど・・・
私のキャラ観は偏りまくりvv←まて

>>「一体どうなってんだ!何故今天使に戦いをしかける!」
>>「なっ…………ッ!お前らこそ、何でここにいて今まで気付かなかったんだ!!
>> 今、我々の汚名を返上しないでどうする!!」
>>最初は怯えた表情を見せていた悪魔だったが、やがてきつい口調で怒鳴る。
>>「だから何のことかって訊いてんだよ!」
>>「俺は平民に事実を知らせなきゃなんねえ。口ん中が乾燥しちまうぜ。他のみんなも同じだ。だからその話だったら白の塔に行って訊きな」
>この名も無き悪魔だけがそうなのか、悪魔全体的に見てそうなのか、何でこんなに口の悪い人ばかり・・・?
>まあ・・・ラミサという例外もいますが・・・
Σっ!!?言われてみれば……そのたうり!!そして白の塔に行っても悪魔は敬語使いません(きぱー)。

>『悪魔』と『天使』は敵。
>歴史的背景を考えれば、当然のことですが・・・なんだか、みんなそれに縛られている気がして悲しいです・・・
先入観を持ってるとなかなかそれを捨てられませんからね…
人間って感情を持ってるだけに難しいです。

>>下の街の様子を見て、驚いた。
>>天使が襲われている。
>>悪魔に。
>>だけど基本的には『平民に』。あれほど天使を尊敬して悪魔を毛嫌いしていた平民が、悪魔と一緒になって。
>このシーンが、今回一番ショックでした・・・
>人間って、いったん何かの衝撃があると、ここまで残酷になれるんですね・・・
>手のひら返して・・・
>・・・
>
>つらいです。
こういう小説書いてると、すごく人間不信になってきます…。もともと思ってるからこそ書いているのですが。
残酷な生き物として、批判しても、結局それは自分。

>>「何で仲が悪くなってるの?」
>>後ろで。ラミサがミリーナに訊くのが聞こえる。
>>ミリーナはため息ひとつ。
>>「どうしてでしょうね」
>>と言った。
>・・・レイファがいなくなってから、ミリーナがラミサの一番の被害者・・・もといお守りですね・・・
>混沌学園のときと同じ構図・・・
そうですねー。でもなんかちょっとかなしい現実ではあります。

>>「いつもの貴方なら、街へ降りる。
>> 今の貴方は、どうかしています」
>さすがミリーナ・・・
>洞察力が凄いです・・・
心理描写が下手なので彼女に言ってもらいませう(おい)。

>>「でもアメリアが!!」
>>え…………?あれ、何で…………あたし……。
>>あたしは思わず叫んでいた。天使の名を。
>あ・・・
>リナ・・・口にしちゃいましたか・・・
>でも・・・本当に、リナが『天使』のアメリアを大切に思ってるから、ですね・・・
言っちゃいましたねー。本人認めたくないんですけど。立場上の問題もあって。
でも私は二人を仲良くさせたいんだ!!←宣言

>>「……………………………………ったく」
>>ヴァル兄は小さく笑うと、
>>「お前白の塔行け。俺が街に残る」
>>「ヴァル兄………だけど…」
>>「ただし、姉さんは泣くぞ。わかっとけ」
>>「………………………………………………うん」
>ヴァル・・・
>兄貴だ!!って言うか最高だ!!!
>よく言った!!(←何かが壊れてます)
アニキーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!(暴走)

てかフィリアさんの出番は名前だけすか。

>>ルークは街のいざこざを解決する方に残った。
>>ヴァル兄一人じゃ誰も聞かないばかりか、かえって危険だ。その方がいい。戦略的にも、人選ミスはしていない。彼がここでミリーナを引き込まないあたり、打倒な所だと言える。
>同感です・・・
>一瞬、「何であんたがミリーナじゃ無くてラミサ!?」とか本気で思いました(笑)
>まあ・・・ラミサをリナのほうにつけたら、それこそシリアスシーンがどっちらけになりますし・・・(そういう問題か?)
まあそれに、ここでミリーナも連れてったら、何か不真面目な印象つかないかなーと思いまして。

>平民の皆さん・・・残酷です。
>『悪魔』の方々に、どんなことを聞かされたのでしょうか・・・
>いえ、『天使』は、『悪魔』に昔何をやったのでしょうか・・・
>すみません。なんだか暗くなってしまいました・・・
>この辺で、失礼させていただきます・・・
いえ、私も良い気分はしませんからね…。
とにかく平民からしてみれば、騙されたって思いが強いんですね。時代も全然かわってるんですけど。
うーん。複・雑だー。

それであ、中途半端になってしまいましたが、これにて。

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23242Re:血の後継者 第24話 〜世界恐慌〜D・S・ハイドラント 2002/11/10 21:50:11
記事番号23219へのコメント

こんばんは、ついさっきまで読み逃げしようと決め込んでたハイドラントです。

世界恐慌・・・ですか。

>革……命…………
革命がついに・・・。

>「もっとも、塔がまだあったらな」
悪魔に勝機が・・・。
それとも天使は戦意がないのかな


>だけど基本的には『平民に』。あれほど天使を尊敬して悪魔を毛嫌いしていた平民が、悪魔と一緒になって。
平民・・・ってやはり弱い人種なんですね。(まあ平だし)

>街のあちこちで火の手が上がる。
街って平民の街ですか・・・。

>白の塔は、確実に大きくなっている。
これは美味い(誤字)表現ですね。

それでは〜

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23259Re:血の後継者 第24話 〜世界恐慌〜羅琴みつき E-mail 2002/11/11 22:03:52
記事番号23242へのコメント


>こんばんは、ついさっきまで読み逃げしようと決め込んでたハイドラントです。
感想つけにくいですよね……;

>世界恐慌・・・ですか。
デス。

>>革……命…………
>革命がついに・・・。
ついに!!?(何)

>>「もっとも、塔がまだあったらな」
>悪魔に勝機が・・・。
>それとも天使は戦意がないのかな
んー、両方…かな?

>>だけど基本的には『平民に』。あれほど天使を尊敬して悪魔を毛嫌いしていた平民が、悪魔と一緒になって。
>平民・・・ってやはり弱い人種なんですね。(まあ平だし)
何の力も持ってませんからね。魔法的には。

>>街のあちこちで火の手が上がる。
>街って平民の街ですか・・・。
街にはみんな住んでます。一応。でもやっぱり平民が多いです。
白と黒の塔がありますから。塔に入ってない悪魔や天使は街にいます。

>>白の塔は、確実に大きくなっている。
>これは美味い(誤字)表現ですね。
そうですか?獰猛(違)です。

>それでは〜
では、これにて。失礼します。