◆−・・・ん〜〜(ガウリナ話です?)−風月可南 (2002/12/19 20:43:23) No.23860 ┗ガウリイ、ストレート!−渚 (2002/12/19 23:30:23) No.23865 ┗どうもです−風月可南 (2002/12/26 20:50:22) No.24016
23860 | ・・・ん〜〜(ガウリナ話です?) | 風月可南 URL | 2002/12/19 20:43:23 |
久しぶりでこれですか・・・? ……いらへいらずの物語…… あるところに日がな一日中釣り糸を湖にたらしている男がいた。 彼の名はガウリイ。 別段やることもなく只ただ、水面に釣糸をたらすのみ。 時折眠そうにふわあ、と欠伸しては、それでもその行為をやめるとか、改めるとか、 他の仕事をはじめようとする気配もない。 さらに、彼には立身出世して身をたてよう、という野心もない。 ……早い話が単なるものぐさだった。 「あ〜〜きょうも〜〜いい天気だなあ……」 ぽかぽか降り注ぐ太陽に瞳を細め、のんびりと大口開けて欠伸を繰り返す。 その時だった。 たらした釣糸に繋いだ、ウキがまるで生き物のように ぴくん、と動いたのは。 「お!!」 ガウリイはあわてず騒がず、竿を操りその十分な手応え たやすく釣り上げた。 「「お〜〜ほほほほほほほほほほ!!!」」 まるでラウドスピーカーのごとく笑い声をあげながら 何かが陸に釣り上げられていた。 見るとハンドボールを思わせるほどの でっけえ巨乳をもった人魚だった。 「お〜〜ほほほほほほ!!よくも釣り上げてくれたわね!!」 「ん〜〜……なんか変なもの釣り上げちまった…… 食えないじゃないかよ。」 ガウリイは盛大にぼやきます。 「お〜〜ほほほほほ!!あんたのその釣の腕を見込んで お願いがあるのよ!!と〜〜ぜんあんたにも 悪い話じゃなくってよ!お〜〜ほほほほほほ!!」 「はあ……まあ、釣り上げちまった手前、仕方ないけどさ、 なんだい?願いって?」 ガウリイは耳を塞ぎながら人魚の話を聞くことにした。 なにしろ笑い声がうるさすぎて、まともに聞けたもんじゃない。 人魚の話によると、自分はこの湖水の名主で、とある仙人からこのような人魚の姿に 変え果てられたとか、 それを戻す方法はないこともないが、一人ではできない、 そこでガウリイに助けてもらいたい、とのことだった。 しかも只ではない。 もし彼女が元の姿に戻れば、彼女と夫婦の契を結び、 この湖に隠された財産はすべては彼のものだという。 ガウリイは別段どうでもよかったので 「いえす。」と答えた。 「で?俺はどうすればいいんだ?」 「お〜ほほほほ!!簡単よ!! わたしがいまからこのビクにはいるから、 その蓋を閉めて、こう唱えて頂戴!!」 「え〜〜おれ暗記もの苦手なんだ………」 いやそうな顔で答えるガウリイに人魚はしばし考え、 「ふう、しょうがないわね、 だったらこのビクの蓋を閉めて三時間以上待って頂戴。 その間この中を覗いたら駄目よ、わたしは戻れなくなるから。」 「なんだ、そんなことならできそうだ!」 ガウリイは気安くそれを承知した。 ………それから三時間後。 ビクがびくんびくんと跳ね始めた。 ガウリイがもういいだろう、とガウリイが蓋を開けると、 一匹の魚がビクから踊り出た。 「お〜〜ほほほほほ!!やっともとに戻れたわ!! なんて完ぺきで美しい姿!! やっぱりこうでなくちゃね!! あんたにも感謝するわ!! さあ!!あとはあんたの望むままよ!! お〜〜ほほほほほほ!!!」 ガウリイはしばらくものをいう魚をじいっと眺めていたが、 やがて 「おれ……魚とナニする気ないから、 やめとくわ。」 とのんびり答えた。 「あ〜〜ら!そう!残念ね!!お〜ほほほほほ!!」 魚は高笑いとともに湖に帰っていった。 ガウリイはそれを見送り軽く首を振った。 そうしてまた、釣糸を湖にたらし始めるのだった。 ーーーーーーーーーーーーーーー なおも懲りずに釣糸を垂れ、のへへんとするガウリイ。 「またなんか……おもしろいの釣れないかなあ……」 水面をぼーーっと眺めただただ時の流れを 無駄に流し続けることしばし……… 「お!?また引っかかった!!」 今度の獲物も魚だった。 釣をしていればそれは当たり前のことだが、 これがまあ、只の魚じゃあなかった。 なんと今度の魚にはさっきとは逆に 魚に足が生えている。 「をををおおお〜〜!!でけえ魚!! 食いでがありそうだ!!」 よだれをたらすガウリイに甲高い声が抗議した。 「あちきは魚じゃあござんせん!!」 ガウリイは今度は魚が喋った程度じゃ驚かない。 ……もとより、最っ初っから驚いた気配もない。 「で?おまえさんはだれかにそんな姿にされたのか?」 「ご名答!!……かくも惨め!! このような醜い姿に相なり果てたのでございます〜〜!!」 よよよ……と泣き崩れる、 「しな」をつくる足が妙に色っぽかったりする……… …………魚なのに。 「ここであなた様に釣り上げられたのも 何かの縁!!どうかわたくしめをもとの姿に 戻るのをお手伝いくださいませ!!」 濁った瞳をうるうるさせる姿はみようによっては哀れ……… かも知れない。 ガウリイはぼんやり魚の演説を聞きながら思った。 そして、 今度の方法も暗記ものだった。 「え〜〜俺苦手なのに………」 「そうですか……… ならばあちきにキスする♪という方法もあるのですが……」 「善処させてもらおう!」 ガウリイは即答した。 「そうですかあ〜〜?」 思いっきり残念そうにする魚。 ガウリイはぶんぶんと頭をふりそのまとわりつくような 視線から逃れる。 こうして、魚も元の姿に戻った。 「………ところで、お前のすがたを変えた奴。 いったい誰なんだ?」 「はい、ここらを支配、統括する仙人がおりまして、 その仙人めがわたくしをあんな姿に……」 元の姿に戻っても、よよよと泣くのはやめない。 ガウリイは見ない振りをした。 「しかしなんでまた、統括してる奴がそんなことを……?」 「わかりません!!いきなり、わたくしめをこんな姿に!! きっと……ああ!!きっとこの美しいわたくしの姿に 嫉妬したに違いありません!!」 力説まで始める。 「じゃあ、そいつのところまで案内してくれ。 もうそんなことしないよう、頼んでやる。」 「本当ですか!!? ならば喜んでご案内致しましょう!!」 ぴったりガウリイに張り付こうとするそれを ガウリイはさりげなくかわしながら、 「さ、行こうか!」 と先にたって歩き出した。 しばらくいくと人も滅多に立ち寄らぬ 険しき山にいき当たった。 「ふう、仙人てこんなとこいるのか……?」 「まあ、仙人ですから。」 ガウリイの言葉に訳のわからない言葉をかえし、 それは道を進める。 と、それは中腹を過ぎたころだった。 「たれぞ!無断に立ち入る者は!!?」 突然の大音上が山に鳴り響く。 「仙人です!!」 脅えたようにそれはガウリイの後ろに隠れた。 「たれぞ、と聞いておる!!」 もう一度、尋ねる声。 「俺はガウリイだ!お前さんが仙人ってやつか?」 「いかにも!……わかったなら早々立ち去るがよい!」 「そういう訳にもいかないなあ…… 俺、お前さんと話にきたし。」 のほほんとする声が辺りに響いた。 それからしばらくは沈黙が支配し、 唐突に風が吹き上がった。 ガウリイは思わず目を閉じる。 風が止んだと思ったら、 開けた目には見慣れぬ姿が映っていた。 「このわたしと話がしたいとな?」 精いっぱいの威厳とつくって話すその姿は ガウリイの瞳には少年にしか映らなかった。 「お前さんが仙人か……?」 「いかにも。」 「案外……ちびだな。(ぼそ)」 「ほっとけえええ!!」 仙人の声が山々に鳴り響いた。 「わたしに話があると聞いたが?」 仙人と名乗る少年はちろりとガウリイを睨みつけた。 「……あ〜、そんなこといったけえ?」 ずべ。 余りといえば余りという言葉に、仙人はずっこけた。 「お前がいったんだろーが!! 自分のいったことには責任持て!!」 肩を怒らせて仙人は声を張り上げた。 「お〜、わるいわるい、 …………そうそう!! 俺お前さんにいいたいことがあったんだった。」 悪びれもなくガウリイはのほほんと言って、 両手をぽんと合わせる。 「だから、その話はなんだと問ている。」 しょうしょう脱力しながらも、 高くなりすぎた声のトーンを戻して、仙人は聞いた。 「いやな、俺がこの山の麓で釣をしていたところ、 その湖の名主という奴がお前さんに 人魚に変えられてしまった、と言っていたのだが…… どうしてまたそんなことをしたのか? と聞きたかったんだ。」 ガウリイの言葉に仙人はぴくり、と反応を返した。 「名主……? もしかしてあのやかましい声で笑う魚のことか?」 「お〜、それそれ。」 ガウリイは相変わらずのへへんと返答する。 「あれのことか…… あれは笑い声がむかついたから…… ではなかった、 納めるべきものを納めず、 返すべきものを返さずにいたからだ。」 「なんだ?それは?」 「お前たち人間も納めるだろう? 税金とか言うものを、 ……まあ、そんなものだと思ってくれ、 それはあいつは納めなかった、 だからこそ姿を変えるという罰を…… 与えたのだが………」 「あんまり堪えた様子はなかったぞ。」 「いうな。わたしもそう思った………。」 素直に突っ込むガウリイに仙人は肩を落とした。 「あともう一つ、こいつの姿を変えたのも お前か?何の言われもなく姿を変えられた、 と言っていたが?」 「こいつとは何のことだ?」 仙人は首を傾げた。 「こいつこいつ……?あれ?」 ガウリイは後ろに隠れていたはずのそれを 振り返ったが、それはどこにも見あたらなかった。 「おや?おっかしいなあ〜〜?」 ガウリイは自分の後ろを這って捜し出した。 「………あのなあ……。」 仙人は呆れかえってその様子を眺めている。 「お!!いた!!こいつこいつ!! おい、お前さん自分でちゃんといえよ。」 「そそそそんなあ!!滅相もございません!!」 地面にいつのまにか這いつくばっていたそれを、引きはがし、 仙人の方に放った。 ーーびっきん!! 盛大な音を立てて、仙人の回りの空気が凍った……… 気が、ガウリイにはした。 突然ガウリイを襲ったのは、耳が壊れるかと思うほどの悲鳴。 次に気がつけば、腕にかかるやわらかい感触、 花の香り。 鼓膜のおかしくなった耳のせいでぼうっとなる頭の中、 自分の考えが間違いじゃないことを知る。 「おいおい、どうしちまったんだい?いきなり。」 「な…なななな……なめ……」 「なめ?」 腕の中に飛び込んできた仙人を腕にやわらかく抱き止めたまま、ガウリイは尋ね返す。 ふっと腕の中の仙人が顔をあげた。 大きな瞳がいっぱいに涙を貯めて見上げていた。 一瞬目眩を感じるガウリイ。 そんなガウリイに構うことなく、仙人は小さな肩を 震わせ怯きった瞳ですがるようにガウリイを見つめる。 ガウリイはふっと優しく笑う。 その笑顔に落ち着いたのか、わずかに震えは治まった。 「なんだ?」 「……………………… ……………あのナメクジどっかすててえええええ!!!」 息を吸い込んでしゃくりを沈めるかとおもいきや、 仙人は大声で再び叫び、ガウリイの胸に顔を埋める。 「え〜〜、でもナメクジは何にもしてないじゃないか?」 「そこにいるだけで悪よ!!あく!! 一匹見かけたら、30匹はいるというじゃないのおお!!」 「それはゴキブリじゃあ……?」 「とにかく!!その地球外生物をどっかにやってえええ!!」 ガウリイの突っ込みに構わず懇願する仙人。 さっきの威厳はどこにいったのやら、 すっかり声のトーンも崩れている。 ガウリイは仙人の頭を抱えながら、にやり、としか形容のない笑みを浮かべた。 「………なあ?」 「なによ!はやくして!!」 「人にお願いする時は……やっぱそれ相応の報酬ってのがほしいよなあ?」 「………! どういう意味!?」 「いったまま♪ ナメクジをどっかにやる代わり、 俺のお願いもきいて欲しいなあ♪」 「きくきくきく!!!だから早くどっかに退けて!!」 焦らされまくった仙人はもうなりふり構わず、 ガウリイの提案に頷いた。 「よっし!約束だぞ♪」 ーーーパターン読めてるじゃねえかあ……… という突っ込みはいまんとこ御遠慮くださいまし。…… 「あ〜〜、気持ち悪かった!! 何であんな生き物がいるのかしら!!」 素にすっかりもどった仙人は不満そうに口を尖らせた。 「さて、俺の方のお願い、聞いてもらいたいんだが?」 笑みを含んだような声に一瞬悪寒が背中に走る、仙人だった。 「ふん、わかったわよ、いいなさいよ。」 開き直ってガウリイを睨みつける仙人。 「俺の嫁さんになってくれ♪」 「は?」 「だからお嫁さん♪」 「えっとお………それって?」 「お嫁さん♪」 極上の笑顔で仙人に微笑みかけるガウリイ。 一瞬呆気にとられながらもその笑顔に魅了されて、 顔を赤くする仙人。 「えええええええ〜〜〜!? なんで! なんでよ!!なんであたしが人間ごときの嫁に!!」 思いっきり、抗議の声をあげる仙人。 「だって俺のお願い聞いてくれるんだろ? ……まさか仙人の癖に人間ごときの約束が守れない、 なんていわないよな?」 ちろり、と悪戯っぽく見上げる視線に、 つまる、仙人。 (……くっ……生意気な人間ね……こうなったら術で吹っ飛ばして、うやむやに……) 「あ、俺を術でどうとかしようってんなら、また あれをお前さんのとこにもってきてやるからな♪」 「ぐうう!!」 先手を取られ、歯を食いしばる仙人。 「リナ、観念なさい。」 「ね、ねえちゃん!!」 「お〜、だれだ〜?」 どこからともなく聞こえた声に、それぞれの反応を返す二人。 「仙人が一度言い出したことは守らねば、そうでしょう?」 「は、はひいいい!!そうです!!そうですとも!!」 脅えたように仙人は直立不動の姿勢をとる。 「と、いうわけですわ。」 「お〜、なら晴れてリナはお嫁さんだな♪」 ガウリイは姉に脅えるリナをどさまぎで抱き締める。 リナは硬直したまま、ガウリイにされるがままだった。 ……そうして、諦めさせられた仙人、リナは(この場合仙女か?)ガウリイのお嫁さんになったとさ♪ ……めでたしめでたし……… 「めでたくなああああい!!!(涙)」 ……おしまい。 |
23865 | ガウリイ、ストレート! | 渚 | 2002/12/19 23:30:23 |
記事番号23860へのコメント > あるところに日がな一日中釣り糸を湖にたらしている男がいた。 > > 彼の名はガウリイ。 ほうほう、つりが趣味なのですかね、いったい何が釣れるんでしょうか? >「あ〜〜きょうも〜〜いい天気だなあ……」 > ぽかぽか降り注ぐ太陽に瞳を細め、のんびりと大口開けて欠伸を繰り返す。 うーん、ノー天気。 > 「「お〜〜ほほほほほほほほほほ!!!」」 > まるでラウドスピーカーのごとく笑い声をあげながら こ、これはもしかして! >「ん〜〜……なんか変なもの釣り上げちまった…… >食えないじゃないかよ。」 > ガウリイは盛大にぼやきます。 確かに変なものだ。 > もし彼女が元の姿に戻れば、彼女と夫婦の契を結び、 夫婦?この人と・・・・。 > ガウリイは別段どうでもよかったので >「いえす。」と答えた。 少しは考えろー!! >だったらこのビクの蓋を閉めて三時間以上待って頂戴。 >その間この中を覗いたら駄目よ、わたしは戻れなくなるから。」 呪文はもういのか? >「おれ……魚とナニする気ないから、 >やめとくわ。」 当たり前だな・・・・。 > そうしてまた、釣糸を湖にたらし始めるのだった。 まーた、なんか変なものが釣れそう。 >「あちきは魚じゃあござんせん!!」 いったいどこの生まれだ? >「しかしなんでまた、統括してる奴がそんなことを……?」 >「わかりません!!いきなり、わたくしめをこんな姿に!! >きっと……ああ!!きっとこの美しいわたくしの姿に >嫉妬したに違いありません!!」 > 力説まで始める。 自信家だな > ぴったりガウリイに張り付こうとするそれを >ガウリイはさりげなくかわしながら、 >「さ、行こうか!」 >と先にたって歩き出した。 ははっ、ガウリイもさすがに嫌なのか。 >「お前がいったんだろーが!! >自分のいったことには責任持て!!」 > 肩を怒らせて仙人は声を張り上げた。 怒るのも無理ないか。 >「とにかく!!その地球外生物をどっかにやってえええ!!」 地球外生物って。 >「俺の嫁さんになってくれ♪」 ストレートだねー、ガウリイ(はぁと) > 脅えたように仙人は直立不動の姿勢をとる。 仙人よりも強いこのお方は・・・・? はじめまして、渚と申します。 おもしろかったです! やっぱ最後はハッピーエンド(はぁと) てれたリナちゃんもかわいかったです。 それでは、これで。 |
24016 | どうもです | 風月可南 URL | 2002/12/26 20:50:22 |
記事番号23865へのコメント 渚様V レスが遅れて申し訳ありません〜〜 感想のほうどうもありがとうございました!! 要所要所にナイスな突っ込みどうもです!! いろいろと突っ込みどころがあるのですが・・・どこがガウリナ話だ・・・とか。 こうして感想いただけてありがたいことです〜〜 暇があったらまた何かしれっと落としていると思いますので・・・ ああ、また馬鹿やってるなあ、程度に見てくださるとうれしいですV |