◆−ゼルガディスのクリスマスイヴ−D・S・ハイドラント (2002/12/24 15:02:12) No.23966
　┣ゼルやんが…！！−羅琴みつき (2002/12/24 19:24:29) No.23971
　┃┗Re:ゼルやんが…！！−D・S・ハイドラント (2002/12/24 20:08:29) No.23972
　┗Re:ゼルガディスのクリスマスイヴ−エモーション (2002/12/24 22:37:11) No.23976
　　┗Re:ゼルガディスのクリスマスイヴ−D・S・ハイドラント (2002/12/24 23:17:04) No.23981
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23966ゼルガディスのクリスマスイヴD・S・ハイドラント 2002/12/24 15:02:12


注：明るくおめでたいクリスマスをお楽しみになりたい方は読まないほうが良いかも知れません。


















　風は嘆く。墓標の色の空に何を見てか。
　鋭き風の刃は俺の身を切り刻む
　そして、賑わいのざわめきが俺の心を凍らせる。

　やがて輝き、焔の色彩が世界を変えていく。
　焼ける焔に希望は潰え消え、風にも涙。
　黄金の煌きに自らの道標がむなしく隠れる。

　輝く星空。だが遠い幻。
　願った虚像。遠い過去見た夢。
　もはや絶望のまま死神の足音を聴くのみ

　　――ゼルガディスのクリスマスイヴ――
　　　　　　――聖夜に降る雪――

　静寂・・・それを感じているのは俺だけなのかも知れない。
　純白と世界との境界をふと眺める。
　風が白のフードを揺らすが、俺の貌を空に映すことはない。
　安息の溜息が天に飲み込まれると孤独に拍車を掛けた。
　すでに希望など消えた。空の色はまるで俺の夢の墓石。
　風に吹かれ過ぎた。傷は傷を生み、それは俺にだけではなく。
　不幸を受け、災厄を生む魔物でしかない俺。
　孤独など恐れることはないはずだ。
　闇に独り生きていくことが必要だった。
　それが本来の俺。本当は――独り。
　だが今はそれも友情の枷に捕らわれて、失った今でも孤独の風を恐れる。
　俺はもうだめだ・・・。
　長く儚い25年。
　終わりだ・・・。
　やがて足音だけが世界に鼓動を与えている。
　すでに虚無の中・・・。
　ただ道だけがそこにある。
　フードを降ろすと、青銀の忌々しき髪を掻き揚げる。
　しかしそれは冷たさだけを伝えるのみ。
　双眸にのみ潤い。それも冬水のその色彩に似て冷気持つのみだろう。
　色あせた渇いた唇を風に感じ、荷物を漁る。
　それだけが音となり、なお静寂を呼び立てる。
　口内が濡れる、次瞬は溜息とともに重さ。
　天には灰色の天蓋。黄昏を迎えた大きくて儚い樹。
　唸りを上げる風に弄ばれている。
　思えば遠くへ来たもんだな。
　想いを込めて天へと息吹を飛ばす。
　やがて疲れが――。
　瞼がふと重くなる。
　樹の根に横たわる。
　硬い褥は俺を歓迎している。
　身を預け天を仰ぐと、白く儚い輝き。
　やがて俺を頬を冷たく濡らした。
　黄昏の焔も天を覆いつつある。
　俺の中でも同じように・・・。
　瞼には赤の輝き。
　すべてを懐かしむ。
　喜びも悲しみも苦しみも・・・。
　憎悪でさえ、感じられるのを幸せに思ったほどだ。

　やがて夜が訪れた。
　それは世界の夜か・・・それとも・・・。
　白銀が俺を覆い尽くして来る。
　世界は聖夜を迎えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ううむこんなの書いて良いのかな。
まあ書いてしまったし(おい待て)
それでは〜

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23971ゼルやんが…！！羅琴みつき E-mail 2002/12/24 19:24:29
記事番号23966へのコメント

こんばんは、ハイドラントさんっ。
いつもお世話になってます、みつきです。

読みましたよ〜！！すごいです！！何か詩のような感じで（と、とってもいいんですか？）。
孤高のゼルやん。普段はそれを自ら演出しているようでもありますが、………これって最後！？終わりってホントの終わりですか！？
切ない！！確かにハッピーメリクリとはいかないですね…。

>　やがて夜が訪れた。
>　それは世界の夜か・・・それとも・・・。
>　白銀が俺を覆い尽くして来る。
>　世界は聖夜を迎えた。
最後がすごい、ずばんときました！！
世界の夜か、それとも一人きりの夜か。うああ妄想が始まるっ！！（やめなさい）

すごいかっこ良かったです！！

短くてすいませんが感想べたなもので…；
これにて失礼します。


ゼルやんにも、聖夜の奇跡があらんことを。

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23972Re:ゼルやんが…！！D・S・ハイドラント 2002/12/24 20:08:29
記事番号23971へのコメント


>こんばんは、ハイドラントさんっ。
こんばんは
>いつもお世話になってます、みつきです。
どうも。
>
>読みましたよ〜！！すごいです！！何か詩のような感じで（と、とってもいいんですか？）。
詩っぽく書くのが趣味なので・・・
>孤高のゼルやん。普段はそれを自ら演出しているようでもありますが、………これって最後！？終わりってホントの終わりですか！？
そうかも・・・。
>切ない！！確かにハッピーメリクリとはいかないですね…。
ハッピーにはなりません。残念ながら・・・。
>
>>　やがて夜が訪れた。
>>　それは世界の夜か・・・それとも・・・。
>>　白銀が俺を覆い尽くして来る。
>>　世界は聖夜を迎えた。
>最後がすごい、ずばんときました！！
>世界の夜か、それとも一人きりの夜か。うああ妄想が始まるっ！！（やめなさい）
はっきり●●とは言いたくない。
>
>すごいかっこ良かったです！！
そうでしたか・・・ありがとうございます
>
>短くてすいませんが感想べたなもので…；
私の方が下手です。
>これにて失礼します。
はい。
>
>
>ゼルやんにも、聖夜の奇跡があらんことを。
せめて幸せな夢でも・・・。

それではどうもありがとうございました〜。
ささやかなプレゼント(するとしてもリク受けくらいだけど)も用意できずすみませんです。

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23976Re:ゼルガディスのクリスマスイヴエモーション E-mail 2002/12/24 22:37:11
記事番号23966へのコメント

こんばんは。

何か……ゼル……。あんたも無駄に不幸が寄ってくるのねというか……。
でも何故か「マッチ売りの少女」を思い出しました。
そう言えばあれもクリスマス・イヴのお話ですね。

それにしても、こうなる前に何が起きたんだーっ？！という感じですね。
いえ、ゼルは無駄に不幸だけど、ちょっとやそっとでは死にそうにない
気がして。
また、最後の最後まで、どこか状況に浸っている感じがするのが
ゼルだなあと思いました。

しんみりと読ませていただきました。
では、短いですがこの辺で失礼します。

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23981Re:ゼルガディスのクリスマスイヴD・S・ハイドラント 2002/12/24 23:17:04
記事番号23976へのコメント


>こんばんは。
こんばんは
>
>何か……ゼル……。あんたも無駄に不幸が寄ってくるのねというか……。
もともとオーフェンの無謀編のりにしたかったので・・・
>でも何故か「マッチ売りの少女」を思い出しました。
そーいやそんな感じですね。
>そう言えばあれもクリスマス・イヴのお話ですね。
・・・そうでしたっけ。
>
>それにしても、こうなる前に何が起きたんだーっ？！という感じですね。
そうですね。
日々に疲れたとか・・・。
>いえ、ゼルは無駄に不幸だけど、ちょっとやそっとでは死にそうにない
>気がして。
まあ強いでしょう。
あの境遇でしたから・・・。
>また、最後の最後まで、どこか状況に浸っている感じがするのが
>ゼルだなあと思いました。
状況に浸るのは恐らく私が書いたからです。
>
>しんみりと読ませていただきました。
そう言っていただくとかなり嬉しいです。
>では、短いですがこの辺で失礼します。
いえそんなことないですよ。それに私には嬉しいレスですし
どうもありがとうございました。
プレゼント(リク受けとかのこと)何もなくてすみません。