◆−年越し用の話:追憶の遺跡(?)−D・S・ハイドラント (2002/12/31 19:44:01) No.24153 ┣オオアトガキモドキ−D・S・ハイドラント (2002/12/31 20:04:01) No.24154 ┃┗Re:オオアトガキモドキ−gure-to masa (2003/1/1 00:51:01) No.24157 ┃ ┗Re:オオアトガキモドキ−D・S・ハイドラント (2003/1/1 00:53:21) No.24158 ┗喪中につき新年のご挨拶は省略させていただきます。−エモーション (2003/1/1 22:12:45) No.24176 ┗Re:喪中につき新年のご挨拶は省略させていただきます。−D・S・ハイドラント (2003/1/1 22:37:01) No.24177
24153 | 年越し用の話:追憶の遺跡(?) | D・S・ハイドラント | 2002/12/31 19:44:01 |
風に雪は舞い、空疎なる世界を彩る。 石壁の如し天を仰ぎつつ、微かな足音が何度も、その度に視界は繰り上がるも、ただ同じ・・・。 (退屈だ。) 男はただその石段を登る、気配は自分の他1人、 「なあリナ、何でこんなところ登るんだ?」 白の法衣より深蒼の眼差しが覘く、 「何言ってんのよゼル。・・・あんたお宝の匂い感じないの?」 彼の少し前、10代の後半ほどの少女、全身を赤や黒などで覆った服装に、柔らかな、翳りを持った橙の長髪、比較的肌は白く、双眸は焔の揺らめきを秘めた赤、色素不足だろうか――んなこたどーでも良い――石段の助けによって、彼よりは多少背が高い。 「まあ、確かにこの石段は随分古いものだしな。」 と言いつつ、視線を走らせば、急ではないものの坂が続く、木が生い茂り、闇がそこにある。 石段の部分は、木がないため空と白雪が見渡せている。 「とにかく行くわよ。」 有無を言わせぬ口調にただ頷く、それは肩を竦めた如くも見えた。 寒気は強い、狂気に震える風が通り過ぎる旅に熱を喰らっていく。 「ああ寒い〜」 少女、リナはその風の刻みを無言で受け入れる男、ゼルガディスとは違い露骨に感覚のまま訴える。 「馬鹿!何でこんなに寒いのよ。」 虚空に向け、怒気を放つ。 「おい、うるさいぞ。」 続く風への罵声に耐えかねてかゼルガディスが叱り付ける口調で言い放つ。 「あっ・・・今のゼルに言ったわけじゃないからね。」 音量を下げて小さく呟くリナに対し、 「まあ良い、それよりそろそろだな。」 左右に見える濃い闇が消え去る。 天に光はなくとも、見栄えするほどに明るさを取り戻した。 結局石段を登り終えたのは2時間ほどでか。 樹木は細かく散らばる程度で根の太いものはない。 目立つのは正面に広がる遺跡、あまり大きなものではないが、歴史だけはかなりの巨大さであろう。 「うわあ凄いわね〜。」 驚嘆の声とともにリナは山頂らしきその一面を見回す。隅に寄れば絶景が見下ろせるであろう。 だがリナは真っ先に、 「ねえ入ろ、入ろ。」 袖を引きつつゼルガディスを急かす。 2人は薄闇に消えた。 ◇◆◇◆ 「おやおや、懐かしいですね。」 山頂に人影が1人・・・2人が遺跡内部に消えて数分後である。 神官衣を引きずりつつその男は同じく内部へと・・・紫水晶のその色、輝きを持った髪が希薄な光に照る。 遺跡は予想通りけして広いものではなかった。 大広間が1つ・・・ただの小さな祠だろうか。 「何もないね。」 溜息が天井の汚れた石に吸い込まれていく。 「残念だったな。じゃ、帰るぞ。」 ゼルガディスは振り向き歩き出す。 「あっちょっと待ってゼル。」 素早く肩を掴まれ渋々首を回す。 「何だ?」 疑問と疲れを乗せた震えがリナに届き、 「思ったけど、これって歴史的発見じゃない?」 瞳に煌きを浮かべ、即座にゼルガディスに背を向ける。 ゼルガディスも頭部を覆う白布を払いのけ同じ位置を双眸に映す。 祠の入り口からちょうど正面の一番奥には何かが刻まれている。 「何かの絵みたいだけど、こんなの初めて見るわ。」 驚きがかなり含まれている。 その石壁には、上下に長方形の正確な窪み、そこには縦に並ぶ3つの絵が彫られている。 彼らの背よりも高い一番上に浮かび上がる月・・・細かい細工を見ればまたは筆にも見える。 彼らの目線に位置する中央には太陽の絵、いかにも絵であり、大きな丸といくつもの小さな三角で構成されている。ただ上の絵とは違い浮かび上がっているのではなくそこが削られさらに窪んでいる。 一番下、彼らの足元にも近い位置には、2つの翼とその間に焔または魂とも言える絵、これも浮かび上がっている。 「何だろうなこれ?」 「さあホントに初めてよこんな絵。」 そんな2人の会話の直後、生まれる気配。 「何者だ!」 即座に振り返り、法衣に隠されていた剣を引き抜く。 「嫌ですねえゼルガディスさん、お友達を斬ろうだなんて、」 剣を首筋に当てられながらもその青年には余裕の笑顔。 「お久しぶりですねリナさんゼルガディスさん。」 笑顔を強める青年。 「ゼル・・・。」 小さな声。 「何だ?」 ゼルガディスは即座に聞くと、 「どうせなら斬っちゃって♪」 と、ゼルガディスの剣を青年の方向へ、力を加える。 その両眼に埋められた2つの紫水晶が引き攣ったような輝きを見せるが、それが真実の感情とはけして思えず・・・。一瞬後青年の首が飛ぶ。 「えっ・・・?」 リナは呆然と虚空、下に視線を向けることはない。 「えっ何で?」 、と肩を叩かれる感覚、そっと振り向けばゼルガディスが祠の奥を指差す。 そこには3つの絵を眺めている青年の姿。 「ゼロス!」 駆け寄り青年の名を叫ぶ。 「あれえ驚きましたあ?」 振り向くゼロス。 「さっきのは何だったのよ!」 ゼロスはずれた視線を合わせると、 「いやあ喜んでもらえました?」 っと首を傾げる。 「喜ぶかあ〜!」 ゼロスを怒気を込めた拳で打つ。 ゼルガディスはただ傍観していた。 「、でこれが何か知ってるの?」 怒りを晴らした後、ゼロスはこの絵の話を切り出した。 「それにしても懐かしいですねえ。」 ゼロスは語り始める。 まだ世界に神も魔族もいなかった頃、世界は暗黒に満ちており、そこには人とは違う、より力ある種族が住んでいた。 彼らに名など必要はなかった。その時は・・・。 だがある日、そこに悪魔が訪れた。 その悪魔は世界を蹂躙し、彼らを絶滅へ導き始めた。 彼らはひどい被害を受けた。 彼らは祈った彼らの神に、 そして彼らが徐々に滅びへ向かい。 それでも祈り続けた彼らの内の3人。 やがて神の力を得て、悪魔を滅ぼした。 彼らはそしてその世界の神となったと言われている。 そして今の神と名乗るもの達や魔族、そして人や動物達を遥か天空にて眺め、導いているという。 一番上の月のような絵は運命神の使う「運命の聖筆」と呼ばれすべての行く末を紡ぐことが出来るらしい。 中央の太陽は創造神が太陽を生み出した時に闇の染まってしまったとされる「黒の太陽」。 一番下が、救済神の死した人々を救うための「魂の翼」。 今でこそ廃れているが、神魔戦争後期や降魔戦争時などは人々に最も信仰されていたという。 「、という話をすれば信じてくれますか?」 「今の全部作り話かぁ〜!」 怒り炸裂。 帰りの足取りはかなり重いものであった。 |
24154 | オオアトガキモドキ | D・S・ハイドラント | 2002/12/31 20:04:01 |
記事番号24153へのコメント 動物の名前みたいな感じで書いて見ました。 早速ですがミスってます。 初めにゼロスのシーンに変わる時◇◆◇◆を使ってますが、リナたちに戻る時に使ってないです。 他にも細かいのあるかも・・・。 これ・・・サンチーンミネタです。 知らない方は2の方の冥王の騎士の世界にあるシューキョーと思ってくれれば・・・。 それでは〜この辺りで・・・。(短) |
24157 | Re:オオアトガキモドキ | gure-to masa | 2003/1/1 00:51:01 |
記事番号24154へのコメント 新年、あけましておめでとうどざいます!! 昨年は良いニュースも少なく、悪いニュースばかりが世間を騒がせました…… 政治家も税金の無駄遣いをして、国民を苦しめています!! 来年こそは良いニュースがある事を切実に望んでいます…… では、今夜はこの辺で…… |
24158 | Re:オオアトガキモドキ | D・S・ハイドラント | 2003/1/1 00:53:21 |
記事番号24157へのコメント >新年、あけましておめでとうどざいます!! あけましておめでとうございます。 >昨年は良いニュースも少なく、悪いニュースばかりが世間を騒がせました…… そうですねえ >政治家も税金の無駄遣いをして、国民を苦しめています!! 何とか明るい未来に繋がって欲しいです >来年こそは良いニュースがある事を切実に望んでいます…… そうですね。 >では、今夜はこの辺で…… では今年もよろしくお願いします。 ではありがとうございました |
24176 | 喪中につき新年のご挨拶は省略させていただきます。 | エモーション E-mail | 2003/1/1 22:12:45 |
記事番号24153へのコメント こんばんは。 旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いします。m(__)m 年越し作品も書かれていたんですね (^.^) 最初はゼルリナだと思ってました。(ガウリイとアメリアがいなかったので) ゼロスが出てきて何やらかす気かと思えば……三珍味の神ですか(笑) そーいえばウニは食べたっけ、大晦日に。 個人的にはホタテを半分くらい独り占めできたので幸せでしたけど。 ゼロスも「タイヤキ物語」やりますか(笑) ところで、実際は何だったのでしょうね。一応ゼロスが「懐かしい」と 言うような代物ですしね。 新年早々楽しませていただきました。 では、この辺で失礼します。 |
24177 | Re:喪中につき新年のご挨拶は省略させていただきます。 | D・S・ハイドラント | 2003/1/1 22:37:01 |
記事番号24176へのコメント >こんばんは。 こんばんは 喪中ですか御愁傷様です。 >旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いします。m(__)m こちらこそ > >年越し作品も書かれていたんですね (^.^) 書いちゃいました >最初はゼルリナだと思ってました。(ガウリイとアメリアがいなかったので) 私もそう思ってました。 >ゼロスが出てきて何やらかす気かと思えば……三珍味の神ですか(笑) あれです。 >そーいえばウニは食べたっけ、大晦日に。 ううむ私は喰らっていない >個人的にはホタテを半分くらい独り占めできたので幸せでしたけど。 ホタテかあ > >ゼロスも「タイヤキ物語」やりますか(笑) タイヤキ物語? エモーションさんの作品でタイトルにもなってたのですか >ところで、実際は何だったのでしょうね。一応ゼロスが「懐かしい」と >言うような代物ですしね。 謎です。 > >新年早々楽しませていただきました。 それは嬉しいです。 >では、この辺で失礼します。 それでは どうもありがとうございます |