◆−記憶のない彼〜恋愛〜−風柴流 (2003/1/6 01:53:08) No.24282
 ┗Re:記憶のない彼〜恋愛〜−渚 (2003/1/6 08:26:53) No.24283
  ┗Re:次回はゼロリナ的雰囲気です−風柴流 (2003/1/6 16:01:51) No.24287


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24282記憶のない彼〜恋愛〜風柴流 E-mail 2003/1/6 01:53:08


カランカラン・・・・・・
リナが宝石を見ているとアメリアが入ってきた。
何か機嫌がいい気がするけど・・・。
リナはその原因が自分にあるとは、まるっきり気付いていない。
まあ、アメリアは今一分かんない所があるし・・・・・・・と、気にしない事にする。
「リナさん、良いのありましたかぁ?」
「今一なのよねぇ・・・・・・・・」
手を振りながら走ってくるアメリア。リナは宝石の方を見ながら考え込んでいる。
カランカラン・・・・・・
また、玄関から音がして同時に振り向くアメリアとリナ。入ってきたのはゼラスとゼラスに引きずられて涙目になっているゼロス、頭に大きなたんこぶが出来てたりするが、無論ゼラスは気にしてない。
「あら♪リナちゃんとアメリアちゃんじゃない♪何か買いたいものでもあるの?」
ゼロスを店の隅に捨てて、リナ達の方に来るゼラス。ゼロスは壁に頭を打って少し痛がっているが、リナがいるということでさっさと復活する。
「ねぇ、ゼラス。何かいいのないかなぁ?」
「あら、これなんかどう?」
ゼラスが手にとったのはルビーでハートの細工が施してあるリング。サイズもリナにぴったりといった所だろうか。
ついでに何時の間にかアメリアがゼロスの所に行って、こそこそと何か話をしているが2人は気付いていない。
「あ、違うの。あたしのじゃないの」
「え?じゃあ、誰の?」
リナはその言葉にアメリアの方をちらりと見るが、向こうは向こうで宝石を見ているようだ。
それを確認してから小声でゼラスに言う。
「・・・・・・・・ヴァルガーブ」
「何で!?」
向こうから「え!?」と聞こえた気がしたが、それよりも珍しく大声をあげるゼラスに面食らうリナ。ゼラスの言葉の意味が捉えられず一瞬行動が止まるが、その意味が分かると、軽くため息をついた。
「何でって・・・・・明日誕生日だから」
「へぇ、じゃあ、あれなんかいいかもしれないわね」
ゼラスは5歩程度歩き、飾ってある宝石から1つを取り出す。
その宝石は十字架のネックレスだった。
十字架のネックレスは四方に白い石、真ん中にエメラルドが埋め込まれている。
「値段もお手ごろだし♪」
にっこりウインクするゼラス。リナは少し考えたが、十字架ならヴァルガーブもそれほど恥ずかしがらないだろう、と思いそれを買う。
アメリアの方を見ると、まだ買ってないようである。
「先に行ってるわよ?アメリア」
「は、はい!」
何故か動揺しているアメリア。リナは首を傾げるが、特に気にするでもなく外に出て行った。

ゼラスがリナの所に来たのをこれ幸いとばかりに、アメリアはゼロスの所にリナの恋話をしに行った。
「ゼロスさん、聞いてくださいよぉ」
小声で話しかけるアメリア。ゼロスもそれに何かを察したのか、小声で話す事にする。
「どうしたんですか?」
「リナさんの事なんですけど・・・・・・・」
アメリアは事の成り行きを説明した。
それを聞いたゼロスは何か考え込み、勝手に頷くとカウンターから小さくて円盤状の機械のような物を取り出した。
「それなんですか?」
「盗聴器です♪」
指を顔の横に出し、にっこりしながら答えるゼロス。その様子に、アメリアは思わず大声をあげそうになるが、とっさに抑える。
「な・・・・ゼロスさん、それって正義じゃありません」
ジト目でゼロスを睨むアメリア、ゼロスは盗聴器を耳に当てながら、勝手な事を言う。
「僕の愛と正義の為にvvvvvvvvv」
「それもそうですね」
何故今ので納得するのか分からないが、結局の所アメリアもリナも思い人が知りたいのだろう。
ゼロスは盗聴器に回線をつなげミニスピーカーを2つにし、片方をアメリアに渡したら、残った1つを自分の耳に当てる。
アメリアもそれに習い、同じく耳に当てる。
〈あ、違うの。あたしのじゃないの〉
〈え?じゃあ誰の?〉
ナイスタイミング、ちょうど本題に入ったところだ。
アメリアとゼロスはそれぞれ熱心に聞き入り、次の言葉を待つ。
ゼロスは自分の名が出る事を願って、アメリアは自分が協力出来る相手である事を願って。
しかしリナの声は2人の期待をことごとく裏切った。
〈・・・・・・・・ヴァルガーブ〉
『え!?』
ついつい声をあげてしまったアメリアとゼロス。しかし、ゼラスが何か叫んだようで、リナの耳には届かなかったようだ。
ゼロスは盗聴器を握り締めたまま固まった。
アメリアは盗聴器を落とし顔が引きつっている。
その後、リナとゼラスが話している救いの会話は2人の耳には届いていなかった。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・。
「先に行ってるわよ?アメリア」
玄関の近くから聞こえてきたリナの声で、アメリアは正気に戻った。
ゼロスも思考が回転してきたようである。
「は、はい!」
しどろもどろに答えるアメリア。リナは少し怪しんでいたが、そろそろお昼時という事もあり、直ぐに出て行った。
しかしアメリアの頭の中はパニックになっており、頭を抱えてしゃがみ込む。
・・・。
ゼロスは呆然と佇んでいた。
「ゼロス?何をやっているのかしら?」
そんなゼロスの肩に手を置いたのは、口元だけが笑っていてとっても怖いゼラスだった。
「な、何って・・・」
「まぁさぁか、わたくしが盗聴器に気付いてなかった、なぁんて思ってたわけじゃあないわよねぇ」
「はは・・・・・・・・・全部ばればれですか・・・・・・」
汗をだくだく流して顔を引きつらせるゼロス。後ずさるにも後ろはカウンターである。
「プライバシーの侵害よ?で、何処らへんから聞いてたのかしら?」
「リ、リナさんがヴァルガーブさんにプレゼントをあげる、という所だけです」
怯えた声で早口で言うゼロス。その答えにゼラスは少し考えた素振りを見せる。
「じゃあ、その後は聞いてないの?」
「はい・・・・」
(成る程。それでこの反応ね・・・・・・)
ゼラスは苦笑する。
「いいわ。許してあげる♪」
「本当ですか!?」
ゼロスから離れ、ウインクしながら人差し指を前に出し軽く振るゼラス。その変わりようにゼロスは声をあげた。
「ええ、さっきのフィリアちゃんの事件と合わせて・・・ダイヤのネックレスで手をうってあげる♪」
「ええ!?本気ですか!?」
「勿論♪」
「もうちょっと安くなりませんかぁ?」
「盗聴器のことリナちゃんに言っても良いんだけど♪」
「買わせて頂きます」
声のトーンが急に低くなったゼロス。肩を落とし、アメリアを元気付けにいく。
そんな様子を気にすることもなく、ゼラスは虚空を見つめながら苦笑する。
「まったくどいつもこいつも・・・・・・・・そんなにリナちゃんの恋愛がきになるのかしらねぇ」
そう嘆くと軽くため息を吐き、単純に元気付いたアメリアと、まだ少し元気のないゼロスの2人と一緒に、隣のダルフィンの店に行く事にした。

フィブリゾはこの様子をアストラル・サイドから眺めていた。
〈・・・・・・・・ヴァルガーブ〉
〈何でって・・・・・明日誕生日だから〉
「・・・・兄ってだけで誕生日プレゼントが貰えるんだ・・・・ふ〜ん・・・・何の苦労もしてないのに・・・・・・・・・・ねぇ・・・」
フィブリゾは怒りをあらわにしながら、アストラル・サイドを渡った。
シュンッッッ
現れたのはゼラスの店の近くの草むら、そこにいるのは今までリナ達をつけていたヴァルガーブ。もともと人相の怖い彼が、望遠鏡を覗きながらこそこそと人をつけているので、むちゃくちゃ怖い。
よって、誰も見ようとしない。
こいつ・・・・・・よく連行されないな。
そんな事を考えつつ、フィブリゾが手を振ると、ヴァルガーブの下に落とし穴が出来る。
これぐらいの魔力は残っているらしい。
「うわっっっ!!」
ヒュ〜〜ン   ベチャッッッッッッ!!
フィブリゾが落とし穴を覗き込むと、ヴァルガーブは器用にも顔から落ちていた。あの状態からどうやったら顔から落ちれるんだろ?
何とか持ちこたえたようだが、肩が怒りで震えている。
「こんな事する奴は・・・・・・・・・やっぱりてめえか!フィブリゾ!」
上を見上げて叫ぶヴァルガーブ。どうやらフィブリゾは普段からこういう事をやっているらしい。
っていうかいきなり落とし穴が出現した事に関して怪しみなよ・・・・・・。
やっぱりヴァルガーブって馬鹿。
フィブリゾは喚いてるヴァルガーブを、上から見下してる。
普段ならここで終了なのだが・・・・今日はそれだけじゃあ気がすまなかった。
ゆっくりと手を振りかざし、大量のゴキブリを出現させる。
数の程、約100匹程度。予断だが、ヴァルガーブは大のゴキブリ嫌い。
好きな人はいないと思うけどね♪
ヴァルガーブはゴキブリに気付き、青ざめている。
フィブリゾはそんなヴァルガーブににっこり悪魔の如き微笑をして、そのゴキブリを落とし穴に入れる。
「ぎゃあぁぁ!!」
ヴァルガーブの叫び声を残し、フィブリゾは満足げにリナ達の元に帰っていった。

リナはダルフィンの店に入っていった。
コーヒー、紅茶、緑茶など様々なものが揃えてあるらしく、入って左手にいくつもの袋が並べてある。
ダルフィンはその奥のカウンターにいて、黒い髪をなびかせながら接客スマイルで客の相手をしている。
中にはナンパする奴もいるようだが、声を掛けた途端倒れ伏して、次の瞬間には跡形もなく消えている。
おそらく、ダルフィンの隣で優雅に椅子に座り、レモンティーを飲んでいるゼラスが、精神世界から攻撃し、そのまま何処かに捨てているのだろう。
しかも、他の客にばれないようにそれとなくやっているので、周りでは何も知らないカップルや親子連れが騒いでいる。
そんな様子を見ながら、リナは軽くため息を吐いた。
そして、右手にある通路を歩き、アメリア達がいるカフェテリアへと向かう。
カフィテリアは簡素で明るめの雰囲気で、窓側の6人用の席に、アメリアとゼルガディス、それとゼラスに頼み込んで休みを貰ったゼロスがいた。
「あ!リナさん!」
最初にリナに気付いたのは、ほのぼのとコーヒーに口をつけていたゼロス。ついでに顔に似合わず、ブラックコーヒーである。
性格には似合ってるけど・・・・・。
ゼロスが何時もより元気がなく見えて、リナは首を傾げる。
しかし直ぐに何時ものゼロスに戻ったので、リナも気にせずゼロスの隣に腰をおろす。
「フィブリゾはどうしたの?っていうか何であんたがいるのよ」
肘をテーブルにつき、ゼロスに聞く。
アメリアはゼルガディスといちゃついていて、流石のリナも声を掛けづらかったのである。
「きっとフィブリゾさんはデートを続行できないと思いまして♪僕が代わりに参上したという訳ですvvvvvv」
さっきの雰囲気が嘘のようにご機嫌のゼロスを見て、リナはつい顔をしかめた。
「何でフィブリゾが続行できないのよ」
「直ぐに分かります♪」
ゼロスの様子にこれ以上聞いても無駄だと悟ったリナは、とりあえずご飯を注文する事にして、メニューに目を通す。
そこにこれまたご機嫌のフィブリゾがやって来た。
しかし、ゼロスを見ると少し嫌そうな顔をする。
「注文お願いしまーす!」
アメリアは全員揃ったので、早速お昼にしようと思ったらしく、ウェイトレスに声を掛ける。
「何で君がいるのさ」
あからさまに嫌そうな顔をするフィブリゾ、ゼロスは人差し指をフィブリゾの後ろに向けた。
「後ろを見れば、分かりますよ♪」
そしてフィブリゾが振り向き、気になったリナもそちらを覗いてみると、注文を受け取りに来たウェイトレスと視線が合った。
『あ・・・・・・・・あ・・・・・あ・・・・・・・・・』
ウェイトレスは感激の視線をフィブリゾに向けながら、両手を顔にあてている。
フィブリゾは恐怖の視線をウェイトレスに向けながら、震えている人差し指をウェイトレスに向けている。
そして・・・
「フィブリゾ様ぁぁぁvvv私の為にワザワザ来て下さるなんてvvv」
「うどわぁぁぁ!!」
ウェイトレスはご存知マルチナだった。
フィブリゾは一目散に逃げ出し、マルチナはそれを追いかけていった。
マルチナ・・・・・・あんた仕事はどうした!?
すると奥から別のウェイトレスが現れた。
「あら、リナさん。偶然ですね」
その人物はシルフィールだった。
「シルフィール!バイト?」
「ええ、もう直ぐガウリイ様の誕生日で・・・・・あの・・・・・・プレゼントを、と思いまして」
頬を染めながら視線を逸らして言うシルフィール。アメリアは感激しているようだ。
ふ〜ん、シルフィールもか・・・・やっぱ兄弟がいると苦労するなぁ。
そんな事を考えつつ、どっかに行ったフィブリゾは放っておいて、メニューに目を通すリナ。
「お好み焼き定食と焼きそば定食と牛丼定食・・・・・・・・格、5皿ずつ」
メニューを指差しながら言うリナ。ゼロスはそれを横から覗き込む。
「僕はさいころステーキとごはんで♪」
「オリジナルパンセットAで頼む」
「あ、私はハンバーグ定食です!」
リナに続いて続々と言うゼロス、ゼルガディス、アメリア。シルフィールはそれを急いで手元の紙に書き、厨房に走っていった。
「それで、これからどうする?」
「はい!私とゼルガディスさんは2人っきりでデートします!」
「それじゃあ、ダブルデートにならないじゃない」
「やですねぇ、そんなのゼルガディスさんを呼び出す為の口実に決まってるじゃないですかぁ」
手をパタパタと振るアメリア。隣のゼルガディスは何やら不機嫌そうだが・・・?
「じゃあ、午後はいろいろと奢って差し上げますから、僕といっしょに行動しません?1人ではつまらないでしょうし」
「本当!?」
リナは素直に喜んだ。
ゼロスがアメリアと打ち合わせをし、ゼルガディスを言いくるめているとは知らずに・・・。

新しいツリーです♪
何だか遊園地、終わりません。
ヴァルガーブはあの後どうなったのでしょうねぇ。
次回はゼロリナ的雰囲気です。

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24283Re:記憶のない彼〜恋愛〜2003/1/6 08:26:53
記事番号24282へのコメント

>リナがいるということでさっさと復活する。

さすがゼロス! ゴキブリ並みの生命力(笑)

>にっこりウインクするゼラス。リナは少し考えたが、十字架ならヴァルガーブもそれほど恥ずかしがらないだろう、と思いそれを買う。

十字架は、ヴァルガーブにぴったり、って私の中で感じます。

>「盗聴器です♪」

なぜ、そのようなものがあるのですか?ゼラスさま。
勝手にどこかを盗聴してるのかなー?

>汗をだくだく流して顔を引きつらせるゼロス。後ずさるにも後ろはカウンターである。

またお仕置きになるかな?ゼロスもよくこんな生活で生きてるよ(笑)

>「いいわ。許してあげる♪」
>「本当ですか!?」

ををっ!?明日はきっと吹雪だ!!

>「・・・・兄ってだけで誕生日プレゼントが貰えるんだ・・・・ふ〜ん・・・・何の苦労もしてないのに・・・・・・・・・・ねぇ・・・」

燃え上がる嫉妬!フィブが何をするか怖いけど、
そーゆーフィブって可愛いくて、好きだなー(←馬鹿)

>こいつ・・・・・・よく連行されないな。

とゆーか、リナたちも気づけよ。

>数の程、約100匹程度。予断だが、ヴァルガーブは大のゴキブリ嫌い。

聞いただけで、鳥肌が・・・・。

>アメリアはゼルガディスといちゃついていて、流石のリナも声を掛けづらかったのである。

いちゃついてるって、一体どんな会話をしてるのか。

>「フィブリゾ様ぁぁぁvvv私の為にワザワザ来て下さるなんてvvv」
>「うどわぁぁぁ!!」
>ウェイトレスはご存知マルチナだった。

ご愁傷様。フィブ、がんばって逃げてね。

>「本当!?」
>リナは素直に喜んだ。

おごりに弱いねー、あいからわず。
さっきダイヤのネックレス買ったのに、お金大丈夫かな?

次はゼロリナみたいで、一体どーゆー展開になるのか楽しみ。
途中で邪魔は入りそうだけど・・・・。

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24287Re:次回はゼロリナ的雰囲気です風柴流 E-mail 2003/1/6 16:01:51
記事番号24283へのコメント

>>「盗聴器です♪」
>なぜ、そのようなものがあるのですか?ゼラスさま。
>勝手にどこかを盗聴してるのかなー?
勿論、愛しのグラウシェラーをプライバシー侵害を♪

>>「本当!?」
>>リナは素直に喜んだ。
>おごりに弱いねー、あいからわず。
>さっきダイヤのネックレス買ったのに、お金大丈夫かな?
裏で色々と詐欺っぽい事をやってるから・・・。

>次はゼロリナみたいで、一体どーゆー展開になるのか楽しみ。
>途中で邪魔は入りそうだけど・・・・。
フィブリゾがあれで引き下がるはずはないハズ!
ヴァルガーブは・・・・次回出てくるか無難です。
コメントありがとうございました。