◆−時を越えた思い−遥 琥珀&闇竜翔 (2003/1/12 21:56:52) No.24367
 ┣男なら ちゃんと責任 取りましょう−遙 琥珀 (2003/1/19 12:02:23) No.24427
 ┗焔の嫉妬、忍び寄る闇の手・・・・・・−闇竜翔 (2003/1/19 17:08:36) No.24428
  ┗汝何を望むか−闇竜翔 (2003/1/26 13:00:40) No.24520
   ┗Re:汝何を望むか−ユア・ファンティン (2003/1/28 23:02:15) No.24547
    ┗風邪引いててレス返しが遅れました−闇竜翔 (2003/1/31 10:31:06) No.24566


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24367時を越えた思い遥 琥珀&闇竜翔 E-mail 2003/1/12 21:56:52


というわけで新ツリーです
焔:やっとだね〜
今これを書いているのは闇竜です
焔:しっかし初めてだね〜
大変緊張します。間違えて『時を越えた重い』と打ち込みそうになりました
焔:まあ、間違えないようにね

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24427男なら ちゃんと責任 取りましょう遙 琥珀 2003/1/19 12:02:23
記事番号24367へのコメント

「んぐっ」
強引なディープキス。
抗い続けるジェリィ。
「嫌だ…レン…」
「………………」
「…なんで…こんな…」
ジェリィの瞳から、涙が零れた。
「…………………………………………」
レンの…彼女の、胸元のボタンに掛けていた手が止まる。
驚いた様な様子で、彼女を見ている。


―――――――――――――――――俺は一体、何をしている?―――――――――――――――――


―――――――――――――――――こんな事で、彼女の心を縛れないのは解っているのに―――――――――――――――――


我に返るレン。
ジェリィの、躰の上から身を退ける。
彼女に背を向け……
次の動作について、どうするべきか考える。
「………………………………」
起き上がるジェリィ。
ちらっ、と、レンの方を見て………
「レン」
名前を呼ぶ。
びくっ、と震える彼。
次の、彼女の言葉がなんとなく怖かった。

…………………………………………………………………………………………はぁ………………………………………

溜息をつくジェリィ。
外された胸元のボタンを留め、レンに向かって一言。

「あほぅ。」

想わず、かくん、と前のめりになるレン。
「……お前…それが、襲われ掛けた女の言葉か…」
「それが襲った本人の言葉か」
呆れた様に言うレン。
ジト目で返すジェリィ。
さっきまで身の危険にあったという危機感まるでナシ。
まぁ、それでこそ彼女、なのだが。
そして、ちょこん、と彼の隣に座り、
うんうんと頷きつつ―――――――――――――――――……
「というか…お前にロリコンの気があったとは…」
「………は?」
かなり的外れなジェリィの言動に、間の抜けた声を上げるレン。
「違うのか?」
「違う!」
きょとん、としているジェリィに、力一杯言い返す。
「いやでも、二十五歳の男が十八歳の女を押し倒すとは…
 七歳差?わお。なかなか年の差激しいなぁ」
「ちょっと待てお前は!
 精神はン百歳のババァだろうがッ!」
ジェリィと話す様になってから、なんだか口数の多くなったレンである。
因みに、オルエン逝去が五百ン歳の時だから、現在精神は五百三十二歳である。
「冗談だ」
ババァ扱いも気にしない、遠い目ジェリィちゃん。
なかなか寛大な方である。
「……………………」
頭を押さえるレン。
我ながら、何故こういうヤツにここまで入れ込んでるのか少々疑問である。
まぁ、それが『アイ』と言うものだ、という説もあるのだが。
「それから……
 怒っては居ない。
 ただし、この事は記憶に留めておく」
ゆっくりとした口調で。
余り感情を込めずに言うジェリィ。


―――――――――――――――――心が読めない―――――――――――――――――


考えるレン。
ジェラルディーンが何を考えているのかが、解らなかった。

何やら迷っている様子のレンに。
ジェリィは、苦笑しながら。
口の中で、もう一度、『あほぅ』と呟いた。








「うにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ」
レンが帰った後。
ジェリィは、ベッドに突っ伏して何やら呻いていた。
別に何か意味がある訳でもない。
レンの前では冷静に振る舞ってみたものの、やはり内心大混乱しているのだ。
「あー、わからんッ!男ってわからんッ!
 こんな事なら前世、リノと一緒にもっと遊んどけば良かったッ!ってそう言う問題じゃ無いわ馬鹿者!」
一人ボケツッコミ。
「次に一体どんな顔して逢えばいいんだろう」
抱き枕と格闘しつつ、呟く彼女。
そうしているウチに―――――――――――――――――…………………………
「………………………………………………………………………………………………」
一瞬黙り――――――――――――――――――――――――――――――――――…………
「大体――――――――――――――――――――――――――――――――――……」
ジェリィの目つきが、急に険しくなる。
「なんなんだアイツは一体―――――――――――――――――!!!?????」
ぼふぅっ!
力一杯、傍にあったテディベアに正拳を叩き込む。
ぶちんっ!
ベアの腹の布が裂け、中から綿が出てくる。
……………………………………………………………………………………………………………
既に女の力じゃない。
「一体何がやりたかったんだ―――――――――――――――――!?
 一体何のつもりだったんだ―――――――――――――――――!?
 黙って帰るなよお前は理由聞かせろこんちくしょ―――――――――――――――――!!!
 私は読心術なんか身につけてね―――――――――――――――――よッ!!!
 黙ってて解るかこの大ボケ―――――――――――――――――ッッッ!!!!!!!!!!!!」
部屋にある縫いぐるみやら人形やらの数々を蹴り飛ばし殴り飛ばす。
彼女なりのストレス発散法なのだろうが、端から観りゃ単なるキレたヒト。
今頃になって、怒りが沸々と湧いてきた様だ。
実はちょっぴりトロい。
「……本気で身に付けようかな……読心術……レン対策に……」
さっきの蹴りで首の取れた人形(よく見ると何処ぞの死神妹に顔が似てるのがミソ)を握りしめながら。
『夜中なんだから静かにしなさい』と叱りに来たリナのお説教を聞き流しながら。
ジェリィは、結構物騒な事を、半分本気で呟いたのであった…………………………………………………………









「…………………………………………………………」
はぁ、と溜息をつきつつ。
彼女の名前を小声で呟き続けているレン。
恋は人を変えると言うが、真実らしい。
「……本当に……このままじゃ……
 また、消えられてしまう………………」
消えて欲しくない。
傍にいて欲しい。
自分のものにしたい。
もう二度と無くしたくない。
そうは想っても………………
彼女の心は、海王の元へ帰る事しか考えていない。
それが、レンにとっては何より寂しかったし、哀しかった。
海王を超えるくらい、彼女の大事な人になる自信が無かった。
「………………オルエン…………………………
 ………………………………………………愛してる…………………………………………………………」
無理矢理にでも奪ってしまいたい。
だけども、それでは心は奪えない。
彼が愛しているのは、当然オルエンの躰ではなく心。
だから、無理矢理攫っても意味がない。
それは解っていても………………………………………………………………………………
レンは、オルエンを奪いたかった。
海王から。
いや……………………………………
彼女の存在を知っている、全てのものから。
「……………………………………」
立ち上がるレン。
すたすたと、歩き始める。
目的地は…当然、想い人の元。















禁忌を犯しても後悔などしない


その程度で退くような安い恋心なら


初めから抱いたりするものか


この焦がれる胸の想い


『狂気』と呼ぶ者が居たならば


其れ程夢中になれる相手に巡り会えない


己の不憫を嘆くがいい―――――――――――――――――

















言い訳あんど言い逃れ。




行け行けレンくんボケボケオルちゃん。(謎)
どうやら二人が素直になるのはまだまだ先のようです。

オルエン:………………ふっ……………
     アセフィアなんぞ、とうにくっついているというのに……
     どうしてお前はそう展開が遅いのだ…………?
琥珀:ぐはぅっ!(吐血)
   ……ま……まぁ……男女の仲なんてそう簡単に進むものでないし……
オルエン:七年も経ってるし。
     再会してから。
琥珀:……オルエン……アンタ、なんかいつにも増してキツい………
   でも、なんか変な感じですね。
   『十三歳と二十歳』なら『うあ犯罪だ』とか想うんですけど。
   『十八歳と二十五歳』ってあんまり年離れてるような感じしない。
オルエン:それでも充分離れてると想うが……
琥珀:……まぁ……精神年齢は互角だし。
   恋愛で『年の差が』とかなんとか言うのって、『話が合わない』からであって。
   二人の年齢が離れていても、二人の間に会話が成り立つのなら、恋愛の成立は可能と想いますがね。私は。
   小学生とか幼稚園でも大人びてる子はとことん大人びてるしね。
   私、幼稚園の時母と大議論かまして勝った覚えが……
   子供だから意見の辻褄合ってない、話できない、なんて事は無いですよ〜。(にこにこ)
オルエン:……まあ………
     一応、それで納得してやる。
琥珀:……………………………(ほっ)
   それでは、今回はこの辺で。




                                                       幕。


翔さんにお願い。
発表前に貴方にメールで話送って見て頂いてるのですが………………
誤字脱字、表現の可笑しい所見つけたら容赦なく突っ込んで下さい。
ていうか、そうでもしないとあたし、貴方の文章力に付いていけない(涙)
協力して下さい相方その2〜……(汗)

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24428焔の嫉妬、忍び寄る闇の手・・・・・・闇竜翔 E-mail 2003/1/19 17:08:36
記事番号24367へのコメント





この頃アセルトは不機嫌だった。
誰の目にもみて解かった。
なぜかは・・・・・・
「ファントム様――!助けてくださ――――い!」
ついにパショカが逃げ出し、自分の上司の上司の所にかけていく。
ゼムはまだ頑張っていたが、ついに耐え切れなくなりパショカの後を追う。
「ふふふふふふふ」
突然不気味に笑い出すアセルト。確かに怖い。と言っても、パショカ達が逃げたのはこの不気味な雰囲気プラス、

ごごごごごごごごご

そう言う音がして、焔の君の名の如く、赤々とした炎があたりに巻き起こる。所々黒く見えたり白く見えるのは気のせいでは無い。
もちろん、炎が起こっている中心に居る者は普段はかなり優しく、静かなアセルトである。
しかし、一旦怒らせたりしてしまうとこのような状況になる。
「う〜ん、アセルトってうどわっ」
流石のファントムも一歩引く。その後ろに、何百とも言える断罪の一族が連なっているが、その何百もの者達もアセルトの邪悪すぎる勝機のような者を感じて一歩引く。
「ふふふふふふふふふ」
アセルトはそんな様子も気にすることなく無気味な笑いをしている。その手には、なぜかわら人形がある。
ファントムがよく目を凝らせてそのわら人形を見ると・・・・・・赤の世界の冥王フィブリゾの写真が張ってある。
「は?」
ファントムが驚きの顔で見ていると、
「ふふふふふ、毎回毎回フィアナの話しに出てきやがって・・・・・・」
・・・・・・辛いばかりの沈黙が漂う。そして、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・圧倒的な力がそこにある。
観る者に足元が崩れ去るような無力感を叩き込まずにはいられないような恐ろしい力である。
それは予想された結果だった。予め警告された事態であった。
『げっ』
断罪の一族達の顔が蒼白に成った。
大気が震えだしている。いや、そんなものでは無い。空間が震えの為、裂け出したりもしている。
そして、その中心にいる人物は・・・・・・
「・・・・・・」
普段は陽気で部下に優しく信頼も厚く、それでいて厳しい者・・・・・・
断罪の主、無情の王、そして・・・・・・
「ま、幻の君様・・・・・・」
いつもマイペースなパショカが震えながら声をかける。
ファントムの周りの空間がびしびしいってても当の本人は表情一つ変えない。完全な無表情だ。
しかし、その風景を見た者達の心の中は一つだ。
『こ、怖い・・・・・・』
皆更に一歩後退した時、
「アセルト・・・・・・」
小さい声で言うファントム。しかし、アセルトには聞こえてないようだ。無気味に笑い続けている。
『うわああああああ』
何十人もの断罪の一族が自分が持てる最大の魔力を使ってその場所からの逃走を量る。
その様子を見ているのか見ていないのか、ファントムはまた口を開き、
「何がお前をそこまでにしてしまったかは知らない・・・・・・だが、今の俺のために・・・・・・吹き飛べ・・・・・・」
そう言い、手を自分の真上にかざし、
「刹那の如くの間、轟きたまえ雷よ、荒れ狂いたまえ暴風よ。契約主ファントムの名の元に集え!」
・・・・・・普通、炎と雷とがぶつかれば大爆発を起こす。
この場合、無意識とはいえ、かなり高熱の炎を出しているアセルト。
対して、妖魔法雷系最強の魔法を放つファントム。
結果・・・・・・

どっごおおおおおおおおおおおおおおおおん

ファクトの混沌宮殿の一角が完全に吹き飛んだ・・・・・・




「で。お前等は何をしたかったんだ」
椅子の上に堂々と座っているのは混沌の王ファクト。
その前で縮こまって座っているのは少々黒焦げになったりぼろぼろになったりしているファントムとアセルトだ。
その後ろには何百もの断罪の一族がこっそり覗いている。
「すみません・・・・・・」
ファントムが謝る。
「・・・・・僕はファントム様に何もしてないと思うのですが・・・・・・」
アセルトが言おうとするが、
「セレクション!」
ファクトの一声と共に床に押しつぶされるアセルト。
ファントムは哀れみの視線を送っていたが、すぐさまファクトに事情を話し始める。アセルトはまだ地に埋まったままだ。


「お前等・・・・・・あほか?」
全ての事情を聞いたファクトが放った一言はこれだった。
「そ、そんな惨い・・・・・・」
アセルトがどうにか立ち上がりよろよろとよろけるがファクトは全然気にしていない様子だ。
「まったく・・・・・・まあいい。それよりアセルト」
ファクトはアセルトを呼ぶ。
「はい?」
アセルトが聞き返すと、
「お前は、ちょっとファントムと共に訓練場に行って来い。常時からそんな事に平常心を無くしていては軍師としてではなく、一括の戦士としてでも弱くなる。少しばかり戦って冷静さを取りもどしてこい」
ファクトはそう言うと、ファントムのほうを向き、
「というわけだ。今日の仕事は休め。お前も少しばかり冷静さを取り戻せ」
「了解いたしました」
「承知しました」
二人ともそう言い、歩いてその部屋から出て行った。
「まあ、アセルトの平常心をなくさせるほどとはな・・・・・・こいつはおもしろい」
ファクトは誰もいない虚空に向かって笑っていた。




「次!」
「次!」
ファクトとアセルトとは一緒に訓練場で特訓していた。
またしてもギャラリーが周りでかなり騒いでいるが二人の耳には入ってない。
それぞれが別のものを倒している。
アセルトはもう290匹を超えているしファントムに至っては300匹を超えている。
「ラスト!」
アセルトがそう叫ぶ。しかし、ファントムはまだモンスターと戦っている。
アセルトの前に出てきたのは、ゼロディハンター。
彼はそいつの鎌をかいくぐりながら一撃を入れて終わらせた。
そして、
「ラスト!」
ファントムの声が響く。
彼の前に出てきたのは・・・・・・
「何!?」
アセルトが驚愕の声を漏らす。イクストルといわれる巨大なこうもりが出てきたのだ。
こいつにはアセルトは一度も戦った事がない。しかし、ファントムは落ち着きながら奴の攻撃をかいくぐり、そして一撃。
「ふう、流石に疲れたな」
そう言ってイクストルを倒したファントムがアセルトの横に腰を下ろす。
「そうですね」
そう言って、自らの武器をしまうアセルト。
ファントムはふっと笑うと、
「いつだったかな?ここにお前とあいつとを連れて来たのは・・・・・・」
アセルトは苦笑し、
「もういいですよ。あいつは心を失ったんですから」
二人の間に沈黙が降り立つ。
「そろそろ戻るか?」
「そうですね」
二人はそう言い、立ち上がった時、
「ファントム様!アセルト様!一大事です!」
突如火竜の君ことゼムがいきなり現れる。
「どうしたんだゼム?」
普段の彼らしくない行動にいささか驚きを隠せないアセルト。
「言ってみろ火竜の君よ」
ファントムが冷静にいうと、
「赤の世界のフィアナ嬢が攫われました。それも、邪妖にです!」
アセルトの目の前が真っ暗になった・・・・・・




それより少し前、
「さて・・・・・・そのアセルトの恋人とやらはどこに居るんだ?」
冷めた声、そして生気がない声に反応する一人の邪妖。
「悪夢の王が統べる赤の地です。その冥王の配下となっているようです」
「そうか・・・・・・」
彼は手をうるさそうに左右に振って退席させる。
「ふふふふふ、そのフィアナとやらには奴を誘い出すエサとなってもらおう」
そう言うと、一杯ワインを飲み、
「楽しみですよ。今度こそあなたを滅ぼせるんですね我が兄よ・・・・・・」
彼の名は流水の君ルイス。双子の兄である焔の君アセルトの唯一の肉親。そして、邪妖の約半分を束ねる者・・・・・・
「ホントに楽しみですよ」
その声は完全に狂気に占められていた・・・・・・




「逃げろフィアナ!」
突然やって来た邪妖の大群を前に冥王達は大苦戦をしていた。そして、狙いはまたしてもフィアナ・・・・・・
「いや、私は逃げぬ!」
フィアナが怒鳴り返すが、冥王に部屋の中に押し込められる。
「まったく・・・・・・」
フィアナが呆れながらため息をついたその瞬間、
「ほう、あなたがフィアナ嬢と言う訳ですね」
突然現れる気配。フィアナはその気配の元から一瞬で間合いを取り驚きで目を見開く。
そこにあったのは、アセルトと同じ顔、同じ体格。
唯一違うのはその目が青いのと髪が青いのだけであろう。
「だ、誰だ!?」
フィアナがレイピアを構えて言うが、
「ふふふふふ、あなたには私の野望のためにご同行願いますよ」
そう言うと同時に、カッと開かれる目。その瞬間、周りの風景が歪む。
「なに!?」
驚きの声を上げるフィアナ。しかし、突如なだれ込んでくる色々な画像。
『あっちにいけ死神!』
『神でもない奴が!』
『死ね!いや、存在自体滅んじまえ』
その記憶は昔神族に居た時の記憶。
自らの体にある烙印がいきなり暑く熱を持ち出す。いや、焼印を押し付けられたような感じの恐るべき痛みが彼女を襲う。
「!!!!!」
無言で悲鳴を上げるフィアナ。そして、その目の中に入った画像は・・・・・・
「いやああああああ!」
アセルトが彼女の剣によって死ぬ情景だった・・・・・・そして、自分は・・・・・・・・・・・・笑っている。恍惚に浸っている笑いだった。アセルトは驚きの為目を見開き、そして無に散った。
フィアナは悲鳴を上げたまま意識を暗い闇の中に手放した・・・・・・




ファントム達がファクト宮殿に着いた時には、もう悪夢の王も冥王も到着していた。
「すみませんアセルト様」
フィブリゾが悔しそうに歯をかみ締める。
「説明は簡単よ。奴等がいきなり攻めていって冥王城を陥落させてフィアナっていうあの子を連れて行っただけよ」
悪夢の王が言う。
簡単すぎるがそうとしか言いようが無いのである。
「くそっ、邪妖め!」
苦々しくアセルトが言うが、
「もう一つお前宛にあるらしいぞ」
ファクトがそう言い、アセルトに一つの水晶球を渡す。記憶水晶だ。
アセルトは無言で再生させる。
『親愛なる諸君。私の名は元流水の君。分かっていると思いますが、今宵は焔の君の愛する者のフィアナ嬢を攫わせていただきました』
「ルイス・・・・・・」
アセルトが憎悪の表情で水晶球を睨みつける。心を無くした邪妖の言葉はまだ続く。
『さて、このフィアナさんをただでは返しません。この水晶球を活動させて人間で言う一日を過ぎたらまずは彼女の指を一本ずつ切り落とさせていただきます。もちろん最大の苦痛を与えて・・・・・・お分かりかな?彼女の命は私が握っているのです。私が彼女を帰すとしたらそれは唯一、焔の君ことアセルト兄さんと決別の戦いをしたいだけです。ただし、ギャラリーは一切抜きで・・・・・・』
アセルトは奴が笑ったのを見たような気がした。
『兄さん・・・・・・今度こそ決着をつけましょう。場所は・・・・・・ルナキーリングガイアでお待ちしておりますよ。もちろん、来なくても結構です。その場合は・・・・・・ちなみに私はあまり気が長い方ではありませんから。それでは、お待ちしておりますよ』
その最後の文が聞こえるか聞こえないかする前に水晶球は握りつぶされた。アセルトにである。
水晶球はたとえ混沌の影響を少し受けても壊れないように作られている。
その水晶球をアセルトは自らの『力』を使わずに握りつぶしたのだ。
そして、無言で歩きだす。
「おい!アセルト!」
ファクトが声をかけるが、

ドゥゥゥゥゥンッ

アセルトが自らに架していた枷を外した。
その瞬間、恐ろしいプレッシャーが彼からあふれる。そのプレッシャーの副作用で彼の髪が銀に染まる。
冥王はぎりぎり悪夢の王の後ろに隠れたおかげで滅びはしなかったが、物質世界への干渉力を一時的に無くした。
「行って参ります」
その一言と共にアセルトは亜空を飛んだ。
「バカが!」
ファントムが顔をしかめながら唸った。








あとがきと言う名のもの

闇:という訳で、はっきり言うと最悪ですね〜
焔:をい!君はどう言う設定をしてるんだ!?
闇:えっと、流水の君は焔の君と同時期に生まれたといわれています。というか育てられました
焔:って言うか今じゃ邪妖だし・・・・・・
闇:え〜、琥珀さん・・・・・・フィアナかなり可哀想な目に合わせてしまいました。ここで懺悔します
焔:って言うか懺悔されても仕方ないと思うよ
闇:気にしないでくれ。さて、そろそろ終わりにしましょうか
焔:そうだな。それではみなさん!
闇&焔:さようなら〜

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24520汝何を望むか闇竜翔 E-mail 2003/1/26 13:00:40
記事番号24428へのコメント





ルナキーリングガイヤ。
妖魔発祥の地とも言われるがそこは何もない山岳地帯。いや、山岳地帯に良く似たような場所。
いくつもの大きな自然の石の柱が立つ場所。
高い所で大体100メートルは超えている。
その場所に、今にも消えてしまいそうな月が浮かんでいる。
今日の月は赤き解放の月のみ。しかし、その月が無気味に見える。
そこに一人の妖魔がいた。いや、心を無くした妖魔、邪妖だ。もちろん流水の君ルイスである。
「ふふふふふ、いつ来られるのですか?我が兄」
彼は無気味に笑いながら独り言を言う。
「そろそろあの方に苦痛を与えてもいいのですよ」
そう言って彼が向いた先には、十字架のような自然の石の柱に括り付けられているフィアナ。
「そろそろ一日経ちましたかね」
そう言って彼が立ち上がるが、
「おや、丁度ですね」
そう言った時、彼の前の石の柱の先の空間が歪み、そこから出てくる銀の髪の妖魔。完全にキレたアセルトである。
ルイスは無気味に笑い、
「お久しぶりですね我が兄」
「・・・・・・」
アセルトは無言だ。
しかし、ルイスは話しつづける。いや彼にとってアセルトが何を言おうがもう関係ないのである。
そこにあるのは、『狂気』その一言・・・・・・
永久に続く、狂った欲望・・・・・・
歪んだ夢・・・・・・
「やっと貴方を滅ぼす事が出来るんですよ。これほどまでに嬉しい事はありませんよ」
そう言うと共に自らの妖魔の剣を取り出す。彼の剣はアセルトの剣によく似てかなりの大剣だ。そして、名も同じく『ラグナログ』。
違うのは、剣の表面に流れているのは焔ではなく水。
それも黒く完全に濁った水だ。
否、
それは水に似てそして、強烈な鉄の匂いがする。
「・・・・・・水が血を吸いすぎてついに黒くなってしまったか」
アセルトが苦々しく言う。
しかし、それに気づいた様子も無くルイスは先を続ける。
「私の野望がついに果たせるんですよ。そして、貴方を倒したらその力を吸収して貴方の尊敬する上司殿も貴方と同じ場に送って差し上げますよ」
ルイスがそう言う。
「ファントム様はお前なんぞに負けん!」
アセルスがそう言うが、ルイスは狂ったように笑いを続ける。
否、完全に狂っている。彼の目にあるのは正気無くせし青き目・・・・・・
「・・・・・・止める方法は一つか」
アセルトはそう言うと自らの剣を抜き放つ。そう、彼の『ラグナログ』だ。闇に負けないくらいの焔がうねる。いや、通常の焔では無い。
炎は温度が高くなればなるほど色が変わる。
赤からオレンジ。オレンジから青。そして、青から白に・・・・・・
今の『ラグナログ』の剣の焔の色は白。
その輝きは闇を完全に退けさせている。
ルイスはその様子を狂った目で見つめている。笑いはもうでてない。
「・・・・・・我が名は焔の君アセルト。断罪の一族にして王なりし者。今、堕ちたりし邪妖ルイスを永久の彼方に救いたもう事なかれ。さすれば我は求め訴えよう事なり、今我はこの者を・・・・・・」
そこで一旦区切り、剣を真正面に構えると、
「我が名を持ちて断罪の名の元に滅ぼす!」
彼がそう言い放ち、自らの『力』をどんどん高める。
「ふふふふふ、それでいいのですよ。私にとっては貴方を倒してこそ意味があるのですから」
ルイスがそう言い、戦いは始まった・・・・・・


「黒き翼、闇の力よ」
ルイスがそう言い、黒い矢を幾十もアセルトに向かって打ち出せば、
「白き翼、光の力よ」
アセルトも負けじと白い矢で相殺する。ルイスはその矢の残りを回避しながら後退する。しかし、アセルトはそれを見逃すはずが無い。
「今宵の翼よ!」
そう言うと共に彼の背中に黒い翼が現れる。しかし、
「鏡の翼よ」
そう言うと共にルイスの背中にも大きな反射する翼が現れる。

ガッギイィィィィン

二つの剣が重なり、そして一瞬の間にアセルトはその場から離れる。その瞬間、何かがアセルトのいた空間を裂く。
それは、一瞬の事で剣に戻った。つまり、
「まだその能力は持っているのか・・・・・・剣に纏い付いている水を変える能力は・・・・・・」
アセルトが舌打ちして間合いを取るがその瞬間ルイスの体が闇に溶け込む。
「妖魔法邪術『影霞』か!」
『影霞』とはその魔法によってその地の異空間に飛ぶと言うものだ。
アセルトはそう言い、自らの周りに結界を張り詰める。
その瞬間、彼の結界に阻まれるような形で黒い闇が覆い被さる。
「くそっ、何で妖魔法邪術『魔女の芳香』と妖魔法邪術『影霞』の同時発動が出来るんだ!」
そう怒鳴るがルイスは答えない。
「・・・・・・そろそろこちらから行くぞ」
アセルトがそう言い、特殊な印字を結び言葉を紡ぐ。
「紅の炎、今永久に」
高速連動魔導式発動、妖魔法炎術『煉獄』。
その瞬間、アセルトの結界に覆い被さっていた黒い闇は一瞬にして虚空から現れた炎に食い潰された。
アセルトは更に言う。
「暁の光、神秘の目よ」
高速連動魔導式発動、妖魔法心術『賢者の目』。
その瞬間、アセルトの目に飛び込んでくる見えない空間の風景。その空間の一つに入り込んできたルイスの姿。異空間で彼は魔法を唱えていたのだ。
「種が分かればこっちのものだ!」
アセルトがそう言い自らの『力』を糸にしてルイスを捕まえようとするがルイスもその様子を見てすぐさま現実世界の方に帰還する。そして、そのまま今まで唱えていた呪文を解き放つ。
「連鎖爆発!」
ルイスの声がすると同時に鎖が現れアセルトの周囲に巻き付こうとするが、
「神秘の光、凍てつく波動よ」
高速連動魔導式発動、妖魔法心術『壊呪』。
その効果によって鎖は消え去った。しかし、
「食らえ!」
ルイスの声が響くと同時にアセルトの背後から一本の鎖鎌がの腹部を襲う。
アセルトはぎりぎりで回避するものの鎌に少しばかり貫かれる。
「厄介な能力だ」
アセルトはそう言い更に間合いを取る。
この地では空間移動や影移動。ましてや亜空間移動などの移動系の『力』は封じられている。それゆえにさっきのように空を飛ぶときでも翼を出したりすることで何とかしている始末だ。
「しゃはははは」
ルイスが黒い闇を一気に放出してきた。もう一度『魔女の芳香』をやる気なのだ。
「そうはさせん!」
アセルトが言うと同時に彼の『力』が膨れ上がる。そして、
「荒れ狂え風と雷、今ここに我と汝との契約の元に集え!」
そう言った時、恐ろしい嵐が突如起こる。祖の嵐は『魔女の芳香』を飲み込み、ルイスに突撃する。
「くうっ」
ルイスはどうにかそれを避けるが、全部は避けれずに彼にかする。しかし、
「ぐわああああ」
アセルトの魔力と自分の放った魔力の混合のダメージを食らったルイスが膝をつく。
アセルトはその様子を見るが更に呪文を紡ぐ。
「雪月の女帝よ 氷の地より来たりて 我等が敵を 眠りの道を歩ませたまえ!」
アセルトがそう言うと同時に彼の周りに氷の粒が現れ始める。ただの氷では無い。彼自身の魔力が篭っている氷だ。禁呪妖魔法邪氷術と呼ばれる魔法だ。
通常の人間だったら触れるだけで見事魂からの消滅を楽しめるだろう。
無論神族や魔族でも消滅はしなくても滅ぶ程度のダメージはある。もちろん一粒で。
アセルトはその事を分かっているからフィアナを自分の背にしてこの術を解き放ったのだ。
「!!!」
ルイスが驚きに目を丸くするが、
「死雹月!」
彼が術を解き放つ。ルイスはその粒を見ているが・・・・・・
「水神吸収陣!」
ルイスがそう言うと同時に全ての氷の粒が突如現れた水に飲み込まれる。これはルイス本人の破壊の『力』だ。
「ふふふふふ」
ルイスが不気味に笑い出す。
「流石だ!さすが我が兄だ!妖魔法で幻の君でしか使えないと言われ続けてきた禁呪妖魔法を使うとは・・・・・・すばらしい!」
そうルイスがいうが、
「やかましい!」
アセルトがそう言うと同時に彼の剣がルイスに向かって投げられる。
ルイスはその攻撃を避けると、
「でも、そのものを今この手で殺せると言うとかなりの快感ですね」
そう言って指をパチッと鳴らす。その瞬間、黒い水の檻がアセルトを封じ込める。
「何!?」
驚きの声を上げるアセルト。
「簡単な事ですよ。私の『ラグナログ』に妖魔法暗黒術『魔狼』を使っただけですから」
そう言ってアセルトを見下すような形で空中に止まる。
「私の能力の『ラグナログ』の水を変形させる能力と、あなたの能力の高速連動魔導式どちらが上だったか分かりましたね。私の能力が勝ったんですよ!貴方を滅ぼす。その一心がね!」
「・・・・・・」
アセルトは沈黙したままである。ルイスはまだ続ける。
「いつか幻の君が言ってましたよね!死闘では最後に生き残っていた方が勝ちだと!練習では三本在るけれど死闘ではそのうち一本で良いと!私はついにそれをやり遂げたのです!」
「・・・・・・それで?」
アセルトが対して呆れたように言う。
それがルイスの癇に障ったのかもしれない。ともかく、彼はきっとアセルトの方を向き、
「分からないのですか!?『魔狼』の魔法はその檻に振れる者を消去して言うというものです!私の思いしだいで貴方は滅ぼされるんですよ」
しかし、アセルトの態度は変わらなかった。
「ふ〜ん」
たいして関心がなさそうである。ルイスはその様子を見ながらふと思いついたように言う。
「では、この状況をフィアナ嬢に見てもらってから滅んでいただきましょうか。恋人が滅ぶありさまを見て彼女はどう思いますかね」
彼はそう言うとパンと手を打ち鳴らす。その時、
「う〜ん、よく寝た。今まで何をやっていたのだろう」
フィアナが目を覚ましあたりを見て・・・・・・
「・・・・・・アセルト何をしている」
「いやなに。邪妖に滅ぼされそうになってるだけだよ」
あっさりすっきりはっきり言うアセルト。フィアナは何秒か沈黙した後、
「おお、そういえば私もお前そっくりのやつに捕まったんだ。助けてくれ」
なんとも気楽な奴である。
「そのそっくりさんはそこにいる。それと今の状況では助けるのは結構難しい」
正確には百%不可能なのだが・・・・・・
「・・・・・・私をコケにしましたね」
ついに怒ったのかルイスがそう言う。
「二人共々仲良く消滅させてあげますよ!」
ルイスがそう言うと同時にフィアナの周りに現れるアセルトと同じ檻。
「ふふふふふ、どうです!怖いでしょう!恐ろしいでしょう!泣き叫びなさい!そうすれば貴方だけは助けてあげますよ!さあ!」
ルイスがそうフィアナに言うが、
「いやだ」
返事は簡単だった。
「・・・・・・なんですと」
ルイスがそう聞くが、
「アセルトがいない生なんて私にはいらない。それくらいなら私は滅びを選ぼう。アセルトがいるから私は生きているのだ」
そう堂々とフィアナは言い。
「私はお前なぞに屈しはしない」
そう言うフィアナ。ルイスは怒りの為わなわなと震えているが、
「ふふ、相変わらず変わってないなフィアナは」
アセルトがそう言う。ルイスがその方を向くとアセルトはさっきまでとは別人のような顔つきになっていた。そう、軍師の顔だ。
「フィアナ、滅ぶとか言う言葉は使うんじゃないぞ。今終わらすから」
そう言うと同時にルイスを正面に見据える。
「ほう、終わらすとはね。私を滅ぼすとでも言うのですか?」
ルイスが馬鹿にしたように言う。しかし、
「ああ、その通りさ」
アセルトが堂々と肯定する。そして、
「お前はさっき言ったよな。死闘では三本中一本取ればいいと、最後に生き残ってた者が勝者だと。その通りだ。なら、お前に最初の二本はやろう。その代わり最後の一本はもらうぜ」
そう言うと同時にアセルトは笑う。
「じゃあ、終焉の鐘を鳴らそうか」
アセルトはそう言うと同時に呪文を開始する。
「神秘の光、凍てつく波動よ!」
たったそれだけ。それは妖魔法心術『壊呪』。
「なに?」
ルイスが不思議そうに言うが、

ピキイイイイイイイイン

軽い音を残して檻を作っていた『魔狼』が崩れ去る。
「お前は言ってたよな。この檻は『魔狼』とお前の能力の賜物だって。つまり『魔狼』を壊してしまえば檻は消滅する。そして、フィアナにも作ったあの大きな檻。あんなもの二つも作ってたんだったら流石のお前でもオーバーワークするのは確実」
そこまで言った時、ルイスが従えていたはずの水が一気に重力に引かれて下に落ちていく。
「ああああああああ!」
ルイスは驚きの為水を従えようとするがまったく持って反応は来ない。
「死闘では最後に生きていたのが勝者。その言葉どおりさ」
彼はそう言うと同時に言葉を紡ぐ。
「大樹の梢にて、大地を見張りしは大鷲、その翼打ち振りて、我が前に混沌の・・・・・・」
そこまで言い、手をルイスの方へ伸ばし、
「烈雷を表せ」
その一言と共に高速連動魔導式『アポカリプス』発動。
その瞬間、アセルトの手から恐ろしいほどの『力』塊がルイスの方へ発射された。







あとがきと言う名の逃げ道

闇竜:という訳で、今回はこれにて終わりです
焔:おい
闇竜:ちなみに、『高速連動魔導式』という滅茶苦茶ややこしいのはアセルスの能力です
焔:・・・・・・
闇竜:ここで打ち止めした理由は次回明らかになります
焔:次回が大変なんだよね〜
闇竜:そうだね
焔:あの計画も進んでいるようだし
闇竜:頭の中ではね
焔:えっ?
闇竜:それでは、今回はここら辺にて・・・・・・
闇竜&焔:さようなら〜

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24547Re:汝何を望むかユア・ファンティン 2003/1/28 23:02:15
記事番号24520へのコメント


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>ルナキーリングガイヤ。
>妖魔発祥の地とも言われるがそこは何もない山岳地帯。いや、山岳地帯に良く似たような場所。

ユ:ふみゅ、荒涼としていそう

>いくつもの大きな自然の石の柱が立つ場所。
>高い所で大体100メートルは超えている。
>その場所に、今にも消えてしまいそうな月が浮かんでいる。
>今日の月は赤き解放の月のみ。しかし、その月が無気味に見える。
>そこに一人の妖魔がいた。いや、心を無くした妖魔、邪妖だ。もちろん流水の君ルイスである。

ユ:アセちゃんの兄弟?

>「ふふふふふ、いつ来られるのですか?我が兄」
>彼は無気味に笑いながら独り言を言う。
>「そろそろあの方に苦痛を与えてもいいのですよ」
>そう言って彼が向いた先には、十字架のような自然の石の柱に括り付けられているフィアナ。

ユ:ピ−チ姫状態ですね。

>「そろそろ一日経ちましたかね」
>そう言って彼が立ち上がるが、
>「おや、丁度ですね」
>そう言った時、彼の前の石の柱の先の空間が歪み、そこから出てくる銀の髪の妖魔。完全にキレたアセルトである。
>ルイスは無気味に笑い、
>「お久しぶりですね我が兄」
>「・・・・・・」
>アセルトは無言だ。
>しかし、ルイスは話しつづける。いや彼にとってアセルトが何を言おうがもう関係ないのである。
>そこにあるのは、『狂気』その一言・・・・・・
>永久に続く、狂った欲望・・・・・・
>歪んだ夢・・・・・・

ユ:あ、ある意味レネルドとユリスさんに似ているね。

>「やっと貴方を滅ぼす事が出来るんですよ。これほどまでに嬉しい事はありませんよ」
>そう言うと共に自らの妖魔の剣を取り出す。彼の剣はアセルトの剣によく似てかなりの大剣だ。そして、名も同じく『ラグナログ』。
>違うのは、剣の表面に流れているのは焔ではなく水。
>それも黒く完全に濁った水だ。
>否、
>それは水に似てそして、強烈な鉄の匂いがする。

ユ:・・・・・・(無表情に笑っている)

>「・・・・・・水が血を吸いすぎてついに黒くなってしまったか」
>アセルトが苦々しく言う。
>しかし、それに気づいた様子も無くルイスは先を続ける。
>「私の野望がついに果たせるんですよ。そして、貴方を倒したらその力を吸収して貴方の尊敬する上司殿も貴方と同じ場に送って差し上げますよ」
>ルイスがそう言う。
>「ファントム様はお前なんぞに負けん!」
>アセルスがそう言うが、ルイスは狂ったように笑いを続ける。

ユ:またある意味では、ランシア(琥珀の姐御のとこで言うライアナ的存在)
  みたいだねえ。(これはルイスへの賛辞)
ディ:賛辞になってない
ユ:そうかしら、
  普通大抵の方、非定されたら、反応すると思うけど?

>否、完全に狂っている。彼の目にあるのは正気無くせし青き目・・・・・・
>「・・・・・・止める方法は一つか」
>アセルトはそう言うと自らの剣を抜き放つ。そう、彼の『ラグナログ』だ。闇に負けないくらいの焔がうねる。いや、通常の焔では無い。
>炎は温度が高くなればなるほど色が変わる。
>赤からオレンジ。オレンジから青。そして、青から白に・・・・・・
>今の『ラグナログ』の剣の焔の色は白。

ユ:・・・・・(驚愕中)

>その輝きは闇を完全に退けさせている。
>ルイスはその様子を狂った目で見つめている。笑いはもうでてない。
>「・・・・・・我が名は焔の君アセルト。断罪の一族にして王なりし者。今、堕ちたりし邪妖ルイスを永久の彼方に救いたもう事なかれ。さすれば我は求め訴えよう事なり、今我はこの者を・・・・・・」
>そこで一旦区切り、剣を真正面に構えると、
>「我が名を持ちて断罪の名の元に滅ぼす!」
>彼がそう言い放ち、自らの『力』をどんどん高める。
>「ふふふふふ、それでいいのですよ。私にとっては貴方を倒してこそ意味があるのですから」
>ルイスがそう言い、戦いは始まった・・・・・・

ユ:兄弟対決か・・・・
  関係ないけど、ディスとアルいつ闘わせようか・・・・・

>
>
>「黒き翼、闇の力よ」
>ルイスがそう言い、黒い矢を幾十もアセルトに向かって打ち出せば、
>「白き翼、光の力よ」
>アセルトも負けじと白い矢で相殺する。ルイスはその矢の残りを回避しながら後退する。しかし、アセルトはそれを見逃すはずが無い。
>「今宵の翼よ!」
>そう言うと共に彼の背中に黒い翼が現れる。しかし、
>「鏡の翼よ」
>そう言うと共にルイスの背中にも大きな反射する翼が現れる。
>
>ガッギイィィィィン
>
>二つの剣が重なり、そして一瞬の間にアセルトはその場から離れる。その瞬間、何かがアセルトのいた空間を裂く。
>それは、一瞬の事で剣に戻った。つまり、
>「まだその能力は持っているのか・・・・・・剣に纏い付いている水を変える能力は・・・・・・」
>アセルトが舌打ちして間合いを取るがその瞬間ルイスの体が闇に溶け込む。
>「妖魔法邪術『影霞』か!」
>『影霞』とはその魔法によってその地の異空間に飛ぶと言うものだ。
>アセルトはそう言い、自らの周りに結界を張り詰める。
>その瞬間、彼の結界に阻まれるような形で黒い闇が覆い被さる。
>「くそっ、何で妖魔法邪術『魔女の芳香』と妖魔法邪術『影霞』の同時発動が出来るんだ!」

ユ:ドラスレとギガスレを両方一辺に発動させるような物?

>そう怒鳴るがルイスは答えない。
>「・・・・・・そろそろこちらから行くぞ」
>アセルトがそう言い、特殊な印字を結び言葉を紡ぐ。
>「紅の炎、今永久に」
>高速連動魔導式発動、妖魔法炎術『煉獄』。
>その瞬間、アセルトの結界に覆い被さっていた黒い闇は一瞬にして虚空から現れた炎に食い潰された。
>アセルトは更に言う。
>「暁の光、神秘の目よ」
>高速連動魔導式発動、妖魔法心術『賢者の目』。
>その瞬間、アセルトの目に飛び込んでくる見えない空間の風景。その空間の一つに入り込んできたルイスの姿。異空間で彼は魔法を唱えていたのだ。
>「種が分かればこっちのものだ!」
>アセルトがそう言い自らの『力』を糸にしてルイスを捕まえようとするがルイスもその様子を見てすぐさま現実世界の方に帰還する。そして、そのまま今まで唱えていた呪文を解き放つ。
>「連鎖爆発!」
>ルイスの声がすると同時に鎖が現れアセルトの周囲に巻き付こうとするが、
>「神秘の光、凍てつく波動よ」
>高速連動魔導式発動、妖魔法心術『壊呪』。
>その効果によって鎖は消え去った。しかし、
>「食らえ!」
>ルイスの声が響くと同時にアセルトの背後から一本の鎖鎌がの腹部を襲う。
>アセルトはぎりぎりで回避するものの鎌に少しばかり貫かれる。
>「厄介な能力だ」
>アセルトはそう言い更に間合いを取る。
>この地では空間移動や影移動。ましてや亜空間移動などの移動系の『力』は封じられている。それゆえにさっきのように空を飛ぶときでも翼を出したりすることで何とかしている始末だ。
>「しゃはははは」
>ルイスが黒い闇を一気に放出してきた。もう一度『魔女の芳香』をやる気なのだ。
>「そうはさせん!」
>アセルトが言うと同時に彼の『力』が膨れ上がる。そして、
>「荒れ狂え風と雷、今ここに我と汝との契約の元に集え!」
>そう言った時、恐ろしい嵐が突如起こる。祖の嵐は『魔女の芳香』を飲み込み、ルイスに突撃する。
>「くうっ」
>ルイスはどうにかそれを避けるが、全部は避けれずに彼にかする。しかし、
>「ぐわああああ」
>アセルトの魔力と自分の放った魔力の混合のダメージを食らったルイスが膝をつく。
>アセルトはその様子を見るが更に呪文を紡ぐ。
>「雪月の女帝よ 氷の地より来たりて 我等が敵を 眠りの道を歩ませたまえ!」
>アセルトがそう言うと同時に彼の周りに氷の粒が現れ始める。ただの氷では無い。彼自身の魔力が篭っている氷だ。禁呪妖魔法邪氷術と呼ばれる魔法だ。
>通常の人間だったら触れるだけで見事魂からの消滅を楽しめるだろう。

ユ:ほう。
  って、楽しめる?

>無論神族や魔族でも消滅はしなくても滅ぶ程度のダメージはある。もちろん一粒で。

ユ:人工精霊は?

>アセルトはその事を分かっているからフィアナを自分の背にしてこの術を解き放ったのだ。
>「!!!」
>ルイスが驚きに目を丸くするが、
>「死雹月!」
>彼が術を解き放つ。ルイスはその粒を見ているが・・・・・・
>「水神吸収陣!」
>ルイスがそう言うと同時に全ての氷の粒が突如現れた水に飲み込まれる。これはルイス本人の破壊の『力』だ。
>「ふふふふふ」
>ルイスが不気味に笑い出す。
>「流石だ!さすが我が兄だ!妖魔法で幻の君でしか使えないと言われ続けてきた禁呪妖魔法を使うとは・・・・・・すばらしい!」
>そうルイスがいうが、
>「やかましい!」
>アセルトがそう言うと同時に彼の剣がルイスに向かって投げられる。
>ルイスはその攻撃を避けると、
>「でも、そのものを今この手で殺せると言うとかなりの快感ですね」

ユ:ますます持って、ランシアみたいだねえ

>そう言って指をパチッと鳴らす。その瞬間、黒い水の檻がアセルトを封じ込める。
>「何!?」
>驚きの声を上げるアセルト。
>「簡単な事ですよ。私の『ラグナログ』に妖魔法暗黒術『魔狼』を使っただけですから」
>そう言ってアセルトを見下すような形で空中に止まる。
>「私の能力の『ラグナログ』の水を変形させる能力と、あなたの能力の高速連動魔導式どちらが上だったか分かりましたね。私の能力が勝ったんですよ!貴方を滅ぼす。その一心がね!」
>「・・・・・・」
>アセルトは沈黙したままである。ルイスはまだ続ける。
>「いつか幻の君が言ってましたよね!死闘では最後に生き残っていた方が勝ちだと!練習では三本在るけれど死闘ではそのうち一本で良いと!私はついにそれをやり遂げたのです!」
>「・・・・・・それで?」
>アセルトが対して呆れたように言う。
>それがルイスの癇に障ったのかもしれない。ともかく、彼はきっとアセルトの方を向き、
>「分からないのですか!?『魔狼』の魔法はその檻に振れる者を消去して言うというものです!私の思いしだいで貴方は滅ぼされるんですよ」
>しかし、アセルトの態度は変わらなかった。
>「ふ〜ん」
>たいして関心がなさそうである。ルイスはその様子を見ながらふと思いついたように言う。
>「では、この状況をフィアナ嬢に見てもらってから滅んでいただきましょうか。恋人が滅ぶありさまを見て彼女はどう思いますかね」
>彼はそう言うとパンと手を打ち鳴らす。その時、
>「う〜ん、よく寝た。今まで何をやっていたのだろう」
>フィアナが目を覚ましあたりを見て・・・・・・
>「・・・・・・アセルト何をしている」
>「いやなに。邪妖に滅ぼされそうになってるだけだよ」
>あっさりすっきりはっきり言うアセルト。フィアナは何秒か沈黙した後、
>「おお、そういえば私もお前そっくりのやつに捕まったんだ。助けてくれ」
>なんとも気楽な奴である。

ユ:天気でも話すみたいに呑気ですねぇ・・・・・

>「そのそっくりさんはそこにいる。それと今の状況では助けるのは結構難しい」
>正確には百%不可能なのだが・・・・・・
>「・・・・・・私をコケにしましたね」
>ついに怒ったのかルイスがそう言う。
>「二人共々仲良く消滅させてあげますよ!」
>ルイスがそう言うと同時にフィアナの周りに現れるアセルトと同じ檻。
>「ふふふふふ、どうです!怖いでしょう!恐ろしいでしょう!泣き叫びなさい!そうすれば貴方だけは助けてあげますよ!さあ!」
>ルイスがそうフィアナに言うが、
>「いやだ」
>返事は簡単だった。
>「・・・・・・なんですと」
>ルイスがそう聞くが、
>「アセルトがいない生なんて私にはいらない。それくらいなら私は滅びを選ぼう。アセルトがいるから私は生きているのだ」

ユ:だろうね。

>そう堂々とフィアナは言い。
>「私はお前なぞに屈しはしない」
>そう言うフィアナ。ルイスは怒りの為わなわなと震えているが、
>「ふふ、相変わらず変わってないなフィアナは」
>アセルトがそう言う。ルイスがその方を向くとアセルトはさっきまでとは別人のような顔つきになっていた。そう、軍師の顔だ。
>「フィアナ、滅ぶとか言う言葉は使うんじゃないぞ。今終わらすから」
>そう言うと同時にルイスを正面に見据える。
>「ほう、終わらすとはね。私を滅ぼすとでも言うのですか?」
>ルイスが馬鹿にしたように言う。しかし、
>「ああ、その通りさ」
>アセルトが堂々と肯定する。そして、
>「お前はさっき言ったよな。死闘では三本中一本取ればいいと、最後に生き残ってた者が勝者だと。その通りだ。なら、お前に最初の二本はやろう。その代わり最後の一本はもらうぜ」
>そう言うと同時にアセルトは笑う。
>「じゃあ、終焉の鐘を鳴らそうか」
>アセルトはそう言うと同時に呪文を開始する。
>「神秘の光、凍てつく波動よ!」
>たったそれだけ。それは妖魔法心術『壊呪』。
>「なに?」
>ルイスが不思議そうに言うが、
>
>ピキイイイイイイイイン
>
>軽い音を残して檻を作っていた『魔狼』が崩れ去る。
>「お前は言ってたよな。この檻は『魔狼』とお前の能力の賜物だって。つまり『魔狼』を壊してしまえば檻は消滅する。そして、フィアナにも作ったあの大きな檻。あんなもの二つも作ってたんだったら流石のお前でもオーバーワークするのは確実」

ユ:冷静だねえ。
  さすがは、焔の君殿。

>そこまで言った時、ルイスが従えていたはずの水が一気に重力に引かれて下に落ちていく。
>「ああああああああ!」
>ルイスは驚きの為水を従えようとするがまったく持って反応は来ない。
>「死闘では最後に生きていたのが勝者。その言葉どおりさ」
>彼はそう言うと同時に言葉を紡ぐ。
>「大樹の梢にて、大地を見張りしは大鷲、その翼打ち振りて、我が前に混沌の・・・・・・」
>そこまで言い、手をルイスの方へ伸ばし、
>「烈雷を表せ」
>その一言と共に高速連動魔導式『アポカリプス』発動。
>その瞬間、アセルトの手から恐ろしいほどの『力』塊がルイスの方へ発射された。

ユ:ご愁傷様

>
>
>
>
>
>
>
>あとがきと言う名の逃げ道
>
>闇竜:という訳で、今回はこれにて終わりです
>焔:おい
>闇竜:ちなみに、『高速連動魔導式』という滅茶苦茶ややこしいのはアセルスの能力です
>焔:・・・・・・
>闇竜:ここで打ち止めした理由は次回明らかになります
>焔:次回が大変なんだよね〜

ユ:ルイスは、次回で滅ばなくてもいつかは、滅びますよね?
  (L様の余興で使いたいらしいネタがある)

>闇竜:そうだね
>焔:あの計画も進んでいるようだし
>闇竜:頭の中ではね
>焔:えっ?
>闇竜:それでは、今回はここら辺にて・・・・・・
>闇竜&焔:さようなら〜
>
ユ:さようなら・・・・・・・
追伸:文中のランシアは、第4部(兄と妹)にでてくる。
   死神の皇女様。
   琥珀さんのライアナが出てくるまえに創った野に、似てしまった子
   (もちろん細部は違います。)
追伸2:第二十一章入れました。
    セレスが滅ぶまであと数話です。(泣)
追伸3:華鏡ちゃん,もうすぐ退院です。

ユ:今度こそさようなら・・・・・・・・

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24566風邪引いててレス返しが遅れました闇竜翔 E-mail 2003/1/31 10:31:06
記事番号24547へのコメント


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>>
>>
>>
>>
>>ルナキーリングガイヤ。
>>妖魔発祥の地とも言われるがそこは何もない山岳地帯。いや、山岳地帯に良く似たような場所。
>
>ユ:ふみゅ、荒涼としていそう

闇:まあ、殺伐とはしてないですけどね……独特の雰囲気がありますよ

>>いくつもの大きな自然の石の柱が立つ場所。
>>高い所で大体100メートルは超えている。
>>その場所に、今にも消えてしまいそうな月が浮かんでいる。
>>今日の月は赤き解放の月のみ。しかし、その月が無気味に見える。
>>そこに一人の妖魔がいた。いや、心を無くした妖魔、邪妖だ。もちろん流水の君ルイスである。
>
>ユ:アセちゃんの兄弟?

闇;ぴんぽーん

>>「ふふふふふ、いつ来られるのですか?我が兄」
>>彼は無気味に笑いながら独り言を言う。
>>「そろそろあの方に苦痛を与えてもいいのですよ」
>>そう言って彼が向いた先には、十字架のような自然の石の柱に括り付けられているフィアナ。
>
>ユ:ピ−チ姫状態ですね。

闇:そーかもしれません

>>「そろそろ一日経ちましたかね」
>>そう言って彼が立ち上がるが、
>>「おや、丁度ですね」
>>そう言った時、彼の前の石の柱の先の空間が歪み、そこから出てくる銀の髪の妖魔。完全にキレたアセルトである。
>>ルイスは無気味に笑い、
>>「お久しぶりですね我が兄」
>>「・・・・・・」
>>アセルトは無言だ。
>>しかし、ルイスは話しつづける。いや彼にとってアセルトが何を言おうがもう関係ないのである。
>>そこにあるのは、『狂気』その一言・・・・・・
>>永久に続く、狂った欲望・・・・・・
>>歪んだ夢・・・・・・
>
>ユ:あ、ある意味レネルドとユリスさんに似ているね。

闇:ある意味は……

>>「やっと貴方を滅ぼす事が出来るんですよ。これほどまでに嬉しい事はありませんよ」
>>そう言うと共に自らの妖魔の剣を取り出す。彼の剣はアセルトの剣によく似てかなりの大剣だ。そして、名も同じく『ラグナログ』。
>>違うのは、剣の表面に流れているのは焔ではなく水。
>>それも黒く完全に濁った水だ。
>>否、
>>それは水に似てそして、強烈な鉄の匂いがする。
>
>ユ:・・・・・・(無表情に笑っている)

闇:怖いですよ〜(気楽)どうせバカのやる事ですから気にしないほうが良いですよ〜

>>「・・・・・・水が血を吸いすぎてついに黒くなってしまったか」
>>アセルトが苦々しく言う。
>>しかし、それに気づいた様子も無くルイスは先を続ける。
>>「私の野望がついに果たせるんですよ。そして、貴方を倒したらその力を吸収して貴方の尊敬する上司殿も貴方と同じ場に送って差し上げますよ」
>>ルイスがそう言う。
>>「ファントム様はお前なんぞに負けん!」
>>アセルスがそう言うが、ルイスは狂ったように笑いを続ける。
>
>ユ:またある意味では、ランシア(琥珀の姐御のとこで言うライアナ的存在)
>  みたいだねえ。(これはルイスへの賛辞)

闇:賛辞?

>ディ:賛辞になってない
>ユ:そうかしら、
>  普通大抵の方、非定されたら、反応すると思うけど?

闇:それはそれで反応すると思うけど……殺されちゃいますよあいつに

>>否、完全に狂っている。彼の目にあるのは正気無くせし青き目・・・・・・
>>「・・・・・・止める方法は一つか」
>>アセルトはそう言うと自らの剣を抜き放つ。そう、彼の『ラグナログ』だ。闇に負けないくらいの焔がうねる。いや、通常の焔では無い。
>>炎は温度が高くなればなるほど色が変わる。
>>赤からオレンジ。オレンジから青。そして、青から白に・・・・・・
>>今の『ラグナログ』の剣の焔の色は白。
>
>ユ:・・・・・(驚愕中)

闇:驚いていただけましたでしょうか?

>>その輝きは闇を完全に退けさせている。
>>ルイスはその様子を狂った目で見つめている。笑いはもうでてない。
>>「・・・・・・我が名は焔の君アセルト。断罪の一族にして王なりし者。今、堕ちたりし邪妖ルイスを永久の彼方に救いたもう事なかれ。さすれば我は求め訴えよう事なり、今我はこの者を・・・・・・」
>>そこで一旦区切り、剣を真正面に構えると、
>>「我が名を持ちて断罪の名の元に滅ぼす!」
>>彼がそう言い放ち、自らの『力』をどんどん高める。
>>「ふふふふふ、それでいいのですよ。私にとっては貴方を倒してこそ意味があるのですから」
>>ルイスがそう言い、戦いは始まった・・・・・・
>
>ユ:兄弟対決か・・・・
>  関係ないけど、ディスとアルいつ闘わせようか・・・・・

闇:あの二人のほうも大変なようですね

>>「黒き翼、闇の力よ」
>>ルイスがそう言い、黒い矢を幾十もアセルトに向かって打ち出せば、
>>「白き翼、光の力よ」
>>アセルトも負けじと白い矢で相殺する。ルイスはその矢の残りを回避しながら後退する。しかし、アセルトはそれを見逃すはずが無い。
>>「今宵の翼よ!」
>>そう言うと共に彼の背中に黒い翼が現れる。しかし、
>>「鏡の翼よ」
>>そう言うと共にルイスの背中にも大きな反射する翼が現れる。
>>
>>ガッギイィィィィン
>>
>>二つの剣が重なり、そして一瞬の間にアセルトはその場から離れる。その瞬間、何かがアセルトのいた空間を裂く。
>>それは、一瞬の事で剣に戻った。つまり、
>>「まだその能力は持っているのか・・・・・・剣に纏い付いている水を変える能力は・・・・・・」
>>アセルトが舌打ちして間合いを取るがその瞬間ルイスの体が闇に溶け込む。
>>「妖魔法邪術『影霞』か!」
>>『影霞』とはその魔法によってその地の異空間に飛ぶと言うものだ。
>>アセルトはそう言い、自らの周りに結界を張り詰める。
>>その瞬間、彼の結界に阻まれるような形で黒い闇が覆い被さる。
>>「くそっ、何で妖魔法邪術『魔女の芳香』と妖魔法邪術『影霞』の同時発動が出来るんだ!」
>
>ユ:ドラスレとギガスレを両方一辺に発動させるような物?

闇:正確には、ギガスレとラグナブレードを同時発動させているようなものです

>>アセルトはその様子を見るが更に呪文を紡ぐ。
>>「雪月の女帝よ 氷の地より来たりて 我等が敵を 眠りの道を歩ませたまえ!」
>>アセルトがそう言うと同時に彼の周りに氷の粒が現れ始める。ただの氷では無い。彼自身の魔力が篭っている氷だ。禁呪妖魔法邪氷術と呼ばれる魔法だ。
>>通常の人間だったら触れるだけで見事魂からの消滅を楽しめるだろう。
>
>ユ:ほう。
>  って、楽しめる?

闇:気にしないほうが良いですよ〜

>>無論神族や魔族でも消滅はしなくても滅ぶ程度のダメージはある。もちろん一粒で。
>
>ユ:人工精霊は?

闇:多分余波で滅ぶぐらいの威力しかありません

>>アセルトはその事を分かっているからフィアナを自分の背にしてこの術を解き放ったのだ。
>>「!!!」
>>ルイスが驚きに目を丸くするが、
>>「死雹月!」
>>彼が術を解き放つ。ルイスはその粒を見ているが・・・・・・
>>「水神吸収陣!」
>>ルイスがそう言うと同時に全ての氷の粒が突如現れた水に飲み込まれる。これはルイス本人の破壊の『力』だ。
>>「ふふふふふ」
>>ルイスが不気味に笑い出す。
>>「流石だ!さすが我が兄だ!妖魔法で幻の君でしか使えないと言われ続けてきた禁呪妖魔法を使うとは・・・・・・すばらしい!」
>>そうルイスがいうが、
>>「やかましい!」
>>アセルトがそう言うと同時に彼の剣がルイスに向かって投げられる。
>>ルイスはその攻撃を避けると、
>>「でも、そのものを今この手で殺せると言うとかなりの快感ですね」
>
>ユ:ますます持って、ランシアみたいだねえ

闇:彼にとっての目標がアセルトですからね〜

>>彼はそう言うとパンと手を打ち鳴らす。その時、
>>「う〜ん、よく寝た。今まで何をやっていたのだろう」
>>フィアナが目を覚ましあたりを見て・・・・・・
>>「・・・・・・アセルト何をしている」
>>「いやなに。邪妖に滅ぼされそうになってるだけだよ」
>>あっさりすっきりはっきり言うアセルト。フィアナは何秒か沈黙した後、
>>「おお、そういえば私もお前そっくりのやつに捕まったんだ。助けてくれ」
>>なんとも気楽な奴である。
>
>ユ:天気でも話すみたいに呑気ですねぇ・・・・・

闇:そーですね。……今度琥珀さんに会ったら謝っておこう

>>「そのそっくりさんはそこにいる。それと今の状況では助けるのは結構難しい」
>>正確には百%不可能なのだが・・・・・・
>>「・・・・・・私をコケにしましたね」
>>ついに怒ったのかルイスがそう言う。
>>「二人共々仲良く消滅させてあげますよ!」
>>ルイスがそう言うと同時にフィアナの周りに現れるアセルトと同じ檻。
>>「ふふふふふ、どうです!怖いでしょう!恐ろしいでしょう!泣き叫びなさい!そうすれば貴方だけは助けてあげますよ!さあ!」
>>ルイスがそうフィアナに言うが、
>>「いやだ」
>>返事は簡単だった。
>>「・・・・・・なんですと」
>>ルイスがそう聞くが、
>>「アセルトがいない生なんて私にはいらない。それくらいなら私は滅びを選ぼう。アセルトがいるから私は生きているのだ」
>
>ユ:だろうね。

闇:そうでしょうね

>>軽い音を残して檻を作っていた『魔狼』が崩れ去る。
>>「お前は言ってたよな。この檻は『魔狼』とお前の能力の賜物だって。つまり『魔狼』を壊してしまえば檻は消滅する。そして、フィアナにも作ったあの大きな檻。あんなもの二つも作ってたんだったら流石のお前でもオーバーワークするのは確実」
>
>ユ:冷静だねえ。
>  さすがは、焔の君殿。

闇:軍師ですからね彼は

>>そこまで言った時、ルイスが従えていたはずの水が一気に重力に引かれて下に落ちていく。
>>「ああああああああ!」
>>ルイスは驚きの為水を従えようとするがまったく持って反応は来ない。
>>「死闘では最後に生きていたのが勝者。その言葉どおりさ」
>>彼はそう言うと同時に言葉を紡ぐ。
>>「大樹の梢にて、大地を見張りしは大鷲、その翼打ち振りて、我が前に混沌の・・・・・・」
>>そこまで言い、手をルイスの方へ伸ばし、
>>「烈雷を表せ」
>>その一言と共に高速連動魔導式『アポカリプス』発動。
>>その瞬間、アセルトの手から恐ろしいほどの『力』塊がルイスの方へ発射された。
>
>ユ:ご愁傷様

闇:南無阿弥陀仏……ルイス

>>
>>
>>あとがきと言う名の逃げ道
>>
>>闇竜:という訳で、今回はこれにて終わりです
>>焔:おい
>>闇竜:ちなみに、『高速連動魔導式』という滅茶苦茶ややこしいのはアセルスの能力です
>>焔:・・・・・・
>>闇竜:ここで打ち止めした理由は次回明らかになります
>>焔:次回が大変なんだよね〜
>
>ユ:ルイスは、次回で滅ばなくてもいつかは、滅びますよね?
>  (L様の余興で使いたいらしいネタがある)

闇:いえ、ルイスは次回確実に滅びます

>>闇竜:そうだね
>>焔:あの計画も進んでいるようだし
>>闇竜:頭の中ではね
>>焔:えっ?
>>闇竜:それでは、今回はここら辺にて・・・・・・
>>闇竜&焔:さようなら〜
>>
>ユ:さようなら・・・・・・・
>追伸:文中のランシアは、第4部(兄と妹)にでてくる。
>   死神の皇女様。
>   琥珀さんのライアナが出てくるまえに創った野に、似てしまった子
>   (もちろん細部は違います。)
>追伸2:第二十一章入れました。
>    セレスが滅ぶまであと数話です。(泣)
>追伸3:華鏡ちゃん,もうすぐ退院です。

闇:嬉しい話(追伸3)と悲しい話し(追伸2)がいっぺんに来ましたね

>ユ:今度こそさようなら・・・・・・・・

闇:は〜い、インフルエンザの為この一週間PC触らせてもらえなかったのです。
  レス返しが遅れて申し訳ありませんでした。それでは……