◆−時を超えた思い−遥 琥珀&闇竜翔 (2003/2/16 15:41:43) No.24807 ┗下界不思議発見−遙 琥珀 (2003/2/23 14:49:23) No.24916
24807 | 時を超えた思い | 遥 琥珀&闇竜翔 | 2003/2/16 15:41:43 |
闇:再び書いてます 焔:しっかしツリー立てるの逃げ回ってたね 煉:めんどくさがり屋の代表だな 闇:あっひどいぞ!その言い方は! 煉:・・・・・・何か嫌な思い出があるらしいな 闇:ふっ、あれは忘れもしない・・・・・・ 焔:あぽかりぷす! 闇:なぜにひらがなぁぁぁぁぁぁ 煉:さて、やかましいのが消えたから終わろうか 焔;そうですね |
24916 | 下界不思議発見 | 遙 琥珀 | 2003/2/23 14:49:23 |
記事番号24807へのコメント 「…………………………」 町中を歩きながら…… ぶつぶつ、何かを呟き始めるレン。 別に、彼に独り言の癖が有る訳ではない。 呪文を唱えているのだ。 やがて……彼の周囲を、軽い空間の歪みが取り囲む。 簡単な、『知っていると便利』な部類に属する魔法の一つ。 「……………………オルエン?」 ぽそっ、と、小声で…… 今から訪問しようと考えている相手の名を呟く。 何故小声か、と言う事は、多分後ほど御理解頂けるであろう。 ががっ、と、空間の歪みから雑音が聞こえる。 様々な音程の雑音が重なり合い…やがて、安定し、女性の声を紡ぎ出す。 『………………………誰?』 「………俺だ」 ジェラルディーンの声。 小声で答えるレン。 この魔法、現代社会で言う電話の様なものだと御理解頂きたい。 レグルス盤の、道具がいらないバージョンとでも言おうか。 電話の様なもの………なのだが……………… レンの周囲にいる人々には、相手…ジェリィの声が聞こえない。 レグルス盤と違い、道具を使わないので、一見何をしているのやら解らない。 つまり。 レンはちゃんと彼女と話しているつもりでも、周囲の人間にとっては、 一人で自分の妄想と会話するアブナいヤツにしか見えないのである。 そんな訳で、自然と小声になってしまうレンであった。 『……え……レン?』 「……そう」 『…………………………………………………………………………』 黙り込む相手。 「…………………………………………………………………………」 一緒に黙り込むレン。 そのまま数分後。 次にジェリィの発した言葉は。 『……………………お掛けになった電話番号は、現在使用されておりません。 番号をお確かめの上、もう一度お掛け直し下さい。つー、つー、つー、つー』 「をい。」 涼やかな、事務的な口調が流れる。 流石のレンも、反射的に突っ込む。 やはり、誤魔化すのは無理だった様だ。(当たり前だ) 『……………………………………………………………………………………何?』 諦めたのか、物真似を止めて、マトモに応対し始める。 「今から行く。 急に押し掛けるのもなんだと思って連絡した。以上。」 『……………………え゛』 言葉に詰まる彼女。 その様子に、何処か不審なものを感じるレン。 確かに、こんな真っ昼間から訪れるというのは珍しいのだが…… ジェリィは、しばらく沈黙し…… 『……いいよ。』 溜息を付く様な音と共に、答えた。 ジェリィの態度に、少し不審なものを感じつつ――――――――――――――――― 余り深くは考えない事にしたレンであった。 「珍しいな、真っ昼間から」 にこにこ笑いながら…とぽとぽと、カップにアップルティーを注ぐジェリィ。 おやつの時間だった様だ。 実際目の前にしてみると……様子はいつもと同じ、変わりなかった。 「仕事は?」 「数日暇だから」 適当な返事を返しながら、クッキーに手を伸ばす。 「……………………『不況だから』?」 「……………………『平和だから』(多分)」 心配そうな目で問うジェリィに、ジト目で返すレン。 不況が暗殺稼業に関係あるのかどうかは知らないが、取り敢えずヤな心配の仕方である。 「ふーん。 最近不景気だから、その余波が押し寄せたのかと思った」 「………余計な心配はしなくていい」 「はい」 素直に頷く。 「そぉ言えば、私が死んだ年も不況だったな」 がちゃん。 からんからんからん。 「………………………………………どした?」 思わずカップを落とし、硬直したレンに、ジェリィが怪訝そうな目を向ける。 「………いや……なんでもない」 頭を押さえて、落としたカップを拾い上げる彼。 運良く少し欠けただけで済んだ。 これくらいならまだ使えるだろう。 それが年頃の女の言葉か。 今生きてるんだからンな話やめとけ。 ははははははは、そーかそーか。 様々な返し言葉が脳裏を掠めるが、どれもこれも適切とは言えない気がして、 色々言いたい事をすっぱり断念する。 「私、買い物に行ってたんだよなー… 結局買えずに……死んだけど」 「……はぁ……」 遠い目で語るジェリィ。 うんうんと適当に頷き、聞き流す彼。 内心、早く話題を変えようと考えている。 レンとしては、ジェリィに余り前世の事を想いだして欲しくないのである。 レンの願い知ったこっちゃなく、前世の想い出を滔々と語り出す彼女。 彼女にとって…大切な人と過ごした前世は、何にも代え難い大切な想い出。 余計な口出しをして余計な争いをしたくは無いが…… レンは、やはり面白く無いのであった。 なんとか話題を変えようと考えるのだが…… 元々口下手な彼である。 そう都合良く新しい会話が思い付く訳がない。 会話は思い付かないので……………… そんな訳で………… 「…………天気が良いから、少し外を歩かないか」 ジェリィは、少し考え、こくん、と頷いた。 何はともあれ、レンは、会話を遮るのに成功した。 冬の日。 まだどことなく肌寒い空気だが、晴れの日は太陽の光が暖かい。 散歩には絶好の日和だった。 だが。 「………………………………………………」 「………………………………………………」 外に出ても、会話のネタがごろごろ転がっている訳ではない。 無言のまま黙々とただ歩く。 葬送行進の如く、と言えば言い過ぎだが……二人とも黙ったままただ歩く。 何をしに外に出たのか、目的がまるっきり不明。 ちら、とジェリィの表情を窺うレン。 そう機嫌を悪くしてはいない様だ。 悪くしてはいない様だが……まさかこのまま、無言で歩き続ける訳にはいくまい。 不自然だし、ジェリィもその内飽きるだろうし。 飽きたら多分また前世の事を語り始めるかも知れない。 それを止める為にも、何かナイスな話題を考えなければ。 なんだか一種の使命感の様なものに駆られつつ、ひたすら考える。 「………………………………………………」 「………………知恵熱出るぞ」 その様子が顔に出たらしく……ジェリィが、ぼそりと呟いた。 「………………………………………………」 黙って俯いてしまったレンに……ジェリィが、軽く溜息を付く。 ぎゅっ。 手袋越しに……温かい感触。 「………………………………………………」 隣を歩く、愛しい者を見下ろす。 髪が掛かっていて、表情は見えない。 しかし、少し、頬が赤くなっているのが見えた。 そして……次に、自分の手に目をやる。 ジェリィが、きゅっ、と握っている手に。 レンは、彼女の手を、そっと握り返した。 「寒いから」 ジェリィが……付け足しの様に、慌てて主張した。 もう一度、無言のまま歩き出す二人。 でも、先程と違い――――――――――――――――― 二人の表情は、何処か嬉しそうだった。 ゼフィーリア周辺を、何の目的もナシにただ歩く。 たまに、ジェリィのガイドが入る。 「えーと、あの家の娘さんと、あの家の息子さんが、次の日曜結婚するんだ。 私も呼ばれている」 「ほう」 どういう反応を返して良いのか解らず、適当な返事を返すレンであった。 手の温もりが気になって、彼女の言葉が耳に入っていないという説もある。 「で、あの家が…名犬サミュの家」 「名犬サミュ?」 とことこと歩き……サミュの犬小屋の前に立つ二人。 白い、可愛い貌をした犬である。 「雨の日には、何故か小屋に入らずに外に立って雨に打たれている。 寒い夜でも、何故か小屋に入らずに外で寝転がっている。 でも、自分を試練の場に置いて、己を高めている割には人懐っこい」 言ってる間に……『お手』をしているジェリィとサミュ。 「ただの変な犬だろう、そりゃ」 レンが、正直な感想を呟いた。 そのまま歩いている内に…… 「あそこにも大きい犬がいる」 レンが、前方を指さす。 「知ってる犬か?」 「いや、知らないが…… 繋がれているから平気だろう」 あっさり言い、歩き出すジェリィ。 レンも、『そりゃそうか』と歩き出す。 ところが。 「……………………………」 犬が…… 向かってくる。 ………………………………………………… どうやら、単に鎖の前に立っていただけらしい。 唸りながら走ってくる犬。 「……………………………」 「……………………逃げるか」 くるり、と後ろを向き。 ジェリィの手を引き、走り出すレンであった。 しかし。 走るのなら、普通は犬の方が速い。 次第に息が切れてくるレン。 浮遊の呪文でも唱えればいいのだが……息が苦しくてそれどころじゃない。 「…散歩って、こんな必死にやるもんだったっけか」 「…いや… ずっと、サンポ歩いて二歩下がる様な、気楽なものだと想っていた」 ジェリィの、間の抜けた一言に、更に間の抜けた一言を返すレン。 ふたりが いぬから にげきったのは すでに ひがおちた あとの ことでした ぜーはーぜーはーぜーはー。 帰り道。 めちゃくちゃ荒い息を鎮めようとしながら、二人はよろよろ歩いていた。 「……やっぱ魔道士にも体力は必要だと言う教訓だろうか」 「……さぁ」 何処までも呑気なオルエンに、レンは少し呆れつつ、呟いた。 「取り敢えず、もう帰ろう… レン、夕御飯食べてくか、うちで… 数日暇なんだろ、遅くなっても大丈夫だ」 ジェリィの誘いに、こくんと頷くレン。 ジェリィの手作り料理は絶品である。 「よーし、今日も気合入れて作るかー、寒いし、グラタンとかシチューなんてどーかなー」 んー、と背伸びする彼女。 その表情は、年相応の、少女のもの。 「……………………」 レンは、少し考え…… 前々から――ずっと気になっている事を、聞いてみる事にした。 できれば、聞きたくない事だが…… ずっと避けては通れない事、である。 「オルエン…… やっぱり、いつかは、海王の元へ、帰るのか?」 戦争に、出るのだろうか。 神族を相手に、闘うのだろうか。 この娘が。 「…………………………」 ジェリィが、ひくっ、と震えるのが解った。 何かを考え込む様な顔つき。 やがて、俯き、溜息を付く。 「………………………… …………………………実は―――――――――――――――――もう、用意は出来ている……………」 「……え」 ジェリィの一言に、硬直するレン。 どういう表情をして良いのか、解らなかった。 別れを悲しがれば良いのか。 それとも、彼女の夢の成就を喜べば良いのか。 どちらが良いのか…………… 全く、見当も付かなかったのだ。 「……………………」 レンと同じく、黙り込むジェリィ。 「貴方が…昼、連絡くれた時… 用意できて、行こうとしてたんだ…」 「…………………………………」 図らずとも、結果的には…一時的に、レンがオルエンを引き留める形となった訳である。 「……路銀は?」 「足りなかったりすると思うのか? 十八年間、海王様の元へ帰る事だけ考え続けて来たんだ。余るくらいだ」 何処か遠くを見詰めながら、淡々とした口調で言う。 「十八年間、待ち望んでた時が来た―――――――――――――――――」 するっ。 レンと、繋いでいた手を解いて… 二、三歩、駆け出す彼女。 レンは………… ようやく、言葉を絞り出した。 「……………………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………………… …………………………………………………………………………良かった………な………」 「うん」 振り向き…弾ける様な、とびきりの笑顔を浮かべる彼女。 ジェラルディーンの、笑顔が――――――――――――――――― レンの中で、あの日の――――――――――――――――― オルエンの笑顔と、重なった。 「…………………………………………………っ……」 レンは……ただ、それを観ながら、立ち尽くしていた。 たまらなく、やるせない気持ちだった。 時は、流れに流れ――――――――――――――――― 魂の器は変わった。 だけど――――――――――――――――― 想いは、変わらないままだった。 変わらない。 変わるはずが無い――――――――――――――――― 「ただいま」 「遅かったわねぃ」 きぃ、と、家のドアを開けるジェリィ。 リナが、家の奥から返事をする。 「入った入った」 ジェリィに急かされ、ぎううっ、と家に押し込まれるレン。 「母上様、レンも食べてくが」 「いーわよ、どーせ作るのアンタだし」 あっさり了承するリナ。 「何作んのー?」 「グラタンとシチューで迷ってます」 「ををっ、いーわねえv 両方作っちゃえ両方v」 「…………」 リナ(とガウリイ)の胃は健在である。 文句も言わず、戸棚から鍋を取り出す彼女。 相変わらず我慢強いというか何というか。 「…………」 なんとなく、ジェリィの後ろに立っているレン。 なんだかとっても背後霊。 「…………」 ジェリィが動くと、レンも動く。 「……………あのさぁ。 あっちの椅子に座っててくれ頼むから」 いい加減嫌になってきたらしい。 「……………」 少し寂しいレンであった。 追い払われ、リナ達がいる方の部屋へとてふてふ歩いていく。 すとっ、と…ダイニングルームのテーブルに付く。 「……………………」 沈黙。 「………………………………」 沈黙。 「…………………………………………」 更に沈黙。 「……………………………………………………」 もっと沈黙。 「…………………………………………………………………」 引き続き沈黙。 「だぁぁぁっ!鬱陶しいっ!」 「………………………………………………………………」 いきなりテーブルを叩いて立ち上がるリナ。 驚いた様な顔をするも、やっぱり無言なレン。 「なんか喋れなんかッ!ああ鬱陶しい無言でじっと座ってるんじゃ無いわよっ!」 「………………………」 ンな無茶な。 レンが、そう言いたがっている事は、キッチンで黙々と調理しているジェリィにしか解らなかった。 「母上様、レンは異様に無口だからその辺は期待しない方がいい」 「…………異様…………って……………」 「あ、喋った!」 「……………………………………………」 「あ、黙った」 「頼むからそっとしておいてくれ、だって」 「……ジェラル…… アンタの耳には、超音波でも聞こえるのかしら?」 「貴女の娘を蝙蝠か何かみたいに言わないで下さい」 「むぅ…………普通の女の子ならイルカとか答えそうなものを、敢えて蝙蝠とは…… やるわねジェラルディーン」 「変な所で感心しないでください。 単にイルカというのは少し図々しい様な気がしただけです」 正直な彼女であった。 「解剖したら、メロンが入ってたりしないかしら」 「ナイナイメロンもスイカも無い」 メロン。 イルカなどに存在する、超音波を発生させる為の器官の事である。 「スイカよりブドウの方が好き」 「ブドウよりイチゴが好きです。あとミカン」 「そうねー、冬はコタツでミカンよねー」 「膝に猫乗せて、縁側で庭眺めながら暖かい番茶というのもオツです」 「ををっ、渋いわねぇ」 「通ですから」 話がどんどんズレていく。 「……………………………………………」 二人のやり取りを、興味深そうに眺めているレン。 その視線に、リナが気付いた。 「何ガンとばしてんのよっ!」 すかぁぁぁぁんっっ! 灰皿が、レンの頭を直撃した。 「………………………………」 頭を傾けたまま硬直しているレン。 「母上様…… それじゃそこらの三流悪役です……」 ジェリィが、もう止める気力も無い様に、ぼそり、と呟いた。 数分後。 「……ふ…… なかなかやるわね……」 「…………………………」 「もうヤだこんな家族」 決着は着いた。 何やらぼろぼろになっているリナとレン。 彼等は彼等で色々あったらしい。 オーブンからグラタンを取り出しつつ、何やらしくしく泣いているジェリィ。 何だか色々あったらしいが、それは各自推測して頂きたい。 くるくるシチューをかき混ぜる(結局両方作った)彼女の様子には、かなりの疲労の色が浮き出ていた。 「こんな訳わかんない家族と母親の元この年まで大怪我もせずに生きられた事を海王様に感謝」 「なにゆえ海王」 「………………」 西の空を遠い目で見ているジェリィに、リナが突っ込む。 顔を引き攣らせているレン。 「冗談」 そんな二人に、ジェリィはあっさりと、真顔で答えたのだった。 「いや実際、本気で…よくこの年まで生きてたなー、って想いますよ。 レノアと兄上様に、あちこち引きずり回されましたからねぇ…… 滝の上からヒモ無しバンジーとか」 それじゃ自殺だ。 「……兄上?」 「……あ、ああ……」 遠い目で天井を見上げるジェリィ。 そぉ言えば言って無かった。 ジェリィは、なんとか笑みらしきものを浮かべた。 「貴方は、逢った事があるんだけど…… いつかの夜、私の部屋で」 「………………………」 レンの脳裏に……栗色の髪に、金髪の混じった優男の姿が浮かぶ。 「………………………」 ぽて、と、テーブルに突っ伏す彼。 「あ、なんか落ち込んでる」 落ち込んでるっつーより、恥ずかしいのかもしれない……………………… 「あの放蕩息子ねぇ…今頃どーしてるのやら」 「結構上手くやってると想いますよー」 因みに今現在、八人の子持ち。(増えてる) 某プロキアムシティの魔道士協会で、評議長とその妻の激バカップルぶりに悩まされる毎日を送っている。 ってそんな裏設定はともかく。 「それはそうと…グラタン冷めちゃいますよ」 「ををっ、すっかり忘れてたわ」 「忘れないでください」 更に数分後。 「んっと」 鍋を片付け終わり、椅子に座るジェリィ。 その隣では、もくもくとレンが食に走っている。 とんとんとん。 足音が、階段を下りてくる。 「父上様」 「悪い、ちょっと遅くなっちまった」 何やら作業をしていたらしい。 ガウリイは、部屋の中に視線を巡らせ……レンの姿を見付け…… 「…………………」 無言のまま椅子を引きずって。 レンとジェリィの間に割り込んで座る。 「?」 「…………」 ほえ、とした顔つきのジェリィ。 顔をしかめるレン。 笑いを堪えているリナ。 『…………………………………………………………』 もくもくもくもくもくもくもく。 「……どーしたってんだ……」 「ほっときなさい」 ひたすら無言で食べ続けるガウリイとレン。 二人を交互に見て、不思議そうな顔のジェリィ。 リナがジェリィの前に皿を付きだし、気にせず食べる様に言う。 「………」 かたん。 スプーンを置くガウリイ。 「ジェリィ、おかわり」 「あ、はいはい」 立ち上がって、おかわりを盛るジェリィ。 いつもリナとガウリイはよく食べるので、作るのもかなり多めに作ってある。 ガウリイは、にこぉぉぉっ、と笑い、 「ホントにジェリィの料理は絶品だよなっ」 「ありがとうございます」 嬉しそうに笑って、とん、とガウリイの前にお皿を置くジェリィ。 「何も言わずにもくもく食い続けてるヤツもいるみたいだけど」 「…………………………」 かたん。 レンも、スプーンを置く。 「…………」 皿をジェリィに向かって突き出す彼。 「レンも?」 こくん、と頷く。 ジェリィは、お皿にシチューを注ぎ… 「…………」 お皿をレンの前に置く。 もくもくもくもくもくもくもくもく。 一気に掻き込み。 「おかわりっ」 「……………」 二人同時に、皿をジェリィに突き出す。 「…………?」 訝しげな顔をしつつ、再び台所に去っていく彼女。 リナは、笑いを堪えつつ…自分で自分の皿に配膳している。 数十分後。 「おかわり」 「…………」 「いくらなんでも食い過ぎだっ!!」 十数回……いや、数十回目に、二人が皿を付き出した時。 ジェリィは、いい加減怒っていたのだった。 言い訳あんど言い逃れ。 実はこの話、変更が加えられています。 琥珀が『ある事』(ナイショ)を想いだしてしまった為、急遽変更となりました。 ていうか異常に長いぞ。(汗)今まで私が書いた話の中で一番長いかも、今回。 (変更前を知っているのは翔さんだけか…あはははは。忘れてくださいにーさん。)←琥珀の方が年上だ そろそろくらいまっくす、なのかなぁ。この話も。 この話、一応恋愛ものになるんだろうか?ジャンル分けするのならば。 ちょっと自分でもジャンルの解らない今日この頃です。 恋愛………………………………… で、思い出した。(遠い目) 数日前。 琥珀が、学校帰りの電車に揺られていた時。 補習(英語なんか嫌いだ)で遅くなった琥珀は、お喋りする友人もおらず、 部活にも入っていない(美術部も辞めちゃったし)ので、仲の良い先輩も後輩もおらず、 一人で、夜の紀ノ川を眺めていた。(琥珀の学校は紀ノ川を渡った先にあるのだ) そして、隣に座った先輩の一団の話を聞いていた。 「あたしな、二十歳過ぎたらすぐ見合いして結婚すんねん」 「なんでやの?」 「んでな、子供作って、二十六、七で不倫すんの。カッコいいやん」 …………………………………………………………………………………………………………………… 今まで色んな経験したけど。 同じ年頃の子になら…いや、年上でも… 誰にも負けないくらい沢山、変な人にも会ったし、変な経験ばかりしたけど。 流石の私も、想わず椅子からずり落ちてしまったのでした…… ちょっと待て中学五年生。(私立の中高一貫。中等部は六年制) そんな事でいいのか。 ってか、将来彼女と見合いして、『カッコいい不倫』をする為に結婚する事になる青年が不憫である。 電車の中、名も姿も知らぬ彼に、思わず憐憫の情を催してしまう、琥珀十五歳の冬の日であった。 恋愛って、そんなに軽いもんデスカ。(苦笑) 取り敢えずレンとオルエン、アセルトとフィアナは、ンな軽い気持ちでは無い事を祈ろう。 なんて事を言ったら、必ず一人は『アンタが作者だろう』って突っ込んでくる(ウチの相方とか)んですが…… はっきり言ってあたしゃ、自分のキャラ(特にオルエンとライアナ)が、一体何を考えてるのやらさっぱり解らん(汗) それだけ『完成』したキャラだと言えばそうなのかもしれない。 作家の方なら解るはず。 『完成』したキャラは、作者が何も考えていないのに勝手に言葉を語りかけてくる。マジで。(汗) 授業中に脳内で笑い話なんぞされた日にはもぉ。(滝汗) それはさておき。 因みに私は、この話(恋愛話)が終わっても、レンオルは書き続ける予定。 多分、『レンオル番外』みたいな感じで。 せっかく出来たカップル、あっさり終わらせるのは勿体無いし、 オルエンの幸せな所とかも、ちゃんと書いてあげたいですから。 オルエン…………………… 今度こそ幸せになれるといいねv(お前が言うな) レンくんも幸せになってもらわなきゃねぇ。 ヒトから借りたキャラ不幸にする訳にもいかんだろ、って事で。(溜息) やっぱり希望は、みんな幸せなハッピーエンド。 目指して頑張りますので、宜しくお願いします。 ゴーインに纏めた所でお終い。 幕。 |