◆−がうりなっす・・・−風月可南 (2003/2/18 01:28:29) No.24828
24828 | がうりなっす・・・ | 風月可南 URL | 2003/2/18 01:28:29 |
久しぶりに来て無意味に書く。 とりあえずこれもスレイヤーズ たとえへたれ文章でも・・・ 煮ても焼いても食えない与太話・・・ ◆永久に奏でる歌 「なあに?」 「いや、綺麗だな、と思って……」 「そう?」 女は白けた顔で艶やかな唇を歪めた。 目に鮮やかな金の髪、 白い肌、 赤い濡れた唇、 金の瞳、 そのどれもとっても、どんな男も魅了せずにいられない……… 目の前の男以外は………… 同じ金の髪に碧眼が美しい……… ………はずだった。 その瞳が濁りきっていなければ。 「綺麗だ……」 機械的に繰り返される言葉。 「そう、ありがとう。」 女は薄く笑った。 「ねえ?」 「ん?」 「聞いてもいいかしら。」 カラン…… グラスの氷が落ちた音。 「なんだ?」 「あたしの髪は何色?」 男はしばらく間を置いた。 「栗色。」 ……薄暗いランプの光にはそう見えないこともない。 「じゃあ?瞳の色は?」 「赤………」 男は間も置かず答えた。 女は苦笑した。 「じゃあ、最後の質問、 あたしの名前はなあに?」 「………リナだ。」 「正解よ……最初の二つを除いてね。」 女は喉の奥でくくっと笑った。 「俺からも質問していいか?」 「どうぞ」 「…………なんでこんなところにいる?」 男の質問に女は瞳を見開いた。 その仕草はまるであどけない少女を思わせる。 「………それはあなたがここにいるからよ。」 女はまた艶やかに笑った。 「………どうして居てくれる?」 「それはあなたがよくわかっているはず。」 「リナ」 「……………」 「リナ、リナ、リナ…………」 「……………。」 「どうして…………?」 腕に残るのは喪失感。 思わず握り締めた腕を女はその細い指を絡めときほぐしていった。 「………もう帰りなさい。」 「………どこへ?」 濁った瞳には思いもかけないほど 少年のような色が映る。 まるで何かを必死に探し求めているような。 「あたしのもとへ帰りなさい。」 「リナのもとへ………?」 掠れる声。 「そうよ。」 女は静かに瞳を閉じた。 そうして男の腕を引き寄せ、 唇をあわせた。 女の喉に小さな蝶がひらりと舞い込んだ。 と同時に薄暗いランプが揺れ ざわめきが一瞬きえた。 女が静かに瞳をあげると男は消えていた。 「帰りなさい………あの子のもとへ、 そして………あたしの………中へ……」 女はこくりと、蝶を飲み込んだ。 喉に迷い込んだ蝶はためらい、しかしやがて、 女の中に解けていった。 女は静かに席を立った…………。 おはじ……… ◆ーー風が吹く丘ーー 「でも………俺は お前が笑ってる顔が一番いいや。」 青空の向こう、彼があおよりもさらに蒼い瞳で あたしに告げた。 ーーここは涙を乾かす場所……… そう教えてくれたのはいつだったか……… 緑萌える丘、吹き抜ける風。 「いつも………リナのそばに………」 風が強くなった、 髪を吹きあげて弄んで、 悪戯に吹き抜けていく。 ーーーガウリイーーー 風にのる言葉。 でもいつか風とともに消えていき…… 「ガウリイの嘘つき。」 その言葉さえさらって風は消えていった。 ーー例えば、 たとえば・・・そこに彼がいない。 おはり……… ◆春夏秋冬 ……だからこんなの書いてないで……… 花の香が漂う……… そんなものに誘われたわけではない。 「だって……ト○レの芳香剤の香りですから……」 ……NG 金のひと房を手に取る。 ーー世界はまだ、ここにある……… 緩やかに時を重ね、漂い、 「きっとあなたたちのお蔭なんですかね………?」 そう、花の香に誘われたわけではない。 そんなものは必要ない。 その香に重ね風の歌にのる、新しい息吹の声も。 ………僕には必要ない………… 「でも、もうしばらくしたら……… 退屈しなさそうですねえ…………」 僕は笑ったのかも知れない。 いつも記憶に残るあなたは笑っているようです……… いまも………そして、この先も……… 「僕としては、楽しくもないんですけどね……。」 呟きは風と花の香に混じって溶けた。 重ねゆく季節、 吹きゆく風、通り過ぎた人々………… そして、何時からかまた、 あなたと会うことを……… 風の中感じていた………… ………おはり……… ◆the ray of full moon 「リナこんなところにいたのか?」 声をかければ座り込んでいた小さな姿がこちらを 見上げる。 うれしげなあどけない視線。 「だって、今晩は満月なのよ? もったいないじゃない?」 リナはふわりと身軽に葡萄の木下で立ち上がる。 周りに広がるは葡萄畑、リナはその木の一本の 根元に座り込んでいた。 「だってうれしいじゃない?」 「なにが?」 問いかけるとくすくす笑った。 やけに今日は陽気になってる、 久しぶりに帰ってきたことがそんなにも嬉しかったのだろうか? 「今夜は月が綺麗だし、 こんな月に祝福されたらきっといい葡萄ができるわ。」 「へえ?そんなものなのか?」 俺はそういうことにはとことん疎い。 「そう、実りと豊塾を約束するのこの時期の満月は。」 リナは軽い足取りで、近くの丘に登った。 足元にふわりとなびくスカートがまとわりつくのを うざったそうにたくしあげて、 まるで踊るような足取り。 くすくすと只笑い声をあげる。 「……おまえさん酔ってるだろ?」 「ふふん♪まあいいじゃない?たまには。」 リナは追い付いてきた俺に手を延ばす。 「酔ってて気分がいいついで♪おどろ?」 潤んだような瞳で見上げる瞳。 細い華奢な手。 「だって、こんなに月が綺麗なんだもの。」 俺は肩をすくめ苦笑した。 「はいはい。」 差し出される手をそっととる。 踊るのは一体なんのリズムやら、 そんなこと頓着もせずに、 リナはくるり、くるりと回る。 酔っているとは思えないほどの たしかな足取り。 「リナ?本当に酔ってるのか?」 「酔ってるよ?…………ただし、 この月にね。」 リナはやわらかく微笑んだ。 しらない女の顔がそこにあった。 ルナティック………… 月は人を狂わせる。 そんな言葉が頭をよぎる。 「じゃあ、俺も酔ってみようか?」 「あんたは酔ったら全部忘れちゃうでしょ?」 すねたような口ぶり。 そんな仕草はいつも通りの彼女で、 「忘れた方がいいだろ?」 俺は腕の中で踊るリナをそっと抱き寄せた。 「……そんなの、ずるい。」 「じゃ、これからのこと覚えていて欲しい?」 射すくめられたように強ばるからだ。 「…………やっぱりずるい。」 リナはそのまま離れようとそっと俺の胸に腕を突っ張ったが、 させない。 「がうり………」 赤く染まった頬で何かいいかけるより早く、 その唇を塞ぐ。 閉じられる瞳、服をきゅっと掴む白い腕。 「………このまま酔っちまいそうだ……」 囁くとさらに頬が赤く染まる。 愛しさに抱き潰してしまわないように、 そっと腕に力をこめた。 なんかおわる……… ◆鋼 まわるまわる、 螺旋を描き、繰り返し、 永遠のループはそれでも、 交わることを知らない。 「誰なの?」 これは夢、知っている、 覚めれば同じ朝が訪れる。 夕焼けの赤い丘で、光が遮る その顔は……… 「あなたとは会うこともないでしょう……」 「なぜ?」 「あなたの時と、わたしの時が交わることがない、 そう知っているから。」 そう、 逆光で見えないはずの顔が悲しげに微笑んだのを あたしは知っている。 いや、 知ったのではない、 感じることができたのだ。 交わることのない人、 時は二度とは交わらない。 平行に近づき、やがて離れていく。 そうして二度と見えることもない。 満ちていくものと、枯れていくもの。 なにもかも包み込み、 そして永久に漂い続けるもの。 鋼のようなその優しさに、 いつかは触れる日がくると、 「あなた」とあたしはしっている。 だから、あたしは夢をみる。 あなたと、そしてあたしの………… ここだけが交わる場所だと……… 例え、幻だったとしても…… 「リナ………リナ?」 「あ…………ガウリイか……。」 瞳を開けば青い空が広がる。 「根を詰めすぎたんだろう?無理はよくないぞ?」 相変わらずな言葉にあたしは笑った。 「なんだかあんたにかかったらいつまでもあたし、子供扱いね。」 「もう、そんなつもりはないんだが……?」 困った顔で笑う。 あたしが交わる人。 あたしがそうだと望んだ人。 あなたが持つやさしさが、 すべてを包み込むものと同じやさしさだと。 「帰ろう、エリナとカシスが待ってる。」 差し出される手、自然と触れ合う手。 ここは永遠が交わる場所。 「そうね。」 あたしはガウリイの隣にそっと寄り添った。 ーーおはりんぐ……… 何も考えずに書いた与太話Vでも恥ずかしいからここに放り込んじゃうV |