◆−Letter(ゼルリナ)−緋崎アリス (2003/2/20 10:57:45) No.24855
 ┣ゼルリナだvv−奈月るり (2003/2/20 16:07:12) No.24857
 ┃┗Re:ゼルリナだvv−緋崎アリス (2003/2/21 12:46:04) No.24878
 ┣Re:Letter(ゼルリナ)−柳 みよ (2003/2/20 20:25:15) No.24861
 ┃┗Re:Letter(ゼルリナ)−緋崎アリス (2003/2/21 12:46:49) No.24879
 ┣筆まめなゼル−エモーション (2003/2/20 22:04:23) No.24865
 ┃┗Re:筆まめなゼル−緋崎アリス (2003/2/21 12:47:41) No.24880
 ┗はじめまして−庵 瑠嬌 (2003/2/24 17:26:12) No.24931
  ┗初めまして。−緋崎アリス (2003/2/26 01:10:00) No.24946


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24855Letter(ゼルリナ)緋崎アリス E-mail URL2003/2/20 10:57:45





 小鳥のさえずる声が、陽の昇りきらぬ空に響く。
 いつものように店が開かれ、人のにぎわいが目を醒ます。
 魔道士協会でもまた、同じ事。
 その扉の下には、何処からか届けられた、一通の白い封筒。
 ただ、そこに書かれた宛名は魔道士協会宛でありながら、添え書きがされていた。
「彼女が来たら、この手紙を渡して欲しい」と。
 封筒を見つけた職員は「ウチは配達屋じゃねぇんだ」とぼやいていた。



 リナへ。

 元気でやってるか?
 ………いや、お前さんが元気じゃないと言うのは想像できない。
 元気なんだろうと、勝手に解釈しておく。

 今、サイファ・シティにいる。かなり南方の、海沿いの街だ。
 街にしてはかなり人口も少ないし、まぁ、ぶっちゃけた話、田舎だ。
 でも、おれには合っているかも知れない。
 波の音とか、潮風が、意外に心地良いんだ。
 ………髪が錆びる、とか言うんだろうな、あんたのことだから。(言っておくが、錆びないぞ)

 サイファはおれが生まれたアトラスよりもずっと南で、気温も高い。
 たまに人の居ないところで海に入ったりもするんだが(沈むとか言うんじゃないぞ)、ガキ共と良く鉢合わせする。
 地元の連中だから、穴場を知ってるんだ。

 ………おかしなことに、ガキ共はおれのことを、なんにも気にしないんだ。
 それどころか、懐かれている部分もある。

 見た目が珍しい所為かも知れない。

 さっきも宿のチビ助が、壊れたオモチャを直してくれとせがみに来たくらいだ。…………おかしいだろう?

 ガキ共だけじゃない。ここいらの住人は、本当に……この姿を気にもとめないんだ。あんたと同じように。
 だからかな。ここにいると、あんたに会いたくなる。無性に。

 おセンチな気分なんてぇのは性に合わない。
 それに、ここにいたら、闘うことを忘れちまいそうな気がする。
 だから明日、ここを発つつもりだ。陽が昇る前に。
 チビ共に泣かれるのは、苦手だからな。

 それでも、ここは本当に、いいところだと思う。
 いつか、人間の姿に戻って、年を取って、闘う必要が無くなったら。
 その時はまた、ここに来ようかと思ってる。

 ついでに、あんたが隣にいてくれれば有り難い。
 あんたに見せてやりたい。
 アトラスにも、ゼフィーリアにもない、この地方だけの鮮やかな色彩を。
 真夏の色は、こんなにも鮮やかだったんだと、思い知らされるんだ。


 それじゃあ、また。



 ―――――――――――――ゼル







「なーにーが、ついでよ。しっつれいしちゃうわ」

 リナはカウンターの職員から新品の封筒を貰って、その中に読み終えた手紙を押し込めた。
 宛名は、ゼフィーリア、リナ=インバース。
 そして裏の差出人の欄に、こう書き添えた。
 家族が差出人を確認することを、見越して。




 あたしの机に、この手紙を入れておいてください。
 またか、って思うだろうけど、大事な手紙なんです。




「旅から旅への根無し草に、手紙なんて。
 居場所が分かっても……もう旅立った後の癖に」

 カウンターに連なっている配達屋に手紙を預けて、外へ出た。
 マーヴェルの街は、もう夏の色が濃い。サイファよりは、たぶんずぅっと薄い色だけれど。

 それでもリナが纏う服の色も、一層鮮やかさを増していた。

「サイファなんて。遠すぎるわ」


 こんこん、とショルダー・ガードが叩かれる。
 ガウリイかな、と振り向けば。


「…………………よう」

 照り返す白の眩しさ、ルビィの護符(アミュレット)。
 なんでこんなとこにいんのよ。
 そう、笑いたくなるけれど、浮かべられたのは泣き笑い。



「………おひさしぶり。会いたかったわよ、ゼルガディス」



***************************
「ノー・クライ」でのレスの通り、ゼルリナです。
なんかゼルさんストーカーちっく?(笑)

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24857ゼルリナだvv奈月るり E-mail URL2003/2/20 16:07:12
記事番号24855へのコメント

こんにちは、緋崎さん。
書き殴りで緋崎さんのゼルリナが読めるとは、私は感激のあまり卒倒しそうです♪(←迷惑だからやめろ)
はぁ・・・いいですね・・・・・・
手紙の中でリナさんが突っ込む前に先に手を回しているゼルさんが笑えました。こんなにかっこよければ、もう許しちゃいます。ストーカーでもなんでも、全然オッケイ♪(←まて)気丈に振る舞おうとして、思わず涙をこぼしちゃうリナさんも良い感じですv(←怪しい)
にしても。リナさん、素直に『会いたかったわよ』ってよく言えました♪花丸です♪(←幼稚園じゃないんだから・・・)やっぱり意地っ張りなリナさんも、ゼルさんのことでは素直になれるのでしょうか?
緋崎さんに万々歳ですvv(←迷惑じゃぁっ!緋崎さん逃げて!)
し、失礼しました(汗)。喜びのあまり暴走を・・・
それでは、短いながらも失礼します(↓ぺこり)。




     【奈月るり】





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24878Re:ゼルリナだvv緋崎アリス E-mail URL2003/2/21 12:46:04
記事番号24857へのコメント

えぇっ?!卒倒?!奈月さんしっかりー!(笑)
一応ゼルが手紙を出した先に回っていたのは
「もしかしたら居るかな」という偶然のつもりなんですけど・・・
でもあれは明らかにストーカーですよね(爆笑)

>意地っ張りなリナさんも、ゼルさんのことでは素直になれるのでしょうか?
普段はリナも意地っ張りですからね、たまには素直に言ってあげないと
今度はゼルが拗ねそうですし(笑)掌の上で踊らされてるのか。

次回も宜しければ読んでやって下さいねv

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24861Re:Letter(ゼルリナ)柳 みよ 2003/2/20 20:25:15
記事番号24855へのコメント

どうも、アリス様。
あのゼルの手紙にあったついでって、絶対ついでじゃないだろう!
とても、楽しかったです。
あたしの駄文とは大違い・・・うう、文才恵んでくださいアリス様・・・しくしく・・

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24879Re:Letter(ゼルリナ)緋崎アリス E-mail URL2003/2/21 12:46:49
記事番号24861へのコメント

>あのゼルの手紙にあったついでって、絶対ついでじゃないだろう!
「老後(笑)隠居したときリナが居てくれたらいいな♪」という
ゼルガディスのドリー夢ですね(笑)
つうかたぶんあれは、彼なりに口説いて居るんでしょう(笑)

>・・・うう、文才恵んでくださいアリス様・・・しくしく・・
あたしからこれ以上文才(もともと無いのに)削ったら骨と皮しか残りませんがな(笑)

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24865筆まめなゼルエモーション E-mail 2003/2/20 22:04:23
記事番号24855へのコメント

こんばんは。

ゼルリナですね〜。
リナが頻繁に実家に転送するほど、手紙を書いてるなんて……筆まめです。
そして手紙書いた後、結局会いたくなって会いに来たのでしょうか。
でも、よくリナがいる場所が分かりましたね、ゼル。
まめに情報集めているのでしょうか(笑)
リナがどこにいるかはその気になれば情報を集めやすいでしょうし。……目立つから(笑)

ラストはもう2人の世界ですね。

楽しませていただきました。
次の作品を楽しみにしています。
では、これで失礼します。

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24880Re:筆まめなゼル緋崎アリス E-mail URL2003/2/21 12:47:41
記事番号24865へのコメント

>リナが頻繁に実家に転送するほど、手紙を書いてるなんて……筆まめです。
はっ!
確かに頻繁に転送となると、筆まめですね!(笑)
よっぽど暇なんでしょうか、ゼルガディスさん(笑)暇でもなければ手紙なんて書きそうに思えないのですが(じゃあ何なんだよこの話は)

>そして手紙書いた後、結局会いたくなって会いに来たのでしょうか。
>でも、よくリナがいる場所が分かりましたね、ゼル。
一応、自分が行った街や、これから行こうと思っている街の魔道士協会に手紙を送って預けるという、迷惑この上ない方法で連絡しているので、三日前の手紙を受け取ったと思ったら、次の街では一ヶ月前の手紙を受け取ると言うこともあるようです(笑)酷い男だ。
この調子だと、受け取ってない手紙もあることでしょう(笑)

>リナがどこにいるかはその気になれば情報を集めやすいでしょうし。
盗賊団が壊滅したとか言う話は、裏側で情報収集しているゼルの耳には飛び込みやすいでしょうからねー(笑)
リナの方からすれば見つからなくてやきもきしてるんでしょうけれど。

それではv

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24931はじめまして庵 瑠嬌 2003/2/24 17:26:12
記事番号24855へのコメント

 はじめまして! 庵 瑠嬌と申します。
 久し振りにこの投稿小説に参りましたなら、そこにゼルリナの御文字が!
 思わず誘われるように覗いてみたのですけれど、それはそれは素敵な話で引っかかってよかったと思うところでございます。

 まずゼルさんの手紙。
 周到なツッコミ先回りから、おチビさんとのエピソードからうかがえるほのぼのな一面も、しみじみリナさんの影響力を感じさせるもので、思わずにまりとしてしまいました。
 絶対に、リナさんとの交流がなければ、彼はああいう文章を書く人間にはなっていないとわたくし思います。
 特に、ツボでしたのは、

> ついでに、あんたが隣にいてくれれば有り難い。
> あんたに見せてやりたい。
> アトラスにも、ゼフィーリアにもない、この地方だけの鮮やかな色彩を。
> 真夏の色は、こんなにも鮮やかだったんだと、思い知らされるんだ。
>
>
> それじゃあ、また。
>
>
>
> ―――――――――――――ゼル

 ついでに、なんて言ってしまういまさらな照れ隠しとか、なにげに詩人さんな物言いとか。ツボですわね。
 そして何より、細かいのですけれど。ゼルという愛称のサインです。
 わたくしの知る限りで、ゼルガディスさんをゼルと呼ぶのは、リナさんだけだったと思うのです。アニメではガウリイさんもときにそうだったかもしれませんけれど、原作では確かそうだったと思います。
 とりあえず、少なくとも呼び始めたのはリナさんが最初でしょう。
 その愛称を、手紙の最後にサインしちゃうだなんて!となんだか妙に過剰反応が。(笑)
 ――ただひとつ思ったこと。「それじゃあまた」なんて言いつつ、手紙の順序めちゃくちゃなのでは……あんなやり方では。

 他にも、リナさんがご実家宛ての封筒に書いた「大事な手紙」の一言や、「会いたかったわよ」といういつになく素直に可愛いセリフなど、リナさんの気持ちが率直に表れるシーン、また再会したところで終わりという心憎い演出等々、もうわたくしは読み終わってからまでも口元が緩んで仕方がありませんでした。

 まぁ、つまりは久し振りにスレイヤーズのカップリングものの楽しみを味合わせていただけて、非常に嬉しかったという話です。
 HPもお持ちのようですから、今度うかがわせていただきます。


 長々とした感想、随分とお時間取らせたこと思いますが、どうかご容赦ください。
 とにかく素敵な話をありがとうございました。
 それでは失礼をば――








追伸:
 ――ついでに、ここまで熱烈にゼルリナに喜んでおいてアレなのですが、わたくし実はゼロリナが一番の本命です。
 もし、特にカップリングにこだわりがおありにならないようでしたら、今度はゼロリナなど書かれてみては如何でしょう、なんて申し上げてみたり。(おいおい)

 さらに申し上げれば、むかーし、わたくしが書いた話が著者別の方にあるので、願わくばお暇なときにあくまでお暇なときに、拙くはありますが読んで頂ければ幸いです。(自信作は「いつか」以降…っていい加減にしなさい庵っ)

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24946初めまして。緋崎アリス E-mail URL2003/2/26 01:10:00
記事番号24931へのコメント

庵さん、初めまして。
ゼロリナ本命の方にも喜んで頂けたようで、嬉しい限りです〜v
> 絶対に、リナさんとの交流がなければ、彼はああいう文章を書く人間にはなっていないとわたくし思います。
私もそう思います(笑)
ゼルの性質を丸くしたのは、ガウリイでもアメリアでもましてシルフィールでもなく、絶対にリナだったと思っています。でなければその後、利害が一致したからって、彼がそう簡単に旅についてくるとは思えませんし(笑)

> わたくしの知る限りで、ゼルガディスさんをゼルと呼ぶのは、リナさんだけだったと思うのです。
え、そうでしたっけ?! それは気付きませんでした(笑)
でも確かに、ゼルガディスを「ゼル」と呼んだのも、リナが最初だと思いますし(ディルギアの「ゼルの親分」は別として)それをサインにしたのは「リナ宛の手紙だから」か、もしくは「単なるものぐさ」でしょうね(笑)

> ――ただひとつ思ったこと。「それじゃあまた」なんて言いつつ、手紙の順序めちゃくちゃなのでは……あんなやり方では。
ああ、やっと突っ込んで貰えた(笑)
そうです。順番滅茶苦茶、しかも受け取れなかった手紙も有るはずです(笑)
まぁ、大事な用件があるなら手紙なんて不確実なもの(あの時代背景からして、事故率高そうですし)には頼らず、自分で伝えに行くでしょうし。

>ゼロリナ
嫌いじゃないどころか、むしろ好きな部類にはいるのですが……なかなか読まないんですよね(笑)
ゼルリナが根底にあって良ければ、そしてゼロスが虐げられていても宜しければ
ネタが湧いたときにでも、と思いますが(汗)

でもサイトの方で「リナ=インバース争奪戦」なるシリーズがありまして、そちらの方でゼルリナベースのリナ総受けを書いてます。宜しければそちらもどうぞv

庵さんの「いつか」拝読しました。
リナが格好良くて、好きですv
ゼロスも魔族の癖にリナに心底惚れちゃってるんですね。
その事が自分の滅びに繋がるとしても、名にも悔いることはないと。

それでは失礼します。