◆−降魔戦争から 第一章  再会−gure-to masa (2003/2/22 16:22:31) No.24895
 ┗降魔戦争から 第二章  新しきもの−gure-to masa (2003/2/22 23:11:04) No.24900
  ┗降魔戦争から 第三章  戦いと言う遊び−gure-to masa (2003/2/23 10:45:25) No.24902
   ┗降魔戦争から 第四章  かつての仲間の襲来−gure-to masa (2003/2/27 18:32:29) No.24955
    ┗降魔戦争から 第五章  (本当に)かつての仲間の襲来−gure-to masa (2003/2/27 20:14:13) No.24956


トップに戻る
24895降魔戦争から 第一章  再会gure-to masa 2003/2/22 16:22:31


作者より……この作品はNovel2で書いた「使命を守りし者」に出てきた
セフィクス視点の小説です。
彼女について、知らない方は前作よりどうぞ・……

「ギァァァァ〜〜!!」
聖魔の森の中に男に絶叫が響き渡った。
森の中央から聞こえてくる声に、私は気にする事無く読書を続けた。
原因は分かっている。
大方、ブラスがこの森にやって来たハンターや冒険者、私を討伐しこの森の資源を
全て奪った後に畑にするの部隊だろう。
私にとって、そんな者達に興味など全く無い。
たかが人間如きに討伐されるほど、私は弱くは無い。
そんな事を考えながら、本を棚に直していると家のドアが開き私が創造した
ブラスデーモンの姿をした中級魔族――ブラスが入ってきた。
「何だった?」
『いつもの事です。聖王都・セイルーンの騎士団20名を葬りました』
「ご苦労だった。一応、墓を作ってくれ」
『御意』
ブラスはそう言って、家を出て行った。
それと入れ違いに、中に一匹の鳥が入ってきた。
よく見てみると、足の所に何やら付いている。
私は鳥を捕まえると、足についている物を取った。
それは、手紙のようだ。
そして、私はゆっくりと読み始めた。
そこには懐かしきあの人からの手紙だった。

こんにちは、gure-to masaです。
こちらに小説を書くのは初めてです。
では、今度からも宜しくお願いします。

トップに戻る
24900降魔戦争から 第二章  新しきものgure-to masa 2003/2/22 23:11:04
記事番号24895へのコメント

ここは、セイルーンより少し離れた所にある森。
その中を私は歩いていた。
目的地は、この森の奥にある小さな洞窟がある。
そこに私が長い間待ち続けた者がいる。
そう……この1000年間待ち続けた者が。

「魔竜将軍である!!」
私が洞窟に叫ぶと、中から同僚の竜神官であるラルタークが出てきた。
「久し振りじゃのう、セフィクス殿」
「こちらこそ1000年振りですね、ラルターク老」
再会の挨拶を済ませ、私はラルターク老と共に洞窟に入っていった。
洞窟は外から見たよりも、中はとても広かった。
「いつ頃、あの御方は?」
「2、3日前じゃ。ワシの配下の者が見つけ出し、ワシとラーシャート殿で記憶を取り戻させたんじゃ」
「そうですか、私が行かなくても大丈夫でしたんですね」
「まあな。じゃが、これからはそなたの力が必要じゃ。
我らの長として、あの御方を補佐して欲しいのじゃよ、セフィクス」
「老に言われなくても、分かっております」
ラルターク老にそう言って、私は歩き続けた。
そして、私とラルターク老は洞窟の壁についた赤いドアの前に立った。
コンコン!!
「ラルタークですじゃ!!セフィクス殿をお連れしました」
「そうか!!すぐに入って来い!!」
ドアの中から、懐かしい声が聞こえてきた。
ラルタークがドアを開けると、そこには玉座に座ったあの御方――魔竜王ガ―ヴ様が悠然と座っていた。

「お久し振りです、ガーヴ様」
「本当に久し振りだな、セフィクス……一段と綺麗になったんじゃないか?」
「ありがとうございます」
私は立ったままの状態で、ガーヴ様と会話していた。
この部屋には、私とガーヴ様……ラルターク老に同僚の竜将軍のラーシャート・…
そしてガーヴ様が最近腹心の加えになったヴァルガーヴだけだ。
「ガーヴ様。セフィクス殿にヴァルガーヴを紹介しては?」
「そうだったな!!」
まるで忘れていたかのように、ガーヴ様は語り始めた。
「セフィクス。こいつはヴァルガーヴだ。俺が散歩してきた時に、拾ってきた古代竜の最後の生き残りだ。
ヴァルガーヴ!!こいつはセフィクス…お前よりも偉い魔竜将軍だ」
(古代竜だと!?)
私はその種族名を思い出した。
古代竜―――竜族でも高い地位にあり、実力は竜王(ドラゴンロード)と呼ばれる黄金竜に勝るとも劣らない。
確か、降魔戦争に参加せずに火竜王の命で滅ぼされたはず……
「ガーヴ様。このセフィクスって、本当に強いんですか?」
私が思案している最中に、ヴァルガーヴがそんな事を言った。
「どういう意味だ、ヴァルガーヴ?」
「こいつって、降魔戦争に参加していなかったんでしょう?て、事は弱かったからじゃないんですか?」


トップに戻る
24902降魔戦争から 第三章  戦いと言う遊びgure-to masa 2003/2/23 10:45:25
記事番号24900へのコメント

「く……口が過ぎるぞ!!」
(何を言い出すやら……)
ラーシャートの怒鳴り声を聞きながら、私は心の中で笑っていた。
確かに私は先の戦争には参加していない。
が、それにはちゃんと訳もあったしクライマックスではちゃんと参加している。
そう……ある者達の愛を引き裂くために……
「古代竜らしい考え方だな、ヴァルガーヴ。だが、その考え方は貴様の一族を皆殺しにした黄金竜と同じだ。」
「あんな連中と一緒にするな!!」
よほど頭に来たのか、いきなりヴァルガーヴが私めがけて緑の光弾を放った。
が、私は慌てる事も無くそれを素手で握り潰した。
「こんな物で私を殺そうとするなど愚かな者がするものだぞ?」
「ちくしょう〜〜〜!!」
私の挑発に乗ったのか、ヴァルガーヴは私めがけて突進してきた。
それと同時に、私は自分の獲物――ガーヴ様の精神体で創られたダークノヴァを抜いた。
「ガーヴ様、少しの間だけ戦闘を許可させて下さい」
「くれぐれも殺すなよ。貴重な戦力なんだからな」
「承知しました、ガーヴ様」
ガーヴ様に一礼をした私は、ヴァルガーヴめがけて突進した。
「ゼァァ〜〜!!」
ヴァルガーヴは右腕で私に殴りかかってきた。

ここに魔竜王軍最強魔竜将軍と新参者の竜神官の戦いが始まった。

トップに戻る
24955降魔戦争から 第四章  かつての仲間の襲来gure-to masa 2003/2/27 18:32:29
記事番号24902へのコメント

「く〜〜ら〜〜え〜〜!!!!!」
右腕に魔力を込め突進してくるヴァルガーヴを私は焦る事無くその右腕を掴み、部屋の壁に叩き付ける。
そして、ヴァルガーヴめがけて手加減した(腹心でも気絶するぐらいの)エネルギー弾をぶつけた。
「グハ〜〜〜!!」
エネルギー弾をもろに喰らったヴァルガーヴは気絶した。
時間にして、たった30秒……
汗1つかく事も無く、私はもう一度ガーヴ様の前にひざまずいた。
「早かったな。又、腕を上げたみたいだな」
「とんでもございません……彼がまだ魔族として経験を持っていないだけの事」
「が、お前には遠く及ばないか……」
私の言った事と久し振りに見た実力を見て、ガーヴ様は薄ら笑いをした。
「で、わざわざ任務途中のお前を呼んだのには訳がある」
「はい……いかなものでしょう?」
「裏切るぞ、魔族を」
(!!!???)
ガーヴ様の爆弾発言に、私はおろかラルターク・ラーシャートまで顔を真っ青にした。
魔族を裏切る………
それはガーヴ様の創造主赤眼の魔王に逆らう事ではないか?
「どうして裏切られるのですか?」
ラルターク・ラーシャートが最も聞きたい事を、私が代表として聞いた。
「俺が水竜王の術で人間に封印されたのは知ってるな」
「……はい…」
ガーヴ様の言葉に、私は言葉を濁らせた。
その呪文で私は貴方様と水竜王様の仲を引き裂いたのだから……
「で、俺は人間として何回も死に産まれと転生を繰り返してきた。
子供で死んだり、名も無き傭兵で生きたり、親として生きたりな………
そこで俺は気づいたんだ。魔族だった俺も『生きたい』と思うんだとな」

トップに戻る
24956降魔戦争から 第五章  (本当に)かつての仲間の襲来gure-to masa 2003/2/27 20:14:13
記事番号24955へのコメント

「ヘぇ〜〜、剣術馬鹿な君でもそんな事考えるんだ」
突然、この場には不釣合いな声がした。
いや、似合うべき声なのかも知れない。
私が声をした方を向くと、そこには予想通り魔王五腹心でも最強を誇る冥王ーフィブリゾがいた。
「フィブか……よく分かったな、この場所が」
「君には僕直属の部下が影で見張っていたからね。それに僕ばかりじゃないよ」
フィブリゾがそう言うと、部屋の柱の影から他の腹心まで出てきた。
獣王ゼラス=メタリオムおば様……
覇王グラウシェラー様に海王ダルフィン様……
今この空間に魔王五腹心が千年振りに再会した。
ラルタークやラーシャートは怯えているし、ガーヴ様も剣に手をやっている。
「ラルタークとラーシャート……ヴァルガーヴ連れて外に出てろ」
「ぎょ……御意……」
ガーヴ様にそう言われ、ラルターク達は部屋を出て行った。
「本当か、ガーヴよ」
「魔王様にたてつく気?」
「昔みたいになれないの?」
覇王・海王・獣王様方が説得しようと試みるが、ガーヴ様は首を縦には振らない。
「すまねえな……もう決めたんだ…魔族から離反し、生きる事を……」
「じゃ、殺さないといけないね」
冥王があの陰険な笑い顔で言い、右腕を私達に向けた。
ガーヴ様と私はほぼ同時に剣を抜いた。
幾らガーヴ様でも魔王腹心を4人も敵に回せば、勝ち目など無い。
こうなれば、私が最近作り上げた魔法――竜爆弾(ドラグボーム)と全滅斬(オールスレイブ)を使うのみ…
これ位の重火力なら1人ぐらい滅ぼす事も可能だろう。
しかし、冥王は笑いながら腕を下ろしてこう言った。
「しかし、ガーヴ殺してもセフィクスは貰って行こうか」