-異界黙示録伝《風の書》その1-魔沙羅  萌(4/28-22:06)No.2517


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2517異界黙示録伝《風の書》その1魔沙羅 萌 4/28-22:06

今回は予告通りゼルガディス君です。はい。

火の神はもう妖精都市『フィナリス』に入ったか……。
フェニックスには失望したがまあいいだろう。
あそこには2人も有能なる魔神がいるからな。
我の願いも叶うであろう。
しかし……『予言者』は何処に隠れたか……?


宴の序曲〜風の歌〜


俺たちは今、妖精界にある妖精都市『フィナリス』にいる。
アグニが言うにはここにある妖精城から神星界へいけるという。
しかし、1年前より妖精城には一般人は入れなくなったとアグニの知り合いの妖精、パックは言う。いったいどういう事なんだかはしらんが、ここに俺がもとに戻れる何かがあればいいのだが。

「パック、どういう事なの?妖精城が閉鎖されたって?」
アグニが少年妖精にそう問い掛ける。
「おれにはよくわかんないよ。でも、一つだけ言える。オベロンとティタニアが帰ってきた。いや、よみがえってきたんだ!」
「よみがえる?どういう事だ、パック」
「オベロンとティタニアは私たちが倒したわ。…時を統べる者と共に」
俺の問いに答えたのはパックではなく、アグニだった。
「そのオベロンさんとティタニアさんが何か悪いことしたんですか?」
アメリアがアグニにそう問い掛ける。
「ええ、あいつらはね、この国をだめにしたのよ。自分の思うが侭に操って」
「そうそう。4000年前の「キメラ事件」とか、近頃までは不正な政治。だから、おれ達が何とかしようって『時を統べる者』…萌ちゃんたちに力を借りたんだ。
で、3年前に倒して新しい女王をたてたんだ。彼女の名前はジブ=カルメンテ。優しい良い人だったんだけど……いつの間にか、オベロンがよみがえったんだ。
おれ、その時、ジブ様につかえてたんだ。ネオン=トワ=エアロスやフェアル=ビーンと一緒に。2人とも、捕まっちゃたんだ!たぶんティタニアの『キメラ研究所』にいると思う」
「彼女たちが捕まった?!」
「そうなんだ。僕、悪戯はできても、そんなに大きな力なんてないもん」
「あの、アグニさん、そのなんとかさんって誰ですか?」
「ええと、……説明しづらいんだけど、ここに住んでる《ぺグ》…ようは鳥の翼をもった妖精で、たしか、カバラ学者だったのが『ネオン』で、小人で、魔術師だったのが『フェアル』よ」
…ようは、パックという少年妖精とアグニの知り合いの妖精が2人、オベロンとティタニアという奴等に捕まっていて、そいつらは「キメラ」と関係のある施設にとらわれている。
……もしかするとその「キメラ研究所」に俺の身体を元に戻すことができる者があるかもしれない。しかも、ほおっておくとその捕まっている者が手遅れになってしまう確立もある。
「わかった、パック。アメリア、アグニ、どうする?キメラ研究所には俺は行くべきだと思うが」
「決まってます!わたし達、正義に仲良し4人組の1部とその他2名で正義の鉄拳をかましに行きましょう!」
「アメリア、いや、だから…その『正義の仲良し4人組の1部とその他2名』というのはやめてくれ……」
「わたしはそれでいいけど」
いや、だから、アグニもアメリアに同意しないで欲しいんだが……
「ともかく、行きましょう!キメラ研究所へ!」

〔続く〕

……なんだったんだろう、今の話?
ここまでで今回の副題がわかった人、あなたは演劇や音楽に興味を持っていたりしませんか?
ちなみに、次の一人称はアメリアさまだと思う…たぶん。
…『ペグ』って何か深く知りたい人は、妖精の事詳しく書いてある辞典を読もう。
↑よ、読むって?