◆−Lost  Episode 〜 忘却された物語 〜−夜宵 吹雪 (2003/3/15 19:01:00) No.25195
 ┗Re:Lost  Episode 〜 忘却された物語 〜−渚 (2003/3/15 23:47:58) No.25208
  ┗ゼロスは新たな称号を会得した!!(ちゃららちゃちゃ〜ん♪)−夜宵 吹雪 (2003/3/16 10:34:41) No.25212


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25195Lost  Episode 〜 忘却された物語 〜夜宵 吹雪 E-mail 2003/3/15 19:01:00




「ありがとうございました!」
営業スマイルを浮かべ客に対応する。ふと外を見るともう夕暮れ。子供の笑い声は消え、足取りは自然と家へ向かう。そんな時間だ。
「店長!ボクそろそろ・・・。」
奥の部屋で荷物を整理していた、店の主人に呼びかける。
「ああ、ごくろうさん。はい、これ今月分な。」
ぽいっと銀貨の詰まった袋を手渡す。
「どうもっ、じゃ、また明日!」
バタバタと慌ただしく、外に出る。
「え〜っと、次は酒場のウェイターやって、その次は町の警備のバイト・・・。」
ブツブツと独りごちながら予定を確かめる。吐く息が白い。空気は刺すように冷たいが彼に寒い、といった概念は存在しない。

ぴたりと、足を止めた。なにかがいる、しかし周りには完全に光を失った闇がただずむのみ。

・・・・・・ほぅ・・・・・・ほう・・・・・・

ふくろうの声が森から聞こえる。しかし、それでも気配は消えない。
しばらく考え、にやりと何かを企むように、唇をつり上げた。
「・・・ふーん、生ゴミ、ごき○り、パシリの名を欲しいままにしていたキミが、のぞきが趣味だったとはね。」
意地悪く言う。すると――――――
「そんな名前!僕は欲しいままにした覚えはありませんよ!!」
黒い法衣を着た一人の神官が現れる。その様子にクスクスと笑う。
「あはははっ、冗談だよ。用があるなら早く言えばいいのに。ボクをずぅっと監視してただろ?気分悪いんですよね、そうゆうの。命令なのかな、ゼロス?」
神官――――ゼロスはひょいと肩をすくめ、
「いえいえ違いますよ。僕のただの好奇心です、ケレル様。」
ケレルと呼ばれた少年は苦笑し、
「様付けはやめてくれないか?慣れてないんだ。」
ゼロスはくすりと笑う。
「承知しました。」
「・・・で好奇心でボクをずぅ――――っと見てたと。」
「はい。」
「・・・・・・結構、前から視線は感じたけど、まさか朝からずうぅっと見てたのはキミかい?」
「はい。」
ケレルの質問に淡々と答えるゼロス。ケレルは呆れ、ため息をつきながらゼロスの両肩をたたいた。
「・・・・・・あのねぇ、ゼロス。」
「はい。」
「そーゆーのをストーカーって言うんだ、わかる?」
「はぁ、まあ、わかりますけど・・・・・・。」
「・・・・・・ストーカー魔族って呼ばれたい?」
ゼロスはすぐさま、首を横に振った
「じゃ、もうしないで。頼むから。」
嫌な思い出があるのか、本気で嫌だったのかケレルの目は真剣そのものだった。
「しっかし好奇心ねえ・・・、なかなかの物好きだなぁ・・・。」
ケレルはぽりぽりと頭をかいた。
「よく言われます。」
「まあ、好奇心が強いのは悪い事じゃないけど・・・。」
一瞬、ケレルの瞳が刃のように、鋭く光る。
ぅぅんっ
うなりを上げ、ゼロスの喉元にケレルの短剣と化した指がつきつけられた。
「調子に乗ると、滅ぼすよ?」
いつもと変わらない笑みをケレルは浮かべた。
「・・・嘘だけどね。」
そう言って指を元に戻す。
「お、驚かせないでくださいよ〜。」
「事実を言ったまでです。」
「・・・と、とにかく教えてくださいよ。何故この世界に来たのか・・・・・・、あなたほどのお方が、退屈の一言でこの世界に来るとは思えません。」
「・・・・・・本当に物好きだな、キミは。」
ケレルはやれやれと肩をすくめる。
「・・・そうだね、ボクがこの世界に来たのは人材集めのためだ。」
「人材集め、ですか・・・?」
「そう。言っただろう?ボクらは身動きがとれず、睨み合いが続いている。その状況を打破するには、優秀な人材が必要なんだ。最近、質が落ちてきてるからねえ、神族も魔族も。ま、火竜王に仕えるヤツらほど馬鹿ではないけど、それでえもやっぱキツイんだ。・・・・・・で人材集めのため、この世界に来たってワケ。でも来た早々・・・」
「火竜王の一派に目をつけられた・・・。」
ケレルの言葉の続きをゼロスが続ける。ケレルは苦笑を浮かべた。
「まっ、全部、返り討ちにしたけどね。その際にヴァルに会った。なかなかの逸材だった、だが彼には復讐という理由がある。しぶしぶ諦めたんだ。力も性格も理想的だった。・・・あ、あと腕を斬られたのは驚いたな。・・・あとでその娘に会った事もね、いやー、親に似ないで安心したよ。」
「・・・なるほど、それで?この世界に手を出しますか?」
「別に。この世界をどーこーするのはこの世界の問題だ。キミ達がこの世界を無に帰そうが、神が戦いに勝利しようが、ね。ボクはこの世界を滅ぼそうとも思わないし、救おうとも思わない。傍観してるよ、他人事としてさ。」
ケレルは意地悪く言う。
「なるほど。あなたは僕達と気が合いそうですね、安心しました。」
「そりゃどーも、誉め言葉だね。・・・・・・だけど、ボクはボクの前に立ち塞がる者には容赦はしない。邪魔するなら遠慮なく滅ぼさせてもらう。」
ゼロスはふむと納得したように頷く。
「承知しました、肝に銘じておきます。それでは・・・。」
ゼロスの姿が闇夜に消える。その言葉に満足したふうにケレルは微笑む。
「・・・・・・悪くないよ。」
呟いた声は、闇夜に消えた。



あとがき
吹雪:さて、予告通りの短編です、お楽しみいただけましたか?
ゼロス:これ、本来なら「風の記憶、竜の邂逅」に入る話ですよね?
吹雪:うん、長さの関係で、新たに別にして書いてみました。あとケレルに関するエピソードは、番外編で長編で書く。
ゼロス:ほぼオリジナルですね。
吹雪:オリジナル好き!って人はどうぞ・・・(弱気)
ゼロス:・・・しかし・・・、ケレルさん、性格変わりまくってますねぇ・・・。
吹雪:うーん、実はそれにもちょっとしたエピソードが・・・。
ゼロス:何ですか?それ
吹雪:それが番外編でわかるんだよ。
ゼロス:はぁ・・・。
吹雪:あとギャグネタ集めなきゃなぁ・・・、がんばるぞー。
ゼロス:それが終わったらどうするんです?
吹雪:んー、また長編をのんびりと・・・。
ゼロス:長編好きですねー。
吹雪:読み応えのあるお話は大好きよ。
ゼロス:いろいろ読み漁ってますもんね。
吹雪:そんなわけで、さよーならー。


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25208Re:Lost  Episode 〜 忘却された物語 〜2003/3/15 23:47:58
記事番号25195へのコメント

こんばんはです。

>「え〜っと、次は酒場のウェイターやって、その次は町の警備のバイト・・・。」
 *ワイン買うためにがんばってますねー。
>「・・・ふーん、生ゴミ、ごき○り、パシリの名を欲しいままにしていたキミが、のぞきが趣味だったとはね。」
 *いやいや、リナたちのこと結構のぞいでるから・・・・(笑)
 ゼロス:変なこといわないで下さい!!
>「いえいえ違いますよ。僕のただの好奇心です、ケレル様。」
 *命令じゃないのに、のぞきか。珍しい。
 ゼロス:だからのぞきじゃありません!!
>「・・・で好奇心でボクをずぅ――――っと見てたと。」
>「はい。」
>「・・・・・・結構、前から視線は感じたけど、まさか朝からずうぅっと見てたのはキミかい?」
>「はい。」
 *やっぱりぃぃぃぃぃのぞきかいぃぃぃぃぃぃ!!
 リナ:はあー、知らなかったわ。ゼロスにそんな趣味があるなんて。
 アメリア:しかも男をですよ。まあ、女ならいいっていうんじゃないんですけど。
 *魔族には性別ないよ。アメリア。
 アメリア:そうゆう問題じゃないんです!
>「そーゆーのをストーカーって言うんだ、わかる?」
>「はぁ、まあ、わかりますけど・・・・・・。」
>「・・・・・・ストーカー魔族って呼ばれたい?」
 *おおっ!新しい二つ名!!ストーカー魔族のゼロスくん!!
>「・・・と、とにかく教えてくださいよ。何故この世界に来たのか・・・・・・、あなたほどのお方が、退屈の一言でこの世界に来るとは思えません。」
 *私も、知りたいー!
 リナ:だったら黙ってなさいよ。
>
>あとがき
>吹雪:さて、予告通りの短編です、お楽しみいただけましたか?
 *面白かったですー。
>吹雪:オリジナル好き!って人はどうぞ・・・(弱気)
 *読みますよ!ケレルくん、個人的に好きですし(笑)
>吹雪:そんなわけで、さよーならー。
 *はい、続き楽しみにしてますー。
 リナ:あんたも早く続きしなさいよ!
 *はい・・・・・。

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25212ゼロスは新たな称号を会得した!!(ちゃららちゃちゃ〜ん♪)夜宵 吹雪 E-mail 2003/3/16 10:34:41
記事番号25208へのコメント



>こんばんはです。

吹雪:どうも、おはようゴザイマス!

>
>>「え〜っと、次は酒場のウェイターやって、その次は町の警備のバイト・・・。」
> *ワイン買うためにがんばってますねー。

K:大体、1日で金貨20枚ぐらいだな。
吹雪:道のりは遠い・・・。(遠い目)

>>「・・・ふーん、生ゴミ、ごき○り、パシリの名を欲しいままにしていたキミが、のぞきが趣味だったとはね。」
> *いやいや、リナたちのこと結構のぞいでるから・・・・(笑)
> ゼロス:変なこといわないで下さい!!

吹雪:事実だろ。
K:・・・・・・・・・(酷ぇ)

>>「いえいえ違いますよ。僕のただの好奇心です、ケレル様。」
> *命令じゃないのに、のぞきか。珍しい。
> ゼロス:だからのぞきじゃありません!!

吹雪:ん〜、じゃあ観察?
K:どっちにしろ悪趣味だ。

>>「・・・で好奇心でボクをずぅ――――っと見てたと。」
>>「はい。」
>>「・・・・・・結構、前から視線は感じたけど、まさか朝からずうぅっと見てたのはキミかい?」
>>「はい。」
> *やっぱりぃぃぃぃぃのぞきかいぃぃぃぃぃぃ!!
> リナ:はあー、知らなかったわ。ゼロスにそんな趣味があるなんて。
> アメリア:しかも男をですよ。まあ、女ならいいっていうんじゃないんですけど。
> *魔族には性別ないよ。アメリア。
> アメリア:そうゆう問題じゃないんです!

K:うわぁ、誤解されまくってるな、オイ。
吹雪:中間管理職の宿命です。
K:・・・一応、僕も中間管理職なんだけどな。

>>「そーゆーのをストーカーって言うんだ、わかる?」
>>「はぁ、まあ、わかりますけど・・・・・・。」
>>「・・・・・・ストーカー魔族って呼ばれたい?」
> *おおっ!新しい二つ名!!ストーカー魔族のゼロスくん!!
>>「・・・と、とにかく教えてくださいよ。何故この世界に来たのか・・・・・・、あなたほどのお方が、退屈の一言でこの世界に来るとは思えません。」
> *私も、知りたいー!
> リナ:だったら黙ってなさいよ。

K:人材集め。
吹雪:スタッフサービスに電話を!!

>>あとがき
>>吹雪:さて、予告通りの短編です、お楽しみいただけましたか?
> *面白かったですー。

吹雪:ありがとうございます、その一言が私のカンフル剤です!

>>吹雪:オリジナル好き!って人はどうぞ・・・(弱気)
> *読みますよ!ケレルくん、個人的に好きですし(笑)

吹雪:おお!よかったな、ファン一号だ。
K:い、いや・・・(照れてる)

>>吹雪:そんなわけで、さよーならー。
> *はい、続き楽しみにしてますー。
> リナ:あんたも早く続きしなさいよ!
> *はい・・・・・。

吹雪:お互い頑張りましょう。それでは早めに、また会える事を祈って・・・。