-魔法学園リラその2-魔沙羅  萌(4/29-20:38)No.2538
 ┗Re:魔法学園リラその1、2-松原ぼたん(4/30-15:02)No.2544


トップに戻る
2538魔法学園リラその2魔沙羅 萌 4/29-20:38
記事番号2518へのコメント
変な話の第2段。
はたして、シルフィールに、マルチナに、ザングルスに出番はあるのか?
リナたちの出動養成の内容は?
この話は本当に学園モノなのか?
それではストーリーいってみましょう!


第2話、竜王駆ける〜T神社の不思議話〜


リナたちは今、鉄道に乗っている。
ここは、秩父市内を走っているT鉄道の中。
そこにいるメンバーはリナを先頭にして、ガウリイ、ルーク、萌、玻璃だ。
リナもガウリイも、萌や玻璃ですら静かにしているのに、一人だけ嫌そうな顔をしてぶつぶつ呟いている人間がいた。ルークだ。
彼が嫌そうな顔をしている理由は昨日の中央委員会にあった。


「シェーラ先生、行くメンバーは考えてあるんですか?」
アグニはシェーラにそう問い掛けた。
「いい質問ね、アグニ=カテン=アルフ=ハイム。決めてあるわ。ちゃんと」
シェーラはそういって教卓の上においてある模造紙を黒板にはってみせた。
その模造紙にはこう書いてあった。
『T神社に行くメンバー:リナ、ガウリイ、ルーク、萌、玻璃
茶臼岳へ行くメンバー:ゼルガディス、アメリア、リナン、アグニ、ジーブリール
本校に残るメンバー:ミリーナ、螢、玉髄』
「ふーん、これ、誰が考えたの?」
「ゼロスよ。わかったわね、リナ=インバース」
リナはそのことばになるほど納得して黙った。しかし……
「俺はやだね!愛する俺のミリーナと一緒じゃないのは百歩譲ってやってもいいが、なんでまたリナさん等と一緒なんだよ!こいつらと行くとろくな事がないのが目に見えてるっていうのによ」
がたん!
「なによルーク!人を疫病神みたいに言って!そんなんだからミリーナに嫌がられるのよ!」
リナはルークの言葉が頭にきたらしく、凄い形相をして立ち上がりルークに反論した。
「なに言ってんだよ、ミリーナはなあ、俺の……」
「なんだって言うんですか」
ルークはいつもながらミリーナの一言に沈黙する。
「そんなことより、シェーラ先生、いつから行くんですか?そこへ」
ジーブリールの簡単な質問にシェーラは一言こう返した。
「明日」
「そんな!明日は学校ある日ですよ!」
そんなアメリアの一言に対してはシェーラはこう一言返した。
「いいから行きなさい」
その一言にその場にいた者は沈黙したのは言うまでもないだろう。


「にしてもシェーラのヤツなに考えてんだ?」
「ルーク兄ちゃん、ここ、電車の中だよ。静かにしなきゃ」
思わず大きな声を出したルークに萌がそう一言だけ注意をした。
慌ててあたりを見渡してみれば、自分たちのほかに数人の客がいた事にルークは今更気付いた。


「ほえー…ここがT神社か…思ったよりでかいわね」
リナは思わず感嘆の声をあげていた。
ここはT神社の境内にある庭らしきところ。
リナたち一行はそこまできていた。
「なあリナ、なんで空がこんなに暗いんだ?ここ」
「さあね、あたしの知ったことじゃあないわ。それよりゼロス先生はどこよ!」
ガウリイのささやかな疑問にリナは少しイラついた声で答えた。
確かに…ガウリイの言う通り空が昼間にしては異様に暗かったりしている。
街に人もほとんどいなかったし、鉄道に乗っていた客も少なかった。
何よりおかしいのは田畑だ。この時季、田では田植えがそろそろはじまる頃だし、水田の整理が終わっていてもいい頃だ。
しかし、田は荒れ放題、畑だって作物を作られている痕跡はあるものの、全て枯れ果ててしまっている。
「ゼロス先生ならきっと奥にいるとわたしは思うよ。
でも、リナ先輩、ルーク先輩、萌ちゃん、ここで何があったんでしょうか?」
玻璃はガウリイの言葉を引き継ぐかのように2人に問い掛けた。
萌は何かを考え込んでいるようで玻璃の言葉なんて欠片も聞いていない様だ。
「さあな、こればっかりは俺たちじゃあ予想はできないな。
と言っても、萌には何かわかっているかもしれないみたいだが。
…おっと、ゼロスの野郎のお出ましだぜ」
いわれて見てみればゼロスがこっちへやってくるのが目にはいった。
それをみて萌は一歩前へ出て、
「ねえゼロス先生、いったいここで何が暴れてるんですか?
わたしの推測が正しければそれって…」
何か言いかける萌にゼロスは彼女の目の前でとまり人差し指を軽くたててからこう言った。
「立ち話もなんですから中で話をしましょう。それに萌さん、話を先に急いでは行けません。
この神社の神主さんに話を聞いてから結論をどうぞ」


「実は……そこにあった竜の彫り物が逃げてしまったんです」
『はぁ?』
神主さんは突然そんな間抜けなことを言い出しのでリナたちも思わず間の抜けた声を出した。
神社の中に入って少しすると神主さんがあらわれて事情を説明してくれたのだが……突然そんなことをいわれても、ゼロスとリナたちの中の一人を除いての人間には理解不能なことでしかなかった。
リナたちの中で理解できた人間とは…萌のことだ。
彼女は神主さんの言葉を聞いて何かを確信したかのような表情をしている。
「え、ええと、ほ、彫り物が逃げ出したって言いますと?」
「はい、つい一昨日のことですが、そこにあった鎖に繋がれていた竜の彫り物が逃げ出してしまったんです」
その言葉にリナたちは混乱した。
いくらなんでも鎖でつながれた竜の彫り物が逃げ出すなんて聞いたことがないし見たこともない。何より、彫り物が動くモノなのだろうか?
「それって、この神社に奉納してあった『水竜王』の彫り物ですよね?」
萌は確信を持った声で神主さんにたずねた。
「はい、おっしゃる通りです。ここにおさめられていた水竜王様の彫り物が暴れているのです」
「なあリナ、『すいりゅうおうさま』ってなんだ?」
ごが!
ガウリイの心無い質問にリナは彼の顔に思いっきり蹴りをかました。
それを見て萌えと玻璃は合掌して、ルークとゼロスは顔を引きつられ、神主さんはリアクションに困っている。
「な、なんで蹴るんだよリナ!」
「あんたねえ、しらないなんて言わせな」
がおうるるぅぅぅ!!
突然だった。外から竜の咆哮が聞こえてきたのは。
「き、来ました!」
神主さんは小さく悲鳴をあげた。
「行きましょう!外へ!」


「な、なんだありゃ」
ルークは思わずそれを見て声をあげていた。
他のみんなも硬直して動けなくなっていた。
昼間にしては暗い空には嵐、そして……巨大な竜が飛翔していた。

〔続く〕

……どこかで聞いたことのある話だなって思った人は笑ってやって下さい。


トップに戻る
2544Re:魔法学園リラその1、2松原ぼたん E-mail 4/30-15:02
記事番号2538へのコメント
 面白かったです。

>アグニ:ロードス島(笑)出身、高2(17歳)、民俗学科、精霊種族研究部
 (笑)。地中海だがどこだかのほうよね。向こうの方のアグニなら違う者を連想してしまう(笑)。
>人もこないし、のどかなので『のんびり』できるのだが、普通、校庭とはこんなに広いものなのだろうか?そんな小さな疑問は生徒にも先生にも思いつかないものだった。
 いいんじゃないの、それはそれで。
>「なによルーク。ずいぶんと刺がある言い方ねえ。まあそんなことより今度はなんなの?
>レゾ先生とS教頭の暴走事件…どこぞやの魔道士協会の内輪問題…レゾ先生のコピーの暴走事件…アメリアの家の御家騒動…どこぞやの怪しいシューキョーの事件…ガーヴ先生の家出騒動…フィブリゾ先生の親子喧
>嘩…D社のゴミ問題……。これ以上なにやれって言うのよ?まさか、また何か先生達がやらかしたとか?」
 学校単位で考えると別の意味で怖いかも。
>「いい質問ね、アグニ=カテン=アルフ=ハイム。決めてあるわ。ちゃんと」
 フルネームで呼ぶところがなんとも・・・・。
>「俺はやだね!愛する俺のミリーナと一緒じゃないのは百歩譲ってやってもいいが、なんでまたリナさん等と一緒なんだよ!こいつらと行くとろくな事がないのが目に見えてるっていうのによ」
 逆じゃないの?
>「実は……そこにあった竜の彫り物が逃げてしまったんです」
 それは大変。
>「はい、つい一昨日のことですが、そこにあった鎖に繋がれていた竜の彫り物が逃げ出してしまったんです」
 彫り物を鎖でつないでたのか。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。