◆−――ハイドラント式1/100スケール降魔戦争Moratorium――−颪月夜ハイドラント (2003/4/14 20:42:09) No.25570 ┗(タイトル長すぎなので端折って)27話:闇空の虹−颪月夜ハイドラント (2003/4/14 20:51:20) No.25571 ┣ガーヴが仲間になった!ゼロスが仲間になった!シェーラが……(以下略)−エモーション (2003/4/15 20:47:18) No.25595 ┃┗Re:一応人気ありそうなキャラが多い?−颪月夜ハイドラント (2003/4/15 21:58:54) No.25598 ┗(タイトル長すぎなので端折って)28話:尖晶石の宇宙−颪月夜ハイドラント (2003/4/17 21:13:48) No.25624 ┣Re:(タイトル長すぎなので端折って)28話:尖晶石の宇宙−エモーション (2003/4/18 21:58:03) No.25634 ┃┗Re:(35話以内には終わると思います)28話:尖晶石の宇宙−颪月夜ハイドラント (2003/4/19 13:13:16) No.25642 ┗(シリアス払拭か?)29話:決別の光−颪月夜ハイドラント (2003/4/19 20:08:52) No.25650 ┣♪わ〜たしのか〜わいい、に〜ん〜ぎょお〜♪−エモーション (2003/4/20 00:14:46) No.25654 ┃┗Re:♪わ〜たしのか〜わいい、に〜ん〜ぎょお〜♪−颪月夜ハイドラント (2003/4/20 12:38:33) No.25656 ┗(そろそろ終われる。)30話:孔雀石の涙−颪月夜ハイドラント (2003/4/22 20:44:25) No.25674 ┗(嵐の前の静けさか)31話:闇へ至る翼−颪月夜ハイドラント (2003/4/23 18:56:22) No.25682 ┣雪の精と万年雪ですか−エモーション (2003/4/23 20:27:45) No.25683 ┃┗Re:同じ冷気属性ですね。−颪月夜ハイドラント (2003/4/23 21:15:35) No.25684 ┣うわあっ!!またひどいミス。−颪月夜ハイドラント (2003/4/24 13:12:21) No.25693 ┗(そして最高潮)32話:いと高き煉獄−颪月夜ハイドラント (2003/4/25 20:20:00) No.25698 ┣エピローグ1:Good・Moratorium−颪月夜ハイドラント (2003/4/25 21:30:24) No.25701 ┃┗それとそれと−颪月夜ハイドラント (2003/4/25 21:35:11) No.25702 ┣明日はどっちだ!−エモーション (2003/4/25 22:03:05) No.25703 ┃┗Re:明日はどっちだ!−颪月夜ハイドラント (2003/4/26 16:17:39) No.25713 ┣エピローグ2:平和の風−颪月夜ハイドラント (2003/4/26 20:27:03) No.25718 ┗プロローグ:始まりへ続く終着点−颪月夜ハイドラント (2003/4/26 20:35:00) No.25719 ┗伝説は終わり、歴史が始まる……。−エモーション (2003/4/26 21:54:47) No.25721 ┗Re:伝説は終わり、歴史が始まる……。−颪月夜ハイドラント (2003/4/27 11:47:46) No.25725
25570 | ――ハイドラント式1/100スケール降魔戦争Moratorium―― | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/14 20:42:09 |
ツリーが老朽化して床が落ちそうなので(笑)新ツリーでいきます。 落ちたら即座に著者別に入れる予定です。 |
25571 | (タイトル長すぎなので端折って)27話:闇空の虹 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/14 20:51:20 |
記事番号25570へのコメント 痺れるような激痛。 その波間に笑う悪魔。 静寂な中で何度も苦悶に変わる表情。 悪夢の如く苦しみが続く。 「・・・うっ・・・」 声が出でる。 眼に微かな光が灯った。 「・・・うっ・・・うっ・・・」 苦しみもがく。 だが身体は動かない。 「・・・大丈夫?」 どこよりか声。 美しき声。 記憶に映ったのは優しい姉と友人の顔。そして遠い先の兄。 だが現実の逆流がすべてを消し去る。 虚像はむなしく消えて、 「・・・ねえ大丈夫?」 再び美麗な声が響いた。 先ほどよりもそれは鮮明。そして幼さを具えた声だと察知出来た。 「・・・うっ・・・」 再びうめく。 だが異変。 先に値するほど波が来ない。 そして光が眩く見えた。 身体が軽い。風に飛ばされるほど・・・。 天に昇った。 それがアルティアの夢との別離であった。 「・・・・・・。」 彼の橙の瞳は呆然とし、虚ろ。 闇を光を、混沌として把握していた。 やがて、混ざる像は本来を形を取り戻してゆくが、それはけして急速と言えない。 世界は沈黙。掟のように・・・。 ただ寂しくはない。気配は無尽蔵。 しばしの時、焦点が定まって来た。 「・・・ここは?」 アルティアは静かにその口を開く。冷たい美声。 「・・・ようこそ、黄昏の隠り世に。」 そして返るのもまた美しき声。 アルティアは主に視線を合わせた。 少年の顔。あまりに幼い。だが威厳は充分すぎた。 (冥王・・・フィブリゾか。) そして、 「・・・・・・。」 再び沈黙。 だがそれは、 「・・・アルティアよ・・・久しぶりだな。」 脇より来る別の声に砕かれた。 「今こそ、我の軍隊をたった1人で退けた貴様の首を取ってやろう。」 高圧的な響きが浸食する。 憔悴したアルティアはそれにただ微量の震えを来たすのみ。 「グラウシェラーは黙ってて!」 それは先ほどの声に掻き消されたが、辺りを囲う飢えた眼に恐怖は止まらない。 「で、うちのガーヴに拾われたらしいけど、どうしたの君は?」 純真な眼。それは魔力を持って襲い掛かる。優しき牙。 葛藤に唇が揺れた。 第三の沈黙。 その中でアルティアは微かに世界を見渡していた。 限りなく平地。犇き合う魔族達。 そして彼の区画は空白が大きく、正面のフィブリゾの他には、不満顔の覇王グラウシェラー、静かに座する冥将軍ルビーとサファイア、そして理由は知れぬが輝く鎖に拘束された冥神官ガーネット、そして黒衣の男がただ立っている。 「無理しなくて良いよ。」 そこで唐突に投げ掛けられる声。 アルティアの心には驚きが波打った。 「いや・・・」 そして微かに言葉を発し、なお惑いの時間を得て、 「・・・神の世界がおかしい。」 やがて重い言葉を発した。 それにフィブリゾはしばし黙った後、 「確かに・・・最近の君達、結構おかしいのは事実だね。それで?」 浴びせた声は意識せずとも毒気混じり。 しかし、アルティアはそれに不満など覚えず、 「私は・・・一度、捕らえられた。・・・いや、フィーンもハクアもシルバースも今は牢獄の中だ。」 紡ぐ。驚愕が反射された。 それが収まって、 「ええっ、どういうこと!?」 フィブリゾが発する。 「竜神様の様子がおかしい。そうだ。スピネルとかいう男が来てから・・・。マナディールを崩壊させ、さらに地獄の門を開き悪魔を呼ばせた。」 「地獄の門・・・やっぱり神族が呼び出したんだね。それでスピネルって?」 「恐らく、異変の首謀者のようだ。出会ったこともあるが、あの魔力は計り知れない。恐らく魔王や竜神様を容易く凌ぐほど・・・。」 素早く切り返される応答。 それに、 「つまり、スピネルを倒せば良いんですよ。」 突然、口を突くのは・・・ 「・・・カルボナード!」 フィブリゾは声に出して驚き、 (そうだ。・・・こいつと同質の・・・) アルティアは静かに呟く。 「スピネルを倒す力なら、私がお貸ししますよ。」 そんな中、黒衣の紳士は連ねた。 それにフィブリゾは、 「でも、悪魔はどうするのさ?包囲されてるし・・・。」 昏い声。しかし、 「心配は要りません。スピネルを倒せばすべての悪魔は烏合の衆でしかありません。」 カルボナードは淡々と・・・。 沈黙が生まれた。それは水を湛えてゆき。 「・・・それってまさか・・・」 やがて、フィブリゾが閃く。 「そう・・・悪魔王はスピネルなのですよ。」 静かだが彼の声は賞賛混じり。 「悪魔王だと!」 だがアルティアは憤慨した。 感情が高ぶってゆく。 そしてそれに囚われるまま叫んだ。 「・・・悪魔。私達、誇り高き神族が悪孫時に支配されていたというのか!悪魔を飼ったつもりが飼われていたとは!」 「まあまあ。」 だがフィブリゾの声など焼け石に水。まさにそれが的を射ていた。 「必死に脱獄してやっと得た真実がこれだとは!竜神様もドルノースも私の部下達も悪魔の僕なのか!!」 激昂が続く。 そんな中、カルボナードは、 「・・・魔族の能力許容量と私の力の量のバランスとして、5,6人辺りがちょうど良いですね。まずフィブリゾ君にアルティア君の2人はいってもらいます。」 その声を知らぬかのように語り続けていた。アルティアはやや落ち着くが感情は収まらない。 そしてそんな中、 「俺もいくぜ!」 遠くより声。 主は、 「ガーヴ・・・地獄耳。」 「うるせえ!」 「僕もいきます。」 そして転移し生まれた気配は、獣神官ゼロス。 「獣王様はどうにも、調子がよろしくないようで・・・。」 昏い声だが、嬉々としていた。 「後は・・・ダルフィンは無理みたいだし、グラウシェラー、君かな?」 その中、フィブリゾは覇王に呼び掛けたが、 「いえ、グラウシェラー君は、待機させましょう。王クラスが離れすぎると、何かと問題がありますし・・・。」 カルボナードが口を入れる。 (何で詳しいんだろう?) フィブリゾはそんな疑問を持ったりもした。 「じゃあ私がいきます。」 だがそれもすぐに消えて、 「・・・シェーラ!?」 転移して来たのは覇王将軍。 (・・・ゼロスに、シェーラまで地獄耳。) 「大丈夫?君には危険だよ。」 慌ててフィブリゾは繕うが、 「大丈夫です・・・フィブリゾ様。」 美しく甘く、それでいて健気なその声に、 「分かった。・・・この5人だね。」 魅了されフィブリゾはカルボナードに告げた。 「・・・分かりました。それでは・・・」 だがその瞬間、 「待ってください。」 強さを具えた少女の声。 「あたしもいきます。・・・オリオンの仇を取りたいんです。」 強烈な情を湛えたウシャナ。 フィブリゾは驚くも、すぐに覚醒し、 「分かった。ウシャナも入れた6人でいくよ。」 再び告げる。 カルボナードは無愛想ながら薄笑みを持って、 「分かりました。」 彼の正面に立つ6人に、軽く頭を下げた。 生まれるのは波。 激しくも穏やかでもあり、やがて混乱し判別が不可となる。 そして囁きが鮮明となっていった。 風?海? 世界が見えず、ただ流される。 だがその中で6人は紛れもない焔の像を瞳に受け入れた。 そしてその熱気の中で漲って来るのは力。 誰もが笑顔を持っていた。 「じゃあいって来るね。」 結界の限界点。 6人に言われ、カルボナードは頷く。 「では・・・お気をつけて・・・。」 瞬間に障壁が一区画分消え去った。 そして6人の勇者は飛び立つ。 漆黒、紅蓮、深蒼、紫紺、白銀、無色。6色の虹が暗雲に消される。 そして同じくしてカルボナードは消え去った。 結界は修復させる。 さながら生けるものの如く。 後書き こんばんはラントです。 努力は、申し訳程度にしましたけど・・・荒い。粗すぎです今回。 ううむ精進せねば・・・。 闇龍王 ついに投稿出来ました。 メッキー世界を使った、彼の作に比べればこじんまりとした壮大な長編ファンタジー。 でも私としては私の過去最高の作品ではないかとそう思います。(本気の本気で) 目指していた幻想性と現実性の融合もある程度かなってる気がしますし・・・。 75パーセント(私比)オリジナルですけど・・・。 まだ半分も出来てないですが・・・。 HP 概ね完成。 後これ以降ペース落ちる予定です。 HPや他の小説を進めていきたいので・・・。 それでは・・・。 ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ オプション(ウィザードリィ風にパーティ紹介) name Class AC Hits Status アルティア G−Sam L0 255/255 ガーヴ E−Fig L0 350/350 シェーラ E−Lor -9 198/198 フィブリゾ E−Bis L0 240/240 ゼロス E−Pri -3 225/225 ウシャナ E−Mag -5 168/168 説明 G=善 E=悪 (基本的には善悪混合パーティは組めない。いや可能なんですけど・・・。) Sam=侍(魔法戦士) Fig=戦士(そのまま) Lor=君主(僧侶戦士) Bis=司教(魔術師+僧侶) Pri=僧侶(回復魔法使い) Mag=魔術師(攻撃魔法使い) AC(アーマー・クラス) 防御力。 装備によって下がる。 数字が低いほど強い。 L0は−10を意味して最強。ちなみにウィザードリィでのこの数値はシャーマン戦車の耐久力ほどだという話。 最後尾の数字はRPGでのヒットポイントを意味する。 |
25595 | ガーヴが仲間になった!ゼロスが仲間になった!シェーラが……(以下略) | エモーション E-mail | 2003/4/15 20:47:18 |
記事番号25571へのコメント 思わずドラ○エ風パーティ結成メッセージ(笑) こんばんは。 アルティア君の衝撃の告白! さすがに神族のほとんどが捕まってると聞いたら、魔族サイドとしても 驚くしかないんですね。 アルティア君、本当に必死で脱出したんですね。 悪魔王がスピネルさん。 上から下まできっちり枠組みが出来ている世界だから、真っ先に上を抑えて、 それからじわじわと、浸食するように神族側を操ってきたわけですね。 そして疑問を感じはじめたものなどは、当然切り捨て、もしくは処分するのが 普通……だと思うのですが……とりあえず生かしてあるようですね。 まだ、使い道があるということでしょうか。 何かや〜な予感が(汗) カルボナードさんの思惑は相変わらず謎ですが、急遽パーティを組んだ アルティア君とフィブリゾ君たち。 ……チームワークは大丈夫かと心配な感じですが、現段階では少なくとも 能力的にはバランス考えた面子なのでしょうね。 ウィザードリーはプレイしたことないので、強さなどの見方が よく分からないのですが(汗) それでは、続きを楽しみにしつつこの辺で失礼いたします。 |
25598 | Re:一応人気ありそうなキャラが多い? | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/15 21:58:54 |
記事番号25595へのコメント >思わずドラ○エ風パーティ結成メッセージ(笑) 確かにド○クエ風かも知れないですねえ。 > >こんばんは。 こんばんは > >アルティア君の衝撃の告白! いよいよこの世界の状況は概ね明らかとなりました。 >さすがに神族のほとんどが捕まってると聞いたら、魔族サイドとしても >驚くしかないんですね。 まあそりゃあありえないことでしょうし。 >アルティア君、本当に必死で脱出したんですね。 スピネルさんの影響でアルティア君より強いやつも存在してますし・・・。 >悪魔王がスピネルさん。 スピネルさんがラスボスなのは随分前から決まってました。悪魔は設定自体、後で出来て、悪魔王だという設定は本当にごく最近です。 >上から下まできっちり枠組みが出来ている世界だから、真っ先に上を抑えて、 >それからじわじわと、浸食するように神族側を操ってきたわけですね。 まあそんなわけです。 >そして疑問を感じはじめたものなどは、当然切り捨て、もしくは処分するのが >普通……だと思うのですが……とりあえず生かしてあるようですね。 >まだ、使い道があるということでしょうか。 >何かや〜な予感が(汗) 理由は存在します。スピネルとの対峙辺りで判明するかと・・・。 > >カルボナードさんの思惑は相変わらず謎ですが、急遽パーティを組んだ >アルティア君とフィブリゾ君たち。 >……チームワークは大丈夫かと心配な感じですが、現段階では少なくとも >能力的にはバランス考えた面子なのでしょうね。 まあ大体は・・・。 >ウィザードリーはプレイしたことないので、強さなどの見方が >よく分からないのですが(汗) まあ適当で良いです。というか遊びでしかないですので気にしなくても大丈夫です。 > >それでは、続きを楽しみにしつつこの辺で失礼いたします。 それではご感想どうもありがとうございます。 |
25624 | (タイトル長すぎなので端折って)28話:尖晶石の宇宙 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/17 21:13:48 |
記事番号25571へのコメント 「お帰り。」 笑顔であったが、どこか冴えない表情だ。やはり静寂は似合わない。 「・・・勝手な行動でしたでしょうか?」 対して、遅れて返った声。場に飲まれてかこちらも昏い。 「いや別に・・・良い余興だよ。」 再び笑って見せた。それは美貌を惹き立てるも刹那の命。 「・・・余興ですか。」 そして相手は昏きまま。ただ鋭利で冷気を孕んでいる。 蒼と黒の視線は絶えず一致。世界はそれのみ。それ以外は虚無に等しかった。 「ああ余興だよ。」 そこに出た声は無理な張り上げにも見えた。 相手は、カルボナードはそこで沈黙した。 視線は外れない。主の、ローザリア・ラ・トゥール・ポルテの碧眼に縛られていた。 だが思案は無限の、あるいは夢幻の境地を彷徨って、 「・・・姉上を呼んでください。」 やがてその言葉を生み出した。 するとポルテは微かに顔をうずくめた後、唸りを交えつつ、 「う〜ん。でもアダマスと君の力を得たフィブリゾ君達が相手じゃいくらあの子だって敵わないと思うな。」 言い、それにより感情を快方へ導いてゆく。 だがカルボナードは視線を細め、凍結したが無表情で、 「・・・どちらの味方なのですか!?」 そして鋭く怒鳴り放った。虚空が震える。 「う〜ん。どっちかなあ。君の味方のつもりだけど、アダマスを危険に晒すのも、あの子を滅ぼすのも嫌だしなあ。」 「世界はどうなのですか?」 熱と冷気。対称の2人。 「世界かあ・・・珍しいこと言うね君。」 だが拮抗ではない。勢力を増すのは熱風。 「・・・・・・・・。」 沈黙。それを取り付くおうとする思考は空回り。 「・・・世界なんて滅びても関係ないだろ。そりゃあフィブリゾ君とかルビーちゃんとか好きだけどさ。君やアダマスやあの子は掛け替えのないものだよ。」 「・・・・・・。」 カルボナードの沈黙は長く続いた。 ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ 暗雲に光が差し込む。 6つの輝き。虹は天翔け、闇を切り裂き進んでゆく。 蠢くもの達はただ戸惑う。圧倒的なる力と速度に・・・。 「うわあ凄いね。この力。」 フィブリゾの声は饒舌だ。 「ええ、自分じゃないみたいです。」 シェーラもまた笑顔。 「これなら竜神だろうと悪魔王だろうと負ける気がしませんね。」 ゼロスも翳った笑みを湛えている。 ガーヴもウシャナもアルティアもすべて明快な表情である。 長き虚空。何も存在しえない世界。 だが翼はそこを極彩色へと・・・。 そしてやがて幾対のも光源に映されしは、神々住まう聖なる大地。 ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ 「マラカイト。」 沈黙が断ち切られる。叱咤にも似た激しき声。それでもひどく温度は低い。 「どうしました?」 遅れて少年が返事をした。冷静だが、その顔は喜悦が波打った如し。 「来る。」 だが相手の顔はひどく昏い。 「・・・どういうことです?」 少年は尋ねた。僅かに歓びは不安と恐怖に転化されている。 それでも期待に近かったが・・・。 「来るのだ。余を滅ぼしかねんものが・・・。」 黄昏を思わせる。だがすべてが強い。 「・・・相手は?」 「ローザリア・ラ・トゥール・ポルテは気付いていたようだ。」 「・・・まさか?」 「やつのことだ。最初から気付いていただろう。」 言葉を聞くたびに少年は負の感情に蝕まれていく。 「ただ、やつ本人ではない。」 「ならば・・・虚無の御子ですか?」 やはり不安。安堵は伸びたが。 対話は続く。 「そうでもない。・・・取るに足らん魔族と裏切りものだ。表面上はな。」 「と、言いますと。」 その幼げな魅力は確かに戻りつつあった。 「虚無の御子の使いだ。恐らくな。」 「となりますと・・・」 「当然、一部とはいえやつの力だ。掠り傷程度の覚悟はせんとな。」 天秤は今やその機能をなさない。危機か取るに足らないことなのか・・・。 「それで汝に、始末を命じたい。」 「・・・僕が・・・ですか?」 戸惑い・・・ではない。 「良いか?」 「ですが僕の実力では・・・」 さながらその命を噛み締めるように、そう言った。 「・・・あれを使えばあの裏切りものはほど倒せるだろう。」 「なるほど。」 そしてマラカイトは無邪気な笑顔を上げた。 「それでは・・・。」 そして消え去る。 静寂が強く耳に響いた。 残された男は、即座に背後へ振り向く。 そして視線をやや上げた。 そして、そのまさしく虹色の瞳が捉えたのは・・・ 「・・・良い。良いぞ。」 禍々しき黒き球体。それを狂気の笑みにて見詰めていた。 「薔薇の神皇も、愚かな精霊王も、虚無と涅槃の御子も、あの混沌の蛇さえもすべては余に喰われるものだ。」 歌うように激しく、唄うようにもの哀しく、 「貴様の時間は終わりだ。・・・ローザリア・ラ・トゥール・ポルテよ。」 宣告した。 「この男が本当にやってくれるのか?どうも成功するとは思えない。」 背後で囁き。 竜神の住まぬ常闇の天頂。文字通りの闇で満たされた地に、佇む影は2つ。 1つはスピネルと呼ばれし男。 そしてもう1つは・・・。 ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ 暗黒の帳。けして安らかでなく絶えず流れる邪気の大河。 瘴気が蔓延している。 石はすべて冷たく。無機質な静寂を谺させている。 気配はない。 病んだ世界に命はどこにもあらぬ。 足音だけがそれを途切れさす。言葉はけして生まれない。 闇が恐怖を生み、光が脅えを造る。 ほの暗き空間に石の大地。そこに彩られしは光を戴くものの骸。 死した神々が横たわる楽園。 その世界は変貌を遂げていた。 どこからは笑い声が聴こえる。 嘲笑か? ひどく悪趣味な鎮魂か? 12の視線は硬直した。足音も止まる。 沈黙が起こった。 だが違う。響きは鮮明。笑う声は・・・。 そして不意に闇より飛び出す存在。 それは・・・ 「っ!!!」 途端に驚愕が発生した。 その主は――アルティア。 後書 こんばんはラントです。 この話は久しぶりです。 なので少々時間掛かったかと・・・。 にしてもシリアスばっかり。 この頃、読む本の影響だろうけど(まあ今日、ギャグなゲーム小説読んだが) さて、そろそろ完結が見えて来てるのではないでしょうか? 容姿はほとんど描写されてないけどスピネルについては大体分かったのではないでしょうか。 ちなみにスピネルは日本語では尖晶石と書くっぽく20種類以上の色があるようです。 にしても「あのお方」の名前、出たも同然? メルカトル鮎ゲット。 まだ途中までしか読んでないですけど・・・。 にしてもほしいものいっぱい出来たなあ。 ああ「13」欲しいよ〜 それでは・・・。 |
25634 | Re:(タイトル長すぎなので端折って)28話:尖晶石の宇宙 | エモーション E-mail | 2003/4/18 21:58:03 |
記事番号25624へのコメント こんばんは。 ポルテくんは困ったなあと思いつつ、状況を楽しんでいるように見えますね。 ポルテくんにとっては、実はすべてが余興なのではないでしょうか。 ある意味、実際に手配やら何やらで行動しているカルボナードさんからすれば、 確かに「どうしたいんじゃああああっ!」と伝説のちゃぶ台返し(笑)を したくなるかもしれないですね。 そしてガラリと変わってしまった神々の住む世界。 アルティア君が驚愕……何を見たのでしょう。 すみません……スピネルやあのお方……まだ正体よく分からないです。(泣) 宝石のスピネル……基本はルビーに間違われ、青いとサファイアに 間違われていた、ある意味悲劇の石ですね。専門家でも見た目だけでは ルビーと区別がつかない宝石ですし。(18世紀までスピネルとルビーが 違う石だと分からなかったそうです。そのため、イギリス王室の王冠に ついている黒太子というルビーも、ルビーだと思われていたのに、調べたら 本当はスピネルだったとか。面子のために公式表示は修正されていないそうです) 色は本当に赤、青、ピンク、紫と色々あるようです。 でも、やはり赤のイメージですよね。 メルカトル……ゲットしたんですか。がんばって読んでください。 あれ、作者の頭が良すぎて、読者が置き去りになるようなとこがあるので。 では、ちょっとあやふやなコメントですがこの辺で失礼いたします。 |
25642 | Re:(35話以内には終わると思います)28話:尖晶石の宇宙 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/19 13:13:16 |
記事番号25634へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >ポルテくんは困ったなあと思いつつ、状況を楽しんでいるように見えますね。 まあそんなキャラです。 >ポルテくんにとっては、実はすべてが余興なのではないでしょうか。 現在までで見ればそうですね。 >ある意味、実際に手配やら何やらで行動しているカルボナードさんからすれば、 >確かに「どうしたいんじゃああああっ!」と伝説のちゃぶ台返し(笑)を >したくなるかもしれないですね。 女性にアタックするのがストレス解消とかになってるのでしょうかねえ。 > >そしてガラリと変わってしまった神々の住む世界。 これは前からあったネタです。 「廃墟となった神の楽園」ラストに何か相応しいと思いません?(訊くな) >アルティア君が驚愕……何を見たのでしょう。 即分かります次回で・・・。 明かして終わった方が良かったですかな。 > >すみません……スピネルやあのお方……まだ正体よく分からないです。(泣) まあ分からなかった方が私としては(あまり良い言い方じゃないと思いますけど)好都合です。最後で明かされたっていう謎が多くなるでしょうから。 > >宝石のスピネル……基本はルビーに間違われ、青いとサファイアに >間違われていた、ある意味悲劇の石ですね。専門家でも見た目だけでは >ルビーと区別がつかない宝石ですし。(18世紀までスピネルとルビーが >違う石だと分からなかったそうです。そのため、イギリス王室の王冠に >ついている黒太子というルビーも、ルビーだと思われていたのに、調べたら >本当はスピネルだったとか。面子のために公式表示は修正されていないそうです) >色は本当に赤、青、ピンク、紫と色々あるようです。 >でも、やはり赤のイメージですよね。 不純物含んだカルボナード・ダイヤモンドと言いポルテ君ってあんまり良い名前付けてないような・・・。 まあスピネルって付いてる意味はあるんですけどね一応。 > >メルカトル……ゲットしたんですか。がんばって読んでください。 >あれ、作者の頭が良すぎて、読者が置き去りになるようなとこがあるので。 確かに意味の分からないセリフがいくつかっていうかいくつも・・・。 でもまあ、無事に読めました「翼ある闇」。ストーリー追っただけで完全に読み切れてないかも知れませんけど・・・。 次は「夏と冬の奏鳴曲」・・・あれ?「冬と夏」だっけ? > >では、ちょっとあやふやなコメントですがこの辺で失礼いたします。 いや御感謝致します。 どうもありがとうございます。 |
25650 | (シリアス払拭か?)29話:決別の光 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/19 20:08:52 |
記事番号25624へのコメント アルティアはそして声を上げた。 誰もが眼前に銀髪の青年を捉えている。 死神達の王たるハクア。 だが彼の眼差しは神の持つそれではない。灰色の瞳は絶対的な敵意と破壊を意味して輝いている。 無言。笑い声もすでに聴こえない。 光の入る区画の中でアルティアは確実に一歩を踏み出していた。 無防備な姿だ。 張り詰めた6人の中でゼロスのみに淡い笑みがあった。ガーヴは睨むが止める気配はない。 シェーラとウシャナは脅え混じりですらいる。 沈黙が続く。 アルティアは優しげに、ハクアは鋭く相手を睨み合う。それは邪神王と死神王とは思えぬ気配。 「・・・どうしてもか?」 誰にも分からぬが――恐らくハクアにさえ――アルティアの生んだ眼差しは哀れみ。 アルティアが一歩踏み出す。瞬間にハクアは身構えた。風の剣キーニング・ウインドが呼び出された。 「やはりか・・・。」 意味は殺意。ハクアの視線の意味は殺意。 5人の見守る中、アルティアもまた剣を生み出した。 ハデス・ベリーは以前にも増して禍々しい。 そして左手でその長剣を振り翳す。 風の刃が宙を走り出した。 だがそれはハクアには当たらずに、闇へ消え去り、それと同時にハクアの一撃を受けた。 凄まじい踏み込みだ。瞬間的に身を捩ったが、白刃よりは逃れられず、 「っ・・・。」 脇腹より鮮血。 アルティアは飛び退いた。 5人は邪魔とならぬように背後へと・・・。 ハクアが追撃して来る。 アルティアは素早く光の弾丸を撃ち出した。だがそれはハクアをそれて再び闇へと、そしてハクアの剣は届く早く転移してかわした。 背後に具現する。そして突風を巻き起こしハクアを吹き飛ばした。ハクアは浮遊感に感覚を奪われるも転移する。 アルティアは自らの背後つまりは他の5人の正面へ向けて光を放つ。 だがハクアが生まれ出でたのはアルティアの横方向。身を低くし突進して来た。 だがアルティアはそれを浮遊しかわし振り上げられた剣をハデス・ベリーでうまく弾く。そして右手より放つ光がハクアの眼を焼いた。 それでも無言で、背後へ跳ぶ。しかしアルティアはそれを追わずに闇の中へ光を叩き込んだ。 「鬱陶しいですねえ。」 「ああ、ああいうのは真面目に戦わねえとな。」 「そうですよね。」 ゼロスとガーヴはすでに普段を取り戻し、親しげに呟きあっている。 「でもアルティアとハクアは親友らしいから仕方ないよ。」 そしてそこにフィブリゾが入ると、 「フィブリゾ様。神族に友情なんて存在しませんよ。」 「そうだ。それにな。友つうのは本気で殺しあってこそ本物なんだよ。ガキが知った口を叩くんじゃねえ。」 共謀してか、激しき言葉の奔流を放つ。 「でも私はフィブリゾ様の意見の方が魔族道的だと思います。」 「あたしも思う。」 それでもフィブリゾへの追い風は2人の少女。 「うん。うん。君達は心まで綺麗なんだね。あの2人と違って・・・。」 フィブリゾは嬉々として頷く。 ガーヴは舌打ちしつつ、 「けっ、女子供はそうかよ。」 不快げな声を向けた。 「あっガーヴ、大好きなシェーラに嫌われて怒ってる?」 「んなわけねえだろうが!」 だがそれは怒りに変えられる。 シェーラは複雑な表情であったが、ゼロスとウシャナは楽しげに見守っていた。 「ふぅん。君が僕のシェーラをデートに誘ったことも知ってるよ。」 「あっ、あれはデートなんじゃねえ。たっ、ただ純粋に剣術を・・・」 「まあ。そういうことにしといてあげるよ。」 「黙れ。違うって言ってるだろうが。」 「・・・・。」 「おい何黙ってやがる。」 「黙れって言ったから♪」 そして争いに拍車が掛かっていくが、 「フィブリゾ様。魔竜王様。私のために争わないでください!!」 その言葉が響き渡り静寂。遠くで金属音が響いているのみ。 「・・・別にシェーラはそんなに関係ないけど・・・」 「・・・それに俺は別に好きなわけじゃねえし。」 2人も小さく呟き。静寂が重く残った。 2人は静かに睨み合っている。 だがその時、 「ところで・・・アルティアがピンチですよ。」 ゼロスの声が不意に掛かり、世界は現実に還された。 「はあはあ。」 アルティアは激しく息を吐く。 だがそこへハクアの風の刃が襲って来た。 素早く飛び退る。反撃はしない。 だがその方向へさらに一撃。それと同時にハクアが踏み込み襲って来るその速度はあまりに速い。 それでも横へ風をかわし、向かうハクアの振り上げる剣をさらに背後へ逃げてかわす。 そして風を解き放った。ハクアは障壁を張ったが、その間にアルティアは正面から逃れ闇に向けて光を放つ。 それが希薄な願いを込めて撃った弾丸の最後の一発。その瞬間に、ハクアの剣が素早くアルティアの背を薙いでいた。 予想以上にそれは迅速。 驚愕しつつアルティアは倒れる。転がって建物の角にぶつかり、仰向けで止まった。 今までとは別格のスピード。 そしてハクアはアルティアへ向かう。 絶対的な能力では、現在のアルティアはこのハクアをも凌いでいた。魔力消費もハクアの方が遥かに激しい。 しかし・・・。 (私の・・・親友・・・。) 時には兄のように、時には弟のように、異端的に力を得たアルティアを優しく迎えた。 戦ったこともある。 だがそれと今とは異なる。 アルティアの瞳には涙。無数の意味のこもった雨。 零れ落ちる。それを拭く間もない。 ハクアの顔を眺める。曇りつつもうまく見えた。 美しい顔立ち。だがこれほどまでに無表情だったか。 そして殺意、狂気。全くの異貌。ハクアにあってハクアにあらず。 白刃が振り下ろされる。 涙を拭く間もない。 銀の光が近付いて来る。 覚悟を強めた。だがそれに抗う心もそこにはあった。 転移の意志は彼にはない。 絶望を浮かべていたのだから・・・。 近付いて来る。銀の光。 別れを告げる。弔いの風。 そして閃光が視界で弾けた。 空間が白く包まれる。感覚も薄れてゆくようだ。 さながらそれは海。白き海。 そして彼は漂うもの。 自由ではない流される。 回り廻る。アルティアは廻る。 だが激痛はない。予想していたそれは・・・。 そして不思議と現実感。 あたかも死神に迎え入れられていないよう。それは比喩にもならないが・・・。 (どうしたんだ?) 不意に疑問。 そして疑問が疑問を呼ぶ。 意思がそこにはあるでなかろうか。 そしてアルティアは恐れつつも目蓋をずらしてゆく。 静かに緩慢に・・・。 だがそれでも時間は暁をいつかは訪れさせる。 光があった。 そして闇もあった。 「大丈夫?」 そして声があった。 そこは彼の世界であった。 眼前にはフィブリゾが映る。そしてその脇には・・・。 「ハクア!!」 無理矢理振り絞った声はフィブリゾではなく倒れているハクアの骸へ・・・。 両膝を付いたまま制止。苦悶の表情で消滅までの時間を刻んでいる。胸部の貫かれた跡は再生する気配を持たない。 「ハクアぁああああああああ」 アルティアはそして叫んだ。 慟哭にも近い。 「・・・仕方ないよ。」 フィブリゾは哀れみの視線を送る。 しかし・・・ 「貴様か!フィブリゾ。ハクアを滅ぼしたのは貴様かっ!!」 倒れたままアルティアは両腕で掴み掛かる。喪失感に囚われて怒りと哀しみを発散していた。 フィブリゾは拒まない。その力のままに振り回される。 だがそこへ、 「僕ですよ。あの愚かな死神王を滅ぼしたのは。」 ゼロスが闇の帳を切り裂き現れた。 同時にアルティアの力が抜ける。フィブリゾは元のしゃがんだ体勢を取り戻した。 ゼロスは悠然と歩んで来る。 静かな表情だ。だが雄弁。 「・・・き・・・貴様・・・」 距離が近まってアルティアは声を絞った。だが明らかに身体は震えている。恐慌か? そしてゼロスの歩みがアルティアの直前で止まったかと思うと、 「ぐっ!!」 ゼロスの足が空を滑りアルティアに直撃した。 「いい加減にしてください。僕達は仮にも同じ目的を持っているんですよ。いくら汚らわしい半神魔族のあなたさえ、滅んでもらっては困ります。」 そして怒りを持ってアルティアを責め立てる。 「ちょ、ちょっと・・・ゼロス。」 慌ててフィブリゾが立ち上がり繕おうとしたが、 「フィブリゾ様。やはりアルティアは不要です。滅ぼして力を皆さんで分配しましょう。」 怒気と笑みを併せ持つゼロスがフィブリゾの変貌を誘う。 そして風が走った。 フィブリゾの細き手がゼロスの頬を激しく打つ。 「君こそ、ふざけたことを言うな。」 そして強き声を発した。 ガーヴ達は距離を置きつつもそれを見守っている。 2人は、否、6人は沈黙。それは重い。ひどく重圧。 だがそれを破ったのは・・・ 「フィブリゾ様も甘いようですね。」 ゼロスの声。あまりに不敵。 フィブリゾは再びゼロスを叩こうと腕を振り上げたが、 「暴力に頼るのではいつも馬鹿にされている魔竜王様と同格ですよ。」 「うっ・・・」 その声により力を失う。 「どういう意味だ!!」 ガーヴの叫びもむなしかった。 「ふふっ・・・」 だが突然笑い声。 全員が主を探りあう。しかし誰もが沈黙の中。 「ふふっ・・・」 再び響いた。 そして輝き。 その発信源はガーヴ達の正面であり、アルティアの正面でもある彼らの中央。 ガーヴ達とアルティアは捉え、フィブリゾとゼロスも遅れて見た。 「てめえは・・・」 1人の少年がそこにいた。 それだけではない。絶世の美女を従えて・・・。 象牙のマントを羽織る金髪の美少年。 「ゼロスサンの選択は非常に的確さ。死神王の洗脳は滅ぼしても解けない。」 無邪気な笑みを浮かべている。それでも口調は冷ややかだ。 そして横にいるのはまさしく運命神を統べしもの、フィーン。 「・・・マカライトだな!」 ガーヴが怒鳴る。怒りを含めて・・・。 少年は優雅に身体を回転させると、 「違うよ魔竜王サン。・・・僕の名前はマラカイト。」 嘲るような口調で言った。 「誰?」 対岸からフィブリゾの声。 「俺の宿敵(とも)を殺ったやつだ。」 「なら敵だね。」 そしてフィブリゾの声により5人は身構えた。 同時に少年はフィブリゾを睨む。 それをアルティアは複雑な表情で見守っていた。同じく感情を失ったフィーン。 「あっ心配はいらない。運命神王は洗脳していない。返すよ。」 だがそれまでも的確に見抜いていた少年はフィーンの服を掴み投げ飛ばす。 それはゼロスに向けられたが、それはかわされ第一に墜ちた。 「あっでもスピネル様を倒さない限り、運命神王は戻らないからね。」 いつしかその少年は楽しげとなっている。 「あっそれと・・・」 無言が包む中、少年は邪悪に笑った。 そしてまたもやガーヴ側に向きを変えると、 「これも返しておく。」 虚空より球体を生み出し大地へ投げつける。 それは反射などせず潰れた音を鳴らし、その後にしばし転がった。 そしてそれが光に照らされ、驚愕と悲痛の感情が魔族達に起こる。 「オリ・・・オン。」 声を上げたのはウシャナ。 そして捉えているのは・・・オリオンの首。 「拾ったからさ。」 驚愕に歪んだ顔を少年はせせら笑った。 「・・・許さない。」 瞬間にウシャナに焔が灯り始める。 「僕が滅ぼしたわけじゃないんだけどさ。」 弁明するように少年は言ったが、 「あんた・・・絶対に許さない。アズライトかマラカイトか知らないけど絶対に滅ぼしてやるわ!」 すでにウシャナより憎悪の煙は立ち昇っていた。 「まあ良い。スピネル様には期待されてないだろうけど、僕だって2、3人は滅ぼせる自身はある。そこに君を入れてあげるよ。」 だが少年は、マラカイトはそれでも笑い始めた。 「1対5でも1対6でも良い。混沌に還るが良いさ・・・海王神官。」 後書 書いてて思ったこと。 固有名詞出しすぎだよ。あんまり出しすぎると、良い感じしないなあ。まあキャラ多いせいで仕方ないかも知れないんだけど・・・。 ゼロスは邪悪を貫きます。そしてそれはもしかして変貌した神を嫌っているのかも知れません。まあ不明ですけど彼の感情は・・・。 ただ「風龍」で自分より圧倒的に強いアーク・デーモンを罠に掛けて拷問して殺してたザザを真似たかっただけなのに引きずりました。ゼロスも彼と同じ(一応だけど)プリーストだし。 今回は喧嘩を挟み、そんなに派手じゃないかも知れないけれど戦闘シーンを入れたお陰で少々盛り上がったのではないかと・・・。 まあページ数が無駄に増えたわけですけど・・・。 さて次回でマラカイトを片付けないと(おい) あっそれとそろそろHP公開出来そうです。 しかしまあメインの長編小説のほとんどが公開出来ないわけですけど・・・。 それとそろそろここ卒業して隠居生活送る日も近いかも知れません。 そろそろ潮時のような気がして来ましたし・・・。 それではこれで・・・。 |
25654 | ♪わ〜たしのか〜わいい、に〜ん〜ぎょお〜♪ | エモーション E-mail | 2003/4/20 00:14:46 |
記事番号25650へのコメント 今回のフィーンを見ていたら、思わず「十二国記」アニメ版での祥瓊(声は桑島さん) のお得意ソング(始まったばかりの地上波では多分10月ごろから出演)が 脳裏に浮かびました。 こんばんは。 ハクアくんVSアルティア君、再び……。 でも今回のは、仕方ないけれどできれば戦いたくなかった戦いで……。 フィブリゾ君の次に不幸てんこ盛りです、アルティア君。 凄い戦いにくいですよね。 純粋に倒すのだけが目的なら、ドルノースさんかシルバースさんあたりが 一番最適なはずなのに、あえてハクアくんを使う辺り……アルティア君に 精神的なダメージを与えるのが目的なんでしょうね……やっぱり。 洗脳されていないけれど、お人形さん状態なフィーンで、さらにとどめ、 といった感じですね。 >「でもアルティアとハクアは親友らしいから仕方ないよ。」 >そしてそこにフィブリゾが入ると、 >「フィブリゾ様。神族に友情なんて存在しませんよ。」 >「そうだ。それにな。友つうのは本気で殺しあってこそ本物なんだよ。ガキが知った口を叩くんじゃねえ。」 >共謀してか、激しき言葉の奔流を放つ。 この部分……何と言いますか……(苦笑) ああ、ゼロスだなあ、ガーヴ様だなあという感じです。 ガーヴ様は本当に(笑)基本に忠実ですね。殴り合って友情が芽生えるんですね(笑) でもゼロス……神族に友情ないって……なんでまた?(汗) ……単にそう思いたいだけかな。 あっさりとハクアくんを倒しちゃうあたりは、さすがに魔族というか……。 でも、アルティア君にとどめ刺させるのは酷だとも思うんですよね。 そう言う意味では、まだ救われたような気がします。 ゼロスが善意でやったとは、まったく、全然、原子の欠片ほども思いませんが。 スピネルさん。とりあえずハクアくんとフィーンでアルティア君にダメージを 与えて、オリオンさんの首で魔族にも揺さぶりを掛けた……のかな。 嫌な性格ですね。 >ゼロスは邪悪を貫きます。そしてそれはもしかして変貌した神を嫌っているのかも知れません。まあ不明ですけど彼の感情は・・・。 好きではないけれど、今までの方がマシだったと思うような形に変貌されるのは、 もっと嫌というところでしょうか。敵対する側である神族に対して、 受け入れることは出来なくても、自分がそういうものだと納得できるような、 それなりの品位というか、そういう類のものを望んでいるのでしょうね。 だからそうじゃないのが気に入らないと。 裏を返せば、自分たちとは相反する形の理想を相手に強く求めているとも言えます。 ……もっとも、そうだとしても本人はそれを絶対認めないでしょうけれど。 >あっそれとそろそろHP公開出来そうです。 おめでとうございます♪ 是非お邪魔しにいきますね。 >しかしまあメインの長編小説のほとんどが公開出来ないわけですけど・・・。 容量の問題でしょうか? ここに発表したものでも自分が書いたものなら HPに掲載しても問題ないと思いますが。 >それとそろそろここ卒業して隠居生活送る日も近いかも知れません。 >そろそろ潮時のような気がして来ましたし・・・。 HPを開設すれば、そちらの管理でお忙しくなるとは思いますので、 これまでの投稿ペースは無理でしょうけれど、寂しいこと言わないで 来ていてほしいです。 >それではこれで・・・。 では、この辺で失礼いたします。 続きを楽しみにしています。 |
25656 | Re:♪わ〜たしのか〜わいい、に〜ん〜ぎょお〜♪ | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/20 12:38:33 |
記事番号25654へのコメント >今回のフィーンを見ていたら、思わず「十二国記」アニメ版での祥瓊(声は桑島さん) >のお得意ソング(始まったばかりの地上波では多分10月ごろから出演)が >脳裏に浮かびました。 そーいやアニメやってるんですね。 それに本屋さんには小説がずらっと平積みされてましたし・・・。 古本でみないですけど・・・。 > >こんばんは。 こんばんは。 > >ハクアくんVSアルティア君、再び……。 前回より地味になったかも知れません。戦闘シーン成長してないかも・・・。 >でも今回のは、仕方ないけれどできれば戦いたくなかった戦いで……。 文中には解説されてませんが操ってるやつでも探してたようですけど・・・。 >フィブリゾ君の次に不幸てんこ盛りです、アルティア君。 今回出番はさほどでなくても文句なしの主役の1人です。ディスちゃん滅んだのも知ればさらにショック(あの時は訊く暇なかったというより訊けなかったようです。) >凄い戦いにくいですよね。 兄弟喧嘩や親子喧嘩でも素手と武器ありじゃ躊躇い度が全然違いますし(何を言ってる) >純粋に倒すのだけが目的なら、ドルノースさんかシルバースさんあたりが >一番最適なはずなのに、あえてハクアくんを使う辺り……アルティア君に >精神的なダメージを与えるのが目的なんでしょうね……やっぱり。 その通りでございます。 >洗脳されていないけれど、お人形さん状態なフィーンで、さらにとどめ、 >といった感じですね。 結構キャラの皆様方に今回ひどいことしたと思ってます。結構スピィディーかと思うので弔いをあまりしてあげられないのが残念です。(前文でやるという手もあるかな?) > >>「でもアルティアとハクアは親友らしいから仕方ないよ。」 >>そしてそこにフィブリゾが入ると、 >>「フィブリゾ様。神族に友情なんて存在しませんよ。」 >>「そうだ。それにな。友つうのは本気で殺しあってこそ本物なんだよ。ガキが知った口を叩くんじゃねえ。」 >>共謀してか、激しき言葉の奔流を放つ。 > >この部分……何と言いますか……(苦笑) >ああ、ゼロスだなあ、ガーヴ様だなあという感じです。 >ガーヴ様は本当に(笑)基本に忠実ですね。殴り合って友情が芽生えるんですね(笑) タイプ的にもそーいうのが好きなのでしょう。そーいう映画とか観てるかも。 >でもゼロス……神族に友情ないって……なんでまた?(汗) >……単にそう思いたいだけかな。 まあその通りですね。異教を邪教と呼ぶようなものでしょうか? >あっさりとハクアくんを倒しちゃうあたりは、さすがに魔族というか……。 シュチュエーションは微妙に変わりましたけどこのネタはずっとありました。 >でも、アルティア君にとどめ刺させるのは酷だとも思うんですよね。 そうですね。 >そう言う意味では、まだ救われたような気がします。 その方が精神ダメージはずっと上かと・・・。 >ゼロスが善意でやったとは、まったく、全然、原子の欠片ほども思いませんが。 そりゃあまあ。 悪がうまく働いたというやつですかねえ。 > >スピネルさん。とりあえずハクアくんとフィーンでアルティア君にダメージを >与えて、オリオンさんの首で魔族にも揺さぶりを掛けた……のかな。 何となくお土産を持って来たって感じですかねえ。 >嫌な性格ですね。 仮にも『悪』魔の王ですから、良い人なわけはないです。 > >>ゼロスは邪悪を貫きます。そしてそれはもしかして変貌した神を嫌っているのかも知れません。まあ不明ですけど彼の感情は・・・。 > >好きではないけれど、今までの方がマシだったと思うような形に変貌されるのは、 >もっと嫌というところでしょうか。敵対する側である神族に対して、 >受け入れることは出来なくても、自分がそういうものだと納得できるような、 >それなりの品位というか、そういう類のものを望んでいるのでしょうね。 >だからそうじゃないのが気に入らないと。 >裏を返せば、自分たちとは相反する形の理想を相手に強く求めているとも言えます。 そうも言えますね。 >……もっとも、そうだとしても本人はそれを絶対認めないでしょうけれど。 それは当然でしょうね。 > >>あっそれとそろそろHP公開出来そうです。 > >おめでとうございます♪ 是非お邪魔しにいきますね。 どうもです。 でも更新量は少ないですがほかにやること多くて遅れそうです。 > >>しかしまあメインの長編小説のほとんどが公開出来ないわけですけど・・・。 > >容量の問題でしょうか? ここに発表したものでも自分が書いたものなら >HPに掲載しても問題ないと思いますが。 いえ単にまだ完成していないという意味です。 いつかは公開できます。 > >>それとそろそろここ卒業して隠居生活送る日も近いかも知れません。 >>そろそろ潮時のような気がして来ましたし・・・。 > >HPを開設すれば、そちらの管理でお忙しくなるとは思いますので、 >これまでの投稿ペースは無理でしょうけれど、寂しいこと言わないで >来ていてほしいです。 わざと弱音吐いて奮起させるような部分も混ざってるかも知れないので安心してください。 まあ長編連載は懲り懲りですので短編とかでちょくちょく出ようかと思ってます。 > >>それではこれで・・・。 > >では、この辺で失礼いたします。 >続きを楽しみにしています。 「翼ある闇」面白かったです。 現在「夏と冬の奏鳴曲」読んでます。 ご紹介ありがとうございました。 ご感想どうもありがとうございます。 それではこれで・・・。 |
25674 | (そろそろ終われる。)30話:孔雀石の涙 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/22 20:44:25 |
記事番号25650へのコメント 言った瞬間、マラカイトは駆け出す。 風に乗り、ウシャナへと素早く飛び掛るが、 「っ!」 金属の音に阻まれた。 そうガーヴの剣が少年の細き腕と衝突していた。 そして同時に背後から魔力の気配。 「甘い。」 しかしマラカイトはそう呟くと、両腕に力を込め、身体ごと回転した。 すると巻き起こった旋風がガーヴを吹き飛ばし、フィブリゾとゼロスの魔力弾を掻き消した。 そして感覚を狂わせることなくウシャナへ向かう。笑みを浮かべて・・・。 だが彼女も脅えつつだが魔力を放つ。光の大河の奔流が襲った。 だがマラカイトはなお加速し、それを受けつつもすべて弾いた。 危機感。震えが絶頂と化し、やがて硬直。背後よりなお来る弾丸もすべてマラカイトの前では霧散。 そして腕が突き出される。衝突の瞬間。 浮遊感。ウシャナは宙に吹き飛ばされていた。 だがマラカイトに接近の様子はなく、彼と相対していたのは間に隔たるものであった。 ウシャナは乱暴にだが無事着地した。ほぼ無傷だ。 だが・・・ 「シェーラ!!」 彼女の叫ぶ先にいたのはマラカイトの片腕に首元を掴まれ苦しみもがくシェーラの姿。 恍惚にも似た表情でマラカイトはそのシェーラを見詰めている。だがシェーラは悲痛ながらもそれでも敵意を消していない。 「てめえ!」 背後よりガーヴが降り掛かる。 「シェーラを離せ!」 同時にフィブリゾが、 「よくも、汚らわしい手で僕のシェーラさんを!」 ゼロスが闇の弾を打ち出した。 2つの弾丸は一体となり、そしてガーヴの剣が斜め気味にそれを捉えると、勢い良く引き裂いた。 「くたばれ!!」 そして闇を帯びたドラゴン・スレイヤーがマラカイトの背に至る。 「まだまだ。」 だが彼は素早く振り向くと、刃の軌道にシェーラを突き出す。 「くっ!」 勢いを止められぬガーヴは即座に空間転移。 そしてマラカイトはその隙に、光の奔流を解き放った。 それはフィブリゾ達の方向へと・・・慌てて2人はバリアを張る。 そこでマラカイトは背後の気配に気付き、転移で逃げ去る。 遅れてウシャナの放った光が駆け抜け、さらにガーヴの剣が空を切った。 「君達はこの程度かな?」 舌打ちしたガーヴと3人に嘲りの声が響く。 「どこだ!」 ガーヴは立ち上がり咆哮を放つ。 その瞬間、 「ここ。」 象牙色のマントを着た少年はは上空より声を掛け、そして光の雨を降らせた。 「危ない!」 フィブリゾは即座に反応しバリアを展開する。 ゼロスも続きウシャナも遅れぬ。 最後にガーヴが付け足し、魔力はすべて打ち消された。 そして天と地にて隔たりが起こり、硬直が生まれる。 「・・・・・。」 「・・・・・。」 バリアを張り続ける4人。 それを余裕で見詰めるマラカイト。 沈黙は重い。大地の瞳はさながら猛禽。 だが、それすらも笑うように、 「・・・僕にやられないとこの娘を滅ぼす。」 マラカイトは急にシェーラの首を握り締めた。 途端に顔の色彩が危機感を訴え始める。 苦痛と絶望を発散させるシェーラの表情は、刃の如く4人の心を激しく切り裂く。 「っ・・・。」 そして、フィブリゾの形相は激憤を湛えたものへと・・・。 「良い顔だ。冥王サン、やはり愛する人を滅ぼされたくはあるまい。」 さらに刺す。 シェーラは身を捩るが、抵抗さえも痛々しい。 「だから早くバリアを解くんだ。彼女は滅びるよ。・・・滅ぼす順序は違うけど・・・。」 そしてさらに哄笑する。 フィブリゾの怒りはさらに強まる。 悲痛のウシャナ、敵意を燃やしたガーヴ、平然とするゼロス。 「さあどうする。潔く全員やられるか。それとも1人1人滅ぼされていくか・・・。」 だがそんな中、 「滅びるのは貴様だ!」 不意にマラカイトに不安。驚愕。そしてその身体を禍々しき刃が貫いた。 「まさか・・・」 首のみを振り向かせる。 すると背後には冥き閃光を顔に迸らせしアルティアの姿。 握るハデス・ベリーは確かな痛みを伝えている。 だがそれでもシェーラを持たぬ手を振り翳し、衝撃波を打ち込んだ。 アルティアは表情を崩し虚空へ飛ばされる。 「・・・甘・・・いんだよ。」 その光景を怒りを持って見詰めると、ハデス・ベリーを引き抜き投げ捨てた。 だが、 「野に咲く一輪の悪魔(デモン・シード)!!」 「死(モート)!!」 「よくもオリオンを・・・!」 ガーヴのナイトローズの一撃に、さらにフィブリゾの究極なまでに凝縮された闇の弾丸、そしてウシャナの怒りの一撃が、先ほどとは比にならぬ強烈な一撃としてマラカイトを襲う。 「ぐっ・・・」 気付けば激しき狼狽を起こす。転移よりも遥かに速く逃れられない。 そしてシェーラを盾にしようとしたが、不意に横風。シェーラをさらわれる。 そしてすでに逃れる道はなく。 「ふざけるなあああああああ!!」 激憤とともに闇の中へ・・・。 殺意を持った漆黒が覆い尽くす。 断末魔は幾重にも響いた。 闇はなお晴れておらぬ。 「ふう終わりましたね。」 ゼロスはシェーラを抱き抱えていた。 闇の神官の腕の中で少女は安堵か微動だにしない。 「シェーラ・・・。」 フィブリゾの声は黄昏の空を思わせた。 「・・・全く許せないやつだった。」 すべてが終わったかのように、ウシャナも溜息心地に呟く。 アルティアも戻り佇んでいる。 だが、 「おい。まだだぜ。」 ガーヴが1人変わらぬ口調。 闇はなお晴れぬ。 そしてその深淵より・・・ 「貴様ら・・・汚れた・・・ものどもが・・・」 怨嗟と憎悪と憤怒に覆われし声が響く。あるいは呪詛。 そして闇より少年が現れた。 すでにマントは取り外され、裸体を黒と金色の闇が取り巻いている。無色の瞳は真紅に染まり、焔の如き激しさを宿している。 「汚れた・・・魔族め・・・神族め・・・すべて滅びろ。すべて滅びろ。」 呪いつつ前進する。空中歩行は鮮やかだが、先ほどとは比べものにならぬ魔力を放ちつつゆえ殺意のみが彼らを撃つ。 「許さないぞ。魔族、神族、貴様等のせいでこの僕は・・・。」 だがその言葉が違う矢を射っていた。そしてその射程は、 「どういうこと!?」 フィブリゾ。 「うるさい魔族が言葉を喋るな!」 「だからどういうこと?許せないって・・・。」 マラカイトの反撃も効かずフィブリゾは食いついたまま。 「うるさい。黙れ!」 「だから教えてっていってるだろ。」 戦慄の中、2人の会話のみが静寂を遠ざけている。 「だから教えろ。すべてを憎む必要はないじゃないか。」 「黙れ・・・何も分からないくせに!」 そして会話は明らかに矛先をフィブリゾに握られている。 そして彼は、 「僕だって世間から良い目で見られなかったし、兄ばっかり優遇されて、そして兄が滅びてもそれでも僕は冷たい目で見られ続けたんだよ。冥王就任式に誰も来なかった時は本当に寂しかった。それに部下も全員滅ぼされたし仲間が傷付くのはたくさん見た。」 激情を込めて言い放つ。 マラカイトは言葉を失っていた。 それを期かと思い、 「さらにガーヴに棺の中に閉じ込められたこともあるし、ゼロスにおやつ取られたし、ガーネットに拷問されたし、グラウシェラーに新作魔法の実験台にされたし、ダルフィンに変な料理食べさせられたし、ゼラスに変な置物買わされたし・・・。」 「・・・フィブリゾ様スケールが落ちてます。」 だがゼロスの声も知らずに、 「それと確かラルタークには・・・」 「うるさい。所詮その程度の貴様に両親を殺されて邪神にされた僕の気持ちが分かってたまるか!」 続けたがそれはマラカイトに掻き消される。 重き緊張が場に走った。 「マカライト・・・」 (間違ってますよ。) ゼロスも言葉を発しなかった。 そしてマラカイトもそれを気にすることなく、 「そうだ。僕は元々邪神。そうスピネル様が声を掛けてくれるまで、いつ仲間に殺されるか分からない、それも神族で一番汚れた仕事をやらされていたんだ。そう魔族が、そしてあの薄汚い竜神がすべて悪いんだ。僕の人生を・・・僕の夢も希望もすべて奪ったんだ。神と魔の愚かな戦争が・・・。」 そしてマラカイトは吠えた。天に向けて、 「すべてを滅ぼせ、混沌の海蛇よ!」 凄まじき咆哮を・・・。 虚空は響きに激しく揺れる。そして空間に軋みが・・・フィブリゾ達は唖然と見守る。 異空より膨大なエネルギーが生まれ出すのを・・・。 「僕は力を持っている。スピネル様が言う以上に、・・・すべてを滅ぼしてやる。この世界とともに・・・。」 魔性の焔はけして消えぬ。 すべての水を空へと還し永久に生き続ける。蝕みつつ。 マラカイトの両手には漆黒の球体。 それはあらゆるエネルギーを超越せし1つ。 そして今にも放たんと・・・ だが誰も動けはしない。理由は知れぬ虚ろの束縛。その威圧ゆえか否か・・・。 そしてそれが世界と交わる・・・その瞬間、 「・・・止めなさい。」 マラカイトのその背後。優しき声が響いたよう。 「うるさい。僕に口答えするな。」 だがマラカイトは変わらず球体を地にぶつけようと、 「・・・もう・・・止めな・・・さい。」 途切れ途切れに響く旋律。優しく美しく儚げで、さながらそれは雪の如し。 「黙れと言っている!」 そしてそれが少年の怒りを増幅させていた。 そして、声はなお鮮明となり、 「あなたは・・・騙されている・・・邪神を・・・造ったのは・・・竜神なんかじゃ・・・。」 「いい加減にしろ!!」 怒りは絶頂に、マラカイトは球体を大地に突き落とした。 混沌のエネルギーが今、純粋な破壊の意志を持ち迫る。 「・・・消えなさい。」 だが叱咤に似た声が届くと同時、フィブリゾ達の恐怖は消えた。 だが・・・殺意は持てない。 マラカイトは呆然としていた。絶望を確かに湛えつつ・・・。 「・・・マラカイト・・・あなたは騙されている。」 そして声に言葉を返すこともない。 「・・・スピネルなのよ・・・邪神を造らせたのは・・・。」 そのために続く言葉が世界へ伝わった。 沈黙。それは最もな、ざわめき。 「・・・嘘だ。」 声は遅れて出でた。 「嘘じゃない・・・スピネルは・・・混沌を撒き散らす・・・邪神は・・・彼が負の気を・・・得るためだけに・・・造られたのよ。」 その区切られた1つ1つ。それらは不鮮明ながらあまりに鮮やか。 聞き取れはしないがすべての言葉が心に波打つ。 「・・・そんなはずはない。」 「・・・いいえ・・・スピネルは・・・悪魔王は・・・あなたを弄んでいただけよ。」 そして亀裂。マラカイトは放心へと向かってゆく。 「・・・あなたは・・・騙されただけの愚かな人形・・・最後に・・・苦しめられて・・・殺されるだけ・・・だから眠りなさい・・・安らかに・・・。」 すでに言葉も言えぬマラカイト。 その瞳には確かな煌き。雨の余韻。 そして震えが身体中を這いまわっている。 そんな彼の・・・胸部に突如生えた腕。 見えた瞬間、鮮血が美しく舞い、刹那、少年の姿は消え去っていた。 「・・・ごめんなさい・・・可哀相で・・・見て・・・いられなかったわ・・・。」 そして声の主。 それは少年の立っていた場所に悠然と浮遊している。 煌く純白のパーティドレスに、なお白き肌と透明な瞳に銀の長髪。 絶妙の輪郭と、吸い込むような艶やかさを持つ20過ぎの凄まじき美女。 「・・・ネージュ!!」 魔族達より声は昇っていた。 ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ 「・・・姉上。」 常闇の天頂。その天空に映し出されているのはまさしくマラカイトの消えた後の光景。 それに、天頂にいたノーストは驚愕を浮かべていた。 「・・・まさか・・・姉上は・・・。」 だが彼に背を向けるスピネルは、 「・・・やはりマラカイト程度では無理か・・・。」 笑みすらも浮かべていたようだ。 「ノーストよ。どうしたのだ?」 そして静かに振り向く。その表情は穏やかであった。 「いえ・・・少々、私は抜けさせていただこうと思いまして・・・。」 そして触発されてノーストも冷静を取り戻した。 「意味が分からぬが・・・まあ良い。」 「・・・ご感謝致します。」 そしてノーストは消え去る。 同時に静寂が激しく覆い尽くした。 「・・・アダマスよ。疾く我が下へ来るが良い。」 スピネルは、そして七色の瞳を禍々しき球へと向けた。 後書 気づいたこと・・・ネージュってそのまま雪って意味なんだ。 こんばんはラントです。 悪寒は随分退きました。 でも文章の調子は悪かったです。 どうもスピード感に欠けていたような。 それに大分粗いと思います。 ちょっと間が空いたせいか・・・。 新キャラ登場ですか? それにしても何度か登場しているアダマスって単語・・・どうしても「サウザント・メイジ」が浮かぶ。 まあどうでも良いけど・・・。 ちなみにHPはこれの連載終了後に公開しようと思います。 それでは・・・ |
25682 | (嵐の前の静けさか)31話:闇へ至る翼 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/23 18:56:22 |
記事番号25674へのコメント ――それは毒と薬に似て―― 初めに見た光景は、それは黄昏の陽であった。 そして宵闇に染め上げられた1つの影を捉えた。 真紅の瞳は見詰めていた。幼くとも知識を纏い生まれた彼には視線の意味は分かっていた。 困惑、驚愕、落胆、入り混じり数面性を放っていた。 そして彼はさらに捉えた。自らの隣に佇む少年を・・・。 これが始まりであった。 彼とともに在った少年。アプロスは冥王(ヘルマスター)と呼ばれた。 そして海王、覇王、魔竜王、獣王とさらに生み出されてゆくもの達は冠を戴いた。 だが彼にはそれが与えられない。 偶然の産物。それが彼だ。 部下を創造すること。すべてを知った後にはその行為をひどく恐れた。 同じ存在が生れるかも知れぬ。それを恐れた。 だがそれでも創造した。 ライエル――幼き少年を生み出したが、予期せぬ事態は不意に起こった。 自己としての誇りある姿を持ちつつも、ライエルは数多の姿を得た。無限の自己を手に入れた。ただ1つも否定はせぬ。用途はあれどそれは望んだものではない。 そして続いて生まれたのはシェイナ。シェイナは言葉を失っていた。 失敗作・・・彼自身が呼ばれるように彼もまた望むものは創りえなかった。 そんな中、1つが究極を誇っていた。 彼という汚点を捨てたために万能を示した冥王アプロス。 彼の兄とも言える。あまりに妬ましきアプロス。 (・・・何で、あいつはああなのに、この僕は・・・。) 何度自らを恨んだことか・・・。 そして究極と呼ばれるのはまた1つ。 そのアプロスに並ぶほどの魔力を与えられし覇王グラウシェラー。 グラウシェラーの生み出せし究極なる芸術。 形容するならば銀世界。それも数多の雪や氷の世界を超越した。 ネージュ・・・それが1人の美女の名であった。 そのあまりの美しさにグラウシェラーが彼女を繋ぎ止めることは出来はしなかった。 彼女は究極であった。病弱な身であることをなど欠点などと誰が呼ぼう。 そんな彼女に最も魅了された男。覇王将軍ノーストこそがそれであった。 だが彼女は滅びた。 悪しき神々の手により・・・。 そしてノーストは神々を憎み、そして彼女を護れなかった自らとすべての魔族を嫌った。 それが魔王シャブラニグドゥが七つに断ち切られ、赤の竜神スィーフィードの片割れが滅ぶ原因となったのだ。 ネージュ・・・その姿がそこにあった。 「何で・・・ネージュがいるの?」 だがそのフィブリゾは、その美女を捉えはしていない。視線は明らかにそれている。 それはアルティアもガーヴも同じ。そしてウシャナやシェーラまでもその美の渦に引き込まれんが如し。 ただ、 「ネージュさん、お久しぶりですね。」 ゼロスは平然と、彼女へと歩んでゆく。足取りに不自然な点はなく笑顔も絶やさない。 フィブリゾは強き視線を送った。意図せぬも確かな嫉妬を孕んでいることを覚り、ゼロスの微笑みに貫かれる。 「・・・ネージュ・・・って誰?」 だが美女は冷たき声のまま。 「え?」 フィブリゾが間延びした顔で発すた。 アルティアもガーヴも微かながら変貌を見せていた。 「ネージュ・・・じゃないの?」 滅びしものの名をなお口に出す。 美女の感情はあまりに希薄。変化は見られない。 その言葉にも無感動なままに、 「・・・許せない。」 「はあ?」 凍れる激情を迸らせた。抑揚すらも感じられない。 「・・・私と・・・同じ美貌を・・・持っている・・・女が・・・いる・・・なんて・・・。」 淡々と告げる。 「・・・・・・。」 フィブリゾはしばし悩むと、 「じゃあ君は何て名前?」 妙に笑顔を強めて言った。 「・・・アダマス。」 だが相手はそれに巻き込まれることはない。 解けぬ氷か・・・。 しばし会話に詰まる間。 紹介などを終えたほどで沈黙に包まれる。 「・・・あの・・・」 その中フィブリゾは切り出した。 「・・・何?」 アダマスが訊く。他は誰もが答えない。 「・・・そろそろ出発しない?ここってあんまり環境良くなさそうだし・・・。」 口調は弱い。美女の冷気に気圧されてか。 「・・・そう・・ね。」 その声も儚げだったが、2人の間には確実な差異。 アダマスは静かに大地に降り立った。微音すらない。 そして踵を返し歩き出す。 6人もそれに従った。 無数の感情が視線でのみ飛び交う。すべてはアダマスに吸い込まれた。 ただゼロスのみが笑顔。ガーヴは戦いへの高揚を持っていようがやはりフィブリゾやアルティアに同じ。 ただ導かれるままに進む。 それは明らかに彼らの知るネージュではない。 その世界に気配はない。 そしてそれがもたらす恐怖すらない。 どれだけ歩いただろうか。 暗闇の中、微かな光の柱が立っている。 それは黄昏の如く希薄で、そして暁に似た希望を含む。 崩れ落ちた繁栄の跡を照らす光の生む感慨は計り知れない。 そんな中、天空へ続く灰色の階段がただ伸びている。 「・・・常闇の天頂。」 アルティアが微かに呟いた。 あまりに変化したその姿。 「・・・ここにスピネルとやらがいるんだね。」 フィブリゾはそれよりもなお明るかった。 「・・・ああ、諸悪の根源がいるんだな。」 「一体、どんな悪人面をしているのでしょうかねえ。」 「・・・オリオンの・・・仇。」 「・・・・・・。」 そして全員が各々の意志を見せると、 「・・・スピネルを・・・倒せば・・・すべて・・・元に・・・。」 アダマスが締めた。 (え・・・。) だがその表情は・・・ だが即座にアダマスは歩き出した。 ゼロスが、ガーヴが、それに連なる。 そしてウシャナ達も先に進んだ。 「・・・・・・。」 ただフィブリゾはただ虚空を見詰めている。 表情はどこか昏い。 「どうした?」 だが不意に温かい手が肩を打った。 「いや、別に。」 するとフィブリゾは小さな笑顔を造りアルティアに返す。 そして歩き出した。 後方のアルティアはそれに追い付く。 そして偶然にも、視線は交錯した。 「アルティア・・・」 そして不意にその言葉は生まれる。 体内の奥底に眠るマグマが込み上げるかのように・・・。 「・・・何だ?」 不安めいていたが微か。フィブリゾの震えには及ばぬ。 「・・・・・。」 沈黙。 そして、 「・・・いや何でもない。」 答えた。地獄の業火を帯びた槍に貫かれる錯覚をフィブリゾは感じる。 だが、 「ディスティアのことか?」 微動のみのアルティアの感情によりその烙印は浄化された。だがやはり痛い。 「・・・。」 静かに頷く。 「・・・まあ良い。」 しかしそれでもアルティア優しげであった。 「・・・平和の証・・・スピネルという混沌に壊されたか。」 「へ?」 「いや・・・何でもない。いくぞ。」 彼は知らぬ。 「うん。」 ゆえにその翼は天使の如き。 傷付こうが汚れはあらぬ。 悪魔王への距離は果てしなく近い。 常闇の天頂は今も静寂。 後書 アダマス・・・書きにくい。 こんばんはラントです。 ついに、ついに、ついに、次回スピネルとの最終決戦がおこなわれます。 後2回で終わる予定。1回かも知れないし・・・。 そしてエピローグは豪華にいこうと思います。 にしてもお金がない。 古川日出男と麻耶雄嵩は全部欲しいし、古本屋、本屋見渡すと興味引くもの結構ありますし、にしてもハードカバーって何であんなに高いのよ。古本でも1000円近くして軽い興味で軽々買えない。 やはり図書館は友だ。今日も借りました。2週間であれこれ読む自信がないので1冊きり。どうも1週間で長いのも読めるようですけど。(アラビアの夜の種族も5日だったし) 今回は「サファイアの書」という本。思いっきりタイトルに一目惚れです。 30ページほど進みました。 少し難しい部分がありましたけど悪くはなさそうです。 それではこれで・・・。 |
25683 | 雪の精と万年雪ですか | エモーション E-mail | 2003/4/23 20:27:45 |
記事番号25682へのコメント ネージュさんが雪でアダマスさんが溶けぬ氷……。 溶けぬ氷と聞いて真っ先に万年雪を連想しました。 こんばんは。 29話はシェーラちゃんがモテモテでしたが、(ガーヴ様とフィブリゾ君は ともかく、ゼロスまでさらりと所有権を主張する辺りが(笑))30話で さすがに格の差でしょうか、アダマスさんが一人勝ち(?)ですね。 さすがに性格はネージュさんとかなり違うようですが。 ……ネージュさんは「冥王の騎士」と同じような性格だったのなら、 ある意味魔族としては、やっていけたのでしょうかという気がしますが…… 存在するだけで周りが勝手に争う〃魔性の女〃、しかも自覚無しだから 一番性質が悪いかもしれないともふと思いました。 アダマスさんの外見がネージュさんそっくりというのは、何か意味が あるのでしょうか。単純に「その世界でもっとも美しい形態をとったら、 ネージュさんの姿だった」とか(笑) あ、でもそれなら「許せない」とは言わないですよね(汗) ディスティアちゃんの死を悟ったらしいアルティア君。 取り乱したりしていないのは、必要なこと、するべき事を悟っているから なんでしょうね。 本……全部買っているんですか(驚き) ハードカバーは確かに古本でも高いとは思いますよ。安いのは余程汚れその他が 酷いのでしょうから。 文庫落ちしているのは、文庫で探すようにして。 摩耶雄嵩氏、気に入られましたか。「鴉」はともかく、講談社から出版したのは ほぼ文庫落ちしていたと思います。 いよいよスピネルさんとの決戦ですね。 アダマスさんの存在が、どんな影響を与えるのか、そしてこの戦いが どんな決着をつけることになるのか、楽しみにしています。 それでは、この辺で失礼いたします。 |
25684 | Re:同じ冷気属性ですね。 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/23 21:15:35 |
記事番号25683へのコメント >ネージュさんが雪でアダマスさんが溶けぬ氷……。 >溶けぬ氷と聞いて真っ先に万年雪を連想しました。 なるほど。確かにそうですね。浮かびませんでした・・・。 > >こんばんは。 こんばんは > >29話はシェーラちゃんがモテモテでしたが、(ガーヴ様とフィブリゾ君は >ともかく、ゼロスまでさらりと所有権を主張する辺りが(笑))30話で >さすがに格の差でしょうか、アダマスさんが一人勝ち(?)ですね。 女性陣をも魅了してますし・・・。 >さすがに性格はネージュさんとかなり違うようですが。 まあ随分と・・・ >……ネージュさんは「冥王の騎士」と同じような性格だったのなら、 >ある意味魔族としては、やっていけたのでしょうかという気がしますが…… まあこちらと性格一致するか分かりませんですし・・・。 >存在するだけで周りが勝手に争う〃魔性の女〃、しかも自覚無しだから >一番性質が悪いかもしれないともふと思いました。 まあ直接は言ってませんけどポルテ君の一族ですから・・・。 >アダマスさんの外見がネージュさんそっくりというのは、何か意味が >あるのでしょうか。単純に「その世界でもっとも美しい形態をとったら、 >ネージュさんの姿だった」とか(笑) >あ、でもそれなら「許せない」とは言わないですよね(汗) いえ、彼女から見れば魔族は下等種族に過ぎないので(彼女がどんな位置にいるかはまだ秘密です)魔族(彼らが知っている名前なら魔族だろうと推測した)如きが自分と同じ「その世界でもっとも美しい形態」を持っていたのは屈辱なのでしょう。 後、ネージュさんが滅んだことを知らないわけでしょうし、 絶対自分の方が綺麗だと思ってるかも知れませんし、出会ったら絶対消すと思ってるかも知れません。 > >ディスティアちゃんの死を悟ったらしいアルティア君。 >取り乱したりしていないのは、必要なこと、するべき事を悟っているから >なんでしょうね。 まああっさり知れてしまったようで。 この場は戦いに専念させて置いて、後でゆっくり哀しませます(おいおい)。 > > >本……全部買っているんですか(驚き) そんなこともないですが大概は・・・。 >ハードカバーは確かに古本でも高いとは思いますよ。安いのは余程汚れその他が >酷いのでしょうから。 文庫でも「夏と冬の奏鳴曲」は450円しましたし。 >文庫落ちしているのは、文庫で探すようにして。 >摩耶雄嵩氏、気に入られましたか。「鴉」はともかく、講談社から出版したのは >ほぼ文庫落ちしていたと思います。 気に入りました。メルカトルのサイトとか今日見回ってました。 これを気にミステリーにどっぷりはまろうかと・・・。 それにしてもこの方の作品ってあまり置かれていないようで・・・。 > >いよいよスピネルさんとの決戦ですね。 狡猾、残忍、強き、悪魔、出番少ない、待ちぼうけ、高いところ、階段の上、背後にデカい球体(偏見)・・・ラスボスらしい条件を満たしているのではないでしょうか。 >アダマスさんの存在が、どんな影響を与えるのか、そしてこの戦いが >どんな決着をつけることになるのか、楽しみにしています。 まあ史実を狂わせないように勝たせたいです。 > >それでは、この辺で失礼いたします。 ご感想どうもありがとうございます。 いつも大変励みとなり、さらに癒されてます。 本当に感謝しています。 それではラントでした。 |
25693 | うわあっ!!またひどいミス。 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/24 13:12:21 |
記事番号25682へのコメント というわけで、言い訳気味に補足しておきますと、 ・フィーンは戦闘中にアルティアが別空間に仕舞いこんだ。 ・シェーラは気絶していたが魔族なのですぐに意識を取り戻し、アダマス出現よりも早くゼロスから離れていた。 ・これらは文章の前後で推測してくださいってことで(おいおい) にしても最近、記憶力が欠如しまくってます。 ヤバいです。 ・・・ここまでミスりまくる小説書きもなかなかいないかも知れない。 やはりもう少し見直しを強めないと・・・。 誤字とか脱字なんて本当に生易しすぎるっすよ。 それでは大変見苦しい言い訳でした。 |
25698 | (そして最高潮)32話:いと高き煉獄 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/25 20:20:00 |
記事番号25682へのコメント ――問わぬは神のみ―― 「・・・始まるな。」 囁くような声。 「ええ、始まるわね。」 印象的な声。 「どっちが勝つ?」 「決まってるわ。」 勢いは増してそこで衰えた。 「・・・当然、『あの子』に勝たれればあたしの身が危ない。」 静寂。 「・・・・・・気になっていたんだが。」 「何?」 昏い。 「・・・何で『あいつ』はお前を・・・?」 そして溜められた声。 「・・・どうせ、付属物か副産物ね。マイルフィックの下に付くのがサタンなのかルシファーなのかはたまたマモンなのかは知らないけど。」 「レヴィヤタンは?」 「滅びたいの?」 ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ 躊躇いに似ている。 胸に孕むのは不安。それを誰もが露としている。 瘴気に満たされた空間は重い。 そして皆、完全な状態ではない。 シェーラはマラカイトより受けたダメージより完璧に立ち直ってはいまい。 アルティアも直接的なもの以上にハクアやフィーン、ディスティアのことに対する精神的な傷を負っている。 ガーヴも無傷でなければ、フィブリゾとウシャナは強力な魔法を一度は放っている。長期戦となれば苦しい。 アダマスには疲弊した様子がないしゼロスも同じくだが、それで充分と納得出来ぬのは誰もが等しい。 階段を昇る音のみが響く。 彼らの心境は共鳴することなく、自身の檻でのみ幾重にも発されている。 サーティアス、ハクア、オリオン・・・マラカイト。 屍が築かれ、道が生まれる。 そしてそれが今、終わった。 厳粛な大気はいまだ薄れぬ。 ただ天に闇が渦巻き光を隠す。 終着点から僅かに高き位置にある台座。 その最奥部には、禍々しき闇の球体。それは瘴気の香りを振り撒いている。 そして球体を覘き、階段側に背を向けし白き僧服を纏う存在。 その影が緩慢な仕草で、振り向くと同時に、台座は道の終着点の方向へと不思議な音を立てて移動していった。 それは同時。 7人の下へ降り立った台座。 そして姿を露とした男。 悪魔王スピネル。その姿は漂う老練な気配に反し、20に届かぬほどに若い。 端正ながら邪気に歪んだ白き美貌。鮮明な荒々しき体躯。 老いを秘めた七色の瞳。 そして漆黒の闇に金色を浮かべた2色の長髪。 その男はあまりに長き時を感じさせる。 「よくぞ来たな。」 そして雰囲気に沿う、重々しき声が発せられた。 「・・・久しぶりね・・・スピネル。」 アダマスの返答に、フィブリゾは惑いを感じたが、沈黙する。皆も同じで世界は静かだ。 「・・・久しぶりだと。今さらそんなことを言うか!!」 だがそんな思考も打ち消すほどの激怒の轟き。戦慄が走る。小さな魔族は真なる脅え。 「・・・なら・・・止めるわ・・・。」 だがアダマスはそれでも平然。言葉を切った後、 「・・・何を・・・企んでいるの?」 切り出すように発した。 「・・・貴様らを滅ぼすためだ。」 スピネルは返す。 「・・・なら・・・なぜ無関係のものを・・・巻き込むの・・・。」 「それもすべて力を得るがためだ。余の力では薔薇の神皇には遠く及ばん。」 「・・・もっと利口な方法も・・・あったでしょうに・・・。」 「あるものか!!」 スピネルは怒りを強めてゆく。 だがそれと同時にアダマスは哀しみを深めるようにも見取れる。 そしてアダマスがなお返答を繰り出そうとした瞬間、 「・・・お話はこの程度に致しましょう。」 突如声。ゼロスの口調は嬉々としていた。 「スピネルさん・・・ですよね。はっきり言って気に入らないんですよ。」 そして接近してゆく。 アダマスを越え・・・。 「混沌など悪趣味ですよ。反吐が出ます。」 そして優越に満ちた顔をスピネルのみに見せた。 だが、 「混沌か・・・随分的を射た答えだ!!」 感嘆と、怒りの合わさる声がゼロスをそのまま吹き飛ばす。 「くっ!!」 スピネルの形相はそして悪鬼じみたものと化した。 「ゼロス・・・大丈夫?」 ゼロスの倒れた位置に近いウシャナが駆け寄る。 しかし、 「・・・大丈夫ですよ。僕のウシャナさん♪」 突如、彼の顔面に陰は差し、遅れて衝撃。 「何するんですか!」 ウシャナの一撃を受け、ゼロスはやや憤慨した。 「誰が『あんたの』よ。」 ウシャナの顔も非なるが似ている。 だがその瞬間、 「危ない!」 少年の声。遅れて魔力の気配が襲う。 暴風は2人に接近して来る。 「きゃっ!」 それにウシャナは悲鳴を上げた。 しかしゼロスは平静だ。 そして直撃の瞬間。 凄まじき勢いが2人を撫でたが、 「危ねえ。」 正面に立つガーヴ。ドラゴンスレイヤーは風までも断ち切った。 「へん。」 そして不敵なる眼差しをスピネルへと・・・。 「小癪な!」 それにスピネルは感嘆と怒りを併せ持って衝撃波を放つ。 「おっと」 しかしフィブリゾの掲げていた邪気を放つ剣がそれを引き裂いた。 そして続けてその剣を切り返すと、闇色の閃光が迸る。 スピネルは素早くそれを衝撃波で四散させたが、それとともに、ウシャナの光が走る。 と、同じくして七色の瞳に1つの影がよぎる。 浅い危機感。スピネルは腕を突き出した。 「っ!」 掴み取られたシェーラは短い悲鳴を上げた後に吹き飛ばされる。 スピネルは静かに安堵を浮かべたが、同瞬にて打ち消されようとする。 気配を殺したアルティアの接近。辛うじてハデス・ベリーを受け止めたが、背後より衝撃。そして苦痛。 「っ!」 苦悶を浮かべつつもアルティアを弾き飛ばした。 「カルボの使いや私如きに・・・手傷を負わされているあなたに・・・あの方が倒せると思ってるの。」 アダマスは背後に回っていた。軽い一撃で苦しむスピネルを見下すように冷たい口調だ。 「貴様!」 悪魔王たるものは激憤を具現させ、白き瘴気を纏わせる。そして振り向きアダマスを睨んだ。 「君って大したことないね。」 背後の嘲笑をも無視し、 「・・・我が姉とはいえ絶対に貴様は許さん。」 叫ぶ。 「姉?」 「はて、どういうことでしょう。」 「もしかしてただの姉弟ケンカ。」 「私達はそんなことに巻き込まれたんですか?」 「ハクアは・・・そんなことで・・・。」 「ったく、んなくだらねえことで・・・。」 だがそれにより6人に訪れるは吹雪。 呆れとともに極まった憎しみを露骨に表わしている。 極寒の中、無音で沸騰する激情。 しかしそれに2人は構う様子もなく、 「・・・今さら?・・・あの時から・・・ずっと許すつもりはなかったはず・・・でしょ。」 「黙れ!余を侮辱するな!!」 熱風を吹き荒らす。 だが確実に優勢はアダマス。怒りに囚われたスピネルは闇の光線を撃ち放ったが容易くかわされ、転移したアダマスの針の一撃を受けた。 「貴様!」 さらに怒りを強め、振り向き飛び掛るも、寸前で素早く消え去るアダマス。 スピネルは空中で翻り、細き光線を浴びせるが紙一重で避けられ、続いて襲った衝撃波に叩かれ墜落。 「私達の目を掻い潜って・・・数多の世界を混乱に陥れたあなたも・・・この程度・・・」 アダマスは冷笑する。しかしそれは、 「黙れ黙れ!」 スピネルの怒声に掻き消され、 「俺がどれだけ辛かったか分かってるのか!!」 さらにそれは涙声へと至る。 そして瞬間にアダマスにも変動。 (これは、あの時の・・・) 彼女の表情は哀しみに震えていた。 そしてスピネルの光線が走る。 「危なっ」 だがフィブリゾの放った弾丸も一条の闇に掻き消され、それはアダマスを貫く。 そしてその光景を皆が沈黙して注目した。 その重き空気の中、スピネルは悠然と立ち上がり、瘴気に満ちた両腕でアダマスの首を掴む。 そして涙流れるまま、 「貴様・・・よくも、よくも俺にあんな仕打ちをしてくれたな!絶対に許さん。絶対に許さんぞ。」 美女の首を揺さぶり、激しく叫ぶ。叩き込むように・・・。 その姿はすでに老練さを持たない。ただの狂える青年だ。 その悪魔王はあまりに哀れすぎた。だがそれでいて殺気はあまりに膨大。 誰もが呆然と見ていた。 そしてアダマスも苦悶の表情を浮かべるのみで黙し続ける。 そしてさらに振動は激しさを増してゆく。 「許さん。滅ぼす。許さん。許さん。許さん。許さん。許さん。許さん。許さん。許さん。許さん。許さん。絶対に貴様は滅ぼしてやる!」 そして怨嗟を終えるとアダマスを大地へ叩き付けた。 衝撃波を何度も放つ。絶世の美女は今や、ただ薄紙の如く風に翻弄されるのみ。 それが続く。 アダマスは苦しみつつも・・・泣いていた。それは激痛によるものではけしてない。心の曇りが降らす雨。 「とどめだ。」 そしてスピネルは自らの両手に漆黒の球体を生み出した。 頂点にまでそれを持ち上げそして、 「永遠に消えろ・・・俺を棄てた女よ!」 振り下ろす。 誰もが焦りの絶頂に達した。 だがその誰もが、重き大気を掻き分けられぬ。 そして魔力弾はアダマスを飲み込み消え去った。そこにはただ石の大地のみが残る。 「アダマス・・・」 発端はフィブリゾ。それは哀しげ。 アダマスは・・・いない。 「さて、次は貴様らだ。虚無の御子や薔薇の神皇が来るまでに血祭りに上げてやろう。」 そして対照的にスピネルは嗤っていた。すでてを脱ぎ捨て・・・。 (切り替え早いな。) しかし危機の中でもどこか冷静。それに気付くと不意に感情も収まり、踏み出す。 「君は絶対に許されない。どうせ僕は君の事情なんて知らないから同情もしない。」 そして浴びせる死の宣告。似てそして意味も同じ。 「・・・それはそうだな。貴様をそんな存在にしたのは余なのだからな。」 口調が戻っている。しかし驚愕の的は別。 「・・・どういうこと!」 それに揺さぶられる。 すると、スピネルは愉悦を持って、 「元々ルビーアイの創造能力に欠陥はなかった。」 語り出す。 戦慄。 「しかし、余が呪ってやったのだよ。」 「え・・・。」 氷点下に落とされた気温。 「余が何もせねば、貴様は1つであっただろう。冥王アプロスとして完璧な固体であっただろう。」 魔は完璧であった。 だがそれはさらなる魔に崩された。 「なぜそんなことを!」 「決まっている。・・・目的のためだ。すべての世界を滅ぼし、無限の力を得て、余が世界を再創造するためのな。」 「説明になってない!」 フィブリゾは剣を構えた。彼の生み出したフルール・ド・ニュイはなお邪気を増している。 「エネルギーとなる負の気を集めるためだ。これで良いだろう。」 「ああ君の最期だ。」 フィブリゾは背後を向き、視線で呼び掛ける。ガーヴ達もそれに従い、各々の武器を構えた。 「いくよ。」 そしてフィブリゾは諸悪の根源へと向かう。 彼らは完全な状態ではない。そして瘴気が絶えず蝕んでいる。 それでもスピネルも無傷ではない。 果てしなく希望は薄いも皆無ではない。 「くたばれ悪魔王!」 フィブリゾは剣を降った。閃光が走る。 「モート!」 同時に究極の魔力弾を浴びせる。 それを合図に5人からも飛び出す魔力。 しかしそのことごとくをスピネルは腕で叩き落とした。 絶望・・・どれほど完全な状態であっても勝利は不可。腕は彼の一部。つまりは意識さえすれば、6人の攻撃など無意味と化す。 「勇気を讃えて、一撃で葬ってやろう。」 そしてスピネルは両手を翳した。 (うわっ) そこより灰色の輝きが奔流する。 その瞬間、身体を蝕まれるかの如き予感。 滅びの確信。 それは恐怖を巻き起こす。思考は砕ける。 そして・・・死神の到来。 フィブリゾはそして他の5人は絶叫。反して声は出ぬ。 だが、 「ああ安心して良いよ。」 脱力を誘う声。 不意にすべてが戻された。 (まさか!) 同時に予感。 そして姿は冥王と悪魔王の狭間に具現した。 「来たか・・・ローザリア・ラ・トゥール・ポルテ。」 そして声が魔族陣に極限の驚きを与えた。 そこに立つ中性的な存在。 それはまさしくメギド山元領主たるポルテ。 そしてその腕には人を抱えている。シルエットから露出した部分のその肌の白さから、それは紛れもなくアダマス。 「君・・・もしかして・・・見てた?」 それによりフィブリゾはさらなる部分へと突き掛かる。 「うん。フィブリゾ君格好良かったし♪」 そしてその爽やかな返答に絶句した。 「あっ、僕の正体を黙ってたのは悪かったね。改めて自己紹介するよ。」 だがポルテはそれにも構わず、 「ローザリア・ラ・トゥール・ポルテ・・・これは本名だよ。2つ名は薔薇の神皇。ちなみにこのアダマスとカルボナードとスピネルの母親だよ。驚いた?」 手早く連ねてゆき、見回し訊ねる。だが言葉はない。 「後、これはもっと驚くと思うけど、実はこの僕、世界の創造主とも呼ばれているよ。もちろん、この世界じゃなくて広い宇宙全部のね。」 そしてそれだけ言うと、正面に向き直る。それが魔族神族達に与えた威力は並みではない。 「さて、スピネル。・・・あの時、僕は君にひどいことをしてしまった。これは謝らなきゃならないし、謝ってすむことじゃない。」 「当然だ!」 「だから、僕は罪を償おうと思う。そう君の望んだやり方でね。」 そしてスピネルと会話を交える中、ポルテは激変していた。その感情は重く、昏い。 「僕を滅ぼせ。君の焔で僕の罪を焼き払ってくれ。だけどアダマスは滅ぼさせない。それだけは言っておく。」 そして告げる。 「ふざけるな!」 だが、スピネルは怒りを変えぬ。 「その女も許さん。貴様だけでは不充分だ。」 そして憤怒の声を浴びせると、振り向き、背後の黒き球へと飛び込んだ。 瞬間に球体は蠢き出す。 「そうか・・・それが答えだね。」 やがてそれは形容を変え、そしてスピネルを象った。 「・・・そうだ。俺は貴様を滅ぼしてやる。貴様だけではない。アダマスもカルボナードもそこの魔族も世界もあの忌々しき海蛇もだ。」 ただ違うのはその背にありし黒き翼。 「勝負だ!・・・薔薇の神皇。」 ポルテはアダマスを床に横たえた。 そしてゆっくりと歩き出す。静かに足音のみを響かせて・・・。 それはすでに領主の頃のそれではない。 空間が歪む。 そしてローザリア・ラ・トゥール・ポルテは虚空へ消え去った。 6人は見詰めるのみ。 後書 月の翳る刻、彷徨うは暗き迷宮。 上昇か? 下降か? それすらも知れず・・・。 確実に出口へ向かっているはずだ。 だが光明は見えない。 その歩みもただ奈落の底へ墜ちぬように、足掻くことに等しいのか。 だが私は絶望の中で、自ら光を見出した。 「・・・ミステリーが書きたい。」 こんばんは、とある麻耶雄嵩サイトの診断テストで木更津っぽい結果が出た(解読不能な方は無視推奨)ラントです。 「翼ある闇」で入り、「夏と冬の奏鳴曲」ではまり「メルカトルと美袋のための殺人」で溺れてます。・・・今知りましたけど美袋って普通に出るんですね変換。 古川氏が引き込むタイプならば、麻耶氏は勝手に入り込むタイプですかねえ。(私のおこなう比喩的な評価は他者には思いっきり意味不明らしいが) って後書が麻耶色に染まり切ってる。 というわけでこんばんはラントです。 クライマックス。 かなりの謎が明かされました。 最初の謎の人物同士(ばればれ?)の会話は置いといて・・・(ちなみに悪魔の名前は七つの大罪からです。)。 スピネルさんが嫌がらせっぽいことしてたのは負の感情を集めるため。 そしてポルテの息子でアダマスとカルボナードの弟。(後者は推測出来ないこともなかったですけど・・・。) そしてポルテ君=世界の創造主(この場合は全くの無を止めさせた人)。 こんなやつが世界創造してたら嫌だろうなあということでこうしました。 それにしても実際、私達の住む世界ってメルカトルみたいな人が創ったんじゃないだろうか。(おいおいまたそっちに・・・。) にしても少々裏切ってます。 消耗してるとか、長期戦になるとピンチとか言いつつ、それが実際におこってないです。 いわゆる肩透かし? 大丈夫です。未公開の他作品(待て)で激戦書いてますから。 気晴らしに作った詩 闇が待つ。 僕の背には翼があるか。 何度悩んだか虚ろの絶望。 輝く手より落とされた自分。 真実か瞞しか。 時は流れる。 未来に対する不安を書きました。 それではこれで・・・。 お疲れ様でした。 |
25701 | エピローグ1:Good・Moratorium | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/25 21:30:24 |
記事番号25698へのコメント 2人は還らなかった。 どれだけ待っても還らなかった。 きっとこれからも還らないんだろう。 それが僕の真実。 だがこれは勝利だろう。 悪魔の王は滅びたのだろう。 さよならローザリア・ラ・トゥール・ポルテ。 あんまりお喋りは出来なかったけど、嫌いじゃなかったよ。 安らかにね。 化けて出てきちゃだめだよ。 って幽霊なんて非魔道学的だね、ははっ。 それと悪魔王スピネル。 僕には詳しいことは分からないけど、きっと可哀相な人なんだよ。 同情なんて絶対しないけど、家族を本気で滅ぼそうとするのは並のことじゃないよ。 よっぽど凄い事情があったんだね。 マラカイトも君も運命の被害者なんだね。 スピネルが倒されて瘴気は晴れた。 常闇の天頂に光が昇って来る時は嘘みたいに綺麗だったよ。 まあ常闇なんだから、あのままでも良かったかなあって、どうせ居眠り常習犯のソルもいないんだしさ。 それから、フィーンは元に戻ったし――いや元以上になってアルティアに抱きついてたけど――、ルナを合わせた御神達も解放されたよ。 それとスピネル側に付いてたドルノースも従う振りして、地上世界に紛れ込んだ悪魔達と戦ってたらしいよ。 やっぱり守護神王だけあるよ。 そーいや悪魔退治はアダマスとカルボナードも助けてくれた。 全部はさすがに消えてないけど、神族は時間を掛けて消し去るだろうし、どうせ悪魔王がいなけりゃ同士討ちもするみたいだし、第一そんなにこの世界の環境は悪魔にはあってないみたいなんだ。 当然環境を変えられるほどの力のあるやつはとっくに倒されてるだろうしね。 それと人間はそんなに大した力を持ってないんだってさ。 それは期待して損だったよ。まあ下級のやつらは安心して悪事が働けると喜んでるだろうけどね。 でも神族はそれでも手放さないみたい。物好きだねえ。 そうそう神族といえば・・・そうあの邪神。 邪神は解体するように決まったんだ。 そしてそれが黄金竜と称されて四竜王を護るとかそんなような役職だったよ。 ちなみに今までのドラゴンは、古くからドラゴンやってたってことで古代竜って呼ばれるようになったのさ。 まあ神になるドラゴンが多すぎたせいでそんなに数はいないけどね。 後、ハクアが滅びて死神は上がなくなったけどそれはフィーンが運命神と一緒にまとめてるみたい。やっぱり凄いね。理想のお姉さん像かも知れない。 そーいやゼロスが今度挨拶しにいくって無気味な笑い浮かべていってた時はぶん殴ってやったなあ。 あっ、そーいや僕のことだけど、これで正式に冥王さ。 ガーネットにもこれで文句は言わせない。 ・・・それにしても結局ディスティア滅ぼしたの誰だったんだろう。 アルティアにはまあ黙っといたけど・・・。 それとそれと、僕ってば今、ゼロスの教育係やってるの。 あいつ邪悪だからちょっと更生しないと。 でも何で僕なんだろうね。 ゼラスは無理って言ったけど、彼女が無理なら僕だって無理だよ。 まあ馬鹿なガーヴや知識人気取りのグラウシェラーには任せられないし、ダルフィンだと邪悪さをパワーアップさせかねないし、同格や格下じゃ舐められるだけだから・・・やっぱり僕しかないのか。 ああ、ゼロスはちょっとずつだけど更生されてるようなんだけど、どうしてかそれが僕に移ってるみたいなんだよね。 ああ邪悪な僕なんて僕じゃないよ。 人間の魂をクリスタルに閉じ込めてこれ割るぞって閉じ込めたやつと親しいやつ脅すとか・・・。って僕は何を考えてるんだ。 後、仲間のことだけど。 良い感じだよ。 ノーストも無事に戻って来たみたいだし。 でもそんなに変化ないんだよね。 まあちょっと下が悪ぶれてきたけどさ。 まあしいて言えば、ダルフィンがちょっとおしとやかになったことかな。 やっぱりオリオンとエレニアを亡くしたからだろうねえ。 まあウシャナは全く変わってないけど・・・。 あっガーヴが僕に勝負挑んで来るっていうのもあったっけ。 まあ一撃粉砕だけどね。(昔と違うよ。) さて、これから僕らはどうしようか。 まあしばらく休息だね。 これからの戦いのための猶予期間かな。 そうMoratoriumさ。 Good・Moratorium ――すべての魔族に幸せあらんことを―― ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ 後書 以上フィブリゾ君の語りでした。 これで大体、魔族は今の形になったわけです。 フィブリゾ君とゼロスが影響与え合って今みたいになったというのは自分でもなかなか良い思いつきではないかと。 それとついにMoratoriumが出ました。 こうして降魔戦争までの猶予期間を平穏に暮らしてゆくのです。 にしても書いてて善良系主人公の中村うさぎ小説の一人称が浮かびました。 そーいや中村氏(いやうさぎ氏と呼んだ方が良いのか)の作品好きなんですよね。お茶ら毛に見せ掛けといてかなりミステリアスで・・・。 「極道(ゴクドー)君漫遊記」の正外両方(特に後の方の作品が良い)と「宇宙海賊ギル&ルーナ」。 両方とも呼んでて怖くなりました。 あんまりそーいうことレビューとかで書かれてないですけど氏の魅力はそこにあると思う。 読みやすいのも良いしギャグ入ってるしさらに良い。 ライトノベルでは特に好きな「魔術士オーフェン」「武官弁護士エル・ウィン」「ホルス・マスター」(どれも続き欲しくてたまらなかった経験持つ)に並ぶかそれ以上に好き。 いや長すぎか語り。 それではまだ終わってませんので・・・。 |
25702 | それとそれと | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/25 21:35:11 |
記事番号25701へのコメント すみません。 ずっと言い忘れてました。 何度も言おうと思ったんですけど 翠紅さんハクアさんを滅ぼしてすみません。 |
25703 | 明日はどっちだ! | エモーション E-mail | 2003/4/25 22:03:05 |
記事番号25698へのコメント こんばんは。 決戦にふさわしく、大物が顔を出し始めますね。 そして、意外な事実と謎が明かされていく……。 そういえば、上の書き込みでああそう言えば、と思いました(滝汗) フィーンはアルティア君が回収していたんですね。マラカイトさんとの戦闘と、 アダマスさんのご登場で私も忘れていました……フィーン、ごめん(←酷い提供者……) >「・・・大丈夫ですよ。僕のウシャナさん♪」 >突如、彼の顔面に陰は差し、遅れて衝撃。 >「何するんですか!」 >ウシャナの一撃を受け、ゼロスはやや憤慨した。 >「誰が『あんたの』よ。」 ……ゼロス、ここでも所有格……?(汗)ひょっとして、魔族の女性は全部 所有格なんでしょうか……? 一方的に……(汗) ……ゼロス、度が過ぎてセクハラで訴えられる前にやめとけ(笑) >「・・・我が姉とはいえ絶対に貴様は許さん。」 >叫ぶ。 >「姉?」 >「はて、どういうことでしょう。」 >「もしかしてただの姉弟ケンカ。」 >「私達はそんなことに巻き込まれたんですか?」 >「ハクアは・・・そんなことで・・・。」 >「ったく、んなくだらねえことで・・・。」 >だがそれにより6人に訪れるは吹雪。 >呆れとともに極まった憎しみを露骨に表わしている。 >極寒の中、無音で沸騰する激情。 ……これ以上ないくらいはた迷惑ですが、案外世の中そんなものですよね。 痴話げんかに巻き込まれて一生を台無しにされる人もいますしね。 >「・・・それはそうだな。貴様をそんな存在にしたのは余なのだからな。」 >口調が戻っている。しかし驚愕の的は別。 >「・・・どういうこと!」 >それに揺さぶられる。 うーん、これはフィブリゾ君にとってはかなり堪える精神攻撃ですね。 >「ローザリア・ラ・トゥール・ポルテ・・・これは本名だよ。2つ名は薔薇の神皇。ちなみにこのアダマスとカルボナードとスピネルの母親だよ。驚いた?」 ……さんざん、いろんな方を口説いて回っていた割に……3児の母ですか、ポルテくん。 >「後、これはもっと驚くと思うけど、実はこの僕、世界の創造主とも呼ばれているよ。もちろん、この世界じゃなくて広い宇宙全部のね。」 >そしてそれだけ言うと、正面に向き直る。それが魔族神族達に与えた威力は並みではない。 ……い、いやああああああああああああああああああっ!(絶叫) うわー、何かすごい嫌……(滂沱) 何か、最終的には母子げんかなんですね……。それにしてもポルテ君が……。 ああ、でもだからアダマスさんにとって、魔族はずっと格下扱いなんですね。 >こんばんは、とある麻耶雄嵩サイトの診断テストで木更津っぽい結果が出た(解読不能な方は無視推奨)ラントです。 どこのサイトのどんなテストか分かりませんが……微妙な結果ですね。 普通ならかなり良い結果と見て良いはずなのに、メルカトルだと良いのか 悪いのか、もの凄く微妙に感じられます(汗)……美袋よりはマシでしょうけど。 >「翼ある闇」で入り、「夏と冬の奏鳴曲」ではまり「メルカトルと美袋のための殺人」で溺れてます。・・・今知りましたけど美袋って普通に出るんですね変換。 そうなんですよ、私も最初「美袋」が一発変換できたことに驚きました。 >古川氏が引き込むタイプならば、麻耶氏は勝手に入り込むタイプですかねえ。(私のおこなう比喩的な評価は他者には思いっきり意味不明らしいが) 勝手に入り込む……(笑)確かに気が付くと勝手に居場所を作っている感じですね。 >そしてポルテ君=世界の創造主(この場合は全くの無を止めさせた人)。 >こんなやつが世界創造してたら嫌だろうなあということでこうしました。 >それにしても実際、私達の住む世界ってメルカトルみたいな人が創ったんじゃないだろうか。(おいおいまたそっちに・・・。) ……嫌だなあ、それ。(号泣)何が嫌って、そうは思いたくないと同時に、 有り得そうだと思えてしまう辺りが激しく嫌です。(滂沱) >未来に対する不安を書きました。 未来に対する不安……「明日はどっちだ!」と言うと、何故かまだ前向き(?)に 見えるのが不思議です。 >それではこれで・・・。 >お疲れ様でした。 さあ、どうなる?と思いながら読ませていただきました。 そして気が付くと、ラストをかっさらっていったのはポルテくん……。 このまま、ラストバトルも持っていくのでしょうか(汗) 思わず取り残されてしまったフィブリゾ君たちの出番はあるのか?(笑) 続きを楽しみにお待ちしています。 それでは、この辺で失礼いたします。 |
25713 | Re:明日はどっちだ! | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/26 16:17:39 |
記事番号25703へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >決戦にふさわしく、大物が顔を出し始めますね。 事実最終話みたいな感じですし・・・。 >そして、意外な事実と謎が明かされていく……。 ほとんど明かされてたりします。 この後、繋げられるか分からないので・・・。 >そういえば、上の書き込みでああそう言えば、と思いました(滝汗) >フィーンはアルティア君が回収していたんですね。マラカイトさんとの戦闘と、 >アダマスさんのご登場で私も忘れていました……フィーン、ごめん(←酷い提供者……) ガーヴがアルティア拾って来た部分がこの行動を推測させるためのものとなっている、とでも無理矢理言い聞かせてます私は・・・。 すみませんでした。 > >>「・・・大丈夫ですよ。僕のウシャナさん♪」 >>突如、彼の顔面に陰は差し、遅れて衝撃。 >>「何するんですか!」 >>ウシャナの一撃を受け、ゼロスはやや憤慨した。 >>「誰が『あんたの』よ。」 > >……ゼロス、ここでも所有格……?(汗)ひょっとして、魔族の女性は全部 >所有格なんでしょうか……? 一方的に……(汗) ノースト君に並ぶ問題児と言われてましたからねえ昔。 ノースト君が強いものを知略で屈服させるタイプなら、ゼロスは弱者をとことんいたぶる・・・。 >……ゼロス、度が過ぎてセクハラで訴えられる前にやめとけ(笑) ・・・千年牢獄いきかな。 > >>「・・・我が姉とはいえ絶対に貴様は許さん。」 >>叫ぶ。 >>「姉?」 >>「はて、どういうことでしょう。」 >>「もしかしてただの姉弟ケンカ。」 >>「私達はそんなことに巻き込まれたんですか?」 >>「ハクアは・・・そんなことで・・・。」 >>「ったく、んなくだらねえことで・・・。」 >>だがそれにより6人に訪れるは吹雪。 >>呆れとともに極まった憎しみを露骨に表わしている。 >>極寒の中、無音で沸騰する激情。 > >……これ以上ないくらいはた迷惑ですが、案外世の中そんなものですよね。 ・・・浮かんだのが魔術士オーフェン無謀編3巻のキース編その2。 >痴話げんかに巻き込まれて一生を台無しにされる人もいますしね。 にしても血縁関係の仲良くないキャラ出してるのって確実に兄弟喧嘩と親子喧嘩繰り返したからだなあ・・・。 > >>「・・・それはそうだな。貴様をそんな存在にしたのは余なのだからな。」 >>口調が戻っている。しかし驚愕の的は別。 >>「・・・どういうこと!」 >>それに揺さぶられる。 > >うーん、これはフィブリゾ君にとってはかなり堪える精神攻撃ですね。 まあ逆に言えばスピネルさんがいなければフィブリゾ君は生まれてなかったんですけど・・・。 これはむしろ感謝すべき? > >>「ローザリア・ラ・トゥール・ポルテ・・・これは本名だよ。2つ名は薔薇の神皇。ちなみにこのアダマスとカルボナードとスピネルの母親だよ。驚いた?」 > >……さんざん、いろんな方を口説いて回っていた割に……3児の母ですか、ポルテくん。 こっちのシリーズが始まった瞬間からそれは決まってました。 > >>「後、これはもっと驚くと思うけど、実はこの僕、世界の創造主とも呼ばれているよ。もちろん、この世界じゃなくて広い宇宙全部のね。」 >>そしてそれだけ言うと、正面に向き直る。それが魔族神族達に与えた威力は並みではない。 > >……い、いやああああああああああああああああああっ!(絶叫) >うわー、何かすごい嫌……(滂沱) 確かにこーいう人が世界の頂点に立っているのは・・・。 まあ基盤を創ったのみで現在のいくつもの世界とそこに存在する生物は彼女(彼?)が創ったわけではないですが・・・。 > >何か、最終的には母子げんかなんですね……。それにしてもポルテ君が……。 >ああ、でもだからアダマスさんにとって、魔族はずっと格下扱いなんですね。 そうなります。 力の差は凄まじいですから(ディアヴォロスよりもスピネルさんが強いと見ると魔王様の10倍前後?)ノースト君辺りの方が優秀に見えてたりします。ノースト君がスピネルさんを罠に掛けたりするのも良いかなって思ったんですが、それだと現代世界まで生かす(セイルーンへインタビューさせる)が不成立になりかねないし、第一どうやるのかも浮かばなかったですし無理でした。って思いっきりずれてますね話。 > > >>こんばんは、とある麻耶雄嵩サイトの診断テストで木更津っぽい結果が出た(解読不能な方は無視推奨)ラントです。 > >どこのサイトのどんなテストか分かりませんが……微妙な結果ですね。 ウェブリングからいった場所でした。4択でチェックしていくタイプでしたがほとんどギャグですけど・・・。 >普通ならかなり良い結果と見て良いはずなのに、メルカトルだと良いのか >悪いのか、もの凄く微妙に感じられます(汗)……美袋よりはマシでしょうけど。 まあ大体、メルと美袋は予想付くわけですけど・・・。 > >>「翼ある闇」で入り、「夏と冬の奏鳴曲」ではまり「メルカトルと美袋のための殺人」で溺れてます。・・・今知りましたけど美袋って普通に出るんですね変換。 > >そうなんですよ、私も最初「美袋」が一発変換できたことに驚きました。 大辞林には乗ってなかった美袋。 聞いたことのない性なのに・・・。 検索してみますかねえ。 > >>古川氏が引き込むタイプならば、麻耶氏は勝手に入り込むタイプですかねえ。(私のおこなう比喩的な評価は他者には思いっきり意味不明らしいが) > >勝手に入り込む……(笑)確かに気が付くと勝手に居場所を作っている感じですね。 メルカトルと美袋〜は面白すぎでした。夏冬とは全然違った形で・・・。 ノスタルジアは難しすぎですね。一回でも自分で解いてみようと思ったのが間違いでした。水難は夜更かしして読みました。 遠くで瑠璃鳥の鳴く音がきこえる(タイトル違うかも)はメルの登場が遅くて焦れましたけど・・・。 > >>そしてポルテ君=世界の創造主(この場合は全くの無を止めさせた人)。 >>こんなやつが世界創造してたら嫌だろうなあということでこうしました。 >>それにしても実際、私達の住む世界ってメルカトルみたいな人が創ったんじゃないだろうか。(おいおいまたそっちに・・・。) > >……嫌だなあ、それ。(号泣)何が嫌って、そうは思いたくないと同時に、 >有り得そうだと思えてしまう辺りが激しく嫌です。(滂沱) 不条理ですからねえ世の中。 > >>未来に対する不安を書きました。 > >未来に対する不安……「明日はどっちだ!」と言うと、何故かまだ前向き(?)に >見えるのが不思議です。 なるほどタイトルはこれに関してだったのですね。 気晴らしに書いて置く場所に困って消すのももったいないからとりあえずここに載せてみた詩ですけど・・・。 にしても確かにまだ前向きですね。やはり「明日」という言葉の持つ力でしょうか。 > >>それではこれで・・・。 >>お疲れ様でした。 > >さあ、どうなる?と思いながら読ませていただきました。 >そして気が付くと、ラストをかっさらっていったのはポルテくん……。 >このまま、ラストバトルも持っていくのでしょうか(汗) 実は即エピローグだったり。 >思わず取り残されてしまったフィブリゾ君たちの出番はあるのか?(笑) そういえば主人公は活躍しなければならないって決まりはあるんでしょうかねえ。大体活躍みせてたりするように思いますけど・・・。 >続きを楽しみにお待ちしています。 嬉しいお言葉です。(すぐに終わりますけど) >それでは、この辺で失礼いたします。 それではご感想どうもありがとうございます。 微妙に変なレス返しになってしまいましたけど・・・。 > |
25718 | エピローグ2:平和の風 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/26 20:27:03 |
記事番号25698へのコメント 微熱を孕んだ風が身を打つ。 陽光の輝きは大地を照らし、その飛沫が空間に溢れる。 その中でもなお引き立つ百花繚乱の野に1つの墓標。それは上質な白き石材で築かれていた。 そしてその場所のみに、場違いに咲く真紅の薔薇。 涙が生まれる。それが視界をさらに妨げる。 だが視線は常に幻想を見続ける。 嗚咽が何度も走るがそれでも世界は静かだった。 風に花が舞う。 「初めまして・・・になりますね。」 しかし不意に声は掛かった。 だが振り向かぬ。落涙を堪えた。 「・・・お美しい背だ。」 声はさらに来る。怒りも喜びも生まれぬ。 ただそれも美しき声と・・・。 「・・・誰?」 言葉を絞り出す。声は震えていた。 「・・・ノーストと申します。アダマス殿。」 対し相手は慇懃な口調で返答する。 「なぜ・・・名前・・・を・・・」 涙を抑えることに努めつつも声を紡ぐ。 「少々調べさせていただきまして。」 言葉は即返って来た。 「それで・・・何の用?」 すでにある程度、涙は薄れていた。 「ああ、そのことなのですが。」 感情も読み取れてゆくように・・・しばし躊躇いがある。 沈黙が続く。その間も風は吹き、花は踊る。 だが無限に咲き乱れるそので旅ゆくのものは些細でしかない。 「・・・スピネルのことなのですが。」 そしてついに言葉は出でた。 彼女は沈黙する。 「・・・スピネルがなぜ、悪魔王となっていたのか。あなたや薔薇の神皇に牙を剥いたのか。」 そして淡々とした言葉を聞き、 「簡単よ。」 「といわれますと?」 しばしの間を持って彼女は幾度か深呼吸した。 その中で迷いを打ち消して、 「・・・棄てたのよ・・・私は・・・あの子・・・を・・・。」 再び震えて来た声で伝える。 「なるほど。」 相手は感嘆と思える言葉を漏らした。 平和の風はここにも吹く。 ◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆◇◆☆◇◆ 「・・・ルシファーで決定ね。」 「いやサタンだろ。」 「何で?」 素早く繰り出される言葉達は一旦停止。 そして、 「てめえが復讐のためだからってシゴきまくるからだろ。だからサタンだ。」 「違うわよ。あたしもついでに倒して自分の強さを知らしめようなんて馬鹿な考え抱いてたからよ。だから絶対ルシファーよ。」 「てめえの性格からしてサタンだ。」 「そんなはずないでしょ。マモンかも知んないけどサタンは絶対違うわ。」 なお激しき火花。 「サタン!」 「ルシファー!」 「いい加減にしろ!」 「そっちこそ!」 「本名バラすぞ。」 「したら殺すわよ。」 そしてなおなお拍車が掛かる中、 「あの・・・」 小さき声。 「絶対にサタンだ。これは譲れん。」 「あたしもよ。おやつのケー・・・もとい、あたしの尊厳に掛けて絶対にルシファーよ。」 無論届かぬ。 そしてそれは怒りの波を沸き立たせ、 「いい加減にしてください!!」 声は激しさを持った。 瞬間、世界は静寂と化す。 「・・・・・。」 「・・・・・。」 争うその男女は一旦沈黙し、 「邪魔すんじゃねえ!」 「そうよ今、スピネルがあたしをついでに滅ぼそうとしている理由で賭けやってるとこなのよ。 2人、声の主に向けて発する。 「・・・・・・。」 向けられた少女は、一瞬怯むが、 「こっちだってお仕事で来てるんですよ!」 それでも強く叫び返した。 だが、 「知らねえよ。」 「そうよ帰って。」 冷たい返答。 少女は涙を堪えつつも、 「どうしても今日中にエルさんの本体にダメージ与えないとイクシオム様に怒られるんですよ。」 叫ぶ。 「だからサタンだろ。」 「違うわよ。」 しかし言葉は届かぬ。 エルネウスは俯き独り涙を流した。 アインとエルちゃん一号は混沌の海にて争い続ける。 スピネルの気配がこの世界より消え去ったのにもけして気付かず・・・。 怒りか?傲慢か? すべての風が集う地。 |
25719 | プロローグ:始まりへ続く終着点 | 颪月夜ハイドラント URL | 2003/4/26 20:35:00 |
記事番号25698へのコメント 嵐は過ぎ去った。 すでに闇は晴れ、光が昇った。 混沌とした世界。 雨の上塗りされた大地は、倒壊した建築物に乱されている。 セイラ・ルーンの真紅の瞳はそれを漠然と見ていた。 その美しき黒髪を含めた全身は泥にまみれ、冷気と重みを伝える。それのみが現実感。 不意に声が掛かった。 しかし邪気が不意に薫る。 空間が歪み、悪しき獣が出でた。 それは彼女へ向かう。 うつつに逆流。 思わず短き悲鳴を上げた。 だがどうにもならず、悪魔は迫る。 そしてその汚れた鉤爪が彼女の胸元を抉る瞬間。 金属が鳴る。それに似た音。 激しき火花。 見れば悪魔の腕が宙に舞う。 そして下げた視線が捉えたのは、悪魔を串刺しにした男。 瞬く間に悪魔は消滅した。 「大丈夫でしたか。」 優しき声。 「・・・あなたは・・・」 そして彼女は思い出した。いや忘れるはずがない。 「ええ、あの時お会い致しましたね。」 男は慇懃に頭を伏せた。 彼女も真似、 「それで・・・なぜ・・・」 その後、遠慮がちに訊ねた。 男は息を吸った後、腕を差し出し、 「実は、主の命によりあなたをお護りすることとなったのですよ。」 笑顔を見せた。 「・・・主、赤の竜神(スィーフィード)ですか?」 「ええ。」 それにも答える。 「それで・・・あなたのお名前は?」 さらに彼女が尋ねたが、 「ああ、私は守護神のヴェノムと申します。」 それも信頼を増さすもの。 「ルーン殿、あなたには聖女としての力があります。それに国を治める力にも・・・。」 そして守護神は続けた。 彼女は俯き、しばしそれによる驚きを反芻し、 「・・・私が聖女?国を治める?」 疑いに満ちた声を上げる。 「ええ、私とともに聖なる国家を築きましょう。眠る竜のマナディールにも劣らないような。」 その誘いに対し、彼女は顔上げ、そして再度降ろした。 それにより今、契りは成立する。 10年も待たぬ間に国は生まれた。 そして急速に拡大してゆく。 白き雲の下、1つの白魔術都市を中心に・・・。 ――そして数千年後。 ――その物語は始まりの鐘を告げるだろう。 後書 つっついに終わりました。 やはり寂しいですな。 にしても長すぎるかも知れない。 ちなみになぜプロローグかといえば、最後にプロローグな話を書きたかったからです。 そのために1話から始めました。 それと続きは書けるか分かりません。 一気に飛ばしてTRYにいく予定なのですが・・・。 あの話長そうですし・・・。 まあとりあえずこれでこの話はおしまいです。 ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。 |
25721 | 伝説は終わり、歴史が始まる……。 | エモーション E-mail | 2003/4/26 21:54:47 |
記事番号25719へのコメント 何となく、「銀英伝」ラストの台詞でタイトルを飾ってみる(笑) こんばんは。 まず、お疲れさまでしたー! ポルテくんとスピネルさんの戦い……一応、スピネルさんが倒れたのは 確実なんですね。ポルテ君はどうなったのでしょうか。(相討ち?) 素直におとなしく倒れる方には見えませんが……でも心中みたいな形で 「特別に一緒に滅んであげる」とか言い出しそうにも思えるんですよね。 ……はた迷惑な方ですが、どこかそう言う面もありそうな方でしたから。 まあ、どちらにしても、魔族にとっても神族にとっても文字通り「雲の上の戦い」で 何があったのかなあと、推測するしかないですね。こうなると。 とりあえず、神族も元に戻りましたね。 フィーン、別空間から自力で戻ったんですよね? 多分アルティア君が行ったのは、 〃避難〃させたようなもので、〃監禁(ちょっと待て)〃じゃないはずですから、 元に戻れば自力で戻ってこられるようなものと思いますし。 何より、彼女が元に戻るのがスピネルさんが倒れた目安になりますよね。 人形状態の間の記憶ってあるのでしょうか。記憶があってハクアくんが 倒されたのを見ていたら、悲しかったでしょうね。 あとゼロスは一回どつきたいと思っていると思います(笑)受け止めずに 地べたに転がしてくれたお礼で(笑) ハクアくんの事は、アルティア君が倒していた場合のことを考えると、差し引きで 無理やり我慢するでしょうけど。(それでもしばらくは必要以上に顔見たくない でしょうね) 洗脳されずに味方になったフリして、悪魔と戦っていたドルノースさん……。 本当にさすがです。ルナ様はともかく、神族側は比較的人生(?)経験値の 少ない、言い換えれば「若い」者たちがあっさりと操られた感じですね。 また、書かれてませんでしたがシルバースさんも似たようなことしてたのでしょうか。 ゼロスの教育係なフィブリゾ君……。互いに影響しあって……って、良かったのか 悪かったのか。(汗)邪悪なフィブリゾ君の元凶はゼロスなのね(笑) 案外互いにとって、枷になって本来の力を押さえていた部分が、影響しあったことで 外れただけかもしれませんけど。 そして、プロローグ……。 セイラ・ルーンさんを始祖として、セイルーンが出来たんですね。 最後に始めに戻る……形としては結構好きです。 京極夏彦氏の「絡新婦(じょろうぐも)の理」はラストシーンで最初に戻る、 ラスト部分が最初にある形式でしたが、それを少し彷彿しました。 ☆メルカトル話 メルカトルシリーズの「水難」……あれはメルカトルより、ネタにつまった 小説家の方が怖いと思いました(笑) 「メルカトルと美袋の殺人」は摩耶雄嵩氏の側が、かなり一般に歩みよって 書いてますから、他とは趣が違うんですよね。本当に一般向けです。 推理物としても、かなりコアな方ですから(汗)……清涼院流水氏と並んで 講談社じゃなければ発掘しなかった(デビューできなかった)人材、と 言われてますから。(他社ではまず、無理。一般向けじゃないから) それでは、本当にお疲れさまでした。 この後、「TRY」に続く……のでしょうか。 何にせよ、次作を楽しみにしています。 それでは、この辺で失礼いたします。 |
25725 | Re:伝説は終わり、歴史が始まる……。 | 颪月夜ハイドラント URL | 2003/4/27 11:47:46 |
記事番号25721へのコメント >何となく、「銀英伝」ラストの台詞でタイトルを飾ってみる(笑) タイトル、何かで返そうと思いましたけど、無理でした。 >こんばんは。 こんばんは > >まず、お疲れさまでしたー! どうもです。 > >ポルテくんとスピネルさんの戦い……一応、スピネルさんが倒れたのは >確実なんですね。ポルテ君はどうなったのでしょうか。(相討ち?) まあ確実に滅んでます。 >素直におとなしく倒れる方には見えませんが……でも心中みたいな形で >「特別に一緒に滅んであげる」とか言い出しそうにも思えるんですよね。 一応、ここを書かなかったのはポルテ君が滅んだか滅んでないか分からないようにしたわけです。続くか分からないのですけど・・・。 >……はた迷惑な方ですが、どこかそう言う面もありそうな方でしたから。 まあそちらの可能性もあります。 >まあ、どちらにしても、魔族にとっても神族にとっても文字通り「雲の上の戦い」で >何があったのかなあと、推測するしかないですね。こうなると。 もう良いや。かも知れませんね。 >とりあえず、神族も元に戻りましたね。 はい。無事に・・・。 >フィーン、別空間から自力で戻ったんですよね? 多分アルティア君が行ったのは、 >〃避難〃させたようなもので、〃監禁(ちょっと待て)〃じゃないはずですから、 >元に戻れば自力で戻ってこられるようなものと思いますし。 一応どちらでも通るかと思います。アルティア君が後で取り出したのかも知れないですし。四次元ポシェット(なぜポシェット?)の要領で・・・。 >何より、彼女が元に戻るのがスピネルさんが倒れた目安になりますよね。 >人形状態の間の記憶ってあるのでしょうか。記憶があってハクアくんが >倒されたのを見ていたら、悲しかったでしょうね。 それは不明ですねえ。どちらにしても哀しみは受けてるようでしょうけど。 >あとゼロスは一回どつきたいと思っていると思います(笑)受け止めずに >地べたに転がしてくれたお礼で(笑) ゼロス悪ですからねえ。 フィブリゾ君がバシバシしごいてくれることを願うのみ。 >ハクアくんの事は、アルティア君が倒していた場合のことを考えると、差し引きで >無理やり我慢するでしょうけど。(それでもしばらくは必要以上に顔見たくない >でしょうね) まあそうですね。 > >洗脳されずに味方になったフリして、悪魔と戦っていたドルノースさん……。 >本当にさすがです。ルナ様はともかく、神族側は比較的人生(?)経験値の >少ない、言い換えれば「若い」者たちがあっさりと操られた感じですね。 そうですね。まあ上の方は正常にして置いた方が負の感情が集められたのかも知れませんけど・・・。 >また、書かれてませんでしたがシルバースさんも似たようなことしてたのでしょうか。 彼女は一応監禁状態にありました。 > >ゼロスの教育係なフィブリゾ君……。互いに影響しあって……って、良かったのか >悪かったのか。(汗)邪悪なフィブリゾ君の元凶はゼロスなのね(笑) 実はそうだったり >案外互いにとって、枷になって本来の力を押さえていた部分が、影響しあったことで >外れただけかもしれませんけど。 まあ真実は神(ポルテ君?)のみぞ知るということですね。すべて > >そして、プロローグ……。 なぜかプロローグです。 >セイラ・ルーンさんを始祖として、セイルーンが出来たんですね。 実は・・・。 >最後に始めに戻る……形としては結構好きです。 私も好きです。というか時間的にそーいう話も書きたい。 >京極夏彦氏の「絡新婦(じょろうぐも)の理」はラストシーンで最初に戻る、 >ラスト部分が最初にある形式でしたが、それを少し彷彿しました。 京極氏の作品、2,3発見致しました。 やはり厚めですね。 > >☆メルカトル話 >メルカトルシリーズの「水難」……あれはメルカトルより、ネタにつまった >小説家の方が怖いと思いました(笑) 確かに・・・推理作家って実際あんなこと考えているのでしょうか(おいおい) 後、タキシードで胡座掻いて真桑瓜、頬張るメルカトルを想像して何気に笑いました。 後、「ノスタルジア」の小寺警部達の最後の部分がメルを彷彿とさせました。やっぱり彼の書いた話ですね。にしてもあれを載せられた美袋はどうなってしまうのか・・・。 >「メルカトルと美袋の殺人」は摩耶雄嵩氏の側が、かなり一般に歩みよって >書いてますから、他とは趣が違うんですよね。本当に一般向けです。 まあ、翼ある闇とかかなり難解でしたし・・・。 >推理物としても、かなりコアな方ですから(汗)……清涼院流水氏と並んで >講談社じゃなければ発掘しなかった(デビューできなかった)人材、と >言われてますから。(他社ではまず、無理。一般向けじゃないから) えっ講談社って一般向けじゃなくても大丈夫なところなのですか。 全然しりませんでした。 (ちなみに現在は「痾」を読中。木更津さんお久しぶり。) > >それでは、本当にお疲れさまでした。 どうもです。 >この後、「TRY」に続く……のでしょうか。 ペースは落ちると思いますけど。 すべてはネタと体力と環境次第です。 >何にせよ、次作を楽しみにしています。 まあこれからはHPの方で長編を書いて、こちらで短編を投稿する形となるんじゃないかと思います。(お気づきかも知れませんが、この記事にURL載せました) >それでは、この辺で失礼いたします。 それでは本当にこれまでどうもありがとうございました。 感謝の言葉は語り尽くせません。 本当に本当にどうもありがとうございました。 |