◆−夢、幻の如くなり 序−棒太郎 (2003/4/15 09:39:14) No.25581 ┣新作♪ですね♪−猫楽者 (2003/4/16 01:40:19) No.25603 ┃┗Re:新作♪ですね♪−棒太郎 (2003/4/17 09:06:47) No.25619 ┣Re:夢、幻の如くなり 序−颪月夜ハイドラント (2003/4/17 14:46:55) No.25620 ┃┗Re:夢、幻の如くなり 序−棒太郎 (2003/4/18 22:57:39) No.25636 ┣夢、幻の如くなり 一−棒太郎 (2003/4/20 00:36:58) No.25655 ┃┗ぶらり旅(滝汗)−猫楽者 (2003/4/21 12:59:49) No.25664 ┃ ┗ゴールデンウィーク・・・・・(遠い目)−棒太郎 (2003/4/21 22:28:18) No.25669 ┣夢、幻の如くなり 二−棒太郎 (2003/4/22 00:15:22) No.25670 ┃┣Re:夢、幻の如くなり 二−颪月夜ハイドラント (2003/4/22 13:36:52) No.25672 ┃┃┗ありがとございます−棒太郎 (2003/4/23 22:21:16) No.25686 ┃┣ピンチです(汗)−猫楽者 (2003/4/22 23:06:35) No.25679 ┃┃┗ピンチっす−棒太郎 (2003/4/23 22:53:56) No.25688 ┃┗はじめまして−エモーション (2003/4/23 22:50:55) No.25687 ┃ ┗どうもありがとうございます−棒太郎 (2003/4/23 23:05:24) No.25689 ┣夢、幻の如くなり 三−棒太郎 (2003/4/24 01:11:17) No.25692 ┃┣Re:夢、幻の如くなり 三−エモーション (2003/4/25 20:56:12) No.25700 ┃┃┗Re:夢、幻の如くなり 三−棒太郎 (2003/4/26 13:31:32) No.25711 ┃┣デイルさん。ご無事でしょうか(汗)−猫楽者 (2003/4/25 22:42:45) No.25704 ┃┃┗Re:デイルさん。ご無事でしょうか(汗)−棒太郎 (2003/4/26 13:42:27) No.25712 ┃┗Re:夢、幻の如くなり 三−颪月夜ハイドラント (2003/4/26 16:26:02) No.25714 ┃ ┗Re:夢、幻の如くなり 三−棒太郎 (2003/4/27 13:13:27) No.25726 ┣夢、幻の如くなり 四−棒太郎 (2003/4/28 23:24:43) No.25752 ┃┣探し物はなんですか?−猫楽者 (2003/4/29 00:54:00) No.25755 ┃┃┗Re:探し物はなんですか?−棒太郎 (2003/4/29 23:29:02) No.25775 ┃┗ダルフィン様が健気です−エモーション (2003/4/29 22:03:27) No.25772 ┃ ┗Re:ダルフィン様が健気です−棒太郎 (2003/4/29 23:56:47) No.25776 ┗夢、幻の如くなり 五−棒太郎 (2003/4/30 01:45:20) No.25777 ┣予知夢でしょうか(汗)−猫楽者 (2003/4/30 18:50:12) No.25787 ┃┗Re:予知夢でしょうか(汗)−棒太郎 (2003/5/1 21:32:31) No.25812 ┣Re:夢、幻の如くなり 五−颪月夜ハイドラント (2003/4/30 19:29:58) No.25791 ┃┗Re:夢、幻の如くなり 五−棒太郎 (2003/5/1 21:39:23) No.25813 ┗デイルさん、ピンチ!−エモーション (2003/4/30 22:29:08) No.25799 ┗Re:デイルさん、ピンチ!−棒太郎 (2003/5/1 21:48:55) No.25815
25581 | 夢、幻の如くなり 序 | 棒太郎 | 2003/4/15 09:39:14 |
こんにちわ、棒太郎です。 また懲りずに書かせていただきます。 それでは。 ************************************* 『夢、幻の如くなり』 序 憂しもひととき、嬉しきも 思い醒ませば夢候よ 「海王さま〜〜〜、海王さま〜〜〜〜、どこですか〜〜〜〜!?」 魔海の深淵にある宮殿に、声が響く。 人の背丈はありそうなほど、積み重ねられた書類を抱えた少女が宮殿の廊下を走っていた。 「もう〜〜〜、どこにいっちゃったんですか〜〜〜(泣)海王さま〜〜〜!」 半泣きになりながら主の姿を探す。 「あ、そういえば―――」 ふと何かに気づいたようだ。 そのとき――― 「お邪魔します。海王さまはいらっしゃいますか?」 少女の目の前に獣神官、ゼロスが現れた。 「あ、ゼロスさま。海王さまはいらっしゃらないんです〜。この時期になるとフラリと何処かへ行かれて。」 「そうなんですか。まあ急ぎの用事ではないので出直してきます。」 そう言って去ろうとしたゼロスの肩を、少女はグワシッと掴んだ。 「ちょうどよかったです〜〜。ゼロスさま、この書類整理手伝ってください!」 「え?」 少女の抱える書類の量に目をやりながら、呆気に取られるゼロス。 「はやいところこれを終らせないといけないんです。優秀有能なゼロスさまがいれば鬼に金棒です〜〜。」 「え、あの僕はですね―――」 「そうと決まれば早いところいきましょう。まだこれは氷山の一角ですから〜〜。」 「ちょっと待ってくださ〜〜〜〜い(泣)」 廊下には、ずるずると引っ張られていくゼロスの声がただ響くのみだった。 静かに風が通り抜ける小さな原野。 そこに、場違いともいえる姿の人影があった。 美しい蒼のドレスを身に纏った美女。 憂いの色を宿すその瞳は、目の前の朽ちた小さな塚に向けられていた。 やがて女性はその塚に寄り添うように、大地に身を横たえた。 「・・・・・・・風が・・優しいですわね・・・・・・・」 そっと呟いた。 「・・・幾星霜の時が経とうとも、あの頃と同じですわ・・・・・・」 静かに優しく塚に語りかけた。 そうして女性――海王ダルフィンは静かに目を閉じた。 ************************************* えらく中途ですが、とりあえずは書き出しを。 なんでダルフィンなのかは聞かないで下さい。 自分でもわからないので。 では。 |
25603 | 新作♪ですね♪ | 猫楽者 E-mail | 2003/4/16 01:40:19 |
記事番号25581へのコメント >こんにちわ、棒太郎です。 >また懲りずに書かせていただきます。 >それでは。 こんばんは、棒太郎さん。 お元気ですか、猫楽者です。 新作♪ですね。読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしておりました♪ >「お邪魔します。海王さまはいらっしゃいますか?」 >少女の目の前に獣神官、ゼロスが現れた。 >「あ、ゼロスさま。海王さまはいらっしゃらないんです〜。この時期になるとフラリと何処かへ行かれて。」 毎年、この時期に何処かへお出かけになる海王さま。 直属(だと思ってしまいました)の少女に、行き先も、何をしに行くのかも告げずに 何処に行かれるのか、気になります。 >「そうなんですか。まあ急ぎの用事ではないので出直してきます。」 >そう言って去ろうとしたゼロスの肩を、少女はグワシッと掴んだ。 >「ちょうどよかったです〜〜。ゼロスさま、この書類整理手伝ってください!」 海王さま。お仕事がたまってしまっているようですよ。 少女が、思わずゼロスさんに手伝いを依頼する程、仕事が沢山あるのですね。 >「え?」 >少女の抱える書類の量に目をやりながら、呆気に取られるゼロス。 >「はやいところこれを終らせないといけないんです。優秀有能なゼロスさまがいれば鬼に金棒です〜〜。」 優秀・・・・・有能・・・・・う〜ん・・・・。 確かにゼロスさんは、優秀で有能なのでしょうね。 どうも普段のリナさんたちと漫才しているイメージが強すぎて 一瞬戸惑ってしまいました(笑) >「え、あの僕はですね―――」 >「そうと決まれば早いところいきましょう。まだこれは氷山の一角ですから〜〜。」 >「ちょっと待ってくださ〜〜〜〜い(泣)」 >廊下には、ずるずると引っ張られていくゼロスの声がただ響くのみだった。 不幸(笑)・・・・何の御用で海王さまにお会いになるハズだったのかは、わかりませんが 有無を言わさずお手伝い決定、してしまっていますね〜(笑) この少女も、流石は海王さまの配下の方です。 『あの』ゼロスさんが完全にペースを乱されてしまっていますね〜(笑) >静かに風が通り抜ける小さな原野。 >そこに、場違いともいえる姿の人影があった。 >美しい蒼のドレスを身に纏った美女。 >憂いの色を宿すその瞳は、目の前の朽ちた小さな塚に向けられていた。 忘れ去られたような朽ちた小さな塚。 この塚には、海王さまの大切な方が眠っておられるのでしょうか。 >やがて女性はその塚に寄り添うように、大地に身を横たえた。 >「・・・・・・・風が・・優しいですわね・・・・・・・」 >そっと呟いた。 >「・・・幾星霜の時が経とうとも、あの頃と同じですわ・・・・・・」 >静かに優しく塚に語りかけた。 >そうして女性――海王ダルフィンは静かに目を閉じた。 遥かな昔に、何があったのでしょうか。 魔族。しかも魔王さまの腹心のお一人。 この世界でも5本の指に入るほどの力を持った、海王さまの過去にどんなことがあったのでしょうか。 塚に寄り添い、目を閉じて遥かな昔のことを思い出しているのでしょうか。 そのお姿は、過ぎ去ってしまった時に想いを寄せる優しいひとりの女性ですね。 >えらく中途ですが、とりあえずは書き出しを。 >なんでダルフィンなのかは聞かないで下さい。 >自分でもわからないので。 >では。 書類の山に埋もれて、書類整理をしているゼロスさん(笑) そして、過去に想いを馳せる海王さま。 塚に眠る方との間に、なにがあったのか。 続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。 季節の変わり目ですので、風邪などお体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
25619 | Re:新作♪ですね♪ | 棒太郎 | 2003/4/17 09:06:47 |
記事番号25603へのコメント >こんばんは、棒太郎さん。 >お元気ですか、猫楽者です。 >新作♪ですね。読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしておりました♪ こんにちわ、猫楽者さん。 『黒邪の王』完結させて間もなく、書き始めてしまいました。 どうぞ、よろしくです。 >>「お邪魔します。海王さまはいらっしゃいますか?」 >>少女の目の前に獣神官、ゼロスが現れた。 >>「あ、ゼロスさま。海王さまはいらっしゃらないんです〜。この時期になるとフラリと何処かへ行かれて。」 > >毎年、この時期に何処かへお出かけになる海王さま。 >直属(だと思ってしまいました)の少女に、行き先も、何をしに行くのかも告げずに >何処に行かれるのか、気になります。 この少女、恐らく海王直属のひとでしょう。 毎年の主の行動について、主に尋ねたことはありません。 >>「そうなんですか。まあ急ぎの用事ではないので出直してきます。」 >>そう言って去ろうとしたゼロスの肩を、少女はグワシッと掴んだ。 >>「ちょうどよかったです〜〜。ゼロスさま、この書類整理手伝ってください!」 > >海王さま。お仕事がたまってしまっているようですよ。 >少女が、思わずゼロスさんに手伝いを依頼する程、仕事が沢山あるのですね。 普段から仕事を溜めがちにしているようです。 知りに火がついてから動くタイプですね。 >>「え?」 >>少女の抱える書類の量に目をやりながら、呆気に取られるゼロス。 >>「はやいところこれを終らせないといけないんです。優秀有能なゼロスさまがいれば鬼に金棒です〜〜。」 > >優秀・・・・・有能・・・・・う〜ん・・・・。 >確かにゼロスさんは、優秀で有能なのでしょうね。 >どうも普段のリナさんたちと漫才しているイメージが強すぎて >一瞬戸惑ってしまいました(笑) 周りの人によってその人のイメージが定着してしまうことがありますからね。 >>「え、あの僕はですね―――」 >>「そうと決まれば早いところいきましょう。まだこれは氷山の一角ですから〜〜。」 >>「ちょっと待ってくださ〜〜〜〜い(泣)」 >>廊下には、ずるずると引っ張られていくゼロスの声がただ響くのみだった。 > >不幸(笑)・・・・何の御用で海王さまにお会いになるハズだったのかは、わかりませんが >有無を言わさずお手伝い決定、してしまっていますね〜(笑) >この少女も、流石は海王さまの配下の方です。 >『あの』ゼロスさんが完全にペースを乱されてしまっていますね〜(笑) やはりゼロスのキホンアビリティは『不幸』ですね(笑) >>静かに風が通り抜ける小さな原野。 >>そこに、場違いともいえる姿の人影があった。 >>美しい蒼のドレスを身に纏った美女。 >>憂いの色を宿すその瞳は、目の前の朽ちた小さな塚に向けられていた。 > >忘れ去られたような朽ちた小さな塚。 >この塚には、海王さまの大切な方が眠っておられるのでしょうか。 うぬ・・・・鋭い・・・・・・・ >>やがて女性はその塚に寄り添うように、大地に身を横たえた。 >>「・・・・・・・風が・・優しいですわね・・・・・・・」 >>そっと呟いた。 >>「・・・幾星霜の時が経とうとも、あの頃と同じですわ・・・・・・」 >>静かに優しく塚に語りかけた。 >>そうして女性――海王ダルフィンは静かに目を閉じた。 > >遥かな昔に、何があったのでしょうか。 >魔族。しかも魔王さまの腹心のお一人。 >この世界でも5本の指に入るほどの力を持った、海王さまの過去にどんなことがあったのでしょうか。 >塚に寄り添い、目を閉じて遥かな昔のことを思い出しているのでしょうか。 >そのお姿は、過ぎ去ってしまった時に想いを寄せる優しいひとりの女性ですね。 次回、その過去が語られます。 それとどっかで見たようなひともでてきます。 >>えらく中途ですが、とりあえずは書き出しを。 >>なんでダルフィンなのかは聞かないで下さい。 >>自分でもわからないので。 >>では。 > >書類の山に埋もれて、書類整理をしているゼロスさん(笑) >そして、過去に想いを馳せる海王さま。 >塚に眠る方との間に、なにがあったのか。 >続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。 > >季節の変わり目ですので、風邪などお体にお気を付けて、お元気で。 >では、失礼します。 いつも拙作を読んでくださってありがとうございます。 ようやく花粉症も下火になり、過ごしやすい季節になってきました。 やっぱり春はいい。 それでは。 |
25620 | Re:夢、幻の如くなり 序 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/17 14:46:55 |
記事番号25581へのコメント こんばんは はじめましてですか?ですね恐らく。 颪月夜ハイドラント(おろしつくよのはいどらんと)でございます。 >また懲りずに書かせていただきます。 私の方が何十倍も懲りてないやつなので何の問題もないですよ。(何) > 憂しもひととき、嬉しきも > > > 思い醒ませば夢候よ どんな物語なのですかねえ。 儚げな感じですけど温かいっていうか、私としてはそんな風に思えますが・・・。 >「お邪魔します。海王さまはいらっしゃいますか?」 >少女の目の前に獣神官、ゼロスが現れた。 ううむ何ごとでしょうか? 大変な事態か、それとも日常的なものか? >「ちょうどよかったです〜〜。ゼロスさま、この書類整理手伝ってください!」 >「え?」 >少女の抱える書類の量に目をやりながら、呆気に取られるゼロス。 >「はやいところこれを終らせないといけないんです。優秀有能なゼロスさまがいれば鬼に金棒です〜〜。」 >「え、あの僕はですね―――」 >「そうと決まれば早いところいきましょう。まだこれは氷山の一角ですから〜〜。」 >「ちょっと待ってくださ〜〜〜〜い(泣)」 ゼロス・・・哀しい性か? >「・・・幾星霜の時が経とうとも、あの頃と同じですわ・・・・・・」 >静かに優しく塚に語りかけた。 これが序文辺りに関連しているようですね。 過去が語られていくタイプのお話なのですかね? それではこれで失礼致します。 |
25636 | Re:夢、幻の如くなり 序 | 棒太郎 | 2003/4/18 22:57:39 |
記事番号25620へのコメント >こんばんは >はじめましてですか?ですね恐らく。 >颪月夜ハイドラント(おろしつくよのはいどらんと)でございます。 こんばんわ。 はじめまして、棒太郎といいます。 >>また懲りずに書かせていただきます。 >私の方が何十倍も懲りてないやつなので何の問題もないですよ。(何) ありがとうございます。それにしても颪月夜ハイドラントさんは凄い執筆量ですね。感心します。 >> 憂しもひととき、嬉しきも >> >> >> 思い醒ませば夢候よ >どんな物語なのですかねえ。 >儚げな感じですけど温かいっていうか、私としてはそんな風に思えますが・・・。 そのようなお言葉を頂けると、なんだか恥ずかしいです。 >>「お邪魔します。海王さまはいらっしゃいますか?」 >>少女の目の前に獣神官、ゼロスが現れた。 >ううむ何ごとでしょうか? >大変な事態か、それとも日常的なものか? ゼロスの訪問は、日常的なものに入ります。 >>「ちょうどよかったです〜〜。ゼロスさま、この書類整理手伝ってください!」 >>「え?」 >>少女の抱える書類の量に目をやりながら、呆気に取られるゼロス。 >>「はやいところこれを終らせないといけないんです。優秀有能なゼロスさまがいれば鬼に金棒です〜〜。」 >>「え、あの僕はですね―――」 >>「そうと決まれば早いところいきましょう。まだこれは氷山の一角ですから〜〜。」 >>「ちょっと待ってくださ〜〜〜〜い(泣)」 >ゼロス・・・哀しい性か? 哀しい性です(笑) 彼はそういう星の下に生まれたんですよ。 >>「・・・幾星霜の時が経とうとも、あの頃と同じですわ・・・・・・」 >>静かに優しく塚に語りかけた。 >これが序文辺りに関連しているようですね。 >過去が語られていくタイプのお話なのですかね? そうです。 次から過去の話になります。 >それではこれで失礼致します。 感想どうもありがとうございました。 颪月夜ハイドラントさんも頑張ってください。 それでは。 |
25655 | 夢、幻の如くなり 一 | 棒太郎 | 2003/4/20 00:36:58 |
記事番号25581へのコメント こんばんわ、『怒首領蜂』にのめり込んでる棒太郎です。 ゲームする時間がなかなか取れなくて苦労します。 今回、どこかでみたことのあるような人がでます。 また別なものだと思ってください。 ではつづきをばどうぞ。 ************************************* 『夢、幻の如くなり』 一 険しいとはいえないが、かといって楽に歩けるわけでもない山道。 標準的な旅の装備ならそれほど苦しいほどでもない。 だが今、その道を歩いている者の姿は、まったくもって場違いなものであった。 まるで王族のような豪華絢爛ともいえる蒼いドレス。 そしてそれを纏っているのはこのよう所にいるのは、とても考えられない蒼い髪の女性だった。 だが、女性の纏うドレスはあちこちが汚れ、スカートの裾が擦り切れていた。 また、女性の顔には憔悴の色が濃く出ていた。 誰が思うであろう。 この女性が、赤眼の魔王の腹心のひとり、海王ダルフィンということを。 ダルフィンはふらついて倒れそうになる体をなんとか支え、近くの木の幹にもたれかかった。 そうして視線をどこに合わせるでもなく、遠くをみやった。 「く・・・・・・この、私が・・・・・・・・」 途切れ途切れの声で呟いた。 「ああ、暇ですわ。暇ですわ。」 はあっと小さく溜息をつきながら、ダルフィンは声をあげた。 神魔戦争が終結してから300年。 台風一過のようなもので、神族も魔族も大人しいものだった。 神族も魔族も互いのトップが相打ちになったものだから、それぞれ内部のとりまとめを優先に行っていた。 争いがあるといえば、下級のものの小競り合いのようなものぐらいだった。 そうした中で、いち早く仕事を自分の部下に任せたダルフィンはおおいに暇を持て余していた。 「まったくもって暇ですわ。ゼラスたちは相手にしてくれないですし――」 ぶつぶつと文句を言う。 その彼女の足元には、おびただしい数の屍骸が転がっていた。 竜やエルフなど様々な種族がいた。 「こんな奴らでは遊び相手にもありませんわ。」 そう言い、小さく欠伸をする。 「もう少し楽しめそうなのはいないのかしら――」 「ほうほう。お暇ですか、お嬢さん。」 不意に聞こえた声に、ダルフィンは先程までとは打って変わって真剣な顔つきで振り向いた。 そこには一人の男が立っていた。 長身痩躯の、燃え上がる炎のような目の、夜の闇よりも黒々とした男であった。 「何者ですの?」 油断なく構えながらダルフィンは目の前の男に問うた。 男の声がするまで、辺りに一切の気配を感じなかった。 「何者、といわれましても。いろいろと言われてますがね。」 ニィッと男が笑った。 「尊者チャンドラプトラ、アンブローズ=デクスター、ナイ神父etc、etc、お好きなのをお選びください。」 愉快そうに男は言う。 「異界の者が何しに来たんですの?勝手にこの世界をうろつかないで欲しいですわね。」 「やれやれ、随分な言い草ですね。ちょっとぶらり旅をしてるだけですのに。」 男は笑みを崩さず、ダルフィンを見ながら大げさに肩を竦める。 「少し力があると思っていると痛い目をみますわよ。」 「ほほう、それはそれは。どういうものか是非お教え願いたいものですな。」 ダルフィンを挑発するかのように、男は軽く笑う。 「その言葉!後悔するな!」 そう叫ぶやダルフィンから強烈な力が迸る。 男に向かって両手をかざすや、凄まじい力の奔流が男に襲いかかった。 次々と畳み掛けるように男へ向かって、放たれる。 肉の千切れ飛ぶイヤな音がする。 やがてダルフィンが両手を下げた。 その向こうには奇怪な肉のオブジェといえる男の変わり果てた姿があった。 首の上に僅かに残った下顎、右肩はえぐれ、脇の部分の皮で微かに繋がっている右腕、左の肩から脇腹にかけては無惨に抉れ飛び、両足も体を支えて立っているのが不思議なほど襤褸のように千切れていた。 そんな男の姿を見て、ダルフィンは嘲るように笑った。 「ふん、暇つぶしにもなりませんでしたわね―――」 彼女がそう言って笑った時――― クク クカカ クカカカカカカカカカカカ 笑い声が響いた。 よく聞くとそれは男の体から発せられていた。 「これが―――――これが海王と名乗る者の実力?―――――これではクトゥルーにすら及ばぬ――――――」 クカカカカと男の残骸が笑う。 「な―――」 ダルフィンが絶句した。 男の体から闇が噴き出したかと思うと、それは蠢く肉の塊へと変わっていった。 そして触腕や鍵爪が伸びたり縮んだりしている。 右肩の抉れた痕からは顔のない円錐形の塊が現れ不気味な咆哮をあげていた。 また別のところからは真っ黒な柔毛を持った野獣のような顔が、緑の目を光らせて覗いていた。 「くっ!!」 ダルフィンは再び力を放つが、それはいとも簡単に弾けとんだ。 「馬鹿な・・・・・!!お前は・・・・お前は何者だ!!?」 彼女の全身を、恐らくほとんど感じたことのない感情―――恐怖が迸っていた。 「我が名はナイアルラトホテップ!闇の使者なり!無貌にして千の顔を持つもの、絶望と破滅を運ぶものなり!」 男―――ナイアルラトホテップの高らかな声が響き渡った。 「愚かな、そして哀しきものよ!汝を駆り立てた運命に泣き喚け!」 そう聞いた瞬間、体が微塵に引き裂かれるような凄まじい衝撃がダルフィンを襲った。 「――――――っ!!!????」 声なき声をあげて絶叫する。 「ふふふ、貴女に面白い座興をプレゼントしましょう。」 イカヅチが貫いたような衝撃がダルフィンの体を走り、彼女は後ろへ吹き飛んだ。 「くくく、今より貴女は人間のように大地を這いまわり、一日の糧を得るために一つしかない命を削るのです。」 いつの間にか、先程と変わらぬ長身痩躯の漆黒の男の姿のナイアルラトホテップが、笑いながらそう言った。 「う・・・・・・・く・・・・・・」 「ではごきげんよう、お嬢さん。」 高らかな笑い声を残して、ナイアルラトホテップの姿は掻き消すように消えた。 崩れ落ちそうになる体を木の幹に預け、ダルフィンは荒い呼吸を鎮めようとした。 『人間のように大地を這いまわり、一日の糧を得るために一つしかない命を削るのです』 ナイアルラトホテップの声が頭に響く。 (く・・・・・・ナイアルラトホテップめ・・・・・私を”人間”にしたというのか・・・・・・) 苦痛と屈辱に顔が歪む。 事実、彼女の力は跡形も無くなくなっていた。 (このまま・・・・・・終ってなるものか・・・・・・・・) 到底休まったと思えぬ体を起こし、再び歩き出した。 ************************************* さて、本編でした。 なんかまた長くなりそうな予感が・・・・・・・・ あと『這い寄る混沌』。結構でしゃばりなのね。 それでは、また次回で。 |
25664 | ぶらり旅(滝汗) | 猫楽者 E-mail | 2003/4/21 12:59:49 |
記事番号25655へのコメント >こんばんわ、『怒首領蜂』にのめり込んでる棒太郎です。 >ゲームする時間がなかなか取れなくて苦労します。 こんにちは、棒太郎さん。 お元気ですか、猫楽者です。 海王さまの物語。続きをお待ちしておりました♪ すいません。遅くなってしまいましたが、感想の書込みをさせて頂きます。 ここ数年間・・・・ゲーム・・・・していないような(汗) 最後にしたゲームは・・・・・サンパギータや・・・・ドラクエ・モンスターズ・・・・だったような(汗) >まるで王族のような豪華絢爛ともいえる蒼いドレス。 >そしてそれを纏っているのはこのよう所にいるのは、とても考えられない蒼い髪の女性だった。 >だが、女性の纏うドレスはあちこちが汚れ、スカートの裾が擦り切れていた。 >また、女性の顔には憔悴の色が濃く出ていた。 > >誰が思うであろう。 >この女性が、赤眼の魔王の腹心のひとり、海王ダルフィンということを。 > >ダルフィンはふらついて倒れそうになる体をなんとか支え、近くの木の幹にもたれかかった。 >そうして視線をどこに合わせるでもなく、遠くをみやった。 >「く・・・・・・この、私が・・・・・・・・」 >途切れ途切れの声で呟いた。 ドレスが汚れ・・・・・裾が擦り切れている(汗) 魔族である海王さまは、身に付けている服も御自身の一部、それが汚れ擦り切れている。 桁外れの力を御持ちの海王さまが、ここまでの状態になってしまうとは、いったいなにが(汗) >「ああ、暇ですわ。暇ですわ。」 >はあっと小さく溜息をつきながら、ダルフィンは声をあげた。 >神魔戦争が終結してから300年。 >台風一過のようなもので、神族も魔族も大人しいものだった。 >神族も魔族も互いのトップが相打ちになったものだから、それぞれ内部のとりまとめを優先に行っていた。 魔族側は、冥王さまを代表として腹心の方々を中心とした体制。 神族側は、4人の竜王さまが中心とした体制。 冥王さまが一応トップの役をなさる魔族側よりも 同等の力をもった竜王さまの合意制となる神族側の方が、なにをするにしても時間が掛かりそうですね。 神族と言っても、一枚岩ではなく、上の方の指示に素直に従うとは限りませんし。 >争いがあるといえば、下級のものの小競り合いのようなものぐらいだった。 >そうした中で、いち早く仕事を自分の部下に任せたダルフィンはおおいに暇を持て余していた。 >「まったくもって暇ですわ。ゼラスたちは相手にしてくれないですし――」 >ぶつぶつと文句を言う。 あの〜、海王さま・・・・・そんなにお暇なのでしたら・・・・。 部下の方々のお仕事・・・・手伝って差し上げたら如何でしょうか(汗) ゼラスさまとゼロスさんは、お忙しくて海王さまのお相手は出来ないのですね。 >「何者ですの?」 >油断なく構えながらダルフィンは目の前の男に問うた。 >男の声がするまで、辺りに一切の気配を感じなかった。 >「何者、といわれましても。いろいろと言われてますがね。」 >ニィッと男が笑った。 >「尊者チャンドラプトラ、アンブローズ=デクスター、ナイ神父etc、etc、お好きなのをお選びください。」 >愉快そうに男は言う。 あああああああああああああああ(汗) な・・・・なんで。このお方が(滝汗) >「異界の者が何しに来たんですの?勝手にこの世界をうろつかないで欲しいですわね。」 >「やれやれ、随分な言い草ですね。ちょっとぶらり旅をしてるだけですのに。」 >男は笑みを崩さず、ダルフィンを見ながら大げさに肩を竦める。 >「少し力があると思っていると痛い目をみますわよ。」 >「ほほう、それはそれは。どういうものか是非お教え願いたいものですな。」 >ダルフィンを挑発するかのように、男は軽く笑う。 >「その言葉!後悔するな!」 >そう叫ぶやダルフィンから強烈な力が迸る。 >男に向かって両手をかざすや、凄まじい力の奔流が男に襲いかかった。 ダ・・・・・ダルフィンさま。誇り高い腹心の方としては、当然の事として攻撃なさったのかも知れませんが(汗) お相手は、楽々と異界から“ぶらり旅”に来られる程の方。 しかも・・・・・邪神の方々の中でも・・・・1〜2の実力をお持ちの方・・・・・・。 そして・・・・・ナイさま。もしかしまして、ご自分の『力』を隠して海王さまが、どんな反応をするのか。 試したのでしょうか。 >やがてダルフィンが両手を下げた。 >その向こうには奇怪な肉のオブジェといえる男の変わり果てた姿があった。 >首の上に僅かに残った下顎、右肩はえぐれ、脇の部分の皮で微かに繋がっている右腕、左の肩から脇腹にかけては無惨に抉れ飛び、両足も体を支えて立っているのが不思議なほど襤褸のように千切れていた。 >そんな男の姿を見て、ダルフィンは嘲るように笑った。 >「ふん、暇つぶしにもなりませんでしたわね―――」 >彼女がそう言って笑った時――― > > クク クカカ クカカカカカカカカカカカ > >笑い声が響いた。 >よく聞くとそれは男の体から発せられていた。 >「これが―――――これが海王と名乗る者の実力?―――――これではクトゥルーにすら及ばぬ――――――」 >クカカカカと男の残骸が笑う。 さ・・・・・流石は・・・・・如何なる世界で如何なる姿になろうとも、生き続ける事が出来る、御方。 あの海王さまの攻撃が、ほとんどダメージを与えることが出来なかったのですね。 クトゥルーさまは『水の主神』として、『世界』を手にする為に、他の邪神の方々と壮絶な戦いをなさる方。 海王さまは魔王さまの腹心のおひとり、とはいえ・・・・・使える『力』の桁が違うのでしょうね。 >「な―――」 >ダルフィンが絶句した。 >男の体から闇が噴き出したかと思うと、それは蠢く肉の塊へと変わっていった。 >そして触腕や鍵爪が伸びたり縮んだりしている。 >右肩の抉れた痕からは顔のない円錐形の塊が現れ不気味な咆哮をあげていた。 >また別のところからは真っ黒な柔毛を持った野獣のような顔が、緑の目を光らせて覗いていた。 >「くっ!!」 >ダルフィンは再び力を放つが、それはいとも簡単に弾けとんだ。 先程は、攻撃を受けて見せ、そこからあっさりと復活し 今回は、攻撃そのものを無効にする・・・・・・。 ナイさま・・・・・・楽しんでますね。 >「馬鹿な・・・・・!!お前は・・・・お前は何者だ!!?」 >彼女の全身を、恐らくほとんど感じたことのない感情―――恐怖が迸っていた。 >「我が名はナイアルラトホテップ!闇の使者なり!無貌にして千の顔を持つもの、絶望と破滅を運ぶものなり!」 >男―――ナイアルラトホテップの高らかな声が響き渡った。 >「愚かな、そして哀しきものよ!汝を駆り立てた運命に泣き喚け!」 >そう聞いた瞬間、体が微塵に引き裂かれるような凄まじい衝撃がダルフィンを襲った。 >「――――――っ!!!????」 >声なき声をあげて絶叫する。 誇らしげに、自らの御名前を告げる、ナイアルラトホテップさま。 もしかしましたら・・・・・魔王さまや赤の竜神さまよりも、お強いのでは(汗) そして、そのナイアルラトホテップさまの一撃を受けても滅びないとは、流石は海王さまですね。 >「ふふふ、貴女に面白い座興をプレゼントしましょう。」 >イカヅチが貫いたような衝撃がダルフィンの体を走り、彼女は後ろへ吹き飛んだ。 >「くくく、今より貴女は人間のように大地を這いまわり、一日の糧を得るために一つしかない命を削るのです。」 >いつの間にか、先程と変わらぬ長身痩躯の漆黒の男の姿のナイアルラトホテップが、笑いながらそう言った。 >「う・・・・・・・く・・・・・・」 >「ではごきげんよう、お嬢さん。」 >高らかな笑い声を残して、ナイアルラトホテップの姿は掻き消すように消えた。 > > >崩れ落ちそうになる体を木の幹に預け、ダルフィンは荒い呼吸を鎮めようとした。 >『人間のように大地を這いまわり、一日の糧を得るために一つしかない命を削るのです』 >ナイアルラトホテップの声が頭に響く。 >(く・・・・・・ナイアルラトホテップめ・・・・・私を”人間”にしたというのか・・・・・・) >苦痛と屈辱に顔が歪む。 >事実、彼女の力は跡形も無くなくなっていた。 >(このまま・・・・・・終ってなるものか・・・・・・・・) >到底休まったと思えぬ体を起こし、再び歩き出した。 に・・・・・人間!? 海王さまを人間にしてしまったのですか・・・・・・(汗) やはり・・・・ナイアルラトホテップさまは、桁外れのお力をお持ちなのですね。 >さて、本編でした。 >なんかまた長くなりそうな予感が・・・・・・・・ 異界の邪神の力で、人間にされてしまった海王さま。 空間を渡ることも、自らの『力』を使うことも出来なくなってしまったのですね。 手に短剣の1本も無く。魔法・・・・・・も、使えないのでしょうか。 この辺りの地理にも、詳しくなく。お金も無いような状態で 海王さま・・・・・どうなってしまうのでしょうか。 続きが〜続きが、とても気になります〜。 海王さまの部下の方々が、1刻でも早く、海王さまの異変を察知してくださると良いのですが。 >あと『這い寄る混沌』。結構でしゃばりなのね。 ナイアルラトホテップさまは、偶然この世界へと旅に来られたのでしょうか。 >それでは、また次回で。 遅くなってしまいました。 お昼休みに、こそこそと書き込ませて頂いております(笑) あと10日ほどで、ゴールデンウィークになりますね。 暖かくなりましたが、お体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
25669 | ゴールデンウィーク・・・・・(遠い目) | 棒太郎 | 2003/4/21 22:28:18 |
記事番号25664へのコメント >こんにちは、棒太郎さん。 >お元気ですか、猫楽者です。 >海王さまの物語。続きをお待ちしておりました♪ >すいません。遅くなってしまいましたが、感想の書込みをさせて頂きます。 こんばんわ、猫楽者さん。 いつも拙作を読んでいただきありがとうございます。 >ここ数年間・・・・ゲーム・・・・していないような(汗) >最後にしたゲームは・・・・・サンパギータや・・・・ドラクエ・モンスターズ・・・・だったような(汗) わたしも以前よりやらなくなりましたねぇ。というか時間がないです。 >ドレスが汚れ・・・・・裾が擦り切れている(汗) >魔族である海王さまは、身に付けている服も御自身の一部、それが汚れ擦り切れている。 >桁外れの力を御持ちの海王さまが、ここまでの状態になってしまうとは、いったいなにが(汗) いきなりえらいことになってます。 こんな状態になるのってあまりにありえないことですからね。 >>神魔戦争が終結してから300年。 >>台風一過のようなもので、神族も魔族も大人しいものだった。 >>神族も魔族も互いのトップが相打ちになったものだから、それぞれ内部のとりまとめを優先に行っていた。 > >魔族側は、冥王さまを代表として腹心の方々を中心とした体制。 >神族側は、4人の竜王さまが中心とした体制。 >冥王さまが一応トップの役をなさる魔族側よりも >同等の力をもった竜王さまの合意制となる神族側の方が、なにをするにしても時間が掛かりそうですね。 >神族と言っても、一枚岩ではなく、上の方の指示に素直に従うとは限りませんし。 そうですね。なんか神族側って結構後手、後手にまわってるような気がします。 >>争いがあるといえば、下級のものの小競り合いのようなものぐらいだった。 >>そうした中で、いち早く仕事を自分の部下に任せたダルフィンはおおいに暇を持て余していた。 >>「まったくもって暇ですわ。ゼラスたちは相手にしてくれないですし――」 >>ぶつぶつと文句を言う。 > >あの〜、海王さま・・・・・そんなにお暇なのでしたら・・・・。 >部下の方々のお仕事・・・・手伝って差し上げたら如何でしょうか(汗) >ゼラスさまとゼロスさんは、お忙しくて海王さまのお相手は出来ないのですね。 暇暇言ってる割には、仕事をしようという気はゼロです。 なんて上司だ・・・・・・・・ >>「何者ですの?」 >>油断なく構えながらダルフィンは目の前の男に問うた。 >>男の声がするまで、辺りに一切の気配を感じなかった。 >>「何者、といわれましても。いろいろと言われてますがね。」 >>ニィッと男が笑った。 >>「尊者チャンドラプトラ、アンブローズ=デクスター、ナイ神父etc、etc、お好きなのをお選びください。」 >>愉快そうに男は言う。 > >あああああああああああああああ(汗) >な・・・・なんで。このお方が(滝汗) なははははは・・・・・・また出ちゃいました。このひと・・・・・ >>「異界の者が何しに来たんですの?勝手にこの世界をうろつかないで欲しいですわね。」 >>「やれやれ、随分な言い草ですね。ちょっとぶらり旅をしてるだけですのに。」 >>男は笑みを崩さず、ダルフィンを見ながら大げさに肩を竦める。 >>「少し力があると思っていると痛い目をみますわよ。」 >>「ほほう、それはそれは。どういうものか是非お教え願いたいものですな。」 >>ダルフィンを挑発するかのように、男は軽く笑う。 >>「その言葉!後悔するな!」 >>そう叫ぶやダルフィンから強烈な力が迸る。 >>男に向かって両手をかざすや、凄まじい力の奔流が男に襲いかかった。 > >ダ・・・・・ダルフィンさま。誇り高い腹心の方としては、当然の事として攻撃なさったのかも知れませんが(汗) >お相手は、楽々と異界から“ぶらり旅”に来られる程の方。 >しかも・・・・・邪神の方々の中でも・・・・1〜2の実力をお持ちの方・・・・・・。 >そして・・・・・ナイさま。もしかしまして、ご自分の『力』を隠して海王さまが、どんな反応をするのか。 >試したのでしょうか。 はい、この男、はっきり言ってからかって遊んでます。 >>「ふん、暇つぶしにもなりませんでしたわね―――」 >>彼女がそう言って笑った時――― >> >> クク クカカ クカカカカカカカカカカカ >> >>笑い声が響いた。 >>よく聞くとそれは男の体から発せられていた。 >>「これが―――――これが海王と名乗る者の実力?―――――これではクトゥルーにすら及ばぬ――――――」 >>クカカカカと男の残骸が笑う。 > >さ・・・・・流石は・・・・・如何なる世界で如何なる姿になろうとも、生き続ける事が出来る、御方。 >あの海王さまの攻撃が、ほとんどダメージを与えることが出来なかったのですね。 >クトゥルーさまは『水の主神』として、『世界』を手にする為に、他の邪神の方々と壮絶な戦いをなさる方。 >海王さまは魔王さまの腹心のおひとり、とはいえ・・・・・使える『力』の桁が違うのでしょうね。 どうも邪神のほうが力が上みたいですね。 まあ、太古から旧神と戦ってきてますからね。 >>「な―――」 >>ダルフィンが絶句した。 >>男の体から闇が噴き出したかと思うと、それは蠢く肉の塊へと変わっていった。 >>そして触腕や鍵爪が伸びたり縮んだりしている。 >>右肩の抉れた痕からは顔のない円錐形の塊が現れ不気味な咆哮をあげていた。 >>また別のところからは真っ黒な柔毛を持った野獣のような顔が、緑の目を光らせて覗いていた。 >>「くっ!!」 >>ダルフィンは再び力を放つが、それはいとも簡単に弾けとんだ。 > >先程は、攻撃を受けて見せ、そこからあっさりと復活し >今回は、攻撃そのものを無効にする・・・・・・。 >ナイさま・・・・・・楽しんでますね。 はい。猫が捕まえた獲物を弄ぶような感じです。 いやらしいくらい楽しんでます。 >>「馬鹿な・・・・・!!お前は・・・・お前は何者だ!!?」 >>彼女の全身を、恐らくほとんど感じたことのない感情―――恐怖が迸っていた。 >>「我が名はナイアルラトホテップ!闇の使者なり!無貌にして千の顔を持つもの、絶望と破滅を運ぶものなり!」 >>男―――ナイアルラトホテップの高らかな声が響き渡った。 >>「愚かな、そして哀しきものよ!汝を駆り立てた運命に泣き喚け!」 >>そう聞いた瞬間、体が微塵に引き裂かれるような凄まじい衝撃がダルフィンを襲った。 >>「――――――っ!!!????」 >>声なき声をあげて絶叫する。 > >誇らしげに、自らの御名前を告げる、ナイアルラトホテップさま。 >もしかしましたら・・・・・魔王さまや赤の竜神さまよりも、お強いのでは(汗) >そして、そのナイアルラトホテップさまの一撃を受けても滅びないとは、流石は海王さまですね。 魔王や竜神よりも上でしょうね。なにせ、盲目白痴の主神の使者ですから。 >>「ふふふ、貴女に面白い座興をプレゼントしましょう。」 >>イカヅチが貫いたような衝撃がダルフィンの体を走り、彼女は後ろへ吹き飛んだ。 >>「くくく、今より貴女は人間のように大地を這いまわり、一日の糧を得るために一つしかない命を削るのです。」 >>いつの間にか、先程と変わらぬ長身痩躯の漆黒の男の姿のナイアルラトホテップが、笑いながらそう言った。 >>「う・・・・・・・く・・・・・・」 >>「ではごきげんよう、お嬢さん。」 >>高らかな笑い声を残して、ナイアルラトホテップの姿は掻き消すように消えた。 >> >> >>崩れ落ちそうになる体を木の幹に預け、ダルフィンは荒い呼吸を鎮めようとした。 >>『人間のように大地を這いまわり、一日の糧を得るために一つしかない命を削るのです』 >>ナイアルラトホテップの声が頭に響く。 >>(く・・・・・・ナイアルラトホテップめ・・・・・私を”人間”にしたというのか・・・・・・) >>苦痛と屈辱に顔が歪む。 >>事実、彼女の力は跡形も無くなくなっていた。 >>(このまま・・・・・・終ってなるものか・・・・・・・・) >>到底休まったと思えぬ体を起こし、再び歩き出した。 > >に・・・・・人間!? >海王さまを人間にしてしまったのですか・・・・・・(汗) >やはり・・・・ナイアルラトホテップさまは、桁外れのお力をお持ちなのですね。 ナイさん、”力”を奪って海王を人間にしちゃいました。 彼にとってはちょっとしたお遊びでしかありません。 >>さて、本編でした。 >>なんかまた長くなりそうな予感が・・・・・・・・ > >異界の邪神の力で、人間にされてしまった海王さま。 >空間を渡ることも、自らの『力』を使うことも出来なくなってしまったのですね。 >手に短剣の1本も無く。魔法・・・・・・も、使えないのでしょうか。 >この辺りの地理にも、詳しくなく。お金も無いような状態で >海王さま・・・・・どうなってしまうのでしょうか。 >続きが〜続きが、とても気になります〜。 >海王さまの部下の方々が、1刻でも早く、海王さまの異変を察知してくださると良いのですが。 もう、最大のピンチです。 自ら誇っていた力を残さず奪われてしまいましたから。 一気に奈落の底へ落とされたようなもんです。 >>あと『這い寄る混沌』。結構でしゃばりなのね。 > >ナイアルラトホテップさまは、偶然この世界へと旅に来られたのでしょうか。 ダルフィンと出会ったのは偶々ですが、この世界に来たのは「ぶらり」ではありません。 >>それでは、また次回で。 > >遅くなってしまいました。 >お昼休みに、こそこそと書き込ませて頂いております(笑) >あと10日ほどで、ゴールデンウィークになりますね。 >暖かくなりましたが、お体にお気を付けて、お元気で。 >では、失礼します。 いえいえ、感想書いてくださるだけでもありがたいことです。 ゴールデンウィーク・・・・・・わたしには縁遠い言葉です。 ずっと仕事ですから・・・・・・・ それではこのへんで。 |
25670 | 夢、幻の如くなり 二 | 棒太郎 | 2003/4/22 00:15:22 |
記事番号25581へのコメント こんばんわ、棒太郎です。 それでは続きをばどうぞ。 ************************************* 『夢、幻の如くなり』 二 山の小径を急ぐでもなく一人の男が歩いていた。 神官服に似た黒の簡素ないでたちで、右手には錫杖に似た杖が握られていた。 背中にこんもりとした袋を背負い、人一人分の小径を黙々と歩いていた。 しばらくして男がふと足を止めた。 何かを探るように辺りを見回している。 やがて何かを見つけたのか小径の脇へと入っていった。 「へへへ、こりゃとんでもない上玉だぜ。」 山刀をギラつかせながら、数人の男が下卑た笑いを浮かべていた。 男たちの目の前には疲労の色を滲ませ、荒く息を吐く蒼い髪の女性――ダルフィンがいた。 「こいつぁ高く売れるぜ。」 舐めるような視線でダルフィンを見ていた一人の男が、舌なめずりをして言った。 男たちはここらあたりに出没する盗賊であった。 「その前にたっぷり味見してやるぜ。」 そう言ってダルフィンに近づいてくる。 「く・・・・人間風情が。」 ナイアルラトホテップに力を奪われ、人間となってしまった今では、彼女の睨みもなんの威嚇にもならない。 「下衆が・・・・・・私に触れるな。」 「へっへっへ。テメエの立場を考えて言えよ、このアマ。」 バシッとはたかれ、ダルフィンは地面に倒された。 男はダルフィンの髪を掴み、顔をあげさせる。 「う・・・・・・おの・・れ・・・・」 「へっへっへ。」 そのとき――― 「その手を離せ。」 盗賊たちの前に錫杖に似た杖をもった男が現れた。 「あ?なんだ、てめぇは?」 神官服に似た黒の簡素ないでたち。 頬はこけ、目元もやや落ち窪んでいるその顔は、病を患っているとしか思えなかった。 そんな男に盗賊たちは嘲るような笑みを浮かべていた。 「おい、兄ちゃん。寝ぼけたことぬかしてんじゃねえぞ。」 「その手を離せ。」 男は再びそう言った。 ダルフィンの髪を掴んでいた盗賊が、男にむかって山刀を振り下ろした。 ガッ だが、地面に倒れたのは盗賊のほうだった。 男が山刀を入り身でかわし、杖を喉に打ち付けたのだった。 「ヤロウッ!!」 それを見た残りの盗賊が、男に襲いかかろうとした。 「フレア・アロー。」 男がそう呟くと、炎の矢が次々と掠め、あるいは足元に炸裂した。 「バースト・ロンド。」 続いて爆風が盗賊たちを吹き飛ばした。 「ヒィッ!」 瞬く間に盗賊たちの間に恐怖が走った。 「さあ、さっさと消えろ。それとも無惨に死にたいか?」 魔力が集束している杖をかざしながら、男が静かに言った。 「ヒイィィッ!!」 クモの子を散らすように盗賊たちはいなくなった。 それを見届けた男は地面に倒れ伏しているダルフィンの側に寄った。 「大丈夫ですか、お嬢さん?」 助け起こそうとする男の手を、ダルフィンは払いのけた。 「人間の・・・・・・助けなど・・・・・借りぬ・・・・・・・・」 絶え絶えに呟いて立ち上がったが、2,3歩歩かぬうちにスッと視界が闇に包まれた。 「・・・・・・・・・・・はっ」 (ここは?) 目線をせわしなく動かす。 自分の今の状況がどうなっているのかわからない。 「私は・・・・・・・・倒れたのか?」 ようやく頭が正常に働いてきた。 周りを見ると、小さなテーブルや椅子が並び、奥には暖炉があった。 どうやら小屋のようだった。 「おや、気がつきましたか。」 ダルフィンの寝ている質素なベットの向かいの扉から男が入ってきた。 スープののった盆を持っている。 「お口に会うかどうかわかりませんがどうぞ。」 そう言ってダルフィンにスープを渡す。 「なにやら酷い疲労状態でしたのでね。とりあえず体を休めて栄養を取ってください。」 じっとスープを見ていたダルフィンだったが、やがて一口、口に運んだ。 「・・・・・・・・・・」 なにか体に染み渡っていくようだった。 そのまま何度もスプーンを口に運び、スープを平らげた。 それを見て男は優しげな笑みを浮かべた。 「それじゃあ、もう2,3日ゆっくり休んでください。そうすれば体力も戻ってきます。」 男がそう言ったとき―― 「何故ですの?」 「はい?」 男を見ながらダルフィンが呟いた。 「何故、私を助けたんですの?何故、私にここまでするのですの?」 「何故って―――」 男は少し困ったような顔を見せた。 「それが人の道というものでしょう?」 「人の道・・・・・・・・」 その言葉を反芻する。 「・・・・・・・わからないわ。」 ダルフィンの言葉に男は優しく笑みを浮かべ、立ち上がった。 「それに私の場合は、罪滅ぼしもありますから・・・・・・・・今さらですがね。」 自嘲的な笑みが浮かんでいた。 「え、と。貴女のお名前は?」 「・・・・・・・・・・ダルフィン。」 「ダルフィンさんですか。私はデイルと言います。体調が戻るまでゆっくり休んでいてください。」 そう言うと、男はゴホッゴホッと小さく咳き込みながら部屋を後にした。 ************************************* ここまで読んでくださってありがとうございました。 ああ、やっぱり長くなりそうだよ。 書いててここまでになるとは 思わなかった・・・・・・・・ ではまた。 |
25672 | Re:夢、幻の如くなり 二 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/22 13:36:52 |
記事番号25670へのコメント こんばんはラントです。 >「へへへ、こりゃとんでもない上玉だぜ。」 >山刀をギラつかせながら、数人の男が下卑た笑いを浮かべていた。 どんな時代にもいるものですなあ。こーいう5流以下の悪役。 >ナイアルラトホテップに力を奪われ、人間となってしまった今では、彼女の睨みもなんの威嚇にもならない。 思えば長い名前のやつですなあ。 ・・・検索してみたらグロいのが・・・。 >「ヤロウッ!!」 >それを見た残りの盗賊が、男に襲いかかろうとした。 >「フレア・アロー。」 >男がそう呟くと、炎の矢が次々と掠め、あるいは足元に炸裂した。 >「バースト・ロンド。」 >続いて爆風が盗賊たちを吹き飛ばした。 >「ヒィッ!」 >瞬く間に盗賊たちの間に恐怖が走った。 >「さあ、さっさと消えろ。それとも無惨に死にたいか?」 >魔力が集束している杖をかざしながら、男が静かに言った。 あっさりですなあ。 まああっさり倒せるから助けに入るのかも知れませんけど・・・。 >「人間の・・・・・・助けなど・・・・・借りぬ・・・・・・・・」 まあいきなり変わるのは難しいですね。 >「・・・・・・・・・・ダルフィン。」 >「ダルフィンさんですか。私はデイルと言います。体調が戻るまでゆっくり休んでいてください。」 >そう言うと、男はゴホッゴホッと小さく咳き込みながら部屋を後にした。 この方が重要な方なのですかね。 これからどうなるのでしょうか。 それではこれで・・・ |
25686 | ありがとございます | 棒太郎 | 2003/4/23 22:21:16 |
記事番号25672へのコメント >こんばんはラントです。 こんばんわ、棒太郎です。 >>「へへへ、こりゃとんでもない上玉だぜ。」 >>山刀をギラつかせながら、数人の男が下卑た笑いを浮かべていた。 >どんな時代にもいるものですなあ。こーいう5流以下の悪役。 人間がいる限り、こーゆーヤツらはかならず出てきますね。 >>ナイアルラトホテップに力を奪われ、人間となってしまった今では、彼女の睨みもなんの威嚇にもならない。 >思えば長い名前のやつですなあ。 >・・・検索してみたらグロいのが・・・。 もともとクトゥルー神話のキャラって姿かたちがグロいのが多いですよ。 > >>「ヤロウッ!!」 >>それを見た残りの盗賊が、男に襲いかかろうとした。 >>「フレア・アロー。」 >>男がそう呟くと、炎の矢が次々と掠め、あるいは足元に炸裂した。 >>「バースト・ロンド。」 >>続いて爆風が盗賊たちを吹き飛ばした。 >>「ヒィッ!」 >>瞬く間に盗賊たちの間に恐怖が走った。 >>「さあ、さっさと消えろ。それとも無惨に死にたいか?」 >>魔力が集束している杖をかざしながら、男が静かに言った。 >あっさりですなあ。 >まああっさり倒せるから助けに入るのかも知れませんけど・・・。 まあ、これぐらいの力の差が無ければねぇ。 > >>「人間の・・・・・・助けなど・・・・・借りぬ・・・・・・・・」 >まあいきなり変わるのは難しいですね。 まあ、そうですね。すぐに変われるなら苦労はいりませんからね。 >>「・・・・・・・・・・ダルフィン。」 >>「ダルフィンさんですか。私はデイルと言います。体調が戻るまでゆっくり休んでいてください。」 >>そう言うと、男はゴホッゴホッと小さく咳き込みながら部屋を後にした。 >この方が重要な方なのですかね。 >これからどうなるのでしょうか。 > >それではこれで・・・ 『序』の流から見て悲劇ですかね。 わたしの文才で、悲劇にみえるか分かりませんが・・・・・・・ それでは、どうもありがとうございました。 |
25679 | ピンチです(汗) | 猫楽者 E-mail | 2003/4/22 23:06:35 |
記事番号25670へのコメント >こんばんわ、棒太郎です。 >それでは続きをばどうぞ。 こんばんは、棒太郎さん。 お元気ですか、猫楽者です。 這い寄る混沌さまの力で、『人間』にされてしまった海王さまがどうなってしまうのか。 続き♪をお待ちしておりました♪ >「へへへ、こりゃとんでもない上玉だぜ。」 >山刀をギラつかせながら、数人の男が下卑た笑いを浮かべていた。 >男たちの目の前には疲労の色を滲ませ、荒く息を吐く蒼い髪の女性――ダルフィンがいた。 >「こいつぁ高く売れるぜ。」 >舐めるような視線でダルフィンを見ていた一人の男が、舌なめずりをして言った。 >男たちはここらあたりに出没する盗賊であった。 海王さま、盗賊たちに見つかってしまったのですね。 人間になってしまい、何の武器も無く・・・・・・いきなり大ピンチではないですか(汗) >「その前にたっぷり味見してやるぜ。」 >そう言ってダルフィンに近づいてくる。 >「く・・・・人間風情が。」 >ナイアルラトホテップに力を奪われ、人間となってしまった今では、彼女の睨みもなんの威嚇にもならない。 >「下衆が・・・・・・私に触れるな。」 >「へっへっへ。テメエの立場を考えて言えよ、このアマ。」 >バシッとはたかれ、ダルフィンは地面に倒された。 >男はダルフィンの髪を掴み、顔をあげさせる。 >「う・・・・・・おの・・れ・・・・」 >「へっへっへ。」 魔族としてのお力をお持ちでしたら・・・・・・瞬殺できるような盗賊たちに・・・・・。 海王さま。悔しいでしょうね。 海王軍の方でも、ゼロスさんでも良いです。誰か・・・・盗賊たちをなんとかしてください。 >「その手を離せ。」 >男は再びそう言った。 >ダルフィンの髪を掴んでいた盗賊が、男にむかって山刀を振り下ろした。 > > ガッ > >だが、地面に倒れたのは盗賊のほうだった。 >男が山刀を入り身でかわし、杖を喉に打ち付けたのだった。 助けに来てくれた方がいてくださって、本当に良かったです。 しかも強いですね。 盗賊さん。この男の方の手にしていたのが剣ではなく、杖だったことを感謝してくださいね。 >「ヤロウッ!!」 >それを見た残りの盗賊が、男に襲いかかろうとした。 >「フレア・アロー。」 >男がそう呟くと、炎の矢が次々と掠め、あるいは足元に炸裂した。 >「バースト・ロンド。」 >続いて爆風が盗賊たちを吹き飛ばした。 >「ヒィッ!」 >瞬く間に盗賊たちの間に恐怖が走った。 >「さあ、さっさと消えろ。それとも無惨に死にたいか?」 >魔力が集束している杖をかざしながら、男が静かに言った。 >「ヒイィィッ!!」 >クモの子を散らすように盗賊たちはいなくなった。 攻撃魔法も使えるのですね。 魔法剣士さんなのでしょうか。 盗賊いじめが趣味のお方と違って、盗賊たちに魔法を直撃させずに、追い払うとは心の広い方ですね。 >「お口に会うかどうかわかりませんがどうぞ。」 >そう言ってダルフィンにスープを渡す。 >「なにやら酷い疲労状態でしたのでね。とりあえず体を休めて栄養を取ってください。」 >じっとスープを見ていたダルフィンだったが、やがて一口、口に運んだ。 >「・・・・・・・・・・」 >なにか体に染み渡っていくようだった。 >そのまま何度もスプーンを口に運び、スープを平らげた。 海王さま。人間となって初めてのお食事ですね。 魔族だった頃も、人間の食べる物を食べたことがあるのかも知れませんけど 人間として食事をする。海王さまには不思議な体験かもしれませんね。 >「何故ですの?」 >「はい?」 >男を見ながらダルフィンが呟いた。 >「何故、私を助けたんですの?何故、私にここまでするのですの?」 >「何故って―――」 >男は少し困ったような顔を見せた。 >「それが人の道というものでしょう?」 >「人の道・・・・・・・・」 >その言葉を反芻する。 >「・・・・・・・わからないわ。」 海王さま。全ての人間が、この男の方のように優しい方ではないのですが 他の方を思いやることの出来る方も、人間にはいるのです。 魔族だった海王さまは、人の温かい心に触れて、戸惑っているのでしょうか。 >ダルフィンの言葉に男は優しく笑みを浮かべ、立ち上がった。 >「それに私の場合は、罪滅ぼしもありますから・・・・・・・・今さらですがね。」 >自嘲的な笑みが浮かんでいた。 >「え、と。貴女のお名前は?」 >「・・・・・・・・・・ダルフィン。」 >「ダルフィンさんですか。私はデイルと言います。体調が戻るまでゆっくり休んでいてください。」 >そう言うと、男はゴホッゴホッと小さく咳き込みながら部屋を後にした。 デイルさん。ご病気なのでしょうか。 そして、『罪滅ぼし』。いったいデイルさんの過去になにがあったのでしょうか。 >ここまで読んでくださってありがとうございました。 >ああ、やっぱり長くなりそうだよ。 >書いててここまでになるとは >思わなかった・・・・・・・・ 長編ですか♪お書きになる棒太郎さんは、とても大変だと思います。 読ませて頂ける自分としては、棒太郎さんのお話が、長く続いてくださるの。とても嬉しいです♪ 海王さまのピンチに、さっそうと登場して救ってくださったデイルさん。 どんな過去をお持ちなのか。 デイルさんとの出会いは、海王さまにどんな想いを、いだくのでしょうか。 続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。 >ではまた。 面白かったです。 海王さまがご無事で本当に良かったです。 4月もあと1週間ほどになりましたね。 暖かくなってまいりましたが、お体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
25688 | ピンチっす | 棒太郎 | 2003/4/23 22:53:56 |
記事番号25679へのコメント >こんばんは、棒太郎さん。 >お元気ですか、猫楽者です。 >這い寄る混沌さまの力で、『人間』にされてしまった海王さまがどうなってしまうのか。 >続き♪をお待ちしておりました♪ こんばんわ、猫楽者さん。 いつも読んでくださりありがとうございます。 >>「こいつぁ高く売れるぜ。」 >>舐めるような視線でダルフィンを見ていた一人の男が、舌なめずりをして言った。 >>男たちはここらあたりに出没する盗賊であった。 > >海王さま、盗賊たちに見つかってしまったのですね。 >人間になってしまい、何の武器も無く・・・・・・いきなり大ピンチではないですか(汗) 弱り目に祟り目、悪い時には悪いことが重なるものです。 >>バシッとはたかれ、ダルフィンは地面に倒された。 >>男はダルフィンの髪を掴み、顔をあげさせる。 >>「う・・・・・・おの・・れ・・・・」 >>「へっへっへ。」 > >魔族としてのお力をお持ちでしたら・・・・・・瞬殺できるような盗賊たちに・・・・・。 >海王さま。悔しいでしょうね。 >海王軍の方でも、ゼロスさんでも良いです。誰か・・・・盗賊たちをなんとかしてください。 いつもは下の下と見下している人間に好き勝手されるのですから。 物凄い屈辱ですね。 >>だが、地面に倒れたのは盗賊のほうだった。 >>男が山刀を入り身でかわし、杖を喉に打ち付けたのだった。 > >助けに来てくれた方がいてくださって、本当に良かったです。 >しかも強いですね。 >盗賊さん。この男の方の手にしていたのが剣ではなく、杖だったことを感謝してくださいね。 持っていたのが剣だったらあっという間にあの世行きですね。 >>「さあ、さっさと消えろ。それとも無惨に死にたいか?」 >>魔力が集束している杖をかざしながら、男が静かに言った。 >>「ヒイィィッ!!」 >>クモの子を散らすように盗賊たちはいなくなった。 > >攻撃魔法も使えるのですね。 >魔法剣士さんなのでしょうか。 >盗賊いじめが趣味のお方と違って、盗賊たちに魔法を直撃させずに、追い払うとは心の広い方ですね。 ぬお、鋭い・・・・・・・・・ この人、命を奪うことまではしないようにしています。 >>じっとスープを見ていたダルフィンだったが、やがて一口、口に運んだ。 >>「・・・・・・・・・・」 >>なにか体に染み渡っていくようだった。 >>そのまま何度もスプーンを口に運び、スープを平らげた。 > >海王さま。人間となって初めてのお食事ですね。 >魔族だった頃も、人間の食べる物を食べたことがあるのかも知れませんけど >人間として食事をする。海王さまには不思議な体験かもしれませんね。 食事のとり方がまったく違いますからね。 未知なる体験でしょう。 >>「それが人の道というものでしょう?」 >>「人の道・・・・・・・・」 >>その言葉を反芻する。 >>「・・・・・・・わからないわ。」 > >海王さま。全ての人間が、この男の方のように優しい方ではないのですが >他の方を思いやることの出来る方も、人間にはいるのです。 >魔族だった海王さまは、人の温かい心に触れて、戸惑っているのでしょうか。 もともと魔族である彼女には、なかなか理解できないものでしょうね。 >>ダルフィンの言葉に男は優しく笑みを浮かべ、立ち上がった。 >>「それに私の場合は、罪滅ぼしもありますから・・・・・・・・今さらですがね。」 >>自嘲的な笑みが浮かんでいた。 >>「え、と。貴女のお名前は?」 >>「・・・・・・・・・・ダルフィン。」 >>「ダルフィンさんですか。私はデイルと言います。体調が戻るまでゆっくり休んでいてください。」 >>そう言うと、男はゴホッゴホッと小さく咳き込みながら部屋を後にした。 > >デイルさん。ご病気なのでしょうか。 >そして、『罪滅ぼし』。いったいデイルさんの過去になにがあったのでしょうか。 そうです。この先のネタバレになりますが、彼はとあることで体を病んでいます。 デイルの過去もこれからの話で書きます。 >>ここまで読んでくださってありがとうございました。 >>ああ、やっぱり長くなりそうだよ。 >>書いててここまでになるとは >>思わなかった・・・・・・・・ > >長編ですか♪お書きになる棒太郎さんは、とても大変だと思います。 >読ませて頂ける自分としては、棒太郎さんのお話が、長く続いてくださるの。とても嬉しいです♪ そう言ってもらうと気恥ずかしいです。 こんな駄文ですが。 >海王さまのピンチに、さっそうと登場して救ってくださったデイルさん。 >どんな過去をお持ちなのか。 >デイルさんとの出会いは、海王さまにどんな想いを、いだくのでしょうか。 >続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。 次ぐらいで語られるかも。 あまり遅くならないうちに続き書きます。 >>ではまた。 > >面白かったです。 >海王さまがご無事で本当に良かったです。 > >4月もあと1週間ほどになりましたね。 >暖かくなってまいりましたが、お体にお気を付けて、お元気で。 >では、失礼します。 5月から忙しくなりますので、今のうちにしっかり体調管理しておかなくてはなりません。 灰にならないように気をつけます。 それでは。 |
25687 | はじめまして | エモーション E-mail | 2003/4/23 22:50:55 |
記事番号25670へのコメント はじめまして、こんばんは。 エモーションと申します。 棒太郎様の書かれたお話は読んでいましたが、すみません、今まで読み逃げ していましたので、感想を書くのは初めてです。(本当にすみません) ダルフィン様の過去……塚に眠る方は、ダルフィン様にとって本当に大切な、 特別な存在なのは、冒頭から感じ取れました。 普通に仮にも腹心の方が、単純に人間に関わるとは思えないこともあって、 一体どんないきさつで、と思っていたら……(汗) ナイの方が絡んでおられましたか……(滝汗) クトゥルーは基礎程度の知識しか持っていないのですが、このレベルの方が 相手では、さすがにダルフィン様でも敵いませんよね……(汗) 人間にされてしまっては、いくらダルフィン様でもただのか弱い女性。 しかも金持ちそうな美女。盗賊などからみれば、かっこうのターゲットですね。 事実を知らずに言動を見ていると、何故かこんな所に迷い込んでしまった かなり身分の高い女性、といった感じですし。 助けたデイルさんも、そう思ったのかもしれないですね。 >「お口に会うかどうかわかりませんがどうぞ。」 >そう言ってダルフィンにスープを渡す。 >「なにやら酷い疲労状態でしたのでね。とりあえず体を休めて栄養を取ってください。」 >じっとスープを見ていたダルフィンだったが、やがて一口、口に運んだ。 >「・・・・・・・・・・」 >なにか体に染み渡っていくようだった。 >そのまま何度もスプーンを口に運び、スープを平らげた。 この場面、「生きる意思」を認識させられる場面だなと思いました。 個人的に「食べる」という行動は、「生きる」ことの一番分かりやすい 意思表示だと思ってます。 ダルフィン様はそこまで意識していないと思いますが、何となくそれを 感じとった瞬間なのかなと思いました。 かなり、不思議な気持ちがしたのかもしれないですね。 見ず知らずの自分を何故助けたのかと訪ねるダルフィン様に、それが人の道と 答えると同時に〃罪滅ぼし〃とも言うデイルさん。 彼の過去には何があったのでしょうか。そして、人間にされてしまった ダルフィン様にとって、この出会いがどんな影響を与えるのでしょうか。 続きが楽しみです。 それでは、つたないコメントですがこの辺で失礼いたします。 |
25689 | どうもありがとうございます | 棒太郎 | 2003/4/23 23:05:24 |
記事番号25687へのコメント >はじめまして、こんばんは。 >エモーションと申します。 >棒太郎様の書かれたお話は読んでいましたが、すみません、今まで読み逃げ >していましたので、感想を書くのは初めてです。(本当にすみません) こんばんわ。はじめまして、エモーションさん。 棒太郎と申します。 お気になさらないで下さい。読んでいただけるだけでも嬉しいですから。 >ダルフィン様の過去……塚に眠る方は、ダルフィン様にとって本当に大切な、 >特別な存在なのは、冒頭から感じ取れました。 >普通に仮にも腹心の方が、単純に人間に関わるとは思えないこともあって、 >一体どんないきさつで、と思っていたら……(汗) >ナイの方が絡んでおられましたか……(滝汗) >クトゥルーは基礎程度の知識しか持っていないのですが、このレベルの方が >相手では、さすがにダルフィン様でも敵いませんよね……(汗) わたしもそれほど精通しているわけではないのですが、前から別次元の混沌として、クトゥルー神話を絡ませることは考えていましたので。 でもクトゥルー神話知らない人には訳わからんでしょうね。 わたしも書いた当初、知ってる人おるんかいな?と思って書いてましたから。 >人間にされてしまっては、いくらダルフィン様でもただのか弱い女性。 >しかも金持ちそうな美女。盗賊などからみれば、かっこうのターゲットですね。 >事実を知らずに言動を見ていると、何故かこんな所に迷い込んでしまった >かなり身分の高い女性、といった感じですし。 >助けたデイルさんも、そう思ったのかもしれないですね。 そうですね。まさに絶好のターゲットですね。 見た目は(事実もそうですが)身分の高い女性ですからね。 >>「お口に会うかどうかわかりませんがどうぞ。」 >>そう言ってダルフィンにスープを渡す。 >>「なにやら酷い疲労状態でしたのでね。とりあえず体を休めて栄養を取ってください。」 >>じっとスープを見ていたダルフィンだったが、やがて一口、口に運んだ。 >>「・・・・・・・・・・」 >>なにか体に染み渡っていくようだった。 >>そのまま何度もスプーンを口に運び、スープを平らげた。 > >この場面、「生きる意思」を認識させられる場面だなと思いました。 >個人的に「食べる」という行動は、「生きる」ことの一番分かりやすい >意思表示だと思ってます。 >ダルフィン様はそこまで意識していないと思いますが、何となくそれを >感じとった瞬間なのかなと思いました。 >かなり、不思議な気持ちがしたのかもしれないですね。 いままでとは違いますからね。 途惑うと共に不思議な感じだったでしょう。 「人間」としての初めての行為ですね。 >見ず知らずの自分を何故助けたのかと訪ねるダルフィン様に、それが人の道と >答えると同時に〃罪滅ぼし〃とも言うデイルさん。 >彼の過去には何があったのでしょうか。そして、人間にされてしまった >ダルフィン様にとって、この出会いがどんな影響を与えるのでしょうか。 次ぐらいで彼の過去が語られると思います。 わたしの文才次第ですが・・・・・ >続きが楽しみです。 >それでは、つたないコメントですがこの辺で失礼いたします。 どうもありがとうございます。 頑張って次の回を書きます。 それでは。 |
25692 | 夢、幻の如くなり 三 | 棒太郎 | 2003/4/24 01:11:17 |
記事番号25581へのコメント こんばんわ、棒太郎です。 上手い具合にまとまるのか不安ですが、続きをどうぞ。 ************************************* 『夢、幻の如くなり』 三 あれから3日が過ぎた。 ダルフィンはデイルの世話を受け、ようやく体力が戻ってきた。 だが、ナイアルラトホテップから受けたダメージは想像以上に深く、いまだ万全ではなかった。 (私は何をやっているのだろう・・・・・・・・・?) デイルが運んできた食事をゆっくりと、口に運びながらそう思った。 魔王の腹心、魔海を統べる海王ともあろう者が、このようなところで人間の世話を受けている。 他の者に知れたら、屈辱である。 そして、ダルフィンは窓から外で薪を割っているデイルへと目を向けた。 村の外れのこの小屋に半ば隠者のように住み、ときどき村へ下りては学問やらなにやらを村人にいろいろと教えているようだった。 それと引き換えに食料や生活用具を貰っているらしく、あのときもその帰り道だったとのことであった。 それにどうやら魔道士らしく、人間のうちではかなりの実力者であろうとダルフィンは見ていた。 どこか体を患っているらしく、時折辛そうに咳き込んでいる。 「ダルフィンさん。体の調子はどうですか?」 部屋に入ってきたデイルの声に、ふと考え込んでいたダルフィンは慌てた。 「え、ええ・・・・・・・・少しは・・・良くなってきましたわ。」 「それは良かった。でも、完全に良くなるまで無理はしないでくださいよ。」 そう言って微笑んだ。 デイルはダルフィンが何故あんなところにいたのか聞こうとはしなかった。 尋ねはしたが、ダルフィンが言いよどんでいるのを見て、それは切り上げた。 誰でも言いたくないことはある、無理に言わなくてもいい、と言っていた。 (おかしな・・・・・人間だ・・・・・・・) 心の中で呟き、食事を口へと運んだ。 4日目 ダルフィンはまだ重い体を引きずって、小屋を後にした。 デイルは用事があるため、ダルフィンの食事を置いて、村へと下りていった。 これ以上人間の世話になるわけにはいかない。 魔族の――高位の魔族としてのアイデンティティが、どこか朦朧とするようなおかしな感じが彼女の心の中にわだかまっていた。 (私は海王・・・・・・赤眼の魔王様の腹心のひとり・・・・・・) そう呟きながら、ダルフィンは森の中を歩き出した。 まだ万全とはいえない体で、遅々とした歩み。 どのくらい歩いたのか――― 「へっへっへ、見つけたぜ。」 その声に見ると、ダルフィンの前にあの盗賊たちが立ち塞がっていた。 「こいつか、テメエらの言ってた女は。確かに上玉中の上玉だな。」 前の男たちを押しのけるようにして、凶暴な面貌の大男が現れた。 「でしょう?ボス。こんな女滅多にお目にかかれませんぜ。」 どうやらこの盗賊たちの頭目のようだ。 「確かにな。こりゃ楽しめそうだ。」 そう言い、ダルフィンの襟を掴む。 「触るな!下衆が。」 「いいねぇ、こういう女は。鼻っ柱をへし折ってねじ伏せるのがまた楽しいんだ。」 いやらしい笑みを浮かべ、ダルフィンの顎を掴んで自分の方へ無理矢理向かせる。 「くっ・・・・・」 ダルフィンが男を睨みつけたとき、 「ぎゃっ」 「ぐえっ」 盗賊たちの悲鳴が上がった。 見ると、数人の盗賊が地面に倒れていた。 そしてそこに一人の男が立っていた。 「彼女を離せ。」 スッと杖を突き出し、デイルは男を睨みつけた。 「テメエか。手下を可愛がってくれたのは。」 ダルフィンを離し、腰の大刀を抜いた。 「命までは取らん。大人しく自首しろ。」 「寝ぼけたこと言ってんじゃねえよ!」 デイルの言葉に男は大刀を振り上げた。 「デム・ウィン!」 強烈な突風が男に向かった。 だが、その魔風は男の前で消えた。 「むっ!?」 「へへ、きかねえぜ。俺の体は魔法を無効にしちまうのさ。」 「なに?」 「高い金を払ったがな、肉体改造の施術を受けたのさ。」 男の言葉に、デイルの顔に驚愕が浮かんだ。 「まさか・・・・・・・”組織”の技術か・・・・・・・」 「前なんかとは比べ物にならない力を貰ったぜぇ。」 そう言う男の腕が、禍々しい鉤爪をもった魔獣のような腕へと変化した。 「人を捨てた愚か者が・・・・・・」 吐き捨てるように呟くと、デイルは杖の頭を逆手に握った。 そのとき―― ガキッ 男の体に山刀が打ちつけられた。 それを握っているのはダルフィンだった。 だが、男の体には切り傷ひとつない。 男がダルフィンに向かって腕を振り上げた。 ずしゃっ 肉を切り裂く音が鈍く響いた。 しかし、切り裂いたのはダルフィンの体ではなかった。 それは彼女を庇うようにして立つデイルのものだった。 「あ――――」 「大丈夫ですよ。こんなかすり傷ぐらい―――!?」 突如デイルは膝を突いた。 顔が苦痛に歪んでいた。 「これは―――」 「へへ、この爪からはよ、毒がでるのさ。すぐに殺すやつじゃねえ。じわじわと苦しめるヤツだぜ。」 勝ち誇ったように男が笑う。 だがそのとき――― シャッ 空気を切る音がしたかと思うと、男の片腕が宙を飛んだ。 いつの間にか荒い息をしながら、デイルが男の後ろに立っていた。 手には逆手にもった杖の頭、その先は鋭い剣になっていた。どうやらあの杖は仕込み杖になっていたようだった。 「私も一端ではあるが・・・・・その忌まわしき闇の技術(わざ)、滅消させてもらう。」 そう言うや、逆手に握られた仕込杖が閃いた。 「紅蓮。」 デイルの声と共に刀身に真っ赤な炎が纏った。 そして瞬時に男の体を真っ二つに切り裂き、その後を炎が飲み込んだ。 その光景に盗賊たちは恐怖にかられ、我先に逃げ出した。 「先に地獄で待っていろ。私も後から行く。」 刀身を納めるや、デイルは大きく咳き込み、血を吐いて倒れた。 ************************************* やばいですね。 長くなりますよ、これは。 ちゃんとまとまるかなぁ? それでは。 |
25700 | Re:夢、幻の如くなり 三 | エモーション E-mail | 2003/4/25 20:56:12 |
記事番号25692へのコメント こんばんは。 「人間」として数日を過ごすうちに、高位魔族としての自分が揺らいでいきそうに なるダルフィン様。 自分で自分に、海王で赤眼の魔王の腹心のひとり、と言い聞かせるように 呟くあたり、かなり不安だったのだろうなと思いました。 〃魔族〃は〃命あるもの〃とは正反対の存在だけに、強制的とはいえ人間に なってしまったことで、ダルフィン様の意思とは無関係に〃何か〃がそういう 部分を拒否してしまうのかもしれませんね。忘れよう、忘れようとしてしまうのかも。 再び現れた盗賊さん。彼らはもしかして、ダルフィン様とデイルさんを 探していたのでしょうか。 リナじゃないけれど、しつこいですね(汗) 身体を改造した頭目とそれを知ったあとのデイルさんの言葉。 デイルさんと〃組織〃の関わりが、今回の鍵なんですね。 ダルフィン様を庇って傷つき、おそらく毒も身体に回っているのであろうデイルさん。 無事に助かるのでしょうか。そして、この事態に「人間」のダルフィン様は どう行動するのでしょうか。 「人間」になり、デイルさんと出会ったダルフィン様が、どうなっていくのかな、 と思いながら読ませていただきました。 血を吐いて倒れたデイルさん。彼はどうなるのでしょうか。そして〃組織〃と 彼の過去はどう関わっているのでしょうか。 続きが楽しみです。 それでは、この辺で失礼いたします。 |
25711 | Re:夢、幻の如くなり 三 | 棒太郎 | 2003/4/26 13:31:32 |
記事番号25700へのコメント こんばんは、棒太郎です。 >自分で自分に、海王で赤眼の魔王の腹心のひとり、と言い聞かせるように >呟くあたり、かなり不安だったのだろうなと思いました。 >〃魔族〃は〃命あるもの〃とは正反対の存在だけに、強制的とはいえ人間に >なってしまったことで、ダルフィン様の意思とは無関係に〃何か〃がそういう >部分を拒否してしまうのかもしれませんね。忘れよう、忘れようとしてしまうのかも。 『人間』としての生にとまどってますよね。 身体は人間でも、心は魔族ですから。 >身体を改造した頭目とそれを知ったあとのデイルさんの言葉。 >デイルさんと〃組織〃の関わりが、今回の鍵なんですね。 そうです。 先のネタバレになりますが、”組織”の者が出てきます。 >「人間」になり、デイルさんと出会ったダルフィン様が、どうなっていくのかな、 >と思いながら読ませていただきました。 >血を吐いて倒れたデイルさん。彼はどうなるのでしょうか。そして〃組織〃と >彼の過去はどう関わっているのでしょうか。 >続きが楽しみです。 >それでは、この辺で失礼いたします。 どうもありがとうございます。 この後もうまくまとめていけるか不安ですが、なんとかやっていこうと思います。 それでは。 |
25704 | デイルさん。ご無事でしょうか(汗) | 猫楽者 E-mail | 2003/4/25 22:42:45 |
記事番号25692へのコメント >こんばんわ、棒太郎です。 >上手い具合にまとまるのか不安ですが、続きをどうぞ。 こんばんは、棒太郎さん。 お元気ですか。猫楽者です。 人間となってしまった海王さまを助けたデイルさん。 デイルさんとの出会いが、海王さまの御心に何をもたらすことになるのか。 続き♪を読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしておりました。 すいません。遅くなってしまいました。 うちのPCのセキュリティ・ソフトが壊れてしまったようで(汗) 昨日の夜からネットに接続出来ませんでした・・・・・新しいセキュリティ・ソフトをイントールして やっとネットに接続出来るようになりました。 >あれから3日が過ぎた。 >ダルフィンはデイルの世話を受け、ようやく体力が戻ってきた。 >だが、ナイアルラトホテップから受けたダメージは想像以上に深く、いまだ万全ではなかった。 >(私は何をやっているのだろう・・・・・・・・・?) >デイルが運んできた食事をゆっくりと、口に運びながらそう思った。 >魔王の腹心、魔海を統べる海王ともあろう者が、このようなところで人間の世話を受けている。 >他の者に知れたら、屈辱である。 デイルさんの家で静養なさっている海王さま。 早く魔族としての『力』を取り戻したい、と焦る気持ちは分かりますが 『あの』ナイアルラトホテップさまの手で、人間にされてしまったのですから そう簡単に戻ることは、出来ないのではないでしょうね。 >4日目 >ダルフィンはまだ重い体を引きずって、小屋を後にした。 >デイルは用事があるため、ダルフィンの食事を置いて、村へと下りていった。 >これ以上人間の世話になるわけにはいかない。 >魔族の――高位の魔族としてのアイデンティティが、どこか朦朧とするようなおかしな感じが彼女の心の中にわだかまっていた。 >(私は海王・・・・・・赤眼の魔王様の腹心のひとり・・・・・・) >そう呟きながら、ダルフィンは森の中を歩き出した。 >まだ万全とはいえない体で、遅々とした歩み。 力を失い。『人間』の盗賊ごときに、襲われても戦うこともままならない。 自分を助けた『人間』に食事の世話までしてもらう。 誇り高い魔族。魔王さまの腹心の御ひとりとしては、耐え難いほどの屈辱なのでしょうか。 海王さま。右も左も分からない人間界で、お金も無く。 人間の生活習慣も、よく分からない・・・・・そんな状態で、いったい何処に行こうとしているのでしょうか。 辛いでしょうけど、ずっとお戻りにならない海王さまのことを、魔族の方々が探しているのでは・・・・。 >どのくらい歩いたのか――― >「へっへっへ、見つけたぜ。」 >その声に見ると、ダルフィンの前にあの盗賊たちが立ち塞がっていた。 >「こいつか、テメエらの言ってた女は。確かに上玉中の上玉だな。」 >前の男たちを押しのけるようにして、凶暴な面貌の大男が現れた。 >「でしょう?ボス。こんな女滅多にお目にかかれませんぜ。」 >どうやらこの盗賊たちの頭目のようだ。 >「確かにな。こりゃ楽しめそうだ。」 >そう言い、ダルフィンの襟を掴む。 >「触るな!下衆が。」 >「いいねぇ、こういう女は。鼻っ柱をへし折ってねじ伏せるのがまた楽しいんだ。」 >いやらしい笑みを浮かべ、ダルフィンの顎を掴んで自分の方へ無理矢理向かせる。 >「くっ・・・・・」 ああああああああ、この前の盗賊たちですか。 なんて執念深いのでしょうか。 せっかくデイルさんが手加減してくださったのに、まあだ海王さまを狙っていたのでしょうか。 >「デム・ウィン!」 >強烈な突風が男に向かった。 >だが、その魔風は男の前で消えた。 >「むっ!?」 >「へへ、きかねえぜ。俺の体は魔法を無効にしちまうのさ。」 >「なに?」 >「高い金を払ったがな、肉体改造の施術を受けたのさ。」 魔法を無効にする、って(汗) ザナッファーのように、アストラル・サイドから隔離されたような状態になっているのでしょうか。 もし、そうならば・・・・物凄い技術ですね。 この男には、物理攻撃しか通用しないのでしょうか。 >男の言葉に、デイルの顔に驚愕が浮かんだ。 >「まさか・・・・・・・”組織”の技術か・・・・・・・」 >「前なんかとは比べ物にならない力を貰ったぜぇ。」 >そう言う男の腕が、禍々しい鉤爪をもった魔獣のような腕へと変化した。 >「人を捨てた愚か者が・・・・・・」 >吐き捨てるように呟くと、デイルは杖の頭を逆手に握った。 謎の”組織”ですね。 人魔を作り上げような技術を持った組織、なのでしょうか。 この男。デイルさんの仰るように・・・・既に『人間』・・・・やめてますね(汗) >男がダルフィンに向かって腕を振り上げた。 > ずしゃっ >肉を切り裂く音が鈍く響いた。 >しかし、切り裂いたのはダルフィンの体ではなかった。 >それは彼女を庇うようにして立つデイルのものだった。 >「あ――――」 >「大丈夫ですよ。こんなかすり傷ぐらい―――!?」 >突如デイルは膝を突いた。 >顔が苦痛に歪んでいた。 >「これは―――」 >「へへ、この爪からはよ、毒がでるのさ。すぐに殺すやつじゃねえ。じわじわと苦しめるヤツだぜ。」 >勝ち誇ったように男が笑う。 反撃した海王さまの一撃も、人間やめてる男には通用しなかったのですね。 そして、海王さまを庇って傷付いてしまったデイルさん。 人間やめてる男は、爪に毒まで仕込んでいたのですね・・・・・なんつう陰険な。 >だがそのとき――― > シャッ >空気を切る音がしたかと思うと、男の片腕が宙を飛んだ。 >いつの間にか荒い息をしながら、デイルが男の後ろに立っていた。 >手には逆手にもった杖の頭、その先は鋭い剣になっていた。どうやらあの杖は仕込み杖になっていたようだった。 >「私も一端ではあるが・・・・・その忌まわしき闇の技術(わざ)、滅消させてもらう。」 >そう言うや、逆手に握られた仕込杖が閃いた。 >「紅蓮。」 >デイルの声と共に刀身に真っ赤な炎が纏った。 >そして瞬時に男の体を真っ二つに切り裂き、その後を炎が飲み込んだ。 >その光景に盗賊たちは恐怖にかられ、我先に逃げ出した。 デイルさんは、組織の一員だったのでしょうか。 仕込み杖は、一種の魔法剣なのですね。 掛け声ひとつで魔力の炎を繰り出すとは、すごい魔法剣ですね。 >「先に地獄で待っていろ。私も後から行く。」 >刀身を納めるや、デイルは大きく咳き込み、血を吐いて倒れた。 毒に体を蝕まれて行くデイルさん。 大丈夫なのでしょうか(汗) 海王さまは、いつどんな方法で、本来の魔族としてのお力を取り戻すのか。 組織は、デイルさんと海王さまに係わって行くのか。 続きが、とても気になります〜。 >やばいですね。 >長くなりますよ、これは。 >ちゃんとまとまるかなぁ? 長くなるのですね♪ 毎回、とても楽しく読ませて頂いております。 毎回とても面白いです。そして投稿なさるペースが、とても速くて すごいなあ、と思っております。 >それでは。 ふと気付くと、もうすぐ4月が終わろうとしていますね。 また風邪が流行りだしたようですので、お体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
25712 | Re:デイルさん。ご無事でしょうか(汗) | 棒太郎 | 2003/4/26 13:42:27 |
記事番号25704へのコメント こんにちわ、棒太郎です。 >>(私は何をやっているのだろう・・・・・・・・・?) >>デイルが運んできた食事をゆっくりと、口に運びながらそう思った。 >>魔王の腹心、魔海を統べる海王ともあろう者が、このようなところで人間の世話を受けている。 >>他の者に知れたら、屈辱である。 > >デイルさんの家で静養なさっている海王さま。 >早く魔族としての『力』を取り戻したい、と焦る気持ちは分かりますが >『あの』ナイアルラトホテップさまの手で、人間にされてしまったのですから >そう簡単に戻ることは、出来ないのではないでしょうね。 ヤツの力は強大ですからね。 何の力もない身では、非常に困難でしょう。 >>(私は海王・・・・・・赤眼の魔王様の腹心のひとり・・・・・・) >>そう呟きながら、ダルフィンは森の中を歩き出した。 >>まだ万全とはいえない体で、遅々とした歩み。 > >力を失い。『人間』の盗賊ごときに、襲われても戦うこともままならない。 >自分を助けた『人間』に食事の世話までしてもらう。 >誇り高い魔族。魔王さまの腹心の御ひとりとしては、耐え難いほどの屈辱なのでしょうか。 > >海王さま。右も左も分からない人間界で、お金も無く。 >人間の生活習慣も、よく分からない・・・・・そんな状態で、いったい何処に行こうとしているのでしょうか。 >辛いでしょうけど、ずっとお戻りにならない海王さまのことを、魔族の方々が探しているのでは・・・・。 正直、戸惑っているのでしょう。 いままで凄まじい力を誇っていたのに、それがまったくなくなって、下等とみなしていた者に、世話を受けるのですから。 >>「触るな!下衆が。」 >>「いいねぇ、こういう女は。鼻っ柱をへし折ってねじ伏せるのがまた楽しいんだ。」 >>いやらしい笑みを浮かべ、ダルフィンの顎を掴んで自分の方へ無理矢理向かせる。 >>「くっ・・・・・」 > >ああああああああ、この前の盗賊たちですか。 >なんて執念深いのでしょうか。 >せっかくデイルさんが手加減してくださったのに、まあだ海王さまを狙っていたのでしょうか。 逃がした魚の大きさと、デイルへの報復のためです。 >>「デム・ウィン!」 >>強烈な突風が男に向かった。 >>だが、その魔風は男の前で消えた。 >>「むっ!?」 >>「へへ、きかねえぜ。俺の体は魔法を無効にしちまうのさ。」 >>「なに?」 >>「高い金を払ったがな、肉体改造の施術を受けたのさ。」 > >魔法を無効にする、って(汗) >ザナッファーのように、アストラル・サイドから隔離されたような状態になっているのでしょうか。 >もし、そうならば・・・・物凄い技術ですね。 >この男には、物理攻撃しか通用しないのでしょうか。 この技術、間接的にあのひとが関わっています。 >>男の言葉に、デイルの顔に驚愕が浮かんだ。 >>「まさか・・・・・・・”組織”の技術か・・・・・・・」 >>「前なんかとは比べ物にならない力を貰ったぜぇ。」 >>そう言う男の腕が、禍々しい鉤爪をもった魔獣のような腕へと変化した。 >>「人を捨てた愚か者が・・・・・・」 >>吐き捨てるように呟くと、デイルは杖の頭を逆手に握った。 > >謎の”組織”ですね。 >人魔を作り上げような技術を持った組織、なのでしょうか。 >この男。デイルさんの仰るように・・・・既に『人間』・・・・やめてますね(汗) ”組織”のことは次回以降で。 >>「これは―――」 >>「へへ、この爪からはよ、毒がでるのさ。すぐに殺すやつじゃねえ。じわじわと苦しめるヤツだぜ。」 >>勝ち誇ったように男が笑う。 > >反撃した海王さまの一撃も、人間やめてる男には通用しなかったのですね。 >そして、海王さまを庇って傷付いてしまったデイルさん。 >人間やめてる男は、爪に毒まで仕込んでいたのですね・・・・・なんつう陰険な。 かなり強力な肉体改造ですので。 しかもイヤなおまけつきで・・・ >>だがそのとき――― >> シャッ >>空気を切る音がしたかと思うと、男の片腕が宙を飛んだ。 >>いつの間にか荒い息をしながら、デイルが男の後ろに立っていた。 >>手には逆手にもった杖の頭、その先は鋭い剣になっていた。どうやらあの杖は仕込み杖になっていたようだった。 >>「私も一端ではあるが・・・・・その忌まわしき闇の技術(わざ)、滅消させてもらう。」 >>そう言うや、逆手に握られた仕込杖が閃いた。 >>「紅蓮。」 >>デイルの声と共に刀身に真っ赤な炎が纏った。 >>そして瞬時に男の体を真っ二つに切り裂き、その後を炎が飲み込んだ。 >>その光景に盗賊たちは恐怖にかられ、我先に逃げ出した。 > >デイルさんは、組織の一員だったのでしょうか。 >仕込み杖は、一種の魔法剣なのですね。 >掛け声ひとつで魔力の炎を繰り出すとは、すごい魔法剣ですね。 ぶっちゃけ、そうです。(ネタバレ) この剣は彼の必殺の一芸です。 >>「先に地獄で待っていろ。私も後から行く。」 >>刀身を納めるや、デイルは大きく咳き込み、血を吐いて倒れた。 > >毒に体を蝕まれて行くデイルさん。 >大丈夫なのでしょうか(汗) > >海王さまは、いつどんな方法で、本来の魔族としてのお力を取り戻すのか。 >組織は、デイルさんと海王さまに係わって行くのか。 >続きが、とても気になります〜。 だいたいの筋はできておりますので。 あとは肉付けでどれだけ肉がついちゃうかですね。 >>やばいですね。 >>長くなりますよ、これは。 >>ちゃんとまとまるかなぁ? > >長くなるのですね♪ >毎回、とても楽しく読ませて頂いております。 >毎回とても面白いです。そして投稿なさるペースが、とても速くて >すごいなあ、と思っております。 もったいないお言葉、ありがとうございます。 >>それでは。 > >ふと気付くと、もうすぐ4月が終わろうとしていますね。 >また風邪が流行りだしたようですので、お体にお気を付けて、お元気で。 >では、失礼します。 早いものですね。この前桜が咲いたと思ったらもう5月ですか・・・ 夏もすぐそこですね。 それでは。 |
25714 | Re:夢、幻の如くなり 三 | 颪月夜ハイドラント | 2003/4/26 16:26:02 |
記事番号25692へのコメント こんばんはラントです。 敵再来。 ”組織”(コピペしましたけど、正直この挟む記号の出し方知らないんだよな)とは一体。 そしてどう改造するのでしょう。 キメラとかそんな感じなのか全く異質なのか・・・。 そしてそこからもゼルガディスのような人間が出るのではないか・・・。 何か外れたところまでちょっと考えたりしてしまいました。(あんまりそういうことする人間じゃないんだけど。) >「紅蓮。」 >デイルの声と共に刀身に真っ赤な炎が纏った。 >そして瞬時に男の体を真っ二つに切り裂き、その後を炎が飲み込んだ。 これも特殊な攻撃なのでしょうか。 となればこの方にも秘密があるようですね。 それにしても大丈夫なのでしょうか。 >やばいですね。 >長くなりますよ、これは。 >ちゃんとまとまるかなぁ? 長い話はやはり辛いですよ。(いやというほど経験者) まあうまく書ければ話に愛着沸くかも知れませんけど 大変でしょうががんばってください。 それでは・・・何か内容のないレスですけど・・・。 |
25726 | Re:夢、幻の如くなり 三 | 棒太郎 | 2003/4/27 13:13:27 |
記事番号25714へのコメント こんにちわ、棒太郎です。 >キメラとかそんな感じなのか全く異質なのか・・・。 >そしてそこからもゼルガディスのような人間が出るのではないか・・・。 そういう感じですね。 まあ、人間と魔獣の合成生物みたいになるとかそんなんです。 ゼルガディスのような者もいるでしょうね。 >>「紅蓮。」 >>デイルの声と共に刀身に真っ赤な炎が纏った。 >>そして瞬時に男の体を真っ二つに切り裂き、その後を炎が飲み込んだ。 >これも特殊な攻撃なのでしょうか。 >となればこの方にも秘密があるようですね。 >それにしても大丈夫なのでしょうか。 これは彼の必殺の一芸です。 魔法剣のようなものだと思ってください。 >>やばいですね。 >>長くなりますよ、これは。 >>ちゃんとまとまるかなぁ? >長い話はやはり辛いですよ。(いやというほど経験者) >まあうまく書ければ話に愛着沸くかも知れませんけど >大変でしょうががんばってください。 > >それでは・・・何か内容のないレスですけど・・・。 > 暖かいお言葉ありがとうございます。 続きを早く書こうと思うんですが、いかんせん今、物凄く疲労が溜まっており、時折アッチの世界へ行きそうになっております。 なんとか早めに続き、あげたいと思います。 それでは。 |
25752 | 夢、幻の如くなり 四 | 棒太郎 | 2003/4/28 23:24:43 |
記事番号25581へのコメント こんばんわ、棒太郎です。 なんだかんだで4話目ですね。 ではどうぞ。 ************************************* 『夢、幻の如くなり』 四 西の空を太陽が紅く染める頃、 村にある機織の工房から次々と女たちが出てきた。 そのうちの一人が、その中で一際目立つ顔立ちの、蒼髪の女性に話しかけた。 「ねえ、ダルフィンさん。今度みんなでお茶会でもしようって言ってるんだけど、あなたもどう?」 その誘いに、ダルフィンはあまり感情を表していない顔を向けた。 「あ・・・・無理にとは言わないから・・・・・」 「ごめんなさい。また次の機会にお願いしますわ。」 そう言うと、サッと手荷物をまとめた。 「ダルフィンさん。これが先週分の給金だよ。」 工房のまとめ役の女性から、給金を受け取り懐へしまった。 「また頼むよ。あんたが入ると作業の効率が違うんだ。」 「考えておきますわ。」 そう言って工房を出ると、いくつかの食料を買い込み、真っ直ぐ村の外れの森の中へと歩いていった。 しばらく歩くと、小さな小屋が視界に入ってきた。 小屋の前まで来るとダルフィンは、服やスカートを数回はたいて身だしなみを整えた。 ダルフィンの服はあの絢爛なドレスではなく、村の娘たちが着ている質素な布の服だった。 「ああ、おかえりなさい。ダルフィンさん。」 「デイル!!」 出迎えたデイルにダルフィンは声を上げた。 デイルの頬は大きくこけており、目元も落ち窪んだように翳がかかっていた。 体も痩せ細っていた。 「大丈夫ですよ。少し体を動かしたほうが調子がいいですし。」 「デイル。」 「すぐに食事をつくりますから―――」 「デイル、お願いですわ。休んでいて。私が困りますわ。」 沈痛ともいえる表情で言うダルフィンに、デイルはそそくさとベッドに戻った。 「ダルフィンさん・・・・・・貴女にはご迷惑をおかけしますね・・・・・」 「私が勝手にやっていることですわ。気にしないで。」 買ってきた食料を机に置きながら、桶を手にした。 「水が足りませんわね。汲んできますわ。」 あれから3ヶ月の月日が流れていた。 あのとき、傷を負ったデイルは体がひどく悪化し、芳しくない状態が続いていた。 いくつかの解毒剤や薬を飲んだが、あまり効かなかった。 ダルフィンは自分のドレスを売り払って、高価な薬を取り寄せもした。 だが結果は変わらなかった。 デイルは、あの盗賊から受けた毒は解毒されている、と言った。 ただ自分の体は以前から今の医術や魔法では解毒不能な毒に侵されている、それがあの時受けた毒により更に活性化したのだろう―――とも言っていた。 いずれにせよ、彼の体は猛毒に蝕まれ、その生命を削られていた。 (不思議なものだ・・・・・) 小川で水を汲みながら、ダルフィンは思いを馳せた。 (以前の私なら・・・・・あのように死に瀕した者などなんの心にも留めなかったのに・・・・・・なんの感慨も沸かなかったのに・・・・・・) この3ヶ月の自分を思い返す。 (あの男があのとき私を助けたのも・・・・・わかる気がする・・・・・・・・それに、他の者が私にどのような口を聞こうとも・・・・・以前の私なら許しはしなかったのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人間とは・・・・・なんと複雑な感情をもつ存在なのだ・・・・) そしてふと、己の手に目を落とした。 なんの力もない己の手。 (力か・・・・・・・欲しい!取り戻したい!このままこの命終わらせてなるものか!) だが、今の自分は生きて暮らすことだけで精一杯である。とてもそんなことなど考えられない。 ひとつ息をつくと、桶を持って小屋へと戻っていった。 「ただい―――デイルッ!?」 ダルフィンが叫び声をあげた。 胸を抑え、顔に苦痛の色を浮かべてデイルがゴホッ!ゴホッ!と大きく咳き込んでいた。 「デイルッ!!」 慌てて傍へ駆け寄る。 「大丈夫ですよ、ダルフィンさん・・・・・大・・・丈夫・・・・ゴホッ、ゴホッ!!」 「じっとしていて。今、薬を――」 (く―――、力が、力があれば―――こんな毒など――――) ぐっとダルフィンは下唇をかみ締めた。 「ん〜〜〜、なかなかいい味ですね。さすがは特産ワイン。」 高級料亭で名物のワインに舌鼓を打つ、異彩を放つ異国の服装の男がいた。 古典劇に出てきそうな異国の王族のような衣装であった。 4,5人は座れそうな円形のテーブルに優雅に腰掛けている。 「おや?これは気がつきませんで。貴女もいっぱい如何です?」 そう言う男の対面の席に、いつの間にか見事な金髪の女性が腰掛けていた。 人間の基準では計り知れないような美を漂わせていた。 「此処に何をしにきた?」 静かに、だが荘厳ともいえる声で男に問いかけた。 「何を、と言われますと?」 男がそう言った途端、男の体に締め上げるような、強烈な圧迫感が襲い掛かった。 男の顔に緊張が走った。 「いかに彼奴の直属といえども、我が世界への干渉は許さぬぞ、ナイアルラトホテップ。」 男――ナイアルラトホテップは女性の凍てつくような凄まじい眼光を受けても、顔色を変えずにいた。 「干渉などと、とんでもない。こちらにちょっと探し物がありまして、お邪魔させていただいているのですが――――」 スゥッと女性の目が細まる。 「ああ、あれですか。あれはまあちょっとしたお遊びのようなものでして。わかってますよ、ちゃんとお返しします。私も貴女と闘りあうほど自惚れてはいませんから。」 そう言うや、ナイアルラトホテップを包んでいた圧迫感は消えた。 金髪の女性も初めからいなかったように、消えていた。 やれやれ、とナイアルラトホテップは一息ついた。 「まあ、探し物の場所はだいたいわかったんですがね。それにしても彼女も一緒とは。」 これは面白い、とニヤリと唇を吊り上げ、壮絶な笑みを浮かべた。 「どうやら、持ち直したようですわね。」 まだ少し荒いながらも、静かに呼吸するデイルを見て、ダルフィンはほっと息をついた。 (結局・・・・・・私ができるのは、傍についていてあげることだけ・・・・・) 知らず己の手を見つめる。 (人間の手は・・・・・・どうしてこんなにも無力なのだ) 「ダルフィン・・・・さん・・・・・・」 小さくデイルの呼ぶ声が聞こえた。 「すいません・・・・・・また・・・・ご心配をおかけしましたね・・・・・」 そう言い、弱弱しくも小さく笑う。 (この男は・・・・・・どうして微笑むことができる・・・・・この苦しみがいつまで続くとも知れないのに・・・・・・・・・・・) こんなに苦しみながらも、それでも生きていく人間。 その存在に彼女の心は揺さぶられていた。 (私は・・・・・圧倒されているのか?人間という存在に・・・・・・・) ************************************* 4話目でした。 やっぱり長くなりました。 ”組織”のこと、書けませんでした。すいません。 次こそは必ず。 それでは。 |
25755 | 探し物はなんですか? | 猫楽者 E-mail | 2003/4/29 00:54:00 |
記事番号25752へのコメント >こんばんわ、棒太郎です。 >なんだかんだで4話目ですね。 >ではどうぞ。 こんばんは、棒太郎さん。 お元気ですか。猫楽者です。 またも盗賊たちに襲われてしまった海王さま。 その海王さまを助けて、毒に侵されてしまったデイルさん。 どうなってしまうのだろうと、続き♪を読ませて頂けるのを とても楽しみにお待ちしておりました。 >西の空を太陽が紅く染める頃、 >村にある機織の工房から次々と女たちが出てきた。 >そのうちの一人が、その中で一際目立つ顔立ちの、蒼髪の女性に話しかけた。 >「ねえ、ダルフィンさん。今度みんなでお茶会でもしようって言ってるんだけど、あなたもどう?」 >その誘いに、ダルフィンはあまり感情を表していない顔を向けた。 >「あ・・・・無理にとは言わないから・・・・・」 >「ごめんなさい。また次の機会にお願いしますわ。」 >そう言うと、サッと手荷物をまとめた。 か・・・・海王さまが・・・・工房で働いていらっしゃるのですね(汗) 右も左も、わからないような人間の生活。 戸惑いの連続の中での、お仕事、さぞ大変なのでしょうね。 他の人間との付き合いも、どうすれば良いのか、よく分からないのでしょうか。 >「ダルフィンさん。これが先週分の給金だよ。」 >工房のまとめ役の女性から、給金を受け取り懐へしまった。 >「また頼むよ。あんたが入ると作業の効率が違うんだ。」 >「考えておきますわ。」 >そう言って工房を出ると、いくつかの食料を買い込み、真っ直ぐ村の外れの森の中へと歩いていった。 すぐにお仕事を覚えて、正確で早い仕事をなさっているのでしょうか。 食料の買い物をなさるようになったのですね。 >「ああ、おかえりなさい。ダルフィンさん。」 >「デイル!!」 >出迎えたデイルにダルフィンは声を上げた。 >デイルの頬は大きくこけており、目元も落ち窪んだように翳がかかっていた。 >体も痩せ細っていた。 デイルさん。衰弱してしまっているのでしょうか。 前回の毒攻撃が、効いているのですか。 >「大丈夫ですよ。少し体を動かしたほうが調子がいいですし。」 >「デイル。」 >「すぐに食事をつくりますから―――」 >「デイル、お願いですわ。休んでいて。私が困りますわ。」 >沈痛ともいえる表情で言うダルフィンに、デイルはそそくさとベッドに戻った。 >「ダルフィンさん・・・・・・貴女にはご迷惑をおかけしますね・・・・・」 >「私が勝手にやっていることですわ。気にしないで。」 >買ってきた食料を机に置きながら、桶を手にした。 >「水が足りませんわね。汲んできますわ。」 海王さま。デイルさんのことを気遣い、身の回りのお世話をなさるとは デイルさんと出会って・・・・お変わりになりましたね。 ひとりの心優しい女性として、デイルさんと一緒にいるように感じました。 >あれから3ヶ月の月日が流れていた。 >あのとき、傷を負ったデイルは体がひどく悪化し、芳しくない状態が続いていた。 >いくつかの解毒剤や薬を飲んだが、あまり効かなかった。 >ダルフィンは自分のドレスを売り払って、高価な薬を取り寄せもした。 >だが結果は変わらなかった。 >デイルは、あの盗賊から受けた毒は解毒されている、と言った。 >ただ自分の体は以前から今の医術や魔法では解毒不能な毒に侵されている、それがあの時受けた毒により更に活性化したのだろう―――とも言っていた。 >いずれにせよ、彼の体は猛毒に蝕まれ、その生命を削られていた。 あの盗賊たちの事件から、ずっと海王さまはデイルさんの看病を続けているのですね。 魔族であったころ着ていたドレスを手放してまで、デイルさんに元気になって欲しかったのですね。 解毒不能な毒・・・・・・あの人魔が使ったような毒なのでしょうか。 >(不思議なものだ・・・・・) >小川で水を汲みながら、ダルフィンは思いを馳せた。 >(以前の私なら・・・・・あのように死に瀕した者などなんの心にも留めなかったのに・・・・・・なんの感慨も沸かなかったのに・・・・・・) >この3ヶ月の自分を思い返す。 魔族にとって、行き続けるものは、無数の矛盾を混乱を発生させるとして 死に対しての考え方が、違っていたのですね。 そして、それが当たり前のこととして、なんの疑問も感じてはいなかったのでしょうね。 >(あの男があのとき私を助けたのも・・・・・わかる気がする・・・・・・・・それに、他の者が私にどのような口を聞こうとも・・・・・以前の私なら許しはしなかったのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・人間とは・・・・・なんと複雑な感情をもつ存在なのだ・・・・) >そしてふと、己の手に目を落とした。 >なんの力もない己の手。 >(力か・・・・・・・欲しい!取り戻したい!このままこの命終わらせてなるものか!) >だが、今の自分は生きて暮らすことだけで精一杯である。とてもそんなことなど考えられない。 人間となり、デイルさんと暮すうちに、人間の考え方を少しずつ理解してきたのでしょうか。 生きる為に、食べて行く為に,毎日々々働き続け。 デイルさんの看病を続ける。 そして、やはり魔族としての強大な力を取り戻したいのですね。 >ひとつ息をつくと、桶を持って小屋へと戻っていった。 >「ただい―――デイルッ!?」 >ダルフィンが叫び声をあげた。 >胸を抑え、顔に苦痛の色を浮かべてデイルがゴホッ!ゴホッ!と大きく咳き込んでいた。 >「デイルッ!!」 >慌てて傍へ駆け寄る。 >「大丈夫ですよ、ダルフィンさん・・・・・大・・・丈夫・・・・ゴホッ、ゴホッ!!」 >「じっとしていて。今、薬を――」 >(く―――、力が、力があれば―――こんな毒など――――) >ぐっとダルフィンは下唇をかみ締めた。 デイルさん。病状が悪化してしまっているのでしょうか(汗) なにかデイルさんの体から、毒を取り除く方法はないのでしょうか。 魔王さまの腹心のおひとりとしての、海王さま本来の『力』を取り戻すことが出来れば デイルさんの体を蝕む毒を、消し去ることが出来るのに(涙) >「何を、と言われますと?」 >男がそう言った途端、男の体に締め上げるような、強烈な圧迫感が襲い掛かった。 >男の顔に緊張が走った。 >「いかに彼奴の直属といえども、我が世界への干渉は許さぬぞ、ナイアルラトホテップ。」 >男――ナイアルラトホテップは女性の凍てつくような凄まじい眼光を受けても、顔色を変えずにいた。 >「干渉などと、とんでもない。こちらにちょっと探し物がありまして、お邪魔させていただいているのですが――――」 >スゥッと女性の目が細まる。 金色の魔王さま・・・・・ご自分の世界で好き勝手なことをされて・・・・怒ってますね(滝汗) ナイアルラトホテップさま。海王さまの『お力』を、すぐに元に戻さないと 滅ぼされてしまうのではないでしょうか(汗) >「ああ、あれですか。あれはまあちょっとしたお遊びのようなものでして。わかってますよ、ちゃんとお返しします。私も貴女と闘りあうほど自惚れてはいませんから。」 >そう言うや、ナイアルラトホテップを包んでいた圧迫感は消えた。 >金髪の女性も初めからいなかったように、消えていた。 >やれやれ、とナイアルラトホテップは一息ついた。 >「まあ、探し物の場所はだいたいわかったんですがね。それにしても彼女も一緒とは。」 >これは面白い、とニヤリと唇を吊り上げ、壮絶な笑みを浮かべた。 あの・・・・ナイアルラトホテップさま(汗) まさか・・・・まあだ海王さまに・・・・なにかチョッカイ出そうとしているのですか(滝汗) 止めてください〜。お願いします〜(泣) 火の主神さま・・・・ナイアルラトホテップさまが、なにか無茶なことしようとしています〜 どうか、元の世界へと連れ戻しに来てください(泣) >「どうやら、持ち直したようですわね。」 >まだ少し荒いながらも、静かに呼吸するデイルを見て、ダルフィンはほっと息をついた。 >(結局・・・・・・私ができるのは、傍についていてあげることだけ・・・・・) >知らず己の手を見つめる。 >(人間の手は・・・・・・どうしてこんなにも無力なのだ) デイルさんのことを、かけがえのない方。 海王さまは、そう感じるようになったのでしょうか。 海王さま。魔族に比べたら、人間は無力なのかもしれません。 魔族だった海王さまが、人間であるデイルさんのことを心配して ずっと傍について看病なさる。その姿を想像させて頂いて胸が熱くなりました。 >「ダルフィン・・・・さん・・・・・・」 >小さくデイルの呼ぶ声が聞こえた。 >「すいません・・・・・・また・・・・ご心配をおかけしましたね・・・・・」 >そう言い、弱弱しくも小さく笑う。 >(この男は・・・・・・どうして微笑むことができる・・・・・この苦しみがいつまで続くとも知れないのに・・・・・・・・・・・) >こんなに苦しみながらも、それでも生きていく人間。 >その存在に彼女の心は揺さぶられていた。 >(私は・・・・・圧倒されているのか?人間という存在に・・・・・・・) 全ての人間が、デイルさんのような方では無いのですが 人間の中にも、他の方のことを想うことのできる方もいるのです。 生きる。どうかデイルさんの、そのお姿を見守ってあげてください。 >4話目でした。 >やっぱり長くなりました。 >”組織”のこと、書けませんでした。すいません。 面白かったです。そしてデイルさんのこと・・・・心配です。 デイルさんとの生活を続け、少しずつ少しずつ変わってゆく海王さま。 毒の為に衰弱して苦しんで、それでも笑うデイルさんの御姿・・・・優しく強い方ですね。 探し物をしている、ナイアルラトホテップさまが、どう係わって来るのか。 続きが〜続きが、とても気になります。 >次こそは必ず。 >それでは。 続きを読ませて頂けるのを、とてもとても楽しみにお待ちしております〜。 もうすぐ5月になりますね。 暖かかったり寒かったりしますので お体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
25775 | Re:探し物はなんですか? | 棒太郎 | 2003/4/29 23:29:02 |
記事番号25755へのコメント こんばんは、猫楽者さん。 >またも盗賊たちに襲われてしまった海王さま。 >その海王さまを助けて、毒に侵されてしまったデイルさん。 >どうなってしまうのだろうと、続き♪を読ませて頂けるのを >とても楽しみにお待ちしておりました。 いつも読んでいただきありがとうございます。 >>「あ・・・・無理にとは言わないから・・・・・」 >>「ごめんなさい。また次の機会にお願いしますわ。」 >>そう言うと、サッと手荷物をまとめた。 > >か・・・・海王さまが・・・・工房で働いていらっしゃるのですね(汗) >右も左も、わからないような人間の生活。 >戸惑いの連続の中での、お仕事、さぞ大変なのでしょうね。 >他の人間との付き合いも、どうすれば良いのか、よく分からないのでしょうか。 デイルのこともあるし、あまり他の人とは馴れ合っていないです。 最低限のコミュニケーションはとってるようですが。 >>「ダルフィンさん。これが先週分の給金だよ。」 >>工房のまとめ役の女性から、給金を受け取り懐へしまった。 >>「また頼むよ。あんたが入ると作業の効率が違うんだ。」 >>「考えておきますわ。」 >>そう言って工房を出ると、いくつかの食料を買い込み、真っ直ぐ村の外れの森の中へと歩いていった。 > >すぐにお仕事を覚えて、正確で早い仕事をなさっているのでしょうか。 >食料の買い物をなさるようになったのですね。 頼りにされているようです。 わたしとは大違いです。 >>「ああ、おかえりなさい。ダルフィンさん。」 >>「デイル!!」 >>出迎えたデイルにダルフィンは声を上げた。 >>デイルの頬は大きくこけており、目元も落ち窪んだように翳がかかっていた。 >>体も痩せ細っていた。 > >デイルさん。衰弱してしまっているのでしょうか。 以前から毒で弱ってきていたのですが、今回のが更に拍車をかけました。 >>「ダルフィンさん・・・・・・貴女にはご迷惑をおかけしますね・・・・・」 >>「私が勝手にやっていることですわ。気にしないで。」 >>買ってきた食料を机に置きながら、桶を手にした。 >>「水が足りませんわね。汲んできますわ。」 > >海王さま。デイルさんのことを気遣い、身の回りのお世話をなさるとは >デイルさんと出会って・・・・お変わりになりましたね。 >ひとりの心優しい女性として、デイルさんと一緒にいるように感じました。 だいぶ、人間らしい行動ですよね。 >>デイルは、あの盗賊から受けた毒は解毒されている、と言った。 >>ただ自分の体は以前から今の医術や魔法では解毒不能な毒に侵されている、それがあの時受けた毒により更に活性化したのだろう―――とも言っていた。 >>いずれにせよ、彼の体は猛毒に蝕まれ、その生命を削られていた。 > >あの盗賊たちの事件から、ずっと海王さまはデイルさんの看病を続けているのですね。 >魔族であったころ着ていたドレスを手放してまで、デイルさんに元気になって欲しかったのですね。 >解毒不能な毒・・・・・・あの人魔が使ったような毒なのでしょうか。 デイルの体を蝕んでいる毒は、”組織”と関わりがあります。 >>(不思議なものだ・・・・・) >>小川で水を汲みながら、ダルフィンは思いを馳せた。 >>(以前の私なら・・・・・あのように死に瀕した者などなんの心にも留めなかったのに・・・・・・なんの感慨も沸かなかったのに・・・・・・) >>この3ヶ月の自分を思い返す。 > >魔族にとって、行き続けるものは、無数の矛盾を混乱を発生させるとして >死に対しての考え方が、違っていたのですね。 >そして、それが当たり前のこととして、なんの疑問も感じてはいなかったのでしょうね。 魔族も神族もある意味、考え方は明確ですからね。 こんな複雑な心のあり方に戸惑っているのでしょう。 >>そしてふと、己の手に目を落とした。 >>なんの力もない己の手。 >>(力か・・・・・・・欲しい!取り戻したい!このままこの命終わらせてなるものか!) >>だが、今の自分は生きて暮らすことだけで精一杯である。とてもそんなことなど考えられない。 > >人間となり、デイルさんと暮すうちに、人間の考え方を少しずつ理解してきたのでしょうか。 >生きる為に、食べて行く為に,毎日々々働き続け。 >デイルさんの看病を続ける。 >そして、やはり魔族としての強大な力を取り戻したいのですね。 今まで簡単に出来ていたことが出来ないのですから。 取り戻したいという心もあります。 >>「大丈夫ですよ、ダルフィンさん・・・・・大・・・丈夫・・・・ゴホッ、ゴホッ!!」 >>「じっとしていて。今、薬を――」 >>(く―――、力が、力があれば―――こんな毒など――――) >>ぐっとダルフィンは下唇をかみ締めた。 > >デイルさん。病状が悪化してしまっているのでしょうか(汗) >なにかデイルさんの体から、毒を取り除く方法はないのでしょうか。 >魔王さまの腹心のおひとりとしての、海王さま本来の『力』を取り戻すことが出来れば >デイルさんの体を蝕む毒を、消し去ることが出来るのに(涙) 体内の毒が以前よりも数段活発になってますから。 本来の力があれば、簡単に消せるでしょうが、なんの力のない身ではどうすることもできません。 >>「何を、と言われますと?」 >>男がそう言った途端、男の体に締め上げるような、強烈な圧迫感が襲い掛かった。 >>男の顔に緊張が走った。 >>「いかに彼奴の直属といえども、我が世界への干渉は許さぬぞ、ナイアルラトホテップ。」 >>男――ナイアルラトホテップは女性の凍てつくような凄まじい眼光を受けても、顔色を変えずにいた。 >>「干渉などと、とんでもない。こちらにちょっと探し物がありまして、お邪魔させていただいているのですが――――」 >>スゥッと女性の目が細まる。 > >金色の魔王さま・・・・・ご自分の世界で好き勝手なことをされて・・・・怒ってますね(滝汗) >ナイアルラトホテップさま。海王さまの『お力』を、すぐに元に戻さないと >滅ぼされてしまうのではないでしょうか(汗) 勝手に自分の世界の、設定された存在を変えられて、お怒りのご様子です。 流石の「這い寄る混沌」でもこの方相手では。 >>「ああ、あれですか。あれはまあちょっとしたお遊びのようなものでして。わかってますよ、ちゃんとお返しします。私も貴女と闘りあうほど自惚れてはいませんから。」 >>そう言うや、ナイアルラトホテップを包んでいた圧迫感は消えた。 >>金髪の女性も初めからいなかったように、消えていた。 >>やれやれ、とナイアルラトホテップは一息ついた。 >>「まあ、探し物の場所はだいたいわかったんですがね。それにしても彼女も一緒とは。」 >>これは面白い、とニヤリと唇を吊り上げ、壮絶な笑みを浮かべた。 > >あの・・・・ナイアルラトホテップさま(汗) >まさか・・・・まあだ海王さまに・・・・なにかチョッカイ出そうとしているのですか(滝汗) >止めてください〜。お願いします〜(泣) >火の主神さま・・・・ナイアルラトホテップさまが、なにか無茶なことしようとしています〜 >どうか、元の世界へと連れ戻しに来てください(泣) 愉快犯で、確信犯ですから。 食わせ者ですよ、彼は。 >>「どうやら、持ち直したようですわね。」 >>まだ少し荒いながらも、静かに呼吸するデイルを見て、ダルフィンはほっと息をついた。 >>(結局・・・・・・私ができるのは、傍についていてあげることだけ・・・・・) >>知らず己の手を見つめる。 >>(人間の手は・・・・・・どうしてこんなにも無力なのだ) > >デイルさんのことを、かけがえのない方。 >海王さまは、そう感じるようになったのでしょうか。 >海王さま。魔族に比べたら、人間は無力なのかもしれません。 >魔族だった海王さまが、人間であるデイルさんのことを心配して >ずっと傍について看病なさる。その姿を想像させて頂いて胸が熱くなりました。 本人にはまだ自覚がないと思います。 >>「ダルフィン・・・・さん・・・・・・」 >>小さくデイルの呼ぶ声が聞こえた。 >>「すいません・・・・・・また・・・・ご心配をおかけしましたね・・・・・」 >>そう言い、弱弱しくも小さく笑う。 >>(この男は・・・・・・どうして微笑むことができる・・・・・この苦しみがいつまで続くとも知れないのに・・・・・・・・・・・) >>こんなに苦しみながらも、それでも生きていく人間。 >>その存在に彼女の心は揺さぶられていた。 >>(私は・・・・・圧倒されているのか?人間という存在に・・・・・・・) > >全ての人間が、デイルさんのような方では無いのですが >人間の中にも、他の方のことを想うことのできる方もいるのです。 >生きる。どうかデイルさんの、そのお姿を見守ってあげてください。 デイル、強い人間ですね。 こういう人は今はなかなかいないでしょうね。 >>4話目でした。 >>やっぱり長くなりました。 >>”組織”のこと、書けませんでした。すいません。 > >面白かったです。そしてデイルさんのこと・・・・心配です。 >デイルさんとの生活を続け、少しずつ少しずつ変わってゆく海王さま。 >毒の為に衰弱して苦しんで、それでも笑うデイルさんの御姿・・・・優しく強い方ですね。 >探し物をしている、ナイアルラトホテップさまが、どう係わって来るのか。 >続きが〜続きが、とても気になります。 彼の探し物、それは彼に関係するものです。 >>次こそは必ず。 >>それでは。 > >続きを読ませて頂けるのを、とてもとても楽しみにお待ちしております〜。 >もうすぐ5月になりますね。 >暖かかったり寒かったりしますので >お体にお気を付けて、お元気で。 >では、失礼します。 どうもありがとうございました。 いつも感想ありがとうございます。 ゴールデンウィークはずっと仕事です(泣) 世間一般のように浮かれることはできません。 とほほ。 |
25772 | ダルフィン様が健気です | エモーション E-mail | 2003/4/29 22:03:27 |
記事番号25752へのコメント こんばんは。 一人の人間の女性として働き、デイルさんの看病をするダルフィン様が、 なんだかとても健気です。 戸惑いながらも、「人間」の持つ感情を少しずつ理解しはじめていくダルフィン様。 言葉で説明できるものではないだけに、本当に不思議な気持ちなのだと思います。 また、かつては簡単に出来ていたはずのことが出来なくなっているだけに、 余計に力がないこと、傍についていることしかできない無力な自分を 悔しく思う姿は見ていてこちらも切ないです。 >小屋の前まで来るとダルフィンは、服やスカートを数回はたいて身だしなみを整えた。 この辺り、何となくツボでした。 何だかとても「女性らしい」と言いますか……何か、可愛いです。 少しでもきちんとして見えるように、という気合いに見えまして。 ドレスを売ったことで、デイルさんがとても申し訳ながったのだろうな、 だから少しでも心配させたくないんだろうなと思いました。 デイルさんの身体を蝕んでいる〃毒〃……。 〃組織〃絡みのものなのでしょうけれど、本当に厄介な代物なんですね。 〃組織〃は解毒剤とか作っていないのでしょうか。 L様とナイの方……静かな会話で、でもとても迫力あります……。 こういう状況で、静かにさりげなくなので、尚更怖いですよね。 どこか飄々としているナイの方。ナイの方が探し歩くような物とは 何なのでしょう? デイルさんの言う〃組織〃は、異世界から何かを無理に引き寄せるような事を しているのでしょうか。 >(この男は・・・・・・どうして微笑むことができる・・・・・この苦しみがいつまで続くとも知れないのに・・・・・・・・・・・) >こんなに苦しみながらも、それでも生きていく人間。 >その存在に彼女の心は揺さぶられていた。 >(私は・・・・・圧倒されているのか?人間という存在に・・・・・・・) 苦しい思いをしながらも、微笑むデイルさん。 デイルさんは人間の中で見ても、とても芯の強い方だと思います。 そんな方と出会い、一緒に過ごしていることは、ダルフィン様にとって 「人間」というものを、本当によく考えさせられるのでしょうね。 「探し物」を見つけて、行動を起こしそうなナイの方。 そしてデイルさんと〃組織〃と探し物、どう関わってくるのでしょう。 何となくダルフィン様が一緒にいることで面白がっているナイの方が とても気になります。 続きがとても楽しみです。 それでは、この辺で失礼いたします。 |
25776 | Re:ダルフィン様が健気です | 棒太郎 | 2003/4/29 23:56:47 |
記事番号25772へのコメント こんばんは、エモーションさん。 >一人の人間の女性として働き、デイルさんの看病をするダルフィン様が、 >なんだかとても健気です。 >戸惑いながらも、「人間」の持つ感情を少しずつ理解しはじめていくダルフィン様。 >言葉で説明できるものではないだけに、本当に不思議な気持ちなのだと思います。 確かにこういったことは、言葉に表すのは難しいですよね。 今まで感じたことのないものだけに、それは余計でしょうね。 >また、かつては簡単に出来ていたはずのことが出来なくなっているだけに、 >余計に力がないこと、傍についていることしかできない無力な自分を >悔しく思う姿は見ていてこちらも切ないです。 絶大な力を誇っていただけに、今の状況はとてつもない無力感を感じますね。 >>小屋の前まで来るとダルフィンは、服やスカートを数回はたいて身だしなみを整えた。 > >この辺り、何となくツボでした。 >何だかとても「女性らしい」と言いますか……何か、可愛いです。 >少しでもきちんとして見えるように、という気合いに見えまして。 >ドレスを売ったことで、デイルさんがとても申し訳ながったのだろうな、 >だから少しでも心配させたくないんだろうなと思いました。 海王といえどやはり女性なのだ、と。 書いてる自分も何か可愛いなと思ってしまいました。 >デイルさんの身体を蝕んでいる〃毒〃……。 >〃組織〃絡みのものなのでしょうけれど、本当に厄介な代物なんですね。 >〃組織〃は解毒剤とか作っていないのでしょうか。 鋭いですね。流石。 確かに”組織”が絡んでいます。 >L様とナイの方……静かな会話で、でもとても迫力あります……。 >こういう状況で、静かにさりげなくなので、尚更怖いですよね。 ありがとうございます。そのようなお言葉をいただけて嬉しいです。 >どこか飄々としているナイの方。ナイの方が探し歩くような物とは >何なのでしょう? >デイルさんの言う〃組織〃は、異世界から何かを無理に引き寄せるような事を >しているのでしょうか。 彼の探し物は、彼に関係するものです。 >>(この男は・・・・・・どうして微笑むことができる・・・・・この苦しみがいつまで続くとも知れないのに・・・・・・・・・・・) >>こんなに苦しみながらも、それでも生きていく人間。 >>その存在に彼女の心は揺さぶられていた。 >>(私は・・・・・圧倒されているのか?人間という存在に・・・・・・・) > >苦しい思いをしながらも、微笑むデイルさん。 >デイルさんは人間の中で見ても、とても芯の強い方だと思います。 >そんな方と出会い、一緒に過ごしていることは、ダルフィン様にとって >「人間」というものを、本当によく考えさせられるのでしょうね。 わたしもこういう人になりたいですね。 わたしの芯は脆いものですから。 >「探し物」を見つけて、行動を起こしそうなナイの方。 >そしてデイルさんと〃組織〃と探し物、どう関わってくるのでしょう。 >何となくダルフィン様が一緒にいることで面白がっているナイの方が >とても気になります。 彼は愉快犯・確信犯ですので。 なかなかタチが悪いですよ。 >続きがとても楽しみです。 >それでは、この辺で失礼いたします。 どうもありがとうございました。 5月の上旬は忙しくなるので、燃え尽きないようにしたいです。 それでは。 |
25777 | 夢、幻の如くなり 五 | 棒太郎 | 2003/4/30 01:45:20 |
記事番号25581へのコメント こんばんわ、棒太郎です。 なんかかなり長くなってます。 それでは5話どうぞ。 ************************************* 『夢、幻の如くなり』 五 深い夜の闇がすべてを覆い、冷ややかな夜気があたりを漂っている。 それを窓の外に見ながら、ダルフィンはデイルの傍らに腰掛けていた。 静かに寝息をたてるデイルをじっと見ている。 (この男・・・・・・・・・また痩せた。) 日に日にデイルの体から生気が抜けていくように見えた。 (このままでは弱っていくばかりだ・・・・・・・・・・・今の薬では・・・・どうにもならない・・・・・・・・) ぎゅっと両手を握り締める。 (もっと良い薬がいる・・・・・・・・そのための金も・・・・・・) いつしか彼女の意識は闇に落ちていった。 深い闇の中を歩いていた。 どこへ向かって歩いているのか、自分でもわからない。 どれほど歩いたのか、やがて薄っすらと路らしきものが見えた。 その先にその路を歩く人影がいた。 徐々に闇の中からその姿が明らかになってくると、彼女は音無き声を上げた。 それはデイルだった。 彼は何かに導かれるように、真っ直ぐ歩いていた。 やがて前に巨大な建物の影が見えてきた。 あらゆる線と形が歪んだ、まさに悪夢といえる石造りの建物群だった。 その中央に、七本の柱で吊るされたものがあった。 不気味な輝きを放つそれにデイルが近づいたとき――――― ククククク クカカカカ クカカカカカカカカカカ 突如不気味な笑い声が響き、そこから黒い翼と三つに分かれた燃え上がる眼が浮かび上がった。 クカカカカカカカカカ そしてその闇はあっという間にデイルを呑み込んだ。 「デイルッ!!」 叫んで、ダルフィンは目を覚ました。 窓からは薄っすらと夜明けの光が差し込み始めている。 ハァハァと汗にまみれながら、荒い息をつく。 「夢・・・・・?」 先ほど見た光景を思い浮かべる。 そのとき―――― 「・・・・・・ダルフィンさん。」 デイルの声が聞こえた。 「デイル。」 「ダルフィンさん・・・・申し訳ありませんが、私の杖をとってもらえますか?」 デイルの言葉に、ダルフィンは壁に立てかけてあった杖を渡す。 それを受け取ったデイルは、仕込み杖の柄の頭の装飾部に手をかけた。 何かを呟くと、ガチリと音がしてそれが割れた。 そして中から小石ほどの大きさの、赤い線の入った黒い多面体の結晶が出てきた。 「それは――」 ダルフィンは絶句した。 先ほど視た光景に出てきた、七本の柱に吊るされたものと同じだった。 「これは”闇黒の瞳”と呼ばれるものです・・・・・・・こんなことを貴女に頼む義理など無いのですが。」 手にした”闇黒の瞳”をじっと見つめながら、呟くように言った。 「私は何度もこれを完全に粉砕しようとしてきました・・・・・・・しかしこれはどのようにしても粉砕することはできなかった。・・・・・・このような体ではそれももはやできません・・・・・・・・・ダルフィンさん、私が死んだあとでも結構です。これを海の底にでも、谷底にでも人目のつかない所へ棄ててください。」 「デイル・・・・・・・何を言うんですの・・・・」 「これは決して人が手にしてはならないものです。これを人々の前から消し去ることが、私の最後の贖罪なのです。」 ゴホッ、ゴホッと小さく咳き込む。 「ダルフィンさん・・・・・・お願いします・・・・・・・」 その言葉に、ダルフィンは戸惑いながらも小さく頷いた。 それに満足したように、デイルは小さく笑みを浮かべた。 (これで・・・・いい。あれが再び世に出れば・・・・・また第二、第三の”組織”が現れる・・・・・・・) ダルフィンが仕事に出た後、デイルはベッドに横たわりながら、心の中で呟いた。 (サルバトリア・・・・・シャローナ・・・・・・私も遠からず地獄(そちら)へ行く・・・・・・・どれほど人々を助けようとも、私の罪は消えることは無い。) そのとき、小屋の外をなにか不穏な気配がやってくるのを感じた。 (なんだ、この気配は・・・・・・・一体何が・・・・・) デイルはゆっくりと体を起こした。 杖を手に取ると、小屋の外へと出て行った。 そこには鎧に身を包んだ幾人もの兵士がいた。 「・・・・・一体なんですか?これは。」 「お前がディクスン=レッドフィアーだな。」 兵士の一人がそう言った。 その言葉にデイルはわずかに眉を上げた。 「人違いですよ。私の名はデイルです。」 デイルは静かに言った。 「ははは、惚けてもらっては困りますね。かつて”組織”にその人ありといわれた魔法剣士、”血刃(ブラッディレイザー)”ディクスン=レッドフィアー殿。」 そう言って、兵士の間から一人の男が出てきた。 にこやかなクセのあるそうな笑みを浮かべた青年だった。 「お前は――!?」 「お久しぶりです。師匠(せんせい)。」 驚きの表情を浮かべるデイルに、青年はにこやかに笑った。 「バカな・・・・・・・お前は”組織”壊滅とともに死んだはず――――」 「ははは、でもこうして生きてます。」 「この兵士たちは―――」 「新しいスポンサーです。」 「スポンサー・・・・だと?」 「そうです。実はまた新しく”組織”を立て直しましてね。今日はあの時師匠が奪った”闇黒の星”を返してもらいにきたのと、師匠をスカウトしに来たんです。」 そう言い、青年――ギディアスは笑った。 ************************************* 五話目でした。 ようやく”組織”のことが出てきました。 ゴールデンウィークも仕事なので、いつになるかわかりませんがまた次回。 それでは。 |
25787 | 予知夢でしょうか(汗) | 猫楽者 E-mail | 2003/4/30 18:50:12 |
記事番号25777へのコメント >こんばんわ、棒太郎です。 >なんかかなり長くなってます。 >それでは5話どうぞ。 こんばんは、棒太郎さん。 お元気ですか、猫楽者です。 毒に侵され、衰弱してゆくデイルさん。 這い寄る混沌さまが、なにか企んでいるようですし 『力』を奪われ人間となってしまった海王さまが、どうなってしまうのか。 続きをお待ちしておりました♪ >深い夜の闇がすべてを覆い、冷ややかな夜気があたりを漂っている。 >それを窓の外に見ながら、ダルフィンはデイルの傍らに腰掛けていた。 >静かに寝息をたてるデイルをじっと見ている。 >(この男・・・・・・・・・また痩せた。) >日に日にデイルの体から生気が抜けていくように見えた。 >(このままでは弱っていくばかりだ・・・・・・・・・・・今の薬では・・・・どうにもならない・・・・・・・・) >ぎゅっと両手を握り締める。 >(もっと良い薬がいる・・・・・・・・そのための金も・・・・・・) >いつしか彼女の意識は闇に落ちていった。 デイルさん・・・・・衰弱してしまっているのですね。 薬や治療、そんな人の命に直接かかわる医療ですらも・・・・・・お金次第・・・。 海王さま。デイルさんのことが、とても心配なのですね。 どうか無茶なことはしないでください。 自分の為に無理をさせてしまった。と、デイルさんが悲しむと思います。 >やがて前に巨大な建物の影が見えてきた。 >あらゆる線と形が歪んだ、まさに悪夢といえる石造りの建物群だった。 >その中央に、七本の柱で吊るされたものがあった。 >不気味な輝きを放つそれにデイルが近づいたとき――――― > ククククク クカカカカ クカカカカカカカカカカ >突如不気味な笑い声が響き、そこから黒い翼と三つに分かれた燃え上がる眼が浮かび上がった。 > クカカカカカカカカカ >そしてその闇はあっという間にデイルを呑み込んだ。 輝きを放っている!? 燃える三眼の方が、そこから現れる!?・・・・・ま・・・まさか(汗) 『風』の力を借りて、『水』と戦っていた博士が、海底へと沈めた・・・・あれ・・でしょうか(滝汗) >「デイルッ!!」 >叫んで、ダルフィンは目を覚ました。 >窓からは薄っすらと夜明けの光が差し込み始めている。 >ハァハァと汗にまみれながら、荒い息をつく。 >「夢・・・・・?」 >先ほど見た光景を思い浮かべる。 海王さまのご覧になった夢・・・・予知夢・・・・まさ夢になってしまわないと良いのですが・・・。 この夢・・・・海王さまの『力』を奪った・・・あのお方が海王さまに見せたのでしょうか。 >そして中から小石ほどの大きさの、赤い線の入った黒い多面体の結晶が出てきた。 >「それは――」 >ダルフィンは絶句した。 >先ほど視た光景に出てきた、七本の柱に吊るされたものと同じだった。 黒い多面体の結晶・・・・デイルさん、どこで手に入れたのでしょうか(汗) >「これは”闇黒の瞳”と呼ばれるものです・・・・・・・こんなことを貴女に頼む義理など無いのですが。」 >手にした”闇黒の瞳”をじっと見つめながら、呟くように言った。 >「私は何度もこれを完全に粉砕しようとしてきました・・・・・・・しかしこれはどのようにしても粉砕することはできなかった。・・・・・・このような体ではそれももはやできません・・・・・・・・・ダルフィンさん、私が死んだあとでも結構です。これを海の底にでも、谷底にでも人目のつかない所へ棄ててください。」 >「デイル・・・・・・・何を言うんですの・・・・」 >「これは決して人が手にしてはならないものです。これを人々の前から消し去ることが、私の最後の贖罪なのです。」 >ゴホッ、ゴホッと小さく咳き込む。 >「ダルフィンさん・・・・・・お願いします・・・・・・・」 >その言葉に、ダルフィンは戸惑いながらも小さく頷いた。 >それに満足したように、デイルは小さく笑みを浮かべた。 デイルさんは、ご自分が助からない。もう間も無く逝ってしまう、と感じているのですね。 ご自分の死を目の前にして、焦ることも自棄になることもなく。 ただ静かに、それを受け入れている。 強い方ですね。 心残りは、ひとりになってしまう海王さまの今後と、”闇黒の瞳”の処分なのですね。 >(これで・・・・いい。あれが再び世に出れば・・・・・また第二、第三の”組織”が現れる・・・・・・・) >ダルフィンが仕事に出た後、デイルはベッドに横たわりながら、心の中で呟いた。 >(サルバトリア・・・・・シャローナ・・・・・・私も遠からず地獄(そちら)へ行く・・・・・・・どれほど人々を助けようとも、私の罪は消えることは無い。) デイルさん。今までの人生になにがあったのかは、わかりませんが 罪の意識もなく、当然のように非道なことを行なっているような輩もいます。 どうか、ご自分を苦しめ追い詰めないでください。 >「人違いですよ。私の名はデイルです。」 >デイルは静かに言った。 >「ははは、惚けてもらっては困りますね。かつて”組織”にその人ありといわれた魔法剣士、”血刃(ブラッディレイザー)”ディクスン=レッドフィアー殿。」 >そう言って、兵士の間から一人の男が出てきた。 >にこやかなクセのあるそうな笑みを浮かべた青年だった。 >「お前は――!?」 >「お久しぶりです。師匠(せんせい)。」 >驚きの表情を浮かべるデイルに、青年はにこやかに笑った。 >「バカな・・・・・・・お前は”組織”壊滅とともに死んだはず――――」 >「ははは、でもこうして生きてます。」 >「この兵士たちは―――」 >「新しいスポンサーです。」 >「スポンサー・・・・だと?」 >「そうです。実はまた新しく”組織”を立て直しましてね。今日はあの時師匠が奪った”闇黒の星”を返してもらいにきたのと、師匠をスカウトしに来たんです。」 >そう言い、青年――ギディアスは笑った。 デイルさんたちが“組織”を壊滅させたときに、死んだ方が復活なさったのですか。 あの盗賊の親分さんのような怪人を作るような組織が、また活動を開始しようとしているのですか。 這い寄る混沌さまが、背後で暗躍しているのでしょうか。 >五話目でした。 >ようやく”組織”のことが出てきました。 >ゴールデンウィークも仕事なので、いつになるかわかりませんがまた次回。 壊滅したはずの“組織”、もう二度と会うハズのなかったギディアスさんとの再会。 海王さまが働きに出かけている間に、デイルさん大変なことになっていますね(汗) 這い寄る混沌さまが、そしてエルさまが、どうかかわってゆくのでしょうか。 海王さまは、いつどんな状況で『御力』を取り戻されるのか。 続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。 >それでは。 連休と連休の合間の平日は・・・・・電車が空いています(笑) 暖かくなって来ましたね。 早いもので、もう今年も1/3が過ぎてしまいました。 年々と1年間が短くなってゆくようです。 風邪など、お体にお気を付けて、お元気で。 では、失礼します。 |
25812 | Re:予知夢でしょうか(汗) | 棒太郎 | 2003/5/1 21:32:31 |
記事番号25787へのコメント >こんばんは、棒太郎さん。 >お元気ですか、猫楽者です。 こんばんわ、猫楽者さん。 棒太郎です。 >毒に侵され、衰弱してゆくデイルさん。 >這い寄る混沌さまが、なにか企んでいるようですし >『力』を奪われ人間となってしまった海王さまが、どうなってしまうのか。 >続きをお待ちしておりました♪ いつもありがとうございます。 なるだけ、お待たせしないようにはしているんですが・・・ >>日に日にデイルの体から生気が抜けていくように見えた。 >>(このままでは弱っていくばかりだ・・・・・・・・・・・今の薬では・・・・どうにもならない・・・・・・・・) >>ぎゅっと両手を握り締める。 >>(もっと良い薬がいる・・・・・・・・そのための金も・・・・・・) >>いつしか彼女の意識は闇に落ちていった。 > >デイルさん・・・・・衰弱してしまっているのですね。 >薬や治療、そんな人の命に直接かかわる医療ですらも・・・・・・お金次第・・・。 >海王さま。デイルさんのことが、とても心配なのですね。 >どうか無茶なことはしないでください。 >自分の為に無理をさせてしまった。と、デイルさんが悲しむと思います。 デイルさん、だいぶ弱ってきてます。 医は仁術、と言いますがそれでもお金のことは何かにつけて引っかかってくるものです。 >>やがて前に巨大な建物の影が見えてきた。 >>あらゆる線と形が歪んだ、まさに悪夢といえる石造りの建物群だった。 >>その中央に、七本の柱で吊るされたものがあった。 >>不気味な輝きを放つそれにデイルが近づいたとき――――― >> ククククク クカカカカ クカカカカカカカカカカ >>突如不気味な笑い声が響き、そこから黒い翼と三つに分かれた燃え上がる眼が浮かび上がった。 >> クカカカカカカカカカ >>そしてその闇はあっという間にデイルを呑み込んだ。 > >輝きを放っている!? >燃える三眼の方が、そこから現れる!?・・・・・ま・・・まさか(汗) >『風』の力を借りて、『水』と戦っていた博士が、海底へと沈めた・・・・あれ・・でしょうか(滝汗) 暗闇で彼を喚びだすといわれるアレです。 >>ハァハァと汗にまみれながら、荒い息をつく。 >>「夢・・・・・?」 >>先ほど見た光景を思い浮かべる。 > >海王さまのご覧になった夢・・・・予知夢・・・・まさ夢になってしまわないと良いのですが・・・。 >この夢・・・・海王さまの『力』を奪った・・・あのお方が海王さまに見せたのでしょうか。 予知夢・・・・・・に近いものでしょうか。 >>そして中から小石ほどの大きさの、赤い線の入った黒い多面体の結晶が出てきた。 >>「それは――」 >>ダルフィンは絶句した。 >>先ほど視た光景に出てきた、七本の柱に吊るされたものと同じだった。 > >黒い多面体の結晶・・・・デイルさん、どこで手に入れたのでしょうか(汗) ”組織”から持ち出しました。 ”組織”がどこからか手に入れたもののようです。 >>「デイル・・・・・・・何を言うんですの・・・・」 >>「これは決して人が手にしてはならないものです。これを人々の前から消し去ることが、私の最後の贖罪なのです。」 >>ゴホッ、ゴホッと小さく咳き込む。 >>「ダルフィンさん・・・・・・お願いします・・・・・・・」 >>その言葉に、ダルフィンは戸惑いながらも小さく頷いた。 >>それに満足したように、デイルは小さく笑みを浮かべた。 > >デイルさんは、ご自分が助からない。もう間も無く逝ってしまう、と感じているのですね。 >ご自分の死を目の前にして、焦ることも自棄になることもなく。 >ただ静かに、それを受け入れている。 >強い方ですね。 >心残りは、ひとりになってしまう海王さまの今後と、”闇黒の瞳”の処分なのですね。 自分の死は、己の罪に対する罰と思っていますから。 だから彼はそれを受け入れています。 >>(サルバトリア・・・・・シャローナ・・・・・・私も遠からず地獄(そちら)へ行く・・・・・・・どれほど人々を助けようとも、私の罪は消えることは無い。) > >デイルさん。今までの人生になにがあったのかは、わかりませんが >罪の意識もなく、当然のように非道なことを行なっているような輩もいます。 >どうか、ご自分を苦しめ追い詰めないでください。 彼のような意識がすこしでもあれば、世の中もうすこしマシになるんですがねぇ。 >>「お前は――!?」 >>「お久しぶりです。師匠(せんせい)。」 >>驚きの表情を浮かべるデイルに、青年はにこやかに笑った。 >>「バカな・・・・・・・お前は”組織”壊滅とともに死んだはず――――」 >>「ははは、でもこうして生きてます。」 >>「この兵士たちは―――」 >>「新しいスポンサーです。」 >>「スポンサー・・・・だと?」 >>「そうです。実はまた新しく”組織”を立て直しましてね。今日はあの時師匠が奪った”闇黒の星”を返してもらいにきたのと、師匠をスカウトしに来たんです。」 >>そう言い、青年――ギディアスは笑った。 > >デイルさんたちが“組織”を壊滅させたときに、死んだ方が復活なさったのですか。 >あの盗賊の親分さんのような怪人を作るような組織が、また活動を開始しようとしているのですか。 >這い寄る混沌さまが、背後で暗躍しているのでしょうか。 ”組織”は過去にデイルとその仲間(文中のサルバトリア、シャローナ)によって壊滅させられましたが、残党がまた立て直したようです。 這い寄る混沌はこれには関わってないです。 >>五話目でした。 >>ようやく”組織”のことが出てきました。 >>ゴールデンウィークも仕事なので、いつになるかわかりませんがまた次回。 > >壊滅したはずの“組織”、もう二度と会うハズのなかったギディアスさんとの再会。 >海王さまが働きに出かけている間に、デイルさん大変なことになっていますね(汗) >這い寄る混沌さまが、そしてエルさまが、どうかかわってゆくのでしょうか。 >海王さまは、いつどんな状況で『御力』を取り戻されるのか。 >続きを読ませて頂けるのを、とても楽しみにお待ちしております。 次回、クライマックスに突入です。 >>それでは。 > >連休と連休の合間の平日は・・・・・電車が空いています(笑) >暖かくなって来ましたね。 >早いもので、もう今年も1/3が過ぎてしまいました。 >年々と1年間が短くなってゆくようです。 >風邪など、お体にお気を付けて、お元気で。 >では、失礼します。 連休・・・・・・・・・ みんなどこかへ行くんですね・・・・・・ わたしの中では、ゴールデンウィークという言葉は半ば死後になっています。 それでは。 |
25791 | Re:夢、幻の如くなり 五 | 颪月夜ハイドラント URL | 2003/4/30 19:29:58 |
記事番号25777へのコメント こんばんはラントです。 >なんかかなり長くなってます。 大丈夫です。 時たま私、凄い長いの平気で投稿してたりしますから。 >(このままでは弱っていくばかりだ・・・・・・・・・・・今の薬では・・・・どうにもならない・・・・・・・・) >ぎゅっと両手を握り締める。 >(もっと良い薬がいる・・・・・・・・そのための金も・・・・・・) お金の問題は覆しがたいですからねえ。 >あらゆる線と形が歪んだ、まさに悪夢といえる石造りの建物群だった。 >その中央に、七本の柱で吊るされたものがあった。 >不気味な輝きを放つそれにデイルが近づいたとき――――― > ククククク クカカカカ クカカカカカカカカカカ >突如不気味な笑い声が響き、そこから黒い翼と三つに分かれた燃え上がる眼が浮かび上がった。 > クカカカカカカカカカ >そしてその闇はあっという間にデイルを呑み込んだ。 ううむ妖しげな感じが出てますね。 >先ほど視た光景に出てきた、七本の柱に吊るされたものと同じだった。 >「これは”闇黒の瞳”と呼ばれるものです・・・・・・・こんなことを貴女に頼む義理など無いのですが。」 一体どういうものなのでしょう。 >「そうです。実はまた新しく”組織”を立て直しましてね。今日はあの時師匠が奪った”闇黒の星”を返してもらいにきたのと、師匠をスカウトしに来たんです。」 >そう言い、青年――ギディアスは笑った。 デイル殿、組織関係者ですか? 長くなりそうで大変でしょうががんばってください。 それでは短いですが・・・ |
25813 | Re:夢、幻の如くなり 五 | 棒太郎 | 2003/5/1 21:39:23 |
記事番号25791へのコメント >こんばんはラントです。 こんばんわ、棒太郎です。 >>なんかかなり長くなってます。 >大丈夫です。 >時たま私、凄い長いの平気で投稿してたりしますから。 いやぁ、自分が予想しているよりも、書いているうちに長くなるのはなんかあせりますね。 >>(このままでは弱っていくばかりだ・・・・・・・・・・・今の薬では・・・・どうにもならない・・・・・・・・) >>ぎゅっと両手を握り締める。 >>(もっと良い薬がいる・・・・・・・・そのための金も・・・・・・) >お金の問題は覆しがたいですからねえ。 そうですねぇ。貨幣経済である限り関わってくることですからね。 >>あらゆる線と形が歪んだ、まさに悪夢といえる石造りの建物群だった。 >>その中央に、七本の柱で吊るされたものがあった。 >>不気味な輝きを放つそれにデイルが近づいたとき――――― >> ククククク クカカカカ クカカカカカカカカカカ >>突如不気味な笑い声が響き、そこから黒い翼と三つに分かれた燃え上がる眼が浮かび上がった。 >> クカカカカカカカカカ >>そしてその闇はあっという間にデイルを呑み込んだ。 >ううむ妖しげな感じが出てますね。 そう言って頂けると嬉しいです。 >>先ほど視た光景に出てきた、七本の柱に吊るされたものと同じだった。 >>「これは”闇黒の瞳”と呼ばれるものです・・・・・・・こんなことを貴女に頼む義理など無いのですが。」 >一体どういうものなのでしょう。 名前はこうしてますが、クトゥルー神話においてナイアルラトホテップと関係あるものです。 >>「そうです。実はまた新しく”組織”を立て直しましてね。今日はあの時師匠が奪った”闇黒の星”を返してもらいにきたのと、師匠をスカウトしに来たんです。」 >>そう言い、青年――ギディアスは笑った。 >デイル殿、組織関係者ですか? かつて”組織”の一員でした。 ”組織”の行いに罪悪感を感じ、”組織”を潰しました。 >長くなりそうで大変でしょうががんばってください。 >それでは短いですが・・・ 励ましのお言葉、ありがとうございます。 まあ、なんとか話はまとまりそうなので大丈夫だと思います。 それでは、ありがとうございました。 |
25799 | デイルさん、ピンチ! | エモーション E-mail | 2003/4/30 22:29:08 |
記事番号25777へのコメント こんばんは。 ダルフィン様が見た不気味な夢。 魔族としての力を奪われたとはいえ、五感……というより六感でしょうか、 そういう部分はおそらく鋭いままなのかな、と思いました。ただの人間でも そういう方はいますし。(本質直感なんていう、端で見ていると神業みたいな 感覚の持ち主の人もいますしね) そういう部分で、デイルさんの過去を垣間見たのでしょうか。 思わず叫んだダルフィン様に、デイルさんが大切な人になりつつあるんだなと 思いました。 ダルフィン様がデイルさんに処分を頼まれた〃闇黒の瞳〃……。 現在は人間になっているとはいえ、ダルフィン様ですら「不気味」と感じる ような代物……相当まずいものとしか思えません。 ナイの方はこれを探していたのでしょうか。 >(サルバトリア・・・・・シャローナ・・・・・・私も遠からず地獄(そちら)へ行く・・・・・・・どれほど人々を助けようとも、私の罪は消えることは無い。) 名前の出てこられた方々……デイルさんのご家族や友人でしょうか。 地獄を「そちら」と呼ぶのを考えると、この方々も〃組織〃に関わっていて、 でも、同じ志の方々だったのでしょうか。 >「ははは、惚けてもらっては困りますね。かつて”組織”にその人ありといわれた魔法剣士、”血刃(ブラッディレイザー)”ディクスン=レッドフィアー殿。」 これが、デイルさんの本名ですね。“血刃(ブラディレイザー)”……何だか 凄い通り名ですが、身体が毒で消耗していても、盗賊をあっさり倒すほどの 強さには納得できます。……毒に蝕まれていなければ、もっと強かったのでしょうね。 ダルフィン様の留守中に現れた、兵士達と死んだはずの人間……。 現在のダルフィン様では人質にされてしまうだけだと思いますが、 帰宅したときデイルさんがいない、とか言った状況になるのも悲しいものが あります。 また、〃闇黒の瞳〃は、まだ杖の中なのでしょうか。それともダルフィン様が お持ちなのでしょうか。 どちらにしても、デイルさん、ピンチです。大丈夫でしょうか。 >五話目でした。 >ようやく”組織”のことが出てきました。 >ゴールデンウィークも仕事なので、いつになるかわかりませんがまた次回。 >それでは。 どうなる? どうなる? と思いながら読ませていただきました。 長さは特に長いとは思いませんでした。丁度良いと思います。 ……この2倍から3倍は軽く越える長さの記事投稿を、頻繁にしている 私に比べれば……(汗)←鬼のような長文投稿の常習犯。 長くなりすぎないように気を付けていても、どうしても長くなるんですよね……(ため息) 今回で片鱗を見せはじめた〃組織〃。兵士がいる、ということは、その国の 領主、場合によっては国がバックにいると言うことですよね。 もの凄く厄介ですね……。 G・W中にお仕事……お疲れさまです。無理しすぎないように、またこの時期は 昼と夜の寒暖の差が激しいので、風邪などにもご注意下さい。 それでは、この辺で失礼いたします。続きを楽しみにしています。 |
25815 | Re:デイルさん、ピンチ! | 棒太郎 | 2003/5/1 21:48:55 |
記事番号25799へのコメント >こんばんは。 こんばんわ、棒太郎です。 >ダルフィン様が見た不気味な夢。 >魔族としての力を奪われたとはいえ、五感……というより六感でしょうか、 >そういう部分はおそらく鋭いままなのかな、と思いました。ただの人間でも >そういう方はいますし。(本質直感なんていう、端で見ていると神業みたいな >感覚の持ち主の人もいますしね) >そういう部分で、デイルさんの過去を垣間見たのでしょうか。 普通の人でもごく偶にそういうのを視ますしね。 過去というか予知夢に近いものでしょうか。 >思わず叫んだダルフィン様に、デイルさんが大切な人になりつつあるんだなと >思いました。 この3ヶ月間、人間として生活して変わってきましたね。 >ダルフィン様がデイルさんに処分を頼まれた〃闇黒の瞳〃……。 >現在は人間になっているとはいえ、ダルフィン様ですら「不気味」と感じる >ような代物……相当まずいものとしか思えません。 >ナイの方はこれを探していたのでしょうか。 ぶっちゃけそうです。 彼が探しているものですから、相当ヤバイです。 >>(サルバトリア・・・・・シャローナ・・・・・・私も遠からず地獄(そちら)へ行く・・・・・・・どれほど人々を助けようとも、私の罪は消えることは無い。) > >名前の出てこられた方々……デイルさんのご家族や友人でしょうか。 >地獄を「そちら」と呼ぶのを考えると、この方々も〃組織〃に関わっていて、 >でも、同じ志の方々だったのでしょうか。 同じ志の仲間ですね。 彼らも”組織”の一員でした。 >>「ははは、惚けてもらっては困りますね。かつて”組織”にその人ありといわれた魔法剣士、”血刃(ブラッディレイザー)”ディクスン=レッドフィアー殿。」 > >これが、デイルさんの本名ですね。“血刃(ブラディレイザー)”……何だか >凄い通り名ですが、身体が毒で消耗していても、盗賊をあっさり倒すほどの >強さには納得できます。……毒に蝕まれていなければ、もっと強かったのでしょうね。 通り名はハッタリではないです。 全盛時の力は”組織”でも五指に入るほどでした。 >ダルフィン様の留守中に現れた、兵士達と死んだはずの人間……。 >現在のダルフィン様では人質にされてしまうだけだと思いますが、 >帰宅したときデイルさんがいない、とか言った状況になるのも悲しいものが >あります。 帰宅したときいない、というより辛いものになりそうな・・・・・・ >また、〃闇黒の瞳〃は、まだ杖の中なのでしょうか。それともダルフィン様が >お持ちなのでしょうか。 >どちらにしても、デイルさん、ピンチです。大丈夫でしょうか。 一応ダルフィンが持ってます。 >>五話目でした。 >>ようやく”組織”のことが出てきました。 >>ゴールデンウィークも仕事なので、いつになるかわかりませんがまた次回。 >>それでは。 > >どうなる? どうなる? と思いながら読ませていただきました。 >長さは特に長いとは思いませんでした。丁度良いと思います。 >……この2倍から3倍は軽く越える長さの記事投稿を、頻繁にしている >私に比べれば……(汗)←鬼のような長文投稿の常習犯。 >長くなりすぎないように気を付けていても、どうしても長くなるんですよね……(ため息) 書いてるうちにどんどん書きたいことが増えてきますよね。 >今回で片鱗を見せはじめた〃組織〃。兵士がいる、ということは、その国の >領主、場合によっては国がバックにいると言うことですよね。 >もの凄く厄介ですね……。 そうですね。 ”組織”のパトロンになるほどですから、それくらいの規模のものでしょう。 >G・W中にお仕事……お疲れさまです。無理しすぎないように、またこの時期は >昼と夜の寒暖の差が激しいので、風邪などにもご注意下さい。 >それでは、この辺で失礼いたします。続きを楽しみにしています。 暖かいお言葉ありがとうございます。 五月の頭から、休み一日はさんで、母の日が過ぎるまで仕事です。 おそらく矢吹ジョーみたいに真っ白になってるかと・・・・・・ それでは。 |