◆−蝶−雫 (2003/6/4 20:43:23) No.26141 ┗Re:蝶−かひ丸 (2003/6/8 12:42:43) No.26163 ┗かひ丸さん、ありがと〜v−雫 (2003/6/8 13:02:56) No.26164
26141 | 蝶 | 雫 | 2003/6/4 20:43:23 |
こんにちは。雫です。毎回こんな挨拶ばかりで芸がないんですがお付き合い下さい。 ************************************* 蝶 世界の中心で行われた戦いが終わり少し時が流れていた。ゼルガディスは元の体に戻るためにまた旅立ち、アメリアはこの事を国に報告するためにセイルーンに帰った。リナとガウリィはガウリィの新しい武器を探すため旅を続けている。フィリアはヴァルガーヴと思われる卵の面倒を見るためジラス、グラボスと共に骨董品店を建て、卵の面倒を見た。そのかいあって、ヴァルガーヴは卵から孵った。ヴァルガーヴは昔の記憶が無いためフィリアはヴァルと名付けた。そして、平和な毎日だったのだがたまに招かれざる客も来た。 「生ゴミぃぃぃぃ!」 ずばごぉぉぉん 「姉さん・・・・暴れる、いけない。店壊れる。おれ良くない思う。」 「ジラス・・・・もう聞いてないぞ・・・。」 そう言って溜息をつくグラボス。フィリアは言った。 「何で毎週、私の店に来るんですかぁ!?止めてください!貴方のせいで腐ったらどうする気ですか!?」 「別に良いじゃないですか。ここが崩壊したら美味しい負の感情が僕の処に来るだけです。」 そして何かが壊れる音。その時だった。 「母さんうるさい。せっかく寝てたのに。」 「ヴァル外、行ってなさい。遠く行っちゃダメだからね。生ゴミは私が倒しておきます。」 「ドラゴンスレイヤーと呼ばれた僕を馬鹿にしないでもらいたいですねぇ。」 凶悪ドラゴンVS生ゴミ ヴァルは怖くなって外に逃げた。 ヴァルは溜息を吐いた。ゼロスの事はキライじゃない。だけどそれはお母さんには言えない。 ぱたぱた 「ん〜?」 ヴァルの目の前を飛ぶ蝶。それはただ静かに飛んでいた。 「ちょうちょ。」 ヴァルが呟く。蝶はその声に気付き遠くに飛んで行った。 「待て!」 ヴァルは追いかけた。徒歩で・・・。 ぽてぽて ぱたぱた ぽてぽてぽて ぱたぱたぱた ぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽてぽて ぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱた ふわり 突然、蝶が花の上に降りた。ヴァルは蝶に近寄った。蝶は花の蜜を吸い羽を休めていた。ヴァルはしばらくそれを見つめていたがふと顔を上げた。 綺麗な花畑。見知らぬ場所。 「・・・迷っ・・・・・・・・・・・・た?」 ヴァルは辺りを見渡すが帰れる気がしない。ヴァルは溜息を吐いて倒れこんだ。花がヴァルの体を支えきれず、折れて、花びらがそれでも綺麗に咲こうと空を舞った。ヴァルの視界に映るのは蒼く澄んだ空。心を埋め尽くすのは悲しい程の絶望と孤独。 ぱたぱた ふわり 「ん?」 ヴァルは一瞬、視界を遮ったモノを眼で追った。胸の辺りに止まる蝶。ヴァルにはそれがあの時の蝶だとすぐに解った。 「お前のせいで迷ったんだぞ。」 ・・・・・・・ 「・・・(怒)。てめぇ・・・・。いい加減にしねぇと泣かすぞ、こら。」 ・・・・・・・・・・・・・・。 ヴァルを真っ直ぐに見つめる蝶。それはヴァルの怒りを煽るだけだった。 ぴりっ ヴァルは自分が何をしたのか解らなかった。ただそこに羽を片方、失った蝶がいた。ヴァルは地面で片方の羽で飛ぼうとしている蝶をしばらくじいっとながめた。 かさっ 突然、手の中で乾いた音がした。ヴァルは握った右手の拳をおそるおそる開いてみた。そこにソレはあった。 「あ・・・・・・・あぁ」 ヴァルは泣きそうになった。自分の手に握られていたのは蝶の羽だった。ヴァルはしゃがみこんで蝶を見つめた。そしてヴァルはその手の中の羽を握りつぶし風に飛ばした。 「ごめん・・・・。ごめん・・・・。」 ヴァルは蝶を自分の手の上にのせた。ヴァルは言った。 「最後まで傍に居てやるから・・・!最後まで・・・・・・・・」 ・・・・・・・・。 ヴァルは蝶を自分の目の位置と同じ場所に移した。 「お前も・・・・今は一人・・・なんだよな。」 大事な人が来るまで・・・・・・・・・・。 「ヴァル!!しっかりしなさい!」 優しい声。身に覚えのない罪を一生懸命受け入れようと苦しんだ竜。 「フィリアさん。そんなに揺すったらダメだと思いますよ。」 どこか冷たい声。大事な主の命令を遂行しようとした魔族。 「・・・・・母さん?・・・生ゴ・・・ミ?」 「ヴァル!心配したのよ!店をジラス達に任せているから早く帰りましょう。」 「蝶・・・・は・・・?」 ヴァルの問いにゼロスは指をさした。小さな石のお墓。ヴァルはそれをしばらく見つめた。 「ヴァル?」 「うぇ?」 ヴァルは気付いた。今、自分は泣いている。 「俺のせい・・・だから。俺が・・・羽を・・・・。」 「別に良いじゃないですか。」 「生ゴミ・・・何を・・・・」 ゼロスはヴァルの背の高さに合うようにしゃがんで言った。 「一つの生き方にこだわる必要はありません。今の生き方が出来ないなら別の生き方を探せば良いんです。それでも今の行き方にこだわりたいなら、忘れないことです。」 「忘れない?」 「そうすれば・・・同じ過ちは犯しません。」 ヴァルはそうかもしれないと思った。フィリアは言った。 「さぁ、帰るわよ。ヴァル。」 「うん・・・・。」 ヴァルはフィリアの手をつなぎゼロスの手をつないだ。ヴァルは二人の手の暖かさを感じながら言った。 「なんかこうやってると家族みたい・・。」 「え!・・・ば・・・馬鹿なこと言わないで下さい!」 顔の赤いゼロス。 「そうですよ!早く帰りましょう!」 生き方は決まっていない。 もし合わないならその羽の色に合うように 塗り替えればいいのだから・・・ ************************************* どうも。ヴァル君の話でした。ちなみにゼロス君はヴァル君の事をヴァルさんとは呼ばないと思います。私がゴキブリ退治のスプレーを思い出すからと言う理由なのですが・・・・。それでは皆さんお元気で。 |
26163 | Re:蝶 | かひ丸 | 2003/6/8 12:42:43 |
記事番号26141へのコメント 久しぶりですッ! や〜 すごいですねぇ・・・小説たくさん書いてるうえにキレイな小説っ! ・・・はぁ・・ わしダメぢゃん・・ >「生ゴミぃぃぃぃ!」 > ずばごぉぉぉん > 「姉さん・・・・暴れる、いけない。店壊れる。おれ良くない思う。」 > 「ジラス・・・・もう聞いてないぞ・・・。」 > そう言って溜息をつくグラボス。フィリアは言った。 >「何で毎週、私の店に来るんですかぁ!?止めてください!貴方のせいで腐ったらどうする気ですか!?」 >「別に良いじゃないですか。ここが崩壊したら美味しい負の感情が僕の処に来るだけです。」 > そして何かが壊れる音。その時だった。 >「母さんうるさい。せっかく寝てたのに。」 >「ヴァル外、行ってなさい。遠く行っちゃダメだからね。生ゴミは私が倒しておきます。」 >「ドラゴンスレイヤーと呼ばれた僕を馬鹿にしないでもらいたいですねぇ。」 > 凶悪ドラゴンVS生ゴミ > ヴァルは怖くなって外に逃げた。 凶悪ドラゴンVS生ゴミって・・・恐ぇ・・(汗) > ヴァルは一瞬、視界を遮ったモノを眼で追った。胸の辺りに止まる蝶。ヴァルにはそれがあの時の蝶だとすぐに解った。 >「お前のせいで迷ったんだぞ。」 > ・・・・・・・ >「・・・(怒)。てめぇ・・・・。いい加減にしねぇと泣かすぞ、こら。」 あぁ・・まだ前世の性格が残ってる・・(涙) > ヴァルは自分が何をしたのか解らなかった。ただそこに羽を片方、失った蝶がいた。ヴァルは地面で片方の羽で飛ぼうとしている蝶をしばらくじいっとながめた。 > かさっ > 突然、手の中で乾いた音がした。ヴァルは握った右手の拳をおそるおそる開いてみた。そこにソレはあった。 >「あ・・・・・・・あぁ」 > ヴァルは泣きそうになった。自分の手に握られていたのは蝶の羽だった。ヴァルはしゃがみこんで蝶を見つめた。そしてヴァルはその手の中の羽を握りつぶし風に飛ばした。 >「ごめん・・・・。ごめん・・・・。」 > ヴァルは蝶を自分の手の上にのせた。ヴァルは言った。 >「最後まで傍に居てやるから・・・!最後まで・・・・・・・・」 > ・・・・・・・・。 > ヴァルは蝶を自分の目の位置と同じ場所に移した。 >「お前も・・・・今は一人・・・なんだよな。」 > 大事な人が来るまで・・・・・・・・・・。 小さい子の時はよくありますよね ちゃんと反省するトコは偉いぞ!! > ヴァルは気付いた。今、自分は泣いている。 >「俺のせい・・・だから。俺が・・・羽を・・・・。」 > 「別に良いじゃないですか。」 >「生ゴミ・・・何を・・・・」 > ゼロスはヴァルの背の高さに合うようにしゃがんで言った。 >「一つの生き方にこだわる必要はありません。今の生き方が出来ないなら別の生き方を探せば良いんです。それでも今の行き方にこだわりたいなら、忘れないことです。」 >「忘れない?」 >「そうすれば・・・同じ過ちは犯しません。」 おお・・・ゼロスが偉いコト言ってるぞ! やっぱりフィリア達が居ると 心が優しくなるのかな? > ヴァルはフィリアの手をつなぎゼロスの手をつないだ。ヴァルは二人の手の暖かさを感じながら言った。 >「なんかこうやってると家族みたい・・。」 > 「え!・・・ば・・・馬鹿なこと言わないで下さい!」 > 顔の赤いゼロス。 >「そうですよ!早く帰りましょう!」 > > 生き方は決まっていない。 > もし合わないならその羽の色に合うように > 塗り替えればいいのだから・・・ やぁ 良いお話ですねぇ ゼロスとフィリアも仲良しだしv でも『ウ』にテンテン付けられなくて 「ウァルガーウ」が書けなかったのが悲しい・・・ (それでコメントに名前出てこなかったんですよ) とにかくっ! 雫さん良いお話でした これからも頑張って下さいねっ♪ |
26164 | かひ丸さん、ありがと〜v | 雫 | 2003/6/8 13:02:56 |
記事番号26163へのコメント > 久しぶりですッ! や〜 すごいですねぇ・・・小説たくさん書いてるうえにキレイな小説っ! ・・・はぁ・・ わしダメぢゃん・・ 本当にお久しぶりです。私なんか数書いてるだけですよ。かひ丸さんの面白くって大好きですよ。 >>「母さんうるさい。せっかく寝てたのに。」 >>「ヴァル外、行ってなさい。遠く行っちゃダメだからね。生ゴミは私が倒しておきます。」 >>「ドラゴンスレイヤーと呼ばれた僕を馬鹿にしないでもらいたいですねぇ。」 >> 凶悪ドラゴンVS生ゴミ >> ヴァルは怖くなって外に逃げた。 > 凶悪ドラゴンVS生ゴミって・・・恐ぇ・・(汗) はい。私もちょっと・・・・(汗) >> ヴァルは一瞬、視界を遮ったモノを眼で追った。胸の辺りに止まる蝶。ヴァルにはそれがあの時の蝶だとすぐに解った。 >>「お前のせいで迷ったんだぞ。」 >> ・・・・・・・ >>「・・・(怒)。てめぇ・・・・。いい加減にしねぇと泣かすぞ、こら。」 > あぁ・・まだ前世の性格が残ってる・・(涙) まぁ何処で何してても彼は彼なんでしょう。 >> ヴァルは自分が何をしたのか解らなかった。ただそこに羽を片方、失った蝶がいた。ヴァルは地面で片方の羽で飛ぼうとしている蝶をしばらくじいっとながめた。 >> かさっ >> 突然、手の中で乾いた音がした。ヴァルは握った右手の拳をおそるおそる開いてみた。そこにソレはあった。 >>「あ・・・・・・・あぁ」 >> ヴァルは泣きそうになった。自分の手に握られていたのは蝶の羽だった。ヴァルはしゃがみこんで蝶を見つめた。そしてヴァルはその手の中の羽を握りつぶし風に飛ばした。 >>「ごめん・・・・。ごめん・・・・。」 >> ヴァルは蝶を自分の手の上にのせた。ヴァルは言った。 >>「最後まで傍に居てやるから・・・!最後まで・・・・・・・・」 >> ・・・・・・・・。 >> ヴァルは蝶を自分の目の位置と同じ場所に移した。 >>「お前も・・・・今は一人・・・なんだよな。」 >> 大事な人が来るまで・・・・・・・・・・。 > 小さい子の時はよくありますよね ちゃんと反省するトコは偉いぞ!! ヴァル君は多分本当は良い子なんだと思います。私は悪い子ですが・・。 >> ヴァルは気付いた。今、自分は泣いている。 >>「俺のせい・・・だから。俺が・・・羽を・・・・。」 >> 「別に良いじゃないですか。」 >>「生ゴミ・・・何を・・・・」 >> ゼロスはヴァルの背の高さに合うようにしゃがんで言った。 >>「一つの生き方にこだわる必要はありません。今の生き方が出来ないなら別の生き方を探せば良いんです。それでも今の行き方にこだわりたいなら、忘れないことです。」 >>「忘れない?」 >>「そうすれば・・・同じ過ちは犯しません。」 > おお・・・ゼロスが偉いコト言ってるぞ! やっぱりフィリア達が居ると 心が優しくなるのかな? もしかしたら正義パワーとか変なのに圧倒されて頭が変になったのでは・・。 >> ヴァルはフィリアの手をつなぎゼロスの手をつないだ。ヴァルは二人の手の暖かさを感じながら言った。 >>「なんかこうやってると家族みたい・・。」 >> 「え!・・・ば・・・馬鹿なこと言わないで下さい!」 >> 顔の赤いゼロス。 >>「そうですよ!早く帰りましょう!」 >> >> 生き方は決まっていない。 >> もし合わないならその羽の色に合うように >> 塗り替えればいいのだから・・・ > やぁ 良いお話ですねぇ ゼロスとフィリアも仲良しだしv > でも『ウ』にテンテン付けられなくて 「ウァルガーウ」が書けなかったのが悲しい・・・ (それでコメントに名前出てこなかったんですよ) とにかくっ! 雫さん良いお話でした これからも頑張って下さいねっ♪ かひ丸さん、ありがとうございます。ウにテンテンをつける方法はvを使えばヴぁとかヴぃとかヴとか出せます。それでは。 |