◆−世界の果てまでT−夜宵 吹雪 (2003/6/14 17:32:29) No.26224 ┣世界の果てまでU−夜宵 吹雪 (2003/6/14 18:09:43) No.26227 ┣世界の果てまでV−夜宵 吹雪 (2003/6/16 18:16:20) No.26257 ┃┗あんたが、やっと登場か−ユア・ファンティン (2003/6/16 22:09:57) No.26260 ┃ ┗長かった・・・、本ッ当に長かった・・・・。−夜宵 吹雪 (2003/6/17 18:52:30) No.26266 ┣世界の果てまでW−夜宵 吹雪 (2003/6/18 18:01:13) No.26275 ┃┗Re:世界の果てまでW−ユア・ファンティン (2003/6/18 22:25:44) No.26276 ┃ ┗負けた・・・・年下の負けた・・・・(By リュシカ基いR)−夜宵 吹雪 (2003/6/19 18:01:51) No.26280 ┣世界の果てまでX−夜宵 吹雪 (2003/6/20 19:02:24) No.26288 ┃┗Re:マリオネットだぁ、やったね−ユア・ファンティン (2003/6/21 10:53:13) No.26294 ┃ ┗リュシカは人形遣い【ドール・マスター】と呼ばれてますからね。−夜宵 吹雪 (2003/6/21 12:46:16) No.26297 ┣世界の果てまでY−夜宵 吹雪 (2003/6/22 10:28:17) No.26309 ┗世界の果てまでZ−夜宵 吹雪 (2003/6/24 19:48:15) No.26330 ┗Re:前回、出来ずにすみません−ユア・ファンティン (2003/6/25 22:45:58) No.26348 ┗いえ、特に気にしてません。−夜宵 吹雪 (2003/6/26 18:56:15) No.26353
26224 | 世界の果てまでT | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/14 17:32:29 |
T Prologue 「ぐああああっ!!」 絶叫と血臭。それらが、この空間を支配した。 「ちぃぃっ!!」 一人の青年が舌打ちしながら大降りのナイフを振るう。 「・・・・・・・・・・壊れなさい」 一人の青年がポツリと呟き、その言葉どおり、大地が壊れる。 「・・・引くのが良策ですね。」 背の高い黒いコートに身を包んだ一人の青年が、小さく絶望的な選択を漏らした。 「・・・どうします?」 その隣りに寄り添うように、頭をバンダナで巻いた青年が言い漏らす。 「・・・・・・・・。」 しかし答えない。 方法などない、この場を切り抜ける方法などないのだ。 「・・・・・・・万策・・・・尽きましたか・・・・・。」 絶望の二文字しかないというのに、他人事のように淡々と言った。 「・・・いや、方法はある。」 「!?」 「なっ!?あ、あなたは・・・・!?」 信じられない、とでも言いたげに二人は一人のその存在に見入った。その存在はここにはいないはずだったのだ。 「あなた様が・・・何故!?」 「お戻りください!!ここは我々が・・・・・!」 「おやめないさい。」 凛とした涼しくも逆らいがたい威圧感を込めた声が響く。 「・・・お前はわかっているのでしょう。ここはもう護りきれない事を。」 ぴくり、と黒いコートを着た男が一瞬、眉をひそめ・・・・元の冷静な顔に戻る。 「・・・お前は賢い。だから、逃げろ。」 「・・・・・・・!!」 「しかし!!」 バンダナを巻いた男が食って掛かるが、男に制され静かになる。 「・・・・・大丈夫です、私は果たさねばならない事がある。行きなさい、そして、この場にはいない彼を・・・・・・。」 きゅんっ 光が生まれた。 闇色の光を放つ光が。 「さあ・・・・行きなさい、自らのために・・・・そして・・・・・・。」 ・ううん・・・・・ それは唸りを上げ、二人を呑み込み・・・・・ 「・・・どうか・・・・無事で・・・・・・。」 その声は届かなかった。 あとがき 意味深なのでコメントは避けます。 次回でまとめて・・・・・・・。 ってか全然、名前出てないから説明のしようがないです。 |
26227 | 世界の果てまでU | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/14 18:09:43 |
記事番号26224へのコメント 全ては選択で世界は成り立っている いつも、迫られる。理不尽で残酷な選択を――― しかし、生きながらえる限り、死なない限り、存在する限り、朽ちない限り、それは永遠に存在する どちらを選ぶかで、片方が生き、片方が死ぬ それが世界だ そう創られている まるで常に均衡を保つ天秤のように 天秤は常に公平、そして――――冷徹 冤罪と免罪を許す事はない 永遠に――― ならば、消え去ったものの行く末は――― 消えたものはどこに行くか、誰も知らない 知るはずがない 世界はそう創られているから―――― U 旅路の幕開け 私は地面を踏みしめた。ブーツには土の感触が残り、立っていることを実感させる。 辺りを見回すと、生い茂る木々と街道が広がっている。 ・・・・・私は深々とため息をつきたくなった。しかしため息をついたところで、情況が好転するわけではない。私は目的があった。・・・・知り合いを、いや、知り合いも何も、生まれた時からの付き合いのある者を探していた。 しかし、その作業は大海原に落ちた針を探すような作業だ。手がかりは無い。 さらにどこに居るのかすらも分からない。そんな情況で探すなどと言う行為は、無謀を通り越して不可能に位置する。 しかし、何もしないわけにはいかない。私は近くに見える町に行くために、足を街道に向けた。 静かだ。街道は人影が無い。そういえば、ここに来る前にここには盗賊が出る、と聞いた。そのためか、人の姿は見えない。 そんな場所ではあるが、もし、私が襲われたとしても、撃退する自信はあったし、遠回りするのは時間の無駄以外の何者でも無い。 ・・・・・・・・・・・・・・。 私はふと足を止めた。気配を感じた。 この街道は、私から見て右側が森となり、左側は草原となっている。言うまでも無いが森の方から気配はした。草原はただっ広く、隠れたり、攻撃するには不向きだ。森の方から約十人と言ったところだろう。 そのうちの五人が私に姿を見せた。 私は前に似たような情況になった事がある。無論、私はその場を切り抜けた。私がこうしてこの場にいる事が、良い証拠だ。・・・・私はその時の盗賊と、今、邂逅している盗賊の違いが良くわからなかった。・・・同じ盗賊だからなのだろうか? 盗賊の一人が剣の刃先をこちらに向け、彼なりの脅し文句なのだろう、声を低くして喋る。もしかしたら地声かもしれない。 「お前さんかい?俺らの兄弟分の野郎共をやったってのは?」 兄弟分? 私は彼が何を言っているか分からなかったが、すぐに疑問は氷解する。 先程、言ったように私はこのような情況になった事がある。何度なったかは、残念ながら覚えていない。少なくとも恨みを買うようなことには間違いないし、何より数もそれなりに多かった気がする。もっとも確証は無いが。 「敵討ちっ、ってのは俺のガラじゃないんだが・・・・・・。」 ・・・・私はため息をつきたくなった。こういった人種は敵討ちよりも自らのプライドを優先させる。違う、と言ってしまえば簡単なのだろうが、聞く耳を持っているような、心根の広い男には、とてもではないが見えない。 ・・・心根の広い盗賊も、それはそれで恐いかもしれないが。 「兄ちゃん、テメエの首、頂くぜっ!!」 私の首など手に入れてどうするつもりだろう、と戦闘に入っているというのに、私はぼんやりと考えていた。 盗賊達、五人は戦闘体勢にはいった。後ろの五人は後衛、援護と言ったところか。私は、護身用のナイフをコートから取り出し・・・ 「振動弾!【ダム・ブラス!】」 声は森の中から聞こえた。声質からして女性、しかも十代の女性だろう。声が聞こえると、少し遅れて、森の中にいたらしい盗賊が吹っ飛ばされたようだ。 「な、何だっ!?」 「ひとぉ〜つ・・・人の世生き血吸い・・・・・・。」 再び、森の奥から声が聞こえた。先程、盗賊共を魔術で吹っ飛ばした女性の声と同じだ。 ・・・・・しかし・・・・・・何故だろうか。このセリフ・・・・なんだか無性にツッこみたいような・・・・・・・。 私は自分自身でも分からない、この感情を抑え、声に集中する。 「ふたぁ〜つ・・・不埒な悪行三昧・・・・・・。」 声の主の姿が、太陽の光で垣間見えた。まだ薄暗い森の中にいるので、よく判別は出来ないが、やはり女性、しかも服装から見て魔道師らしい。服が黒を基準としているので、系統はおそらく黒魔術だろう。 「みぃっつ!!」 「リナ・・・・!」 その少女が言葉を紡ごうとすると、後ろにいた背の高い男――少女と同じく声質から判断して――が、おそらくはかなり真剣な顔で声を掛ける。 「何よ?」 「・・・スマン、さっきから何言ってるか全然、まったくわからん。」 「・・・・・・・。」 少女は青年の言葉に黙り込んだ。心なしか震えている気もする。 「こぉんのクラゲ―――ッ!!」 スパアアァァンッ!! 景気のいい音が森に響いた。・・・・にわかに信じがたいが、少女がどこから取り出したのか、スリッパで青年の頭を叩いたらしい。 「・・・・・・・・・・・・・・オイ。」 私に声を掛けた盗賊が半眼で突然の乱入者――少女と青年の二人――を睨む。 「冷やかしなら帰れ。」 私は盗賊の言葉に同意したくなった。しかし、あえて口には出さないが。 「違うわよ!命が惜しかったら、お宝のある場所を教えなさい!!」 少女は盗賊を失礼にも指さした。悪党と言えど、人に指を指してはいけないと教わらなかったのだろうか、この少女。 ・・・・まあ、私には何の関係も無いのだが。 「ええい!人を指差すんじゃねえ!大体何だ!?テメエら!?」 少女は待ってました!とでも言いたげに栗色の髪をなびかせ、森から出てきた。 少女は年の頃なら十七ほど、風になびかせた栗色の長い髪に、意思の強そうな紅の瞳。特殊な金属かなにかで出来たショルダガードに、黒のバンダナ。同じくマントも黒い。格好から判断するには、魔道師のようだ。なんとなく気の強い、勝気な印象を受ける。 後ろにいる青年も、剣を抜き、前に出る。 金の髪を腰まで伸ばし、すらりとした長身の美青年だ。失礼だが、少女は一般的に見て、背が小さい方に属するので、そのせいか青年がさらに長身に見えた。剣は黒い細身の刀身で、おそらくは魔力剣。しかも、かなりの業物だということが遠目でも分かった。 「あたし?あたしの名はリナ、リナ・インバースよ。」 「同じくその保護者のガウリイ・ガブリエフだ!」 「!!」 私ははっとした。 リナ・インバース。 魔道師なら・・・、いや、魔道師でなくとも、旅人、冒険者、傭兵などの仕事をしていれば、一度は聞いた事のある名だ。 通称、盗賊殺し【ロバーズ・キラー】、漆黒の魔女、破壊の根源・・・・などなど。 ・・・・余談ではあるが私は他に魔王の食べ残しと大魔王の便所のフタの二つ名を聞いてしばらく笑いを噛み殺すのに苦労したのは、また別の話だ・・・・・・。 しかし・・・・。 私はリナさん(自称)を見据えた。 うわさで聞いた姿とまったく違っている。まあ、もっとも、あまり信用していなかったが。 「り、リナ・インバースだと!?」 「あの自然破壊のために、存在していると言う・・・。」 「はあ?何言ってるんだ?俺が聞いたのはこの世に存在する恋人を別れさせるために存在してるて・・・・・。」 「げっ!!だったら俺、ヤバイだろ!家には、腹を空かせながら待ってる妻と子が・・・・・・!」 ・・・・・・・・・・・・・・・。 私は必死に笑いをこらえた。笑ってはいけない、笑ってはいけないと自分に必死に暗示をかけた。 「ええ〜い!誰が自然破壊と、恋人同士を分かれさせた!?」 「お前・・・・そんな事まで・・・・・・。」 相棒らしきガウリイさんは、呆れたようにリナさん(自称)を呆れたような視線を込めて見た。 ・・・・・どうやら、彼女のこういった噂は日常茶飯事のようだ。 「と、とにかく!あんたとは戦わねえ、分が悪いし、こいつとの決着をつけねえとな。」 ほう・・・・・? 私は振り返り、盗賊を見据えた。手をコートの中にいれ、クスリと軽く笑みを浮かべた。 「なるほど・・・、・・・面白い、いいでしょう。そちらの・・・リナ・インバースさんとガウリイ・ガブリエフさんでしたか・・・・。ご指名は私なので、手は出さな いでくださいね?」 私はコートから手を出し、盗賊に向かってナイフを構えた。二人は、私の返答に困惑したが、私がニッコリと笑みを浮かべると、諦めたらしく傍観を決め込んだ。 「このぉぉぉ!!!」 盗賊の一人が私に走りながら、剣を振りかぶる。 「遅い・・・・・・・。」 私は盗賊をギリギリまで引き付け、剣を持っている手をつかみ ぶんっ ほおり投げた。盗賊の身体がふわり、と。羽のように軽く上がり―――― 近くにあった木に打ち付ける。 似たように、突進してくるしか脳が無いのか、私は盗賊達を全てほおり投げた。 そして、何を血迷ったのか、盗賊の一人が、リナさん(自称)に手をかけた。 「きゃあっ!!」 「へっ・・・!け、形勢逆転だな・・・・・・!!」 私はその情けない様子を見て、ため息をついた。 困った人ですね・・・・・。 「・・・私はこちらの方に、手を出さないで、と言いました。その意味が分かってないようですね。」 「は?何を言って・・・・・。」 ばりばりばりっ!!! 「うみびょびぎょおおおおぉぉ!!!」 悲鳴とも絶叫とも取れる声が、響き渡った。男の身体はスパークし、ぱりぱりと静電気が見える。ほんの少しだが骨も見えた気がする。 私はやれやれと肩をすくめると、リナさん(自称)に手を差し出した。 「お怪我はありませんか?リナ・インバースさん。」 リナさん(自称)は苦笑を浮かべた。 「助けはいらないみたいだったわね。」 「ええ、そうですね。」 リナさん(自称)は私の手を取り、立ち上がる。私は盗賊に手を出すな、と言った。あれは私が戦う、という意思表示であって、彼女達に手を出したら、どうなるか保障 はしないという意味を込めていたのだが、無駄に終わったようだ。 「・・・ご高名なリナ・インバースさん、よろしければご馳走させてくれませんかね?」 私の言葉に、探るような目線を向ける。 私はそれに対し、敵意を感じさせない表情、つまり笑顔を浮かべ、そのままリナさんの瞳を見据えた。 「・・・・いいわよ。」 私はまた笑みを浮かべた。 あとがき 吹雪:二作目ー。 K:誰だ、コイツ。 吹雪:この話のキーキャラクター。てかまだ話が進展してないです。 K:手抜きだろ。それと僕はどうなった? 吹雪:・・・・・知らん。 K:殺すぞ。 吹雪:冗談の通じないやつだな・・・・。 K:お前の言う事はいちいち現実味を帯びているんだよ。 吹雪:あう・・・・、とにかく次回。少しは進展し、Kが出ることを祈ってください。 K:それじゃあね。 |
26257 | 世界の果てまでV | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/16 18:16:20 |
記事番号26224へのコメント おや、これは驚いた 中々の美人さんじゃないですか 男連れ・・・・ですか? いえいえ、その程度では諦めませんよ しつこいのが美点なのですよ それにその方が楽しい 障害があればあるほど、燃え上がる そんなものですからねぇ♪ ちょっと楽しい・・・・かな? V Love Breaker? 「・・・・70点・・・88点・・・・56点・・・・・。」 道端で何かを採点するような声があった。 「・・・68点・・・・・51点。」 すれ違うたびに声は聞こえた。男の声だ。それなりに若い。 「・・・おっと、おしい!96点!!」 男は見るからに軽そうな風体だった。 色白の顔に、赤茶の瞳。そしてこの辺りでは珍しい黒の色眼鏡。 頭には赤と黒の鮮やかなコントラスのバンダナを海賊のやるように巻き、髪は濃い灰色だ。それなり長くシャギーを入れているようだ。しかしそれは髪につけた銀の棒のような髪飾りでとめられ隠されて判別は近くでしないとわからない。 指には地味な金の指輪。それが両手、全部につけられている。 服は明らかな異国の服装で、丈が長くベルトの代わりに長めの布を巻いていた。蒼いその服は男の喉を半分まで覆って、地面スレスレで途切れた。そして白いズボンが丈から見え隠れしていた。 左の方は完全に露出して、黒の色に白い十字架の描かれたリストバンドをつけていた。右の肩は白い袖があったが途中で切れ、合間から蒼い袖が見えた。そしてまた白い袖からダークレッドとモスグリーンの幾何学的な紋様が広がっている。 顔は美形に属するのだがおちゃらけた軽そうで真面目な雰囲気が一切ないその姿から、彼を胡散臭げに見る人間が何人かいる。しかし、それを気にするような神経は持ち合わせていないらしく、男はまた採点をした。 「・・・んー・・・59点、78点・・・・問題外・・・・・。」 男はどうやら人を採点しているようだ。しかも女性を。世の中の女性が知ったら、憤怒に顔を染めるであろう行為を平然と続ける。 男の基準は年齢と顔と格好らしく、それなりに見える年頃の女性は高得点を出したが、結婚して10年立っているであろう主婦は問答無用で点数は低かった。問題外は男や猫、犬などの動物だ。さすがに子供は採点対象ではない。男はロリコンではない。 「んーと・・・・・・、って・・・あれは・・・・?」 男は地べたに座っていたが、遠目に見えたそれを見て、大きく目を見開いた。 「おおっ!120点!!」 男は思わず大きく声を上げた。 その目に入ったのは、彼の探し人・・・・ではなく、モロに好みの女性だった。 元々、人探しのためにここにいるのだが、当てはなく、仕方がないので女性を採点していたのだが、好みの女性がいるとは驚きだ。 100点以上を繰り出した女性はぜひお茶に誘わなければ! そんな使命感に燃え、男はすぐさまお目当ての女性に近付いた。 その女性は八百屋の前にいた。清楚なその姿と、かなりギャップがあったがだからと言って話しかけないわけではない。 彼女は八百屋からかなりの量の野菜を受け取り、お代を払った。かなり重そうだ。 男はチャンスだとばかりほくそ笑んだ。 ひょいっ 声を掛ける前に野菜の入った大きな袋を取り上げた。無論、盗みなどする気は毛頭とない。善意と下心からの行動だ。 「お嬢さん、あなたの華奢な身体にこれはつらいんじゃありません?」 にっこりと、敵意のない笑みを浮かべる。 「どこに行くんですか?持ちますよ。」 「えっ!?いや、そんな悪いですよ・・・。」 予想通りというか、遠慮する態度を見せる。しかし男はこんな事では引かない。 「いえいえっ、美人に優しくするのは男の義務ですから♪」 「まあ・・・美人なんて・・・そんな・・・・。」 ぽっと清楚に顔をほんのり薔薇色に赤らめる。美人と呼ばれて悪い気はしないようだ。 「お世辞じゃないですからねっ、本当に。」 さらに『美人』という単語を強調する。 「・・・・何やってんだ、フィリア。」 そこへ一人の男が乱入してきた。淡い浅黄色の髪を肩まで切って揃え、バンダナをしている。目つきが悪いが元々らしく、彼女は慣れたように突然の乱入者へ目を向けた。 「あ、ヴァル!どこへ行ってたんです?」 「そりゃこっちのセリフだ、フィリア。大体、チラシ持ってうろちょろしてたのはどこのどいつだ?」 男の方の名前はヴァル、女はフィリアというらしい。男はヴァルに対し、露骨に嫌そうな顔をした。ナンパしたフィリアと妙に仲が良いのが気に入らないらしい。下らない理由ではあるが男にとっては大問題だ。 「フィリアさんって言うんですかー、ステキなお名前ですねっ!」 自分の存在を主張するように声を大きく張り上げる。 「えっ、ありがとうございます・・・、それで・・・・あなたの名前は・・・?」 「あ!あたしですかー?あたしはですね・・・・。」 そう紹介しようとした途端、ヴァルがこめかみあたりに青筋を浮かべる。 「フィリア、構うな。いくぞ。」 ぐいっとフィリアの腕をつかむ。しかし男はそれを止める。 「ちょっとお兄さん、この人の荷物はあたしが持ってるんですよ?あたしにくれる・・・・わけじゃありませんよね?」 また笑みを浮かべる。しかしその笑みに優しさや穏やかさといったものは感じられない。ヴァルは足をピタリと止めた。 「フィリアさん、これ、どこまで運ぶんですか?持ちますよ。」 「えーっと、それじゃあ・・・・。」 「フィリア!!」 ヴァルがフィリアをたしなめる。 「でもヴァル、人の行為は素直に受け取るものですよ?」 「そうそう、遠慮ばっかしてたら楽しい人生を送れませんよ。」 ここぞとばかり反撃する。ぐっと言葉につまりヴァルは怯んだ。極度にフィリアに弱いらしい。 「それじゃあ、家まで運んでくれますか?え、えーっと・・・・。」 「ああ、お名前言ってませんでしたね、あたしはリュウシカ。皆にはリュシカって呼ばれてます。フィリアさんもそう呼んでくださいね♪」 ニッコリと男―――リュシカは、また笑みを浮かべた。 かすかにヴァルが嫌そうな顔をしているのに、気付いているのか、気付いていない素振りを見せているだけなのかは誰にもわからなかった。 「ここでいいんですか?」 「はいっ、ありがとうございました。」 「いえいえ、お礼なんて・・・いえ、貰えるのならぜひ!お茶をご一緒に!!」 がしっとドサクサに紛れフィリアの手を握る。 「チョーシこいてんじゃねぇ」 スパァーン! ヴァルのハリセンチョップが見事、リュシカのどたまにヒットした。 「ヴァル!リュシカさんに失礼でしょ!!」 「フン・・・・。」 「いえいえ、気にしないでくださいよ。全ッ然、気にしてませんから♪」 まるで親子みたいだな、とリュシカは思った。 実際に親子関係だということを知るのは後のことだが。 「まあ、お茶くらいならご一緒しますよ。」 「えっ!?本当ですか!!?」 「オイ、フィリア!!」 糾弾するヴァルを無視し、フィリアはニコニコと笑った。 「本当に本当ですか?」 「本当に本当です。」 リュシカはガッツポーズをした。 「いよっしゃあっ!!」 後ろでヴァルが面白くなさそうに、リュシカを睨んだ。 「じゃあ♪どこに行きます?」 「そうですねぇ・・・・私のお店で飲みますか?」 「・・・・・・・・・・・・へ?」 「ふふっ、いいお茶が入ってるんです。皆で飲みませんか?」 目が点となった状態から、すぐに復活しリュシカは恐る恐る聞いた。 「あ、あの・・・フィリアさん・・・・・・?」 「はい?なんですか?」 その純粋な瞳を見て、リュシカは脱力した。 「・・・・・・・・・・・いえ、ナンデモないです。」 ヴァルが後ろで「ざまあみろ」と小さく呟いた。 「あたしって・・・・・ホント、女運ないな・・・・・・・。」 苦笑しつつ、リュシカはフィリアの案内で家に向かった。 リュシカは恐ろしい事に角砂糖をカップに3個入れ、その香りを楽しみつつカップに口付けた。 ヴァルはそれに顔をしかめた。 「ん〜、オイシイ♪フィリアさんみたいな美人サンの入れるお茶はやっぱ格別においしいですね。」 ニコニコと笑いながらお世辞を言うのを忘れない。フィリアはそれに対し、ニッコリと微笑み返した。 「あー、そうそう、フィリアさん、あたしはですね、人を探してるんですよ。」 「人を・・・・・?」 聞き返すフィリアの返答にリュシカは頷いた。 「そうそう、人を。結構、気位が高いってゆーか、気まぐれってゆーか。まあ、ここにいるのはわかってるんですけど・・・・・。」 「はあ・・・・、そうなんですか・・・・。」 リュシカはちょっと喋りすぎたか、と内心舌打ちした。 「んまあ、知ってますかね、その人の名前は・・・・・。」 そう言おうとした刹那――――― 全てが闇に飲まれた。 あとがき 吹雪:わーい、予告どおりのヴァルフィリだぁー!! R:・・・でこれかい。 吹雪:おうよ!私のイメージのヴァルとフィリアはなんだかんだ言って子供っぽい年下と、しっかり者の年上のお姉さん、ってなイメージが強い。 R:あー、面倒見の良いお姉さんか。それにほのかに恋心を抱く少年A!かー、妬けますなぁー。 吹雪:そしてリュウシカ、通称をリュシカで通してます。その方が何か響き的にいい、と言うのは本人談。 R:国籍は中国、シルクロード辺り?ま、遊牧民にちょっと近い? 吹雪:中華なイメージが強いですね。 R:ちなみに漢字でも書けんるんですよ、これがまた。 吹雪:柳紫花、やなぎにむらさきのはなでリュウシカ。やっぱ中華風味だ。 R:しっかしタイトル、Love Breaker?ってのは? 吹雪:ヴァルとフィリアの仲を引き裂く悪魔ナイメージで・・・・・。 R:コラ、待てや、姉ちゃん。 吹雪:姉ちゃんって・・・・君のほうが年上だろ。外見も中身も。 R:そんなのは関係ないの。ってか無茶苦茶ですな!このタイトルは!! 吹雪:言うなあぁぁぁっ!!私だって必死に考えたんだぁぁぁぁぁ!! R:それでこれですかい!! 吹雪:悪いかあぁぁっ!? R:悪い!大いに悪い!悪すぎて笑っちゃいますよ、あっはっは!! 吹雪:笑うなっ!とにかく!次回はまともなタイトルを考える! R:・・・・・本当ですかぁ? 吹雪:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多分。 R:うわ、メッチャ不安。 吹雪:ってなわけで次回で。 |
26260 | あんたが、やっと登場か | ユア・ファンティン | 2003/6/16 22:09:57 |
記事番号26257へのコメント ユ:タイトルは、永連からです > > V Love Breaker? ユ:ラブ・クラッシャ―という方が、Rさんのキャラに合っているのでは? > >男は見るからに軽そうな風体だった。 永:『軽』いが、『良い』男だぞ ユ:上の良い男とは、親切な男の意味です >色白の顔に、赤茶の瞳。そしてこの辺りでは珍しい黒の色眼鏡。 >頭には赤と黒の鮮やかなコントラスのバンダナを海賊のやるように巻き、髪は濃い灰色だ。それなり長くシャギーを入れているようだ。しかしそれは髪につけた銀の棒のような髪飾りでとめられ隠されて判別は近くでしないとわからない。 永:『緋い閃光』と同じ様な風体だな >指には地味な金の指輪。それが両手、全部につけられている。 >服は明らかな異国の服装で、丈が長くベルトの代わりに長めの布を巻いていた。蒼いその服は男の喉を半分まで覆って、地面スレスレで途切れた。そして白いズボンが丈から見え隠れしていた。 >左の方は完全に露出して、黒の色に白い十字架の描かれたリストバンドをつけていた。右の肩は白い袖があったが途中で切れ、合間から蒼い袖が見えた。そしてまた白い袖からダークレッドとモスグリーンの幾何学的な紋様が広がっている。 ユ:かっこいいですねえ。 >顔は美形に属するのだがおちゃらけた軽そうで真面目な雰囲気が一切ないその姿から、彼を胡散臭げに見る人間が何人かいる。しかし、それを気にするような神経は持ち合わせていないらしく、男はまた採点をした。 永:ふん、嫌いじゃない >そんな使命感に燃え、男はすぐさまお目当ての女性に近付いた。 ユ;アンタ、T・Sのオラトリオか−―――― 風:わかる人にしかわからない、ツッコミ早めた方が・・・ 雷:風の姉ちゃん、無理無理、言ったって止まらないよ。 氷:・・・・(こくこく) >ぐいっとフィリアの腕をつかむ。しかし男はそれを止める。 >「ちょっとお兄さん、この人の荷物はあたしが持ってるんですよ?あたしにくれる・・・・わけじゃありませんよね?」 ユ:一言、ちびどもから質問 雷:誰がチビだよ、まったく 氷:・・・(こくこく) ユ:ほら、質問 雷:何で、一人称が、あたしなんですか。 おカマみたいに聞こえるんですが? 氷:・・・・・怒らないで下さい > >リュシカは恐ろしい事に角砂糖をカップに3個入れ、その香りを楽しみつつカップに口付けた。 >ヴァルはそれに顔をしかめた。 ユ:甘いね、後から出てくる2人組の片方は、 10個、角砂糖いれて、ゲル状になったものをおいしい言って飲むんだぞ > > >あとがき >吹雪:わーい、予告どおりのヴァルフィリだぁー!! >R:・・・でこれかい。 >吹雪:おうよ!私のイメージのヴァルとフィリアはなんだかんだ言って子供っぽい年下と、しっかり者の年上のお姉さん、ってなイメージが強い。 >R:あー、面倒見の良いお姉さんか。それにほのかに恋心を抱く少年A!かー、妬けますなぁー。 ユ:その感情は、タナトス→永蓮 タナトス→ディスティア として、風華にできます >吹雪:そしてリュウシカ、通称をリュシカで通してます。その方が何か響き的にいい、と言うのは本人談。 >R:国籍は中国、シルクロード辺り?ま、遊牧民にちょっと近い? 緋&遥:ワイらと、同郷なんか? >吹雪:中華なイメージが強いですね。 >R:ちなみに漢字でも書けんるんですよ、これがまた。 >吹雪:柳紫花、やなぎにむらさきのはなでリュウシカ。やっぱ中華風味だ。 リル:かわいいな、リルちゃんもそっちは良かったあ。 >吹雪:ってなわけで次回で。 ユ:はい、また次回 > > |
26266 | 長かった・・・、本ッ当に長かった・・・・。 | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/17 18:52:30 |
記事番号26260へのコメント 吹雪:風華にてのレスにて。Rから一言。 R:あたしはマゾじゃありません。ツッコまれるのが好きなんです! 吹雪:エルボー程度なら笑って許せます。殺す気やると逃げます。 R:ツッコみは男女差別はしませんので。ガンガン、ツッコんでねー。 >ユ:タイトルは、永連からです 吹雪:だそうですが・・・・。 R:永蓮さん、お待たせしました♪あたしに会えて嬉しいですか? >> V Love Breaker? > >ユ:ラブ・クラッシャ―という方が、Rさんのキャラに合っているのでは? 吹雪:いやぁ、辞書で目に入ったのがブレイクの方でしたので。 R:あたし的には・・・両方OKですけど。 >>男は見るからに軽そうな風体だった。 > >永:『軽』いが、『良い』男だぞ >ユ:上の良い男とは、親切な男の意味です R:どうも、永蓮さん♪あたし、今まで会った女の子の中で一番、嬉しい事言ってくれますね。お礼に今度ご飯おごりましょうか? >>色白の顔に、赤茶の瞳。そしてこの辺りでは珍しい黒の色眼鏡。 >>頭には赤と黒の鮮やかなコントラスのバンダナを海賊のやるように巻き、髪は濃い灰色だ。それなり長くシャギーを入れているようだ。しかしそれは髪につけた銀の棒のような髪飾りでとめられ隠されて判別は近くでしないとわからない。 > >永:『緋い閃光』と同じ様な風体だな 吹雪:どなたですかぁ? R:あたしに聞かれても・・・・。 >>指には地味な金の指輪。それが両手、全部につけられている。 >>服は明らかな異国の服装で、丈が長くベルトの代わりに長めの布を巻いていた。蒼いその服は男の喉を半分まで覆って、地面スレスレで途切れた。そして白いズボンが丈から見え隠れしていた。 >>左の方は完全に露出して、黒の色に白い十字架の描かれたリストバンドをつけていた。右の肩は白い袖があったが途中で切れ、合間から蒼い袖が見えた。そしてまた白い袖からダークレッドとモスグリーンの幾何学的な紋様が広がっている。 > >ユ:かっこいいですねえ。 R:ありがと、ユアさん。 吹雪:この服のモデルは私が偶然見たサイトさんのオリジイラストを参考にしました。 >>顔は美形に属するのだがおちゃらけた軽そうで真面目な雰囲気が一切ないその姿から、彼を胡散臭げに見る人間が何人かいる。しかし、それを気にするような神経は持ち合わせていないらしく、男はまた採点をした。 > >永:ふん、嫌いじゃない R:じゃあ好きですか?好きだったら嬉しいなぁvvあたしも永蓮さんのこと、好きですし♪ 吹雪:くどくな、公共の場で。 R:愛に国境はないんですよ。 >>そんな使命感に燃え、男はすぐさまお目当ての女性に近付いた。 > >ユ;アンタ、T・Sのオラトリオか−―――― >風:わかる人にしかわからない、ツッコミ早めた方が・・・ >雷:風の姉ちゃん、無理無理、言ったって止まらないよ。 >氷:・・・・(こくこく) 吹雪:わかる私もいい加減ジャンルとか広いなぁ・・・。 B:知ってますよ。吹雪はガンガン愛読者ですからね。 R:ジャン○にぃーマガ○ンにぃー・・・あとFFシリーズにテイルズシリーズ。ゲームとマンガは好きですからねぇ。 >>ぐいっとフィリアの腕をつかむ。しかし男はそれを止める。 >>「ちょっとお兄さん、この人の荷物はあたしが持ってるんですよ?あたしにくれる・・・・わけじゃありませんよね?」 > >ユ:一言、ちびどもから質問 >雷:誰がチビだよ、まったく R:そーいや身長、いくつ?あたしは前、言ったとおりですけど164cm。まあ、伸びるかもね。 >氷:・・・(こくこく) >ユ:ほら、質問 >雷:何で、一人称が、あたしなんですか。 > おカマみたいに聞こえるんですが? >氷:・・・・・怒らないで下さい R:あっはっはっはっ、じゃあ言わないで。・・・・とゆーのは冗談です。けど・・予想はしてたけどおかまときたか・・・・(苦笑) 吹雪:おや?怒らないの? R:あたしは子供は好きです。ただし純粋な世の中を知らない甘ちゃんとかですね。クソ生意気なチビジャリは嫌いです。 吹雪:・・・・・・・そうですか。 R:えー、ちょっと話が脱線しましたね。一人称があたしなのは・・・まあ、あたしのモデルとなった人の一人称があたしだったから。 吹雪:それにこいつに似合う一人称はあたしが無難かな、と。 R:んー、ただし緊急事態とかは僕・・・になるかもなぁ。 吹雪:・・・女の子に言ってくれって言われた時とか? R:おおっと!何でわかったんですか!? >>リュシカは恐ろしい事に角砂糖をカップに3個入れ、その香りを楽しみつつカップに口付けた。 >>ヴァルはそれに顔をしかめた。 > >ユ:甘いね、後から出てくる2人組の片方は、 > 10個、角砂糖いれて、ゲル状になったものをおいしい言って飲むんだぞ R:ほほぅ・・・、負けませんよ! B:妙な対抗意識を燃やさないでください。 吹雪:いや、彼の甘党は並じゃないです。 R:まあねー、本編ではカップが小さかったから最低の3個でガマンしたけど。あたしは最高、25個入れたんですよねー・・・・おいしかった・・・・。 吹雪:デザートは蜂蜜たっぷりのクレープ。甘い、甘すぎる・・・・・! >>あとがき >>吹雪:わーい、予告どおりのヴァルフィリだぁー!! >>R:・・・でこれかい。 >>吹雪:おうよ!私のイメージのヴァルとフィリアはなんだかんだ言って子供っぽい年下と、しっかり者の年上のお姉さん、ってなイメージが強い。 >>R:あー、面倒見の良いお姉さんか。それにほのかに恋心を抱く少年A!かー、妬けますなぁー。 > >ユ:その感情は、タナトス→永蓮 > タナトス→ディスティア > として、風華にできます 吹雪:わーいvそう言った関係好きです。楽しみにしてますねvv >>吹雪:そしてリュウシカ、通称をリュシカで通してます。その方が何か響き的にいい、と言うのは本人談。 >>R:国籍は中国、シルクロード辺り?ま、遊牧民にちょっと近い? > >緋&遥:ワイらと、同郷なんか? R:う、う――ん・・・・微妙・・・本ッ当に微妙です! 吹雪:・・・なんか南国へ行っても違和感皆無な格好だからな・・・・。 >>吹雪:中華なイメージが強いですね。 >>R:ちなみに漢字でも書けんるんですよ、これがまた。 >>吹雪:柳紫花、やなぎにむらさきのはなでリュウシカ。やっぱ中華風味だ。 > >リル:かわいいな、リルちゃんもそっちは良かったあ。 R:リルティアってお名前も充分可愛いですよ?付けてくれた人に感謝しましょうね、可愛いレディ? 吹雪:Rっ・・・・お前・・・・まさか子供まで毒牙を・・・・! R:するかっ!言ったでしょ!あたしは純粋無垢な子供は好きだって! >>吹雪:ってなわけで次回で。 > >ユ:はい、また次回 吹雪:ありがとうございました!では!! |
26275 | 世界の果てまでW | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/18 18:01:13 |
記事番号26224へのコメント さてさて、来たのはいいがどうするか ・・・まあ、楽しませては頂きますよ モチロンお代は結構です その代わり、楽しませてくださいね ヒマな事ほどつまらない事はありませんから さあ、ショウの幕が開きますよ 苦痛と血臭に溢れた残酷で美しい人形劇を W 闘争の人形劇 気がつくとそこは見たことのない場所だった。少なくとも、自分のいた店内ではない事くらいは把握できる。 そこは亜空間と呼ぶのにふさわしい場所だった。 空は青ではなく、有りとあらゆる色が回り、混じり、別れ、蠢いていた。地面は白く、良くわからないもので構成されていた。 リュシカはぐいっとカップの中の紅茶を飲み干した。 「・・・・ふぅ、無粋ですねぇ。」 飲み終えて、かたんと、カップを手に持った皿の上に置き、リュシカはやれやれと呆れたように言った。 「あたしの質問、そんなに答えさせたくないのか、それともただ単にあたしの事が嫌いなのか・・・・。」 はぁ、と大きくため息をつく。 「まあ、どっちにしろ・・・・。」 かしゃあぁぁんっ! カップと皿を地面に落とし、澄んだ音が響く。音がやむとカップや皿の欠片は綺麗になくなっていた。 コツ・・・・コツ・・・・ ブーツの裏から硬質な音が響く。リュシカはある程度歩き、何かに近寄るように足を進めた。 「名前と姿くらい見せてくれませんか?」 『あははっ!面白いヤツ!いつから気付いてたのさ?』 甲高い、子供の声だ。どことなく頭に響き、不快だった。 ふぉんっ 空気が揺れた。 その揺れと共に、子供が現れた。 背は小さい。 まだ十代の少年だろう、声がそれを物語っている。 大きめのフードで顔を隠し、歩けば裾が地面にこすれるであろうローブを着ている。 「おや・・・子供ですか。意外ですね。」 そのリュシカの言葉にカチンと来たのか、少年はむっとした様子でリュシカに言葉を投げかけた。 「子供か、まあ、確かに外見は子供だろうな、だけどそこにいる竜【ドラゴン】よりは生きてるつもりだけどな。」 「あり?いたんですか?」 少年の指差したほうには、すっかりその存在を忘れられたヴァルがいた。無視をされて少々怒っている。 「・・・・好きでいたわけじゃねえんだよ、オレは。」 「ふふふっ!面白そうな経歴を持っているようだったから、招待したんだ。感謝してよ!」 「誰がするか。」 ヴァルは即答した。 「それで?お名前は?」 リュシカはさらりとヴァルを無視し、少年を見据えた。 「・・・ふん、ボクの名前はサイレス。一応、キミとは同族になるのかな?」 「・・・・オイ。」 ヴァルはリュシカを見据えた。 「お前・・・、もしかして魔族か・・・・・?」 そう聞くと、リュシカは悠々と答えた。 「んー・・・まあ一応は。」 リュシカがそう言うと、ヴァルはリュシカの胸倉を静かにつかんだ。かなり力を入れているので、さすがにリュシカも振り払えなかった。何よりも顔が怖いのも原因だが。 「・・・・何が目的だ?生ゴミの命令か?」 ここで言う生ゴミというのはゼロスのことだろう。その言い草に今頃、彼はくしゃみを連発しているの違いない。 「生ゴミ・・・・・?何ですか、ソレ?」 「しらっばくれるな!ゼロスのことだ、獣神官の!」 「ああっ!」 ぽんと一つ手を打つ。 そして力一杯胸を張って言い放つ。 「それなら全然知りません!」 「・・・・・・・・・・・・・・・。」 ヴァルはしばし黙り、 ぶんっ!! 「あうわあぁぁっ!!」 なぜかサイレス目掛けて、リュシカを投げた。 べちっ しかしサイレスが咄嗟に張った結界によって阻まれ、サイレスはノーダメージだ。リュシカはかなり痛そうだが。 「ひ、酷い・・・あたしは事実を言ったまでなのに・・・・・。」 よよよとリュシカは泣き崩れる。その姿はとてもではないが、魔族には到底見えない。 「ふざけんな!」 リュシカはぽんぽんっと服の汚れを払い、立ち上がった。 「はいはい、じゃあ真面目に言いましょうか。あたしはそんな魔族に知り合いはいません。コレは事実。」 「は?」 「後は・・・・そですね、サイレスくんを倒したら・・・・・聞かせてあげますよん♪」 その言葉に腹を立てたらしく、サイレスは眉をひそめたのだろう、声に怒気がこもった。 「へえ・・・・・そう、そんなこと言うんだ・・・・・・。」 ゆっくりと、サイレスの力の波動が徐々に空間を満たして広がる。 「出来るものならやって見ろよ!ムシケラ!!」 サイレスの怒りの咆哮が空間に響いた。 「あははっ!じゃあ行くっよぉ!!」 しゅばぁっ! 声と共に衝撃波が放たれる。それは前に突き進み、ヴァルの頬を掠めた。 「・・・ほお?」 感心したように声を漏らす。ヴァルはぴっと指の腹で血を軽くぬぐった。 「まだまだだからね!!」 ずうぅ・・・・んっ!! リュシカが後ろに軽くジャンプする。すると地面が大きくへこんでいた。 「・・・・・・ギャラリーがいないのがちょびっと不満ですが・・・・・・。」 くいっとリュシカは指を曲げた。何かを呼ぶように。 ざざざざっ かくんっ・・・・・ぎりぎりぎり・・・・・ リュシカの前に大人より少し高い程度の、それが姿を見せた。 人形だ、それもかなりの大きさの。奇怪な音をさせ、身体がぎりぎり鳴っている。 顔は、赤い、まるで貴族が舞踏会でつけるような紅玉が埋まった、顔を半分覆うようなデザインの仮面をつけている。 身体全体はほっそりしている。なので一応女性なのだろう。服も真紅の胸元の大きく開いたパーティドレス。動きやすそうに、腰の辺りでレースなどでまとめている。 頭には髪が複雑に結われ、バラを象った紅玉が埋まっているティアラをつけている。 耳には金色に光るイヤリング。大きく開いた胸元には紅い大輪の薔薇が数本、飾ってあった。 手にはその華奢そうな腕にはやや不似合いな一本の刀身の紅いレイピア。まるで血に染まったかのように妖しく輝く。血を求めるように。 「紹介しましょう、彼女は『ロゼ』、紅い薔薇とルビー、それと血のようなワインが大好きな、あたしの唯一の女性パートナーです。」 またリュシカが指を動かすと、ロゼは意識を持っているかのように、サイレスに向かってお辞儀した。 「それじゃ、始めましょうか。」 ニコニコと余裕に満ち溢れた笑みを浮かべる。とても今から戦うとは思えないような笑みを。 「第一幕、闘争劇を・・・ね?」 そう言ったリュシカの顔はこの上なく残酷そうだった。 あとがき 吹雪:リュシカの本領発揮モードです。戦います! B:・・・その割にはあまりその辺の事は触れてませんね。 どしゅっ B:それにロゼの紹介だけに終わりましたし。 ばきぃっ B:大体、説明も何もあったものでもないですからね。それとリナさん達はどうなったんです? 吹雪:(復活)あー・・・、次回で多分書くかな、と。 B:・・・・・リュシカはどうなるんです? 吹雪;その後のお話で活躍してもらおうかと。 B:それまで覚えていただけるのですかね。 吹雪:痛いところを・・・・。では! |
26276 | Re:世界の果てまでW | ユア・ファンティン | 2003/6/18 22:25:44 |
記事番号26275へのコメント ユ:流河と司馬君の身長は、 流河 150センチ 司馬 174センチ という風に設定してあったはずです > >さてさて、来たのはいいがどうするか > >・・・まあ、楽しませては頂きますよ >モチロンお代は結構です > >その代わり、楽しませてくださいね > >ヒマな事ほどつまらない事はありませんから > >さあ、ショウの幕が開きますよ >苦痛と血臭に溢れた残酷で美しい人形劇を P:趣味が合いそうですね 1度お手合わせ願えませんか? ユ:、やりたくないって帰ってきたら? P:ああ、大丈夫でしょう、向こうが一対一で戦いに望んでも五分五分でしょうから ユ:その根拠は? P:バビロンシティ-の最上階、最深部にいるあの人と似たような力の持ち主でしょうから >ぽんと一つ手を打つ。 >そして力一杯胸を張って言い放つ。 > >「それなら全然知りません!」 > >「・・・・・・・・・・・・・・・。」 ユ:底、胸を張るところじゃないし >かくんっ・・・・・ぎりぎりぎり・・・・・ >リュシカの前に大人より少し高い程度の、それが姿を見せた。 >人形だ、それもかなりの大きさの。奇怪な音をさせ、身体がぎりぎり鳴っている。 >顔は、赤い、まるで貴族が舞踏会でつけるような紅玉が埋まった、顔を半分覆うようなデザインの仮面をつけている。 >身体全体はほっそりしている。なので一応女性なのだろう。服も真紅の胸元の大きく開いたパーティドレス。動きやすそうに、腰の辺りでレースなどでまとめている。 >頭には髪が複雑に結われ、バラを象った紅玉が埋まっているティアラをつけている。 >耳には金色に光るイヤリング。大きく開いた胸元には紅い大輪の薔薇が数本、飾ってあった。 >手にはその華奢そうな腕にはやや不似合いな一本の刀身の紅いレイピア。まるで血に染まったかのように妖しく輝く。血を求めるように。 ユ:う―ん、かっこいい。 こういう、人形遣いの人格いていいのかも!!! >「紹介しましょう、彼女は『ロゼ』、紅い薔薇とルビー、それと血のようなワインが大好きな、あたしの唯一の女性パートナーです。」 ユ:赤ワインでも、白ワインでもない。 その高貴な香りのあのロゼワインですか? 紫っぽいロゼが、私の好みですけど、夜宵さんは? >吹雪:痛いところを・・・・。では > ユ:風華、最新入稿いたしました いろいろとつっこんでくださいね。 それでは > |
26280 | 負けた・・・・年下の負けた・・・・(By リュシカ基いR) | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/19 18:01:51 |
記事番号26276へのコメント >ユ:流河と司馬君の身長は、 > 流河 150センチ > 司馬 174センチ という風に設定してあったはずです R:何ぃっ!?つうことは司馬くんあたしより背が高い!? 吹雪:・・・・私なんか首が痛くなるような差だよ・・・・・。 R:年下なのに・・・・年下なのにぃっ!! >>さてさて、来たのはいいがどうするか >> >>・・・まあ、楽しませては頂きますよ >>モチロンお代は結構です >> >>その代わり、楽しませてくださいね >> >>ヒマな事ほどつまらない事はありませんから >> >>さあ、ショウの幕が開きますよ >>苦痛と血臭に溢れた残酷で美しい人形劇を > >P:趣味が合いそうですね > 1度お手合わせ願えませんか? R:嫌です。あたしはB様と同じく平和主義なのです。 吹雪:・・・・・・・・・・本音は? R:バレたか。んー、メンドくさい。ってか戦う理由ないし。戦いたいわけでもないからなぁ。身体が鈍ってたら、簡単にお手合わせお願いしますね。 >ユ:、やりたくないって帰ってきたら? >P:ああ、大丈夫でしょう、向こうが一対一で戦いに望んでも五分五分でしょうから >ユ:その根拠は? >P:バビロンシティ-の最上階、最深部にいるあの人と似たような力の持ち主でしょうから R:あり?そうなんですか? 吹雪:見たいなぁ・・・・・。 >>ぽんと一つ手を打つ。 >>そして力一杯胸を張って言い放つ。 >> >>「それなら全然知りません!」 >> >>「・・・・・・・・・・・・・・・。」 > >ユ:底、胸を張るところじゃないし R:あい、これはあたしの秘儀、開き直りです!! 吹雪:別名現実逃避。マネをしないでください、クセになります(笑) >>かくんっ・・・・・ぎりぎりぎり・・・・・ >>リュシカの前に大人より少し高い程度の、それが姿を見せた。 >>人形だ、それもかなりの大きさの。奇怪な音をさせ、身体がぎりぎり鳴っている。 >>顔は、赤い、まるで貴族が舞踏会でつけるような紅玉が埋まった、顔を半分覆うようなデザインの仮面をつけている。 >>身体全体はほっそりしている。なので一応女性なのだろう。服も真紅の胸元の大きく開いたパーティドレス。動きやすそうに、腰の辺りでレースなどでまとめている。 >>頭には髪が複雑に結われ、バラを象った紅玉が埋まっているティアラをつけている。 >>耳には金色に光るイヤリング。大きく開いた胸元には紅い大輪の薔薇が数本、飾ってあった。 >>手にはその華奢そうな腕にはやや不似合いな一本の刀身の紅いレイピア。まるで血に染まったかのように妖しく輝く。血を求めるように。 > > >ユ:う―ん、かっこいい。 > こういう、人形遣いの人格いていいのかも!!! 吹雪:わーいv誉められたあーv R:ちなみにあと二体、人形持ってます。 >>「紹介しましょう、彼女は『ロゼ』、紅い薔薇とルビー、それと血のようなワインが大好きな、あたしの唯一の女性パートナーです。」 > >ユ:赤ワインでも、白ワインでもない。 > その高貴な香りのあのロゼワインですか? > 紫っぽいロゼが、私の好みですけど、夜宵さんは? 吹雪:はい、そのロゼです。 R:あたしの持ってる人形は全部色ですからねぇ。 吹雪:うーん・・・私はロゼワイン見たことないのです。・・・ピジョン・ブラッドみたいな感じのは好きです。 R:あと真紅は好きですよね。 >>吹雪:痛いところを・・・・。では >> >ユ:風華、最新入稿いたしました > いろいろとつっこんでくださいね。 > それでは 吹雪:力尽きましたので、何をツッこむかわからず、撃沈しております。ではではv |
26288 | 世界の果てまでX | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/20 19:02:24 |
記事番号26224へのコメント 思ったよりも苦戦をしております ああ、彼の運命いかに、と言ったところで 情況は変わるわけもなく ただ、着々と追い詰められていく そんなのは嫌いなんですけどね しかし、まだまだ このままでは終わりませんよ あたしは嫌な男ですから あっさり倒す事はあっても、倒される事はありません さあさあ、第二幕の幕開けです X Dolls Operetta 「第一幕、紅の淑女ロゼ・・・、血に踊るお姿をお楽しみください・・・・・。」 くんっ そう言ってリュシカの手が動く。それとほぼ同時にロゼの身体が軌跡を描き、レイピアが舞うごとくサイレスに向かって突き進む。 「遅いんだよっ!!」 きゅごうっ!! サイレスの手から拳大の光が放たれる。それに触れまいと直感的に悟り、リュシカは手を動かす。 正確には手ではなく、左右の指全てに付けられた金の指輪についた細い透明な糸で操っているらしい。指の動きに合わせ、ロゼが後ろへ飛び去る。 「まだまだですよん♪」 やけに楽しそうにリュシカが言うと、その言葉どおり、すぐさまロゼが距離を、間合いをつめる。 しかしサイレスの視界にはどこにもその姿はない。 「上かっ!!」 そう叫びサイレスは宙に飛んだロゼの斬撃を避ける。リュシカは露骨に、そして残念そうに舌打ちした。 「惜しいっ!あとちょっとだったのに!!」 「それは・・・・残念だねっ!」 ばちばちばちぃっ!! サイレスの手が、腕全体が帯電しているように稲光を放つ。 「させるかっ!」 言って、サイレスに襲い掛かったのはヴァルだった。 「くっそおおぉぉっ!!」 ぶわあっ! びゅんっ、びゅんっ! 稲光が止む。その代わりに風が一瞬サイレスに集まり、収縮され、放たれる。見えない衝撃波として。 「どわっ!」 「くっ・・・・・。」 無様な姿で避けるがそれらを全てかわしたリュシカに対し、ヴァルはほんの少し腕を切り裂かれた。 少々、あの衝撃は厄介だ。見えないし、気配だけでは、やはり反応が遅れる。 「・・・・・・どうしたものですかねぇ。」 リュシカがノンキに喋っていると 「おいっ!後ろぉっ!!」 「へ?」 ヴァルの必死の形相にきょとんとした顔になる。 ざしゅううっ ・・・・ぼとっ 鈍い衝撃が身体の神経を走った。地面に何かが落ちた。それが何なのか理解するのに、少し時間が必要だった。 手首だ。リュシカの左手首がなかった、血も何も出ず、地面に落ちている。少しすると、それはまるで黒い塵となり完全に消滅した。 「ありゃりゃ。」 まるっきり慌てた様子を見せず、人事のように呟くリュシカ。さしものヴァルも呆れたような、咎めるような、何とも言いがたい視線で、リュシカを見据えた。 「あのな、お前・・・、どうするんだ、これから。」 「さあ、どうしましょう。ヴァルさんはどうしたいですか?」 ヴァルは呆けた。こんな風に返されるとは思ってなかったからだ。 「やっぱお家に帰りたいですか?」 「人を迷子みたいに言うな。大体、オレは被害者だ!とっとと返してもらうぞ。なんとしてもな。」 「あははは、そうですよね。でも戦わなきゃ・・・・ね。あたしも用事がありますし・・・・・。」 くいっと残った右手首を使い、ロゼを引き寄せる。 「ま・・・・、勝たないとこの空間から抜け出せないしなぁ・・・・。」 リュシカはしばし考え、ロゼを消した。 文字通りロゼの姿が消えたのだ。どうやらどこか異空間にでも隠したらしい。 リュシカは唸った。 「うーん、まあ手がないと言う訳ではないんですけどね。」 「何っ!?」 ヴァルがリュウシカに向き直る。 がっ! 「何だ、それは!言え!!」 「あう・・・・・ちょ・・ちょい・・・首・・・・絞まって・・・・・・・・・・・・・・。」 ヴァルが乱暴にリュシカの胸倉をつかみ、宙に浮かべた。リュシカの顔色がドンドン悪くなる。さすがにマズイと思ったのか、ぱっと手を離す。 「はうぅ・・・死ぬかと思ったぁ・・・・・・。」 「とにかく言え!なんだ、その方法とやらは!!」 リュシカはニイと意地悪い笑みを浮かべた。 「そう言われましてもね、ヴァルさんが協力してくれなきゃできませんからねぇ。」 ヴァルはやや顔をしかめた。 「何をボサッとしてるのかな?」 甲高い耳障りな少年の声、サイレスが楽しそうに言う。 「ボクとも遊んでよ!!」 まるで駄々をこねる子供のようにそう言い放つと――実際に声質は子供なのだが――サイレスの手から光球が放たれる。 きゅぅんっ! 「おわっ!」 「ちっ!」 舌打ちと声を上げ後ろへ大きく跳ぶ。リュシカは着地と同時にしゃがみこみ、ヴァルの顔を見上げた。 「どうします?あなたの返答次第ですよ。」 「ちっ・・・・・。」 楽しそうなリュシカの顔に、ヴァルはまた顔をしかめ、決断した。 「やってやろうじゃねぇか。それで?何をすればいい?」 「ええ、そうですね・・・。「覚悟なさい★」と裏声でサイレス君を指差して、常に語尾にお星様を付けて言ってください!」 「そうか!わかった!語尾にお星様を・・・・・・。」 ヴァルははたと自分がとんでもない要求をされていることに気付き、一拍置いてリュシカに蹴りを入れた。 「ってできるか―――――!!」 ごげしいいぃぃ――っ!! リュシカは蹴られ、遠くまで吹っ飛んだ。 「うーん、いい反応♪ノリツッコミですか・・・いい蹴りでした。まあ、それはともかく、そんな事言ってる場合ですか?」 むくっと起き上がり、ぴっとサイレスを指差す。この男は不死身なのかと本気でヴァルは思った。 きゅぅんっ! 再び光玉が無常にもヴァルにだけに向かって襲い掛かる。 「くっそおおぉぉぉ――――っ!!」 走りながら、ヴァルは叫ぶ。そしてとうとう、恥を忍んでヴァルは叫んだ。出来るものならひとしきり泣いた後にやりたかったが、この情況でそれは酷と言うものだ。そしてヴァルはくるりとサイレスの方を振り返った。 「か・・・覚悟なさい★」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 さすがのサイレスもこれには絶句した。フードで顔は見えないが、賭けてもいい。呆れている。ヴァルの顔が赤い、よほど恥ずかしかったのだろう。 「う――わ―――・・・、ホントにやっちゃったよ、この人・・・・。」 リュシカは呆れたように声を上げた。 その一言にヴァルは無言でリュシカに近寄った。顔をうつむいてよく見えない。 「・・・・・お前はよっぽどオレに殺されたいらしいな・・・・・、オレをからかってるのか・・・・?」 震えるような殺気に溢れた声で聞く。しかしリュシカはそれに怯えた様子は見せず、ニコニコと笑みさえ浮かべていた。 「やだなぁ、からかってるんじゃなくて、おちょくってるんですよん♪」 「――――――殺す!」 「とゆーのは、まあ軽ぅ――いお茶目ですが・・・・・。」 ぱっとどうやって抜け出したのか、リュシカは離されていないはずの服の襟を正し、サイレスに視線を向けた。 「真面目にやるしかないようですね、年齢の割に、それほど優しい思いやり溢れる相手ではないようですから。」 リュシカの言葉にサイレスは楽しそうに言った。 「やっと戦ってくれるんだね。うれしいよ、さあ、殺し合おう、壊れるまでね!!」 声を荒げ、巨大なエネルギーボールが二人に襲い掛かった。 「さてっ!じゃあ、真面目に戦いますよ、ヴァルさん。」 ぽいっとリュシカはヴァルに白い仮面を渡した。白い無機質な仮面だ。紋様が複雑に描かれ、動物の髑髏を思わせたが、それほど複雑な造りではない。 「さっ、それを被って。さもないと死にますから。何も考えず、心を無に。何も残らず、心を殺すんですよ。」 「・・・・・わかった。」 ヴァルは素直にそれを被った。やや小さいと思いきや、それはヴァルの顔の半分を覆い、ぴったりとフィットした。 「はい、それとこれ。」 リュシカはどこから出したのか、片手で扱えるロゼのレイピアよりやや太い剣を渡した。刀身はロゼの獲物と違い、白く輝いた。 「いいですか?あなたは今からあたしの人形です、何も考えず戦う事だけに集中してくださいね。」 「・・・・・・・ああ。」 仮面を被り、心を無にする。難しいと思ったが、意外と簡単だった。仮面が手助けしてくれたのかもしれない。 ヴァルは意識を委ねた。戦いの中だけに―――― あとがき 吹雪:タイトルの和訳は人形達の軽歌劇。リュシカの本領発揮か!? B:珍しい、彼が戦うとはね・・・・。 吹雪:そうなんですか? B:私に似て、無駄な戦いはしませんからね。まあ・・・・敵討ちなどのお相手はキチンとしてますが。 吹雪:・・・・・・・そうですか。まあ、それはともかく、リュシカの力が次回でわかります。 B:・・・・・それで?いつになったらリナ・インバース一行の話を書くんですか? 吹雪:こ、この次かな・・・、リュシカが戦った後に・・・・・。 B:・・・本当ですかね。 吹雪:本当だ!この目が嘘を言っているような眼に見えるのか!? B:ええ、これでもかと言うくらいに。血走ってますね。 吹雪:ああっ、充血してる!目薬目薬・・・・。 B:それでは、リュシカの活躍にご期待ください。 吹雪:しぃゆぅあげぃんっ! |
26294 | Re:マリオネットだぁ、やったね | ユア・ファンティン | 2003/6/21 10:53:13 |
記事番号26288へのコメント >「第一幕、紅の淑女ロゼ・・・、血に踊るお姿をお楽しみください・・・・・。」 >くんっ >そう言ってリュシカの手が動く。それとほぼ同時にロゼの身体が軌跡を描き、レイピアが舞うごとくサイレスに向かって突き進む。 ユ:なんか、優美ですね >サイレスの手から拳大の光が放たれる。それに触れまいと直感的に悟り、リュシカは手を動かす。 >正確には手ではなく、左右の指全てに付けられた金の指輪についた細い透明な糸で操っているらしい。指の動きに合わせ、ロゼが後ろへ飛び去る。 雷:・・・なんか、からくりサ-カスのオリンピアをおもいだすなあ 氷:・・・・・・・・・・・ 雷:えっ、とすると、人形遣いの兄ちゃんが、ギイだって? ユ:人形遣いの兄ちゃん=リュシカさんです >手首だ。リュシカの左手首がなかった、血も何も出ず、地面に落ちている。少しすると、それはまるで黒い塵となり完全に消滅した。 雷:やっぱり人間じゃないんだね 僕らも怪我するとそんな感じだけどね。 凝る人は、血みたいなものを出すけどさ。 >「ええ、そうですね・・・。「覚悟なさい★」と裏声でサイレス君を指差して、常に語尾にお星様を付けて言ってください!」 >「そうか!わかった!語尾にお星様を・・・・・・。」 >ヴァルははたと自分がとんでもない要求をされていることに気付き、一拍置いてリュシカに蹴りを入れた。 雷:いや―――――っ いいコンビ、かなり笑えるね 氷:・・・・・・・(笑いながら、コクコク頷いている) > >あとがき >吹雪:・・・・・・・そうですか。まあ、それはともかく、リュシカの力が次回で わかります。 ユ:あ、そうそう。 前回のリュシカの力=無限城の絶対的神の力のことですが。 やっと、そのモデルの方と交信できましたが、 彼も、人形遣いでした。 あと、強さ自体も、『今』のところ、リュシカさんレベルだそうです >吹雪:しぃゆぅあげぃんっ! ユ:それでは・・・・・・・・・ > > |
26297 | リュシカは人形遣い【ドール・マスター】と呼ばれてますからね。 | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/21 12:46:16 |
記事番号26294へのコメント >>「第一幕、紅の淑女ロゼ・・・、血に踊るお姿をお楽しみください・・・・・。」 >>くんっ >>そう言ってリュシカの手が動く。それとほぼ同時にロゼの身体が軌跡を描き、レイピアが舞うごとくサイレスに向かって突き進む。 > >ユ:なんか、優美ですね R:ロゼは女性ですからねえ、素早さでは誰にも負けない自信がありますから。 >>サイレスの手から拳大の光が放たれる。それに触れまいと直感的に悟り、リュシカは手を動かす。 >>正確には手ではなく、左右の指全てに付けられた金の指輪についた細い透明な糸で操っているらしい。指の動きに合わせ、ロゼが後ろへ飛び去る。 > >雷:・・・なんか、からくりサ-カスのオリンピアをおもいだすなあ >氷:・・・・・・・・・・・ >雷:えっ、とすると、人形遣いの兄ちゃんが、ギイだって? > >ユ:人形遣いの兄ちゃん=リュシカさんです 吹雪:元ネタはからくりサーカスですね・・・・。モデルはギイではなく、阿紫花さん。そしてもう一人モデルいますが、からくりサーカスではありません。 R:んー、ロゼはオリンピアより・・・どっちかてぇと敵側の人形のお姉さんっぽいな・・・。なんだっけ、あの人形の姉ちゃんの名前・・・・。ゴメン、忘れたわ。 >>手首だ。リュシカの左手首がなかった、血も何も出ず、地面に落ちている。少しすると、それはまるで黒い塵となり完全に消滅した。 > >雷:やっぱり人間じゃないんだね > 僕らも怪我するとそんな感じだけどね。 > 凝る人は、血みたいなものを出すけどさ。 吹雪:はい、リュシカの媒介は・・・まあ後日わかりますが、身体から離れると自動的に消えるように出来てます。 R:ちなみに再生は出来ません。直すのはどうやるかは、また今度ね。 >>「ええ、そうですね・・・。「覚悟なさい★」と裏声でサイレス君を指差して、常に語尾にお星様を付けて言ってください!」 >>「そうか!わかった!語尾にお星様を・・・・・・。」 >>ヴァルははたと自分がとんでもない要求をされていることに気付き、一拍置いてリュシカに蹴りを入れた。 > >雷:いや―――――っ > いいコンビ、かなり笑えるね >氷:・・・・・・・(笑いながら、コクコク頷いている) 吹雪:同じく元ネタがあります! R:んー、あたしとヴァルさん、漫才コンビでいけると思いません?あたしがボケで、ヴァルさんツッこみ。あたし、基本的にボケ役ですからねぇ。 吹雪:ヴァルは露骨なまでに嫌がりそうだ。 >>あとがき > >>吹雪:・・・・・・・そうですか。まあ、それはともかく、リュシカの力が次回で >わかります。 > >ユ:あ、そうそう。 > 前回のリュシカの力=無限城の絶対的神の力のことですが。 > やっと、そのモデルの方と交信できましたが、 > 彼も、人形遣いでした。 > あと、強さ自体も、『今』のところ、リュシカさんレベルだそうです R:あり?ってことはいつか抜かされるかもしれないんですか? 吹雪:強くなろうな。 R:負けず嫌いじゃないけど・・・・、ま、色々考えときます。 >>吹雪:しぃゆぅあげぃんっ! > >ユ:それでは・・・・・・・・・ 吹雪:はい、ご苦労様でした。それでは! |
26309 | 世界の果てまでY | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/22 10:28:17 |
記事番号26224へのコメント 敵は一人 己の身も一つ 何を畏れる理由がある? 捨てろ 心を 委ねよ 其の身を 立て 進め 戦え 逃れば老いり、退けば衰え、臆せば朽ちる 死にたくなければ逃げるな、叫べ そして我が力を授けよう お前の自我と引き換えに―――― Y 白の公爵 ごおぉぉぉぉっ・・・・・・ 風が渦巻いた。 彼の周りに。 空間が揺らめく。それは彼の存在に近寄る事を嫌がっているようにも見えた。 「力を与えた主人の名において!引く事は許されない!退く事も認めない!臆する事も、何もかもを!!さあ、始めましょう、殺し合いをね・・・・・!」 リュシカが叫ぶ。その瞳は狂気に染まっているように見え、そしてまた冷静に情況を見ているようにも見えた。 その声に反応するようにヴァルは震えた。 「お前の名は――――」 きゅんっ!! 光球が襲う。 しかし―――― しゅぅ・・・ぅぅ・・・・・ それはリュシカに届く事なく、消滅した。 「お前の名は『ヴァイス』!!白き公爵、純白の剣士ですよ!!」 大きく天を仰ぐように言い放つ。 「調子に乗るなよっ!たかだか仮面を被っただけじゃないか!!」 きゅおおぉぉぉ・・・・・・!! サイレスの手から魔力が集まる。際限なく集めたせいなのか、手はまるで帯電でもしているように青白い光を放った。 「消え失せろ!骨も残らずなっ!!」 サイレスも声とともに青白い光球が放たれる、が―――― しゅんっ それは音もなくヴァルの持った剣でいともあっさり切り裂かれた。 「馬鹿なっ!」 しゅんっ そんな音を立て、ヴァルの姿は消える。早過ぎて動きが見切れない。 ぞぶぅっ!! ヴァルの剣がサイレスの背を切り裂いた。 「かっ・・・?」 「んん♪そうですねぇ・・・・第二幕、逆襲の白き剣士、いえいえ、それとも白き竜の協奏曲【ホワイツ・ドラゴンズ・コンチェルト】ですかね?」 言ってクスクスと楽しそうに笑う。 「・・・・フフフッ、綺麗ですねぇ・・・・。」 リュシカはサイレスに近寄り、その傷口についた紅い血をぬぐう。 「血、ね。あたし、血は好きですよ。真っ赤で、全てを覆い隠す。そう・・・・雪のように・・・ね。」 「よくもぉっ!!!」 絶叫し、サイレスはリュシカに手を振り上げる。 ぎぎんっ! 「!?」 しかしそれは空しくヴァルに受け止められる。 「そうですねん♪ちょっと種明かししちゃいますよ。」 楽しそうにリュシカはヴァルのつけた仮面を撫でた。 「これはね、あたし特製の仮面で、着けた人は文字通り、あたしの操り人形になるんですよ♪」 ぐっとサイレスは言葉を喉の奥にしまいこんだ。 「モチロン、さっきのロゼもあたしの可愛い『ただ』のお人形さんですけど。まあ、操れるのは自我のないヤツか、仮面を素直に被った心を殺したヤツのどっちかなんです。運が良ければ、ほっとけば元に戻ります。」 リュシカは一通り説明を終わると、サイレスに向き直った。 「さてっと!じゃ、答えて貰いましょうか?」 リュシカはヴァルから剣を渡してもらい、それをサイレスの首元に突きつけた。 「あんたらの目的は何ですか?答えなければ・・・・わかりますよね?」 サイレスは黙ったままだ。答えず、地面を見入った。 「・・・答えなかったら、あたしとしても不本意なんですけど・・・・・・・。」 リュシカは剣を振りかぶる。ヴァルは仮面に意識を乗っ取られているのか、何も言わない。 「――――悪いけど、死んでください」 冷たく言い、剣を振り下ろす。 刃が白く煌めき、サイレスの首を狙い、残酷な輝きを放った。 「――――・・・・・・馬鹿がっ!」 「は?」 一瞬、剣の動きが止まる。 「消えろっ」 「へ?」 サイレスがそう言うと、穴が開いた。 真下、つまり足元に。 かなり大きかった。ヴァルとリュシカは堕ちた。闇の中に――― 「こんなん、ありなんですか――――っ!!?」 リュシカの、この場にそぐわないどこかふざけた悲鳴が響き渡った。 ―――ねぇ、ママ。今日ね、人形を操るヤツに会ったよ。 ―――ヒドイんだよ、アイツ。ボクに怪我させて、それにね、ママの事聞き出そうとしたんだ。 ―――だけどね、ボクは偉いからママの言いつけを護ったんだ。言わなかったよ、ママの事 ―――ねぇっ、誉めてくれる? ―――へへっ・・・大好きだよ、ママ。この世で一番・・・大好きだよ。ママを護ってあげるよ。 ―――・・・・えっ?会いたいの?でも、あんな野蛮なヤツにあったらママが・・・・・ ―――・・・・うん、わかった。ママの言うとおりにする。だからキライにならないで・・・・・ ―――・・・・・・・・・独りは・・・・・イヤだよ・・・・・・・。 あとがき 吹雪:リュシカ、魔族モードバリバリです! B:ああ見えて好戦的な性格ですからね。売られた喧嘩は必ず買います。 吹雪:さて!サイレスに落とされたリュシカ、一体どうなるのでしょう?気になりますねぇ。 B:それで、次は場面が変わるんですよね。 吹雪:ん、リナ達にカメラ(?)が向かう。 B:・・・・・・・カメラ? 吹雪:いえ、気にしないで。とにかく、リナ達の行動をクローズアップ! B:そして、少しずつ謎が解けていく、と。 吹雪:はい、けれどまだまだです。この話でチラッと出てきた『ママ』、これがある意味キーワードですね。 B:一体、どのように話は展開するのか。 吹雪:期待・・・して欲しいような欲しくないような・・・・。 B:・・・・・自信ないんですか、あなたは。 吹雪:・・・・・・ノーコメント。それでは次回で! |
26330 | 世界の果てまでZ | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/24 19:48:15 |
記事番号26224へのコメント そう、出会いとはまるでルーレットで決められているよう 赤が出るか黒が出るか、どこで何をするかで出会う種族が決まる そして数字で、どこで出会うか場所が決まる 人生は壮大なゲーム 全ては勝つことに執着している コインが無くなる事は何を意味するか それは、負けた者の、悲しいまでの絶望が知っている 賭けて、黒が出るか赤が出るか―――― 知る者はいない そう、例え神でも魔王ですらも――― Z 有り得ない邂逅 あたしはテーブルに置かれた紅茶にゆっくりと口付けた。 あたしの隣りには、毎度おなじみあたしの自称保護者のガウリイ。そして、あたしの真ん前には、悠然とした態度で優雅に紅茶を飲む、それなりの数の盗賊を撃破した男がいた。 彼の名はヴァース。人探しの旅の途中らしい。 それ以上は深く語らない。しかし彼は語るだろう。それはあたしの長年の直感だった。その証拠にヴァースはあたし達と話がしたいと言い、現在、食堂と宿屋の二つを営業している宿に泊めてもらったのである。 ・・・・なんかまた厄介事が・・・・・。・・・・・・はぁ。 ・・・・え?なに?じゃあ、辞退すればよかったじゃないかって? 甘い、ただ飯とあったかいベッドを与えてくれると言うのだ。これを断るなど人間のすることじゃない! ・・・まあ、それはともかく。 あたしはじっくりとヴァースを観察した。 年の頃なら20代前半。ヴァースはこの辺では少し珍しい、艶やかな腰まで届きそうな黒髪だった。鋭い光を宿した一重の紫の瞳。 顔立ちは整い、誰もが美形だ、と口をそろえて言うだろう。酒場で女の子に声を掛ければ、10人中10人、疑いもせずい着いて行くだろう。どことなく鋭い、というか何を考えているか読めない男だ。 背も高く、ガウリイとさして変わらない。少し、ガウリイが高いかな?と言う程度で。 服はポリシーなのか、それとも趣味で着ているのか、真っ黒のコート。怪しさ大爆発である。もっとも色は人を選ぶ。黒はヴァースの黒髪に良く映え、なかなか似合っている。このコートの中に色々、入っているようだ。パッと見て、なんとゆーか・・・・・。お偉いさん方直々の、オフィサーエージェーントみたいだ、と思ってもらうと分かりやすい。 ヴァースは男のクセにあたしより細いんじゃないかと思える指を、ゆっくりと下ろし、紅茶をテーブルに置く。 「・・・ではお話を聞いてもらえますか?」 「・・・・・・・・・・。」 あたしはぴくりと眉を跳ね上げ、紅茶のカップを下ろした。 「話にもよるわね、例えばお家騒動なんかの厄介事はご遠慮するわ。」 ヴァースは肩をすくめた。 「それは困りましたね。私が今から話すのはそんな生易しい代物ではないのですよ。・・・・まあ、あなた方には直接関わる事はないでしょうが。」 ぴくっとあたしは反応した。ガウリイは話をよそに、ウェイトレスの姉ちゃんに注文を頼んでいる。 「・・・・・・へぇ、一体どんな事件なのかしらねー?」 皮肉を込め言うと、ヴァースは肩をすくめた。 「これは失礼。気分を悪くしたようですね。そうですね・・・・、あなた達に聞きたい事があるんですよ。」 「・・・・・何?」 ヴァースが少し周りを気にして、声を潜める。 「それは・・・・・・・。」 ヴァースは一瞬、躊躇し、そして・・・・・・。 「・・・教えられません。」 「だああぁぁぁっ」 あたしはテーブルに突っ伏した。 「あのねぇ・・・頼みたい事あるから聞いてるのにそれはないでしょーが・・・・・。」 ヴァースは表情を変えず、淡々と言った。 「言う必要がないからですよ。リナさんとガウリイさんのお二方にはね。」 なにやら引っかかる物言いだ。 「何でよ?」 「口より身体で分かった方がいいでしょう。百聞に一見にしかず、とも言いますからね。」 「どうゆう意味?」 あたしが聞くとヴァースは苦笑し、左の方、つまりあたしから見て右側を指差した。と同時に、あたしの記憶の糸がぷつりと途切れた。 「う・・うぅ・・・・・?」 「気がつきましたか?」 目が覚めるとヴァースがあたしを見下ろしていた。 「・・・・・・ここ、どこ?」 あたしがまず目にしたのは『見たことも無い空間』だった。 まず空と呼べるものが全ての色を混ぜたようにマーブル状になって、ごっちゃ混ぜになって絶えず他の色に変化している。しかし、そのせいなのかは知らないが地面は真っ白だった。風が強く吹き荒れていた。どこからやってくるのかは、わからない。 そんな光景がどこまでも続いていた。まさに永遠とさえ思えるほど。 「さて、ついさっきまで気絶していたと言うのに申し訳ないのですが・・・・・、あちらの方はお知り合いですか?」 言ってヴァースは空虚な空気を指差した。 しかし彼は実際には違うものを差しているのが分かった。それを見て愕然とする。 ヴァースが指差したものは、その空間には決してあってはならないものがあった。 あたしは遠目でその姿を確認すると、幻覚でも見えてるのかと思った。絶対にいるはずのない人物がいたのだ。 「うそ・・・・・・?」 呆然と、それを見てあたしはそう呟くしかなかった。しかし現実は容赦ない。ヴァースが淡々と言った。 「今、私達が見てるのは幻覚ではありません。・・・・・『現実』、それだけですよ、リナ・インバースさん?」 からかうような口調で、こちらを振り返り、ヴァースは薄く笑みを浮かべていた。 いつものあたしなら食って掛かるのだが、そんなことに気をとられてるほど余裕はなかった。 見間違うことはない、ガウリイもかなり驚いているのが分かる。 じっとりと手が汗ばむ。 そいつは野太い声で何が楽しいのか、やけに楽しそうに言った。 「ほう?実にお前とは縁があるな、リナ・インバース。」 ごくり、とあたしはつばを飲み込み、そいつの姿を確認した。 象牙色のコートに、大人の身長と同じほどの大きさのバスターソードを、片手で持っている。 紅い長髪をなびかせるその様子は、猛々しく、そして雄々しい。外見年齢は20代ではあるが、その性格が滲み出ているかのように、顔は彫りの深く、幾度なく修羅場をくぐった者の雰囲気と威圧感を持っていた。 あたし達は、恐怖と畏怖を込め、彼をこう呼ぶ。 「・・・・・・・魔竜王【カオスドラゴン】ガーヴ・・・・・・!?」 嘘だ、とでも言えたらどんなに楽だろうかと思った。 滅んだはずなのだ。冥王【ヘルマスター】フィブリゾの手によって。あたしたちの前で。しかしちゃんと実態はある。ガーヴはゆっくりとこちらへ歩み寄ってきた。 「また会うことになるとはな・・・・・・。」 こつ・・・・こつ・・・・・・ 空間にブーツも靴音を反響させ、近付く。 ・・・・・・来るっ! あたしとガウリイは戦闘体勢に入る!あたしはガーヴにあって以来、成長しなかったわけではない。 ガウリイも同じだ。光の剣はないが、周囲の魔力を取り込み、切れ味に転化させる斬妖剣【ブラストソード】もある!勝ち目は薄いが、勝因となるものはある。 あたしは、かつての友、ルークが魔王になった時、魔血玉【デモン・ブラッド】の呪符【タリスマン】を飲み込み、魔力の許容量【キャパシティ】が大幅にアップした。 神滅斬【ラグナ・ブレード】も獣王牙操弾【ゼラス・ブリッド】も増幅なしで使える。油断している所を突けば勝ち目はある・・・・・・。 緊張の一瞬。一瞬、スキを見せればあたし達の勝ちだ。 ガーヴはあたし達に近寄り・・・・・・近寄り・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・あり? ・・・・・・・ん?って素通り!? ガーヴはなぜかヴァースを見据えた。何を考えてるのかヴァースは逃げない。もしかしたら口では偉そうな事を言っていても、実は恐いのではないだろーか?なんたって、相手はあのガーヴだし。 「・・・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・。」 ぶんっ!! ガーヴが何を思ったかヴァースに向かって剣を一閃!! は、早い・・・・!あたしでも見れなかったほどだ・・・・・。 ・・・・・・・ガウリイなら話は別だが。 ガーヴの足元にヴァースの見るも無残に真っ二つにされたヴァースの死体があると思いきや、何もなかった。 と言うより、そこにヴァースの姿は無かった。 あたしがふと剣を見ると、そこにヴァースがいた。 信じがたいことにヴァースは剣の上に乗っかっていたのだ。悠々と、どこか楽しそうに。 「これはこれは・・・・困りましたね。私はあなたのお名前を知っている程度の面識なのですが・・・・・、私に何か個人的な怨みでもあるのですか?」 まるで世間話でもしているような口調だ。情況を把握しているのだろーか、この男わ。 「いいや、違うな。」 「ふむ・・・・・・・。」 ヴァースはしばし考え込んだ。 「となると、組織的な関係ですか。困りましたねぇ・・・・、私は人を探しているだけで、危害を加える気など毛頭とないのですが。」 ヴァースの言葉に対し、吐き捨てるようにガーヴが言い返す。 「はっ、そっちはなくても・・・・・。」 ガーヴが剣を構える。まずい、いくらなんでも分が悪い。ヴァースがどんなに人間離れした、運動能力を持ったとしても勝ち目は絶対にない。それほどの相手なのだ。魔竜王【カオスドラゴン】というのは。 「こっちにはあるんだよ!!」 ガーヴが剣を振り下ろし、ヴァースに向かって斬りつける!! しかし、どこにもヴァースの姿はない。 「・・・それは実に興味深い。」 「!?」 声は意外な所から聞こえた。 ヴァースは、何をしたのか空中を歩いていた。しかも、逆さまの状態で。しかも、髪の毛は地面を向かず、ヴァースの足元に向かって伸びている。虚空を地面のように踏みしめ、コートに手を突っ込み、宙を歩く。 きゅぅんっ 光が空中に浮かぶヴァースを襲う。ヴァースの姿はない。 「魔竜王【カオスドラゴン】ガーヴ、伝承によると魔王を裏切り、反旗を翻す。その原因は今から1000年前の降魔戦争。この時、水竜王【アクアロード】ラグラディアに人間にされる。フフフッ、真実でしたか。」 ヴァースはすぐ横にいた。ガーヴの真横に。 があぁんっ!! 剣を振り上げ、斬る、と言うより打ち付けるように衝撃を放つ。 「そして・・・魔竜王【カオスドラゴン】とは、五人の腹心の中で最も気性が荒く、戦いを好む戦士、と聞いていますが、それも当たってますね。」 どこから現れたのか、今度はガーヴから少し離れた、背後に現れる。 「あなたを戦士と言う属性に当てはめるのなら、私は参謀。相性は最悪ですよ。それでも・・・・戦いますか?」 「・・・ほう、そいつはいい。オレはな、頭でっかちが死ぬほど嫌いなんだよ。」 ヴァースは肩をすくめた。 「それはただの偏見でしょう?」 「・・・・そうかもな。」 言ってガーヴは剣を構えた。 こうして、わけのわからないまま、戦いの幕が開けられたのだった。 あたしの立場は・・・・・・? あとがき 吹雪:やぁっっと!やっと出せました、リナとヴァースの名前!! R:長かったですねぇ・・・・・。 吹雪:なんてったって、リュシカの話を入れたから・・・・、長かった。結構早めに思いついた話なのに・・・・・・(泣) R:んで、リナさんはどうなるんです? 吹雪:どうもこうもない。戦わない、実況と解説に徹底してる。 R:・・・・けど、死ぬんじゃないですか?このバトル。組み合わせの相性最悪だし。 吹雪:うーん、ガーヴを火、ヴァースは水・・・・。そんな相性だしなぁ。 R:聞くだけなら面白そうだけど。生で見たら、あたしでも身を護るのが精一杯になりそうで恐い。 吹雪:・・・・・・・。と、とにかく!次回は私が好きなバトルシーンだ! R;ををっ!吹雪の大好物のアレか! 吹雪:そうだ!かなり気合入れて書くのでお楽しみに! R:・・・・あー、ただし期待通りのものが必ず見れるとは限らないんで、あしからず。 吹雪:(ぐさっ!)い、痛いところを・・・・・、とりあえず次回で! |
26348 | Re:前回、出来ずにすみません | ユア・ファンティン | 2003/6/25 22:45:58 |
記事番号26330へのコメント > >そう、出会いとはまるでルーレットで決められているよう >赤が出るか黒が出るか、どこで何をするかで出会う種族が決まる >そして数字で、どこで出会うか場所が決まる > >人生は壮大なゲーム > >全ては勝つことに執着している > >コインが無くなる事は何を意味するか >それは、負けた者の、悲しいまでの絶望が知っている > >賭けて、黒が出るか赤が出るか―――― > >知る者はいない > >そう、例え神でも魔王ですらも――― 永:これ聞くと、本当にそう思うね ・・・ま、私の場合ある程度わかってたけどね・・・・ >年の頃なら20代前半。ヴァースはこの辺では少し珍しい、艶やかな腰まで届きそうな黒髪だった。鋭い光を宿した一重の紫の瞳。 >顔立ちは整い、誰もが美形だ、と口をそろえて言うだろう。酒場で女の子に声を掛ければ、10人中10人、疑いもせずい着いて行くだろう。どことなく鋭い、というか何を考えているか読めない男だ。 楽羅:惚れそうだねえ ユア:っていうか、アンタ男でしょう? 楽羅:多重人格のね >背も高く、ガウリイとさして変わらない。少し、ガウリイが高いかな?と言う程度で。 ユ:180cmぐらいか・・・ >服はポリシーなのか、それとも趣味で着ているのか、真っ黒のコート。怪しさ大爆発である。もっとも色は人を選ぶ。黒はヴァースの黒髪に良く映え、なかなか似合っている。このコートの中に色々、入っているようだ。パッと見て、なんとゆーか・・・・・。お偉いさん方直々の、オフィサーエージェーントみたいだ、と思ってもらうと分かりやすい。 幻:バネさんみたい ユ:紫とか、葬式の定番の色ってきる人選ぶんだよね 幻:そういや、ユ−さんのうちって葬儀屋だっけ? ユ:そうだけどね。 >「・・・教えられません。」 ユ:ゼロス? 幻:ゼロスって? ユ:トラブルメイカ−のゴキブリ魔族 > >「今、私達が見てるのは幻覚ではありません。・・・・・『現実』、それだけですよ、リナ・インバースさん?」 楽:ある意味サファイアだな。 ユ:趣味悪いって点ではね 楽:ザフィ−ルの奴それさえなけりゃ、オイラより強いのに >象牙色のコートに、大人の身長と同じほどの大きさのバスターソードを、片手で持っている。 ユ:はい、ここで、訂正させてください 170cm以上の剣は、クレイモアと称されます ・・・・・・・・・・以上、手持ちの武器事典より >信じがたいことにヴァースは剣の上に乗っかっていたのだ。悠々と、どこか楽しそうに。 ユ:本気に、ザフィ−ルだね・・・ >ヴァースは、何をしたのか空中を歩いていた。しかも、逆さまの状態で。しかも、髪の毛は地面を向かず、ヴァースの足元に向かって伸びている。虚空を地面のように踏みしめ、コートに手を突っ込み、宙を歩く。 ユ;一応、人間でも可能な芸当ですよ? 私の友達が、こっち側でやってました かなり、力が無いと無理ですけど 重力系って、難しいですし・・・。 >「あなたを戦士と言う属性に当てはめるのなら、私は参謀。相性は最悪ですよ。それでも・・・・戦いますか?」 >「・・・ほう、そいつはいい。オレはな、頭でっかちが死ぬほど嫌いなんだよ。」 ユ:フィブちゃんVSガ―ヴっぽい ・・・楽しくなりそうですね > > >あとがき >吹雪:やぁっっと!やっと出せました、リナとヴァースの名前!! >R:長かったですねぇ・・・・・。 >吹雪:なんてったって、リュシカの話を入れたから・・・・、長かった。結構早めに思いついた話なのに・・・・・・(泣) ユ:私も、風華の外伝は、それ自体結構早く考えていたのに、 流れ上、今まで公開できなかったしな・・・・・ >R:・・・・あー、ただし期待通りのものが必ず見れるとは限らないんで、あしからず。 >吹雪:(ぐさっ!)い、痛いところを・・・・・、とりあえず次回で! ユ:頑張って下さいね。 それでは・・・・ ユ:追伸:風華の外伝入れました それの募集事項の協力お願いします それでは > > |
26353 | いえ、特に気にしてません。 | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/6/26 18:56:15 |
記事番号26348へのコメント >>そう、出会いとはまるでルーレットで決められているよう >>赤が出るか黒が出るか、どこで何をするかで出会う種族が決まる >>そして数字で、どこで出会うか場所が決まる >> >>人生は壮大なゲーム >> >>全ては勝つことに執着している >> >>コインが無くなる事は何を意味するか >>それは、負けた者の、悲しいまでの絶望が知っている >> >>賭けて、黒が出るか赤が出るか―――― >> >>知る者はいない >> >>そう、例え神でも魔王ですらも――― > > >永:これ聞くと、本当にそう思うね > ・・・ま、私の場合ある程度わかってたけどね・・・・ 吹雪:預言者なんかこの世には存在しませんよ。 R:って言うより未来を知る者なんかいないんですよね。 >>年の頃なら20代前半。ヴァースはこの辺では少し珍しい、艶やかな腰まで届きそうな黒髪だった。鋭い光を宿した一重の紫の瞳。 >>顔立ちは整い、誰もが美形だ、と口をそろえて言うだろう。酒場で女の子に声を掛ければ、10人中10人、疑いもせずい着いて行くだろう。どことなく鋭い、というか何を考えているか読めない男だ。 > >楽羅:惚れそうだねえ >ユア:っていうか、アンタ男でしょう? >楽羅:多重人格のね 吹雪:恋愛には興味ないそうです。 R:仕事一筋で一生を終えるタイプです。 >>背も高く、ガウリイとさして変わらない。少し、ガウリイが高いかな?と言う程度で。 > >ユ:180cmぐらいか・・・ 吹雪:なんでしょうか・・・・、なんかガウリイの身長、知らないんですよ。まあ、その位かな?と。 >>服はポリシーなのか、それとも趣味で着ているのか、真っ黒のコート。怪しさ大爆発である。もっとも色は人を選ぶ。黒はヴァースの黒髪に良く映え、なかなか似合っている。このコートの中に色々、入っているようだ。パッと見て、なんとゆーか・・・・・。お偉いさん方直々の、オフィサーエージェーントみたいだ、と思ってもらうと分かりやすい。 > >幻:バネさんみたい >ユ:紫とか、葬式の定番の色ってきる人選ぶんだよね >幻:そういや、ユ−さんのうちって葬儀屋だっけ? >ユ:そうだけどね。 吹雪:あと赤とか。濃い灰色も好きだそうです。・・・ユアさん、お家が葬儀屋だったんですね・・・・。 >>「・・・教えられません。」 > >ユ:ゼロス? >幻:ゼロスって? >ユ:トラブルメイカ−のゴキブリ魔族 吹雪:個人的に生ゴミがお気に入りです。 >>「今、私達が見てるのは幻覚ではありません。・・・・・『現実』、それだけですよ、リナ・インバースさん?」 > >楽:ある意味サファイアだな。 >ユ:趣味悪いって点ではね >楽:ザフィ−ルの奴それさえなけりゃ、オイラより強いのに 吹雪:いや、ヴァースは物事をハッキリ言うタイプなのです。 R:そうそう、んでさらっとすごい事を言う。 >>象牙色のコートに、大人の身長と同じほどの大きさのバスターソードを、片手で持っている。 > >ユ:はい、ここで、訂正させてください > 170cm以上の剣は、クレイモアと称されます > ・・・・・・・・・・以上、手持ちの武器事典より B:・・・だそうですが。 吹雪:武器図鑑が欲しい・・・・無知がにくい・・・・。 >>信じがたいことにヴァースは剣の上に乗っかっていたのだ。悠々と、どこか楽しそうに。 > >ユ:本気に、ザフィ−ルだね・・・ 吹雪:いえ、戦いは好みません。 R:って言うより無駄なことはしたくないんですよね。 >>ヴァースは、何をしたのか空中を歩いていた。しかも、逆さまの状態で。しかも、髪の毛は地面を向かず、ヴァースの足元に向かって伸びている。虚空を地面のように踏みしめ、コートに手を突っ込み、宙を歩く。 > >ユ;一応、人間でも可能な芸当ですよ? > 私の友達が、こっち側でやってました > かなり、力が無いと無理ですけど > 重力系って、難しいですし・・・。 吹雪:・・・・・バレたかな? R:何が? 吹雪:いや、こっちの話。 >>「あなたを戦士と言う属性に当てはめるのなら、私は参謀。相性は最悪ですよ。それでも・・・・戦いますか?」 >>「・・・ほう、そいつはいい。オレはな、頭でっかちが死ぬほど嫌いなんだよ。」 > >ユ:フィブちゃんVSガ―ヴっぽい > ・・・楽しくなりそうですね 吹雪:はいvバトルは好きなのでvv >>あとがき >>吹雪:やぁっっと!やっと出せました、リナとヴァースの名前!! >>R:長かったですねぇ・・・・・。 >>吹雪:なんてったって、リュシカの話を入れたから・・・・、長かった。結構早めに思いついた話なのに・・・・・・(泣) > >ユ:私も、風華の外伝は、それ自体結構早く考えていたのに、 > 流れ上、今まで公開できなかったしな・・・・・ 吹雪:わかります、なんかもどかしいですよね。 >>R:・・・・あー、ただし期待通りのものが必ず見れるとは限らないんで、あしからず。 >>吹雪:(ぐさっ!)い、痛いところを・・・・・、とりあえず次回で! > >ユ:頑張って下さいね。 > それでは・・・・ 吹雪:はい、がんばります! >ユ:追伸:風華の外伝入れました > それの募集事項の協力お願いします > それでは 吹雪:レスしましたvではでは! |