◆−こもりうた−かぼちゃ (2003/6/15 17:19:04) No.26246 ┗Re:こもりうた−オロシ・ハイドラント (2003/6/17 20:18:26) No.26268 ┗ありがとうございます。−かぼちゃ (2003/6/19 20:21:29) No.26281
26246 | こもりうた | かぼちゃ | 2003/6/15 17:19:04 |
ある日、空から金色の雨が降ってきました。 それに打たれたたくさんの竜が死んでしまいました。 その中に自分もいたような気がします。 ただ、憶えているのは・・・ 泣かないで、今日の悲しみは消えていくから 泣かないで、明日はきっといいことがあるから 今はゆっくりと眠ればいい 悲しいことは全部、忘れて 今はただ、素敵な夢を・・・・・・・・・・・・・・ 「生き残りなさい。」 フィリアは転寝をしていた。 机の上にはたくさんの書物が並んでいる。その全てが古代竜についての記述だ。 自分達の一族が滅ぼしてしまった者たちの事を少しでも知りたかったのだ。 「かあさん・・・・・・・・。」 「ん・・・・・・。どうしたの?ヴァル・・・。」 「怖い夢、見た・・・。」 その目には涙が浮かんでいた。 「空から光るものが落ちてきて、みんな動かなくなる夢・・・・・・。」 「怖かったわね・・・。大丈夫よ。さぁ、ベッドに戻りなさい。」 だが、ヴァルはくりくりおめめをうるうるさせてフィリアを見つめた。 「くっ・・・・・・・・・・・・・。」 何だか知らないがその視線に負けてしまうフィリア。 「全く、しょうがないわね・・・。」 そう言って、フィリアはヴァルの部屋までついていった。 「おやすみなさい。ヴァル・・・。」 「おやすみ。かあさん。」 フィリアはそろそろ自分も眠ろうと机の上を片付けはじめました。 そこに、微かな歌声が聞こえてきた。 「泣かないで、今日の悲しみは消えていくから 泣かないで、明日はきっといいことがあるから 今はゆっくり・・・・・・・・」 よく聴くとそれは資料の中にあった古代竜の民族音楽の一つだった。 「ヴァル?まだ起きてたの?」 「かあさん・・・・・・。」 「その歌は?」 「知らない。・・・・・・夢の中で聞いたんだぁ。」 空から光るものが落ちてきて 「怖くて、怖くて、ずっと泣いてたら、女の人が歌ってくれたんだ。」 みんな、動かなくなる フィリアはすぐにそれがヴァルの本当の母親の夢だと思い当たった。 「生き残りなさいって、言っていたんだ。」 「ヴァルっ!!!!」 フィリアはヴァルにひしっとしがみ付いた。 「ごめんなさい・・・!私、立派なお母さんになるからね・・・。」 だから今は、 素敵な夢を・・・・・・ |
26268 | Re:こもりうた | オロシ・ハイドラント | 2003/6/17 20:18:26 |
記事番号26246へのコメント はじめまして 名乗るほどのものではありませんが、どうせタイトルにも書かれていることですし、略してラントと申すものです。 > ある日、空から金色の雨が降ってきました。 > それに打たれたたくさんの竜が死んでしまいました。 > その中に自分もいたような気がします。 > ただ、憶えているのは・・・ 平素な文章は、純粋さを持つために、時として心を撃つような気がします。 既製の物語を使っているがゆえに、その物語を思い出させてくれます。 二次創作の一つの形として、まさしく相応しいものではないかと思われます。 > そこに、微かな歌声が聞こえてきた。 > 「泣かないで、今日の悲しみは消えていくから > 泣かないで、明日はきっといいことがあるから > 今はゆっくり・・・・・・・・」 > よく聴くとそれは資料の中にあった古代竜の民族音楽の一つだった。 歌というのは、文中では曲が現れないため、それを聴きたいと思わせてくれます。 ただし、文章ではけして伝えられない。 そして、入手不可能なものはイメージによってどんどん素晴らしいものとなる。 イメージの中でのみ生きる名曲。 さらに、民族音楽という言葉も、不思議なパワーを持っていると思います。 この作品に、このコメントは相応しくないかも知れませんが、私はそう思わされました。 > フィリアはすぐにそれがヴァルの本当の母親の夢だと思い当たった。 過去のその辛さを、自身に伝わらせることも、良いですが、 自身はその意味を真には知らない、というこの作品もタイプも、痛々しくて良いです。 素晴らしいです。 そして、こちらは私の予想に過ぎないわけですが、いずれもの凄いものを書けるようになるような気がします。 初対面から変なこと言いまくってすみません。 失礼させていただきます。 |
26281 | ありがとうございます。 | かぼちゃ | 2003/6/19 20:21:29 |
記事番号26268へのコメント はじめましてオロシ・ハイドラントさん。私はかぼちゃと申します。畑からやって来ました(意味不明)。オロシ・ハイドラントさんからレスがきていて実はとても驚きました。本当にありがとうございます。 何か私の作品でここまで深く考えていただけて光栄です。最初にこれを書いた時は何も考えずに可愛いヴァルガーヴ君が書きたくて書いただけなんです・・・。それが書いてるうちにやっぱり切ないものにしてみよう!などと、だんだん路線が変わってきたのですよね・・・。 あぁ、最初に書こうとしていたモノと出来上がったモノが違っていることがあまりにも頻繁なので常々どうにかせねばと思っております。こんな愚かな私ですがこれからも読んでいただければとても嬉しいです。いつか、ご期待に沿えるようなもの凄いものを書けるように頑張ります。 |