◆−旅人 プロローグ−どら・ゴン (2003/6/17 21:41:23) No.26270
 ┗旅人 第一章−どら・ゴン (2003/6/22 17:19:15) No.26311
  ┣Re:旅人 第一章−オロシ・ハイドラント (2003/6/23 15:24:12) No.26320
  ┣今日はみごとに晴れました(笑)−じょぜ (2003/6/27 20:27:38) No.26370
  ┗旅人 第二章−どら・ゴン (2003/6/27 22:46:11) No.26374
   ┣お知らせ−パッチー (2003/7/3 21:05:32) No.26448
   ┗旅人 第三章−どら・ゴン (2003/7/7 21:13:21) NEW No.26480


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26270旅人 プロローグどら・ゴン 2003/6/17 21:41:23


何も見えず、何も聞えず、何も分からない空間
その空間に、一人の人間が居た
・・・まだ十代半ばにも行かない、幼い顔立ち。所々に血がべっとりつき、傷だらけの太極服。
はっきりしない頭をフル稼働させ、彼は何故自分がここに居るかを考える

「これより、反乱軍幹部、マキビ=ハリの処刑を行う!」
壇上にいた、宇宙軍の将官がそう叫ぶ
その声を合図に、貴賓席の向いにある大きな扉が開かれ、一人の少年が、複数の兵士に連れて来られた
ハーリーは・・・・彼の愛称ハーリーで、これからは呼ぼう・・・・は、処刑場にしては、えらく豪華ですね・・・と心の中で皮肉り、貴賓席に目を向ける
そこには、彼の元上司にして、最も殺してやりたい女、”電子の妖精≠ェ居るはずである。

彼の年齢は十三歳。本来なら夢多き年頃のはずである。
そして、彼も数年前までは、・・・マシン・チャイルド(注1)という生まれと、軍属であったと言う事を差し引いても・・・そういう少年であった。
しかし、ある事件が彼の人生を変えた。
・・・当時、彼が最も尊敬していた・・・いや、恋心さえ抱いていた上司、”電子の妖精≠ノ裏切られたのだ。
・・・彼女の最愛の人が犯した罪を、ハーリーに擦り付け、彼をテロリストとして手配した。
最初は信じられなかったハーリーだが、時がたち、いつまでも警官に追われ続ける日々を送ると、ああ、自分は裏切られたんだ・・・という事が、自然と分かってきた。

それからの日々は、ひたすら復讐のための準備を始めた
体を鍛え、色々な暗殺術や格闘術を覚えこみ、体を苛め抜いて、成長期の体が壊れかけるほどの訓練をつんだ
そして、今の体制を良しとしない仲間等を見つけ、彼等と共に戦いを始めたのである。
そして・・・今に至る

敵の罠にはまり、どんどん落ちていく味方。
艦内はパニックに陥り、まともな指揮などできるはずも無い
さらに、敵側にまわっているマシン・チャイルド二人が、ハッキングを仕掛けているのだ。それえ一時間持っただけでもたいしたものだ
ブリッジに敵弾が直撃し、中は血だらけとなる。
開いた穴から、敵兵が乗り込んでくる。銃を乱射しながら、ろくな装備も無いブリッジ要員を射殺していく狂気の宴
そして・・・・

「・・・居た・・・・」
貴賓席のど真ん中に、黒っぽい服をきた男と、将官の服を着た黒髪の女性。そして・・・そして、銀色の髪をし、将官の服を着た・・・・十代後半の少女
立ち止まり、そちらを見ていたハーリーを、兵士が黙って蹴り飛ばす
・・・・どうですか?”電子の妖精=B貴方の元部下が処刑される瞬間・・楽しみにしていましたか?
心の中でそう呟き、彼は壇上へと登る
「処刑内容は、ボソンジャンプ(注2)による死刑!慈悲深い連邦首相が、せめてもの情けとして苦しみの無い処刑をお選びくださった!感謝せよ!」
自分勝手な理屈を吐きながら、士官はハーリーを処刑椅子に座らせ、逃げられないよう固定する。
士官が離れたのを見て、科学者がスイッチを入れると、ハーリーがいる円形の壇を、光が包んでいく
それは徐々に大きくなり、そして・・・・綺麗に、壇はハーリーごと消えうせた。
「ふう・・・これで、悪の芽は潰えた」
士官の呟きが、静まり返った処刑場に、やけに大きく響いた

「・・・そうか・・・僕は・・・死んだのか・・・・」
そこまで思い出すと、彼の頭は一気に全てを思い出す
・・・処刑場の雰囲気から、死の瞬間まで。
「クク・・クックック・・・」
急に、全てが馬鹿みたいに思えてくる。自然と、笑いがこみ上げてきた
「アハハハ、クックック・・・アッハッハッハッハッハッハ!」
狂気とも、自嘲ともちがう・・・ただ、笑った。

「・・・・・・・はあ・・・はあ・・・・・・」
息苦しさに喘ぎ、呼吸を整えようと体が空気を求める。
死んだのに空気が欲しいとは・・と思うが、苦しいのは誰だって嫌だ。
「・・・・・自由が欲しい・・・・・」
ただ、そう思った。何にも縛られず、・・・そう、己以外に縛られない・・・自由。
カゴの鳥が、自由が欲しいと言った様な物だ。っと、我ながら思った。死んでいながら、いまだに自由など欲してどうなる?
そう思ったが、何故か、それ以外が考えられなかった。

『自由が欲しいか?』
突然、音ではなく、頭にそう響いた。
『自由が欲しいか?』
また、同じ声が響く。若い女性の様でもあるし、老婆の様でもある。
『これで最後だ。貴様は、自由が欲しいのか?』
・・・・YES・・・・
頭で考えるより先に、口が勝手に動く。
自分の口を押さえたかったが、ここでは一度も体の感覚を感じた事が無い。
体が動かなければ、腕を動かすなど土台無理だ。
『よかろう』
その声が満足げにそう言うと、自分を何かが引っ張っていくのが分かる。

『重破斬(ギガ・スレイブ!)』

意識を失う前に、そんな声が聞えた・・・そんな気がした。


どうも!どら・ゴンです。皆様、初めまして!
今回、初の投稿で、長編などと言う無謀な事をしてしまいましたが、私、がんばりますので、よろしくお願いします!
マキビ・ハリ君大好きで、彼が主人公の作品が書きたくて妄想してましたが・・・ホントに書いちゃった♪
今回はプロローグですので、スレイヤーズに関係ない事ばかり書きましたが、次ではいよいよリナ&ナーガの登場です!(うわ、ネタバレ!)
それでは、これからもよろしくお願いします!

注1マシン・チャイルド
人工的に作られた者達。電脳戦に特化し、オペレーターとしても優秀
色素が薄い者が多い
注2ボソンジャンプ
転移方法と見てくれれば良い。空気中に散らばるボソン粒子を、遺跡と呼ばれるコンピューターで制御し、ワープする航法。ただし、生身の人間が、何の処理も行わず(専用ナノマシンの投与など)ジャンプすれば、待っているのは死である

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26311旅人 第一章どら・ゴン 2003/6/22 17:19:15
記事番号26270へのコメント

「どうして?どうしてわたしのヤコムを殺したの?あのヒトが、わたしたちが、どんな悪い事をしたというの?わたしたちはただ愛し合っていただけ。その愛をまっとうしようとしただけ。それなのに、どうしてあなたはあのヒトを、まるで罪人を裁くように斬り殺してしまったの?あのヒトを沼の水に沈めて、カロンの餌にしたりしたの?」
幻影の少年は剣を構えた。
「なぜなら、おまえたちが邪悪だからだ」
笑顔のまま、少年は剣を彼女に突き立てた。
            『ブレイブ・ストーリー 下巻』62ページ参照




夢・・なのだろうか・・・多分、夢なのだろう。
現実の自分は、死んでいるのだから・・・・
・・・・死んでまで夢を見るとは滑稽な・・・・
そう思い、彼は思わず皮肉気な笑みを漏らす。

この笑いが自分のトレード・マークになったのは、一年前位だろうか。
二年前までは、こんな笑い方があることすら知らなかった。

夢の中の彼は、ある男と対峙していた。相手の名前は分からない。
だが、その男と、夢の中の自分は楽しそうに話していた。
・・・・いや、その表現は違うだろう・・・・嵐の前の静けさ・・・・談笑していた相手と、すぐさま殺しあえる手合いだ。自分も、あの男も。

それは突然やってきた。
会話が途切れる。その瞬間、両者が動く。
夢の僕は飛び上がって相手の顔に拳を叩き込み、相手は僕の腹部に拳をめり込ませる。
悶絶し、吹き飛ばされる僕。だが、顔は歓喜の笑みを作っている。
相手は鼻が折れたのだろう。大量の血が流れ、赤い血が、もともと赤かった服を濡らしていた。
そして、この男も、歓喜の笑みを顔にだす。


そこで夢は終わった。


朝日が見上げる高さになった時、ハーリーは目を覚ました。
起きてすぐ感じたのは違和感だった。だが、それもすぐに消えた。
ゆっくりと目を開けようとするが、余りの寝心地のよさに、体が言う事を聞かない。
まともなベッドで寝ているなど、一年ぶりの事なのだから。

・・・・僕は、戦闘狂ではなかったんですがね・・・・
先程の夢の内容を思い出し、そう心の中で呟き、彼はゆっくりと目を開ける。
そこは、小さな寝室だった。いや、病室かもしれない。

最初に目に入ったのは、白い壁紙で包まれた天井だった。
「・・・・・眩しい・・・・・」
ベッドは窓の傍に作られてあったらしく、朝日が顔に当たっていた。
腕で目を庇い、ゆっくりと目を動かして周りを見回す。

『目を覚ましたのか?』
すぐ傍から・・・窓があるほうから、彼は声をかけられた。
「・・・どなたでしょうか?」
見回しても誰も居ず、多少警戒心を込めてそう聞く。
『おいおい、もう我の事を忘れたのか?』
その声は呆れたようにそう言い、貴様に自由を与えた者だ、と答えた。
「・・・・あの時の・・・・」
記憶がゆっくりと紡ぎだされ、あの空間の事を思い起こす。

『自由が欲しいか?』

そう聞いてきた声と、全く同じ声だと言う事に気付き、警戒心を解く。
どうせ一度死んだ身だ。それに、もし殺す気だったなら、あの時放って置けば望みどおりの状態になっただろう。
・・・・死んだ人間を蘇らせるほどの化物に、僕がかかって行っても、大したことは無いでしょうからね・・・・
そう思い、皮肉気に笑うハーリー。

『ふん・・・化物で悪かったな。・・・まあいい』
前半は不機嫌そうに、後半は面白そうに言う声の主。
・・・・相手の心を読むとは、本当に化物だったな・・・・
そう思うと、相手はいささか不機嫌になったようだが、すぐ気を取り直して話を続けた。
『貴様の体・・・いじらせて貰ったぞ。あのままでは死んでいただろうからな』
悪びれもせずにそう言う声の主。
『不死身・・・・・世界が存在する限り、貴様は死なないし、死ねない。どうだ?死から開放された気分は』
悪戯をした子供が、それを友達に話す様に、声の主はハーリーに問う。

「・・・・遂に人外になりましたか・・・・まあ、二年前外道の道に堕ちた時、人という単語はすてましたがね。それに・・・・死からは開放されたかもしれませんが、逆に生に縛られるってことでしょう?」
大した事では無いと言う風に言い切るハーリー。
『クク・・・・アッハッハッハッハ!面白い!面白いぞ!全く、あの世界の主も面白い人間を作ったものだ!礼を言ってこねばな!クク・・・ハッハッハ!本当に愉快だ!生に縛られるなどと考える者が居るとは!」
楽しそうに・・・そう、本当に、心のそこから楽しそうに、笑い続ける声の主。
馬鹿にされたようで、多少気分を害するハーリー。表情に出ていたようで、笑いが収まってくる。

「所で・・・姿が見えない相手と話すのは、結構面倒なんですが・・・それに、名前も知らないんですがね・・・」
笑いが消えると、ハーリーはそう切り出す。
姿も、名前も分からない相手では、話もし辛いものだ。
『ああ、そうだったな。待っていろ』
そう言うと同時に、窓が突然開け放たれる。
そこから、一羽の鳥が、室内に入ってきた。
赤・・・いや、炎のような紅色の羽をした、綺麗な鳥。
狭い室内をゆっくり旋回すると、窓枠の、寝ているハーリーからも見える場所に止まる。
『改めて、初めまして、ハーリー。我は・・・・そうだな、Lで良い。そう呼んでくれ』
その鳥は・・Lと言おう・・・そう言うと、ニヤリ、と笑う。
・・・鳥が笑えるわけは無いので、ハーリーがそう感じただけであるが・・・

コンコン

小気味いい音を立てて、誰かがドアをノックする。
『そら、お前を助けた者達が来た様だぞ?』
Lはそう言い、飛び立つ。
『また後で来よう』
そういい残して、Lは去っていった。

ガチャリ

Lが去ってすぐ、ドアが開き、二人の女性が部屋に入ってきた。
栗色の髪をした、小柄な女性と、黒髪の大柄な・・・・・すごい服を着た女性・・・(痴女?)

両方とも黒いマントを羽織り、ショルダーガードを肩に着けている。
が、同じなのはそこまでだ。
片方はその下に衣服らしきものを着けているが・・・・もう片方は、痴女としか思えない格好をしている。
ほとんど水着である。

「あら、気が付いてたみたいね」
栗色の髪をした方がそう言った。
「ホーッホッホッホ!だから言ったじゃない。さっさと行きましょうって。」
黒髪がそう高笑い(やっぱり痴女?)をすると、小柄な方に皮肉を言う。
かなりムッと来たらしく、栗色の髪をした方も噛み付いてくる。
「何よ!アンタだって泳いでたじゃない!」
栗色の髪をした方がそう言うと、
「ホーッホッホッホ!折角イルマードに来たんだから、泳がないと意味無いじゃない!」
全く意に介さい。栗色の方も、もう諦めたようだ。

「初めまして。わたしはリナ。リナ・インバース。んでもって、こっちが金魚のウンチ」
「ちょっと!ナーガよ!白蛇(サーペント)のナーガ!」
栗色の・・・リナさんがそう言うと、ナーガさんが慌てて訂正する。
・・・・なんだかんだ言って、結構仲が良いですね・・・・
本人達に言ったら、間違いなく激怒する台紙を心の中で呟き、ハーリーはゆっくりと口を開いた。
「助けていただき、ありがとうございます。僕は・・・・ハーリー・・・そう、ハーリーです。」
この瞬間、彼はマキビ・ハリという名と共に、過去を捨て去った。
忌まわしき過去に縛られず、自由を手にし続けるために。



後書きのような、舞台裏のような

「ふー・・・・終わった・・・・・」
わたしは、投稿ボタンを押し、やっと一息つく。
ご飯を食べる時間も惜しんで書いたこの作品、誰かが読んでくれるといいが・・・・チャットの方を見てみると、かずらさんが帰ってしまっていた。
・・・・あっちゃぁ・・・・
「お?終わったのか?」
後ろから、兄、パッチーがPCを覗き込んでくる。
「まあね。で、そっちは更新するの?」
「あはは、無理」
突っ込むと、兄はあっさり逃げていく。いつの間に帰ってきたんだろう?
某ゴキブリ魔族のような奴だ
「さて・・・次回の構想は・・・・」
次に書く、第二章の構想を思い巡らす。
「そうね・・・・もったりとしてコクがなく・・・がいいかな?それともあっさり分かれて・・・・ガウリイVSハーリー!がいいかな・・・」
幾分ネタばれな事を言いつつ、わたしはプラウザの戻るを押した。

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26320Re:旅人 第一章オロシ・ハイドラント 2003/6/23 15:24:12
記事番号26311へのコメント

こんばんは。
いつもチャットでよろしくしていただいてるラントというか……オロシでございます。

死んだ蘇ったハーリー君。
彼の過去は一体どんなものだったのでしょうか?
辛い過去?
これから詳しいことが露となっていくのでしょうか?

>「どうして?どうしてわたしのヤコムを殺したの?あのヒトが、わたしたちが、どんな悪い事をしたというの?わたしたちはただ愛し合っていただけ。その愛をまっとうしようとしただけ。それなのに、どうしてあなたはあのヒトを、まるで罪人を裁くように斬り殺してしまったの?あのヒトを沼の水に沈めて、カロンの餌にしたりしたの?」
>幻影の少年は剣を構えた。
>「なぜなら、おまえたちが邪悪だからだ」
>笑顔のまま、少年は剣を彼女に突き立てた。
>            『ブレイブ・ストーリー 下巻』62ページ参照
ううむ良いなあ引用って。
私もやってみようかなあ。
でも、大変そうだし……。

>『クク・・・・アッハッハッハッハ!面白い!面白いぞ!全く、あの世界の主も面白い人間を作ったものだ!礼を言ってこねばな!クク・・・ハッハッハ!本当に愉快だ!生に縛られるなどと考える者が居るとは!」
あの世界、やはり別のところに来たわけですね。

>「初めまして。わたしはリナ。リナ・インバース。んでもって、こっちが金魚のウンチ」
>「ちょっと!ナーガよ!白蛇(サーペント)のナーガ!」
>栗色の・・・リナさんがそう言うと、ナーガさんが慌てて訂正する。
誰かと思えばこの二人。
この後、ハーリー君とどう関わっていくのか?

>忌まわしき過去に縛られず、自由を手にし続けるために。
それは、果たして可能なのか?
ハッピーエンドか? 悲劇か?
さあ、どちらに向かうのでしょうか?

駄レスですみません。
これで失礼致します。

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26370今日はみごとに晴れました(笑)じょぜ 2003/6/27 20:27:38
記事番号26311へのコメント

 ども。チャットでお世話になりました,じょぜです。
 えー……引き受けました批評の件,ただいまから始めさせていただきます。
 ああ,なんかとんでもないこと引き受けたような気が……。

 批評というより,ここはこうしたほうがいいかも,という私の勝手な感想です。
 もちろん,参考にしても無視してもまったくかまいません。



 マシン・チャイルド等の説明が末尾にありましたが,せっかくですから,あれの説明を文章に折り込んでみてはどうかな,と思いました。
 そうすると,世界観の説明も兼ねることができますし。
 あと,裏切りが発覚したときのシーンを書いたりすると,主人公の受けたショックの大きさがはっきりするかも,と思いました。(それがきっかけで暴走するわけですから)。



 でもそれぐらいですよ。文章はしっかりしてますから,どこがおかしいという印象は受けませんでした。
 月並みですけど,いろんな本を読んで,書いてみることですよね。
 描写はたしかに難しいです。いつも私は「説明ではなく,描写だ描写」と言い聞かせながら書いてます(笑)。
 はっと気づくと「説明がだらだら」とういうふうになってたりしますので。

 では,お役に立てたかどうかわかりませんが,頑張ってください。ではでは。m(__)m

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26374旅人 第二章どら・ゴン 2003/6/27 22:46:11
記事番号26311へのコメント

「リナ=インバースっ!我が挑戦、受けてもらおうっ!」
「おっしゃ了解っ!爆裂陣っ!」

づどぉぉぉぉむっ!

「うどわぁぁぁぁぁっ!」

・・・かくして、一つのものがたりは終わった。


「ほーっほっほっほっほっ!見つけたわよ!リナ=インバース!」
んぐむぅぅぅっ!
突如上がったバカ笑い。リナを始め、その時口に食物を入れていたものは全員のどを詰らせた。
残った幸運な者は、何が起こったのかとこちらを見る。
強制的に注目が集まり、いやがおうもなく好奇の目で見られることになったハーリーとLは、ナーガの後頭部を思い切り殴り飛ばした・・・

「フッハッハッハ!おどろ・・・い・・・何やっとるんだ?貴様ら」
「・・・あ〜・・・別に気にしないで下さい・・・あ、どぞ。座ってください」
笑って登場し、次の瞬間目を丸くした戦士に、ハーリーは気にするなと言って
席を勧める。

まさに惨状である。思いっきり殴り飛ばしたナーガが、一瞬で目を覚まし逆上。目の前にあった餌を片っ端から口に入れ始めたのだ。
これにリナが切れた。まだ口にしてない物まで食われまくり、ポテトを飲み込んだ時には、料理は半分まで減っていたのだ。
頭に血が上り、リナが攻撃呪文を唱え、ナーガに放つ。
もちろんその程度でくたばるナーガではない。他の客の物まで高笑いしながら食いまくった。

一分後、店は半壊し、リナとナーガは弁償させられる事になった。



「リナ=インバース!私と勝負をしろっ!」
「おっしゃ了解!爆裂・・・・」
「ちょ、ちょっと待て!ストップ!タンマ!人の話を聞けっ!」
ついさっきの鬱憤を晴らそうとばかりに力を入れて詠唱をするリナに、命の危機を感じ必死に止める戦士。
「はいはい。で、どんな勝負?ちゃっちゃと言いなさい」
多少殺気が篭ったその眼差しに、おびえながら戦士は言った
「・・・・・・・わ・・・私は、・・・・・そうっ!お前に料理勝負を申し込みに来たのだっ!」

「爆裂陣」

づどぉぉぉんっ!

「うぐわぁぁぁぁぁぁっ!」
多少離れた所に着地(落下)する戦士。
・・・首が・・・曲がってませんか?・・・
死んだかな?とハーリーが思ったその時。
「りょ・・・・・料理・・・りょうりしょ・・・・勝負ぅぅぅぅ・・・・」
ゾンビの如く、地べたを這いずりながら近づいてくる戦士。
「でぇい、よるな!あたしはしないって言ってるでしょ!」
「しょ、しょうぶ・・・料理ぃぃぃぃ・・・しょうぶ・・・・・・・・・」
と、突然止まる戦士。
「そ・・・それは・・・・・勝負を・・・・棄権・・するということかぁぁ?わ、私の・・不戦勝かぁ?」
「はいはい。それでいいから」
あっさりとまた断るリナ。
と、やおら立ち上がると戦士は破顔し、笑い始めた。
「ふ・・・ふっはっはっはっははっはっはっ!勝ったぞ!このガルバート=ハーマーがっ!あの女の妹にっ!」

ぴぴくぅっ!

ぎぎぎぃぃぃ・・・・・
首を軋ませながら、リナはゆっくりとふり向いた。
「・・・・ちょ・・・ちょっと待て・・・・・『あの女』って・・・もしかして、どこぞのゼフィーリアにある『リア・ランサー』ってレストランでウェイトレスやってるひとのことぢゃあ・・・・?」
「その通りだが・・・・・・」
「んぐはあああぁぁぁぁぁぁぁあっ!」
イスからずり落ち、リナは絶叫した。

『ゼフィーリアか・・・ルナ=インバースだな』
「ルナ=インバース・・・・お前が言ってた世界の重要人物の一人の?」
『ああ。この結界内を、なぜ五大腹心が滅ぼせないか・・・・奴がいるからさ。ゼフィーリアさえ無事なら、あの女は動かん』

「分かったわ!この勝負、受けて立つわっ!」
多少切羽詰った気配を発しつつ、リナがそう叫ぶ。
『リナも大変だぞ。ここで負けようものなら、人生どうなるか分からん』
「・・・そんなにスゴイ人なのか?ルナさんって人は・・・・」
『あの姉にして、この妹あり・・だな』


ついに始まった料理勝負っ!ナーガ他四名の審査員に命はあるのかっ!
そして、リナの魔の手から逃れきったハーリーに、魔族の手が迫るっ!
三文小説のような雰囲気を発しつつ、次話へ続く!



あとがきのような舞台裏のような・・・?

パ:・・・・・・お・・・終わった・・・・・
がっくりと倒れ、パッチーは帰らぬ人に・・・・
パ:・・・・おい、変なナレーションを流すな。
あら、眠ったのかと思った。でも、何でこんな遅いの?わたしのノートから移してって頼んでただけなのに・・・・
パ:・・・じ、自分の胸に聞いてみろっ!散々邪魔しくさったのは誰じゃいっ!
電波じゃない?(空々しく)
パ:・・・・はあ・・・んじゃあ、オレ寝るわ・・・
おやすみ〜兄。
パ:その呼び方やめてくれ・・・・
  階段を上る兄。ドアが閉まる音がする。
さて・・・・時間の関係で、前後編になっちゃったか・・・・しょうがない。続きを書くか・・・

わたしは、再びノートに向かう。

没ネタの山のような本に、ペンが走った・・・・

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26448お知らせパッチー 2003/7/3 21:05:32
記事番号26374へのコメント

え〜・・・・ども。どらの兄貴の、パッチーです。
今回はお知らせなんですが・・・どらの奴が、暫く書けない、と言う事をお伝えします。
何でも、かなり部活が忙しいらしく、書く気力が無い・・・・らしいです。
今週の土日に更新するかもしれませんが、これからは不定期になるそうです。
それでは、これで・・・・

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26480旅人 第三章どら・ゴン 2003/7/7 21:13:21
記事番号26374へのコメント

[良く臆さずに来た!リナ=インバース!」
食材と料理器具でごった返した厨房に、ガルバートのダミ声が木霊する。



審査員は、ナーガ、ハーリー、その他店の主人夫婦に、若い料理人である。
因みに、審査をおじさん達が申し込んだ時、ガルバートは大げさな驚きの声を上げた。
「一旦そう言い出した以上、途中での棄権は許さぬぞっ!」

その台詞に、一同が?マークを出すが、ガルバードはそんな事は意にも介さず、話を続ける。
「勝負は簡単!互いに一品ずつを作り、相手と審査員全員が、およそスプーン五杯ずつで食べる!」
かなり妙なルールである。普通の勝負は、審査員が作った料理を食べ、それで得点をつける得点制だ。相手が食べたりすれば、どんな批評を言われるか分からない。はっきり言って、実用的なルールではないのだが・・・・


「この手順を繰り返し、先に料理のマズサで相手を倒したほうの勝ちだっ!」

ガチャンっ!

その音と共にハーリーの姿は室内から消えた。

ダッダッダ・・・・ガチャリっ!

リナが走り、ドアを開ける。だが、すでにハーリーの姿は無かった。
「ちぃっ!逃したかっ!」
リナは舌打ちすると、獲物を狙う猛禽類のような眼でナーガ達を振り返った。


「ふう・・・危なかった・・・」
たった今、リナが消えた厨房のドアの上で、ハーリーはため息をつく。
『ふっ・・・・灯台下暗し・・・・か。』
「そういう事。特に、リナさんは自分の感に絶対の自信を持ってるらしいから・・・こういう所に隠れてるとは思わない。」
そう言って、得意の苦笑をすると、ハーリーは地面に降り立つ。
「それでは、ナーガさん他四名の犠牲者に・・・・黙祷」
そう言って、黙って厨房に頭を下げ、ハーリーは街中に消えていった。


『・・・貴様、自覚しているんだろう』
町に入って数時間。何故かLは疲れたような声を出した。
その原因は・・・・

「キャァァァ!見てみて、次はあそこに入ってるわ!!」
「うっわぁ!オッシャレー!!ねえねえ、アタックしてみない?」
「ええぇ〜どうしよっかな〜!でもさあ、あんなに素敵な人なら、恋人も居るんじゃない?」
「そうよねぇ・・・・あっ!今あの子、こっち向いたわよ!!キャァァ!!あ、あたしを見てるぅぅぅぅぅぅ!!」
「違うわよ!見てるのは私じゃない!!」
「ちっが〜〜う!私よ!絶対っ!」

「・・・・そりゃあ・・・・幾らなんでも、あそこまであからさまだと気づきますよ。まあ、前も結構モテてましたし・・・」
まあ、自分を押し倒した者が居るくらいだ。しかも、ハーリーは十分モデルで通じる容姿である。
女の子達の羨望の眼差しを受けつつ、ハーリーは町を回った。

黄昏時
薄暗い森の中へ、一つの人影が入り込んでいった。
ハーリーである。

「さて・・・・L。どなたさんがついて来てるんだ?」
街中で堂々と殺気をぶつけてきた相手である。そこそこ期待できるだろう。
『・・・一体は中級魔族だ。もう二体は、どうやら下級のようだな』
さも面倒くさそうにLは言い放つ。
「・・・・・成る程・・・確かに、精神生命体ってだけはありますね・・・気配はすれど、姿は見えず・・・か。」
面白そうに笑うハーリー。口が、ゆがんだ笑みを浮かべている。
「では『血まみれピエロ』の愉快な悲劇・・・ご覧あれ・・・・」


・・・・ギギィ!?

ハーリーが居たはずの場所に、三体の魔族が現れる。
だが、その場にはすでに誰も居なくなっていた。
そう。『誰も居ない』のである。
人間が消えるなど、あるはずが・・・・
唯一の中級魔族がそう思った

瞬間、



ピィィィィィィィンっ!



何かが張り詰める音と共に、三体の魔族は束縛される。
もがこうとしても、その『束縛している物』が体にダメージを与え、ドンドン魔力が抜けていく。
アストラルに逃げようとするが、それも敵わない。逆にダメージが重なるだけである。

『ふん・・・貴様の体と、身に着けていた物には私の力が染み込んでいる。この世界に存在する物で、切れぬもの等ある筈が無い。』
当たり前、と言うように、Lは笑う。
「全く・・・大したものですよ。・・・・・・さて・・・・そろそろ終演です。エキストラの三体には・・・舞台から降りてもらいましょうか。」
言いつつ、徐々に三体を縛る”剣糸≠ェ締まっていく。
すでに、下級魔族は消滅しかけている。辛うじて中級がまだ健在であったが、それも時間の問題であろう。
「さて・・・・名乗っておきましょうか。僕はハーリーです、魔族さん。初めまして。そして・・・『サヨウナラ』」

ピンっ!

その音と共に、三体の魔族の亡骸が地に落ちる。
そして・・・青い炎が巻き上がり、三体はこの世から姿を消した。

「おやおや・・・ヴェンヒットさん、消されちゃいましたね。」
その声と共に、男は現れた。
神官服を着た、黒髪の男である。
「・・・・・こいつ等の仲間ですか・・・・・聞きたいのですが、何故この連中は僕を襲ったんですか?」
その男に、ハーリーはそう尋ねた。
「いえ、ただ、今までに他の世界から人が来る・・・何てことは無かったんで、調べていたんですよ。どうやら・・・・警戒していて正解だったようですが・・・・・・ね」
・・・どうやら、向こうはやる気満々のようである。


数時間後
戻ってきたハーリーの活躍により、厨房デスマッチは終わりをつげたらしい。
その後、リナが泣いていたと言う話は、余りに有名である。





今回、あとがきはないです。また次回に向けて頑張ります!!